JP3110689B2 - アナログメモリ回路及びアナログ信号の記録方法 - Google Patents

アナログメモリ回路及びアナログ信号の記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ電圧信号
の書き込み、長時間にわたる保持、及び読み出しを行う
ことができるアナログメモリ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】様々なシステムの実現のために、アナロ
グ電圧信号の書き込み、保持及び読み出しを行うアナロ
グメモリ回路に対する要望が高まっている。アナログメ
モリ回路は、新しいシステムの実現のために必要とされ
るだけではなく、現在はデジタル回路で実現されている
システムをアナログ回路で置き換えることによって、回
路面積及び消費電力の大幅な低減を図る上でも必要とさ
れている。
【0003】アナログメモリ回路の適用対象としては、
例えば、画像処理によく利用される離散コサイン変換
(ディスクリート・コサイン・トランスフォーム=DC
T)回路、或いは神経回路網を用いる演算器(ニューロ
・コンピューティング回路)などが挙げられる。
【0004】前者の場合、アナログ回路による離散コサ
イン変換では、従来のデジタル回路による離散コサイン
変換に比べて、消費電力及び回路面積が大幅に減少す
る。このため、画像通信などの分野で、機器の小型化や
低消費電力化の実現に大きく貢献する。
【0005】一方、後者の神経回路網を用いる演算器
は、学習を通じて人間の頭脳により近い機能を実現する
可能性を有する。これまでのデジタル演算手法の限界を
越える次世代の演算回路としてその実現が期待されてい
るが、そのためには、優れた性能を有するアナログメモ
リ回路の実現が待望されている。
【0006】神経回路網を用いる演算器は現在でもある
程度実現されており、その実際の演算処理においてはア
ナログ回路が使用されている。しかし、演算の結果とし
て得られるアナログ信号の記録にあたって、十分な機能
を発揮できるアナログメモリ回路が使用できないので、
アナログ信号に対して行った演算の結果をデジタル信号
に変換した上でデジタルメモリ回路に記録している。こ
のため、回路面積及び消費電力の大幅な低減というアナ
ログ回路の効果が、十分に得られない。
【0007】図29(a)は、n型シリコン基板1の上
に形成された従来のアナログメモリ回路50の構成を示
す断面図である。また、図29(b)は、図29(a)
に示すアナログメモリ回路50の模式的な等価回路であ
る。
【0008】図29(a)に示すアナログメモリ回路5
0は、スイッチS7及びコンデンサCmを備えている。
このうちスイッチS7は、典型的にはnMOSトランジ
スタである。具体的には、n型シリコン基板1に形成さ
れたp型不純物拡散領域2の上に、ソース及びドレイン
として機能するn型不純物拡散領域3及び4が形成され
ている。p型不純物拡散領域2の一部であってチャネル
領域5、すなわちn型不純物拡散領域3及び4の間隙の
上方に相当する箇所には、シリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜6を介して、ポリシリコンからなるゲート電極
7が形成されている。ゲート電極7には、ゲート端子1
7が接続されている。また、ソース領域として機能する
n型不純物拡散領域3には、スイッチS7の入力端子1
6が接続されている。さらに、p型不純物拡散領域2
は、接地されている。
【0009】さらに、スイッチS7のドレイン領域とし
て機能するn型不純物拡散領域4は、ポリシリコンから
なるコンデンサCmの一方の電極8に接続されている。
電極8は、シリコン酸化膜9を介してもう一方のポリシ
リコン電極10に相対しており、これによってコンデン
サCmが構成されている。また、電極10とn型シリコ
ン基板1との間には、シリコン酸化膜11が設けられて
いる。なお、電極10は接地されている。
【0010】図29(b)に示す等価回路から明らかな
ように、アナログメモリ回路50において、入力端子1
6からアナログ信号(例えば、接地電位と所定の電源電
圧との間の電位差を有する信号)が入力されている状態
でスイッチS7をONすると、入力端子16に印加され
たアナログ信号はコンデンサCmを充電する。その後に
スイッチS7をOFFすることによって、コンデンサC
mには、入力されたアナログ信号が電荷として記録され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図29(a)に示す従
来のアナログメモリ回路50の構成において、コンデン
サCmにアナログ信号が記録されている状態では、電極
8の電位と、電極10に与えられている接地電位との間
には、アナログ信号電圧に相当する電位差が存在する。
このとき、電極8はスイッチS7のドレイン(n型不純
物拡散領域4)に接続されているので、ドレイン領域4
と接地されているp型不純物拡散領域2との間にも、ア
ナログ信号電圧に相当する電位差が存在する。このた
め、アナログ信号がコンデンサCmに記録されている状
態では、n型不純物拡散領域(ドレイン領域)4とp型
不純物拡散領域2との間のpn接合部に構成されるダイ
オードは、逆バイアス状態におかれる。
【0012】この逆バイアス状態において、n型不純物
拡散領域4からp型不純物拡散領域2に向かって逆バイ
アス電流ILが流れる。この逆バイアス電流ILによっ
て、記録されているアナログ信号に相当するコンデンサ
Cmに蓄えられた電荷が徐々に流出する。このため、コ
ンデンサCmに記録されているアナログ信号の電圧レベ
ルが次第に減少して、最終的には零になる。
【0013】これより、図29(a)に示す従来のアナ
ログメモリ回路50の構成では、コンデンサCmに記録
されたアナログ信号が実際に保持される時間は、逆バイ
アス電流ILによる電荷の流出に起因するアナログ記録
信号の電圧レベルの減少の度合いによって決定される。
従来のアナログメモリ回路50においては、上記の要因
で決定される実際の記録保持時間は多くのシステムで要
求される記録保持時間に比べて短く、典型的には数秒の
オーダにすぎない。それに対して、大容量のデータを用
いて複雑な演算を行う必要がある用途、例えば画像処理
の分野などでは、数分から数時間のオーダでの記録保持
が希望されている。
【0014】したがって、アナログメモリ回路の本格的
な実用化にあたっては、その記録保持時間の延長が解決
すべき課題となっている。
【0015】従来のアナログメモリ回路では、この課題
を設計上の改変で解決している。
【0016】例えば、記録すべきアナログ信号を電荷と
して保持するコンデンサCmの容量値を大きくすること
によって、記録保持時間を延長することができる。すな
わち、コンデンサCmの容量値が大きくなれば蓄えるこ
とができる電荷量が増加するので、逆バイアス電流IL
が流れても、アナログ記録信号の電圧レベルが所定の電
圧以下になるまでの時間を長くすることができる。
【0017】しかし、このようにコンデンサCmの容量
値を大きくすると、図29(b)に示した等価回路にお
いて、スイッチS7のオン時の抵抗(すなわち、nMO
SトランジスタのON抵抗)とコンデンサCmの容量値
とによって決定される時定数が大きくなる。この結果、
記録すべきアナログ信号によってコンデンサCmを充電
するために必要な時間が長くなる。これは、アナログメ
モリ回路50の高速動作を妨げる。
【0018】nMOSトランジスタのON抵抗は、その
ゲート幅Wを大きくすることによって減少させることが
できる。したがって、nMOSトランジスタのゲート幅
Wを大きく設計すれば、アナログ信号によるコンデンサ
Cmの充電時間を短くすることができる。しかし、その
一方で、ゲート幅Wの増加は、図29(a)に示した構
成におけるp型不純物拡散領域2とソース・ドレイン領
域に相当するn型不純物拡散領域3及び4との間の界面
の面積を増加させる。この界面を通って流れる逆バイア
ス電流ILは上記界面の面積に比例して増大するので、
結果的に、ゲート幅Wの増加はコンデンサCmからの電
荷流出量の増加を意味し、アナログメモリ回路50の記
録保持時間の減少につながる。
【0019】このように、従来のアナログメモリ回路5
0における記録保持時間を長くするためにはコンデンサ
Cmに係わる時定数を大きくすればよいが、これは同時
に、アナログ信号によるコンデンサCmの充電時間を長
くして、アナログメモリ回路50の動作速度を遅くす
る。すなわち、従来のアナログメモリ回路50では、ア
ナログ信号の充電時間と記録保持時間とはお互いにトレ
ードオフの関係にあって、記録保持時間の長期化と動作
の高速化とを両立して十分な機能を実現することが困難
である。
【0020】特開平5−20888号公報には、コンデ
ンサを用いたアナログメモリにおける電荷リークの問題
を解決することを目的とした技術が開示されている。図
30は、この公報に開示されている技術の原理を示すブ
ロック図である。
【0021】図30の構成では、コンデンサCmemに電
圧値としてアナログデータを記憶する。積分器3011
は、供給されるパルス電圧を順次積分して、アナログ積
分電圧として出力する。比較器3012は、コンデンサ
Cmemの蓄積電圧のレベルと積分器3011から供給さ
れるアナログ積分電圧のレベルとを比較する。そして、
コンデンサCmemの蓄積電圧が電荷リークによって減少
して、積分器3011から供給されるアナログ積分電圧
よりも小さくなると、比較器3012は、スイッチ30
13を動作させて積分器3011から供給されるアナロ
グ積分電圧をコンデンサCmemに印加するとともに、積
分器3011で得られるアナログ積分電圧をクリアす
る。これによって、コンデンサCmemの蓄積電圧のリフ
レッシュ動作が実行されて、コンデンサCmemからの電
荷リークによる悪影響が、ある程度まで抑制される。
【0022】しかし、上記の技術におけるコンデンサC
memのリフレッシュ動作は、コンデンサCmemからの実際
の電荷リーク量の情報を使用して行われるわけではな
い。従って、リフレッシュ動作が必ずしも十分な精度で
行われるわけではなく、長時間にわたるアナログデータ
の確実な保持が、必ずしも行えない可能性がある。
【0023】本発明は、上記課題を解決するために行わ
れたものであり、(1)アナログ信号を高速に記録でき
るとともに、長時間にわたって正確に記録を保持できる
アナログメモリ回路、ならびに(2)上記特徴を有する
アナログ信号の記録方法、を提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明のアナログメモリ
回路は、入力されたアナログ信号を電荷として記録し保
持するとともに、保持動作の期間中に発生する漏れ電荷
による該アナログ信号の劣化を再生した上で、該アナロ
グ信号を読み出す記録回路と、該記録回路の動作を制御
する選択回路と、該記録回路に所定の定電圧を供給する
駆動回路と、を備え、該記録回路は、該アナログ信号の
入力及び出力のための入出力端子と、該アナログ信号を
電荷として記録し保持する、該入出力端子に結合された
第1の電極と、第2の電極と、を有する第1のコンデン
サと、該第1のコンデンサの該第2の電極と参照電位と
の間に接続されていて、該第1のコンデンサから漏れた
電荷を保持する第2のコンデンサと、を備えていて、該
第2のコンデンサに保持された該漏れ電荷に相当する量
の電荷が、所定のタイミングで該第1のコンデンサへ戻
されるようになっており、そのことによって上記目的が
達成される。
【0025】ある実施形態では、前記駆動回路は、前記
アナログ信号の記録動作では前記第1のコンデンサの前
記第2の電極に前記参照電位を供給し、前記漏れ電荷を
前記第1のコンデンサに戻す動作では、該第1のコンデ
ンサからの該漏れ電荷の量に相当する電荷を該第1のコ
ンデンサの前記第1の電極に供給して、それによって、
該漏れ電荷を該第1のコンデンサに戻す。
【0026】ある実施形態では、前記駆動回路は、反転
入力端子と正転入力端子と出力端子とを有する演算増幅
器と、該演算増幅器の該反転入力端子と該出力端子とを
接続するスイッチと、を備えていて、該演算増幅器の該
正転入力端子は前記参照電位に接続されている。
【0027】このとき、前記選択回路は、前記第1のコ
ンデンサの前記第1の電極と前記駆動回路に含まれる前
記演算増幅器の前記出力端子とを結ぶ第1のスイッチ
と、該第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサの間
の接続点と該演算増幅器の前記反転入力端子とを接続す
る第2のスイッチと、を備え得る。
【0028】他の実施形態では、アナログメモリ回路
は、前記駆動回路に含まれる前記演算増幅器の前記反転
入力端子と前記参照電位を結ぶスイッチをさらに備えて
いる。
【0029】ある実施形態では、アナログメモリ回路
は、前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサの
間の接続点と前記参照電位とを結ぶスイッチをさらに備
えている。
【0030】他の実施形態では、アナログメモリ回路
