JP3115179B2 - ハイブリット型人工膵臓 - Google Patents

ハイブリット型人工膵臓

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JP3115179B2 JP06040188A JP4018894A JP3115179B2 JP 3115179 B2 JP3115179 B2 JP 3115179B2 JP 06040188 A JP06040188 A JP 06040188A JP 4018894 A JP4018894 A JP 4018894A JP 3115179 B2 JP3115179 B2 JP 3115179B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ハイブリッド型人工
膵臓に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、糖尿病の根治療法、あるいは膵癌や事故等により膵
臓を摘出した患者への代替え臓器として有用なハイブリ
ッド型(生体内植え込み型)の人工膵臓に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年の遺伝子工学の目覚まし
い発展によって、多くの疾患の発症因子の解明や診断技
術は著しく進歩しつつあるが、これら診断技術等の進歩
に比べ、治療医学の現状はまだまだ不十分な点も多い。
たとえば、種々多様な病態を示す糖尿病についても、そ
の診断や発症因子の解明は遺伝子の解析によって少しず
つ明らかにされてきているが、しかし一方で、複雑かつ
多様な病態をもつ糖尿病の根治療法は、その病態の複雑
さゆえに極めて困難な状況にある。
【0003】糖尿病の病因の一つは、膵臓からのインス
リン分泌障害(インスリン欠乏)であることが知られて
おり、最近では、病気の初期発生から少量のインスリン
を投与することによって、糖尿病の病期の進展が予防で
きるという可能性も示されている。しかしながら、イン
スリンはまた、肝臓での糖の新生や分解にも影響を及ぼ
すため、インスリンの過剰量の投与は低血糖を引き起こ
す原因ともなる。また、長期に渡って定期的にインスリ
ン注射を受けなければならないことは、患者にとっても
大きな負担となる。
【0004】このような理由から、近年、組織培養した
異種生体の膵内分泌細胞をチャンバーやチューブ、膜等
に封入して人体に移植し、この細胞から長期間に渡って
必要量のインスリンを血中に供給するという治療法が検
討されている。これがハイブリッド型人工膵臓であり、
これまでもその実用化に向けて、例えば異種生体に由来
する膵細胞を人体の免疫系(免疫細胞や抗体等)から守
るための「免疫隔離手段」の確立、人体に適したインス
リンを効率よく産生する細胞の選択、移植細胞に長期間
その機能を発現させるための細胞形態とそのための培養
方法の工夫等について、様々な提案や改良が試みられて
いる。
【0005】この発明の発明者の一人も、上記の点を考
慮し、特に移植細胞に長期間その機能(インスリン分
泌)を維持させるためには細胞を3次元的に培養して凝
集塊とすることが必須であることを見出し、ブタの新生
児から単離した膵島細胞の3次元凝集塊を、高分子免疫
隔離膜を有するチャンバーに封入したハイブリッド型人
工膵臓を発明し、すでに特許出願している(特開平1−
247082号公報。以下、先願発明と記載することが
ある)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の発明者等
は、上記の先願発明の後も、より実用的なハイブリッド
型人工膵臓の開発に向けて鋭意研究し、その結果、生体
の膵島細胞に近似した生理機能を有する移植細胞の選択
と、そのための培養方法について新しい重要な知見を得
た。
【0007】この発明は、このような新たな知見に基づ
いてなされたものであり、先願発明をさらに発展・改良
し、生体に適した生理機能を有する移植細胞を、長期間
にわたって最適の細胞生物学的環境下に維持することの
