JP3115302B2 - 原稿読み取り装置 - Google Patents

原稿読み取り装置

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JP3115302B2 JP02160411A JP16041190A JP3115302B2 JP 3115302 B2 JP3115302 B2 JP 3115302B2 JP 02160411 A JP02160411 A JP 02160411A JP 16041190 A JP16041190 A JP 16041190A JP 3115302 B2 JP3115302 B2 JP 3115302B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ページめくり機能を有する自動原稿給送装
置を備えた複写機及びファクシミリ等の原稿読み取り装
置に関する。
(従来の技術) 複写機及びファクシミリ等における原稿読み取り装置
として、シート原稿を原稿読み取り位置に自動的に搬送
して原稿情報を読み取り、読み取りの終了した原稿を上
記原稿読み取り位置から自動的に排出する自動原稿給送
装置(ADF)が知られている。
このように、原稿がシート原稿の場合には、ADFを搭
載することにより、その原稿情報の読み取りを自動的に
行うことができるが、原稿がブック原稿の場合には、自
動ページめくり機構の実現が事実状困難なため、現段階
では、ブック原稿のページめくりを手動的にしか行うこ
とができない状況にある。
従来、こうした現状に鑑み、手間の掛るブック原稿の
読み取りを自動化するための方法や手段の提案が種々な
されている。
このブック原稿の自動読み取りに関する従来の技術と
しては、例えば、 特開昭54−21836号公報「複写機における読み取り装
置」、 特開昭61−284492号公報「ブック状原稿の自動ページ
替え装置」、 特開昭56−60294号公報「本のページめくり装置」、 特開昭60−122932号公報「画像形成装置」、 特開昭63−47197号公報「自動ページめくり装置」、 特開昭63−47198号公報「自動ページめくり装置」、 特開昭63−49743号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−49744号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−49745号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−49746号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−49747号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−49748号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−49749号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−49750号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−50825号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−50826号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−50827号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−50828号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−51192号公報「原稿処理装置」、 特開昭63−41192号公報「ページめくり装置」、 特開昭63−42895号公報「自動ページめくり装置」、 実開昭63−43141号公報「原稿めくり装置」、 特開昭63−67191号公報「ページめくり装置」、 特開昭63−67192号公報「ページめくり装置」、 実開昭63−41588号公報「書籍の改ページ装置」、 特開昭62−267196号公報「ページめくり装置の安全装
置」、 特開昭62−267197号公報「ページめくり装置の安全装
置」、 特開昭62−234462号公報「イメージスキャナ」、 特開昭63−33738号公報「複写機」、 特開昭62−273892号公報「頁めくり装置」、 特開昭63−64797号公報「頁めくり装置」、 などが提案されている。
しかしながら、上記の従来技術は、アイデアのみの提
案が多く、およそ実現し得るレベルには到達していな
い。
(発明が解決しようとする課題) ところで、前述したように、アイデアの域を出ない提
案の多いなかにあって、例えば、特開昭61−284492号公
報、及び特開昭62−35891号公報に記載されている技術
のように、実用化の可能性を有する提案もあるが、この
技術は、ブック原稿の原稿情報の読み取り面を下方にし
て見開いて載置し、このブック原稿を移動しながらその
ページを吸引して分離する方法を採用している。
しかしながら、この方法のように、見開きブック原稿
を下向きに載置してブック原稿を移動させた場合には、
ブック原稿自体の自重によりその原稿面が原稿載置面を
擦るため、そのページめくり動作が信頼性に欠けたもの
となる欠点がある。
また、この従来の方法では、そのページめくり装置の
構造だけでもかなり大型化して、高コストになる不具合
がある。
なお、前記従来技術のなかには、見開かれたブック原
稿の原稿情報面を上向きにしローラやアーム等、吸引に
よる負圧でページめくりを行うように構成されたページ
めくり装置もあるが、この種の従来のページめくり装置
は、大型なページめくり装置がブック原稿の上部空間を
移動するように構成されるため、かなり大型で、高価な
装置となる不具合がある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、
その目的は、1台の装置に、シート原稿の自動原稿給送
装置(ADF)の有する自動原稿給送・読取機能と、ブッ
ク原稿の読み取り及び自動ページめくり機能との両機能
を備えた小型な原稿読み取り装置を安価に提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、見開かれたブック原稿を上向きに載置する
原稿載置台と、上記原稿載置台に載置されたブック原稿
の綴じ部と交差する方向に移動可能であり、この移動方
向に移動することにより上記ブック原稿のページをめく
るめくりユニットと、上記ブック原稿の略全面を押さえ
る押さえベルトと、上記押さえベルトに吸着力を与える
ページ吸着手段とを有し、上記押さえベルトは、上記め
くりユニットの移動方向の前後に分割されて同めくりユ
ニットに対して開口部を形成し、上記めくりユニットの
めくり方向への移動に伴い、上記開口部において、上記
めくりユニットの移動方向の上流側に位置するベルトが
送り出され、下流側のベルトが巻き上げられるととも
に、上記ページ吸着手段で下流側のベルトに与えられた
吸着力によって上記ブック原稿の最上位のページを吸着
して上記開口部より上記めくりユニットに案内すること
を特徴としている。
(作 用) 本発明によると、めくりユニットが原稿載置台に載置
されたブック原稿の綴じ部と交差する方向に移動する
と、ブック原稿のページがめくられる。このとき、ブッ
ク原稿の略全面を押さえる押さえベルトが、めくりユニ
ットの移動方向の前後に分割されて同めくりユニットに
対して開口部を形成し、めくりユニットのめくり方向へ
の移動に伴い、開口部において、このめくりユニットの
移動方向の上流側に位置するベルトが送り出され、下流
側のベルトがを巻き上げられるとともに、ページ吸着手
段による吸着力が下流側のベルトに与えられるので、ブ
ック原稿の最上位のページが押さえベルトに吸着されつ
つ開口部よりめくりユニットに案内される。
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明す
る。
但し、本明細書の記述から明らかに想起し得る範囲の
構成・作用、及び本発明の前記並びにその他の目的と新
規な特徴については、説明の煩雑化を避ける上から、そ
の図示並びに開示を省略、もしくは簡略化する。
先ず、第1図を参照しながら、本発明による原稿読み
取り装置におけるめくり搬送ベルトの周辺の構成につい
て説明する。
第1図は、本発明を実施した、マルチ・ファンクショ
ン・ドキュメント・スキャナA(以下、“MFDS"とす
る)の概略断面図である。
第1図において、めくり搬送ベルト8は、駆動ローラ
12、テンションローラ13、第1ベルト支持ローラ97、第
2ベルト支持ローラ98、第3ベルト支持ローラ99、第4
ベルト支持ローラ100、及び、第5ベルト支持ローラ101
により支持されている。
このとき、めくり搬送ベルト8は、ページめくり読取
ユニット1のめくりローラ2、第1バイアスローラ3、
第1ローラ4、第2ローラ5、及び、押えローラ6を介
して、このページめくり読取ユニット1を取り巻くよう
に支持されている。
テンションローラ13は、ベルトテンションスプリング
112によって、第1図において左方向に引っ張られ、め
くり搬送ベルト8に適度なテンションを与え、ブック原
稿92の原稿面を押圧している。
ベルトテンションセンサ32は、テンションローラ13の
移動量からめくり搬送ベルト8のテンションを検出して
いる。
一方、MFDSの搬送部19の上部には、シート原稿200を
セットするためのシート原稿トレイ94と、シート原稿20
0のサイド方向のセット位置を調整するシート原稿サイ
ドガイド93と、排紙されたシート原稿200が載置される
排紙トレイ23とが、それぞれ配設されている。
また、MFDSの給紙部21(第1図の右上方)には、シー
ト原稿200のセットの有無を検知するシート原稿センサ2
5と、シート原稿200を一枚ずつ分離給紙する給紙ローラ
96及び給紙分離パッド95と、シート原稿200の給紙タイ
ミングをはかる給紙センサ26とが配設されており、さら
に、シート原稿200の搬送路を構成する第1搬送ガイド1
08及び第2搬送ガイド109が配設されている。
さらに、ベルト支持ローラ97の僅かに左側のめくり搬
送ベルト8の外側には、シート原稿200の搬送時の帯電
用としての第2バイアスローラ11があり、その内側に
は、支持用のバイアス対向ローラ102がある。
また、第2搬送ガイド109の下端には、搬送ガイド爪1
15があり、シート原稿200の搬送を補助している。
さらに、第4ベルト支持ローラ100には第6対向ロー
ラ105、第5ベルト支持ローラ101には第7対向ローラ10
6、駆動ローラ12には排紙ローラ107が、めくり搬送ベル
ト8を挾んでめくり搬送ベルト8の外側にそれぞれ配設
されている。
また、第3ベルト支持ローラ99から駆動ローラ12まで
のめくり搬送ベルト8の外側には、シート原稿200の搬
送路を構成する第3搬送ガイド110が配設されている。
ここで、第2ベルト支持ローラ98から第3ベルト支持
ローラ99までの間は、原稿台18の上面の原稿載置面116
がシート原稿200の搬送路として使用される。
この原稿載置面116は、プレスキャンしてブック原稿9
2のサイズを検出する際に、このブック原稿92の先端の
検知をし易くするために、黒色に形成されている。
一方、第1図において左上方のMFDSの排紙部22には、
排紙ローラ107の手前に排紙センサ28があって、シート
原稿200の排紙時におけるジャムの有無を検知してい
る。
また、この排紙部22の排紙口117の下側には、排紙分
離爪111が形成されており、シート原稿200のスムーズな
排紙を補助している。
MFDSの原稿台18には、第2ベルト支持ローラ98の下側
に第4対向ローラ103が、第3ベルト支持ローラ99の下
側に第5対向ローラ104がそれぞれ配設され、ページめ
くり読取ユニット1がホームポジション位置1−Aにあ
るときのめくりローラ2の下側に第1対向ローラ15が、
押えローラ6の下側に第2対向ローラ16が、第1読み取
りセンサユニット9の下側に第2読み取りセンサユニッ
ト14が、それぞれ配設されている。
また、ページめくり読取ユニット1がエンドポジショ
ン位置(シート原稿200の読み込みモード時におけるペ
ージめくり読取ユニット1の停止位置)1−Cにある時
の、第1読み取りセンサユニット9の下側には第3対向
ローラ17が、めくりローラ2の下側にはブックサイズ上
限センサ33が、それぞれ配設されている。
さらに、原稿載置面116の中央には、ブック原稿92の
載置位置を決めるための中央基準位置決め部24が形成さ
れている。
この中央基準位置決め部24には、ブック原稿92が載置
された状態でブック原稿92の背に当接する中央位置決め
板113と、この中央位置決め板113に対して上昇する習性
を与えるための中央位置決めスプリング114と、ブック
原稿92の載置状態における中央位置決め板113の下方へ
の変位量を検出するブック原稿センサ27とが、それぞれ
配設されている。
このように構成された原稿台18の下部には、MFDSを略
水平に支持するためのスタンド91が設けられている。
一方、搬送部19の原稿台18と接する部位の両脇には、
搬送部ロックセンサ31を内蔵した搬送部ロック装置140
が配設されており、搬送部19と原稿台18との開閉状態を
検知している。
以上述べたように、このMFDSは、シート原稿200の自
動原稿給送・読取機能と、ブック原稿の読み取り及び自
動ページめくり機能との両機能を合わせ持った原稿読み
取り装置として構成される。
次に、第2図乃至第4図を参照しながら、この原稿読
み取り装置における駆動系の構成について説明する。
第2図は、MFDSの駆動系の概略横断面図である。
第3図は、MFDSの駆動系の概略平面図である。
第4図は、ページめくり読取ユニット1の端部の斜視
図である。
第2図乃至第4図において、ページめくり読取ユニッ
ト1は、めくりユニット駆動板49のスキャニングパイプ
51が、MFDSの手前側と奥側とに平行に横架された一対の
スキャニングロッド50に嵌挿されることによって、MFDS
の左右方向に沿って摺動自在に支持されている。
各スキャニングロッド50は、MFDSの搬送部右側板58
と、搬送部左側板59とに、それぞれの端部が固定されて
いる。
また、第3図に示すように、搬送部前側板56と搬送部
後側板57との間には、第1シャフト64と第2シャフト65
とが、それぞれ回転自在に軸支されている。
これらの第1シャフト64と第2シャフト65には、駆動
プーリ62と従動プーリ63とが、その手前側と奥側とに、
それぞれ1つずつ固定されていて、これらの駆動プーリ
62と従動プーリ63を一対として、2本のめくりユニット
駆動ベルト52が、それぞれ懸架がされている。
このページめくり読取ユニット1は、第3図及び第4
図に示すように、めくりユニット駆動板49の駆動ベルト
固定部53で、駆動ベルト固定板54と駆動ベルト固定ビス
55によって、めくりユニット駆動ベルト52と固定されて
おり、このめくりユニット駆動ベルト52の回動により駆
動される。
また、第1シャフト64には、搬送部後側板57を挾ん
で、その奥側に第1ギア66が固定されており、この第1
ギア66がめくりユニット駆動モータ60の出力軸に固定さ
れた第2ギア67と噛み合って、めくりユニット駆動モー
タ60の回転が伝達され、駆動プーリ62、めくりユニット
駆動ベルト52、従動プーリ63、及び、ページめくり読取
ユニット1が、それぞれ駆動される。
一方、第3図に示すように、第4ベルト支持ローラ10
0と同軸固定された第3シャフト121、駆動ローラ12と同
軸固定された第4シャフト122、給送ローラ96と同軸固
定された第7シャフト125、第1ベルト支持ローラ97と
同軸固定された第8シャフト126は、搬送部前側板56と
搬送部後側板57との間にそれぞれ回転自在に軸支されて
いる。
第4シャフト122には、搬送部後側板57を挾んで、そ
の奥側に第3ギア68が固定されている。
また、第4ギア69と第5ギア73とは、同軸固定され回
転自在に軸支されている。
さらに、めくり搬送ベルト駆動モータ61の出力軸に固
定された第6ギア74は第5ギア73と、また、第4ギア69