は、第3のコンデンサをさらに備えており、該第3のコ
ンデンサの一方の電極は前記第1のコンデンサの前記第
1の電極に接続され、該第3のコンデンサの他方の電極
は前記参照電位に接続されている。このとき、前記記録
回路がMOSトランジスタから構成されるスイッチをさ
らに備え、該MOSトランジスタが、第1導電型の半導
体基板の中に形成されている第2導電型の第1の不純物
拡散領域と、該第1の不純物拡散領域の中に形成されて
いる該第1導電型の第2の不純物拡散領域と、を備えて
いて、前記第3のコンデンサは、該第1の不純物拡散領
域と該第2の不純物拡散領域との間に逆バイアス電圧を
印加することによって生じるコンデンサである。
【0031】さらに他の実施形態では、アナログメモリ
回路は、第4のコンデンサをさらに備えており、該第4
のコンデンサの一方の電極は前記駆動回路に含まれる前
記演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、該第4の
コンデンサの他方の電極は前記参照電位に接続されてい
る。
【0032】ある実施形態では、前記第1のコンデンサ
及び前記第2のコンデンサの少なくとも一方は、第1導
電型の半導体基板中に形成されている第2導電型の不純
物拡散領域と、該不純物拡散領域の上に形成された絶縁
膜及び導体層とによって形成されている。
【0033】他の実施形態では、前記第1及び第2のコ
ンデンサは、第1導電型の半導体基板中に該第1の導電
型の高濃度不純物拡散領域を挟んで配置されている第2
の導電型の2つの不純物拡散領域と、該高濃度不純物拡
散領域及び該2つの不純物拡散領域の上に形成された絶
縁層及び導体層とによって形成されている。
【0034】さらに他の実施形態では、前記第1及び第
2のコンデンサは、第1導電型の半導体基板中に形成さ
れている第2導電型の不純物拡散領域の上に並んで配置
された2つの導体領域と、該2つの導体領域の上に形成
された絶縁層及び導体層とによって形成されている。
【0035】さらに他の実施形態では、前記選択回路の
前記第2のスイッチを構成するMOSトランジスタが、
第1の導電型の半導体基板の中に形成された第2の導電
型の第1の不純物拡散領域と、該第1の不純物拡散領域
の中に形成された該第1の導電型の第2の不純物拡散領
域と、を備えており、該第2の不純物拡散領域の中に該
第2の導電型の第3の不純物拡散領域がさらに形成さ
れ、該第3の不純物拡散領域の中に該第1の導電型の第
4の不純物拡散領域がさらに形成されており、前記第1
のコンデンサは、該第4の不純物拡散領域と該第3の不
純物拡散領域との間に逆バイアス電圧を印加することに
よって生じるコンデンサであり、前記第2のコンデンサ
は、該第2の不純物拡散領域と該第1の不純物拡散領域
との間に逆バイアス電圧を印加することによって生じる
コンデンサであり、該第2の不純物拡散領域と該第3の
不純物拡散領域とはお互いに電気的に接続されている。
【0036】さらに他の実施形態では、前記記録回路が
MOSトランジスタから構成されるスイッチを備え、該
MOSトランジスタが、第1の不純物拡散領域の上に形
成された下層絶縁層と、該下層絶縁層の上に形成された
下層導体層と、該下層導体層の上に形成された上層絶縁
層と、該上層絶縁層の上に形成された上層導体層と、を
備え、前記第1のコンデンサは、該第1の不純物拡散領
域、該下層絶縁層及び該下層導体層によって形成され、
該第2のコンデンサは、該下層導体層、該上層絶縁層及
び該上層導体層によって形成され、該下層導体層は、前
記選択回路の前記第2のスイッチを構成するMOSトラ
ンジスタを構成する不純物拡散領域に接続されている。
【0037】ある実施形態では、前記駆動回路は、反転
入力端子及び出力端子を有する反転増幅器と、を備えて
いる。
【0038】他の実施形態では、前記駆動回路は、前記
漏れ電荷の発生によって生じる、前記記録回路に記録さ
れている前記アナログ信号の電圧変化量を検出して、該
検出された電圧変化量を示す出力信号を供給する検出部
と、該検出部の該出力信号を受け取って、該検出された
電圧変化量に相当する量の電荷を前記第1のコンデンサ
に供給する供給部と、を備えている。ある場合には、前
記検出部は、2つの入力端子の間の電位差を検出する差
電圧検出回路であって、該2つの入力端子の一方は、前
記記録回路に含まれる前記第1及び第2のコンデンサの
接続点に接続されていて、該2つの入力端子の他方は所
定の基準電位を与えられていて、前記供給部は、入力信
号に応じた大きさの電流を出力する電流出力回路であっ
て、該差電圧検出回路の出力信号に応じた大きさの電流
を該第1のコンデンサに供給して、それによって前記電
荷を供給する。或いは、前記検出部は、前記記録回路に
含まれる前記第1及び第2のコンデンサの間に接続され
ていて、該第1及び第2のコンデンサの間を移動した電
荷量を検出する電荷移動量検出回路である。
【0039】さらに他の実施形態では、前記駆動回路
は、前記記録回路に含まれる前記第1及び第2のコンデ
ンサの接続点と所定の参照電位との間に接続され、与え
られる入力電位と該所定の参照電位との間の電位差の大
小関係に応じてインピーダンスが変化する可変インピー
ダンス回路と、前記漏れ電荷の発生によって生じる、該
記録回路に記録されている前記アナログ信号の電圧の所
定の参照電位からの変化量を検出して、該検出された電
圧変化量に相当する大きさの電流を該第1のコンデンサ
に供給する変換部と、を備えている。ある場合には、前
記可変インピーダンス回路は、さらに前記変換部にも接
続されている。
【0040】前記参照電位は、接地電位であり得る。
【0041】ある実施形態では、前記アナログ信号が第
1及び第2の信号成分を含む差動信号であって、前記第
1のコンデンサは該差動信号の該第1の信号成分を電荷
として記録し保持し、前記記録回路が、該差動信号の該
第2の信号成分を電荷として記録し保持する第3のコン
デンサをさらに備えており、前記第2のコンデンサは該
第3のコンデンサから漏れた電荷も保持し、該第2のコ
ンデンサに保持された該漏れ電荷に相当する量の電荷
が、所定のタイミングで該第1及び第3のコンデンサへ
戻される。
【0042】他の実施形態では、前記記録回路が複数個
マトリクスに配置されていて、該マトリクスの各行に対
して前記駆動回路が一つずつ配置されて接続されてお
り、複数の前記アナログ信号を記録する。
【0043】さらに他の実施形態では、複数の蓄積回路
がさらに備えられていて、該複数の蓄積回路のそれぞれ
は前記マトリクスの各行に接続され、該複数の蓄積回路
のそれぞれは複数のコンデンサを備え、該複数のコンデ
ンサは所定の割合でお互いに異なった容量値を有してい
て、該マトリクスに配置されている前記複数の記録回路
のうちの所定のものに記録されている前記アナログ信号
を、順次、該蓄積回路の該複数のコンデンサに選択的に
電荷として充電し、該充電された電荷を該複数の記録回
路に分配し、それによって、前記複数のアナログ信号に
対して乗算及び加算演算を行う。
【0044】本発明の他の局面によれば、アナログ信号
の記録方法が提供され、該方法は、アナログ信号をアナ
ログメモリ回路に入力するステップと、該入力されたア
ナログ信号を、該アナログメモリ回路の中の記録部に電
荷として記録するステップと、該記録されたアナログ信
号を所定の時間にわたって保持するステップと、該保持
動作の期間中に発生する該記録部からの漏れ電荷を所定
の箇所に蓄え、該蓄えられた漏れ電荷に相当する量の電
荷を該記録部に戻すステップと、該アナログ信号を該ア
ナログメモリ回路から読み出すステップと、を包含して
おり、そのことによって上記目的が達成される。
【0045】ある実施形態では、アナログ信号の記録方
法が、前記記録部からの前記漏れ電荷の量を検出する工
程をさらに包含する。
【0046】他の実施形態では、前記アナログ信号が複
数のアナログ信号であり、記録されている該複数のアナ
ログ信号のうちの所定のものを、順次、所定の割合でお
互いに異なった容量値を有する複数のコンデンサに、選
択的に電荷として充電するステップと、該充電された電
荷を該複数の記録回路に分配するステップと、をさらに
包含し、それによって、該複数のアナログ信号に対して
乗算及び加算演算を行う。
【0047】以下、作用について説明する。
【0048】本発明のアナログメモリ回路の構成によれ
ば、アナログ信号を電荷として記録回路に記録した後に
ある期間にわたって保持した場合に、漏れ電荷の発生に
よって記録されているアナログ信号が劣化しても、実際
にアナログ信号を読み出す前に漏れ電荷量に相当する電
荷を記録回路に戻す動作(以下では、このような動作
を、「再生動作」或いは「再生する」などとも称する)
を行って、アナログ信号の劣化を再生する。
【0049】記録回路の入出力端子から与えられるアナ
ログ信号を本発明のアナログメモリ回路に記録するとき
には、入出力端子と記録回路の第1のコンデンサの第1
の電極とを結ぶスイッチがONするとともに、第1のコ
ンデンサのもう一方の電極は定電圧である参照電位に駆
動される。これによって、第1のコンデンサは、入出力
端子から入力されたアナログ信号を、参照電位として与
えられる定電圧を基準点として記録する。
【0050】加えて、アナログ信号の記録時には、記録
回路に含まれている第2のコンデンサの両電極に、同じ
定電圧(参照電位)を与える。これによって、第2のコ
ンデンサに蓄えられる電荷量が、それ以前に蓄えられて
いた電荷量にかかわらず所定の値に規定されることにな
る。したがって、この動作は、第2のコンデンサの蓄積
電荷に対する初期化動作ということができる。例えば、
参照電位が接地電位である場合には、この初期化動作に
よって、第2のコンデンサの蓄積電荷量は零になる。
【0051】保持動作では、第1のコンデンサの電極に
接続するスイッチ、例えば第1のコンデンサとアナログ
信号の入出力端子とを結ぶスイッチは、OFFされる。
この結果、アナログ信号が記録されている第1のコンデ
ンサは開放状態になって、理想的には、第1のコンデン
サに記録されたアナログ信号はそのまま保持される。し
かし、スイッチがOFF状態であっても、アナログ信号
を保持している時間が長くなると、保持電圧値の作用で
第1のコンデンサからスイッチを通じてある量の電荷が
漏れる。本発明のアナログメモリ回路の構成では、この
ようにして第1のコンデンサから漏れた電荷を、第2の
コンデンサに蓄積する。
【0052】記録したアナログ信号を読みだすときに
は、第2のコンデンサの電極に新たに電荷を供給するこ
となく、初期化動作のときの電荷量に戻す。これによっ
て、保持動作で発生した第1のコンデンサからの漏れ電
荷量を検知することができ、この漏れ電荷量に相当する
量の電荷を第1のコンデンサに供給し直すことが可能と
なる。この再生動作は、駆動回路が行う。
【0053】本発明のアナログメモリ回路では、このよ
うにして漏れ電荷を第1のコンデンサに再生した上で、
記録されていたアナログ信号を読み出す。したがって、
記録されていたアナログ信号は、漏れ電荷による劣化を
再生した上で、出力されることになる。
【0054】本発明のアナログメモリ回路における読み
出し動作にあたっては、第1のコンデンサに蓄えられた
アナログ信号に相当する電荷のうちで、保持動作の期間
中に漏れた電荷を供給し直している。
【0055】さらに、駆動回路の構成が、反転入力端
子、正転入力端子及び出力端子を有する演算増幅器と、
演算増幅器の反転入力端子と出力端子とを接続するスイ
ッチと、を備えていて、演算増幅器の正転入力端子が参
照電位に接続されているような場合には、アナログ信号
の記録動作に際して、演算増幅器の反転入力端子と出力
端子との間に接続されたスイッチをONすることによっ
て、第1及び第2のコンデンサの接続点を演算増幅器の
正転入力端子に与えられている参照電位による定電圧点
に駆動する。このように反転入力端子と出力端子とを接
続すると、両者の間に負帰還がかかる。この結果、演算
増幅器の高電圧利得特性に基づいて、反転入力端子の電
位は、正転入力端子に与えられている参照電位になる。
このようにして第1及び第2のコンデンサの接続点を演
算増幅器により駆動することにより、第1のコンデンサ
には、参照電位によって与えられる定電圧点(駆動電圧
点)を基準として、アナログ信号が記録される。一方、
第2のコンデンサは、その両電極に同じ参照電位(定電
圧)が与えられる。これによって、先に述べたように、
第2のコンデンサの蓄積電荷の状態が初期化される。
【0056】保持動作では、第1のコンデンサの端子A
に接続されたスイッチはOFFされ、同じく端子Bに接
続されたスイッチがOFFされる。これで、第1のコン
デンサと第2のコンデンサは入力端子及び駆動回路から
切り離されるから、新たな電荷は各コンデンサに供給さ
れなくなり、記録されたアナログ信号を保持することが
できる。
【0057】読み出し動作では、第1及び第2のコンデ
ンサの接続点が演算増幅器の反転入力端子に接続され、
第1のコンデンサの第1の電極は、演算増幅器の出力端
子に接続される。これによって、演算増幅器の出力端子
は第1のコンデンサを通じて反転入力端子に接続され、
