JP3115348U - 運動用被服 - Google Patents

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隆智 永瀬
昭彦 鈴木
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Abstract

【課題】 伸縮性が高い生地に対してもきれいにスライドファスナを取り付けることができ、前開き部のスライドファスナで開閉動作を容易に行うことができる運動用被服を提供する。
【解決手段】 体表面に密着して着用される伸縮性を有する生地16によって構成され、生地16の下腹部近傍に線状の前開き部20を設け、前開き部20にスライドファスナ26を取り付ける。前開き部20の一側縁部を形成する生地16に連結され、生地16の裏面側に折り返され低伸張性の素材で作られた見返し片22を設ける。見返し片22の端縁部にスライドファスナ26の一方のファスナーテープ28を固定し、前開き部20の他方の側縁部を形成する生地16の端縁部には、他方のファスナーテープ29を固定する。スライドファスナ26の裏側面に重ねられ他方のファスナーテープ29に固定され低伸張性の素材で作られた持ち出し片32を設ける。
【選択図】図1

Description

この考案は、各種の運動競技やそれに準じる運動等をするために着用されるタイツ等の運動用被服に関する。
従来、運動用のタイツとして、例えば、特許文献1等に開示されている運動用被服があった。このタイツは体表面に密着して着用される伸縮性素材によって構成され、高い伸縮性を有する生地で形成されている伸縮部と、上記伸縮部とは異なる素材構造または異なる素材構成を有し上記伸縮部より緊締力が大きい緊締部が設けられているものである。
特開2005−48332号公報
上記従来の技術の場合、タイツは身体に密着するように身体より小さく設計されているため、着用時は生地が伸ばされている。しかし、このような男性用タイツに前開き部を形成し、前立て用スライドファスナを設けると、生地が伸ばされて張力が生じているためスライダを摺動させて行う開閉操作が非常に困難であった。このようなタイツに装着したスライドファスナを開閉するときは、スライダの動きに追従してさらに生地が伸張するため、ファスナエレメントが噛み合わず、スライドファスナ付近の生地を押さえたり寄せたりしながら操作しなければならない。また、スライドファスナを取り付ける際はスライドファスナ付近の生地が伸びるため、不安定となり、また縫製時に生地が伸ばされて波打ち現象が起こり、外観が良くなかった。
その他、前立て部でスライドファスナが露出する構造のものは、生地や皮膚をかむ恐れがあり、外観も良くなく下着のような印象であった。さらに、このようなタイツの上にズボンを重ね履きをするとき、スライダがウエスト部分に一致して、掴みにくいため不便であった。
この考案は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、伸縮性が高い生地に対してもきれいにスライドファスナを取り付けることができ、前開き部のスライドファスナで開閉動作を容易に行うことができる運動用被服を提供することを目的とする。
この考案は、体表面に密着して着用される伸縮性を有する生地によって構成されていた運動用被服であって、前記生地の下腹部近傍に線状の前開き部を設け、この前開き部にスライドファスナを取り付け、前記前開き部の一側縁部を形成する生地に連結され前記生地の裏面側に折り返され、非伸縮性の生地を含む低伸張性の素材で作られた見返し片を設け、前記見返し片の端縁部に前記スライドファスナの一方のファスナーテープを固定し、前記前開き部の他方の側縁部を形成する生地の端縁部には他方のファスナーテープを固定し、前記スライドファスナの裏側面に重ねられ前記他方のファスナーテープに固定され低伸張性の素材で作られた持ち出し片を設け、前記スライドファスナは、前記見返し片と前記持ち出し片の間に積層される運動用被服である。
前記持ち出し片の裏面側には、柔軟な裏当片が設けられている。さらに、前記前開き部は、身体の前側のほぼ中心に、伸縮性を有する生地で作られた左右のパーツを縫い合わせた上下方向に沿う縫い目に設けられ、ウエストよりも僅かに下の位置から股部近傍までの間に設けられている。