は第3ギア68と、それぞれ噛み合っていて、めくり搬送
ベルト駆動モータ61の回転を順次伝達し、駆動ローラ12
を駆動してめくり搬送ベルト8を回動させる。
また、第2図及び第3図に示すように、第8シャフト
126には、搬送部後側板57の奥側に第2給紙プーリ130
が、第7シャフト125には、搬送部後側板57の奥側に給
紙クラッチ128を介して第1給紙プーリ129が、それぞれ
固定されており、第2給紙プーリ130と第1給紙プーリ1
29とには、給紙駆動ベルト127が懸架されている。
これにより、めくり搬送ベルト8の回動によって回転
された第1ベルト支持ローラ97の回転は、第8シャフト
126、第2給紙プーリ130、給紙駆動ベルト127、第1給
紙プーリ129に順次伝達され、給紙クラッチ128の入力側
に伝達される。
また、メイン制御ボード310(第50図参照)から送ら
れる制御信号によって、給紙クラッチ128が作動し、第
7シャフト125及び給紙ローラ96が駆動される。
一方、第1図に示した、第1対向ローラ15、第2対向
ローラ16、及び、第3対向ローラ17は、図示しない駆動
伝達機構によって、めくり搬送ベルト8と同期し、且
つ、同じ周速でそれぞれ駆動される。
次に、第1図乃至第4図を参照しながら、ページめく
り読取ユニット1の構成について説明する。
第1図乃至第4図において、第1めくりユニット側板
40と、第2めくりユニット側板41は、めくり搬送ベルト
8を挾む位置に互いに対向して配置されており、これら
の第1めくりユニット側板40と、第2めくりユニット側
板41との間には、めくりローラ2、第1バイアスローラ
3、第1ローラ4、第2ローラ5、及び、押えローラ6
がそれぞれ回転自在に支持されている。
これらの各ローラの支持構造は、何れも同じに構成さ
れている。
そこで、第1ローラ4を例に取って説明すると、この
第1ローラ4は、第5図に示すように、第1めくりユニ
ット側板40と第2めくりユニット側板41に両端部が固定
された第5シャフト123が、中空軸からなるこの第1ロ
ーラ4の中空部に挿通され、この第5シャフト123に配
設された一対の軸受131によって、この第1ローラ4の
両端部が支持されることにより、第5シャフト123に対
して回転自在に支持されている。
ここで、これらのめくりローラ2、第1バイアスロー
ラ3、第1ローラ4、第2ローラ5、及び、押えローラ
6は、自らは回転せず、めくり搬送ベルト8の回動によ
ってのみ回転される。
また、第1めくりユニット側板40と第2めくりユニッ
ト側板41の外側には、第1図に示す第1読み取りセンサ
ユニット9の長手方向の延長位置に、回動支持ロッド42
(両側とも同じに構成されている)がそれぞれ回転自在
に支持されている。
そこで、この回動支持ロッド42の片側のみの支持構造
を説明すると、この回動支持ロッド42は、第4図に示す
ように、摺動パイプ43、第2スプリング止め爪48、上限
検知部76と一体に構成されている。
第4図において、傾き修正スプリング44は、ねじりコ
イルスプリングで形成されており、その一端が回動支持
ロッド42に、他端が第1めくりユニット側板40に、それ
ぞれ固定されている。
この傾き修正スプリング44は、その自然状態、すなわ
ち、傾き修正スプリング44に外力が加わっていない状態
において、摺動パイプ43の軸心方向(第4図の上下方
向)と、第1読み取りセンサユニット9の読取光学系の
光軸方向(第1読み取りセンサユニット9の第1めくり
ユニット側板40及び第2めくりユニット側板41に対する
移動方向(詳しくは後述))とを一致させるように構成
されている。
これにより、第1めくりユニット側板40及び第2めく
りユニット側板41が、各回動支持ロッド42を中心として
それぞれ一体的に回転した際、この傾き修正スプリング
44によって、これらの第1めくりユニット側板40及び第
2めくりユニット側板41に対して常に初期状態の姿勢に
戻そうとする回転力が作用し、これらの第1めくりユニ
ット側板40及び第2めくりユニット側板41の傾きが適時
修正される。
また、摺動パイプ43は、第4図に示すように、摺動支
持ロッド46に対して滑らかに摺動するように構成されて
いる。
この摺動支持ロッド46の上端は上部ロッド支持板70
に、また、この摺動支持ロッド46の下端は下部ロッド支
持板71に、それぞれ固定されている。
また、上部ロッド支持板70には第1スプリング止め爪
47が、摺動パイプ43の上部には第2スプリング止め爪48
が、それぞれ形成されており、これらの第1スプリング
止め爪47及び第2スプリング止め爪48によって、摺動パ
イプ43と上部ロッド支持板70との間に軸装された、めく
りユニット上下スプリング45の両端がそれぞれ係止され
ている。
ここで、摺動パイプ43は、通常の状態では、下部ロッ
ド支持板71に当接しているが、ページめくり読取ユニッ
ト1が外力を受けることによって、めくりユニット上下
スプリング45の弾力に抗し、摺動支持ロッド46に沿っ
て、第4図において上方に摺動する。
このとき、摺動パイプ43には、第2スプリング止め爪
48を常に下方に押圧する、めくりユニット上下スプリン
グ45の弾力によって、上述の通常の状態に戻ろうとする
摺動力が作用している。
また、この摺動パイプ43の上方への摺動範囲は、めく
りユニット駆動板49に配置されたスキャンカットオフセ
ンサ34が、摺動パイプ43に設けられた上限検知部76を検
知した状態で、摺動パイプ43の上方への摺動位置が限界
位置となるように設定されている。
一方、めくりユニット駆動板49は、第4図に示すよう
に、上部ロッド支持板70、下部ロッド支持板71、第1ス
プリング止め爪47、スキャニングパイプ51、駆動ベルト
固定部53、及び、ホーム検知フィラ75と一体的に形成さ
れている。
また、このめくりユニット駆動板49の駆動ベルト固定
部53は、前述したように、駆動ベルト固定板54と駆動ベ
ルト固定ビス55によって、めくりユニット駆動ベルト52
に固定されている。
さらに、このめくりユニット駆動板49のスキャニング
パイプ51は、スキャニングロッド50に対して滑らかに摺
動するように嵌合されている。
これにより、前述したように、めくりユニット駆動ベ
ルト52が駆動されて、ページめくり読取ユニット1が、
そのホームポジション位置1−Aに到達した時点で、第
3図に示すホームセンサ30により、スキャニングパイプ
51のホーム検知フィラ75が検知されるように構成されて
いる。
次に、第6図乃至第8図を参照しながら、この原稿読
み取り装置における搬送部ロック装置の構成について説
明する。
第6図乃至第8図は、MFDSの両側部に配設された搬送
部ロック装置140(両側とも同じ構成)の一方の構成を
示す概略図である。
この搬送部ロック装置140は、ロック解除ソレノイド1
32、及び、ロック杆134等で構成されている。
第6図乃至第8図において、ロック解除ソレノイド13
2は、ロック解除ソレノイドアーム133の一端と連結され
ている。
ロック解除ソレノイドアーム133の他端は、ロック杆1
34の一端と回転自在に軸支されている。
このロック杆134のロック解除ソレノイドアーム133に
対向するがわの側部には、電磁ロック141が配置されて
いる。
また、ロック杆134の他端には、ロック解除ソレノイ
ドアーム133が配置されているがわに向けて鍵爪状に折
曲されたロック爪134aが形成されている。
ロック杆134は、回転部136で回転自在に支持されてお
り、その回転部136の上部がわが、ロックスプリング135
の一端に繋がれている。
このロックスプリング135の他端は、搬送部19の一部
に繋がれていて、これにより、ロック杆134に対して、
第6図において、時計回転方向への回動習性を与えてい
る。
このロック杆134の回動習性による回動は、その回転
部136の左下側に配置されたロック爪ストッパ137によっ
て、所定の角度に阻止されている。
一方、原稿台18側には、ロックピン139、及び、搬送
部ロックセンサ31が配置されたロック部138が形成され
ている。
第6図において、搬送部19を押し下げながら閉じてい
くと、第7図に示すように、ロックピン139にロック杆1
34のロック爪134aの下端が当接して、ロック杆134がそ
の回転部136を回転軸として、反時計回りに回動され
る。
この状態から、搬送部19をさらに閉じていくと、第8
図に示すように、ロック杆134のロック爪134aがロック
ピン139に引っかかって、搬送部19が原稿台18に固定さ
れる。
また、この搬送部19のロック動作時に、ロック杆134
のロック爪134aによって、搬送部ロックセンサ31が作動
される。
この搬送部19のロックの解除は、第16図に示す操作表
示ボード313のオープンキー620を押すことによって実行
される。
すなわち、操作表示ボード313のオープンキー620を押
下すると、ロック解除ソレノイド132が作動して、ロッ
ク杆134が回転部136を回転軸として反時計回りに回動
し、ロックピン139からロック杆134のロック爪134aが外
れ、図示せぬ搬送部開閉スプリングによって、搬送部19
が上方へ開放される(第10図参照)。
但し、このオープンキー620は、ブック原稿92の一連
のページめくり走査時、読み取り走査途中、及び、シー
ト原稿200の搬送中の場合には、作動しない(入力を受
け付けない)ようにプログラムされている。
また、このようにオープンキー620が入力を受け付け
ない状態では、電磁ロック141が作動され、この電磁ロ
ック141によって、ロック爪134aがロックピン139に係合
されたままの状態で、ロック杆134の回動が拘束される
ように構成されている。
上述のように構成されたMFDSは、第9図及び第10図に
示すように、例えば、プリンタ300の上部に搭載されて
使用される。
第10図は、上述したように、このMFDSの搬送部19を開
放した状態を示している。
次に、第11図乃至第13図を参照しながら、この原稿読
み取り装置におけるページめくり読取ユニット1の内部
の第1読み取りセンサユニット9の構成について説明す
る。
第11図は第1読み取りセンサユニット9の端部付近の
斜視図、第12図は第1読み取りセンサユニット9の端部
付近の側面図、第13図は第1読み取りセンサユニット9
の端部の詳細断面図である。
この第1読み取りセンサユニット9の両端部は、両方
共同じに構成されているので、ここではその片方のみの
構成を説明する。
第1読み取りセンサユニット9は、第11図に示すよう
に、コの字状に形成された読み取りセンサブラケット14
6によって、その上部が覆われており、かつ、この読み
取りセンサブラケット146に対して、上下動自在に配設
されている。
読み取りセンサブラケット146は、その両端が第1め
くりユニット側板40及び第2めくりユニット側板41に固
定されることによって、ページめくり読取ユニット1と
一体に構成されている。
この読み取りセンサブラケット146の端部の少し内側
には、読み取りセンサスタッド148が下向きに固定され
ている。
この読み取りセンサスタッド148の下端部は、第13図
に示すように、第1読み取りセンサユニット9の端部に
形成されているボス149に嵌合されている。
これにより、第1読み取りセンサユニット9が、読み
取りセンサスタッド148を介して、読み取りセンサブラ
ケット146に対して上下動自在に支持される。
ここで、読み取りセンサスタッド148とボス149とは、
読み取りセンサスタッド148の下端に形成されたフラン
ジ状の掛り部によって、それらの嵌合が外れないように
構成されている。
また、読み取りセンサブラケット146の読み取りセン
サスタッド148の基部と、第1読み取りセンサユニット
9のボス149の基部との間には、読み取りセンサスプリ
ング147が軸装されており、この読み取りセンサスプリ
ング147の伸長力によって、第1読み取りセンサユニッ
ト9に対して、下方への変位習性が付勢されている。
これにより、この第1読み取りセンサユニット9は、
常に、ページめくり読取ユニット1の最下部位に位置
し、例えば、ブック原稿92の表面の凹凸等によって外力
を受けた際に、この外力に逆らうことなく、ブック原稿
92の表面の凹凸等に沿って滑らかに上下動される。
また、第1読み取りセンサユニット9の端部には、第
11図に示すように、読み取りセンサ解除ソレノイドアー
ム151を介して、読み取りセンサ解除ソレノイド150が取
付けられている。
この読み取りセンサ解除ソレノイド150は、第12図に
示すように、第1めくりユニット側板40に固定されてお
り、第1読み取りセンサユニット9で原稿読み取り動作
を行なわずにページめくり読取ユニット1が移動される
とき、例えば、ページめくり動作時、非読み取りページ
の空走査時、及び、シート原稿スキャンモードのリター
ン時等に、この読み取りセンサ解除ソレノイド150が作
動される。
この読み取りセンサ解除ソレノイド150が作動される
と、読み取りセンサスプリング147の弾力に抗して、第
1読み取りセンサユニット9が上方へ移動され、その原
稿走査面が原稿の表面から退避(離隔)される。
この第1読み取りセンサユニット9は、めくりローラ
2の回転によって発せられるエンコーダ152の信号をそ
の画像読み取りの基準信号としている。
このめくりローラ2とエンコーダ152は、第14図に示
すように構成されている。
第14図は、めくりローラ2の奥側の側面図を示してい
る。
第14図において、めくりローラ2の奥側の端部には、
王冠状に形成されたフィラ153が配設されている。
フィラ153は、等間隔の同じ幅のスリットを円周上に
形成して構成されている。
エンコーダ152は、このフィラ153を上下に挾むように
して、第2めくりユニット側板41に固定されている。
これにより、このエンコーダ152は、めくりローラ2
の回転に応じ、フィラ153がエンコーダ152の検知光路を
周期的に遮ることによって、第1読み取りセンサユニッ
ト9の画像読み取りの基準信号を発生する。
一方、原稿台18に対するブック原稿92の位置決めは、
中央基準位置決め部24によって行われる。
この中央基準位置決め部24の詳細断面図を第15図に示
す。
この中央基準位置決め部24は、ブック原稿92の読み取
り走査時、及び、ページめくり走査時の基準位置となっ
ている。
中央基準位置決め部24は、原稿載置面116の中央部に
形成された溝内に構成されている。
この溝内には、中央位置決め板113が、原稿載置面116
に対して昇降自在に嵌合されている。
中央位置決め板113は、その下部に配設された中央位
置決めスプリング114によって、常に、上昇する習性が
与えられている。
この習性による中央位置決め板113の上方への移動
は、原稿載置面116の溝の縁部に形成されたストッパ118
に、中央位置決め板113のストッパ爪119が当接すること
によって阻止され、平生、第15図の破線で示す位置で停
止されている。
原稿載置面116へのブック原稿92のセットは、溝内の
中央位置決め板113の上にブック原稿92の背(綴じ部)
を載せることによって行われる。
すなわち、溝内の中央位置決め板113の上にブック原
稿92の背(綴じ部)が載せられると、このブック原稿92
の自重によって、中央位置決め板113が下方に押し下げ
られる。
これにより、原稿載置面116の溝内の側部に配置され
たブック原稿センサ27が、中央位置決め板113の移動を
検知して、ブック原稿92のセットが認知される。
ところで、この原稿台18の全面部位には、MFDSの操作
表示ボード313が配置されている(第9図及び第10図参
照)。
この操作表示ボード313は、第16図に示すような、多
数の入力キーが配置されている。
以下、これらの入力キーの機能を順に説明する。
スタートキー600は、原稿の読み取り開始を指示する
ときに押される。
エンターキー601は、テンキー入力や液晶表示パネル
上での選択入力のときに、その入力を確定する際に押さ
れる。
テンキー602は、原稿のプリント枚数、及び、ページ
めくり枚数等を設定するときに使用される。
読み取り開始ページ選択キー603は、ブック原稿読み
取りモード時おいて、ブック原稿92の向かって「左」・
「右」どちらのページから読み取りを開始するかを選択
するキーであって、このキーを1回押下する毎に、ブッ
ク原稿92の読み取り開始ページの左右が切り替わる。