ここに負帰還回路が形成される。この結果、負帰還がか
かった演算増幅器の反転入力端子の電位が、正転入力端
子に接続されている参照電位(定電圧)となるように、
負帰還ループの中にある第1のコンデンサが駆動され
る。この動作は、保持動作中に第1のコンデンサから漏
れ出て第2のコンデンサに蓄積された電荷を、第1のコ
ンデンサに戻すことになる。これによって、記録された
アナログ信号における漏れ電荷による劣化が再生され、
アナログ信号はその後に読み出される。
【0058】演算増幅器の反転入力端子と参照電位とを
結ぶスイッチをさらに備えれば、アナログ信号の記録時
に実行される第2のコンデンサの初期化動作において、
第1及び第2のコンデンサの接続点側の電極が、演算増
幅器からの出力電流に加えて参照電位からの電流によっ
て駆動される。これによって、第2のコンデンサの初期
化速度が向上する。
【0059】或いは、第1及び第2のコンデンサの接続
点と参照電位とを結ぶスイッチをさらに備えれば、アナ
ログ信号の記録時に実行される第2のコンデンサの初期
化動作において、第1及び第2のコンデンサの接続点側
の電極が、演算増幅器からの出力電流に加えて参照電位
からの電流によって駆動される。これによって、第2の
コンデンサの初期化速度が向上する。
【0060】記録回路に含まれる第1のコンデンサの第
1の電極と参照電位とを接続する第3のコンデンサをさ
らに備えれば、第1のコンデンサの第1の電極に存在す
る様々な寄生コンデンサの影響が緩和されて、アナログ
信号の保持動作が安定化する。なお、上記の寄生コンデ
ンサとしては、例えば、スイッチを構成するMOSトラ
ンジスタにおいて、p型不純物拡散領域とn型不純物拡
散領域とを逆バイアスすることにより発生するコンデン
サが挙げられる。
【0061】このような第3のコンデンサとして、記録
回路に含まれていて第1のコンデンサと入出力端子とを
結ぶスイッチを構成するMOSトランジスタにおいて、
ドレイン(ソース)と基板(ウェル)との間のpn接合
部に逆バイアス電圧を印加することによって発生するコ
ンデンサを利用すれば、コンデンサの形成に必要な回路
面積を削減して、記録密度を向上することができる。
【0062】駆動回路に含まれる演算増幅器の反転入力
端子と参照電位とを接続する第4のコンデンサをさらに
備えれば、演算増幅器の反転入力端子の電位が、そこに
接続された負帰還ループが構成されていない場合でも、
正転入力端子に接続されている参照電位と同じ電圧レベ
ルに保持される。このことにより、反転入力端子に接続
する負帰還ループが構成されると、反転入力端子は直ち
に参照電位によって決定される定電圧点に駆動される。
したがって、アナログ信号の記録動作及び読み出し動作
の速度が向上する。
【0063】本発明のアナログメモリ回路に含まれるコ
ンデンサの形成にあたって、アナログメモリ回路に含ま
れるスイッチを構成するMOSトランジスタの不純物拡
散領域の周辺に形成されるpn接合部を利用して、コン
デンサを形成することができる。例えば、MOSトラン
ジスタのドレイン(ソース)領域に相当する不純物拡散
領域の上に絶縁層(例えば、シリコン酸化膜)及び導体
層(例えば、ポリシリコン層)を積層して、この不純物
拡散領域と導体層との間にコンデンサを形成することが
できる。或いは、MOSトランジスタのドレイン(ソー
ス)領域に相当するある導電型の不純物拡散領域の内部
に逆の導電型の他の不純物拡散領域(すなわち、反転不
純物拡散領域)を形成して、これら領域の間のpn接合
部に逆バイアス電圧を印加して、コンデンサを生じさせ
ることもできる。また、上記の反転不純物拡散領域の内
部にさらにもう1組の不純物拡散領域の対を形成して、
それらの間のpn接合部に逆バイアス電圧を印加して他
のコンデンサを生じさせることもできる。これらの構成
によれば、コンデンサの形成に必要な回路面積が削減さ
れて、記録密度が向上する。
【0064】また、アナログ信号の入力及び出力用の端
子を2つ備え、さらにアナログ信号を電荷として蓄積す
るコンデンサも2つ備えれば、差動信号として与えられ
るアナログ信号を取り扱うことができる。このとき、2
つのコンデンサの間に他のコンデンサをさらに接続すれ
ば、2つのコンデンサから発生する漏れ電荷を蓄積し
て、読み出し動作に先立って記録されているアナログ差
動信号の劣化を再生することができる。
【0065】複数の記録回路をマトリクス状に配置し
て、マトリクスの各行に対して駆動回路を一つずつ配置
して接続した構成とすれば、記録動作、保持動作、再生
動作、及び読み出し動作をマトリクスの各行に対して時
系列で行うことができる。これにより、複数の記録回路
が一つの駆動回路で駆動される。この結果、アナログメ
モリ回路の実現に必要とされる回路面積及び消費電力が
削減される。また、この構成によれば、アナログメモリ
回路に複数のアナログ信号が記録される。
【0066】さらに、所定の割合でお互いに異なった容
量値を有する複数のコンデンサを備えた蓄積回路を複数
個設けて、それぞれが記録回路のマトリクスに接続され
た構成にすることにより、複数の記録回路に記録された
複数のアナログ信号に対して、乗算及び加算演算を行う
ことができる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の様々な実施の形態
に係るアナログメモリ回路について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0068】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態に係るアナログメモリ回路100である。
【0069】アナログメモリ回路100は、記録回路1
10、選択回路130及び駆動回路150を備えてい
る。
【0070】記録回路110は、アナログ信号の入出力
端子112と、スイッチS1と、スイッチS1の一方の
端子と参照電位、例えば接地電位との間に直列に接続さ
れているコンデンサC1及びC2を有している。
【0071】スイッチS1の一方の端子は入出力端子1
12に接続されており、他方の端子はコンデンサC1の
電極Aに接続されている。コンデンサC1の他方の電極
Bは、コンデンサC2の電極Cに接続されている。さら
に、コンデンサC2のもう一方の電極Dは、参照電位に
接続されている。ここで、参照電位は、例えば図1に示
されているように接地電位とすることができる。
【0072】コンデンサC1及びC2の接続点には、注
入端子114が接続されている。また、スイッチS1と
コンデンサC1の電極Aとの接続点には、保持端子11
6が接続されている。
【0073】選択回路130は、スイッチS2及びスイ
ッチS4を有している。
【0074】スイッチS2の一方の端子Eは、記録回路
110におけるスイッチS1とコンデンサC1の電極A
との接続点に接続されている。一方、スイッチS4の一
方の端子Fは、記録回路110におけるコンデンサC1
及びC2の接続点に接続されている。
【0075】駆動回路150は、スイッチS3及び演算
増幅器(オペアンプ)152を含んでいる。演算増幅器
152の反転入力端子は、選択回路130のスイッチS
4の端子Hに接続されており、正転入力端子は参照電位
(接地電位)に接続されている。また、反転入力端子に
は、さらに注入端子156が接続されている。一方、演
算増幅器152の出力端子は、増幅出力端子154に接
続されるとともに、選択回路130のスイッチS2の端
子Gに接続されている。さらに、演算増幅器152の出
力端子と反転入力端子の間に、スイッチS3が設けられ
ている。
【0076】以上のような構成を有するアナログメモリ
回路100の動作を、図2に示すタイミングチャートを
参照して説明する。図2は、アナログメモリ回路100
に含まれる各スイッチS1〜S4のオン・オフのタイミ
ングと書き込み、保持及び読み出しの各動作の実行タイ
ミングとを示している。
【0077】まず、アナログメモリ回路100にアナロ
グ信号を記録する書き込み動作(記録動作)を行う。
【0078】このとき、スイッチS2はOFFし、それ
以外のスイッチS1、S3及びS4はONする。これに
よって、演算増幅器152は、その出力端子と反転入力
端子とがスイッチS3によって短絡されて、仮想接地動
作状態になる。これより、演算増幅器152の反転入力
端子は、参照電位である接地電位に駆動される。そのた
め、演算増幅器152の反転入力端子にスイッチS4を
介して接続されているコンデンサC2の電極Cも、接地
電位となる。一方、コンデンサC2のもう一方の電極D
も接地されているので、コンデンサC2の両電極C及び
Dの電位が同じになり、蓄積電荷はゼロとなる。これに
よって、コンデンサC2の蓄積電荷は初期化される。
【0079】一方、コンデンサC1の電極Aには、入出
力端子112を通じてアナログ電圧Vinが与えられる。
コンデンサC1のもう一方の電極Bは、コンデンサC2
の電極Cに接続されて接地電位になっているので、コン
デンサC1には、Qw1=C1×Vinで表される電荷Qw1
が蓄積される。ただし、C1はコンデンサC1の容量値
である。
【0080】次に、記録されたアナログ信号を保持する
保持動作を行う。
【0081】このためには、スイッチS1〜S4を全て
OFFする。この結果、コンデンサC1及びC2の電極
は、接地されているコンデンサC2の電極Dを除いて開
放状態となる。したがって、理想的には、書き込み動作
でコンデンサC1に蓄積された電荷Qw1が保存される。
【0082】しかし、実際の回路におけるスイッチS1
〜S4は、典型的には、MOSトランジスタを使用した
スイッチである。MOSトランジスタでは、ドレイン
(ソース)領域と基板(ウェル)との間のpn接合部は
ダイオードを形成している。通常は、ドレイン(ソー
ス)領域から基板(ウェル)に向かう順方向の大電流が
流れないように、ドレイン(ソース)領域と基板(ウェ
ル)との間のpn接合部には逆バイアス電圧が印加され
る。この逆バイアス電圧によって、ドレイン(ソース)
領域から基板(ウェル)に向かう逆バイアス電流が流れ
る。
【0083】ダイオードの逆バイアス電圧Vと逆バイア
ス電流Iとの間には、次式で示される関係が成立する。
【0084】 I=Ao・Io[exp(qV/mkT)−1] ここで、m=1〜2の値をとる定数、qは電子の電荷量
であってq=1.6×10-19クーロン、kはボルツマ
ン定数であってk=1.38×10-23J/K、Tは絶
対温度である。また、Aoはダイオードにおけるドレイ
ン(ソース)領域と基板(ウェル)との接合面積であ
り、Ioはp型不純物拡散領域の不純物濃度とn型不純
物拡散領域の不純物濃度とによって決まる値である。
【0085】上式より、逆バイアス電流Iは、逆バイア
ス電圧Vが大きいほど大きくなり、また接合面積Aoが
大きいほど大きくなる。
【0086】アナログ信号によるコンデンサC1の充電
速度を高速化するためには、スイッチS1のON抵抗
(スイッチがONしたときにドレインとソースとの間に
発生する抵抗値)を小さく設計して、スイッチS1のO
N抵抗とコンデンサC1の容量値とによって決定される
時定数を小さくすればよい。しかし、そのようにスイッ
チS1のON抵抗を小さくするためには、スイッチS1
のドレイン(ソース)面積を大きくする必要がある。
【0087】図3は、図1に示すアナログメモリ回路1
00においてスイッチS1〜S4として使用され得るM
OSトランジスタ30の典型的な構成を示す断面図、な
らびにそのソース・ドレイン領域3及び4の上面図であ
る。図3のMOSトランジスタ30では、長さ(チャネ
ル長或いはゲート長)がLであるチャネル領域5を介し
て、ソース・ドレイン領域となるn型不純物拡散領域3
及び4が対向している。この構成は、基本的に図29
(a)を参照して説明した従来のアナログメモリ回路5
0に含まれるスイッチS7と同じであり、対応する構成
要素には同じ参照番号を付けているので、その説明を省
略する。なお、MOSトランジスタ30において、ドレ
イン領域となるn型不純物拡散領域4には、出力端子1
8が接続されている。
【0088】ドレイン(ソース)面積を拡大するために
は、図3に示されているゲート幅Wを広げればよいが、
これにともなって、ドレイン領域4とウェル5とから構
成されるダイオードのpn接合面積が増大する。さら
に、保持されるアナログ電圧Vinによって発生する逆方
向電圧の値も、増大する。したがって、これらの原因に
よって、スイッチS1では大きな逆方向電流が流れるよ
うになり、その結果として、コンデンサC1に充電され
た電荷Qw1の漏れ量が大きくなる。コンデンサC1に充
電された電荷は書き込まれたアナログ信号に対応するの
で、上記のような電荷の漏れによって、記録されている
アナログ信号に誤差が発生することになる。
【0089】図1に示すアナログメモリ回路100の構
成では、コンデンサC1の電極AからスイッチS1を介
して電荷qLが漏れると、同時に、電極Bから漏れ電荷
Lと同じ量で反対符号の電荷−qLが漏れ出して、コン
デンサC2に蓄えられる。この様子を、図4(a)及び
(b)に模式的に示す。
【0090】図4(a)は、コンデンサC1への電荷Q
