JP3111031B2 - 液体分配容器の蓋の脱着防止付き連結装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、液体ボディソー
プ、シャンプー、リンス、その他の液体化粧品を入れ、
必要量をポンプにより注出できる２つの液体分配容器を
連結すると共に、該容器の蓋の脱着を容易にすることが
できず、また、液体分配容器の連結角度を 安定的に変位
できるようにした液体分配容器の蓋の脱着防止付き連結
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、液体ボディソープ、シャンプー、
リンス等を使用に応じて一定量ずつ注出できるポンプ付
きの液体分配容器は、容器本体に突設した口頸部に、ポ
ンプを備えた蓋を螺着したものであり、蓋の脱着が簡単
にできるものであった。また、液体分配容器を２個セッ
トにして浴室或いは洗面所に配備する場合、ラック又は
トレイに載せたり、或いは本願出願人が出願した実開平
４−３２１９３号の様に、液体分配容器をトレイに固定
して容易にトレイから取外しができないようにしたもの
がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた液
体分配容器は、ポンプを備えた蓋を容器本体の口頸部か
ら自由に脱着できるものであるから、いたずら等により
液体分配容器内に異物を混入される恐れがあった。さら
に、ラック又はトレイに液体分配容器を２個セットにし
て載置しただけのものは、液体ボディソープやリンスを
使用した後液体分配容器が他の場所に放置されたり、倒
れたままになったりするという問題があり、一方液体分
配容器をトレイに固定したものは、２つの液体分配容器
の配置角度を変えることができず、常に２つの該容器を
一列に並べたものであるから、狭い浴室、洗面所では配
備する上に制約が多く、特に壁面の角部に沿って配置す
ることができないという問題点があった。

【０００４】この発明は、上記の問題点に鑑みてなされ
たもので、液体分配容器の蓋を容易に脱着することがで
きないようにし、かつ２つの液体分配容器の連結角度が
自由に変えられるように連結して安全で使い勝手のよい
液体分配容器の蓋の脱着防止付き連結装置の提供を目的
としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の請求項１の液体分配容器の蓋の脱着防止
付き連結装置は、２つの液体分配容器Ａ、Ａをその口頚
部２、２において両端に連結用の透孔６、６が穿たれて
いる板状の連結具５により回動可能に当接して連結せし
め、上記口頚部２、２に被着された蓋体４、４の外面に
短筒状の脱着防止具７、７を回動可能に嵌めつけて蓋体
４、４の回動が直接できないようにした液体分配容器の
蓋の脱着防止付き連結装置であって、 上記連結具５の透
孔６、６の周囲に上記脱着防止具７、７を支承する受部
８、８を設けるとともに、該受部８、８の外周に脱着防
止具７、７の外圧による変形を防止する環状の突部９、
９を設け、上記受部８、８と蓋体４、４の下端部との間
に上記脱着防止具７、７の下端内方に備えた掛止環１
０、１０を挟入して蓋体４、４に対し脱着防止具７、７
が回動可能で、しかも、抜脱しないように嵌合支持され
ていることを特徴とする。

【０００６】上記構成により、２つの液体分配容器Ａ、
Ａの口頸部２、２に連結具５の透孔６、６を遊嵌し、さ
らに脱着防止具７、７を遊挿し蓋体４、４を脱着防止具
７、７とともに回動して螺着すると、蓋体４、４は脱着
防止具７、７内に収納された状態となり蓋体４、４を取
り外そうとしても直接蓋体４、４を回すことができず、
また、脱着防止具７、７を回しても空回りして蓋体４、
４は回らない。したがって、蓋体４、４の脱着が容易に
できない。そして、蓋体４、４を口頸部２、２に螺着す
る場合は、蓋体４、４と脱着防止具７、７を内外に重ね
蓋体４、４を口頸部２、２に嵌め、蓋体４、４と脱着防
止具７、７との間隙にドライバー等の先の尖った係合材
１２を差し込み、脱着防止具７、７と蓋体４、４を一体
化して脱着防止具７、７と共に蓋体４、４が回るように
して口頸部２、２に蓋体４、４を螺着し、その後、係合
材１２を抜き取る。蓋体４、４を開く場合も同様に係合
材１２を差込んで、脱着防止具７、７と協動して蓋体
４、４が回るようにして行う。また、連結具５の透孔
６、６の周囲に脱着防止具７、７を支承する受部８、８
を設けると共に、脱着防止具７、７の外圧による変形を
防止する環状の突部９、９を上記受部８、８の周囲に設
け、該環状の突部９、９の内側に受部８、８と蓋体４、
４の下端部との間に挟入する掛止環１０を下端内方に設
けた短筒状の脱着防止具７、７を嵌め入れ、口頸部２、
２に蓋体４、４を脱着防止具７、７とともに回して螺着
するものである。