このキーの初期設定時における読み取り開始ページ
は、「左」ページに設定されており、このキーにより選
択されたの読み取り開始ページがブック原稿92の左右の
何れであるかは、2つの読み取り開始ページ表示LED631
のどちらが点灯されているかによって表示される。
読み取り総ページ設定キー606は、ブック原稿読み取
りモードにおいて、そのページめくり枚数を入力する際
の、読み取りたい総ページ枚数を設定するときに押下さ
れる。
ブック原稿92の読み取り総ページ枚数は、この読み取
り総ページ設定キー606を押下して、テンキー602でその
ページ数を入力した後、エンターキー601を押下するこ
とにより確定され、この確定された値が液晶表示パネル
630に表示される。
ブックサイズ選択キー607は、ブック原稿読み取りモ
ードのときに、「自動ブックサイズ認識モード」、もし
くは、「ブックサイズキー入力モード」の何れかを選択
する際に押下される。
また、このキーが1回押される毎に、ブックサイズ表
示LED632の表示が、「自動」・「定形」・「不定形(mm
入力)」の順に切り替えられ、このブックサイズ表示LE
D632により表示されたモードが選択される。
このブックサイズ選択キー607の初期設定時の、ブッ
クサイズ表示LED632の表示は、「自動」になっており、
「自動ブックサイズ認識モード」が選択されている。
ここで、ブックサイズキー入力モードには、「定形」
と、「不定形(mm入力)」とがあり、ブックサイズが、
A5・B5・A4の場合に限り、「定形」を選択することによ
り、定形ブックサイズ選択キー619によるブックサイズ
の入力が可能となる。
この定形ブックサイズ選択キー619が1回押される毎
に、定形ブックサイズ表示LED633の表示が、「A5」・
「B5」・「A4」の順に切り替えられ、選択されたブック
サイズが表示されて認識される。
この定形ブックサイズ選択キー619の初期設定時の、
定形ブックサイズ表示LED633の表示は、「A4」となって
いる。
但し、ここでいうブックサイズとは、ブック原稿92の
表紙の大きさを指している。
ここで、ブック原稿92が、上述した定形ブックサイズ
以外の場合には、ブックサイズ選択キー607により、
「不定形(mm入力)」を選択し、テンキー602で、セッ
トされたブック原稿92の縦サイズ、及び、横サイズ(mm
単位)をそれぞれ入力した後、エンターキー601を押下
して、そのブックサイズを確定する。
このようにしてブック原稿92のサイズが確定される
と、その入力されたサイズ値が液晶表示パネル630に表
示される。
ブック綴じ部マスク領域設定キー608は、ブック原稿
読み取りモードのときに、中央基準位置決め部24のセン
ターからの非読み取り領域(マスク領域)を、「左
(−)」・「右(+)」の何れとするかを設定するとき
に押下される。
すなわち、ブック原稿92のブック綴じ部にマスク領域
を形成するときには、先ず、このブック綴じ部マスク領
域設定キー608で、ブック原稿92の左右何れのページに
マスク領域を形成するかを設定し、次いで、この設定さ
れた「左マスク領域(−)」、もしくは、「右マスク領
域(+)」の長さ(mm単位)を、テンキー602により入
力した後、エンターキー601でこの入力値を確定する。
このようにしてブック原稿92のマスク領域が確定され
ると、その入力された値が液晶表示パネル630に表示さ
れる。
このブック綴じ部マスク領域設定キー608の初期設定
時におけるマスク領域の値は、「±10mm」となってい
る。
読み取り領域選択キー609は、ブック原稿読み取りモ
ードのときに、ブック原稿92の読み取り領域を、「片頁
(左)」・「片頁(右)」・「両頁」のうちの何れとす
るかを選択する際に押下される。
この読み取り領域選択キー609が1回押される毎に、
読み取り領域表示LED636の表示が、「片頁(左)」・
「片頁(右)」・「両頁」の順に切り替えられ、選択さ
れた読み取り領域が表示されて認識される。
この読み取り領域選択キー609の初期設定時の、読み
取り領域表示LED636の表示は、「両頁」となっている。
ここで、「片頁(左)」が選択された場合には、ブッ
ク原稿92の向かって左ページのみの読み取り走査が実行
され、右ページの読み取り走査は行われない。
また、ここで、「片頁(右)」が選択された場合に
は、ブック原稿92の向かって右ページのみの読み取り走
査が実行され、左ページの読み取り走査は行われない。
見開き連写キー610は、ブック原稿読み取りモードの
「見開き2ページ連続読み取りモード」、及び、その
「両面モード」のときに、読み取った原稿情報を等倍率
でプリントアウトすることを指示する際に押下される。
見開き連写縮小キー611は、ブック原稿読み取りモー
ドの「見開き2ページ連続読み取りモード」、及び、そ
の「両面モード」のときに、読み取った原稿情報を縮小
倍率でプリントアウトすることを指示する際に押下され
る。
この時の、原稿情報の縮小倍率の設定は、プリント変
倍キー614を操作することによって行われる。
また、この見開き連写縮小キー611の初期設定時にお
ける基準縮小倍率は、「原稿のサイズ×0.71(A3→A4/B
4→B5)」に設定されている 両面モード選択キー612は、ブック原稿読み取りモー
ドが、「見開き1ページ区切り読み取りモード」の「両
面モード」のときに、何れの面を表にし、また、何れの
面を裏にしてプリントするかを、「見開き両面モード」
・「オリジナル両面モード」・「順次両面モード」の3
つの両面モードの中から選択する際に押下される。
この両面モード選択キー612が1回押される毎に、両
面モード表示LED634の表示が、「見開き両面モード」・
「オリジナル両面モード」・「順次両面モード」の順に
切り替えられ、選択された読み取り領域が表示されて認
識される。
この両面モード選択キー612の初期設定時の、両面モ
ード表示LED634の表示は、「オリジナル両面モード」と
なっている。
ここで、「見開き両面モード」が選択された場合に
は、見開かれたブック原稿92の左右両ページのうち、左
ページを表にし、右ページを裏にして、両面プリントが
実行される。
このとき、読み取り開始ページ選択キー603により、
ブック原稿92の読み取り開始ページが「右」に設定され
ている場合には、始めの1枚目のプリントは片面プリン
トとなる。
また、ここで、「オリジナル両面モード」が選択され
た場合には、見開かれたブック原稿92の左右両ページの
うち、右ページを表にし、ページめくり動作によりめく
られた次のページの左ページを裏にして、両面プリント
が実行される。
すなわち、この「オリジナル両面モード」では、読み
取られるブック原稿92の装丁と全く同様にプリントされ
る。
このとき、読み取り開始ページ選択キー603により、
ブック原稿92の読み取り開始ページが「右」に設定され
ている場合には、「見開き両面モード」の場合と同様、
始めの1枚目のプリントは片面プリントとなる。
さらに、ここで、「順次両面モード」が選択された場
合には、見開かれたブック原稿92の左右両ページのう
ち、読み取り開始ページ選択キー603で設定されたペー
ジを表にし、ページめくり動作によりめくられた次のペ
ージを裏にして、以後、順次読み取った順番に両面プリ
ントが実行される。
見開き連写高速プリント設定キー613は、ブック原稿
読み取りモードの「見開き2ページ連続読み取りモー
ド」の「片面モード」のときに、ブック原稿92の綴じ部
付近において、ページめくり読取ユニット1の操作を減
速または停止させること無く、連続して読み取り走査を
実行し、ブック原稿92の左右両ページの連続プリントを
指示する際に押下される。
プリント変倍キー614は、読み取った画像を変倍して
プリントするときに、その変倍率を設定するためのキー
である。
このプリント変倍キー614を押下すると、液晶表示パ
ネル630に、予め設定された変倍率が表示される。
ここで、変倍率は、カーソル移動キー617で希望する
変倍率にカーソルを合わせてから、エンターキー601を
押下することにより確定される。
画像処理設定キー615は、読み取った画像を画像処理
してプリントするときに、その画像処理モードを設定す
るためのキーである。
この画像処理設定キー615を押下すると、液晶表示パ
ネル630に、予め設定された画像処理モードが表示され
る。
ここで、画像処理モードは、カーソル移動キー617で
希望する画像処理モードにカーソルを合わせてから、エ
ンターキー601を押下することにより確定される。
モード設定選択キー616は、MFDSの動作モードを設定
するためのキーである。
このモード設定選択キー616を押下すると、液晶表示
パネル630に、予め設定されたMFDSの動作モードが表示
される。
ここで、MFDSの動作モードは、希望するMFDSの動作モ
ードカーソルを合わせてから、エンターキー601を押下
することにより確定される。
カーソル移動キー617は、液晶表示パネル630に表示さ
れた各選択エリアにカーソルを移動させるためのキーで
ある。
読み取りスキップページ設定キー618は、ブック原稿
読み取りモードにおいて、読み取り走査を実行せずに読
み飛ばすページを設定するためのキーである。
すなわち、ブック原稿92の各ページのうち、原稿読み
取り走査を実行せずに読み飛ばしたいページがある場合
には、先ず、この読み取りスキップページ設定キー618
を押下し、次いで、ブック原稿92の読み飛ばしたいペー
ジ(スキップページ)が、その読み取り開始ページから
何ページ目であるかをテンキー602で入力した後、エン
ターキー601を押下して、このスキップページを確定す
る。
このようにして入力されたスキップページは、液晶表
示パネル630に表示される。
定形ブックサイズ選択キー619は、ブック原稿92のブ
ックサイズを選択するためのキーである。
前述したように、ブックサイズキー入力モードには、
「定形」と、「不定形(mm入力)」とがあり、ブックサ
イズが、A5・B5・A4の場合に限り、「定形」を選択する
ことにより、この定形ブックサイズ選択キー619による
ブックサイズの入力が可能となる。
この定形ブックサイズ選択キー619が1回押される毎
に、定形ブックサイズ表示LED633の表示が、「A5」・
「B5」・「A4」の順に切り替えられ、選択されたブック
サイズが表示されて認識される。
この定形ブックサイズ選択キー619の初期設定時の、
定形ブックサイズ表示LED633の表示は、「A4」となって
いる。
但し、ここでいうブックサイズとは、ブック原稿92の
表紙の大きさを指している。
オープンキー620は、MFDSの搬送部19を開放するとき
に押下される。
シート原稿セット選択キー625は、シート原稿読み取
りモードにおいて、「シート原稿スルーモード」の「片
面原稿読み取りモード」のときに、原稿載置面116にセ
ットされるシート原稿200の原稿面を「上向き」・「下
向き」の何れかに選択するためのキーである。
このシート原稿セット選択キー625が1回押される毎
に、シート原稿セット表示LED635の表示が、「上向き」
・「下向き」の順に切り替えられ、選択されたシート原
稿セット面が表示されて認識される。
このシート原稿セット選択キー625の初期設定時の、
シート原稿セット表示LED635の表示は、「上向き」とな
っている。
次に、第9図及び第10図に示したプリンタ300につい
て説明する。
このプリンタ300の概略断面図を第17図に示す。
画像処理後の画像情報は、プリンタ300の書き込み部
において、レーザ光のラスター走査によって、光の点の
集合の形で感光体ドラム170上に書き込まれる。
このときのレーザ光源には、半導体レーザが使用され
ている このプリンタ300の書き込み部の平面図を第18図に示
す。
第18図において、半導体レーザ171で発せられたレー
ザ光は、コリメートレンズ172で平行な光束に変えら
れ、アパーチャ173により、一定形状の光束に整形され
る。
この整形されたビームは、第1シリンダーレンズ174
により、その副走査方向を圧縮された形でポリゴンミラ
ー175に入射される。
このポリゴンミラー175は、正確な多角形状をしてお
り、ポリゴンモータ176により、一定方向に一定の速度
で回転されている。
このポリゴンミラー175の回転速度は、感光体ドラム1
70の速度と、書き込み密度と、面数とによって決定され
る。
ポリゴンミラー175に入射されたレーザ光は、その反
射光がミラーの回転により偏向される。
この偏向されたレーザ光は、各fθレンズ177a,177b,
177cに入射される。
これらのfθレンズ177a,177b,177cは、角速度が一定
の走査光を感光体ドラム170上で等速走査するように変
換する機能、感光体ドラム170上で最小光点となるよう
にこの走査光を結像させる機能、及び、その面倒れを補
正する機能を有している。
各fθレンズ177a,177b,177cを通過した光は、その画
像領域外で、同期検知ミラー178により同期検知センサ1
79に導かれ、主走査方向の頭出し信号を出す同期信号が
出力されてから、一定時間後に画像データが1ライン分
だけ出力され、以下、これを繰り返すことにより、1つ
の画像を形成する。
一方、感光体ドラム170の表面には、感光層が塗布さ
れている。
ここで、半導体レーザ171の780nmという波長に感度を
有する感光体としては、有機感光体(OPC)、α−Si、S
e−Te等が知られているが、本実施例では、有機感光体
を使用している。
また、一般に、レーザ書き込みの場合、画像部に光を
あてるN/Pプロセスと、地肌部に光をあてるP/Pプロセス
があるが、本実施例では、そのレーザ書き込みプロセス
として、画像部に光をあてるN/Pプロセスを採用してい
る。
第17図において、感光体ドラム170の表面は、感光体
ドラム170がわにグリッドを持つスコロトロン方式の帯
電チャージャ180により、均一に負帯電させる。
次いで、この負帯電された感光体ドラム170の画像部
に、レーザ光が照射されて、この画像部電位が落される
と、この感光体ドラム170の表面に、地肌部電位が−750
〜−800V、画像部電位が−50V程度の静電潜像が形成さ
れる。
この静電潜像は、現像器181の現像ローラに、−500〜
−600Vのバイアス電圧を与えて、負帯電されたトナーに
よって、顕像化される。
この現像器181によって顕像化された画像は、感光体
ドラム170の回転にシンクロして給送された転写紙の紙
面上に、この転写紙の裏面側から正電位のチャージをか
ける転写チャージャ182の転写作用によって転写され
る。
この画像の転写された転写紙は、転写チャージャ182
と一体に保持された分離チャージャ183により交流除電
されることによって、感光体ドラム170の表面から分離
される。
このとき、転写紙に転写されずに、感光体ドラム170
上に残留されたトナーは、クリーニングブレード184に
より感光体ドラム170の表面から掻き落され、このクリ
ーニングブレード184の周囲に配設されたタンク185内に
回収される。
また、感光体ドラム170の表面に残留された電位のパ
ターンは、除電ランプ186により光が照射されることに
よって消去される。
現像器181のすぐ下流側には、フォトセンサ187が設け
られている。
このフォトセンサ187は、受光素子と発光素子とで構
成されており、感光体ドラム170の表面の反射濃度を計
測し、この反射濃度(現像後のトナー濃度)が予め設定
された基準値以下になったときに、現像器181内に新た
なトナーを補給するためのトナー補給信号を出力する。
すなわち、このフォトセンサ187は、例えば、このフ
ォトセンサ187の読み取り位置に対応した位置に、その
光書き込み部で一定パターン(純黒または網点のパター
ン)を書き込み、このパターンを現像した後のパターン
部の光反射率と、このパターン部位外の感光体ドラム17
0の光反射率との比から現像された画像の濃淡を判断
し、この画像の濃度がその基準値よりも低いときにトナ
ー補給信号を出力するように構成される。
ここで、新たな補給トナーが不足している場合には、
トナー補給信号を出力しても、その現像濃度が高くなら
ない点を利用して、このフォトセンサ187をトナーの残
量不足を検知するセンサとして兼用させるように構成し
てもよい。
一方、本実施例のプリンタ300は、複数のカセット188
a,188bを備えており、且つ、画像が一度転写された転写