w1(アナログ信号Vin)の書き込み直後の電荷の存在状
態を示しており、コンデンサC1のそれぞれの電極A及
びBには、絶対値が等しくて符号が異なる電荷Qw1及び
−Qw1がそれぞれ蓄えられている。これに対して図4
(b)は、図4(a)の状態からある時間が経過して、
コンデンサC1から電荷qLが漏出した状態での電荷の
存在状態を示している。このとき、電荷qLの漏出によ
り、コンデンサC1の各電極A及びBに蓄えられている
電荷量は、それぞれ+(Qw1−qL)及び−(Qw1−
L)になる。さらに、漏れ電荷量qLに相当する量で反
対符号の電荷−qLが、コンデンサC2に蓄えられてい
る。
【0091】コンデンサC2に蓄えられた電荷も、スイ
ッチS4を構成するMOSトランジスタに形成されるダ
イオードの逆方向電流によって漏れるが、そのようなコ
ンデンサC2からの漏れ電荷量は、無視できるほど十分
に小さい。これは、スイッチS4の逆方向電流が小さ
く、さらに逆方向電圧がほとんど発生しないためであ
る。すなわち、コンデンサC2の電極Cは実質的に接地
電位にあるため、演算増幅器152によってその電位を
大幅に駆動する必要がない。その結果、スイッチS4の
ゲート幅を最小に設定することができて逆方向電流が小
さくなり、さらに逆方向電圧もほとんどなくなる。
【0092】次に、図2に示されるように、読み出し状
態では、スイッチS1、S2及びS4がONし、スイッ
チS3はOFF状態となる。これによって、コンデンサ
C2の電極Cが演算増幅器152の反転入力端子に接続
される一方で、コンデンサC1の電極Aは演算増幅器1
52の出力端子に接続され、これによって負帰還ループ
が形成される。この負帰還ループにより、演算増幅器1
52の反転入力端子では仮想接地条件が成立して、その
電位は、正転入力端子が接続されている参照電位(接地
電位)になる。これによって、コンデンサC1の電極A
には、漏れ電荷qLが供給される。この結果、コンデン
サC1が漏れ電荷のない状態に再生されるとともに、コ
ンデンサC2は初期化直後の状態にもどる。これによ
り、書き込み時と同じ電圧レベルを有するアナログ信号
が出力される。
【0093】上記の読み出し動作では、一旦コンデンサ
C1から漏れた電荷が再生されるので、上記動作によっ
て、記録したアナログ信号をリフレッシュすることもで
きる。すなわち、書き込まれたデータを長期間にわたっ
て読み出さずに保持する場合には、保持動作の途中で一
度読み出し動作を行うことによって、漏れた電荷を再生
して、記録したアナログ信号をリフレッシュすることが
可能となる。このような再生動作を繰り返せば、アナロ
グ信号を長時間にわたって保持することが可能となる。
【0094】上述したように、本発明のアナログメモリ
回路100では、その読み出し動作において各スイッチ
S1〜S4を図2のタイミングチャートに示すような状
態にそれぞれ設定することによって、漏れた電荷を再生
して、記録したアナログ信号をリフレッシュすることが
可能である。或いは、図5に示すように、スイッチS1
及びS3をOFFとし、スイッチS2及びS4をONと
して、再生(リフレッシュ)動作を行うこともできる。
この場合には、スイッチS1はOFFであるので、入出
力端子112に現われた電圧に関係なく、漏れた電荷を
再生(リフレッシュ)することが可能である。
【0095】保持動作を行った後に読み出し動作或いは
書き込み動作を行うというのがメモリ回路の一般的な使
用方法であるので、図2のタイミングチャートでは、読
み出し動作のあとで保持動作を行って、その後に次の書
き込み動作を実行している。しかし、このような読み出
し動作後の保持動作は、必ずしも必要ではない。読み出
し動作の直後に書き込み動作を行っても、アナログ信号
の記録にあたって上述したものと同様の効果を得ること
ができる。
【0096】なお、上記の説明では参照電位を接地電位
としているが、これに限られるものではない。参照電位
は、任意の定電圧レベルとすることができる。例えば、
コンデンサC2の電極Dを第1の定電圧レベルとし、演
算増幅器152の正転入力端子を第2の定電圧レベルと
してもよい。
【0097】(第2の実施の形態)図6は、本発明の第
2の実施形態に係るアナログメモリ回路200の構成図
である。
【0098】アナログメモリ回路200は、図1のアナ
ログメモリ回路100において演算増幅器152の反転
入力端子(図1参照)に接続されている注入端子156
に、さらにスイッチS5が接続された構成を有してい
る。スイッチS5の他方の電極は、参照電位、この場合
は接地電位に接続している。
【0099】本実施形態のアナログメモリ回路200の
動作を、図7を参照して説明する。図7は、アナログメ
モリ回路200に含まれる各スイッチS1〜S5のオン
・オフのタイミングと書き込み、保持及び読み出しの各
動作の実行タイミングとを示すタイミングチャートであ
る。
【0100】まず、アナログメモリ回路200にアナロ
グ信号を記録する書き込み動作(記録動作)を行う。
【0101】このとき、第1の実施形態と同様に、スイ
ッチS2はOFFし、スイッチS1、S3及びS4はO
Nする。さらに、スイッチS5もONする。これによっ
て、演算増幅器152の反転入力端子は、演算増幅器1
52の出力端子からスイッチS3を介して流れる電流だ
けではなく、スイッチS5を介して接続される参照電位
(接地電位)からの電流も加わって駆動される。この結
果、演算増幅器152の反転入力端子にスイッチS4を
介して接続されて上記の電流で駆動されるコンデンサC
2の電極Cは、高速に初期化される。
【0102】書き込み動作の終了時に、スイッチS5
は、スイッチS4がOFFするよりも先にOFFする。
これによって、コンデンサC2の初期化時に、演算増幅
器152の反転入力端子及び正転入力端子のオフセット
電圧がコンデンサC2に記録される。
【0103】次に、記録されたアナログ信号を保持する
保持動作を行う。このためには、スイッチS1、S3及
びS4を全てOFFするとともに、スイッチS2及びS
5はOFF状態に維持される。
【0104】次に、読み出し動作では、スイッチS1、
S2及びS4がONし、スイッチS3とS5とはOFF
状態に維持される。
【0105】なお、保持動作に続いて読み出し動作が実
行される場合には、保持動作の終了近くのタイミング
で、スイッチS5を一旦ONしてもよい。これによっ
て、演算増幅器152の反転入力端子を接地電位とし
て、次の読み出し動作において、演算増幅器152をそ
の反転入力端子が仮想接地された状態で高速に駆動する
ことができる。ただし、この場合に、スイッチS5は次
の読み出し動作に移る直前には再びOFFされる。
【0106】図8は、本発明の第2の実施形態に係る他
のアナログメモリ回路300の構成図である。
【0107】アナログメモリ回路300は、図1のアナ
ログメモリ回路100において演算増幅器152の反転
入力端子(図1参照)にスイッチS4を介して接続され
ている注入端子114に、さらにスイッチS6が接続さ
れた構成を有している。スイッチS6の他方の端子は、
参照電位、この場合には接地電位に接続している。
【0108】スイッチS6は、先に説明したアナログメ
モリ回路200におけるスイッチS5と同様の機能を果
たす。図9は、アナログメモリ回路300に含まれる各
スイッチS1〜S4及びS6のオン・オフのタイミング
と、書き込み、保持及び読み出しの各動作の実行タイミ
ングとを示すタイミングチャートである。これは、アナ
ログメモリ回路200に関する図7のタイミングチャー
トにおいて、スイッチS5をスイッチS6と書き換えた
ものに相当する。従って、図9の内容は、実質的に図7
の内容と同様であり、その詳細な説明はここでは省略す
る。
【0109】なお、上記の説明では参照電位を接地電位
としているが、これに限られるものではない。参照電位
は、任意の定電圧レベルとすることができる。例えば、
演算増幅器152の正転入力端子の電位と同じ電位、或
いはその近傍の電位としてもよい。
【0110】(第3の実施の形態)図10は、本発明の
第3の実施形態に係るアナログメモリ回路400の構成
図である。
【0111】アナログメモリ回路400は、図1のアナ
ログメモリ100においてコンデンサC1の電極Aに接
続されている保持端子116に、さらにコンデンサC3
が接続された構成を有している。コンデンサC3の他方
の電極は、参照電位、この場合は接地電位に接続してい
る。
【0112】本実施例のアナログメモリ回路400にお
いて、各スイッチS1〜S4の動作は、第1の実施形態
の場合と基本的に同様である。そこで、第1の実施形態
でも参照した図2を再び参照して、アナログメモリ回路
400の動作を説明する。
【0113】まず、アナログメモリ回路400にアナロ
グ信号を記録する書き込み動作(記録動作)を行う。
【0114】このとき、スイッチS2はOFFし、それ
以外のスイッチS1、S3及びS4はONする。これに
よって、演算増幅器152は、その出力端子と反転入力
端子とがスイッチS3によって短絡されて、仮想接地動
作状態になる。これより、演算増幅器152の反転入力
端子は、参照電位である接地電位に駆動される。そのた
め、演算増幅器152の反転入力端子にスイッチS4を
介して接続されているコンデンサC2の電極Cも、接地
電位となる。一方、コンデンサC2のもう一方の電極D
も接地されているので、コンデンサC2の両電極C及び
Dの電位が同じになり、蓄積電荷はゼロとなる。
【0115】一方、コンデンサC1の電極Aには、入出
力端子112を通じてアナログ電圧Vinが与えられる。
コンデンサC1のもう一方の電極Bは、コンデンサC2
の電極Cに接続されて接地電位になっているので、コン
デンサC1には、Qw1=C1×Vinで表される電荷Qw1
が蓄積される。ただし、C1はコンデンサC1の容量値
である。さらに、コンデンサC3の容量値をC3とすれ
ば、同様にQw3=C3×Vinで表される電荷Qw3がコン
デンサC3に蓄積される。
【0116】次に、記録されたアナログ信号を保持する
保持動作を行う。
【0117】このためには、スイッチS1〜S4を全て
OFFする。この結果、コンデンサC1〜C3の電極
は、接地されているものを除いて開放状態となる。した
がって、書き込み動作の終了時点では、理想的には、コ
ンデンサC1に蓄積されている電荷Qw1及びコンデンサ
C3に蓄積されている電荷Qw3が保存される。
【0118】図11(a)は、コンデンサC1及びC3
にアナログ記録信号Vinに相当する量の電荷Qw1及びQ
w3を書き込んだ直後の、電荷の理想的な存在状態を模式
的に示す図である。コンデンサC1及びC3のそれぞれ
の電極には、絶対値が等しくて符号が異なる電荷Qw1及
び−Qw1ならびにQw3及び−Qw3が、それぞれ蓄えられ
る。一方、コンデンサC2には、電荷は蓄えられていな
い。
【0119】しかし、実際には、このような蓄積電荷に
対して電荷の漏れが発生して、理想状態に比べて電荷の
再配分が行われる。この状態を図11(b)に示す。具
体的には、例えばコンデンサC3に電荷−qが配分され
るとすると、コンデンサC1は電荷qが配分され、さら
にコンデンサC2には電荷qが配分される。
【0120】このようにコンデンサC2及びC3には、
書き込み動作の直後において、電荷の漏れに起因する付
加的な電荷qが蓄えられるが、この電荷qは、スイッチ
S1がONすることに伴って発生する望ましくない電荷
である。メモリへの書き込み速度を向上させるためには
スイッチS1を大きくすればよいが、それにともなっ
て、発生する電荷qも大きくなる。コンデンサC3がな
い構成では、発生した電荷qはコンデンサC1のみに蓄
えられなければならず、アナログメモリの動作の不安定
化の原因になる。
【0121】しかし、コンデンサC3を設けることによ
って、各コンデンサ間で電荷qが分配される。このと
き、各コンデンサC1〜C3の容量値が寄生コンデンサ
に比べて大きくなるように設計することにより、寄生コ
ンデンサによる不確かな電荷配分が抑制される。これに
よって、書き込み速度を向上させるためにスイッチS1
を大きくしても、発生する電荷qによってアナログメモ
リの動作が不安定化することが抑制される。結果とし
て、アナログメモリの設計の自由度が大きくなる。
【0122】図11(c)は、図11(b)の状態から
ある時間が経過して、コンデンサC1から電荷qL1が漏
出し、コンデンサC3から電荷qL3が漏出した状態での
電荷の存在状態を示している。電荷の漏出によって、コ
ンデンサC1の各電極に蓄えられる電荷量は、それぞれ
+Qw1+q−qL1及び−Qw1−q+qL1になる。さら
に、漏れ電荷量qL1に相当する電荷が、コンデンサC2
に追加して蓄えられる。同様に、コンデンサC3からは
電荷qL3が漏出する。これによって、コンデンサC3の
各電極に蓄えられる電荷量は、それぞれ+Qw3−q−q
L3及び−Qw3+q+qL3になる。
【0123】次に、読み出し状態では、スイッチS1、
S2及びS4がONし、スイッチS3はOFF状態とな
る。これによって、コンデンサC2の電極Cが演算増幅
器152の反転入力端子に接続される一方で、コンデン
サC1の電極Aは演算増幅器152の出力端子に接続さ
