JP3114017B1 - 鎮痛健康補助食品 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】現在販売されている鎮痛剤は、様々な副作用、
特に胃腸障害を起こしやすく、患者を困らせている、様
々な研究がなされ改良工夫も進んでいるが、いまだ根本
的には解決できていない。このために、鎮痛剤の副作用
を恐れ、痛みを我慢して苦しんでいる患者が大勢いる状
態である。 【解決手段】本発明は、胃腸障害を予防するためあるい
は胃腸の働きが弱い事に対して、内蔵機能を強化し体の
バランスを整える漢方の配合を基本としてそれに鎮痛効
果を加えた、長期的に服用することのできる鎮痛健康食
品である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、生薬を配合した鎮
痛作用のある健康補助食品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】人は、
成人以降老年期に入ると特に、内臓機能が全ての面で衰
退し、骨関節や肉体も脆くなり、それに伴って常に痛み
が感じられるようになる。そしてそれは、年を重ねるご
とにひどくなり、慢性化していくのが一般的である。

【０００３】それに対して現在主として医療用でよく用
いられる消炎鎮痛剤等には、効果の反面副作用として、
胃腸障害、腎障害、アスピリン喘息、耳鳴りや難聴、湿
疹とする薬物アレルギー、造血障害、インドメタシンの
フラフラ感や頭痛、イブプロフェンやスリンダクの髄膜
刺激症状、フェニルブタゾンやインドメタシンの再生不
良性貧血や無顆粒症などがある。これらの副作用を防ぐ
方法として、腸溶性製剤、徐放性製剤、プロドラッグ、
外用剤、注射剤等の様々な製剤学的検討がなされている
が、根本的に防ぐことはできていない。大衆薬として市
場で発売されている作用が比較的緩和な鎮痛剤も同様に
胃腸機能を損ねる副作用があり、それは主成分の性質そ
のものにかかわる場合が多く、長期間服用を続けること
はできない。

【０００４】一方今まで漢方薬系の鎮痛剤なら副作用が
ないと一般的に考えられていたが、実際の臨床での長期
使用では、胃のもたれ・食欲減退等の胃腸障害が現れ
る。例えば、「生薬のみから成る漢方鎮痛薬」（特開平
６−１０７５５６）においても、１５３例中５例に軽い
胃腸障害が見られている。これは、この処方が血液循環
をよくする鎮痛生薬を多めに使い、胃腸障害を予防する
生薬が鎮痛生薬の１１味に対して党参、甘草、生姜、茯
苓、桂皮のみとかなり少ないためである。これでは胃腸
の弱い患者に対して胃腸障害の発生を予防することはで
きない。

【０００５】またこのような胃腸障害は、特に高齢者に
著しい。何故ならば、漢方薬としてでも胃腸薬以外の生
薬を長期に服用すると、ある程度の胃腸障害という副作
用が起こることは普通なのであり、高齢者の患者は、内
臓等の老化が加わって副作用がより発生しやすくなるの
である。高齢者の場合は、この「ある程度の胃腸障害」
が、より身体を弱めて他の病の引き金になる可能性が高
い。そこで胃腸障害を起こさないようにするために薬の
使用量を減らせば鎮痛効果が薄れて痛みが出る。胃腸障
害を治療するために他の薬を用いると、今度は別の副作
用が出現するということが繰り返されることになる。鎮
痛の効果を求める人には、怪我人を除くと高齢者がその
多くを占めるために、胃腸機能や他の内臓機能を守り強
化すると同時に、痛みの緩和・鎮痛効果がありしかも長
期間続けることが可能であるような、いわゆるより安全
な鎮痛作用が長いこと求められていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】胃腸障害を起こすことな
く鎮痛効果を発揮するという目的のために、漢方医学・
中医学を元に研究を重ねた結果、その目的を十分に達成
しうる処方を完成した。漢方或いは中医学の理論による
と、痛みを起こす原因は「不通則痛」即ち、気や血の流
れ道が詰まること、もう一つが「不栄則痛」即ち、気や
血の不足で栄養が届かない所に、痛みが起こる。前者
は、怪我や捻挫など物理的原因で局所の鬱血になる場合
が多く、殆ど若者の場合が多い。後者は、体内気血不足
で局所に気血の流れが留まる事であり、高齢者に多い。
本発明は後者を主な対象にして、胃腸を始めとする内蔵
機能を守りながら痛みの緩和を行う。そのための方法と
して、気血を増し胃腸等の内蔵機能を強化するために、
健脾化湿、益気補血、温腎填精のように補いながら、通
絡止痛、引火帰原の痛み止めの方法を行う。この目的を
達成するための処方に用いる生薬には、安全性を考慮し
て食品として使用できしかも効果のあるものを選定し
た。

【０００７】選定した生薬はサンヤク、ヨクイニン、ダ
イソウ、カンゾウ、ショウガ、ケイヒ、サンザシ、ドッ
カツ、キョウカツ、ウコン、トウニン、コウカ、オウセ
イ、シソの１４種類である。何れも食品用として売られ
ている物を用いることが出来るが、その生薬抽出エキス
等を使用しても良い。