できるハイブリッド型人工膵臓を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、高分子半透膜を有する拡散チャ
ンバーに、3次元培養した膵内分泌細胞を培養基質と共
に封入してなる人工膵臓であって、(1)膵内分泌細胞
が、世代の異なるブタの膵島細胞塊、外来性腫瘍遺伝子
を保有するトランスジェニック動物のインスリノーマに
由来する膵β細胞株、またはこれらの混合からなる細胞
塊であり、(2)培養基質が、少なくとも糖鎖含有メタ
クリル酸ポリマー,アガロース、コラーゲン・マトリッ
クスおよびニコチンアミドを含有する、ことを特徴とす
るハイブリッド型人工膵臓を提供する。
【0009】また、この発明のハイブリッド型人工膵臓
においては、ブタの膵島細胞塊が、ブタの胎児、新生児
および成熟のそれぞれの膵島細胞を混合してなる細胞塊
であること、膵β細胞株が、インスリンプロモーターに
SV40T抗原遺伝子を結合した融合遺伝子を保有するト
ランスジェニック・マウスのインスリノーマより株化し
た膵β細胞、またはこの株化細胞にヒト・インスリン遺
伝子を導入して株化した膵β細胞、あるいはヒト・イン
スリン遺伝子を保有するトランスジェニック・マウスと
上記トランスジェニック・マウスとを交配して得たマウ
スのインスリノーマより株化した膵β細胞であること、
拡散チャンバーがニコチンアミドを持続的に放出する高
分子を備えることを好ましい態様としてもいる。
【0010】以下、この発明の構成について、さらに詳
しく説明する。すなわち、この発明のハイブリッド型人
工膵臓は、基本的構造は先願発明と同様であり、高分子
半透膜を有する拡散チャンバーに、3次元培養した膵内
分泌細胞を培養基質と共に封入したものであるが、それ
ぞれの構成要件について次のような特徴を有している。 (1)拡散チャンバー 拡散チャンバーは、上記先願発明と同様にシリコン・リ
ング等の上下両面を高分子半透膜で封止し、移植する細
胞や組織片を膜の間に封入する円盤タイプとすることが
でき、あるいは筒状、平板状または針状等の形状を有す
る高分子半透膜に移植細胞を封入するようにしてもよ
い。高分子半透膜は、たとえばポリエステル、ポリカー
ボンまたはシリコン等の多孔膜であり、チャンバー内に
封入した移植細胞の分泌産物(インスリン等)のみを通
過させ、生体の免疫担当細胞や抗体等がチャンバー内へ
進入するのを防止するための免疫隔離手段として使用す
る。このような選択的透過性に優れた高分子膜で包被す
ることによって、移植細胞に対する生体の免疫反応を抑
制し、免疫抑制剤等を使用せずとも人工膵臓の生体内移
植が可能となる。
【0011】また、シリコン・リングも、抗血栓剤であ
るポリウレタン尿素等でコーティングしておくとよい。
さらにこの発明の拡散チャンバーは、ニコチンアミドを
持続的に放出するポリマーを備えていることを好ましい
態様としてもいる。このニコチンアミドは、後述の通り
膵細胞の機能修復作用を有するため、移植後の細胞機能
を長期にわたって維持することが可能となる。 (2)膵内分泌細胞 上記チャンバーに封入する膵内分泌細胞は、例えば膵島
のインスリン分泌細胞および/またはグルカゴン分泌細
胞等であり、この発明では、世代の異なるブタの膵島細
胞塊、外来性腫瘍遺伝子を保有するトランスジェニック
動物のインスリノーマに由来する膵β細胞株、またはこ
れらの混合からなる細胞塊を使用し、後述の培養基質お
よび培養液を用いて3次元的に包埋培養してチャンバー
内に封入する。
【0012】このうち、ブタの膵島細胞塊は、従来の人
工膵臓がブタの新生児から単離した細胞のみを用いてい
たのに対し、この発明では異なる世代のブタ(例えば、
胎児、新生児および成熟)のそれぞれの膵臓から単離し
た細胞を混合して用いる。このような世代の異なる3種
類の細胞を混合することによって、相互作用による自己
レギュレーションを促し、本来の膵島細胞に近似した機
能の発現が可能となる。すなわち、この3世代混合細胞
は、インスリンだけではなく、糖の代謝に重要な役割を