【０００７】したがって、連結具５の環状の突部９、９
に短筒状の脱着防止具７、７を嵌め入れるので、該脱着
防止具７、７を指先で強く挟みつけても楕円形に大きく
変形することがなく、脱着防止具７、７を介して蓋体
４、４を挟みつけることができない。それ故脱着防止具
７、７を強く挟みつけた状態で回しても蓋体４、４は協
動せず、蓋体４、４は脱着できない。また、連結具５の
受部８、８と脱着防止具７、７の掛止環１０は、蓋体
４、４を口頸部２、２に螺着したとき、連結具５の受部
８、８と蓋体４、４の下端部で挾持され、脱着防止具
７、７は上方に脱出することがなく、蓋体４、４を取り
外さない限り外すことはできない。そして、連結具５も
同様に外すことはできない。

【０００８】この発明の請求項２の液体分配容器の蓋の
脱着防止付き連結装置は、 上記連結された２つの液体分
配容器Ａ、Ａの当接面ａ、ａを台形状の３面体として２
つの液体分配容器Ａ、Ａのいずれか一方を回動して相対
する当接面ａ、ａを密接させることで２つの液体分配容
器Ａ、Ａの連結角度が直列配置及び直角配置並びに並列
配置に変位できるようにしたことを特徴とする。

【０００９】上記構成を有する請求項２記載の発明は、
２つの液体分配容器Ａ、Ａの当接する面ａ、ａが台形状
の３面体となっているので、一方の液体分配容器Ａの口
頸部２を支点として回動する連結具５と共に他方の液体
分配容器Ａを当接面ａ、ａの回動方向の端部を中心に９
０度回動するだけで当接する面ａ、ａが変位して直列配
置、直角配置、並列配置の連結角度に変えることができ
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】この発明の液体分配容器の蓋の脱
着防止付き連結装置は、容器本体１、１に突設した口頸
部２、２に、液体を注出するポンプ３、３を備えた蓋体
４、４を螺着してなる２つの液体分配容器Ａ、Ａをセッ
トとして浴室、洗面所に配備するものにおいて、容器本
体１、１の口頸部２、２に挿通する透孔６、６を両端に
穿設した板状の連結具５を、２つの液体分配容器Ａ、Ａ
の口頸部２、２にそれぞれ回動自由に遊嵌して連結し、
さらに、口頸部２、２に蓋体４、４を回動不能にする脱
着防止具７、７を蓋体４、４の外側に重ねて口頸部２に
蓋体４、４をあてがい、蓋体４、４と脱着防止具７、７
との間隙に、ドライバー等の先の細い係合材１２を差し
込み、脱着防止具７、７と共に蓋体４、４を回し口頸部
２、２にきつく螺着し、その後前記係合材１２を引き抜
き、連結具５と脱着防止具７、７とを液体分配容器Ａ、
Ａに取着する構成としている。

