JP3113223U

JP3113223U - ねじ締め込み装置

Info

Publication number: JP3113223U
Application number: JP2005003946U
Authority: JP
Inventors: 徳蔵金子
Original assignee: マルト工業株式会社
Priority date: 2005-06-01
Filing date: 2005-06-01
Publication date: 2005-09-02
Anticipated expiration: 2015-06-01

Abstract

【課題】ヒール部材と本底部材との間を十分な強度で締着して剥がれを確実に防止することができ、またねじ締めを簡単に行って製造コストも低減することができるねじ込み装置を提供する。
【解決手段】ドライバー７を回転させつつ上下動可能に支持するドライバー支持部３と、ドライバー７の軸外周にその軸に沿って上下動可能に設けられ、筒状の上部４１とその上部４１より径が大きいチャッキング部４２とからなり、そのチャッキング部４２の下端開口部４７は縮径時にドライバー７先端のねじ８のヘッド８ａを把持してねじ８を回動自在に支持するねじ支持部４と、ドライバー７の軸外周にその軸に沿って上下動可能に設けられ、下降位置でねじ支持部４のチャッキング部４２の下端開口部４７を縮径させ、上昇位置で通常の拡径した状態にする作用部５と、を備えている。
【選択図】図１

Description

本考案は、ねじをドライバーで締め込み、例えば靴のヒール部材と本底部材とを締着するねじ締め込み装置に関するものである。

婦人用のハイヒールを製造する場合、ヒール部材と本底部材との間をその踵部分で接着固定する必要があるが、その踵部分は傾斜面となっている。したがって、従来はその傾斜面に直角になるようにねじを当てて、手作業によってドライバーで締め付けていた。

しかし、上記のように、踵部分の傾斜面に対して直角にねじを締め付けていると、ねじがヒール部材に対して斜めに入るため、ねじの長さを十分に確保することができず、短いねじを使用するために、締着力も不十分になっていた。このため、ヒール部材と本底部材とが剥がれてしまう一因ともなっていた。

また、手作業で行うため、手間がかかり製造コストも高く付いていた。さらに、マグネットドライバー等でねじを保持している場合は、保持力が非常に弱く、ねじ込み動作に入ったとき、ねじが倒れてしまい、作業に時間も要していた。

この考案は上記に鑑み提案されたもので、ヒール部材と本底部材との間を十分な強度で締着して剥がれを確実に防止することができ、またねじ締めを簡単に短時間に行って製造コストも低減することができるねじ締め込み装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、請求項１に記載の考案は、ねじをドライバーで締め込むねじ締め込み装置において、上記ドライバーを回転させつつ上下動可能に支持するドライバー支持部と、上記ドライバーの軸外周にその軸に沿って上下動可能に設けられ、筒状の上部とその上部から下方に複数棒状に分岐し上部より径が大きいチャッキング部とからなり、そのチャッキング部の下端開口部は縮径時にドライバー先端のねじのヘッドを把持してねじを回動自在に支持するねじ支持部と、上記ドライバーの軸外周にその軸に沿って上下動可能に設けられ、下降位置でねじ支持部のチャッキング部下端開口部を縮径させ、上昇位置で通常の拡径した状態にする作用部と、を備えることを特徴としている。

また、請求項２に記載の考案は、上記した請求項１に記載の考案の構成に加えて、靴のヒール部材を保持するとともにドライバー下方の所定位置にセッティングするセット治具を備え、上記セット治具に保持されたヒール部材およびそのヒール部材に載置された本底部材の踵部分傾斜面に垂直にねじを締め込み、ヒール部材と本底部材とを締着する、ことを特徴としている。

請求項３に記載の考案は、上記した請求項２に記載の考案の構成に加えて、上記ヒール部材にはねじを受け止めるスリーブが予め挿着されている、ことを特徴としている。

この考案のねじ締め込み装置では、作用部が下降位置にあるときねじ支持部がドライバー先端のねじを回動自在に支持するので、人手に依らずにドライバーで自動的にねじの締め込みを行うことができ、またねじ締めがある程度進むと、作用部が上昇してねじのヘッドに対する支持が解除されるので、障害物がなくなり、ねじのヘッドが埋め込まれるまで締め込みを十分に行うことができる。

また、セット治具をドライバー下方にセットするので、垂直方向にねじを安定して締め込むことができ、ヒール部材に締め込むねじの長さを十分に確保できるので、ヒール部材と本底部材との間を十分な強度で締着して剥がれを確実に防止することができる。

