JP3114638U - 作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】農作業用や建設作業用の作業車両を、発電源および動力源として、また熱源として利用できるものとして、その稼働率を向上することが可能であり、作業車両であることから、商用電源を直接手軽に入手できない地域や、さらに一般車両が入り込めないような場所での発電源とすることも可能な作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムを提供する。
【解決手段】走行停止状態で加減速可能に回転駆動されるエンジン1の回転駆動力が伝達されて回転駆動されるPTO軸2を有する走行可能な作業車両3と、作業車両に脱着可能に連結されて牽引される永久磁石ロータ式同期電動機4と、作業車両の走行停止状態でPTO軸と同期電動機の入力軸5とを着脱自在に直結して、PTO軸の回転駆動力を同期電動機に伝達する直結機構6と、エンジンに、バイオマス起源の燃料と化石燃料のいずれかもしくは双方を切り換えて供給する切り換え手段とを備えた。
【選択図】図2

Description

本考案は、農耕トラクターなどの農作業用や建設作業用の作業車両を、発電源および動力源として、また熱源として利用できるものとして、その稼働率を向上することが可能であり、作業車両であることから、商用電源を直接手軽に入手できない地域や、さらに一般車両が入り込めないような場所での発電源とすることも可能であり、この際、作業車両の走行停止状態での連結機能に絞った構成を採用して、構造が簡単で動力伝達ロスも少なく操作性も良好であり、発電に用いる燃料としても環境適合性の高いものを使用することが可能な作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムに関する。
従来、農耕トラクターに代表される農作業用の作業車両は、例えば特許文献1および2に開示されているように、複数種類の作業機を牽引しつつ走行し、エンジンで回転駆動されるPTO軸でこれら作業機を駆動してさまざまな作業を行うようになっている。建設作業用の作業車両にあっても、PTO軸からの出力を利用して各種建設機器を駆動し、種々の作業を行うようになっている。
特開2000−228901号公報 特開2005−087170号公報
ところで、農作業用の作業車両は、農作業専用とされ、農閑期には殆ど使用されることがなく、年間を通じての利用率はきわめて低いのが現状である。建設作業用の作業車両にあっても、さまざまな現場に移動して使用されてはいるものの、稼働時間は少ない。すなわち、これら作業車両は、特定の作業用として利用用途がきわめて限定的であり、十分な稼働率を確保することが難しいという点が指摘されており、購入やメンテナンスに要する経済的投資に対し、資金回収率が低いという課題があった。
また、作業車両、特に農作業用の作業車両は、耕作地帯や山林などの山間部で多用され、一般の走行車両が入り込めないような場所にまで入り込んで作業することができる。このような耕作地帯等では、商用電力を直接的に手軽に入手することができない。商用電力を直接手軽に入手できないこのような地域では、夜間作業などのために照明を確保するなど一時的な電力を得る際、作業車両とは別に、エンジン付の発電機をトラックなどで運び込んで運転するようにしていて、不便であるという課題があった。
他方、PTO軸で作業機や建設機器を駆動する構造についてみると、作業車両の走行状態で作業機などを作動させる場合が多いことから、PTO軸との連結構造にベルト伝導機構や減速機などが組み込まれていてきわめて複雑であって動力伝達ロスも大きくかつ連結操作も煩雑であって、作業車両の走行停止状態でPTO軸からの出力を利用して機器を駆動することを想定した場合、好ましいものではなかった。
また、これら作業車両は通常ディーゼルエンジンで駆動されるようになっていて、燃料として、化石燃料である軽油が用いられており、環境問題ともなっていた。
さらに、これら作業車両は通常の走行車両と同様に、エンジン排熱を発生するが、この排熱についてもそのまま大気放出されていて、熱的利用の面で改善の余地があった。