果たすグルカゴンや、生体の恒常性維持に必要なソマト
スタチン等の膵島細胞から分泌されるホルモンを過不足
なく産生する。
【0013】なお、これらの膵島細胞は、公知の手続き
によって単離し、培養液中に浮遊させて再凝集させるこ
とによって収集することができる。一方、インスリノー
マに由来する膵β細胞株としては、この発明の発明者の
一人が既に開発している膵β細胞株(MIN6,MIN
7:Endocrinology,vol127, p.126, 1990)を用いること
ができる。この細胞株は、ヒト・インスリン遺伝子のプ
ロモーターにSV40T抗原遺伝子を結合した融合遺伝子
を受精卵に導入して産出させたトランスジェニック・マ
ウスのインスリノーマより株化した膵β細胞であり、安
定したインスリン産生能を有するとともに、3次元培養
でも増殖能を示す。また、通常の株化膵β細胞は本来の
膵β細胞が有するグルコース感受性を喪失するが、これ
らの細胞株(特にMIN6)はグルコ─ス濃度に依存し
てインスリンを分泌し、生体内に移植した場合にも高血
糖時にのみ機能を発現するという優れた特徴を有してい
る。
【0014】さらにこの発明においては、チャンバーに
封入する移植細胞として、上記細胞株(MIN6,MI
N7)にヒト・インスリン遺伝子を導入して株化した膵
β細胞、あるいはヒト・インスリン遺伝子を保有するト
ランスジェニック・マウスと上記の外来性腫瘍遺伝子を
保有するトランスジェニック・マウスとを交配して得た
マウスのインスリノーマから株化した膵β細胞を用いる
こともできる。これらの細胞株は、マウスのインスリン
に加えてヒト・インスリンをも安定的に発現する。
【0015】さらにまた、以上の膵内分泌細胞、すなわ
ちブタ膵臓由来の3世代混合細胞またはインスリノーマ
由来の膵β細胞株は、それぞれ単独で移植細胞として用
いることもできるが、より好ましくはそれらを任意の割
合で混合して用いる。こうすることによって、移植細胞
の生理的機能(インスリン,グルカゴン,ソマトスタチ
ン等の分泌)を本来の膵臓により近似させることができ
る。 (3)培養基質 この発明の人工膵臓においては、上記の膵内分泌細胞を
包埋培養し、3次元構造として拡散チャンバーに封入す
る。こうすることによって、培養細胞に本来の細胞生物
学的環境を付与することができ、その分化能および機能
発現能を生体内の膵島細胞に近似することができる。
【0016】このような3次元培養は、固形または半流
動性の基質(例えば、コラーゲン・ゲル等)に細胞を埋
め込んで培養液中に浮遊または重層させる公知の方法に
よって行うことができるが、この発明では、培養基質と
して、少なくとも糖鎖含有メタクリル酸ポリマー、アガ
ロース、コラーゲン・マトリックスおよびニコチンアミ
ドを含有するものを使用する。糖鎖含有メタクリル酸ポ
リマーは、具体的には、細胞の認識や各種情報伝達のシ
グナルとしての機能を有する糖鎖を側鎖に有したポリス
チレン誘導体とヒドロキシエチルメタクリレートのラン
ダムポリマーであり、このようなポリマーは、例えばマ
ルトースを有したポリスチレン誘導体(例えば、ポリビ
ニルマルトアマイドガラクトン:PVMA)とポリヒド
ロキシエチルメタクリレート(PHEMA)に架橋剤を
添加してラジカル重合を行い、ゲル化させることによっ
て作成することができる。そして、このポリマーをアガ
ロース・ゲルおよびコラーゲン・マトリックスと混合し
てハイドロゲルとする。
【0017】培養基質として、このような糖鎖含有メタ
クリル酸ポリマーとアガロース等からなるハイドロゲル
を使用した場合には、従来のコラーゲン・ゲル等を単独
で用いた方法に比べ、培養中の細胞の溶解や再収縮の程
度が少なく、形態的にも、また生理的機能の点からも本
来の膵島細胞に近似した細胞塊となる。一方、ニコチン
アミドは、化学的または物理的に損傷を受けた膵細胞
(β細胞)を機能的に修復することが知られている(Mo
lecular biology. Cambridge University Press: p.209
-231, 1990)。そこで、分離・収集の際の機械的操作に