さらに、ねじ締めを自動的に行えるので作業が簡単に短時間で行うことができ、製造コストも低減することができる。

以下にこの考案の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

図１はこの考案のねじ締め込み装置の全体構成を示す図、図２はねじ締め込み装置でねじ締めした婦人用ハイヒールを示す図、図３はねじ締め込み装置の構成を示す分解斜視図、図４および図５はねじ締め込み装置によるねじ締めの作用説明図である。この考案のねじ締め込み装置１は、例えばセット治具２にセットされた婦人用ハイヒール９のヒール部材９１と本底部材９２とを締着する際に使用する装置である。

セット治具２には、ヒール部材収納凹部２１およびヒール収納孔２２にヒール部材９１が納められて固定され、そのヒール部材９１上に本底部材９２が重ねて載置される。ねじ締め込み装置１は、ドライバー７下方の所定位置にセッティングされたセット治具２の本底部材９２に垂直にねじ８を締め込む。

このねじ締め込み装置１は、ドライバー支持部３とねじ支持部４と作用部５とを備えている。

ドライバー支持部３は、ボール盤に通常設けられるチャッキング機構によってドライバー７を回転させつつ上下動可能に支持している。なお、ここでドライバー７はチャッキング機構に把持されるように、軸部のみの棒状の形状を有している。

ねじ支持部４は、中央に孔４１ａが穿設された円盤状の上部４１と、その上部４１から下方に複数棒状に分岐して設けられた腕片４２ａ，４２ａ…を備えたチャッキング部４２とを有している。チャッキング部４２の外周の径は、上部４１の外周の径より大きく、上部４１とチャッキング部４２との間は、径が漸増して緩やかな傾斜面４３になっている。

ドライバー７の先端（下端）寄りに、リング状の溝７１が形成され、この溝７１にストッパ４４が嵌入され、ドライバー７の軸に挿入されたスリーブ４５、およびそのスリーブ４５に緩入されたスプリング４６がストッパ４４に係止している。そして、ねじ支持部４の孔４１ａにドライバー７の軸が挿入され、上部４１の下面４１ｂがスプリング４６の上端に当接するようになっている。

また、ドライバー７の中央より少し下方に、リング状の溝７２が形成され、この溝７２にストッパ５５が嵌入され、ドライバー７の軸に緩入されたスプリング５７がストッパ５５に係止している。作用部５は、全体として略円筒状で、上端側のフランジ部５１とその下部の、フランジ部５１より外径が細い外筒部５２とを有している。フランジ部５１にはその中央に孔５１ａが穿設され、作用部５はその孔５１ａを通してドライバー７の軸に挿入され、外筒部５２の下端が、ねじ支持部４の傾斜面４３に当接するようになっている。

上記構成のねじ締め装置１において、ねじ締めは次のような作用で行われる。先ず図４（ａ）に示すように、ねじ締め込み装置１が組み付けられたドライバー７をドライバー支持部３にチャッキングする。作用部５の外筒部５２の下端は、ねじ支持部４の傾斜面４３に当接し、作用部５およびねじ支持部４の全体がスプリング４６を介してストッパ４４で係止される。

次に、ねじ８をドライバー７の先端に押し当てておき、作用部５を押し下げる。このとき、ねじ支持部４の傾斜面４３は作用部５の外筒部５２の下端で強く押されるようになり、その結果ねじ支持部４のチャッキング部４２が全体的に縮径し、その下端開口部４７も少し閉じるようになり（図４（ｂ））、最終的に下端開口部４７はねじ８のヘッド８ａを下方から支える状態になる（図４（ｃ）、（ｄ））。なお、この状態でスプリング４６はねじ支持部４の上部４１の下面４１ｂで圧縮され、またスプリング５７は作用部５の外筒部５２の上端面５２ａで圧縮される。

その後、ドライバー支持部３によるドライバー７の回転および下動によって、ねじ８が本底部材９２に螺入し、続いてヒール部材９１に螺入していく（図５（ｅ）、（ｆ））。この場合、ねじ支持部４および作用部５はドライバー７と一体に下動する。なお、ヒール部材９１には、予めスリーブ９１ａが嵌入されており、ねじ８を受け止めて螺着が一層確実なものとなるようにしている。