本考案は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、農耕トラクターなどの農作業用や建設作業用の作業車両を、発電源および動力源として、また熱源として利用できるものとして、その稼働率を向上することが可能であり、作業車両であることから、商用電源を直接手軽に入手できない地域や、さらに一般車両が入り込めないような場所での発電源とすることも可能であり、この際、作業車両の走行停止状態での連結機能に絞った構成を採用して、構造が簡単で動力伝達ロスも少なく操作性も良好であり、発電に用いる燃料としても環境適合性の高いものを使用することが可能な作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムを提供することを目的とする。
本考案にかかる作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムは、走行停止状態で加減速可能に回転駆動されるエンジンの回転駆動力が伝達されて回転駆動されるPTO軸を有する走行可能な作業車両と、該作業車両に脱着可能に連結されて牽引される永久磁石ロータ式同期電動機と、上記作業車両の走行停止状態で上記PTO軸と上記同期電動機の入力軸とを着脱自在に直結して、該PTO軸の回転駆動力を該同期電動機に伝達する直結機構と、上記エンジンにバイオマス起源の燃料を供給する第1燃料供給系と、上記エンジンに化石燃料を供給する第2燃料供給系と、上記第1燃料供給系からの燃料供給、上記第2燃料供給系からの燃料供給、並びにこれら第1および第2燃料供給系双方からの燃料供給を切り換える切り換え手段とを備えたことを特徴とする。
前記同期電動機には、これを商用電源部に接続可能とする変換手段が接続され、該同期電動機は、該変換手段を介して該商用電源部に接続されることを特徴とする。
前記変換手段がインバータとコンバータを直列接続して構成されることを特徴とする。
前記変換手段がマトリクスコンバータであることを特徴とする。
前記同期電動機は、これに着脱自在に接続される灯光装置に電力を供給することを特徴とする。
前記同期電動機は牽引車両に搭載され、該牽引車両を介して前記作業車両に脱着可能に連結されるとともに、該牽引車両に前記灯光装置が搭載されることを特徴とする。
前記エンジンの吸気系には、吸気を磁化する磁化装置が設けられることを特徴とする。
前記エンジンの排気系には、排ガスから排熱を回収する熱交換器が設けられることを特徴とする。
前記熱交換器内には、消音器が設けられることを特徴とする。
本考案にかかる作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムは、農耕トラクターなどの農作業用や建設作業用の作業車両を、発電源および動力源として、また熱源として利用できるものとして、その稼働率を向上することができ、作業車両であることから、商用電源を直接手軽に入手できない地域や、さらに一般車両が入り込めないような場所での発電源とすることもでき、この際、作業車両の走行停止状態での連結機能に絞った構成を採用して、構造が簡単で動力伝達ロスも少なく操作性も良好であり、発電に用いる燃料としても環境適合性の高いものを使用することができる。
以下に、本考案にかかる作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図6に示すように、本実施形態にかかる作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムは基本的には、走行停止状態で加減速可能に回転駆動されるエンジン1の回転駆動力が伝達されて回転駆動されるPTO軸2を有する走行可能な作業車両3と、作業車両3に脱着可能に連結されて牽引される永久磁石ロータ式同期電動機4と、作業車両3の走行停止状態でPTO軸2と同期電動機4の入力軸5とを着脱自在に直結して、PTO軸2の回転駆動力を同期電動機4に伝達する直結機構6と、エンジン1にバイオマス起源の燃料を供給する第1燃料供給系7と、エンジン1に化石燃料を供給する第2燃料供給系8と、第1燃料供給系7からの燃料供給、第2燃料供給系8からの燃料供給、並びにこれら第1および第2燃料供給系7,8双方からの燃料供給を切り換える切り換え手段9とを備えて構成される。
同期電動機4には、これを商用電源部10に接続可能とする変換手段11が接続され、同期電動機4は、変換手段11を介して商用電源部10に接続される。変換手段11は、インバータ12と電力回生コンバータ13を直列接続して構成される。あるいは、変換手段11はマトリクスコンバータ14とされる。同期電動機4は、これに着脱自在に接続される灯光装置15に電力を供給する。同期電動機4は牽引車両16に搭載され、牽引車両16を介して作業車両3に脱着可能に連結されるとともに、牽引車両16に灯光装置15が搭載される。エンジン1の吸気系17には、吸気を磁化する磁化装置18が設けられる。エンジン1の排気系19には、排ガスから排熱を回収する熱交換器20が設けられる。熱交換器20内には、消音器21が設けられる。