紙を再給紙ループ189を通して両面給紙し得るように構
成されている。
すなわち、第17図において、所定のカセットが選択さ
れた後、プリンタ300のスタートボタンが押されると、
各カセット188a,188bの各給紙コロ190a,190bのうちの選
択されたがわの給紙コロが回転されて、そのカセット内
の転写紙がレジストローラ191のニップに突き当たるま
で給送される。
このレジストローラ191は、感光体ドラム170に形成さ
れた画像の位置と転写紙の位置とがシンクロするタイミ
ングをとって、回転が開始され、感光体ドラム170の表
面に向けて、転写紙を給送する。
これにより、この転写紙は、前述したように、画像が
転写され、さらに、感光体ドラム170の表面から分離さ
れた後、分離搬送部192に吸引搬送され、ヒートローラ1
93、及び、加圧ローラ194からなる定着ローラによっ
て、その紙面上に転写されたトナーが定着される。
このトナーの定着された転写紙は、通常のプリント時
には、切換爪195が第19図(a)に示すような位置に臨
み、この切換爪195により、プリンタ300の排紙口を通し
て排紙トレイ169上に排出される。
ここで、プリンタ300のプリントモードが「両面モー
ド」の場合には、切換爪195が第19図(b)に示す位置
に切り換えられ、プリンタ300の左側部に形成された両
面搬送路に向けて転写紙が搬送される。
この転写紙は、反転ガイド爪196を通過して、一旦、
反転ガイドトレー197上へ導かれた後、反転ガイド爪196
が切り換えられ、且つ、反転ガイドローラ198が逆回転
(反転)されることによって、再給紙ループ189を通し
て、再び、レジストローラ191のニップに当接されるま
で給送される。
このようにして、再給送された転写紙は、前述の通常
のプリント時と同様にして、感光体ドラム170上に形成
されたトナー画像が転写・定着された後、第19図(a)
で示す初期状態に切り換えられた、切換爪195を経て排
紙トレイ169上に排出される。
ここで、片面プリントモード時の排出時における転写
紙の画像定着面を排紙トレイ169の積載面に対向させて
転写紙の排出を行う、「裏面排紙モード」が設定されて
いる場合には、上述の「両面モード」時と同様に、切換
爪195が第19図(b)に示す位置に切り換えられ、転写
紙がそのまま排紙されること無く、一旦、両面搬送路に
向けて搬送される。
そして、この転写紙の後端が、切換爪195を通過する
と、その直後に、切換爪195が第19図(c)に示す位置
に切り換えられるとともに、スイッチバックローラ199
の回転方向が反転されて、この両面搬送路に導かれた転
写紙が、スイッチバック搬送され、プリンタ300の排紙
口を通して排紙トレイ169上に排出される。
この「裏面排紙モード」では、片面プリントされた転
写紙が、その画像定着面を排紙トレイ169の積載面に対
向させて排紙トレイ169上に排出されるので、原稿の読
み取りページ順どおりに、転写紙のプリントページ順序
の揃った転写紙の排出が行われる。
ところで、ページめくり読取ユニット1は、第4図を
参照して説明したように、第1めくりユニット側板40と
第2めくりユニット側板41との間に、めくりローラ2、
第1ローラ4、第2ローラ5、押えローラ6、及び、第
1バイアスローラ3が、それぞれ回転自在に配設されて
いる。
これらの、めくりローラ2、第1ローラ4、第2ロー
ラ5、押えローラ6、及び、第1バイアスローラ3に
は、第20図に示すように、めくり搬送ベルト8が掛け渡
されている。
第1バイアスローラ3には、第1高圧電源320が接続
されていて、2本のポートより、吸着用,除電用の各周
波数の交流電圧が、それぞれ与えられるように構成され
ている。
また、このページめくり読取ユニット1の内部の、め
くりローラ2と第1読み取りセンサユニット9との間に
は、めくりガイド10が、さらに、このめくりガイド10の
上方には、めくり搬送ベルト8の内周面に沿うようにし
てページ収納部7が、それぞれ配設されている。
このページ収納部7には、ページめくり時のエラーを
検知するための、フォトセンサなどからなるページめく
りセンサ29が配置されている。
このページめくりセンサ29は、めくりガイド10に配置
してもよい。
また、めくりローラ2と押えローラ6との間には、第
11図を参照して説明したように、第1読み取りセンサユ
ニット9が配置されている。
この第1読み取りセンサユニット9は、ページめくり
読取ユニット1に対して、約3mm程度上下移動可能に取
付けられており、原稿読み取り時には、読み取りセンサ
スプリング147により下方に押下されて、ブック原稿9
2、またはシート原稿200の原稿面に密着されるように構
成されている。
また、この第1読み取りセンサユニット9は、第21図
に示すように、原稿の照明系としてのLED316、原稿像の
結像系としてのRMLA81(ルーフミラーレンズアレイ)、
及び、結像された原稿の光像を電気信号に変換する光電
変換系としてのSi等倍センサ315を備えている。
この第1読み取りセンサユニット9による原稿読み取
りは、次のようにように行われる。
第21図において、先ず、LED316から発せられた光が、
バーレンズ83により、原稿面上に集光されて、原稿が照
明される。
次に、この原稿面からの反射光が、光路分離ミラー84
で反射されて、LA85(レンズアレイ)、及び、RMA86
(ルーフミラーアレイ)を通り、再び、光路分離ミラー
84により反射される。
この光路分離ミラー84により反射された原稿の画像光
は、Si等倍センサ315の受光面上に結像され、このSi等
倍センサ315によって、これに結像された画像情報が、
電気信号に変換されて読み取られる。
次に、上述のように構成された本願実施例における基
本的なページめくり動作について説明する。
先ず、本実施例における原稿の読み取りは、次のよう
な手順で行われる。
原稿がブック原稿92の場合には、操作表示ボード313
のオープンキー620を押して、第10図に示すように搬送
部19を上方に開き、原稿台18の中央基準位置決め部24
に、ブック原稿92の綴じ部(背)をセットし、このブッ
ク原稿92の読み取り開始ページを上向きに開いた状態
で、第9図に示すように搬送部19を閉じる。
この状態で、操作表示ボード313の各キーを操作し
て、このブック原稿92の読み取り条件を設定した後、ス
タートキー600を押してMFDSをスタートさせる。
これにより、第1図に示すように、めくりユニット駆
動ベルト52が、めくりユニット駆動モータ60により駆動
されて、ページめくり読取ユニット1が、左端のホーム
ポジション位置1−Aから、右方向に移動を開始し、こ
のページめくり読取ユニット1の移動により、第1読み
取りセンサユニット9が、ブック原稿92の原稿情報を読
み込んでいく。
このとき、めくり搬送ベルト8は、その回転が停止さ
れており、見開かれたブック原稿92の原稿面をその上か
ら押え付けている。
また、ページめくり読取ユニット1は、前述したよう
に、その回動支持ロッド42を支点として回動され、且
つ、これと一体化された摺動パイプ43が摺動支持ロッド
46に沿って上下動されることによって、ブック原稿92の
原稿面に沿って、この原稿面に第1読み取りセンサユニ
ット9を密着させながら移動される。
さらに、このページめくり読取ユニット1が、ブック
原稿92の略中央のブック原稿読み取り途中位置1−Bに
到達すると、第1バイアスローラ3に、第20図に示した
第1高圧電源320から、吸着用の交流電圧が印加され
て、めくり搬送ベルト8上にストライプ形状の電荷パタ
ーンが形成される。
このように、ページめくり読取ユニット1は、めくり
搬送ベルト8上にストライプ形状の電荷パターンを形成
しながら、第1図の右端のエンドポジション位置1−C
まで移動し、その第1読み取りセンサユニット9によっ
て、ブック原稿92の原稿情報を読み取る。
上述のようにして、ブック原稿92の原稿情報の読み取
りが完了すると、ページめくり読取ユニット1は、第22
図に示すように、そのエンドポジション位置1−Cか
ら、ホームポジション位置1−Aに向けて、復帰移動さ
れる。
このとき、第23図に示すように、めくり搬送ベルト8
上には、その読み取り動作時に形成された電荷パターン
によって、不平等な電界が発生しており、この静電界に
より、ブック原稿92の右ページが、めくり搬送ベルト8
に、静電的に吸着されるようになっている。
従って、この状態で、ページめくり読取ユニット1
が、そのエンドポジション位置1−Cに向けて移動さ
れ、このページめくり読取ユニット1が、第22図に示
す、めくり開始位置1−Dに到達すると、第24図に示す
ように、このめくり搬送ベルト8と一緒に、ブック原稿
92の右ページ1枚分の原稿の端部が、ページめくり読取
ユニット1の中に巻き込まれる。
このように、ページめくり読取ユニット1内に巻き込
まれた原稿は、このページめくり読取ユニット1の移動
に伴って、そのめくりローラ2の曲率と原稿の腰の強さ
とによる曲率分離により、その先端が、めくり搬送ベル
ト8から徐々に分離される。
このようにして、めくり搬送ベルト8から徐々に分離
された原稿は、第20図に示しためくりガイド10に沿って
移動され、この原稿の移動方向の下流側に配置されてい
るページ収納部7内に導かれる。
このページ収納部7は、第20図に示すように、円筒状
に形成されており、その内周面に沿うように、ページめ
くり読取ユニット1内に巻き込まれた原稿を巻き取るこ
とによって、極めて僅かなスペースに、読み取りを終え
た1ページ分の原稿を収納することができる。
従って、このページめくり読取ユニット1によれば、
第22図に示すように、このページめくり読取ユニット1
が、そのめくり開始位置1−Dから巻き取り完了位置1
−Eに向けて復帰移動されることにより、その読み取り
を終えた1ページ分の原稿と、次の読み取り動作により
読み取りが行われる次頁の原稿とを、極めてスムーズに
分離させることができる。
このようにしてページ収納部7に収納された原稿は、
ページめくり読取ユニット1が、その巻き取り完了位置
1−Eから、ブック原稿92の中央を越えて、ブック原稿
92の左ページがわのページ排出位置1−Fに向けて、さ
らに復帰移動されることによって、このページめくり読
取ユニット1と、これに収納された原稿との相対的な移
動により、この原稿がページめくり読取ユニット1のペ
ージ収納部7から排出され始める。
そして、このページめくり読取ユニット1が、そのホ
ームポジション位置1−Aに復帰移動されて、その移動
が完了することにより、このページめくり読取ユニット
1のページ収納部7に収納されていた原稿の排出が完了
して、読み取りを終えた原稿の1ページ分のめくり動作
が完了される。
一方、この原稿のめくり動作中においては、ページめ
くり読取ユニット1のページ収納部7への原稿の巻き取
りが開始された直後から、この原稿の巻き取りが完了す
る間にかけて、第1バイアスローラ3に、第20図に示し
た第1高圧電源320から除電用の交流電圧が印加される
ことによって、めくり搬送ベルト8上に形成されていた
電荷パターンが除電されるようにプログラムされてい
る。
従って、このページめくり読取ユニット1の復帰移動
時においては、読み取りを終えた原稿と、この原稿をめ
くるめくり搬送ベルト8との間に、静電的な吸着力が発
生しないので、この原稿の巻き取り動作、及び、排出動
作を極めてスムーズに行うことができる。
ところで、従来、シート部材等の保持及び搬送装置と
しては、エア吸引方式や、櫛歯電極及び電気2重層方式
による静電吸着方式等による装置が知られている。
また、ブック原稿のページめくり装置として、エア吸
引方式等を応用した装置が提案されている。
しかしながら、これらの各方式には、それぞれ後述す
るような欠点があるため、これらの方式に基づいてブッ
ク原稿のページめくり装置を実用化することは、ほとん
ど不可能に近い。
すなわち、エア吸引方式では、エアを吸引して負圧を
発生させるエアポンプ、及び、エアの吸引経路を必要と
するため、装置の大型化を招く欠点がある。
また、櫛歯電極埋め込み方式では、2つの櫛歯状電極
を、それぞれの歯が噛み合うように誘電体の中に埋め込
み、それぞれの電極に、正極、及び、負極の電圧を印加
する方式のため、コストが高くなるばかりでなく、原稿
のめくり搬送ベルトを無端形状のベルトに形成すること
が困難となる。
さらに、電気2重層方式では、コロナ放電などによっ
て、ベルトとシートにそれぞれ逆極性の電荷をチャージ
するため、ブック原稿などのページめくりに際しては、
めくるページだけを予め分離しないと、電荷をチャージ
することができない。
また、例えば、ゴムローラなどの摩擦力を用いる、そ
の他のページめくり方式では、ブック原稿の紙質や大き
さによって、そのページめくり精度が著しく制約される
ため、その信頼性を向上させることが困難となる。
これに対し、本願実施例では、第20図、第23図及び第
24図に示したように、無端ベルトからなる、めくり搬送
ベルト8に、高圧電源320から吸着用の交流電圧を印加
して、めくり搬送ベルト8の表面に、交番的なストライ
プ形状の電荷パターンを形成することによって、このめ
くり搬送ベルト8に不平等電界を発生させて、原稿の保
持搬送、及び、ページめくりを行っている。
従って、このページめくり方式によれば、原稿の保持
搬送、及び、ページめくり動作を極めてスムーズに行う
ことがでる。
以下、このページめくり方式における基本的な構成、
及び、静電吸着原理について説明する。
このページめくり方式に使用されるめくり搬送ベルト
8としては、無端ベルト状に形成された誘電体の裏面
に、導電処理を施してなる2層構造のベルトを使用し
た。
また、このめくり搬送ベルト8に対して交番的な電圧
を印加する手段としては、このめくり搬送ベルト8の表
面に周面を接触させて回転自在に支持された第1バイア
スローラ3に、第1高圧電源320により吸着用の交流電
圧を印加した。
第20図及び第23図に示すように、めくり搬送ベルト8
の導電層8bをアース面として、第1バイアスローラ3に
交番的な電界を印加させながら、このめくり搬送ベルト
8と第1バイアスローラ3とを相対移動させることによ
って、めくり搬送ベルト8の誘電体8aの表面に、ストラ
イプ形状の電荷パターンが形成される。
これによって、めくり搬送ベルト8の誘電体8aの表面
近傍に、不平等電界が発生する。
この不平等な電界中に、読み取り原稿となる用紙等の
誘電体を近づけると、その内部が分極をおこし、この電
界が不平等なために、この用紙にめくり搬送ベルト8が
わへの引力が働く。
このことは、maxwellの応力をこの用紙の表面に亘っ
て、面積分を行うことによって明らかとなる。
ここで、maxwellの応力は、 で表される。
また、めくり搬送ベルト8の表面の方線方向をX軸と
すると、このX軸方向のmaxwellの応力は、 で表される(b)式のようになる。
次に、用紙の外表面(上下面)に沿って、この(b)
式で表されるX軸方向のmaxwellの応力fxを面積分する
ことによって、この用紙の物体力(吸着力)Nが求めら
れる。
すなわち、この用紙の物体力(吸着力)Nは、 N=∫sfxdS となる。
これにより、この用紙の摩擦係数をμとすると、 この用紙の搬送力Fは、 F=μN の式で表される。
本実施例の具体的な構成としては、めくり搬送ベルト
8として、厚さ75μmのPETフィルム(誘電体8a)に、
厚さ10μmのアルミ蒸着層(導電層8b)が形成された無
端ベルトを使用し、これに形成される電荷パターンのピ
ッチを2.4mmとした。
すなわち、ブック原稿92の読み取り速度を120mm/s、
交流周波数を50Hz、印加電圧を±2kVP-Pとした。
また、第25図に印加電圧を±2kVP-Pに一定としたとき
の搬送力のピッチ特性の実験値を、第26図に印加電圧を
±2kVP-Pに一定としたときの吸着力のピッチ特性の実験
値を、第27図に電荷パターンのピッチを2.4mmに一定と
したときの搬送力の印加電圧特性の実験値を、第28図に
電荷パターンのピッチを2.4mmに一定としたときの吸着
力の印加電圧特性の実験値を示す。
これらの実験値から明らかなように、本実施例に使用
される電荷パターンのピッチ、及び、印加電圧は、上述
した値に限定されるものではなく、例えば、電荷パター
ンのピッチとしては、0.5mm〜10mmの範囲であれば良
