JP3113459U - 流体圧原動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型化かつ軽量に構成することが可能であり、また、電子回路よりも消費電力の大きな機器への給電も可能であり、さらに、電力以外の駆動力の提供も可能となる原動機を提供する。
【解決手段】 本考案の流体圧原動機100は、流体の供給・排出態様を切り替える流体給排機構111,112,113と、該流体給排機構111,112,113に接続され、その流体の供給・排出態様に応じて往復動作する流体圧シリンダ115と、該流体圧シリンダ115により駆動されて振動する振動部材121と、該振動部材121に対して回転可能に軸支され、前記振動部材121の振動によって回転駆動される回転錘131と、該回転錘131の回転を出力する回転出力軸141と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 本考案の流体圧原動機100は、流体の供給・排出態様を切り替える流体給排機構111,112,113と、該流体給排機構111,112,113に接続され、その流体の供給・排出態様に応じて往復動作する流体圧シリンダ115と、該流体圧シリンダ115により駆動されて振動する振動部材121と、該振動部材121に対して回転可能に軸支され、前記振動部材121の振動によって回転駆動される回転錘131と、該回転錘131の回転を出力する回転出力軸141と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本考案は流体圧原動機に係り、特に、流体圧を受けて回転出力を得ることのできる原動機に関する。
一般に、商用電源を用いることのできない山間地やイベント会場などでは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を用いた発電機、或いは、動力源などを構成する各種の原動機が用いられている(例えば、以下の特許文献1参照)。
また、腕時計や携帯電話などの携帯用電子機器では、人体から受ける振動をエネルギー源として発電する超小型の発電機が知られている(例えば、以下の特許文献2参照)。
実用新案登録第3065007号公報
特開2004−239244号公報
しかしながら、前述の内燃機関を用いた原動機では、大きな出力を得ることはできるものの、内燃機関やこれに用いる燃料を用意する必要があるので、体積や重量がきわめて大きくなり、持ち運びが困難であるという問題点がある。
一方、携帯用電子機器において用いられる超小型の発電機は、本来的にきわめて消費電力の小さい電子回路等への給電を目的とするものであるため、発電量が小さいことから照明機器やポンプなどへの給電には適さず、また、電力以外の駆動力を提供することができないという問題点がある。
そこで、本考案は上記問題点を解決するものであり、その課題は、小型化かつ軽量に構成することが可能であり、また、電子回路よりも消費電力の大きな機器への給電も可能であり、さらに、電力以外の駆動力の提供も可能となる原動機を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本考案の原動機は、流体の供給・排出態様を切り替える流体給排機構と、該流体給排機構に接続され、その流体の供給・排出態様に応じて往復動作する流体圧シリンダと、該流体圧シリンダにより駆動されて振動する振動部材と、該振動部材に対して回転可能に軸支され、前記振動部材の振動によって回転駆動される回転錘と、該回転錘の回転を出力する回転出力軸と、を具備することを特徴とする。
本考案において、前記回転錘の回転位置に応じたタイミング信号を出力するタイミング検出器と、前記タイミング信号に応じて前記流体給排機構を制御する制御回路とをさらに具備することが好ましい。
本考案において、前記回転錘の回転軸から前記回転出力軸へ回転を伝達する可撓性の伝動ベルトをさらに具備することが好ましい。
本考案において、前記振動部材の振動により発電を行う発電機をさらに具備することが好ましい。
本考案において、前記振動部材の振動により発電し、前記制御回路に給電する発電機をさらに具備することが好ましい。
本考案によれば、小型かつ軽量に構成することが可能であり、また、電子回路よりも消費電力の大きな機器への給電も可能であり、さらに、電力以外の駆動力の提供も可能となる原動機を実現することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本考案の実施形態を図示例と共に説明する。図1は、本実施形態の流体圧原動機の全体構成を模式的に示す概略構成正面図、図2は、同流体圧原動機の主要部分の概略構成側面図である。なお、図1及び図2において、後述する支軸122、回転出力軸141などの軸支構造の一部並びにこれらを支持するフレーム等は適宜に省略してある。