れ、負帰還ループが形成される。この負帰還ループによ
り、演算増幅器152の反転入力端子では仮想接地条件
が成立して、その電位は、正転入力端子が接続されてい
る参照電位(接地電位)になる。これによって、コンデ
ンサC1の電極Aには漏れ電荷qL1に相当する量の電荷
が供給される。この結果、コンデンサC1が漏れ電荷の
ない状態に再生されるとともに、コンデンサC2は初期
化直後の状態にもどる。さらに、この回路状態では、コ
ンデンサC3とコンデンサC1の端子Aとの接続点は、
保持端子116を介して参照電位(接地電位)と同電位
になり、結果としてコンデンサC3の漏れ電荷qL3も再
生される。
【0124】これによって、アナログメモリ回路400
からは、書き込み時と同じ電圧レベルを有するアナログ
信号が出力される。
【0125】上記の読み出し動作では、一旦コンデンサ
C1から漏れた電荷が再生されるので、上記動作によっ
て、記録したアナログ信号をリフレッシュすることもで
きる。すなわち、書き込まれたデータを長期間にわたっ
て読み出さずに保持する場合には、保持動作の途中で一
度読み出し動作を行うことによって漏れた電荷を再生し
て、記録したアナログ信号をリフレッシュすることが可
能となる。このような再生動作を繰り返せば、アナログ
信号を長時間にわたって保持することが可能となる。
【0126】第1の実施形態に関連して説明したよう
に、保持動作を行った後に読み出し動作或いは書き込み
動作を行うというのがメモリ回路の一般的な使用方法で
あるので、図2のタイミングチャートでは、読み出し動
作のあとで保持動作を行って、その後に次の書き込み動
作を実行している。しかし、このような読み出し動作後
の保持動作は、必ずしも必要ではない。読み出し動作の
直後に書き込み動作を行っても、アナログ信号の記録に
あたって上述したものと同様の効果を得ることができ
る。
【0127】なお、上記の説明では参照電位を接地電位
としているが、これに限られるものではない。参照電位
は任意の定電圧レベルとすることができる。例えば、コ
ンデンサC2の電極Dの電位と同じ電位、或いは、演算
増幅器152の正転入力端子の電位と同じ電位としても
よい。
【0128】(第4の実施の形態)図12は、本発明の
第4の実施形態に係るアナログメモリ回路500の構成
図である。
【0129】アナログメモリ回路500は、図1のアナ
ログメモリ回路100において演算増幅器152の反転
入力端子に接続されている注入端子156に、さらにコ
ンデンサC4が接続された構成を有している。コンデン
サC4の他方の電極は、参照電位が供給されるように接
続される。図12に示す例では、参照電位として接地電
位に接続されている。
【0130】次に、本実施形態におけるアナログメモリ
回路500の動作を、以下に説明する。
【0131】まず、書き込み動作では、第1の実施形態
のアナログメモリ回路100におけるものと基本的に同
様の書き込み動作が行われる。第1の実施形態の場合と
の相違点は、駆動回路に含まれる演算増幅器152の反
転入力端子の電位に相当する量の電荷を、注入端子15
6を介してコンデンサC4に蓄積することである。
【0132】反転入力端子は、コンデンサC2を初期化
するために、正転入力端子が接続されている参照電位と
同じ電位、図12の場合では接地電位に駆動されてい
る。したがって、正転入力端子が接続されている参照電
位と同じ電位(接地電位)が、注入端子156を介して
接続されているコンデンサC4によって長時間保持され
る。
【0133】演算増幅器152の反転入力端子がオープ
ン状態になると、その電位がフロート状態になって変動
しやすい。しかし、コンデンサC4を接続することによ
って、反転入力端子の電位を安定して(例えば接地電位
に)保持することができる。この結果、反転入力端子の
電位は、保持動作の期間中においても長時間保持され
る。
【0134】次に、読み出し動作においても、第1の実
施形態のアナログメモリ回路100と基本的に同様の動
作が行われる。しかし、本実施形態では、第1の実施形
態の場合に比べて、スイッチS3及びS4を通って漏れ
出した電荷によって生じる反転入力端子の電圧降下が小
さい。これは、漏れた電荷が、反転入力端子のゲートキ
ャパシタだけではなく、コンデンサC4に蓄積された電
荷からも供給されるからである。この結果、保持期間中
における反転入力端子の電位を安定して接地電位に近い
値にすることができる。その電位変化は小幅の電圧降下
のみとなり、読み出し動作に先駆けて反転入力端子を正
転入力端子に与えられている接地電位に再充電する際
に、高速で充電動作を行うことができる。反転入力端子
の電位が正転入力端子と同じ接地電位であれば、演算増
幅器の駆動能力が最も高くなる。
【0135】読み出し動作の前に行う演算増幅器152
の反転入力端子の再充電は、スイッチS3がONで、ス
イッチS4がOFFされた状態で行われる。スイッチS
1及びS2は、ON或いはOFFのいずれの状態にあっ
てもよい。このような読み出し動作前の演算増幅器15
2の反転入力端子の再充電によって、演算増幅器152
の反転入力端子のゲートキャパシタに蓄積された電荷の
うちで保持期間中に漏れた電荷が再生されて、読み出し
誤差をなくすことができる。
【0136】なお、上記の説明では参照電位を接地電位
としているが、これに限られるものではない。参照電位
は任意の定電圧レベルとすることができる。例えば、コ
ンデンサC2の電極Dの電位と同じ電位、或いは、演算
増幅器152の正転入力端子の電位と同じ電位としても
よい。
【0137】(第5の実施の形態)図18(a)は、本
発明の第5の実施形態に係るアナログメモリ回路110
0である。
【0138】アナログメモリ回路1100は、記録回路
1110、選択回路1130及び駆動回路1150を備
えている。
【0139】記録回路1110には、アナログ信号を入
出力するための2つの入出力端子1112及び1113
が含まれており、それぞれスイッチS11及びS12に
接続されている。スイッチS11のもう一方の端子はコ
ンデンサC5の電極Aに接続され、スイッチS12のも
う一方の端子はコンデンサC7の電極Fに接続されてい
る。コンデンサC5の他方の電極Bは、コンデンサC6
の電極Cに接続されている。さらに、コンデンサC6の
もう一方の電極Dは、コンデンサC7の電極Eに接続さ
れている。
【0140】コンデンサC5及びC6の接続点には、注
入端子1114が接続されている。同様に、コンデンサ
C6及びC7の接続点には、注入端子1115が接続さ
れている。また、スイッチS11とコンデンサC5の電
極Aとの接続点には、保持端子1116が接続されてい
る。同様に、スイッチS12とコンデンサC7の電極F
との接続点には、保持端子1117が接続されている。
【0141】選択回路1130は、4つのスイッチS2
1、S41、S42、及びS22を有している。
【0142】スイッチS21の一方の端子は、記録回路
1110におけるスイッチS11とコンデンサC5の電
極Aとの接続点に接続されている。同様に、スイッチS
22の一方の端子は、記録回路1110におけるスイッ
チS12とコンデンサC7の電極Fとの接続点に接続さ
れている。一方、スイッチS41の一方の端子は、記録
回路1110におけるコンデンサC5及びC6の接続点
に接続され、スイッチS42の一方の端子は、記録回路
1110におけるコンデンサC6及びC7の接続点に接
続されている。
【0143】駆動回路1150は、スイッチS31及び
S32と演算増幅器(オペアンプ)1152とを含んで
いる。
【0144】本実施形態における演算増幅器1152
は、差動信号を取り扱えるように正転及び反転入力端子
ならびに正転及び反転出力端子を有している。このうち
の反転入力端子は、選択回路1130のスイッチS41
の端子に接続されるとともに、さらに注入端子1118
に接続されている。一方、正転入力端子は、選択回路1
130のスイッチS42の端子に接続されるとともに、
注入端子1119に接続されている。一方、正転出力端
子は、スイッチS31を介して反転入力端子に接続され
るとともに、スイッチS21及びS11を介して記録回
路1110の入出力端子1112に接続されている。ま
た、反転出力端子は、スイッチS32を介して正転入力
端子に接続されるとともに、スイッチS22及びS12
を介して記録回路1110の入出力端子1113に接続
されている。
【0145】このような構成を有する本実施形態のアナ
ログメモリ回路1100の動作は、基本的には、第1の
実施形態におけるアナログメモリ回路100の動作に類
似している。具体的には、本実施形態のアナログメモリ
回路1100のスイッチS11及びS12がペアになっ
て、第1の実施形態のアナログメモリ回路100のスイ
ッチS1と同じ動作を行う。同様に、アナログメモリ回
路1100のスイッチS21及びS22、スイッチS3
1及びS32、ならびにスイッチS41及びS42がそ
れぞれペアになって、アナログメモリ回路100のスイ
ッチS2、スイッチS3及びスイッチS4と同じ動作を
行う。
【0146】相違点は、本実施形態のアナログメモリ回
路1100が差動形式で動作して、差動信号が記録され
る点である。具体的には、記録回路1110に対して、
入出力端子1112及び1113から、お互いに対にな
ったアナログ差動信号が入力される。入出力端子111
2から記録回路1110に入力されたアナログ信号は、
コンデンサC5に記録されて保持される。一方、入出力
端子1113から記録回路1110に入力されたアナロ
グ信号は、コンデンサC7に記録されて保持される。
【0147】保持動作の期間中にコンデンサC5及びC
7からある程度の電荷が漏れるが、それらはコンデンサ
C6に蓄積される。そして、アナログ記録信号の読み出
し時には、差動信号を取り扱える演算増幅器1152を
備えた駆動回路1150の動作によって、漏れ電荷がコ
ンデンサC5及びC7にそれぞれ再生されて、記録時と
同じ電圧レベルを有するアナログ信号が、コンデンサC
5及びC7から読み出される。
【0148】このように、本実施形態のアナログメモリ
回路1100のような回路構成にすることによって、差
動信号を扱うシステムにおいても本発明のアナログメモ
リ回路を適用することができる。
【0149】ここで、上述のように本実施形態のアナロ
グメモリ回路1100においては、コンデンサC5及び
C7からの漏れ電荷は同じコンデンサC6に蓄えられ
る。この点について、以下にさらに説明する。
【0150】保持期間において、スイッチS11及びS
12はいずれもOFF状態である。このとき、コンデン
サC5の電極Aから、スイッチS11を通じてある量の
電荷(正の電荷)が漏れると、コンデンサC7の電極F
には、上記漏出した正の電荷量に対応する量の負の電荷
が供給される。したがって、上記のような電荷の漏出に
ともなってコンデンサC5の電極Aから流れ出る電流量
とコンデンサC7の電極Fに流入する電流量とは、お互
いに等しくなる。これは、コンデンサC5〜C7が直列
に接続されており、キルヒホフの電流則に従えば、この
ように直列接続されている回路の出力端子から流出する
電流は、入力端子に流入する電流に等しくなるからであ
る。
【0151】したがって、アナログ差動信号を構成する
一方の信号を保持しているコンデンサC5の電極Aにお
いて生じる電圧降下の大きさは、コンデンサC5と対に
なってアナログ差動信号を構成するもう一方の信号を保
持しているコンデンサC7の電極Fにおける電圧上昇の
大きさと等しくなる。この結果、コンデンサC5及びC
7に記録されているアナログ差動信号を全体としてみれ
ば、2つのコンデンサC5及びC7に対してコンデンサ
C6を共通に設けることによって、漏れ電荷の発生にと
もなうコンデンサC5及びC7での電圧変動(降下及び
上昇の大きさ)を等しくすることができる。この結果、
保持期間を通じて、記録されているアナログ差動信号の
差動性を維持することが可能になり、耐ノイズ性が向上
する。
【0152】上述した図18(a)の回路構成における
コンデンサC5、C6及びC7の電荷の変化を、図18
(b)及び(c)を参照してさらに説明する。図18
(b)は、書き込み、読み出し、及び再生の各動作にお
ける電荷の存在状態を示し、図18(c)は、保持動作
における電荷の存在状態を示す。
【0153】まず、書き込み動作において、端子Aに
は、所定の正の書き込み電圧+V1が与えられ、端子F
には負の電圧−V1が与えられる。端子B及びCの電位
は、演算増幅器1152の仮想接地動作による負帰還動
作によって、端子D及びEの電位に等しくなる。その結
果、コンデンサC6の両端子C及びDの電位は、ともに
零になる。コンデンサC5の端子A及びBには、それぞ
れ+Qw1及び−Qw1の電荷が蓄えられる。また、コンデ
ンサC7の端子E及びFには、それぞれ+Qw1及び−Q
w1の電荷が蓄えられる。
【0154】書き込み動作から保持動作に移ると(図1
8(c)参照)、端子A及びFから電荷が流出する。端
子Aから電荷+qLが漏れると、端子B及びCに電荷が
保存されて、それぞれ−Qw1+qL及び−qLの電荷が蓄
えられる。端子Cへの負の電荷の蓄積によって、端子D