く、また、印加電圧としては、±1kVP-P以上であれば良
い。
また、本実施例では、除電用の高周波交流電圧とし
て、2kHzの周波数と、±2kVP-Pの印加電圧を使用してい
るが、これらの各値についても、その除電効果が得られ
る値であれば、どのような値であっても良い。
上述のように、本実施例におけるページめくり方式に
よれば、めくり搬送ベルト8に吸着させる用紙(ブック
原稿92)には、何等細工を施す必要が無いので、この用
紙どうしが静電気により互いに引き合うことが無く、用
紙端部の乱れ(不揃い)の発生による、ブック原稿92の
ページめくりミスの発生を無くすことができる。
また、このページめくり方式によれば、その吸着力の
発生している個所が、めくり搬送ベルト8の表面の近傍
であるので、このめくり搬送ベルト8の表面に接触して
いる用紙、すなわち、ブック原稿92のページめくりが実
行されるがわの最上位の原稿に対しては、充分に大きな
搬送力、及び、吸着力が作用するが、この原稿の下位に
位置する、2枚目以下の原稿に対しては、これらの搬送
力、及び、吸着力が、ほとんど作用することが無い。
従って、このページめくり方式によれば、1枚だけの
ページめくりを確実に実行することができるので、この
方式は、ブック原稿92のページめくり方式として最適な
方式となる。
次に、上述のように構成されたMFDSの動作について説
明する。
第29図はMFDSの電装ブロック図、第30図はブック原稿
読み取り時の動作モード遷移図、第31図はシート原稿読
み取り時の遷移図、及び、第32図はMFDSの動作モードを
示すフローチャートである。
先ず、第29図に基づいて、MFDSの制御手段について説
明する。
第29図において、メイン制御ボード310は、各ボード
間のコマンド、及び、データを制御し、各負荷のON/OFF
タイミングや、各センサ入力による異常処理、及び、モ
ード切り換え等を行いMFDS全体のコントロールをしてい
る。
また、このメイン制御ボード310は、接続機器との通
信を行うことにより、通信プロトコルを設定し、各接続
機器に対して個別に対応できるように構成されている。
例えば、プリンタ300がその出力装置として接続され
ている場合には、その画素密度、処理速度、両面プリン
トの可否、及び、裏面排紙の可否等をチェックし、その
対応モード選択域を決定できるように構成されている。
さらに、このメイン制御ボード310は、各モードに対
応して、外部機器へのインターフェースを2系統備えて
いる。
本実施例のメイン制御ボード310では、各ボード間の
コマンドをシリアル通信で行い、そのデータ・制御線か
ら分離して、そのデータ出力中にもコマンド送受信を可
能としている。
ここで、その汎用性を高める場合には、そのインター
フェースとして、GPIB、セントロニクス、SCSI等の、ど
ちらか一方、もしくは、両方を設定することにより、汎
用プリンタや、パーソナルコンピュータを介して、その
ディスプレイ表示や、光ディスク装置、HDD、及び、FDD
等の記憶装置に対して、特別なインターフェースを使用
すること無く、ストアすることができる。
一方、第29図において、めくり搬送ベルト駆動制御ボ
ード311は、めくり搬送ベルト駆動モータ61の制御を行
っている。
また、めくりユニット駆動制御ボード312は、めくり
ユニット駆動モータ60の制御を行っている。
ここで、めくり搬送ベルト駆動モータ61は、このめく
り搬送ベルト駆動モータ61に一体的に取付けられたエン
コーダの発するエンコーダパルスのフィードバックによ
って、めくり搬送ベルト8の速度を検出し、その速度位
置制御及び正逆転動作を行っている。
これに対し、めくりユニット駆動モータ60は、めくり
ローラ2に取付けられているエンコーダ152の発するエ
ンコーダパルスのフィードバックによって、めくりロー
ラ2の位置を検出し、その速度位置制御及び正逆転動作
を行っている。
また、これらのめくり搬送ベルト駆動制御ボード31
1、及び、めくりユニット駆動制御ボード312は、メイン
制御ボード310とそれぞれ接続されており、このメイン
制御ボード310との間で、それぞれシリアル通信により
コマンドの送受信を行っている。
操作表示ボード313は、プリント置数、変倍率、ペー
ジめくり枚数、及び、各モード等を設定する各キー入力
と、これらのキー入力に対する表示や、エラー表示、め
くり状態表示、及び、各モードの原稿セット方法等の表
示を行う。
ここで、モード表示においては、接続機器(プリンタ
300)の能力により可能なモードしか表示しないか、あ
るいは、不可能なモードが選択された場合にエラー表示
を行う。
例えば、両面プリントのできないプリンタが接続され
ているにも拘らず、両面モード選択キー612のキー入力
がなされた場合に、“接続のプリンタは両面不可です”
等のエラー表示が行われる。
また、原稿の読み取りは、この操作表示ボード313上
のスタートキー600のキー入力により開始される。
さらに、この操作表示ボード313と、メイン制御ボー
ド310とは、シリアル通信によりコマンド、あるいは、
データの送受信を行っている。
第1画像処理ボード314は、第1読み取りセンサユニ
ット9に内蔵されているSi等倍センサ315(以下これを
第1CCD315とする)のドライブクロックを発生する機能
と、同じく第1読み取りセンサユニット9に内蔵されて
いる第1LED316のON/OFFタイミングをとる機能と、第1CC
D315の出力を増幅し、この出力をA/D変換して画像処理
を行う機能を有している。
また、この第1画像処理ボード314では、シェーディ
ング補正、MTF補正、主走査変倍、文字処理、写真処
理、及び、ネガ・ポジ反転等の画像処理が行われる。
この第1画像処理ボード314は、メイン制御ボード310
に接続されており、このメイン制御ボード310との間
で、データやコマンドを送受信している。
第2画像処理ボード317は、上述の第1画像処理ボー
ド314と同様に、第2読み取りセンサユニット14(第1
読み取りセンサユニット9と同様に構成されている)に
内蔵されている第2CCD318のドライブクロックを発生す
る機能と、同じく第2読み取りセンサユニット14に内蔵
されている第2LED319のON/OFFタイミングをとる機能
と、第2CCD318の出力を増幅し、この出力をA/D変換して
画像処理を行う機能を有している。
また、この第2画像処理ボード317では、第1画像処
理ボード314と同様に、シェーディング補正、MTF補正、
主走査変倍、文字処理、写真処理、及び、ネガ・ポジ反
転等の画像処理が行われる。
さらに、この第2画像処理ボード317は、メイン制御
ボード310に接続されており、このメイン制御ボード310
との間で、データやコマンドを送受信している。
第1高圧電源320は、前述したように、第1バイアス
ローラ3に高圧交流電圧を印加する電源であって、原稿
吸着用と、ベルト除電用の2通りの周波数を発生できる
ように構成されており、各周波数の切り換えは、メイン
制御ボード310の2本の出力ポートからの切り換え信号
により行われる。
また、第2高圧電源321は、第1高圧電源320と同様
に、第2バイアスローラ11に高圧交流電圧を印加する電
源であって、原稿吸着用と、ベルト除電用の2通りの周
波数を発生できるように構成されており、各周波数の切
り換えは、メイン制御ボード310の2本の出力ポートか
らの切り換え信号により行われる。
給紙クラッチ128は、メイン制御ボード310からの制御
信号に基づいて、シート原稿200の給紙開始タイミング
を制御している。
また、メイン制御ボード310の各入力ポートに接続さ
れている各種センサ25,26,27,28,29,30,31,32,33,34
は、前記の機構説明において述べた通り、モード切り換
え、タイミング検知、及び、異常検知等を行っており、
それぞれ、その検知信号をメイン制御ボード310に与え
ている。
次に、MFDSの動作モードについて説明する。
MFDSの動作モードは、大きく2つのモードに分けられ
ている。
このMFDSの第1の動作モードは、第30図に示すよう
な、ブック原稿の自動ページめくり読み取り動作を行う
ブック原稿読み取りモードであり、第2の動作モード
は、第31図に示すような、シート原稿の自動給紙読み取
り動作を行うシート原稿読み取りモードである。
これらのブック原稿読み取りモード、及び、シート原
稿読み取りモードは、それぞれさらに細分化されたモー
ドを持っている。
すなわち、ブック原稿読み取りモードには、第30図に
示すように、ブック原稿92のブックサイズを自動的に認
識する自動ブックサイズ認識モードと、操作表示ボード
313のキー入力でブックサイズを指定するブックサイズ
キー入力モードとがある。
これらの、自動ブックサイズ認識モード、及び、ブッ
クサイズキー入力モードでは、何れも、原稿面を上向き
に見開いた状態でブック原稿92をセットする見開き読み
取りモードにより、ブック原稿92に対する自動ページめ
くり読み取り動作が行われる。
さらに、このブック原稿読み取りモードは、その読み
取り方式として、出力装置(特にプリンタ)と関連し
て、見開かれたブック原稿92の左右2ページ分の原稿画
像を連続して読み取り、この2ページ分の画像を1枚の
転写紙上にプリントする見開き2ページ連続読み取りモ
ードと、両面画像形成機能を有するプリンターを使用し
て、上述の見開き2ページ連続読み取りモードにより左
右2ページ分の原稿画像がプリントされた1枚の転写紙
の裏面に、見開かれたブック原稿92の次の左右2ページ
分の読み取り画像を連続して形成する、この見開き2ペ
ージ連続読み取りモードの両面モードと、見開かれたブ
ック原稿92の左右両ページの原稿画像を1頁ずつ区切っ
て読み取り動作を行う見開き1ページ区ぎり読み取りモ
ードと、この見開き1ページ区ぎり読み取りモードによ
りプリントされた転写紙の裏面に、上記両面画像形成機
能を有するプリンタにより、見開かれたブック原稿92の
次の左右両ページの原稿画像を1頁ずつ区切って形成す
る、この見開き1ページ区ぎり読み取りモードの両面モ
ードとを有している。
一方、シート原稿読み取りモードには、第31図に示す
ように、第1読み取りセンサユニット9、もしくは、第
2読み取りセンサユニット14の位置を固定した状態で、
シート原稿200を自動で給送・排出移動させながら、シ
ートスルー方式により原稿画像の読み取りを行うシート
原稿スルーモードと、原稿載置面116上にシート原稿200
をセット(定置)した状態で、ページめくり読取ユニッ
ト1の第1読み取りセンサユニット9を繰返し往復移動
(スキャン)させて、シート原稿200の読み取り動作を
行うシート原稿スキャンモードと、自動原稿給送機能
(ADF)で原稿をセットできない(あるいはセットしな
い)場合に、手動で原稿をセットするシート原稿手動開
閉モードとがある。
また、シート原稿スルーモードには、シート原稿200
の片面のみの画像を読み取る片面読み取りモードと、第
1読み取りセンサユニット9及び第2読み取りセンサユ
ニット14で、シート原稿200の両面の画像を同時に読み
取る両面読み取りモードとがある。
さらに、この両面読み取りモードは、第1読み取りセ
ンサユニット9及び第2読み取りセンサユニット14を、
互いに向き合った同一位置に配置して、原稿画像の読み
取りを行う同一位置読み取りモードと、第1読み取りセ
ンサユニット9及び第2読み取りセンサユニット14を、
互いにずらした別位置に配置して、原稿画像の読み取り
を行う別位置読み取りモードとを有している。
以上、MFDSの動作モードについて説明してきたが、次
に、第32図を参照しながら、上述した個々のモードの切
り換えについて説明する。
第32図において、MFDSのメイン電源をONすると、第29
図で示したメイン制御ボード310、めくり搬送ベルト駆
動制御ボード311、めくりユニット駆動制御ボード312、
操作表示ボード313、第1画像処理ボード314、第2画像
処理ボード317が、それぞれリセットされて初期設定が
行われる。
その後、プリンタ300等の接続機器の接続をチェック
し、この接続機器に対応可能なモードを表示する一方、
プリント置数、変倍率、ページめくり枚数、及び、各モ
ード等を設定する各キーの入力を受け付ける。
また、この間に、ブック原稿92またはシート原稿200
のセットが行われる。
ここで、シート原稿200が、シート原稿トレイ94にセ
ットされた場合には、シート原稿センサ25がONされる。
また、ここで、操作表示ボード313のオープンキー620
によりMFDSの搬送部19が開放され、その原稿載置面116
の中央基準位置決め部24に、ブック原稿92が、見開かれ
た状態でセットされた場合には、ブック原稿センサ27が
ONされる。
これらのシート原稿センサ25とブック原稿センサ27の
ON/OFFの状態、及び、操作表示ボード313のテンキー602
により入力されたシート原稿200のプリント枚数を示す
プリント置数に応じて、原稿画像の読み取りモードが、
第32図に示すように切り替わる。
すなわち、ここで、ブック原稿センサ27がOFF、シー
ト原稿センサ25がONで、且つ、プリント置数が「1」の
場合には、シート原稿スルーモードへ遷移する。
また、ここで、ブック原稿センサ27がOFF、シート原
稿センサ25がONで、且つ、プリント置数が「2」以上の
場合には、シート原稿スキャンモードへ遷移する。
さらに、ブック原稿センサ27、及び、シート原稿セン
サ25が、両方共OFFの場合には、シート原稿手動開閉モ
ードへ遷移する。
また、ブック原稿センサ27がONで、シート原稿センサ
25がOFFの場合には、ブック原稿読み取りモードに遷移
する。
さらに、ここで、ブック原稿センサ27、及び、シート
原稿センサ25が、両方共ONの場合には、異常処理1(警
告ブザーON、及び、エラー表示)を行って、ユーザーに
注意を促した後、ブック原稿読み取りモードに遷移す
る。
このようにして、それぞれ選択されたモードサブルー
チンへ入った後、操作表示ボード313のスタートキー600
が押されていなければ、画像読み取り動作を実行せず
に、キー入力を受け付けるステップにリターンされる。
次に、上述した、各モードの動作について、説明す
る。
先ず、第33図を参照して、ブック原稿読み取りモード
について説明する。
MFDSのモードが、ブック原稿読み取りモードに入る
と、スキャンカットオフセンサ34のON/OFFのチェックが
行われる。
このスキャンカットオフセンサ34は、第4図に示した
ように、ページめくり読取ユニット1が、その上限位置
まで上昇したときに、その上限検知部76を検知してONさ
れる。
ページめくり読取ユニット1は、前述したように、原
稿載置面116上に載置されたブック原稿92の厚さに応じ
て上下動される。
このページめくり読取ユニット1の上昇、すなわち、
ブック原稿92の厚さが厚くなるに従って、これを駆動す
るめくり搬送ベルト8のテンションが高くなる。
従って、このめくり搬送ベルト8のテンションが高く
なりすぎると、つまり、ブック原稿92が厚すぎてページ
めくり読取ユニット1が上昇しすぎると、このテンショ
ンがブレーキとなって、ページめくり読取ユニット1の
スキャンができなくなる。
スキャンカットオフセンサ34は、このような、ブック
原稿92が厚すぎて、ページめくり読取ユニット1がスキ
ャンできないレベルを検知している。
このスキャンカットオフセンサ34がONの場合には、異
常処理2(警告ブザーのONと、“ブック原稿が厚すぎま
す”のエラー表示)を行って、ユーザーが無理に搬送部
19を閉じて、この搬送部19を破損することがないように
している。
ここで、ブック原稿92の厚さが適応レベル以下の場合
には、ユーザーにより搬送部19が閉じられることによっ
て、搬送部ロックセンサ31がONされる。
このとき、搬送部19が開いたまま、すなわち、搬送部
ロックセンサ31がOFFのままであれば、異常処理3(警
告ブザーのONと、“搬送部を閉じて下さい”の表示)が
行われる。
そして、この搬送部19が閉じられると、ブックサイズ
上限センサ33のON/OFFのチェックが行われる。
ここで、ブックサイズ上限センサ33が、ブック原稿92
のブックサイズを検知してONされている場合、すなわ
ち、原稿載置面116にセットされているブック原稿92の
ブックサイズが、ページめくり読取ユニット1の読み取