【００１１】連結具５は、透孔６、６の周囲に、脱着防
止具７、７を支承する受部８、８が設けられ、さらに、
該受部８、８の周囲には脱着防止具７、７が指先で挟ま
れ圧力を加えられても、その脱着防止具７、７が変形し
ないようにする環状の突部９、９が設けられている。ま
た、脱着防止具７、７は短筒状であり、その下端内方に
は蓋体４、４に係止して上方に抜脱しないようにする掛
止環１０、１０が一体に設けられている。この脱着防止
具７、７は前記連結具５の受部８、８に載せるようにし
て環状の突部９、９内に嵌め入れられ、口頸部２、２に
蓋体４、４を螺着すると、連結具５の受部８、８と蓋体
４、４の下端部とにより脱着防止具７、７の掛止環１０
が挾持され、脱着防止具７、７は上方に抜脱しないよう
蓋体４、４の外側周面に回動可能に取付けられるように
なっている。そして、液体分配容器Ａ、Ａ内に液体ボデ
ィソープ等を補充する場合においては、蓋体４、４と脱
着防止具７、７との間にドライバー等の先の細い係合材
１２を嵌め込み一体化して、脱着防止具７、７を指先で
もって回転させると、蓋体４、４も協動して回転し蓋体
４、４を脱着防止具７、７とともに回動して脱出するこ
とができる。

【００１２】２つの液体分配容器Ａ、Ａの容器本体１、
１の形状は、連結具５により２つの液体分配容器Ａ、Ａ
が密接して連結された状態でこれらの連結角度を変える
ことができるように、２つの液体分配容器Ａ、Ａの当接
する面ａ、ａを面取り平面状に形成して、台形状の３面
体とし、２個の液体分配容器Ａ、Ａを配備する場所の状
況に応じて直列配置、直角配置、並列配置に連結角度が
変えられるようになっている。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の液体分配容器の蓋の脱着防
止付き連結装置の実施例について、図面を参照して説明
する。

【００１４】図１〜図６において、Ａ、Ａは液体ボディ
ソープ、シャンプー、リンス或いは液体化粧品を所定量
づつ注出することができる液体分配容器で、容器本体
１、１の上部に突設された筒状の口頸部２、２の外周に
は螺条部１１、１１が形成され、手動式のポンプ３、３
を中央に貫挿して取付けた蓋体４、４が螺着固定できる
ようになっている。（図１参照）

【００１５】７、７は短筒状で下端内方に蓋体４、４の
下端部に係止される掛止環１０、１０が一体に設けられ
た脱着防止具で、高さが蓋体４、４よりも若干高く蓋体
４、４を口頸部２、２に螺着したとき蓋体４、４が脱着
防止具７、７内に入ってしまい蓋体４、４の外側周部が
覆われるようになっている。この脱着防止具７は指先で
強く挟まれても大きく変形しないように比較的堅い合成
樹脂又は金属で成形されている（図２参照）。

【００１６】５は前記口頸部２、２に挿通できる２つの
透孔６、６が両端に穿設された板状の連結具で、該透孔
６、６の周囲には脱着防止具７、７を支承する受部８、
８が設けられ、さらに、その受部８、８の周囲には環状
の突部９、９が設けられている（図３参照）。環状の突
部９、９はこれに嵌められる脱着防止具７、７が指先で
強く挟まれたとき、脱着防止具７、７が楕円形に大きく
変形し、脱着防止具７、７の内周面が蓋体４、４の外周
面に圧接されないようにする役目をするものである。こ
れにより脱着防止具７、７を指先で強く挟んで回転させ
ても追隨して蓋体４、４が回ることはない。

【００１７】容器本体１、１の形状は、２つの液体分配
容器Ａ、Ａを連結したとき当接する面ａ、ａの両端を４
５度の角度で面取りして台形状の３面体に形成し、連結
した状態で２つの液体分配容器Ａ、Ａの連結角度を横一
列の直列配置（図５参照）→直角配置（図６参照）→並
列配置（図６の鎖線の状態参照）に任意に変化させるこ
とを可能としている。しかし、実際使用上は直列配置と
直角配置が主である。尚、当接する面ａ、ａの形状を口
頚部２、２を中心とする一連の半円状にすれば無段に連
結角度が変位でき、３面体と同じ効果も得られるが、２
つの液体分配容器Ａ、Ａの当接する面ａ、ａを同じ面同
士が密接する面接触とすることで安定感を持たせるよう
にしている。