【０００８】上記の生薬もしくはこれらの生薬の抽出エ
キスの内のダイソウ、ドクカツ、トウニン、サンザシ、
ウコン、ショウガ、カンゾウという７種類を組合せ、そ
れに胃腸の働きを守る成分としてサンヤク、ヨクイニ
ン、ケイヒ、コウカ、オウセイ、シソの６種類の生薬も
しくはこれらの生薬の抽出エキスのうちの２種類以上を
加えることで中医学の理論に基づいた本発明独特の処方
を完成した。なお、鎮痛効果の必要に応じてキョウカツ
を加えることもできる。まず、一つの処方はドッカツ、
キョウカツ、トウニン、コウカ、ウコン、ケイヒ、サン
ザシ、ダイソウ、カンゾウ、ショウガを組み合わせた処
方で、胃腸の働きが比較的弱くない人に対する鎮痛を目
的としている。服用することにより、まず鎮痛効果を発
揮しそれととともに胃腸の働きも守る。これは鎮痛効果
の出るのが比較的速い処方である。

【０００９】もう一つはサンヤク、ヨクイニン、ダイソ
ウ、オウセイ、ショウガ、カンゾウ、シソ、ドッカツ、
トウニン、ウコン、サンザシを組み合わせた処方で、胃
腸の働きの比較的弱い人に対して、まず胃腸の働きを整
えながら、次第に鎮痛効果を発揮する。その効き目は緩
やかだが、長期使用が可能なために確実に痛みがとれ
る。一般的に、服用後一週間程度で鎮痛効果が期待でき
る

【００１０】生薬の配合量は、サンヤク、ヨクイニン、
ダイソウ、オウセイ、カンゾウ、ケイヒ、サンザシ、シ
ソ、ショウガ、ウコン、トウニン、コウカは何れも０．
５重量％乃至２０．０重量％、ドッカツ、キョウカツは
０．５重量％乃至１０．０重量％である。ドッカツある
いはキョウカツをこれ以上加えると、特に長期間服用し
た場合に胃のもたれをおこすことがある。また他の生薬
も、これ以上多いと処方全体の気血陰陽のバランスが崩
れて効果が無くなる恐れがある。以上の生薬あるいは生
薬エキスを粉末にして混合し製する。必要により、通常
の健康補助食品の錠剤、散剤、丸剤、または顆粒剤とい
う形態にして患者に服用させても良いし、またペースト
状にしてあるいは薬膳料理として調理して食べさせると
いう方法をとっても良い。本発明の対象となる痛みは、
関節痛、筋肉痛、神経痛、生理痛、慢性疲労の痛み等で
あるが、特にこれらのみに限定されるわけではない。本
発明の使用量は、生薬粉末の混合物を１回１乃至２ｇ程
度を１日３回程度を目安に服用する。これにより３日乃
至１週間程度で痛みを緩和する効果が現れる。

【００１１】本発明の特徴は、胃腸の働きの弱い高齢者
にも長期間服用が可能であるということである。人は一
般的に、加齢とともに体の関節部分に痛みが発生するよ
うになり内蔵機能も低下してゆく。鎮痛効果のみをとれ
ば他にも良い薬がいくらでもあるが、それらは同時に副
作用を伴うので、一番鎮痛剤の効果を求める年代が一番
副作用も出やすいということになる。鎮痛剤の服用によ
り起こった副作用で、かえって体全体のバランスを崩し
て体調を悪化させることにもつながるのである。低下し
た内蔵機能を強化し体のバランスを整え、その上で鎮痛
効果を発揮する本発明は、一番鎮痛剤の効果を求める人
がよりよい生活を送る手助けとなるものである。

【００１２】

【実施の形態もしくは実施例】〔処方１〕 粉末剤 関節痛、筋肉痛、神経痛、生理痛、慢性疲労の痛みなど
の防止、治療に良い処方として、胃腸の丈夫な人に、ド
ッカツ１２重量部、キョウカツ１２重量部、トウニン１
０重量部、コウカ１０重量部、ウコン１０重量部、サン
ザシ１０重量部、ケイヒ６重量部、ショウガ６重量部、
カンゾウ３重量部、ダイソウ６重量部を粉砕して細紛に
し、混合して１ｇ単位で包装する。１回１乃至２包を目
安に一日３回服用することで三日から、一週間程度で痛
みを緩和できる。