本考案の運動用被服は、伸縮性が高い生地に対してきれいにスライドファスナを取り付けることができ、前開き部のスライドファスナの開閉操作を容易に行うことができるものである。これにより、小用時の操作を容易にし、快適に着用することができる。
以下、この考案の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図3はこの考案の一実施形態を示すもので、この実施形態の運動用被服は、ウエストラインから踝に達する男性用タイツ10である。タイツ10は、伸縮素材で形成され、タイツ10の大部分を示す伸縮部12は高い伸縮性を有する生地、例えば地糸(2本)で編まれた緯編み、平編み(プレーン編み)、経編み等により形成されている。伸縮部12以外の部分は、緊締力が強い生地が裏打ちされた緊締部14が設けられている。ここで、緊締力が強い生地は、例えば、緯編み、タック編み、経編み等の変形組織、その他伸縮部12よりも張力の強い素材が裏打ち等されている。
タイツ10のウエスト部には、伸縮部12を形成する生地16で作られた左右のパーツを縫い合わせた縫い目18が、身体の前側のほぼ中心で上下方向に設けられている。縫い目18は、生地16の表面同士を縫い合わせて連結してあり、縫い目18の下腹部側に位置する部分は、縫い合わせのない前開き部20となっている。前開き部20の、着用者の左側に位置する生地端部16aには、見返し片22が縫い付けられている。見返し片22は、低伸張性の素材で作られ、生地16の裏面側に折り返されている。見返し片22の折り返された端部22aにはほつれ止めと肌触りを柔らかくするための縁取りテープ24が取り付けられている。
見返し片22の端部22aと、前開き部20の着用者の右側に位置する生地端部16bの間には、スライドファスナ26が上下方向に取り付けられ、前開き部20を開閉可能としている。スライドファスナ26の一対のファスナーテープ28,29の一方のファスナーテープ28は、見返し片22の端部22aと、生地端部16aに縫い付けられている。また、他方のファスナーテープ29は、他方の生地端部16b側に縫い付けられている。ファスナーテープ28,29には互いに噛合するエレメントが設けられ、エレメント列上を摺動してエレメントの噛合と解除を行うスライダ30が設けられている。スライダ30には図示しない引き手が設けられ、引き手の形状は細長く、樹脂カバーが装着されている。
生地端部16bに連続して、スライドファスナ26のファスナーテープ29の裏面側には、低伸張性の生地で作られた持ち出し片32と、持ち出し片32の裏側面に重ねられた柔軟な裏当片34が設けられている。持ち出し片32と裏当片34はあらかじめ縫い合わされており、生地端部16bから離れた側の端部は中表になるように、縫い合わされて折り曲げられている。さらに、生地端部16bに縫い付けられる持ち出し片32と裏当片34の端部には、二枚をまとめて縁取りテープ36が縫い付けられている。縁取りテープ36は、持ち出し片32と裏当片34以外にファスナーテープ28や生地端部16bの折り返された端部を覆って取り付けてもよい。そして、縁取りテープ36側の端部とファスナーテープ29及び生地端部16bが縫い付けられている。
タイツ10のウエスト部分は、生地16を裏側面に折り返してベルト部38が設けられている。ベルト部38は身体を一周して設けられ、ベルト部38の内側は筒状に形成されている。ベルト部38内側にはサイズ調整用の紐体40が挿通されている。ベルト部38の身体前側で裏側面には、一対の紐通し穴42が形成され、一対の紐通し穴42から紐体40の端部が引き出されている。
ここで、見返し片22、持ち出し片32、裏当片34は、いずれもスライドファスナ26よりわずかに幅広で上下方向に長い矩形に形成され、スライドファスナ26に重なる位置に設けられて前立て部分を形成している。見返し片22、持ち出し片32、裏当片34の上端部は、ベルト部38に縫い付けられている。見返し片22、持ち出し片32、裏当片34の下端部は、前開き部20の下端部付近で、生地端部16a,16bに縫い付けられている。