【００１８】

【発明の効果】この発明は上述のとおり構成されている
ので、以下に記載する効果を奏する。

【００１９】請求項１の液体分配容器の蓋の脱着防止付
き連結装置は、液体分配容器の蓋体の外側周囲を空回り
する脱着防止具で覆い、この脱着防止具により容易に蓋
体を外すことができないようにしたため、液体分配容器
内に異物を混入するといういたずらが確実に防止でき
る。また、２つの液体分配容器は密接して連結され、連
結具の取り外しもできないので、浴室、洗面所に配備し
た場合に場所をとらず、また、バラバラにして放置され
たり、倒れたままに放置されることもなく、整頓が常に
なされ、安定的で使い勝手のよいものである。さらに、
構造が極めて簡単であるため、製品を安価に提供するこ
とができる。

【００２０】また、脱着防止具を連結具の受部に載せて
支承すると共に環状の突部内に嵌め入れる構造であるか
ら、脱着防止具が指先で強く挟まれ楕円形に変形する方
向に力が働いても、上記突部により変形が阻止される。
それ故、脱着防止具は突部の存在により大きな力で脱着
防止具を挟みつけて回転させても、追隨して蓋体が回る
ことがなく、容易に蓋体を取り外すことができない。一
方、連結具も脱着防止具により蓋体が外せないので口頸
部から取り外すことができない。したがって、液体分配
容器の中に異物を入れられたり、連結具が取り外されセ
ットで配備された２つの液体分配容器がバラバラにされ
ることがない。

【００２１】請求項２の液体分配容器の蓋の脱着防止付
き連結装置は、連結した２つの液体分配容器を連結した
状態で直列配置、直角配置、並列配置のいずれかに連結
角度を変えることができるので、浴室、洗面所等への配
備がし易く、特に角部に沿って設置することができるの
で便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る液体分配容器の蓋の脱着防止付
き連結装置の一例を示した全体の一部切欠正面図であ
る。

【図２】脱着防止具の斜視図である。

【図３】連結具の平面図である。

【図４】連結具に脱着防止具を嵌め入れた状態の断面図
である。

【図５】２つの液体分配容器を直列に連結した直列配置
の状態の全体平面図である。

【図６】２つの液体分配容器の連結角度を直角にして連
結した直角配置の状態の全体平面図である。

【符号の説明】

１…容器本体、２…口頸部、４…蓋体、５…連結具、６
…透孔、７…脱着防止具、８…受部、９…環状の突部、
１０…掛止環、Ａ…液体分配容器、ａ…当接する面

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２つの液体分配容器（Ａ）、（Ａ）をそ
   の口頚部（２）、（２）において両端に連結用の透孔
   （６）、（６）が穿たれている板状の連結具（５）によ
   り回動可能に当接して連結せしめ、上記口頚部（２）、
   （２）に被着された蓋体（４）、（４）の外面に短筒状
   の脱着防止具（７）、（７）を回動可能に嵌めつけて蓋
   体（４）、（４）の回動が直接できないようにした液体
   分配容器の蓋の脱着防止付き連結装置であって、 上記 連結具（５）の透孔（６）、（６）の周囲に上記脱
   着防止具（７）、（７）を支承する受部（８）、（８）
   を設けるとともに、該受部（８）、（８）の外周に脱着
   防止具（７）、（７）の外圧による変形を防止する環状
   の突部（９）、（９）を設け、上記受部（８）、（８）
   と蓋体（４）、（４）の下端部との間に上記脱着防止具
   （７）、（７）の下端内方に備えた掛止環（１０）、
   （１０）を挟入して蓋体（４）、（４）に対し脱着防止
   具（７）、（７）が回動可能で、しかも、抜脱しないよ
   うに嵌合支持されていることを特徴とする液体分配容器
   の蓋の脱着防止付き連結装置。
2. 【請求項２】 上記連結された２つの液体分配容器
   （Ａ）、（Ａ）の当接面（ａ）、（ａ）を台形状の３面
   体として２つの液体分配容器（Ａ）、（Ａ）のいずれか
   一方を回動して相対する当接面（ａ）、（ａ）を密接さ
   せることで２つの液体分配容器（Ａ）、（Ａ）の連結角
   度が直列配置及び直角配置並びに並列配置に変位できる
   ようにしたことを特徴とする請求項１記載の液体分配容
   器の蓋の脱着防止付き連結装置。