図1に示すように、流体圧原動機100は、電磁弁等で構成される導入弁111及び排出弁112を備え、これらの導入弁111及び排出弁112は接続管113を介して流体圧シリンダ115に連結されている。導入弁111及び排出弁112は制御回路114によってその開閉状態がそれぞれ制御される。
導入弁111に流体(例えば水)が所定圧力で供給されると、制御回路114の制御によって導入弁111の開放及び排出弁112の閉鎖による流体の流体圧シリンダ115への供給と、導入弁111の閉鎖と排出弁112の開放による流体圧シリンダ115からの排出とが交互に繰り返され、流体圧シリンダ115の駆動ロッド115aは出没(往復)動作を繰り返すようになっている。
なお、流体圧シリンダ115の駆動方式は上記態様に限られるものではなく、これと等価な構成を有する種々の流体給排機構を用いることができ、また、流体圧シリンダ115の構造との関係でもその駆動方法に応じて種々の流体給排機構を採用できる。例えば、図示例では導入弁111及び排出弁112を用いているが、これらを単一の三方切替弁で構成してもよく、また、図示例では単動型のシリンダ構造を用いた場合を示すが、複動型のシリンダ構造に対して、ピストンの両側に接続された2つの弁を備えた構成を用いてもよい。
駆動ロッド115aは連結リンク123を介して振動部材121に接続されている。振動部材121は支軸122に対して回動可能に軸支されている。図示例の場合、振動部材121の上部が支軸122によって軸支され、これによって振動部材121が支軸122を中心に揺動可能な状態となっている。また、図示例の場合、振動部材121の下部121aは直線状の案内部材102によって図示左右方向に案内されている。また、振動部材121は、図示左右両側において基台101に対してコイルばね等の弾性部材125,126を介してそれぞれ接続されている。なお、この基台101には上記流体圧シリンダ115も支持固定されている。
また、振動部材121には連結リンク152を介して振動式発電機151が接続され、振動部材121の振動エネルギーの一部を電気エネルギーに変換する。振動式発電機151は電源153に接続され、電源153に電気エネルギーを供給するようになっている。電源153は制御回路114に所定の電源電位を供給する。なお、電源153を介することなく、振動式発電機151の発電電力を直接制御回路114に供給しても構わない。
振動部材121には回転錘131が回転可能に軸支されている。この回転錘131は振動部材121の振動(往復動作)に応じて回転する。図示例の場合、回転錘131は、板状に構成された振動部材121の板面内に嵌合した円盤状に構成され、振動部材121に対して回転自在に軸支されている。回転錘131は回転軸134を中心に回転軸134と共に回転可能に構成されている。この回転軸134の回転はワンウェイクラッチ135を介してプーリ136に伝達される。
回転軸134には被検出部132が接続され、この被検出部132にタイミングセンサ(スイッチ)133の検出部133aが当接することによって回転錘131の回転角度を検出することができるようになっている。例えば、被検出部132に回転方向に等間隔の凸部を形成しておき、この凸部を検出部133aが検出することによって回転錘131の回転タイミングを知ることができる。もちろん、タイミング検出器として、上記のタイミングセンサ133以外でも、公知のエンコーダやレゾルバ等の各種の回転位置検出器などを用いることもできる。タイミングセンサ133の出力は上記制御回路114に送出され、制御回路114はタイミングセンサ133の出力に応じて導入弁111及び排出弁112の駆動タイミングを制御し、これによって、振動部材121及び回転錘131が所定の周波数で振動するようになっている。
プーリ136にはゴム等で形成された可撓性の伝動ベルト137が架設され、この伝動ベルト137は回転出力軸141に接続されたプーリ142に架設されている。回転出力軸141にはフライホイール143が設けられている。回転軸134は回転錘131の回転と共に回転するが、振動部材121の振動によって回転錘131と共に振動している。一方、回転出力軸141は図示しない軸支構造によってしっかりと軸支されているので、伝動ベルト137の可撓性により振動部材121に由来する振動を受けず、回転運動のみが回転出力軸141に伝達される。