り領域を越えた読み取り不可能なブックサイズの場合に
は、異常処理4(警告ブザーのONと、“ブック原稿のサ
イズが大きすぎます”の表示)が行われる。
その後、プリント置数、変倍率、めくり枚数のキー入
力の有無のチェックが行われた後、自動ブックサイズ認
識モードの場合には、プレスキャンフラグがセットさ
れ、自動ブックサイズ認識モードでない場合には、ブッ
クサイズ入力モードとなり、操作表示ボード313により
所定のキー入力を行ってブックサイズを設定することに
より、ブック原稿92の読み取り領域が決定される。
そして、スタートキー600が押されることにより、搬
送部ロック装置140が作動して、搬送部19が原稿台18に
ロックされる。
これにより、ページめくり読取ユニット1によるペー
ジめくり動作中に、ユーザーが間違って搬送部19を開放
して、ブック原稿92を破損するような事態が回避され
る。
次いで、この搬送部ロック装置140の作動後、前述し
たプレスキャンフラグがセットされている場合には、ペ
ージめくり読取ユニット1のプレスキャン動作が実行さ
れる。
ここで、プレスキャンフラグがセットされていない場
合には、このプレスキャン動作がスキップされる。
このプレスキャン動作後は、接続機器(プリンタ30
0)の準備が整うまで待機される。
そして、この接続機器(プリンタ300)の準備が整っ
た段階で、接続機器(プリンタ300)から出力される読
み取り開始信号を受けると、ページめくり読取ユニット
1が駆動されて、前述したように、ブック原稿92の原稿
画像の読み取り動作が開始される。
このページめくり読取ユニット1による読み取り動作
は、前に設定されているプリント置数に応じた回数だ
け、繰り返して行われる。
そして、この所定回数の読み取り動作が完了すると、
次ページの原稿画像の読み取り動作を行うべく、前述し
たように、ページめくり読取ユニット1によって、ペー
ジめくり動作が実行される。
このようにして、ブック原稿92の原稿画像の読み取り
動作、及び、ページめくり動作は、それぞれ、予め設定
された置数に応じて、その最終ページがめくられるま
で、繰り返し実行される。
そして、予め設定された最終めくりページのページめ
くり動作が完了し、且つ、最終読み取りページに対する
所定回数の読み取り動作が完了すると、この最終読み取
りページのページめくり動作を行わずに、ページめくり
読取ユニット1が、そのホームポジション位置1−Aに
復帰されて、このブック原稿読み取りモードルーチンが
リターンされる。
ブック原稿読み取りモードの基本動作は、以上の第33
図に示すフローチャートの通りであるが、このモード中
の前述した、見開き2ページ連続読み取りモードと、そ
の両面モード、及び、見開き1頁区切り読み取りモード
と、その両面モードは、第32図のキー入力セット時に受
け付けた入力モードとなる。
これらの各入力モードについては、スタートキー600
が押されてからの経過を示すタイミングチャートを参照
して説明する。
先ず、第34図に示すタイミングチャートを使用して、
見開き2ページ連続読み取りモードについて説明する。
第34図において、操作表示ボード313のスタートキー6
00が押されて、読み取りスタートスイッチSWがONされる
と、第1読み取りセンサユニット9内のシャッタ(図示
せず)が閉じる。
このシャッタの内面は、白色基準板になっていて、こ
れにより、第1読み取りセンサユニット9のシェーディ
ング補正が行われる。
このシェーディング補正は、ページめくり読取ユニッ
ト1の立上り時に毎回行われ、ページめくり読取ユニッ
ト1の移動速度が一定速度になる前に完了される(この
部分のタイミングチャートは図示せず)。
このページめくり読取ユニット1のスタートは、メイ
ン制御ボード310から、めくりユニット駆動制御ボード3
12へ送られる正転スタート信号によって行われる。
この正転スタート信号により、ページめくり読取ユニ
ット1が、プレスキャンを開始する。
ここで、ページめくり読取ユニット1の移動速度が一
定速度Vfに立ち上がった後は、前述のシャッタが既に開
かれており、第1CCD315により、ブック原稿92の原稿画
像の読み取りが開始されている。
このページめくり読取ユニット1のプレスキャン時の
読み取りにより、見開かれたブック原稿92の端部を画像
処理でエッジ検出し、このときのめくりローラ2に取付
けられたエンコーダ152の出力をカウントすることによ
って、原稿載置面116にセットされたブック原稿92のブ
ックサイズを認識して、ページめくり読取ユニット1の
原稿画像の読み取り領域、及び、ページめくり領域を決
定する。
このように、このMFDSは、ブック原稿92が原稿載置面
116のセンターを基準としてセットされるように構成さ
れているので、このセットされたブック原稿92の左端部
のみを検出することによって、そのページめくり読取ユ
ニット1の原稿画像の読み取り領域、及び、ページめく
り領域を算出することができる。
従って、このMFDSでは、ブック原稿92のブックサイズ
検知に際して、ページめくり読取ユニット1を全面プレ
スキャンさせる必要がなく、ページめくり読取ユニット
1をショートプレスキャンさせるだけで、原稿載置面11
6上に載置されたブック原稿92のブックサイズを検知す
ることができる。
これにより、このページめくり読取ユニット1のプレ
スキャン時に、ブック原稿92の読み取り開始ページを誤
ってページめくりすることがなくなる。
このブック原稿92のブックサイズデータは、メイン制
御ボード310から、外部接続機器としてのプリンタ300に
送信される。
一方、このブックサイズ検知が完了し、そのブックサ
イズデータがプリンタ300に送信されている間に、メイ
ン制御ボード310から、めくりユニット駆動制御ボード3
12に対して、めくりユニット駆動モータ60を逆転させる
逆転信号が与えられ、ページめくり読取ユニット1が速
度Vrの速さで、そのホームポジション位置1−Aに向け
て復帰移動される。
なお、このMFDSの原稿台18の原稿載置面116を、有彩
色、例えば、黄色などのような、ブック原稿としてあま
り使用されていないような有彩色で着色しておくことに
より、この原稿載置面116と、ブック原稿92の原稿画像
の読み取り領域との、領域識別精度を高めることができ
るので、上述のプレスキャン時におけるブックサイズ検
知をより正確に行うことができ、そのブックサイズデー
タの信頼性が向上される。
また、ここで、原稿載置面116を、例えば、灰色など
の中間色で着色しておけば、第1読み取りセンサユニッ
ト9の第1CCD315として、カラーセンサを使用せずに、
プレスキャン時の領域識別が可能となる。
上述のプレスキャンが終了して、ページめくり読取ユ
ニット1がホームポジション位置1−Aに退避した後、
プリンタ300の準備ができて、プリンタ300からメイン制
御ボード310に対し、データの転送を要求する転送要求
信号が与えられると、これにより、メイン制御ボード31
0から、めくりユニット駆動制御ボード312に対して、め
くりユニット駆動モータ60を正転させる正転信号が与え
られ、ページめくり読取ユニット1の正転動作が開始さ
れる。
このページめくり読取ユニット1は、前述したよう
に、めくりローラ2のエンコーダ152の出力がフィード
バックされることによって、ブック原稿92の原稿面に沿
って、速度Vfの速さに定速度制御されて、そのエンドポ
ジション位置1−Cに向けて移動される。
このとき、第1読み取りセンサユニット9のLED316
は、既に点灯されており、この第1読み取りセンサユニ
ット9の第1CCD315により、ブック原稿92の原稿情報の
読み取りが開始されている。
ここで、第1図に示すように、原稿載置面116上に見
開かれてセットされたブック原稿92の綴じ部(センター
部)付近は、原稿面の反りがきついため、この綴じ部付
近の原稿情報を正確に読み取ることが困難となる。
また、このブック原稿92の綴じ部付近には、通常、文
字や画像等の原稿情報が形成されることがない。
そこで、このMFDSでは、第34図に示すように、このブ
ック原稿92の綴じ部付近において、第1CCD315の読み取
りSFGATEがOFFされ、この綴じ部付近の原稿情報の読み
取りがマスクされるようになっている。
この原稿情報の初期設定時におけるマスク領域は、前
述したように、中央基準位置決め部24のセンターより+
10mm、−10mmとなるように設定されているが、このマス
ク領域は、操作表示ボード313のブック綴じ部マスク領
域設定キー608のキー入力によって、その設定値を変更
し得るようになっており、特殊な装丁のブック原稿にも
対応できるようになっている。
ところで、第1読み取りセンサユニット9によるブッ
ク原稿92の原稿情報の読み取りは、ページめくり読取ユ
ニット1がそのエンドポジション位置1−Cに至るまで
行われるが、このページめくり読取ユニット1が、ブッ
ク原稿92のセンター付近に到達した時点で、第1高圧電
源320が周波数f1でONされる。
これにより、めくり搬送ベルト8のブック原稿92の右
側のページに当接する部分に、前述した電荷パターンが
形成される。
このめくり搬送ベルト8は、上述のように、ページめ
くり読取ユニット1が駆動されているときには駆動され
ず、ブック原稿92を押える働きをしている。
このようにして、ページめくり読取ユニット1が、そ
のエンドポジション位置1−Cまで駆動されて、ブック
原稿92の右端部の読み取り領域までの原稿情報の読み取
りが終了すると、第1高圧電源320の出力がOFFされると
ともに、メイン制御ボード310からめくりユニット駆動
制御ボード312に対して、めくり信号が与えられ、ペー
ジめくり読取ユニット1によるブック原稿92のページめ
くり動作が開始される。
このとき、この第1読み取りセンサユニット9の読み
取った原稿面が、予め設定されたブック原稿92の最終読
み取りページに相当している場合には、メイン制御ボー
ド310からめくり信号が出力されず、このページめくり
読取ユニット1は、このブック原稿92の最終読み取りペ
ージの読み取りを終えた後、上述のページめくり動作を
行わずに復帰移動されて、そのホームポジション位置1
−Aに退避される。
ブック原稿92のページめくり動作時において、ページ
めくりセンサ29がONされるまでの間は、ページめくり読
取ユニット1の逆転動作がスロースタートされ、めくり
搬送ベルト8上に静電的に吸着されたブック原稿92の読
み取り終了ページ(第1図における右ページ)が、その
ページ収納部7内に導かれる。
そして、ページめくり読取ユニット1が、そのホーム
ポジション位置1−Aに向けて、さらに復帰移動され、
このブック原稿92の読み取り終了ページのセンター部分
までが、ページ収納部7内にめくり込まれる。
また、このページめくり読取ユニット1のページめく
り動作時においては、めくり搬送ベルト8の原稿吸着領
域の電荷パターンを除電するために、第1高圧電源320
が周波数f2でONされる。
このようにして、ページめくり読取ユニット1のペー
ジ収納部7内にめくり込まれたブック原稿92の読み取り
終了ページは、ページめくり読取ユニット1が、ブック
原稿92のセンター部を越してから、そのエンドポジショ
ン位置1−Cに至る間に、ページ収納部7内から排出さ
れて、そのページめくり動作が完了する。
このページ排出時におけるページめくり読取ユニット
1のリターン速度Vrmは、その原稿読み取り時における
速度Vfよりも大きくなるように、すなわち、Vrm>Vfと
なるように設定されており、このページめくり動作の高
速化が図られている。
この1連のページめくり動作の状態は、ページめくり
センサ29により検知されている。
すなわち、このMFDSは、ページめくり読取ユニット1
の各位置におけるページめくりセンサ29のON/OFFがチェ
ックされることにより異常の有無が検出され、異常があ
る場合に、異常処理動作が実行される。
この異常処理動作としては、警告ブザーが作動される
とともに、例えば、ページ収納部7へ原稿ページをめく
り込めない場合には、“ページめくり不能”、ページ収
納部7にめくり込まれた原稿ページを排出できない場合
には、“ページ重ね不能”等の表示が、操作表示ボード
313に表示され、さらに、このページめくり動作が停止
される。
また、この異常が発生したページめくり状態をユーザ
ーが確認できるようにするために、このページめくり状
態の異常発生箇所が、操作表示ボード313に表示され
る。
以下、ブック原稿92の2ページ目以降の原稿画像の読
み取り、及び、ページめくり動作は、プリンタ300から
の転送要求信号によって、順次スタートされ、上述と同
様の読み取り動作、及び、ページめくり動作が、予め設
定された最終読み取りページに至るまで、繰り返し実行
される。
ここで、第34図のタイミングチャートでは、原稿のプ
リント置数を「1」とした場合、すなわち、ブック原稿
92の各読み取りページを、それぞれ1回読み取る毎に、
この読み取りを終えたページのめくり動作を実行する場
合について示したが、この原稿のプリント置数が「2」
以上に設定されている場合には、第1読み取りセンサユ
ニット9による第1回目の原稿読み取り動作が完了した
時点で、メイン制御ボード310からめくりユニット駆動
制御ボード312に対して、めくり信号の代わりに逆転信
号が送信され、ページめくり読取ユニット1が速度Vrの
速さで、そのホームポジション位置1−Aに向けてリタ
ーンされ、このリターン動作が終えると同時に、このペ
ージめくり読取ユニット1の第2回目の原稿読み取り動
作がスタートされる。
そして、このようなページめくり読取ユニット1の原
稿読み取り動作が、予め設定された原稿のプリント置数
の回数分だけ、繰り返し実行され、この動作の回数とプ
リント置数とが一致した時点で、初めて、メイン制御ボ
ード310からめくりユニット駆動制御ボード312に対し
て、めくり信号が送信され、上述したページめくり動作
が実行される。
以下、ブック原稿92の2ページ目以降の原稿画像の読
み取り、及び、ページめくり動作は、プリンタ300から
の転送要求信号によって、順次スタートされ、上述と同
様のプリント置数に応じた回数の読み取り動作、及び、
ページめくり動作が、予め設定された最終読み取りペー
ジに至るまで、繰り返し実行される。
また、ここで、プリント変倍キー614により、読み取
った原稿画像が変倍されるように設定されている場合に
は、第1読み取りセンサユニット9のスキャン速度Vf
が、その変倍率に応じた速度に可変されることによっ
て、この原稿画像の副走査方向の変倍がなされるととも
に、第1画像処理ボード314によって、この原稿画像の
主走査方向の変倍処理がなされる。
一方、上述のような、見開き2ページ連続読み取りモ
ードの両面モードにおいては、プリンタ300が原稿画像
の両面プリントを行なうために、このプリンタ300から
のメイン制御ボード310への転送要求信号の送信タイミ
ングが多少遅れる点は異なるが、それ以外の動作に関し
ては、前述した見開き2ページ連続読み取りモードと同
様の動作が実行される。
次に、第35図を参照して、見開き1ページ区切り読み
取りモードについて説明する。
この見開き1ページ区切り読み取りモードは、見開か
れたブック原稿92の左ページと、右ページとを別々に読
み取って、画像形成を行なうモードで、これらの各画像
を別々の転写紙にプリントするモードと、1枚の転写紙
の表裏にプリントするモード(この見開き1ページ区切
り読み取りモードの両面モード)とがある。
また、このモードにおいては、ブック原稿92の左ペー
ジから読み取る動作と、右ページから読み取る動作と
の、何れか一方の動作を、操作表示ボード313の読み取
り開始ページ選択キー603のキー入力により選択設定す
ることができる。
第35図は、ブック原稿92の向かって左ページから読み
取りを開始する場合のタイミングチャートを示してい
る。
この見開き1ページ区切り読み取りモードの動作は、
前述した見開き2ページ連続読み取りモードの両面モー
ドの動作と略同じであり、この見開き2ページ連続読み
取りモードの両面モードの動作と異なる点としては、プ
リンタ300からメイン制御ボード310への転送要求信号
が、1ページ毎に送信される点であって、これにより、
ページめくり読取ユニット1が、ブック原稿92の左ペー
ジから右ページに向けて等速で移動(スキャン)され
る。