の電荷には同じ電荷量で符号が反転した電荷+qLが蓄
えられる。さらに、端子E及びFには電荷が保存され
て、それぞれ+Qw1−qL及び−Qw1+qLの電荷が蓄え
られる。以上のように、保持動作期間中の電荷漏れによ
って、電荷が移動する。
【0155】このとき、電荷の保存則により、端子Aか
らの電荷−qLの流出に対応して、端子Fからは同じ電
荷量で符号が反転した電荷+qLが漏れ出す。すなわ
ち、端子A及びFからの漏れ電荷量は、お互いに等し
い。
【0156】読み出し及び再生動作では、図18(b)
に示されているように、端子C及びDの電位は、演算増
幅器1152の仮想接地動作による負帰還動作によって
お互いに等しくなり、両者の間の電位差が零になる。こ
れより、コンデンサC5及びC7には、保持動作に際し
て流出した電荷が再生される。
【0157】(第6の実施の形態)図19は、本発明の
第6の実施形態に係るアナログメモリ回路1200であ
る。
【0158】アナログメモリ回路1200は、記録回路
1210、選択回路1230及び駆動回路1250を備
えている。
【0159】アナログメモリ回路1200の構成は、基
本的には第1の実施形態のアナログメモリ回路100と
同じである。相違点は、駆動回路1250において、第
1の実施形態のアナログメモリ回路100における演算
増幅器152に相当する箇所に、本実施形態のアナログ
メモリ回路1200では反転増幅器1252が含まれる
点である。また、記録回路1210で、コンデンサC1
の電極Aに接続する保持端子は設けられていない。
【0160】アナログメモリ回路1200の動作は、先
に図2を参照して説明したアナログメモリ回路100の
動作と基本的に類似している。例えば、各スイッチS1
〜S4は、図2で示したタイミングに従って同じ動作を
行う。以下に、アナログメモリ回路1200の動作を説
明する。
【0161】まず、アナログメモリ回路1200にアナ
ログ信号を記録する書き込み動作(記録動作)を行う。
【0162】このとき、スイッチS2はOFFし、それ
以外のスイッチS1、S3及びS4はONする。この結
果、反転増幅器1252は、その出力端子と反転入力端
子とがスイッチS3によって短絡されて、ある所定のレ
ベルの電圧(以下、「基準電位」と呼ぶ)を発生する。
この基準電位は、スイッチS3及びS4を介してコンデ
ンサC2の電極Cに与えられる。この結果、コンデンサ
C2は、このようにして発生して電極Cに与えられる基
準電位と、もう一方の電極Dに与えられる第1の参照電
位(例えば、図19の構成では接地電位)との間の差に
相当するレベルの電圧に充電される。
【0163】コンデンサC1の電極Aには、入出力端子
112を通じてアナログ入力電圧が与えられる。一方、
コンデンサC1のもう一方の電極Bは、コンデンサC2
の電極Cに接続されて基準電位が与えられている。した
がって、コンデンサC1は、両電極A及びBに与えられ
ている電位差に相当する電圧レベルに充電される。
【0164】保持動作では、スイッチS1〜S4はすべ
てOFF状態となり、コンデンサC1及びC2に充電さ
れた電荷はそれぞれ保持される。
【0165】次に、読み出し及び再生動作では、スイッ
チS3はOFFし、それ以外のスイッチS1、S2及び
S4はONする。これによって、コンデンサC2の電極
Cが反転増幅器1252の反転入力端子に接続される一
方で、コンデンサC1の電極Aは反転増幅器1252の
出力端子に接続され、負帰還ループが形成される。
【0166】保持動作の期間中に、スイッチS1で逆バ
イアスされたpn接合を通じてコンデンサC1から漏れ
た電荷量に相当する量の電荷が、コンデンサC2に蓄え
られる。そして、読み出し動作及び再生動作では、反転
増幅器1252の利得のために、コンデンサC2の電極
Cは基準電位に駆動される。その結果、反転増幅器12
52の出力電圧は、書き込み動作のときに記録されたア
ナログ記録信号の電圧レベルに等しくなる。すなわち、
電荷のもれによるアナログ記録信号の電圧レベルの減少
分が再生されて、書き込み動作で記録された通りのアナ
ログ信号を読み出すことができる。
【0167】(第7の実施の形態)次に、図20(a)
及び(b)を参照して、本発明の第7の実施形態におけ
るアナログメモリ回路1300を説明する。図20
(a)は、アナログメモリ回路1300の構成を示す回
路図であり、図20(b)は、その動作を示すタイミン
グチャートである。
【0168】アナログメモリ回路1300は、スイッチ
S1、S2及びS8と、スイッチS1の一方の端子と第
1の参照電位Vref1との間に直列に接続されたコンデン
サC1及びコンデンサC2を有し、さらに差電圧検出回
路1348及び電流出力回路1349が設けられてい
る。
【0169】スイッチS1の一方の端子は、アナログ信
号の入出力端子1312に接続されており、他方の端子
はコンデンサC1の電極Aに接続されている。コンデン
サC1の電極Aは同時に、スイッチS8を介して第3の
参照電位Vref3に接続されるとともに、スイッチS2を
介して電流出力回路1349に接続されている。コンデ
ンサC1の他方の電極Bは、コンデンサC2の電極Cに
接続される。コンデンサC2のもう一方の電極Dは、第
1の参照電位Vref1に接続されている。
【0170】コンデンサC1及びC2の接続点は、差電
圧検出回路1348の一方の入力端子aに接続されてい
る。差電圧検出回路1348のもう一方の入力端子b
は、第2の参照電位Vref2に接続されている。また、差
電圧検出回路1348の出力端子は、電流出力回路13
49に接続されている。
【0171】差電圧検出回路1348は、2つの入力端
子a及びbに現れた電圧の差を検出して、その電圧差に
従った信号を出力する。ここで、入力端子aは可変の入
力インピーダンスを有し、そこに与えられるコンデンサ
C2の電極Cの電位が他方の入力端子bに与えられる第
2の参照電位Vref2よりも高い場合には、低入力インピ
ーダンスとなる。これによって、入力端子aに、接続さ
れているコンデンサC1の電極B及びコンデンサC2の
電極Cから電流が流入できるようになる。一方、入力端
子aに与えられる電圧が他方の入力端子bに与えられる
第2の参照電位Vref2よりも低い場合には、入力端子a
は高入力インピーダンスとなり、そこへの電流の流入が
妨げられる。
【0172】電流出力回路1349は、差電圧検出回路
1348からの出力信号が入力されて、この信号に従っ
た電流が出力される。この出力電流は、差電圧検出回路
1348の2つの入力端子a及びbの間に電圧差が存在
しなくなるまで出力され続ける。
【0173】上記のような構成を有する本実施形態のア
ナログメモリ回路1300の動作を、図20(b)を参
照して説明する。
【0174】書き込み動作が開始された時点では、スイ
ッチS1がOFFであり、スイッチS2及びS8はON
である。このとき、コンデンサC1の電極Aはスイッチ
S8を介して第3の参照電位Vref3に充電され、もう一
方の電極Bは第2の参照電位Vref2に充電される。次
に、書き込み動作の後半において、スイッチS1がON
するとともにスイッチS2及びS8がOFFする。これ
によって、入出力端子1312に与えられるアナログ入
力信号Vinが、コンデンサC1の電極Aに与えられる。
一方、電極Bの電位レベルは第2の参照電位Vref2のま
まであるので、コンデンサC1にはQw1=C1×(Vin
−Vref2)で表される電荷Qw1が蓄積される。ただし、
C1はコンデンサC1の容量値である。
【0175】続いて、保持動作では、各スイッチS1、
S2及びS8がOFFになる。したがって、理想的に
は、コンデンサC1に充電された電荷Qw1はそのまま保
持される。しかし、保持期間が長時間になると、スイッ
チS1を構成するダイオードの逆方向電流によって、あ
る量の電荷qLがコンデンサC1の電極Aから漏れる。
一方、このようにコンデンサC1の電極Aからスイッチ
S1を介して電荷qLが漏れると、同時に電極Bから
は、漏れ電荷qLと同じ量で反対符号の電荷−qLが漏れ
出す。この漏れ電荷−qLは、コンデンサC2に蓄えら
れる。
【0176】読み出し動作では、スイッチS1及びS2
がONになり、スイッチS8がOFFになる。保持動作
の途中で漏れた電荷−qLはコンデンサC2に蓄えられ
ていて、コンデンサC2の電極Cの電位は、当初に充電
された第2の参照電位Vref2と比較して、この漏れ電荷
量に相当する分だけ低下している。この電圧低下分は差
電圧検出回路1348によって検出され、それに相当す
る信号が電流出力回路1349に出力される。電流出力
回路1349は、この差電圧検出回路1348から与え
られる信号に従った大きさの電流を出力して、出力され
た電流は、スイッチS2を介してコンデンサC1の電極
Aを充電する。
【0177】このようにして与えられた電流によって漏
れ電荷qLがコンデンサC1の電極Aに充電されるにつ
れて、コンデンサC2の電極Cに存在していた電荷−q
Lは、再びコンデンサC1の電極Bに移動する。これ
は、差電圧検出回路1348の入力端子bに与えられて
いる第2の参照電位Vref2に比べて差電圧検出回路13
48の入力端子aの電圧が低いので、入力端子aの入力
インピーダンスが高くなり、電荷が入力端子aに流入で
きずに、コンデンサC1の電極Bに移動するためであ
る。
【0178】以上の動作によって、コンデンサC1が漏
れ電荷のない状態に再生されるとともに、コンデンサC
2は初期化直後の状態に戻る。これによって、書き込み
時と同じ電圧レベルを有するアナログ信号が出力され
る。
【0179】上記の読み出し動作では、一旦コンデンサ
C1から漏れた電荷が再生されるので、上記動作によっ
て、記録したアナログ信号をリフレッシュすることもで
きる。すなわち、書き込まれたデータを長期間にわたっ
て読み出さずに保持する場合には、保持動作の途中で一
度読み出し動作を行うことによって、漏れた電荷を再生
して記録したアナログ信号をリフレッシュすることが可
能となる。このような再生動作を繰り返せば、アナログ
信号を長時間にわたって保持することが可能となる。
【0180】図20(b)に示すタイミングチャートで
は、読み出し動作のあとで保持動作を行った上で、次の
書き込み動作を行っている。しかし、読み出し動作後の
保持動作が必ずしも必要ではないことは、すでに第1の
実施形態に関連して説明した通りである。したがって、
読み出し動作の直後に書き込み動作を行って、アナログ
信号の記録にあたって同様の効果を得ることができる。
【0181】(第8の実施の形態)図21(a)及び
(b)を参照して、本発明の第8の実施形態におけるア
ナログメモリ回路1400を説明する。図21(a)
は、アナログメモリ回路1400の構成を示す回路図で
あり、図21(b)は、その動作を示すタイミングチャ
ートである。
【0182】アナログメモリ回路1400は、スイッチ
S1及びS2と、スイッチS1の一方の端子と第1の参
照電位Vref1との間に直列に接続されたコンデンサC
1、電荷移動量検出回路1450及びコンデンサC2を
有し、さらに電荷供給回路1451が設けられている。
【0183】スイッチS1の一方の端子は、アナログ信
号の入出力端子1412に接続されており、他方の端子
はコンデンサC1の電極Aに接続されている。コンデン
サC1の電極Aは同時に、スイッチS2を介して電荷供
給回路1451の端子bに接続されている。コンデンサ
C1の他方の電極Bは、電荷移動量検出回路1450の
一方の端子aに接続されている。電荷移動量検出回路1
450のもう一方の端子bは、コンデンサC2の電極C
に接続される。コンデンサC2のもう一方の電極Dは、
第1の参照電位Vref1に接続されている。また、電荷移
動量検出回路1450の他の端子cは、電荷供給回路1
451の他の端子aに接続されている。電荷供給回路1
451はさらに、第2の参照電位Vref2に接続されてい
る。
【0184】電荷移動量検出回路1450は、端子aか
ら端子bに移動した電荷量を検出する回路であり、検出
した電荷移動量に対応する信号を端子cから出力する。
電荷移動量検出回路1450の端子cから得られる信号
に応じて、電荷供給回路1451は、電荷移動量検出回
路1450を通過した電荷量に対応した電荷を端子bか
ら出力して、スイッチS2を介してコンデンサC1の電
極Aに供給する。
【0185】上記のような構成を有する本実施形態のア
ナログメモリ回路1400の動作を、図21(b)を参
照して説明する。
【0186】書き込み動作では、スイッチS1がONで
あり、スイッチS2はOFFである。このとき、コンデ
ンサC1の電極B及びコンデンサC2の電極Cは、定電
位Vaに充電される。一方、コンデンサC1のもう一方
の電極Aには、入出力端子1412に与えられるアナロ
グ入力信号Vinが記録される。この結果、コンデンサC
1には、Qw1=C1×(Vin−Va)で表される電荷Qw
1が蓄積される。ただし、C1はコンデンサC1の容量値
である。
【0187】続いて、保持動作では、各スイッチS1及
びS2がOFFになる。したがって、理想的には、コン
デンサC1に充電された電荷Qw1はそのまま保持され