図1および図2に主に示すように、作業車両3としては、PTO軸2を有するものであればどのようなタイプであってもよく、農作業用や建設作業用の作業車両3が代表的である。図示例にあっては、作業車両3として、4輪駆動式のトラクターが示されている。作業車両3には、エンジン1が搭載されている。エンジン1の出力軸にはクラッチ22が連結され、クラッチ22にはトランスミッション23が連結されて、これらにより動力伝達系が構成される。トランスミッション23には、後輪用プロペラシャフト24が連結され、後輪用プロペラシャフト24には後輪用デファレンシャル25が連結されて、これらにより後輪駆動系が構成され、後輪用デファレンシャル25に設けられた左右一対の後車軸26に後輪27が取り付けられる。
また、トランスミッション23には、前輪駆動軸28が設けられ、この前輪駆動軸28には、4輪駆動と2輪駆動を切り換える切換用クラッチ29を介して、前輪用プロペラシャフト30が連結され、前輪用プロペラシャフト30には前輪用デファレンシャル31が連結されて、これらにより前輪駆動系が構成され、前輪用デファレンシャル31に設けられた左右一対の前車軸32に前輪33が取り付けられる。
PTO軸2は、一定ギア比の構造簡単なギア要素(図示せず)を介して、クラッチ22とトランスミッション23との間に接続される。これにより、PTO軸2は、アクセル開度の調整などで加減速可能に回転駆動されるエンジン1の回転速度変化に応じて、速度変化しつつ回転駆動されることになる。また、PTO軸2は、トランスミッション23のギア位置をニュートラルにすることにより、作業車両3の走行停止状態であっても、エンジン1からの回転駆動力が伝達されて回転駆動される。
永久磁石ロータ式同期電動機4は、電力供給により駆動されるモータとしてだけでなく、回転駆動力が入力されることで発電機としても機能する。この同期電動機4は、従来周知の三点リンク機構などによって作業車両3に脱着可能に連結される牽引車両16に搭載され、作業車両3に牽引されて移動される。同期電動機4の入力軸5には、構造簡単なユニバーサルジョイント34が設けられ、このユニバーサルジョイント34とPTO軸2との間には、PTO軸2を同期電動機4の入力軸5に対して着脱自在に直結して、PTO軸2の回転駆動力を同期電動機4に伝達する直結機構6が設けられる。この直結機構6は、作業車両3の走行停止状態において駆動力の伝達が可能であればよく、簡単な構造であって、従って動力伝達ロスが少なく、そしてまた簡単な操作性で脱着できるように構成される。
直結機構6は例えば、PTO軸2および入力軸5の軸方向に沿って孔部6aに軸部6bを抜き差しして着脱自在に直結する構造であって、かつPTO軸2および入力軸5の回転方向に係合してPTO軸2の回転駆動力を同期電動機4に伝達する、例えばスプライン形式のヨークで構成され、作業車両3の走行停止状態であれば確実に駆動力を伝達できるとともに、簡易な構造で動力伝達ロスが小さくかつ容易な操作でPTO軸2と入力軸5とを直結することができるようになっている。そして同期電動機4は、PTO軸2を介して伝達されるエンジン1の回転駆動力でエンジン回転数に応じて回転駆動されて発電し、交流電力を生成する。
図3に示すように、同期電動機4には変換手段11が接続される。この変換手段11は、牽引車両16に搭載される制御盤35内に設けられる。この変換手段11は、エンジン回転数に応じて回転駆動されることで生成されて周波数が一定しない同期電動機4の交流を、商用電源部10に接続可能とするために設けられる。例えば変換手段11は、インバータ12と電力回生コンバータ13とを直列接続して構成され、同期電動機4による発電で生成された交流をインバータ12で一旦直流に変換した後、この直流をコンバータ13でさらに交流に変換して一定周波数、具体的には商用電力に対応する売電可能な交流電力として出力する。この変換手段11は、商用電源部10に接続されることで、商用電力を同期電動機4に入力して、同期電動機4をモータとして使用することもできるようになっている。コンバータ13の出力側には、着脱自在に電気負荷36を接続してもよい。
インバータ12と電力回生コンバータ13で構成した変換手段11に代えて、同期電動機4を商用電源部10に接続可能とする変換手段11として、マトリクスコンバータ14を使用してもよい。この変換手段11により上記と同様に、エンジン1の駆動で得られる同期電動機4の交流電力を、商用電源部10から売電可能な交流電力に変換することができるとともに、商用電源部10から買電して同期電動機4をモータとして使用することができる。