第36図は、この見開き1ページ区切り読み取りモード
において、ブック原稿92の右ページから読み取りを開始
するように、セットされている場合のタイミングチャー
トを示している。
このタイミングチャートから明らかなように、ブック
原稿92の右ページから読み取りが開始される場合には、
このブック原稿92の読み取りが行なわれない左ページに
対するページめくり読取ユニット1の移動速度が、右ペ
ージに対する第1読み取りセンサユニット9のスキャン
速度Vfよりも速い速度となるようにプログラムされてい
て、原稿読み取り時間の短縮化、すなわち、読み取り機
能の性能アップが図られている。
また、この見開き1ページ区切り読み取りモードにお
いて、読み取りスキップページ設定キー618により、ス
キャンをせずに読み飛ばす(スキップする)ページが設
定されている場合には、この読み取りスキップページに
対するページめくり読取ユニット1が、読み取りを行な
う時の第1読み取りセンサユニット9のスキャン速度Vf
よりも速い速度で移動されて、直ちに、この読み取りス
キップページのめくり動作が実行されるようにプログラ
ムされている(タイミングチャートは図示せず)。
ところで、一般的には、第35図及び第36図に示したよ
うに、プリンタ300からメイン制御ボード310に対して、
通常状態で連続して転送要求信号を要求できるプリンタ
は少ない。
そこで、このような一般的なプリンタを使用して、こ
の見開き1ページ区切り読み取りモードを実施する場合
には、このプリンタ側において、2枚の転写紙を重連す
るように給紙させることによって実現させることができ
る。
また、ここで、転写紙と感光体ドラムとのレジストの
関係上、これらの2枚の転写紙間に、どうしても、ある
程度の距離を設けなければならないような場合には、ブ
ック原稿92の左ページ側の画像データはそのままプリン
タに流し、ブック原稿92の右ページ側の画像データは、
ディレーメモリを通して、これら転写紙間の距離に相当
する時間だけ、プリンタへの転送タイミングを遅延させ
ることにより実現させることができる。
この後者の場合の一例のブロック図を第37図に、ま
た、そのタイミングチャートを第38図に示す。
この例では、メイン制御ボード310上の内部の各ゲー
トA,Bにより、切り換え器を通してプリンタへそのまま
出力される画像データに対して、ディレーメモリを通し
てプリンタへ出力される画像データが、時間Tdだけ遅延
されるように構成されている。
次に、この見開き1ページ区切り読み取りモードにお
ける両面モードについて説明する。
先ず、見開かれたブック原稿92の左右2ページの画像
データを1枚の転写紙の表裏にプリントする場合につい
て説明する。
この場合には、プリンタ300側において、転写紙を反
転搬送する必要があるため、その左ページの画像データ
のプリントを終えてから、右ページの画像データのプリ
ントを開始するまでに、多少の時間が掛る。
このため、このモードでは、ページめくり読取ユニッ
ト1がブック原稿92の左ページの読み取りを終えて、そ
の綴じ部付近に到達した時点で、このページめくり読取
ユニット1の駆動が一旦停止される。
そして、プリンタ300側での左ページ画像のプリン
ト、及び、この転写紙の反転搬送が完了し、プリンタ30
0からメイン制御ボード310に転送要求信号が出される
と、停止されていたページめくり読取ユニット1が再び
所定のスキャン速度Vfで駆動されて、ブック原稿92の右
ページの読み取りが行なわれ、この右ページの画像デー
タがプリンタ300に転送されて、表面に左ページ画像の
プリントされた転写紙の裏面に、この右ページ画像がプ
リントされて、両面プリントが行なわれる。
この時の、タイミングチャートを第39図に示す。
次に、この見開き1ページ区切り読み取りモードにお
いて、プリントされた転写紙の表裏と、ブック原稿92の
原稿面の表裏との関係を、一致させて画像形成する場合
の両面モードについて説明する。
このモードにおいて、ブック原稿92の左ページから読
み取りを開始する場合には、前述したように、プリンタ
300に対して、2枚連続給紙を行なうように指示し、左
ページ画像のプリントされた転写紙はそのまま排紙させ
る一方、右ページ画像のプリントされた転写紙は反転搬
送させて、その裏面にブック原稿92の次ページの左ペー
ジ画像をプリントするための準備を行なっておく。
この間に、MFDS側においては、読み取りを終えた原稿
ページのページめくり動作が行なわれる。
このMFDS側でのページめくり動作が完了されると、次
ページに対する読み取り動作が実行され、前に、右ペー
ジ画像がプリントされて反転搬送された転写紙の裏面
に、読み取られた左ページ画像がプリントされて排出さ
れる。
また、この時読み取られた右ページ画像は、新たに給
紙された転写紙にプリントされる。
この転写紙は、先の転写紙と同様に、反転搬送され
て、その裏面にブック原稿92の次ページの左ページ画像
をプリントするための準備が行なわれる。
このような1連の動作が繰り返し実行されることによ
り、ブック原稿92と全く同様なページ構成の原稿画像が
プリントされた転写紙が得られる。
以上が、ブック原稿読み取りモードにおける動作の一
例である。
ここで、見開き読み取りモードにおけるブック原稿の
セットについて説明する。
第29図の接続機器チェックにおいて、プリンタ300が
裏面排紙可能な場合には、次のような表示が行なわれ
る。
すなわち、 “ブック原稿が横書き(左開き)ならば、読み取りた
い先頭ページを見開いて正面上向きにセットして下さ
い。” “ブック原稿が縦書き(右開き)ならば、読み取りた
い先頭ページを見開いて天地逆上向きにセットして下さ
い。” のように、ブック原稿の横書き、縦書きに対する、それ
ぞれのセット方法が指示される。
これに対し、第29図の接続機器チェックにおいて、プ
リンタ300が表面排紙のみ可能な場合には、次のような
表示が行なわれる。
すなわち、 “ブック原稿が横書き(左開き)ならば、読み取りた
い最終ページを見開いて天地逆上向きにセットして下さ
い。” “ブック原稿が縦書き(右開き)ならば、読み取りた
い最終ページを見開いて正面上向きにセットして下さ
い。” のように、ブック原稿の横書き、縦書きに対する、それ
ぞれのセット方法が指示される。
このMFDSでは、上述のような指示に従って、ブック原
稿92をセットすることにより、これに接続されるプリン
タ300の機能に関わらず、排出される転写紙のページ揃
えを行なうことができる。
また、このMFDSにおけるページめくり枚数の入力方法
には、操作表示ボード313のキー入力による2通りの入
力方法があり、これらの入力方法の内の何れか1つを、
ユーザーが好みによって選択できるようになっている。
この入力方法の一つは、読み取り総ページ設定キー60
6等を使用して、読み取りたい総ページ数を設定する方
法であり、他の入力方法は、読み取り開始ページ設定キ
ー604、読み取り最終ページ設定キー605等を使用して、
読み取りたい先頭ページと、最終ページを入力する方法
である。
このMFDSにおけるページめくり枚数の入力は、上記の
何れの方法で行なうにせよ、ページめくり読取ユニット
1のページめくり回数を正確に算出できればよい。
以下、上述の各方法におけるページめくり回数の算出
方法について説明する。
先ず、読み取りたい総ページ数を入力した場合につい
て説明する。
ここで、読み取りたい総ページ数をXとし、めくり回
数をMとすれば、 左ページから読み取る場合には、 (X−2)/2=M+余り ・・・ 右ページから読み取る場合には、 (X−1)/2=M+余り ・・・ となり、これらの式よりMの値を算出する事により、そ
のめくり回数が求められる。
次に、読み取りたい先頭ページと、最終ページを入力
した場合について説明する。
ここで、読み取りたい先頭ページをY、最終ページを
Zととし、読み取りたい総ページ数をXとすれば、 X=Z−Y+1 ・・・ となり、この式を、前記の式、式に代入すること
により、めくり回数Mを算出する事ができる。
ところで、このMFDSは、前述したように、1台の装置
で、ブック原稿と、シート原稿とを選択的に読み取っ
て、その画像形成を行うことができるように構成されて
いる。
ブック原稿に関する画像読み取りモードは、上述した
通りであり、以下、このMFDSにおけるシート原稿の画像
読み取りモードについて説明する。
このシート原稿の読み取りモードには、第31図に示し
たように、シート原稿スルーモードと、シート原稿スキ
ャンモードと、シート原稿手動開閉モードとがある。
先ず、シート原稿スルーモードについて説明する。
このシート原稿スルーモードには、片面原稿読み取り
モードと、両面原稿読み取りモードとがあり、この両面
原稿読み取りモードに、同一位置読み取りモードと、別
位置読み取りモードとがある。
これらのモードの選択は、第40図に示すように行われ
る。
先ず、片面原稿読み取りモードでは、第41図、及び、
第42図に示すように、シート原稿トレイ94に、シート原
稿200が下向きにセットされ、この状態で、スタートキ
ー600が押されると、先ず、めくり搬送ベルト駆動モー
タ61の電源がONされ、駆動ローラ12が回転されて、めく
り搬送ベルト8が回動される。
このとき、各センサと、各入力データに異常がなけれ
ば、給紙クラッチ128がONされ、第1ベルト支持ローラ9
7に取付けられた第2給紙プーリ130から給紙駆動ベルト
127を介して、給紙ローラ96が回転され、シート原稿200
が給紙分離パッド95に向けて搬送される。
この給紙分離パッド95によって、最下位の1枚だけの
シート原稿200が他のシート原稿から分離され、第1搬
送ガイド108及び第2搬送ガイド109に案内されながら、
めくり搬送ベルト8に接する位置まで搬送される。
ここで、この第2搬送ガイド109には、給紙センサ26
が取付けられており、この給紙センサ26によって、シー
ト原稿200の後端が検知されされた後、給紙クラッチ128
がOFFされるように、シート原稿200の搬送タイミングが
設定されている。
一方この間に、このめくり搬送ベルト8の回転ととも
に、第2バイアスローラ11に交流電源35から交流の高電
圧が印加されて、めくり搬送ベルト8にストライプ状の
電荷パターンが形成される。
これにより、このめくり搬送ベルト8によって、給紙
されたシート原稿200が吸着されて搬送される。
このときのめくり搬送ベルト8の線速は、等倍時では
360mm/sに、変倍時ではその設定倍率に応じて変化され
るようになっている。
一方、このモードでは、ページめくり読取ユニット1
が、そのエンドポジション位置1−Cに位置しており、
その第1読み取りセンサユニット9によって、めくり搬
送ベルト8により搬送されたシート原稿200の原稿情報
が順次読み取られる(画素密度は400dpi)。
そして、この読み取りを終えたシート原稿200は、第
3搬送ガイド110及び第4対向ローラ103,第5対向ロー
ラ104,第6対向ローラ105,第7対向ローラ106により、
挾持搬送されて、排紙口117から排紙トレイ23上に排紙
される。
この排紙口117の近傍の第3搬送ガイド110には、排紙
センサ28が取付けられていて、この排紙されるシート原
稿200の排紙ジャムが検知されている。
そして、1枚目のシート原稿200の読み取り動作が完
了されると、次に、所定の給紙タイミングで、給紙クラ
ッチ128が再びONされ、2枚目のシート原稿200が給紙さ
れて、上述と同様な読み取り動作が実行される。
このようにして、シート原稿トレイ94にセットされた
シート原稿200が順次給送されて読み取られ、最後の
(最上位の)シート原稿200が給紙されて、シート原稿
センサ25がOFFすると、第2バイアスローラ11の電源が
高周波交流電圧に切り替えられ、めくり搬送ベルト8の
電荷パターンが除電されて、この最終のシート原稿200
が排紙された後、MFDSの全ての動作が停止される。
以上の読み取り動作は、このMFDSに裏面排紙機能を有
するプリンタが接続されている場合の動作であり、これ
により、シート原稿200及びプリントされた転写紙のペ
ージ揃え排紙が実現される。
ここで、このMFDSに接続されているプリンタが表面排
紙機能しか有していない場合には、シート原稿トレイ94
上に、シート原稿200を上向きにセットして、第2読み
取りセンサユニット14によって、このシート原稿200の
読み取りを行うことにより、上述した裏面排紙機能を有
するプリンタの場合と同様に、シート原稿200及びプリ
ントされた転写紙のページ揃え排紙が実現される。
また、この表面排紙機能を持ったプリンタが接続され
ている場合におけるその他の動作は、裏面排紙機能を有
するプリンタが接続されている場合と同様である。
次に、このシート原稿スルーモードにおける両面原稿
読み取りモードについて説明する。
この両面原稿読み取りモードでは、横書きのシート原
稿が、その原稿先端から下向きにして、シート原稿トレ
イ94上にセットされる。
これは、第1読み取りセンサユニット9及び第2読み
取りセンサユニット14がメモリーを持っていないため、
その主走査方向でのミラー反転しか用いることができな
いことによる。
先ず、この両面原稿読み取りモードにおける同一位置
読み取りモードの基本動作は、第43図、及び、第44図に
示すように、片面原稿読み取りモードの場合と同様であ
るが、このモードでは、ページめくり読取ユニット1
が、そのホームポジション位置1−Aに位置されて、原
稿台18がわの第2読み取りセンサユニット14の位置と同
一位置で、シート原稿200の表裏両面の原稿情報の読み
取りが、これらの第1読み取りセンサユニット9、及
び、第2読み取りセンサユニット14によって、同時に平
行して実行される。
一方、この両面原稿読み取りモードにおける別位置読
み取りモードの基本動作は、第45図、及び、第46図に示
すように、片面原稿読み取りモードの場合と同様である
が、このモードでは、ページめくり読取ユニット1が、
そのエンドポジション位置1−Cに位置されている。
ここで明らかなように、この別位置読み取りモードで
は、第1読み取りセンサユニット9と、第2読み取りセ
ンサユニット14との読み取り位置の間隔が、最大サイズ
の原稿の長さよりも大きくなるため、これらの第1読み
取りセンサユニット9及び第2読み取りセンサユニット
14によ読み取られたシート原稿200の表裏両面の原稿情
報が、時系列的に出力される。
次に、シート原稿読み取りモードにおけるシートスキ
ャンモードについて説明する。
このシートスキャンモードでは、第47図、及び、第48
図に示すように、シート原稿トレイ94に、シート原稿20
0が上向きにセットされ、この状態で、スタートキー600
が押されると、先ず、めくり搬送ベルト駆動モータ61の
電源がONされ、駆動ローラ12が回転されて、めくり搬送
ベルト8が回動される。
このとき、各センサと、各入力データに異常がなけれ
ば、給紙クラッチ128がONされ、第1ベルト支持ローラ9
7に取付けられた第2給紙プーリ130から給紙駆動ベルト
127を介して、給紙ローラ96が回転され、シート原稿200
が給紙分離パッド95に向けて搬送される。
この給紙分離パッド95によって、最下位の1枚だけの
シート原稿200が他のシート原稿から分離され、第1搬
送ガイド108及び第2搬送ガイド109に案内されながら、
めくり搬送ベルト8に接する位置まで搬送される。
ここで、この第2搬送ガイド109には、給紙センサ26
が取付けられており、この給紙センサ26によって、シー
ト原稿200の後端が検知されされた後、給紙クラッチ128
がOFFされるように、シート原稿200の搬送タイミングが
設定されている。
一方この間に、このめくり搬送ベルト8の回転ととも
に、第2バイアスローラ11に交流電源35から交流の高電
圧が印加されて、めくり搬送ベルト8にストライプ状の
電荷パターンが形成される。
これにより、このめくり搬送ベルト8によって、給紙
されたシート原稿200が吸着されて搬送される。
このときのめくり搬送ベルト8の線速は、360mm/sに
設定されており、シート原稿200の先端がホームポジシ
ョン位置1−Aに到達したときに、めくり搬送ベルト8
の回動が停止されるようになっている。
一方、このモードでは、ページめくり読取ユニット1
が、そのホームポジション位置1−Aに位置しており、
めくり搬送ベルト8の回動が停止された後に、ページめ