よって損傷を受けた膵島細胞をこのニコチンアミドを含
有する培養基質中で培養することによって細胞の生理的
機能を修復することができ、さらにこの培養基質と共に
チャンバーに封入して移植することによって、その機能
発現を長期間にわたって維持することができる。
【0018】以上の通りの構成上の特徴、すなわち拡散
チャンバーに封入する膵内分泌細胞の種類と形態、この
細胞を3次元培養するための培養基質の組成等の特徴に
より、この発明のハイブリッド型人工膵臓は、移植細胞
が長期間にわたってその生理的機能(インスリン、グル
カゴン、ソマトスタチン等の分泌)を維持するため、糖
尿病の極めて有効な治療手段となる。また、膵臓の代替
え臓器として使用することもできる。
【0019】以下,実施例を示してこの発明をさらに詳
細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例に限定
されるものではない。
【0020】
【実施例】実施例1 ブタの胎児、新生児および成熟のそれぞれの膵島細胞を
混合して3次元培養した細胞塊を、培養基質と共に拡散
チャンバーに封入してハイブリッド型人工膵臓を作成し
た。 1)膵島細胞塊の分離、収集 ブタの胎児、新生児(生後7〜10日齢)および成熟の
それぞれから膵臓を摘出し、約1〜2mm大に細切したの
ち、よく冷えたRPMI1640溶液に入れ、振盪洗浄
(3分間×3回)した。これらの細胞を、それぞれ、p
H7.4に調整したEDTA-Dispase液(0.005% EDTA, 150
prtotease unit Dispase/ml, 3% FBSを含むRPMI 1640)
にて分離した後、37℃−5%CO2 の条件で培養し、
細胞塊(再凝集細胞)を収集した。次いで、このように
して集めた世代の異なる膵島細胞を4.0%BSA−R
PMI1640溶液に静かに重層させ600 回転/5分間
(50G)で10分間回転させて混合細胞塊を得た。 2)細胞の3次元培養と、培養細胞の封入 まず、培養基質として、PVMAとPHEMAとの重合
体にアガロースおよびコラーゲン・ゲルを添加してハイ
ドロゲルを作成した。次いで、ニコチンアミドを添加し
た培養液と上記ハイドロゲルを混合し、この中に3世代
混合の膵島細胞塊を静かに混ぜ合わせたのち、直ちに拡
散チャンバー内に封入した。
【0021】拡散チャンバーは、図1にその分解斜視図
を例示したように、シリコン製のOリング(1)の上下
両面にポリエステルまたはポリカーボン製の半透膜
(2)を貼り付け、これらをリングホルダー(3)で固
定した円盤タイプのチャンバーを用いた。なお、半透膜
(2)は、孔径0.2μm以下の孔径を有する多孔膜を
使用した。
【0022】培養基質中に混ぜ合わせた膵島細胞塊は、
図2に示したように、注射器(4)で拡散チャッバーの
Oリング(1)内に注入し、ここでゲル基質を硬化させ
てハイブリッド型人工膵臓を作成した。この人工膵臓
は、FBSおよびニコチンアミド含有のRPMI164
0溶液中に入れ、封入細胞の培養を続けた。実施例2 外来性腫瘍遺伝子を保有するトランスジェニック・マウ
スのインスリノーマに由来する膵β細胞株を3次元培養
し、培養基質と共に拡散チャンバーに封入してハイブリ
ッド型人工膵臓を作成した。 1)膵β細胞株の調製 膵β細胞株は、この発明の発明者の一人がすでに樹立し
ている膵β細胞株MIN6を用いた。この細胞株は、ヒ
ト・インスリン遺伝子のプロモターにSV40T抗原遺伝
子を結合した融合遺伝子を受精卵に導入して産出させた
トランスジェニック・マウスのインスリノーマから分離
し、株化したものである。
【0023】細胞は、ダルベッコ変法イーグル培地(2
5mmol/lグルコース,20%牛胎児血清,ペニシ
リン─ストレプトマイシン含有)で継代培養したものを
用い、37℃─5%CO2 の培養によりコンフルエント
に達した細胞を回収した。 2)細胞の3次元培養と、培養細胞の封入 まず、アガロースとPVMAの重合体にアガロースとコ
ラーゲン・ゲルを混合し、これにニコチンアミド含有培