電源負荷としては例えば、作業車両3が備えるヘッドライト37などよりも照度の高い、例えば1000〜10000ルックス程度の照明を確保できる灯光装置15がある。この灯光装置15は変換手段11を介して同期電動機4に着脱自在に接続され、当該同期電動機4から電力が供給される。図示例にあっては、灯光装置15は牽引車両16に立設された高さ調整自在な伸縮ポール38の先端に取り付けられている。牽引車両16には、停止位置でこれを位置固定するためのジャッキ39が設けられている。
次に、エンジン1へ燃料を供給するシステムの構成について説明する。図4に示すように、エンジン1には、主燃料配管40と、主燃料配管40に設けられた給油ポンプ41と、給油ポンプ41から燃料が導入されて各シリンダ42の燃料噴射ノズル43にそれぞれ燃料を供給するための噴射ポンプ44が設けられる。主燃料配管40には、エンジン1に、植物油、廃食用油などの廃油、またこれらを水に混ぜてエマルジョン化した水エマルジョン燃料、その他のバイオマス起源の燃料を供給する第1燃料供給系7の第1配管45と、エンジン1に、軽油などの化石燃料を供給する第2燃料供給系8の第2配管46とが接続される。第2燃料供給系8は、作業車両3に搭載された第2燃料タンク47と、第2燃料タンク47と主燃料配管40とを接続する第2配管46と、第2配管46に設けられ、第1配管45側および後述する還流配管48側からの燃料の流入を阻止する第2逆止弁49と、ストレーナ50と、メンテナンス用バルブ51とから構成される。
第1燃料供給系7は、作業車両3に搭載された第1燃料タンク52と、第1燃料タンク52と主燃料配管40とを接続する第1配管45と、第1配管45に設けられ、第2配管46側および還流配管48側からの燃料の流入を阻止する第1逆止弁53と、ストレーナ54と、メンテナンス用バルブ55と、手動切換により運転され、給油ポンプ41による吸い込み圧力よりも高い圧力で第1配管45から主燃料配管40へバイオマス起源の燃料を押し込む押し込みポンプ56とから主に構成される。第1燃料供給系7にはさらに、押し込みポンプ56の吐出側と第1燃料タンク52を接続する戻し配管57が設けられ、この戻し配管57には、第1逆止弁53よりも開弁圧力が低く設定されたバイパス用逆止弁58と、メンテナンス用バルブ59が設けられる。さらに、エンジン1の燃料噴射ノズル43と第1配管45との間には、余剰燃料を還流させる還流配管48が設けられ、この還流配管48には、逆流を防止する還流配管用逆止弁60が設けられる。
従って本実施形態にあっては、第1燃料供給系7からの燃料供給、第2燃料供給系8からの燃料供給、並びに第1および第2燃料供給系7,8双方からの燃料供給を切り換える切り換え手段は主に、第1および第2逆止弁49,53と押し出しポンプ56とによって構成される。
このように構成された燃料供給システムにあっては基本的には、給油ポンプ41による吸い込み圧力で燃料が噴射ポンプ44に供給される。手動切り換えで押し込みポンプ56が停止または第1逆止弁53の開弁圧以下の吐出圧で運転されているときには、バイオマス燃料は第1逆止弁53を開弁して流通することはなく、第2燃料タンク47から化石燃料がエンジン1に供給される。この際、第1逆止弁53により、化石燃料の第1配管45への流入も阻止される。また還流配管用逆止弁60により、化石燃料の燃料噴射ノズル43側への流入も阻止される。これにより、エンジン1は、エンジン1からの還流分を含みつつ、第2燃料タンク47からの化石燃料で運転される。
他方、手動切り換えで押し込みポンプ56の吐出圧力を給油ポンプ41による吸い込み圧力よりも高い吐出圧にすると、第1逆止弁53が開弁されて、第1燃料タンク52からのバイオマス起源の燃料が第1配管45から主燃料配管40へと流入する。これにより、第2配管46に作用していた給油ポンプ41の吸い込み圧力が遮断され、第1配管45からのバイオマス起源の燃料がエンジン1に供給される。この際、第2逆止弁49によりバイオマス起源の燃料の第2配管46への流入が阻止される。また還流配管用逆止弁60によりバイオマス起源の燃料の燃料噴射ノズル43側への流入も阻止される。また、押し込みポンプ56による燃料供給量が過剰な場合には、当該過剰な燃料は戻し配管57を介して第1燃料タンク52へと戻される。これにより、エンジン1は、還流分を含みつつ、第1燃料タンク52からのバイオマス起源の燃料で運転される。