る。しかし、保持期間が長時間になると、スイッチS1
を構成するダイオードの逆方向電流によって、ある量の
電荷qLがコンデンサC1の電極Aから漏れる。このよ
うにコンデンサC1の電極AからスイッチS1を介して
電荷qLが漏れると、同時に電極Bからは、漏れ電荷qL
と同じ量で反対符号の電荷−qLが漏れ出し、電荷移動
量検出回路1450を通過してコンデンサC2の電極C
に移動する。このとき、移動した電荷量−qLが、電荷
移動量検出回路1450によって検出される。
【0188】読み出し動作では、スイッチS1及びS2
がONになる。保持動作の途中で漏れた電荷−qLの量
が電荷移動量検出回路1450によって検出されてい
て、電荷移動量検出回路1450は、その検出量に対応
する信号を端子cから電荷供給回路1451に与える。
これによって、電荷供給回路1451の端子bからは、
電荷移動量に相当して符号が反対の電荷qLが出力され
て、スイッチS2を介してコンデンサC1の電極Aを充
電する。このようにして与えられた電流によって、保持
動作中にコンデンサC1から漏れた電荷qLがコンデン
サC1の電極Aに充電されるにつれて、漏れ電荷によっ
て生じていた記録信号Vinの電圧降下分が補償されて、
本来の電圧レベルVinが再生される。これによって、書
き込み時と同じ電圧レベルを有するアナログ信号が出力
される。
【0189】上記の読み出し動作では、一旦コンデンサ
C1から漏れた電荷が再生されるので、上記動作によっ
て、記録したアナログ信号をリフレッシュすることもで
きる。すなわち、書き込まれたデータを長期間にわたっ
て読み出さずに保持する場合には、保持動作の途中で一
度読み出し動作を行うことによって、漏れた電荷を再生
して記録したアナログ信号をリフレッシュすることが可
能となる。このような再生動作を繰り返せば、アナログ
信号を長時間にわたって保持することが可能となる。
【0190】図21(b)に示すタイミングチャートで
は、読み出し動作のあとで保持動作を行った上で、次の
書き込み動作を行っている。しかし、読み出し動作後の
保持動作が必ずしも必要ではないことは、すでに第1の
実施形態に関連して説明した通りである。したがって、
読み出し動作の直後に書き込み動作を行って、アナログ
信号の記録にあたって同様の効果を得ることができる。
【0191】(第9の実施の形態)図22(a)及び
(b)を参照して、本発明の第9の実施形態におけるア
ナログメモリ回路1500を説明する。図22(a)
は、アナログメモリ回路1500の構成を示す回路図で
あり、図22(b)は、その動作を示すタイミングチャ
ートである。
【0192】アナログメモリ回路1500は、スイッチ
S1、S2及びS4と、スイッチS1の一方の端子と第
1の参照電位Vref1との間に直列に接続されたコンデン
サC1及びC2を有し、さらに電圧電流変換回路155
2及び可変インピーダンス回路1553が設けられてい
る。
【0193】スイッチS1の一方の端子は、アナログ信
号の入出力端子1512に接続されており、他方の端子
はコンデンサC1の電極Aに接続されている。コンデン
サC1の電極Aは同時に、スイッチS2を介して電圧電
流変換回路1552に接続されている。コンデンサC1
の他方の電極Bは、コンデンサC2の電極Cに接続され
る。コンデンサC2のもう一方の電極Dは、第1の参照
電位Vref1に接続されている。
【0194】コンデンサC1及びC2の接続点は、可変
インピーダンス回路1553の一方の端子aに接続され
ている。可変インピーダンス回路1553のもう一方の
端子bは、第2の参照電位Vref2に接続されている。
【0195】また、コンデンサC1及びC2の接続点
は、さらにスイッチS4を介して電圧電流変換回路15
52の端子aに接続されている。電圧電流変換回路15
52はさらに、第2の参照電位Vref2に接続されてい
る。
【0196】電圧電流変換回路1552は、その入力端
子aの電圧を第2の参照電位Vref2に維持する回路であ
り、出力端子bからは、入力端子aの電圧と第2の参照
電位Vref2との電圧差に応じた電流を発生する。一方、
可変インピーダンス回路1553は、入力端子aに与え
られる電圧が他方の端子bに与えられる第2の参照電位
Vref2に等しいか或いは高い場合には低インピーダンス
となる。一方、入力端子aに与えられる電圧が他方の入
力端子bに与えられる第2の参照電位Vref2よりも低い
場合には、高インピーダンスとなる。
【0197】上記のような構成を有する本実施形態のア
ナログメモリ回路1500の動作を、図22(b)を参
照して説明する。
【0198】書き込み動作では、スイッチS1がONで
あり、スイッチS2及びS4はOFFである。このと
き、コンデンサC1の電極B及びコンデンサC2の電極
Cは、それぞれ可変インピーダンス回路1553によっ
て第2の参照電位Vref2に充電される。一方、コンデン
サC1のもう一方の電極Aには、入出力端子1512に
与えられるアナログ入力信号Vinが記録される。この結
果、コンデンサC1にはQw1=C1×(Vin−Vref2)
で表される電荷Qw1が蓄積される。ただし、C1はコン
デンサC1の容量値である。
【0199】続いて、保持動作では、各スイッチS1、
S2及びS4がOFFになる。したがって、理想的に
は、コンデンサC1に充電された電荷Qw1はそのまま保
持される。しかし、保持期間が長時間になると、スイッ
チS1を構成するダイオードの逆方向電流によって、あ
る量の電荷qLがコンデンサC1の電極Aから漏れる。
このようにコンデンサC1の電極AからスイッチS1を
介して電荷qLが漏れると、同時に電極Bからは、漏れ
電荷qLと同じ量で反対符号の電荷−qLが漏れ出す。こ
のとき、漏れ電荷の発生によって電極Cの電位が当初与
えられていた第2の参照電位Vref2よりも低い電圧にな
るために、先に説明した可変インピーダンス回路155
3の特性によって、入力端子aが高インピーダンスにな
る。そのため、漏れ電荷−qLは可変インピーダンス回
路1553には流入せずに、すべてコンデンサC2の電
極Cに移動する。
【0200】読み出し動作では、スイッチS1、S2及
びS4がONになる。電圧電流変換回路1552の入力
端子aの電位は、保持動作の途中で発生した漏れ電荷−
Lの影響で、当初与えられていた第2の参照電位Vref
2よりも低い電圧になっている。電圧電流変換回路15
52がこの電圧差を検出して、その検出値に対応するレ
ベルの電流をその出力端子bから出力する。この出力さ
れた電流は、スイッチS2を介してコンデンサC1の電
極Aを充電する。このようにして与えられた電流によっ
て漏れ電荷qLがコンデンサC1の電極Aに充電される
につれて、コンデンサC2の電極Cに存在していた電荷
−qLは、再びコンデンサC1の電極Bに移動する。こ
れは、可変インピーダンス回路1553において、端子
bに与えられている第2の参照電位Vref2に比べて入力
端子aの電圧が低いので、入力端子aの入力インピーダ
ンスが高くなって、可変インピーダンス回路1553へ
の電荷の流入が妨げられるからである。
【0201】電圧電流変換回路1552は、その入力端
子aの電位が第2の参照電位Vref2に等しくなるまで出
力電流を供給し続ける。そして、入力端子aの電位が第
2の参照電位Vref2に等しくなった時点では、コンデン
サC1の電極Aには漏れ電荷量qLに等しい電荷が供給
されている。これによって、コンデンサC2の電極Cに
移動していた漏れ電荷−qLがコンデンサC1に再生さ
れる。この結果、コンデンサC1が漏れ電荷のない状態
に再生されるとともに、コンデンサC2は初期化直後の
状態に戻る。これによって、書き込み時と同じ電圧レベ
ルを有するアナログ信号が出力される。
【0202】上記の読み出し動作では、一旦コンデンサ
C1から漏れた電荷が再生されるので、上記動作によっ
て、記録したアナログ信号をリフレッシュすることもで
きる。すなわち、書き込まれたデータを長期間にわたっ
て読み出さずに保持する場合には、保持動作の途中で一
度読み出し動作を行うことによって、漏れた電荷を再生
して記録したアナログ信号をリフレッシュすることが可
能となる。このような再生動作を繰り返せば、アナログ
信号を長時間にわたって保持することが可能となる。
【0203】図22(b)に示すタイミングチャートで
は、読み出し動作のあとで保持動作を行った上で、次の
書き込み動作を行っている。しかし、読み出し動作後の
保持動作が必ずしも必要ではないことは、すでに第1の
実施形態に関連して説明した通りである。したがって、
読み出し動作の直後に書き込み動作を行って、アナログ
信号の記録にあたって同様の効果を得ることができる。
【0204】(第10の実施の形態)図23(a)及び
(b)を参照して、本発明の第10の実施形態における
のアナログメモリ回路1600を説明する。図23
(a)は、アナログメモリ回路1600の構成を示す回
路図であり、図23(b)は、その動作を示すタイミン
グチャートである。
【0205】アナログメモリ回路1600は、スイッチ
S1、S2、S4及びS5と、スイッチS1の一方の端
子と第1の参照電位Vref1との間に直列に接続されたコ
ンデンサC1及びC2を有し、さらに電圧電流変換回路
1654及び可変インピーダンス回路1655が設けら
れている。
【0206】スイッチS1の一方の端子は、アナログ信
号の入出力端子1612に接続されており、他方の端子
はコンデンサC1の電極Aに接続されている。コンデン
サC1の電極Aは同時に、スイッチS2を介して電圧電
流変換回路1654の端子bに接続されている。コンデ
ンサC1の他方の電極Bは、コンデンサC2の電極Cに
接続されている。コンデンサC2のもう一方の電極D
は、第1の参照電位Vref1に接続されている。
【0207】コンデンサC1及びC2の接続点は、スイ
ッチS4を介して電圧電流変換回路1654のもう一方
の端子aに接続されていると同時に、可変インピーダン
ス回路1655の一方の端子aに接続されている。可変
インピーダンス回路1655の他の端子bは、第2の参
照電位Vref2に接続されている。なお、電圧電流変換回
路1654の端子cは、スイッチS5を介して可変イン
ピーダンス回路1655に接続されている。また、電圧
電流変換回路1654はさらに、第2の参照電位Vref2
に接続されている。
【0208】電圧電流変換回路1654は、入力端子a
の電圧を第2の参照電位Vref2に維持する回路であり、
出力端子bからは、入力端子aの電圧と第2の参照電位
Vref2との電圧差に応じた電流を発生する。また、出力
端子cからは、電圧を出力する。一方、可変インピーダ
ンス回路1655は、入力端子aに与えられる電圧が他
方の端子bに与えられる電位に等しいか或いは高い場合
には低インピーダンスとなる。一方、入力端子aに与え
られる電圧が他方の入力端子bに与えられる電位よりも
低い場合には、高インピーダンスとなる。
【0209】上記のような構成を有する本実施形態のア
ナログメモリ回路1600の動作を、図23(b)を参
照して説明する。
【0210】書き込み動作では、スイッチS1、S4及
びS5がONであり、スイッチS2はOFFである。電
圧電流変換回路1654の入力端子aの電圧が第2の参
照電位Vref2に等しくなるまで、電圧電流変換回路16
54の端子cから電圧信号が出力されている。この電圧
信号は、可変インピーダンス回路1655の入力端子b
に与えられるが、この信号の電圧レベルは第2の参照電
位Vref2よりも低いので、可変インピーダンス回路16
55の先述の特性に従ってそのインピーダンスが低くな
る。この結果、コンデンサC1の電極B及びコンデンサ
C2の電極Cは、それぞれ可変インピーダンス回路16
55を介して供給される第2の参照電位Vref2に充電さ
れる。一方、コンデンサC1のもう一方の電極Aには、
入出力端子1612に与えられるアナログ入力信号Vin
が記録される。この結果、コンデンサC1には、Qw1=
C1×(Vin−Vref2)で表される電荷Qw1が蓄積され
る。ただし、C1はコンデンサC1の容量値である。
【0211】続いて、保持動作では、各スイッチS1、
S2、S4及びS5がOFFになる。したがって、理想
的には、コンデンサC1に充電された電荷Qw1はそのま
ま保持される。しかし、保持期間が長時間になると、ス
イッチS1を構成するダイオードの逆方向電流によっ
て、ある量の電荷qLがコンデンサC1の電極Aから漏
れる。このようにコンデンサC1の電極Aからスイッチ
S1を介して電荷qLが漏れると、同時に、電極Bから
は漏れ電荷qLと同じ量で反対符号の電荷−qLが漏れ出
す。このとき、漏れ電荷の発生によって、電極Cの電位
が当初与えられていた第2の参照電位Vref2よりも低い
電圧になる。また、スイッチS5がOFFしているの
で、可変インピーダンス回路1655の端子bには電圧
が与えられていない。この結果、先に説明した可変イン
ピーダンス回路1655の特性によって、入力端子aが
高インピーダンスになる。そのため、漏れ電荷−qL
可変インピーダンス回路1655には流入せずに、すべ
てコンデンサC2の電極Cに移動する。
【0212】読み出し動作では、スイッチS1、S2及