【００１３】〔処方２〕 顆粒剤及びペースト 胃腸の弱い人に、ショウガ１０重量部、ケイヒ６重量
部、コウカ６重量部を粉砕し水蒸気蒸留して精油を取る
とともに残液の上澄みを別の容器に集めておく。ヨクイ
ニン１５重量部、サンヤク１５重量部、ダイソウ１５重
量部、オウセイ１５重量部、ウコン１０重量部、サンザ
シ１０重量部、ドッカツ６重量部、トウニン６重量部、
カンゾウ６重量部を混合し水を加えて９０分煎じてから
液を取り、生薬粕にもう一度水を加え６０分間煎じ、煎
じた液と蒸留残液をあわせて糊状の「清膏」になるまで
濃縮する。この清膏１重量部に砂糖３重量部と澱粉１重
量部を加え適量のエチルアルコールを加えて顆粒を作り
乾燥し、均等に精油を加えて混合する。１回１２ｇを一
日３回服用する。また、この清膏１重量部に対して０．
５重量部の蜂蜜を加え、均等に攪拌してペースト状とす
る。この場合は１回５ｇを一日３回服用する。

【００１４】〔処方３〕 錠剤 ヨクイニン１５重量部、サンヤク１５重量部、ダイソウ
１５重量部、オウセイ１５重量部、ショウガ１０重量
部、ウコン１０重量部、サンザシ１０重量部、ケイヒ６
重量部、ドッカツ６重量部、トウニン６重量部、コウカ
６重量部、カンゾウ６重量部を混合し、結合剤・崩壊剤
等を加え定法に従って含量５０％・重量約０．２ｇの大
きさの錠剤を作る。一回１０乃至２０錠を一日３回食後
に服用する。 〔処方４〕 丸剤 ヨクイニン１５重量部、サンヤク１５重量部、ダイソウ
１５重量部、オウセイ１５重量部、ショウガ１０重量
部、ウコン１０重量部、サンザシ１０重量部、ケイヒ６
重量部、ドッカツ６重量部、トウニン６重量部、コウカ
６重量部、カンゾウ６重量部を粉砕して均等に混合す
る。この混合粉末１重量部に対して、０．５重量部の蜂
蜜を加えて丸剤を作り乾燥する。１粒約０．１ｇの丸剤
を１回３０丸、１日３回服用する。 〔薬膳料理〕ヨクイニン１５重量剖、サンヤク１５重量
部、ダイソウ１５重量部、オウセイ１５重量部、ショウ
ガ１０重量部、ウコン１０重量部、サンザシ１０重量
部、ケイヒ６重量部、ドッカツ６重量部、トウニン６重
量部、コウカ６重量部、カンゾウ６重量部を粉砕して均
等に混合する。この粉末の３乃至６ｇを粥あるいはスー
プに混ぜ込むことで独特の薬膳料理となる。 〔使用例〕 （１）両膝と足首の痛みと浮腫を訴える７５歳の女性に
処方１を投与し、１週間後処方２の顆粒に変えた結果、
２週間後に症状が緩和した。 （２）７６歳男性が腹部の手術後ヘルニアとなり、同時
に首や肩のこりと痛みに悩まされていたが、処方２の顆
粒の一ヶ月半の服用で痛みを感じなくなるまでに回復し
た。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、健康補助食品として、長期間
副作用の心配することなく、いつでもどこでも服用し
て、関節痛、筋肉痛、神経痛、生理痛、疲労性の痛み等
に予防を含めた効果が期待できる。特に胃腸弱い年寄り
や市販の鎮痛剤に胃腸障害の心配がある方に最適である
が、胃腸の働きの弱い年寄りの胃腸機能を増強する効果
があるので、一石二鳥である。

【００１６】人は、年齢の増加により身体全体の機能が
落ち始める、例えば、軟骨の退化により関節の痛みが生
じる。動脈硬化により血液循環が悪くなり、靭帯・筋肉
痛が常に出るようになる。関節の変形やウイルス感染に
より神経損傷後の痛みも出やすくなる。医学統計による
と、６０歳から７５歳までの１５年間が骨関節痛の多発
期間である。この時期に予防的に全ての内臓機能を強化
し血液循環を改善できれば、此の期間中の痛み発生が遅
らせることができ、また、このときの痛みの程度を緩和
させられれば、快適な老後生活を送ることが可能とな
る。この事が本発明の最も大きな効果であろう。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダイソウ、ドクカツ、トウニン、サンザ
   シ、ウコン、ショウガ、カンゾウという７種類の生薬も
   しくはこれらの生薬の抽出工キスの組合せに、サンヤ
   ク、ヨクイニン、ケイヒ、コウカ、オウセイ、シソの６
   種類の生薬もしくはこれらの生薬の抽出エキスのうちの
   ２種類以上を加えることを特徴とする、鎮痛作用を有す
   る健康補助食品
2. 【請求項２】 経口摂取される形態にある請求項１の健
   康補助食品
3. 【請求項３】 請求項１で使用する各生薬の重量が、生
   薬全体の重量に対してドクカツが０．５％乃至１０％、
   それ以外の生薬がそれぞれ０．５％乃至２０％であるこ
   とを特徴とする健康補助食品
4. 【請求項４】 請求項１で使用する各生薬エキスの量を
   各生薬の量に換算すると請求項３に該当する健康補助食
   品