上記構成の流体圧原動機100では、導入弁111に所定圧力の流体(水道で供給される水やコンプレッサなどで供給されるエアなど)を供給すると、制御回路114によって流体圧シリンダ115が往復動作し、駆動ロッド115aに接続された振動部材121が図示左右方向に振動する。このとき、案内部材102は、振動部材121が支軸122を中心に支軸122の軸線と直交する平面上を正確に揺動するように案内する。また、弾性部材125,126は、その弾性係数によって振動部材121の振動特性を規定する。
振動部材121の揺動に応じて回転錘131が回転すると、回転軸134の回転は可撓性の伝動ベルト137を介して伝達され、回転出力軸141が回転する。このとき、可撓性の伝動ベルト137は回転軸134の振動を吸収するとともに、プーリ136及び142との滑りによって回転軸134の回転速度の変動をも吸収するように作用する。特に、フライホイール143を設けることで回転出力軸141の慣性が大きくなるため、回転軸134の回転速度の変動は伝動ベルト137を介した回転伝達系の滑りによって吸収されやすくなり、回転出力軸141の回転速度の変動は少なくなる。
本実施形態では、流体圧を用いているので、水道やエア配管などを有する場所では直ちに回転駆動力を得ることができ、また、山間地でも河川の水をそのまま利用したり、或いは、タンク等に入れて高所に配置したりといった態様で、きわめて容易に回転駆動力を得ることができる。さらに、この回転駆動力を小型発電機に供給して実用的な電力を得ることも可能である。また、流体圧シリンダにて往復運動に変換し、この往復運動を機械的束縛のない態様で回転錘の回転運動に変換しているので、流体圧の変化にも容易に対応することができ、しかも、流体圧如何に拘わらず、比較的安定した回転トルクを得ることが可能である。その上、内燃機関などを用いる必要がなく、密閉構造を有するユニットは流体圧シリンダのみであるので、小型化及び軽量化を図ることが容易である。したがって、移動や携帯が容易で、柔軟性に富んだきわめて実用的な原動機を構成することが可能になる。
尚、本考案の流体圧原動機は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記振動部材121は支軸122を中心に揺動するように構成されているが、振動部材121をリニアガイド等の直線案内部材で直線的に往復動作するように設けてもよい。
100…流体圧原動機、101…基台、102…案内部材、111…導入弁、112…排出弁、113…接続管、114…制御回路、115…流体圧シリンダ、121…振動部材、122…支軸、123…連結リンク、125,126…弾性部材、131…回転錘、132…被検出部、133…タイミングセンサ、134…回転軸、135…ワンウェイクラッチ、136…プーリ、137…伝動ベルト、141…回転出力軸、142…プーリ、143…フライホイール
Claims (5)
- 流体の供給・排出態様を切り替える流体給排機構と、該流体給排機構に接続され、その流体の供給・排出態様に応じて往復動作する流体圧シリンダと、該流体圧シリンダにより駆動されて振動する振動部材と、該振動部材に対して回転可能に軸支され、前記振動部材の振動によって回転駆動される回転錘と、該回転錘の回転を出力する回転出力軸と、を具備することを特徴とする流体圧原動機。
- 前記回転錘の回転位置に応じたタイミング信号を出力するタイミング検出器と、前記タイミング信号に応じて前記流体給排機構を制御する制御回路とをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の流体圧原動機。
- 前記回転錘の回転軸から前記回転出力軸へ回転を伝達する可撓性の伝動ベルトをさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の流体圧原動機。
- 前記振動部材の振動により発電を行う発電機をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の流体圧原動機。
- 前記振動部材の振動により発電し、前記制御回路に給電する発電機をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の流体圧原動機。
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