さらにまた、エンジン負荷が大きくなって給油ポンプ41の吸い込み圧力が押し込みポンプ56の押し込み圧力を超えるようになると、給油ポンプ41の吸い込み圧力が第2配管46にも作用するようになり、これにより第2燃料タンク47から化石燃料も吸い出されて主燃料配管40に流入することとなり、これによりエンジン1はバイオマス起源の燃料と化石燃料の併用で運転されることになる。燃料噴射ノズル43から還流される還流分は、給油ポンプ41の吸い込み圧力の作用によって再度主燃料配管40に流入される。
他方、エンジン1の吸気系17、具体的には吸気ダクト内あるいはエアクリーナ61内には、吸気を磁化する磁化装置18が設けられる。この磁化装置18は例えば、流通する吸気を横切るように磁力線が発生するように、互いに間隔を隔てて向かい合わせて配置したN極とS極の組で構成される。N極とS極の組は一組であっても、複数組であってもよい。複数組の場合には、吸気の流通方向にN極とS極を交互に配置することが好ましい。磁石としては永久磁石でも電磁石でもよい。
また、エンジン1の排気系19には図5および図6に示すように、排ガスから排熱を回収する熱交換器20が設けられる。図示例にあっては、シェルアンドチューブ式の熱交換器20が示されている。チューブ62内に排ガスが流通される一方、シェル63内に冷媒が流通される。また、シェル63内には、冷媒のチューブ62に対する接触を効率化するために、バッフルプレート64が設けられている。冷媒としては、空気であっても水であってもよい。熱交換によって暖められた冷媒は、各種機器などの熱源として利用することができる。
本実施形態にあっては、熱交換器20で排熱を回収して暖められた冷媒を用いて、バイオマス起源の燃料を貯留する第1燃料タンク52を加熱する燃料加熱系65が設けられている。図示例にあっては、空気を冷媒とした場合が示されている。燃料加熱系65は、外気を吸引して熱交換器20に送り込むファン66と、熱交換器20で排熱を回収して暖められた温風を第1燃料タンク52へ導入する導入配管67と、第1燃料タンク52下部に設けられ、導入配管67から導入される温風で第1燃料タンク52を加熱するとともに加熱後の温風を大気に排出する加熱用熱交換器68とから構成される。また第1燃料タンク52には、バイオマス起源の燃料の温度、具体的にはタンク内温度を検出し、設定温度以下である場合にファン66を駆動する信号を出力する温度センサ69が設けられる。
そして、バイオマス起源の燃料の温度が設定温度よりも低いときには、温度センサ69からの信号でファン66が起動され、熱交換器20で暖められた温風が加熱用熱交換器68に導入されて、第1燃料タンク52を暖め、内部のバイオマス起源の燃料の粘度を下げることができるようになっている。図示例にあっては、空気の場合を例にとって説明したが、燃料加熱系65を閉ループに構成することで、水などの液体の場合にも適用することができる。
さらに、熱交換器20の出口タンク70には、排気パイプ71が連結され、排気パイプ71の入口側には、出口タンク70内に位置させて消音器21が設けられ、これにより熱交換器20を備えた排気系19のコンパクト化を図ることができる。
本実施形態にかかる作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムの作用について説明すると、当該可搬式動力・発電システムは、作業車両3に牽引車両16を連結して牽引することで所望の地域へ移動することができる。発電して電力を得る場合には、作業車両3の走行を停止し、ジャッキ39で牽引車両16を位置固定した上で、直結機構6によりPTO軸2と同期電動機4の入力軸5とを直結する。この際、ユニバーサルジョイント34により、軸ズレを吸収することができる。その後、トランスミッション23をニュートラル位置にすることによって走行停止状態としてエンジン1を起動し、エンジン1の回転駆動力を、PTO軸2を介して同期電動機4に伝達し、当該同期電動機4を回転駆動させる。これにより、同期電動機4は交流電力を生成する。
エンジン1については、バイオマス起源の燃料を供給する第1燃料供給系7からの燃料供給、化石燃料を供給する第2燃料供給系8からの燃料供給、並びにこれら第1および第2燃料供給系7,8双方からの燃料供給が切り換え手段で切り換えられて、所望の燃料に適宜に切り換えて継続的に運転される。運転時、吸気は磁化装置18で磁化されて、高効率燃焼が達成される。また、熱交換器20による排ガスからの排熱回収により、排熱を熱源として利用することができる。エンジン1の運転状態では、エンジン1は加減速可能であることから、同期電動機4の回転も変化し、交流電力の周波数も変動するが、この周波数変動は変換手段11によって一定周波数とされて出力される。この電力を利用することで、各種の電気負荷を作動させることができる。