くり読取ユニット1がめくりユニット駆動モータ60によ
って、そのエンドポジション位置1−Cに向けて移動さ
れながら、その第1読み取りセンサユニット9によっ
て、めくり搬送ベルト8により搬送されたシート原稿20
0の原稿情報が順次読み取られる(画素密度は400dp
i)。
この原稿情報の読み取り時には、第1バイアスローラ
3に、第1高圧電源320により高周波交流電圧が印加さ
れ、めくり搬送ベルト8に形成されていた電荷パターン
が除電される。
これにより、ページめくり読取ユニット1の復帰移動
時におけるシート原稿200のページめくり読取ユニット
1内への進入が防止されている。
このようにしてシート原稿200の読み取りを終えたペ
ージめくり読取ユニット1は、そのホームポジション位
置1−Aに向けてリターンされる。
また、このページめくり読取ユニット1のリターン時
には、第1読み取りセンサユニット9がシート原稿200
の原稿面から上方に退避されるとともに、第1バイアス
ローラ3に第1高圧電源320から高圧交流電圧が印加さ
れて、めくり搬送ベルト8にストライプ状の電荷パター
ンが形成されて、このシート原稿200がめくり搬送ベル
ト8に吸着されて固定される。
そして、上述のような動作がその設定回数だけ繰り返
された後、めくり搬送ベルト駆動モータ61がONされて、
めくり搬送ベルト8が回動され、この読み取りを終えた
シート原稿200が、排紙口117から排紙トレイ23上に排紙
される。
この排紙口117の近傍の第3搬送ガイド110には、排紙
センサ28が取付けられていて、この排紙されるシート原
稿200の排紙ジャムが検知されている。
そして、1枚目のシート原稿200の読み取り動作が完
了されると、次に、所定の給紙タイミングで、給紙クラ
ッチ128が再びONされ、2枚目のシート原稿200が給紙さ
れて、上述と同様な読み取り動作が実行される。
このようにして、シート原稿トレイ94にセットされた
シート原稿200が順次給送されて読み取られ、最後の
(最上位の)シート原稿200が給紙されて、シート原稿
センサ25がOFFすると、第2バイアスローラ11の電源が
第2高圧電源321の高周波交流電圧に切り替えられ、め
くり搬送ベルト8の電荷パターンが除電されて、この最
終のシート原稿200が排紙された後、MFDSの全ての動作
が停止される。
次に、このシート原稿スルーモードにおけるシート原
稿手動開閉モードについて説明する。
このシート原稿手動開閉モードの動作は、第49図、及
び、第50図に示すように、上述したシート原稿スキャン
モードの動作における、シート搬送手段、及び、シート
吸着用の各電源をそれぞれOFFの状態にし、オペレータ
が手操作により、シート原稿の入れ替えが行われる。
以下、このMFDSにおけるページめくり読取ユニット1
の操作制御について説明する。
第51図に、このMFDSにおけるページめくり読取ユニッ
ト1の操作制御回路を示す。
この操作制御回路は、ページめくり読取ユニット1の
往復駆動制御、及び、その速度制御を行っており、めく
りユニット駆動制御ボード312に組み込まれている。
第51図において、マイクロコンピュータ520(以下、
単にマイコンという)は、このMFDSのモード制御、及
び、シーケンス制御も行っている(詳細は図示せず)。
このようなマイコン520としては、例えば、μPD71054
Gによるプログラマブルインターバルタイマ521(以下、
単にタイマという)が接続されている。
このタイマ521は、マイコン520の制御により、めくり
ユニット駆動モータ60(直流モータ)の速度制御を行う
ためのパルス幅変調PWM出力を送出するためのものであ
る。
このPWM制御の周期は、50(μsec)であり、これを40
0ビットの分解能で制御する。
このタイマ521には、8MHzの発振器522が接続され、ク
ロック信号が与えられるように構成されている。
また、めくりユニット駆動モータ60は、マイコン520
に対し、駆動用トランジスタQ1〜Q4を介して接続されて
いる。
すなわち、トランジスタQ1,Q4がONで、トランジスタQ
2,Q3がOFFの状態で、めくりユニット駆動モータ60に
は、時計方向(CW)に回転する電流が供給され、トラン
ジスタQ2,Q3がONで、トランジスタQ1,Q4がOFFの状態
で、めくりユニット駆動モータ60には、反時計方向(CC
W)に回転する電流が供給される。
ここで、めくりユニット駆動モータ60が、時計方向
(CW)に回転すると、ページめくり読取ユニット1は往
動され、めくりユニット駆動モータ60が、反時計方向
(CCW)に回転すると、ページめくり読取ユニット1は
復動されるように設定されている。
このめくりユニット駆動モータ60の回転方向は、マイ
コン520のポートPF6,PF7からそれぞれ出力されるCW信
号、及び、CCW信号により制御される。
また、めくりローラ2には、その回転に従ってパルス
を発生させるエンコーダ152が直結されている。
ここで、このエンコーダ152は、めくりユニット駆動
モータ60の回転量、及び、回転方向に応じて、位相の異
なる2つのパルス信号を発生する。
1つは、A相エンコーダパルスENCAであり、他の1つ
は、B相エンコーダパルスENCBである。
A相エンコーダパルスENCAは、分周マルチプレクサ52
4を介して、マイコン520のカウンタインプット端子C1に
入力されている。
これにより、マイコン520は、A相エンコーダパルスE
NCAのパルス間隔が、マイコン520の内部のカウンタ(マ
イコン520の発振器525の発振周波数10MHzにより規制さ
れる)によって計測される。
また、このカウンタインプット端子C1への入力信号
は、割込み入力となっており、割込みプログラムの処理
中に、A相エンコーダパルスENCAのパルス間隔の測定デ
ータの値を読み、このデータに基づいて、めくりユニッ
ト駆動モータ60の回転数の算出、比例・積分制御演算に
よるモータ制御量の算出、並びに、出力(タイマ521へ
のデータロード)等が行われる。
具体的には、A相エンコーダパルスENCAの出力を目標
速度に応じて分周マルチプレクサ524により、1,2,4,8分
周することにより、カウンタインプット端子C1に割込み
入力信号が与えられている。
ここで、1分周時には、第1読み取りセンサユニット
9が、エンコーダ152の1パルスによって、0.116mm移動
することにより、その速度が割込み間隔によりマイコン
520の内部で演算される。
そして、この算出された速度データに基づいて比例・
積分演算処理により、出力タイマ値が決定される。
また、A相エンコーダパルスENCA、及び、B相エンコ
ーダパルスENCBは、フリップフロップ526を介して、マ
イコン520の入力端子PC3に入力され、両者間の位相差検
知に供されて、その位相差によりめくりユニット駆動モ
ータ60の回転方向が決定される。
つまり、A相エンコーダパルスENCAの立上り時におけ
る、B相エンコーダパルスENCBの状態がマイコン520の
ポートに入力されることによって、めくりユニット駆動
モータ60の回転方向が判断される。
次に、めくりユニット駆動モータ60の速度制御につい
て説明する。
このめくりユニット駆動モータ60の速度制御はPWM制
御によって行われる。
先ず、ページめくり読取ユニット1のスキャナ走査
時、すなわち、めくりユニット駆動モータ60の時計方向
への回転時には、トランジスタQ1をONさせる一方、タイ
マ521からのPWM出力により、ゲート527を介して、トラ
ンジスタQ4をON/OFFさせ、めくりユニット駆動モータ60
の両端子間に電位差を生じさせて、PWM信号のデューテ
ィ比に応じた速度でこのめくりユニット駆動モータ60を
回転させる。
一方、ページめくり読取ユニット1のリターン時に
は、上述の場合と逆に、トランジスタQ3をONさせるとと
もに、タイマ521からのPWM出力により、ゲート回路528
を介して、トランジスタQ2をON/OFFさせ、めくりユニッ
ト駆動モータ60の両端子間に逆向きの電位差を生じさせ
て、PWM信号のデューティ比に応じた速度でこのめくり
ユニット駆動モータ60を回転させる。
(発明の効果) 本発明によれば、ブック原稿の略全面を押さえる押さ
えベルトが、めくりユニットの移動方向の前後に分割さ
れて同めくりユニットに対して開口部を形成し、めくり
ユニットのめくり方向への移動に伴い、開口部におい
て、このめくりユニットの移動方向の上流側に位置する
ベルトが送り出され、下流側のベルトがを巻き上げられ
るとともに、ページ吸着手段による吸着力が下流側のベ
ルトにページ吸着手段で吸着力が与えられることで、ブ
ック原稿の最上位のページが押さえベルトに吸着されつ
つ開口部よりめくりユニットに案内されるので、ブック
原稿に対する押さえ機能部と吸着機能部とを1つの構成
で実現することができ、装置の小型化、低コスト化を図
ることができる。
本発明によれば、ページめくり時であってもブック原
稿の略全面が押さえベルトで確実に押さえ込まれるの
で、めくりユニットが移動してもブック原稿のズレやし
わの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施したマルチ・ファンクション・ド
キュメント・スキャナ(MFDS)の概略断面図、第2図は
上記MFDSの駆動系の概略横断面図、第3図は上記MFDSの
駆動系の概略平面図、第4図は上記MFDSにおけるページ
めくり読取ユニットの端部の斜視図、第5図は上記ペー
ジめくり読取ユニットを構成するローラの支持構造を示
すローラ端部の断面図、第6図は上記MFDSにおける搬送
部ロック装置のロック解除態様を示す側面図、第7図は
上記搬送部ロック装置のロック開始作動態様を示す側面
図、第8図は上記搬送部ロック装置のロック完了態様を
示す側面図、第9図は上記MFDSが搭載されたプリンタの
外観を示す斜視図、第10図は上記MFDSが搭載されたプリ
ンタの搬送部開放時の外観を示す斜視図、第11図は上記
ページめくり読取ユニット内に配設された第1読み取り
センサユニットの端部付近の斜視図、第12図は上記第1
読み取りセンサユニットの端部付近の側面図、第13図は
上記第1読み取りセンサユニットの端部の支持構造を示
す部分拡大断面図、第14図は上記ページめくり読取ユニ
ットのめくりローラ2の奥側の側面図、第15図は上記MF
DSにおける原稿載置面の中央基準位置決め部の構造を示
す断面図、第16図は上記MFDSにおける操作表示ボードの
平面図、第17図は上記プリンタの概略断面図、第18図は
上記プリンタの書込部の平面図、第19図は上記プリンタ
の転写紙搬送経路を切り換える切換爪の作動態様図、第
20図は上記ページめくり読取ユニットの概略断面図、第
21図は上記第1読み取りセンサユニットの構成を示す断
面図、第22図は上記MFDSの作動態様を示す概略断面図、
第23図は上記MFDSにおけるめくり搬送ベルトの説明図、
第24図は上記めくり搬送ベルトのページめくり動作を示
す部分斜視図、第25図は上記めくり搬送ベルトの搬送力
のピッチ特性を示す線図、第26図は上記めくり搬送ベル
トの吸着力のピッチ特性を示す線図、第27図は上記めく
り搬送ベルトの搬送力の印加電圧特性を示す線図、第28
図は上記めくり搬送ベルトの吸着力の印加電圧特性を示
す線図、第29図は上記MFDSの電装ブロック図、第30図は
上記MFDSのブック原稿読み取りモード動作時のモード遷
移図、第31図は上記MFDSのシート原稿読み取りモード動
作時のモード遷移図、第32図は上記各モードの切り換え
動作を示すフローチャート、第33図は上記ブック原稿読
み取りモードの動作を示すフローチャート、第34図はブ
ック原稿読み取りモードにおける見開き2ページ連続読
み取りモードの動作を示すタイミングチャート、第35図
はブック原稿読み取りモードにおける見開き1ページ区
切り読み取りモードの動作を示すタイミングチャート、
第36図は上記見開き1ページ区切り読み取りモードにお
いてブック原稿の右ページから読み取るようにセットし
た場合の動作を示すタイミングチャート、第37図は上記
見開き1ページ区切り読み取りモードにおいて読み取ら
れたデータの転送タイミングを遅延させる回路のブロッ
ク図、第38図は上記見開き1ページ区切り読み取りモー
ドにおいて読み取られたデータの転送タイミングを遅延
させる回路の動作を示すタイミングチャート、第39図は
上記見開き1ページ区切り読み取りモードにおける両面
モードの動作を示すタイミングチャート、第40図は上記
シート原稿読み取りモードにおけるシート原稿スルーモ
ードの切り換え動作を示すフローチャート、第41図は上
記シート原稿スルーモードにおける片面読み取りモード
の動作を示すフローチャート、第42図は上記片面読み取
りモードの動作を示すタイミングチャート、第43図は上
記シート原稿スルーモードにおける同一位置読み取りモ
ードの動作を示すフローチャート、第44図は上記同一位
置読み取りモードの動作を示すタイミングチャート、第
45図は上記シート原稿スルーモードにおける別位置読み
取りモードの動作を示すフローチャート、第46図は上記
別位置読み取りモードの動作を示すタイミングチャー
ト、第47図は上記シート原稿読み取りモードにおけるシ
ート原稿スキャンモードの動作を示すフローチャート、
第48図は上記シート原稿スキャンモードの動作を示すタ
イミングチャート、第49図は上記シート原稿読み取りモ
ードにおけるシート原稿手動開閉モードの動作を示すフ
ローチャート、第50図は上記シート原稿手動開閉モード
の動作を示すタイミングチャート、第51図は上記ページ
めくり読取ユニットの走査制御回路図である。 A……マルチ・ファンクション・ドキュメント・スキャ
ナ(MFDS)、1……ページめくり読取ユニット、1−A
……ホームポジション位置、1−C……エンドポジショ
ン位置、8……めくり搬送ベルト、9……めくり搬送ベ
ルト、14……第2読み取りセンサユニット、24……中央
基準位置決め部、52……めくりユニット駆動ベルト、60
……めくりユニット駆動モータ、61……めくり搬送ベル
ト駆動モータ、92……ブック原稿、200……シート原
稿、300……プリンタ、310……メイン制御ボード、311
……めくり搬送ベルト駆動制御ボード、312……めくり
ユニット駆動制御ボード、313……操作表示ボード、314
……第1画像処理ボード、317……第2画像処理ボー
ド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂内 和典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 来住 文男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭61−274471(JP,A) 特開 昭57−208300(JP,A) 特開 昭62−193892(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 27/62 H04N 1/10 H04N 1/107

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】見開かれたブック原稿を上向きに載置する
    原稿載置台と、 上記原稿載置台に載置されたブック原稿の綴じ部と交差
    する方向に移動可能であり、この移動方向に移動するこ
    とにより上記ブック原稿のページをめくるめくりユニッ
    トと、 上記ブック原稿の略全面を押さえる押さえベルトと、 上記押さえベルトに吸着力を与えるページ吸着手段とを
    有し、 上記押さえベルトは、上記めくりユニットの移動方向の
    前後に分割されて同めくりユニットに対して開口部を形
    成し、上記めくりユニットのめくり方向への移動に伴
    い、上記開口部において、上記めくりユニットの移動方
    向の上流側に位置するベルトが送り出され、下流側のベ
    ルトが巻き上げられるとともに、上記ページ吸着手段で
    下流側のベルトに与えられた吸着力によって上記ブック
    原稿の最上位のページを吸着して上記開口部より上記め
    くりユニットに案内することを特徴とする原稿読み取り
    装置。
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