続いて、作用部５のフランジ部５１の下面５１ｂが、所定位置に設けられている係止部材１０に当たって作用部５の下動が停止すると、ドライバー７およびねじ支持部４のみが下動するので、作用部５の外筒部５２の下端が傾斜面４３に位置するようになり、それに応じてチャッキング部４２を内側に押しつける力が緩和され下端開口部４７が開くようになる。その結果、チャッキング部４２によるねじ８の支持が解除され、ねじ８はドライバー７によって自由に螺入される状態になる（図５（ｇ））。また、スプリング５７は、その伸長力により作用部５を上方に押し上げる。さらにスプリング４６は、その伸長力によりねじ支持部４を上方に押し上げ、作用部５はその押し上げ力も加えられて上方に押し上げられる（図５（ｈ））。

その後、さらにドライバー７によってねじ８がヒール部材９１のスリーブ９１ａに螺入されていき、ねじ８のヘッド８ａが本底部材９２の内部に埋め込まれた状態でねじ締めが完了する（図５（ｉ））。なお、図５（ｉ）に示すように、作用部５が上昇したときのねじ支持部４の下端開口部４７とドライバー７下端との間の距離をＧとし、ねじ８が本底部材９２に埋め込まれる距離（深さ）をＸとするとき、Ｇ＞Ｘとなるように設計することにより、ねじ８の埋め込み深さを十分に確保することができる。

以上のべたように、この考案のねじ締め込み装置１では、作用部５が下降位置にあるときねじ支持部４がドライバー７先端のねじ８を回動自在に支持するので、人手に依らずにドライバー７で自動的にねじ８の締め込みを行うことができ、またねじ締めがある程度進むと、作用部５が上昇してねじ８のヘッド８ａに対する支持が解除されるので、障害物がなくなり、ねじ８のヘッド８ａが埋め込まれるまで締め込みを十分に行うことができる。

また、セット治具２をドライバー７の下方にセットするので、垂直方向にねじ８を安定して締め込むことができ、ヒール部材９１に締め込むねじ８の長さを十分に確保できるので、ヒール部材９１と本底部材９２との間を十分な強度で締着して剥がれを確実に防止することができる。

さらに、ねじ締めを自動的に行えるので作業が簡単に短時間で行えるようになり、製造コストも低減することができる。

この考案のねじ締め込み装置の全体構成を示す図である。ねじ締め込み装置でねじ締めした婦人用ハイヒールを示す図である。ねじ締め込み装置の構成を示す分解斜視図である。ねじ締め込み装置によるねじ締めの作用説明図である。ねじ締め込み装置によるねじ締めの作用説明図である。

符号の説明

１ねじ締め込み装置
２セット治具
２１ヒール部材収納凹部
２２ヒール収納孔
３ドライバー支持部
４ねじ支持部
４１上部
４１ａ孔
４１ｂ下面
４２チャッキング部
４２ａ腕片
４３傾斜面
４４ストッパ
４５スリーブ
４６スプリング
４７下端開口部
５作用部
５１フランジ部
５１ａ孔
５１ｂ下面
５２外筒部
５２ａ上端面
５５ストッパ
５７スプリング
７ドライバー
７１，７２溝
８ねじ
８ａヘッド
９婦人用ハイヒール
９１ヒール部材
９１ａスリーブ
９２本底部材
１０係止部材

Claims

ねじをドライバーで締め込むねじ締め込み装置において、
上記ドライバーを回転させつつ上下動可能に支持するドライバー支持部と、
上記ドライバーの軸外周にその軸に沿って上下動可能に設けられ、筒状の上部とその上部から下方に複数棒状に分岐し上部より径が大きいチャッキング部とを有し、そのチャッキング部の下端開口部は縮径時にドライバー先端のねじのヘッドを把持してねじを回動自在に支持するねじ支持部と、
上記ドライバーの軸外周にその軸に沿って上下動可能に設けられ、下降位置でねじ支持部のチャッキング部下端開口部を縮径させ、上昇位置で通常の拡径した状態にする作用部と、
を備えることを特徴とするねじ締め込み装置。
靴のヒール部材を保持するとともにドライバー下方の所定位置にセッティングするセット治具を備え、
上記セット治具に保持されたヒール部材およびそのヒール部材に載置された本底部材の踵部分傾斜面に垂直にねじを締め込み、ヒール部材と本底部材とを締着する、請求項１に記載のねじ締め込み装置。
上記ヒール部材にはねじを受け止めるスリーブが予め挿着されている、請求項２に記載のねじ締め込み装置。