夜間作業などにおいて、電力を灯光装置15に供給することにより、作業車両3のヘッドライト37相当では得ることのできない強力な照明で作業箇所を照らし出すことができる。また、商用電源部10を利用できる場所であれば、同期電動機4で得られ変換手段11で一定周波数に変換された交流電力を売電することができる。他方、商用電源部10から買電することにより、同期電動機4をモータとして利用して、各種機械機器を駆動することができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムにあっては、走行停止状態で加減速可能に回転駆動されるエンジン1の回転駆動力が伝達されて回転駆動されるPTO軸2を有する走行可能な作業車両3と、作業車両3に脱着可能に連結されて牽引される永久磁石ロータ式同期電動機4と、作業車両3の走行停止状態でPTO軸2と同期電動機4の入力軸5とを着脱自在に直結して、PTO軸2の回転駆動力を同期電動機4に伝達する直結機構6と、エンジン1にバイオマス起源の燃料を供給する第1燃料供給系7と、エンジンに化石燃料を供給する第2燃料供給系8と、第1燃料供給系7からの燃料供給、第2燃料供給系8からの燃料供給、並びにこれら第1および第2燃料供給系7,8双方からの燃料供給を切り換える第1および第2逆止弁49,53や押し込みポンプ56などからなる切り換え手段とを備えたので、PTO軸2を備えている農作業用や建設作業用などの作業車両3を通常時や非常事態用の発電システムとして使用することができ、その利用率を飛躍的に向上できる。また、この種の作業車両3は、商用電源を直接手軽に入手できない耕作地帯や山間部で多用され、さらには一般車両が入り込めない場所にまで入り込んで作業できるものであることから、当該可搬式動力・発電システムによれば、商用電源が利用できない地域でも、手軽に電力を確保することができる。
また、同期電動機4とPTO軸2との接続に関し、作業車両3の走行状態での使用を考慮する必要がないので、直結機構6を採用することができ、動力伝達ロスが小さい簡単な構造のもので手軽に接続を行うことができる。また、切り換え手段を備えて、化石燃料やバイオマス起源の燃料を使用してエンジン1を駆動できるようにしたので、化石燃料のみの場合よりも、環境適合性の高いシステムを構成でき、ゼロエミッションによる地球温暖化防止に寄与することができる。
特に、稼働効率が低く経済効果の低い作業車両3を利用して、手軽に電力を得られない場所あるいは状況において、手軽に発電することができ、これにより各種機器への動力源および熱源として有効に利用することができる。化石燃料やバイオマス起源の燃料など、燃料を選ばす使用することができ、さまざまな状況に応じて発電等を行うことができる。特に、地震や洪水、山崩れなどの大規模災害やそれのみならず各種の災害発生時等に、一般の走行車両の進入できない地域に移動して使用することができ、災害復旧や人命救助に多大な貢献をすることができる。
また、同期電動機4には、これを商用電源部10に接続可能とする変換手段11が接続され、同期電動機4は、変換手段11を介して商用電源部10に接続されるようにしたので、同期電動機4で生成した電力を売電できるとともに、他方、商用電源部10から買電した電力で同期電動機4をモータとして使用することもできる。また、変換手段11としては、インバータ12とコンバータ13を直列接続したり、マトリクスコンバータ14を使用できて、簡単に構成することができる。また、同期電動機4の電力を灯光装置15に供給して、優れた夜間照明を確保することもできる。
さらに、エンジン1の吸気系17に設けた磁化装置18により、吸気をイオン化して活性化することができて、バイオマス起源の燃料であっても、また化石燃料であっても、燃焼速度を高めて燃焼効率を向上でき、エンジン1内での完全燃焼を促進することができ、またこれによりクリーンな燃焼を確保することができる。また、エンジン1の排気系19に熱交換器20を設けたことにより、排熱を回収して熱源として利用することができる。また、熱交換器20内に消音器21を設けたことにより、排気系19をコンパクト化しつつ、熱源利用を促進することができる。