養液を添加して培養基質とした。
【0024】次いで、この培養基質中にMIN6細胞を
静かに混ぜ合わせたのち、実施例1と同様の拡散チャン
バーに直ちに注入し、ゲル基質を硬化させてハイブリッ
ド型人工膵臓を作成した。この人工膵臓は、D−グルコ
ース、FBSおよびニコチンアミド含有のRPMI16
40溶液に入れ、封入細胞の培養を続けた。 3)人工膵臓の移植とその効果の確認 上記3)で作成した人工膵臓を、ストレプトゾトシンに
よる糖尿病モデルラットの腹腔内に移植し、血糖値の変
化を経時的に測定した。
【0025】その結果、糖尿病ラットの血糖値(459
±30mg/dl)は、人工膵臓移植後7日間で、97
±12mg/dlまで低下し、この値は少なくとも4か
月間持続した。実施例3 世代の異なるブタの膵島細胞塊と、インスリノーマ由来
の膵β細胞株とを3次元的に混合培養し、培養基質と共
に拡散チャンバーに封入してハイブリッド型人工膵臓を
作成した。
【0026】すなわち、実施例1の1)で分離・収集し
たブタの膵島細胞(胎児、新生児および成熟のそれぞれ
の膵島細胞の混合塊)と、実施例2のMIN6細胞を、
実施例1の2)と同様に3次元的に培養し、これを図1
の拡散チャンバーに封入して人工膵臓を作成した。
【0027】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、生体に適した生理機能を有する移植細胞を、長
期間にわたって最適の細胞生物学的環境下に維持するこ
とのできるハイブリッド型人工膵臓が提供される。これ
によって、糖尿病の根治療法および膵臓の代替え臓器の
開発に新たな途が拓ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のハイブリッド型人工膵臓に用いる拡
散チャンバーの一実施例を示した分解斜視図である。
【図2】図1の拡散チャンバー内への細胞封入方法を示
した要部断面斜視図である。
【符号の説明】
1 Oリング 2 半透膜 3 リングホルダー 4 注射器

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子半透膜を有する拡散チャンバーに、
    3次元培養した膵内分泌細胞を培養基質と共に封入して
    なる人工膵臓であって、(1)膵内分泌細胞が、世代の
    異なるブタの膵島細胞塊、外来性腫瘍遺伝子を保有する
    トランスジェニック動物のインスリノーマに由来する膵
    β細胞株、またはこれらの混合からなる細胞塊であり、
    (2)培養基質が、少なくとも糖鎖含有メタクリル酸ポ
    リマー,アガロース、コラーゲン・マトリックスおよび
    ニコチンアミドを含有する、ことを特徴とするハイブリ
    ッド型人工膵臓。
  2. 【請求項2】ブタの膵島細胞塊が、ブタの胎児、新生児
    および成熟のそれぞれの膵島細胞を混合培養してなる細
    胞塊である請求項1のハイブリッド型人工膵臓。
  3. 【請求項3】膵β細胞株が、インスリンプロモーターに
    SV40T抗原遺伝子を結合した融合遺伝子を保有するト
    ランスジェニック・マウスのインスリノーマより株化し
    た膵β細胞、またはこの株化細胞にヒト・インスリン遺
    伝子を導入して株化した膵β細胞、あるいはヒト・イン
    スリン遺伝子を保有するトランスジェニック・マウスと
    上記トランスジェニック・マウスとを交配して得たマウ
    スのインスリノーマより株化した膵β細胞である請求項
    1のハイブリッド型人工膵臓。
  4. 【請求項4】糖鎖含有メタクリル酸ポリマーが、糖鎖含
    有ポリスチレン誘導体とヒドロキシエチルメタクリレー
    トの重合体である請求項1のハイブリッド型人工膵臓。
  5. 【請求項5】拡散チャンバーが、ニコチンアミドを持続
    的に放出する高分子を備える請求項1のハイブリッド型
    人工膵臓。
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