この実施形態のタイツ10によれば、伸縮性が高い生地に確実できれいにスライドファスナ26を取り付けることができる。これにより下腹部にスライドファスナ26で開閉自在な前開き部を設けて、小用時の操作を容易にし、快適に着用することができる。ウエスト部分を下ろして脱いだりすることがなく、また緊締部14を有するタイツでも、再び所定の位置に戻す等の手間が要らず、簡単にトイレを済ますことができる。スライドファスナ26は下腹部に設けられてウエストより低い位置にあるため、表側にズボンを重ね履きしているときも、ズボンの前開き部の上止めより下になり、スライダ30に手が届きやすく、操作が容易で簡単である。
また、前開き部20の両側の生地端部16a,16bに低伸張性の見返し片22と持ち出し片32が設けられているため、生地端部16a,16bの伸縮性を制限し、また張りを持たせてすっきりとした外観となる。さらに、スライドファスナ26周辺の伸縮性のある生地16が波打つことがなく、外観がすっきりとして良好である。スライドファスナ26は生地16に覆われて露出していないため、下着のような印象はなく、外側に着ていても自然で違和感がない。
その他、小用時に前開き部20の内側が見えにくく、スライドファスナ26が露出していないため、上着の裾部や表側に重ね履きしたズボンの生地を噛むことを防ぐ。スライドファスナ26の内側には低伸張性の持ち出し片32とともに柔軟な裏当片34が設けられているため、スライダやエレメント等の硬い部材が肌に当たることがなく、肌触りが良く、快適に着用することができる。スライドファスナ26のスライダ30に設けられた引き手は、細長くつまみやすい材質で作られ、開閉操作を軽快に行うことができる。見返し片22や裏当布34の縁部は、縁取りテープ24,36で縁取られているため、さらに肌触りが良好である。
生地端部16a,16bの伸縮性が制限されるため、スライドファスナ26のスライダ30を摺動させて開閉するとき、生地端部16a,16bが摺動方向に伸びることを防ぎ、片手でも簡単に操作することができる。
なお、この考案の運動用衣服は、上記実施の形態に限定されるものではなく、各部材の幅や長さ等自由に設定可能である。見返し片や持ち出し片の素材は適宜選択可能である。また、低伸張性生地は、用途に合わせてほとんど伸縮しない非伸縮性生地から僅かの伸張が可能な生地まで、適宜選択可能である。見返し片や持ち出し片の素材や端部の処理方法も、肌に刺激を与えないものであれば、縁取りテープや裏当片を省略することができる。用途は、タイツの他に、スパッツや水着等、種種の被服に利用することができる。
この考案の一実施形態の運動用被服の前立部分で裏側面を示す図である。 この実施形態の運動用被服の前立部分の部分破断斜視図である。 この実施形態の運動用被服の正面図である。
符号の説明
10 タイツ
12 伸縮部
14 緊締部
16 生地
20 前開き部
22 見返し片
24 縁取りテープ
26 スライドファスナ
28,29 ファスナーテープ
32 持ち出し片
34 裏当片

Claims (3)

  1. 体表面に密着して着用される伸縮性を有する生地によって構成されていた運動用被服において、前記生地の下腹部近傍に線状の前開き部を設け、この前開き部にスライドファスナを取り付け、前記前開き部の一側縁部を形成する生地に連結され前記生地の裏面側に折り返され低伸張性の素材で作られた見返し片を設け、前記見返し片の端縁部に前記スライドファスナの一方のファスナーテープを固定し、前記前開き部の他方の側縁部を形成する生地の端縁部には他方のファスナーテープを固定し、前記スライドファスナの裏側面に重ねられ前記他方のファスナーテープに固定され低伸張性の素材で作られた持ち出し片を設け、前記スライドファスナは、前記見返し片と前記持ち出し片の間に積層されることを特徴とする運動用被服。
  2. 前記持ち出し片の裏面側には、柔軟な裏当片が設けられていることを特徴とする請求項1記載の運動用被服。
  3. 前記前開き部は、身体の前側のほぼ中心に、伸縮性を有する生地で作られた左右のパーツを縫い合わせた上下方向に沿う縫い目に設けられ、ウエストよりも僅かに下の位置から股部近傍までの間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の運動用被服。
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