本考案にかかる作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムの好適な一実施形態を示す側面図である。 図1の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムの概略構成図である。 図1の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムに採用される変換手段を説明する説明図である。 図1の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システムに採用されるエンジンシステムの一例を示す概略構成図である。 図4のエンジンシステムの一例に採用される熱交換器の一例を示す一部破断側面図である。 図5の正面断面図である。
符号の説明
1 エンジン
2 PTO軸
3 作業車両
4 永久磁石ロータ式同期電動機
5 同期電動機の入力軸
6 直結機構
7 第1燃料供給系
8 第2燃料供給系
10 商用電源部
11 変換手段
12 インバータ
13 電力回生コンバータ
14 マトリクスコンバータ
15 灯光装置
16 牽引車両
17 エンジンの吸気系
18 磁化装置
19 エンジンの排気系
20 熱交換器
21 消音器
49 第2逆止弁
53 第1逆止弁
56 押し込みポンプ

Claims (9)

  1. 走行停止状態で加減速可能に回転駆動されるエンジンの回転駆動力が伝達されて回転駆動されるPTO軸を有する走行可能な作業車両と、
    該作業車両に脱着可能に連結されて牽引される永久磁石ロータ式同期電動機と、
    上記作業車両の走行停止状態で上記PTO軸と上記同期電動機の入力軸とを着脱自在に直結して、該PTO軸の回転駆動力を該同期電動機に伝達する直結機構と、
    上記エンジンにバイオマス起源の燃料を供給する第1燃料供給系と、
    上記エンジンに化石燃料を供給する第2燃料供給系と、
    上記第1燃料供給系からの燃料供給、上記第2燃料供給系からの燃料供給、並びにこれら第1および第2燃料供給系双方からの燃料供給を切り換える切り換え手段とを備えたことを特徴とする作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  2. 前記同期電動機には、これを商用電源部に接続可能とする変換手段が接続され、該同期電動機は、該変換手段を介して該商用電源部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  3. 前記変換手段がインバータとコンバータを直列接続して構成されることを特徴とする請求項2に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  4. 前記変換手段がマトリクスコンバータであることを特徴とする請求項2に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  5. 前記同期電動機は、これに着脱自在に接続される灯光装置に電力を供給することを特徴とする請求項1〜4いずれかの項に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  6. 前記同期電動機は牽引車両に搭載され、該牽引車両を介して前記作業車両に脱着可能に連結されるとともに、該牽引車両に前記灯光装置が搭載されることを特徴とする請求項5に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  7. 前記エンジンの吸気系には、吸気を磁化する磁化装置が設けられることを特徴とする請求項1〜6いずれかの項に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  8. 前記エンジンの排気系には、排ガスから排熱を回収する熱交換器が設けられることを特徴とする請求項1〜7いずれかの項に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
  9. 前記熱交換器内には、消音器が設けられることを特徴とする請求項8に記載の作業車両用のバイオマス燃料併用型可搬式動力・発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015157628A (ja) * 2007-07-12 2015-09-03 オダイン システムズ、 エルエルシー 二次エネルギ源のための動力の伝達にパワーテイクオフ接続を用いる並列ハイブリッドドライブシステム

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