びS4がONになり、スイッチS5はOFFである。コ
ンデンサC2の電極Cの電位は、保持動作の途中で発生
した漏れ電荷−qLの影響で、当初与えられていた第2
の参照電位Vref2よりも低い電圧になっている。電圧電
流変換回路1654がこの電圧差を検出して、その検出
値に対応するレベルの電流が、出力端子bから出力され
る。この出力された電流は、スイッチS2を介してコン
デンサC1の電極Aを充電する。このようにして与えら
れた電流によって、漏れ電荷qLに相当する量の電荷が
コンデンサC1の電極Aに充電されるにつれて、コンデ
ンサC2の電極Cに存在していた電荷−qLは、再びコ
ンデンサC1の電極Bに移動する。
【0213】電圧電流変換回路1654は、その入力端
子aの電位が第2の参照電位Vref2に等しくなるまで出
力電流を供給し続ける。そして、入力端子aの電位が第
2の参照電位Vref2に等しくなった時点では、コンデン
サC1の電極Aには漏れ電荷量qLに等しい電荷が供給
されており、一方、コンデンサC2の電極Cに移動して
いた漏れ電荷−qLがコンデンサC1の電極Bに再生さ
れる。この結果、コンデンサC1が漏れ電荷のない状態
に再生されるとともに、コンデンサC2は初期化直後の
状態に戻る。これによって、書き込み時と同じ電圧レベ
ルを有するアナログ信号が出力される。
【0214】上記の読み出し動作では、一旦コンデンサ
C1から漏れた電荷が再生されるので、上記動作によっ
て、記録したアナログ信号をリフレッシュすることもで
きる。すなわち、書き込まれたデータを長期間にわたっ
て読み出さずに保持する場合には、保持動作の途中で一
度読み出し動作を行うことによって、漏れた電荷を再生
して記録したアナログ信号をリフレッシュすることが可
能となる。このような再生動作を繰り返せば、アナログ
信号を長時間にわたって保持することが可能となる。
【0215】図23(b)に示すタイミングチャートで
は、読み出し動作のあとで保持動作を行った上で、次の
書き込み動作を行っている。しかし、読み出し動作後の
保持動作が必ずしも必要ではないことは、すでに第1の
実施形態に関連して説明した通りである。したがって、
読み出し動作の直後に書き込み動作を行って、アナログ
信号の記録にあたって同様の効果を得ることができる。
【0216】(第11の実施の形態)図24は、本発明
の第11の実施形態に係るアナログメモリ回路1700
の構成図である。
【0217】アナログメモリ回路1700はアナログメ
モリアレイ1710を備えており、アナログメモリアレ
イ1710の内部では9つの記録・選択回路1721〜
1729が、3x3のマトリクス状に配列されている。
それぞれの記録・選択回路1721〜1729は、これ
までに説明した各実施形態のアナログメモリ回路に含ま
れる記録回路及び選択回路を総称したものである。例え
ば、図1に示すアナログメモリ回路100を例にとれ
ば、記録回路110及び選択回路130に相当する。そ
の構成はこれまでの実施形態に関連して説明してきたも
のと同様であるので、その説明はここでは省略する。
【0218】第1列に配置されている記録・選択回路1
721〜1723は駆動回路1731に接続されてお
り、同様に第2列の記録・選択回路1724〜1726
及び第3列の記録・選択回路1727〜1729は、そ
れぞれ駆動回路1732及び1733に接続されてい
る。これらの駆動回路1731〜1733は、これまで
に説明した各実施形態のアナログメモリ回路に含まれる
駆動回路である。例えば、図1に示すアナログメモリ回
路100を例にとれば、駆動回路150に相当する。そ
の構成はこれまでの実施形態に関連して説明してきたも
のと同様であるので、その説明はここでは省略する。
【0219】入出力端子1741に与えられた入力アナ
ログ信号は、記録・選択回路1721の端子1751に
入力される。一方、注入端子1744に与えられた信号
は、スイッチSA1を介して、記録・選択回路1721
の端子1752に入力される。一方、記録・選択回路1
721の端子1753及び1754は、端子1761及
び1762を介して、駆動回路1731の端子1771
及び1772に接続されている。
【0220】他の記録・選択回路1722〜1729に
関する構成は、以上に述べた記録・選択回路1721に
関する構成と基本的に同様である。例えば、注入端子1
744は、スイッチSA2及びSA3を介して、記録・
選択回路1722及び1723にそれぞれ入力される。
【0221】アナログメモリアレイ1710に含まれる
各記録・選択回路1721〜1729は、デコーダ回路
1780に接続されている。デコーダ回路1780に
は、クロック信号入力端子1784及び選択信号入力端
子1786が設けられている。具体的には、デコーダ回
路1780からのデコーダ出力1782は、各記録・選
択回路1721〜1729に含まれるスイッチS1〜S
4に対するイネーブル信号に相当するものであって、各
スイッチS1〜S4に対する駆動信号1781を生成す
る駆動回路1783に接続されている。
【0222】デコーダ回路1780の選択信号入力端子
1786には、アナログメモリアレイ1710に含まれ
る複数の記録・選択回路1721〜1729から所定の
回路を選択するための選択信号D1〜D8が入力され
る。デコード回路1780は、この入力された選択信号
D1〜D8をデコードして、デコーダ出力1782を通
じて出力信号Q0〜Q7を出力する。これによって、記
録・選択回路1721〜1729の中の所定のものが選
択される。
【0223】上記のような構成を有する本実施形態のア
ナログメモリ回路1700の動作を、図25を参照して
説明する。
【0224】まず第1の期間では、記録・選択回路17
21が、その中に含まれているスイッチS4(図1参
照)によって駆動回路1731と接続され、書き込み動
作を行う。このとき、駆動回路1731に対応する他の
記録・選択回路1722及び1723は、それぞれ保持
状態である。その選択回路を構成するスイッチS2及び
S4(図1参照)はOFF状態であって、記録・選択回
路1722及び1723は駆動回路1731から切り離
されている。
【0225】次に第2の期間では、記録・選択回路17
22が、その中に含まれているスイッチS4によって駆
動回路1731と接続され、書き込み動作を行う。この
とき、駆動回路1731に対応する他の記録・選択回路
1721及び1723は、それぞれ保持状態である。そ
の選択回路を構成するスイッチS2及びS4はOFF状
態であって、記録・選択回路1721及び1723は駆
動回路1731から切り離されている。
【0226】さらに第3の期間では、記録・選択回路1
723が、その中に含まれているスイッチS4によって
駆動回路1731と接続され、書き込み動作を行う。こ
のとき、駆動回路1731に対応する他の記録・選択回
路1721及び1722は、それぞれ保持状態である。
その選択回路を構成するスイッチS2及びS4はOFF
状態であって、記録・選択回路1721及び1722は
駆動回路1731から切り離されている。
【0227】このように、駆動回路1731に係わる記
録・選択回路1721〜1723は、そのうちの一つが
駆動回路1731に接続されて、書き込み動作及び読み
だし動作のどちらかを行う。その動作の間は、残りの2
つの記録・選択回路は、保持動作を行う。これによっ
て、ひとつの駆動回路を設けるだけで、複数の記録・選
択回路に対応することができる。
【0228】また、図24に示すように3つの駆動回路
を設ければ、同時に3つの信号の書き込み及び読みだし
を行うことができる。この場合には、図25に示すよう
に、駆動回路1732に係わる記録・選択回路1724
〜1726のグループ、及び駆動回路1733に係わる
記録・選択回路1727〜1729のグループのそれぞ
れを、以上で説明した駆動回路1731に係わる記録・
選択回路1721〜1723についてと同様に動作させ
ればよい。
【0229】このような構成にすることによって、記録
・選択回路の総数に対して駆動回路の数を小さくするこ
とができ、記録密度の向上ならびに消費電力の削減が実
現される。
【0230】(第12の実施の形態)図26は、本発明
のアナログメモリ回路を利用して構成された、本発明の
第12の実施形態に係る演算回路1800の構成図であ
る。
【0231】演算回路1800は、入出力端子1841
〜1843及び注入端子1844〜1846を有するア
ナログメモリアレイ1810を備えている。アナログメ
モリアレイ1810は、9つの記録・選択回路が3x3
に配列されており、図24を参照して説明した第11の
実施形態におけるアナログメモリアレイ1710と同様
の構成を有しているので、その説明はここでは省略す
る。
【0232】また、アナログメモリアレイ1810に
は、図24の駆動回路1731〜1733にそれぞれ対
応する3つの駆動回路1831〜1833が接続されて
いる。駆動回路1831は、端子1861、1862、
1871及び1872を介して、アナログメモリアレイ
1810の中の第1列の記録・選択回路に接続されてい
る。同様に駆動回路1832及び1833は、端子18
63、1864、1873及び1874、ならびに端子
1865、1866、1875及び1876を介して、
第2列及び第3列の記録・選択回路にそれぞれ接続され
ている。
【0233】演算回路1800は、さらに3つの蓄積回
路1891〜1893を備えている。例えば、蓄積回路
1891は、端子1901及び1867を介してアナロ
グメモリアレイ1810の中の第1列の記録・選択回路
に、端子1902及び1868を介して第2列の記録・
選択回路に、さらに端子1903及び1869を介して
第3列の記録・選択回路に、それぞれ接続されている。
また、蓄積回路1891は信号入力端子1894に接続
された端子1917を有しており、蓄積回路1891の
出力端子1911は、アナログメモリアレイ1810の
注入端子1844に接続されている。さらに、蓄積回路
1891の端子1912は、駆動回路1831の端子1
877に接続されている。
【0234】蓄積回路1892及び1893も、上記の
蓄積回路1891と同様に接続されている。すなわち、
蓄積回路1892は、端子1904及び1867を介し
てアナログメモリアレイ1810の中の第1列の記録・
選択回路に、端子1905及び1868を介して第2列
の記録・選択回路に、さらに端子1906及び1869
を介して第3列の記録・選択回路に、それぞれ接続され
ている。また、蓄積回路1892は信号入力端子189
5に接続された端子1918を有しており、蓄積回路1
892の出力端子1913は、アナログメモリアレイ1
810の注入端子1845に接続されている。さらに、
蓄積回路1892の端子1914は、駆動回路1832
の端子1878に接続されている。同様に、蓄積回路1
893は、端子1907及び1867を介してアナログ
メモリアレイ1810の中の第1列の記録・選択回路
に、端子1908及び1868を介して第2列の記録・
選択回路に、さらに端子1909及び1869を介して
第3列の記録・選択回路に、それぞれ接続されている。
また、蓄積回路1893は信号入力端子1896に接続
された端子1919を有しており、蓄積回路1893の
出力端子1915は、アナログメモリアレイ1810の
注入端子1846に接続されている。さらに、蓄積回路
1893の端子1916は、駆動回路1833の端子1
879に接続されている。
【0235】蓄積回路1891〜1893の回路構成
を、図27に示す蓄積回路1891の構成を例にとって
説明する。
【0236】蓄積回路1891は、3つのコンデンサ1
931〜1933を含んでいる。コンデンサ1933の
容量値をCとすると、コンデンサ1932の容量値はそ
の2倍の2Cに設定され、コンデンサ1931の容量値
は4倍の4Cに設定されている。これらのコンデンサ1
931〜1933は、計18のスイッチSW1〜SW1
8によって、端子1901〜1903、1911及び1
912に接続されている。さらに、蓄積回路1891
は、外部の信号入力端子(図26参照)に接続された端
子1917に接続しているクロック発生回路1920を
備えている。クロック発生回路1920は、外部から入
力されるクロック信号に基づいて複数のスイッチ制御信
号1921を送出して、18個のスイッチSW1〜SW
18の動作を制御する。
【0237】他の蓄積回路1892及び1893の構成
も、図27に示した構成と同様である。
【0238】以上のような構成を有する本実施形態の演
算回路1800の動作を、図28を参照して説明する。
図28は、蓄積回路1891に含まれているスイッチの
動作状態を示している。なお、以下の説明における記録
・選択回路の参照番号は、図24に示した構成における
参照番号に対応している。
【0239】まず、第1の期間では、スイッチSW1、
SW3〜SW12、SW14〜SW18はOFFとな
り、SW2及びSW13はONとなる。このとき、第1
列第1番目の記録・選択回路1721は、バイアス動作
を行う。バイアス動作では、記録・選択回路1721に
含まれるスイッチS1、S2及びS4がOFFになって
いる。さらに、記録・選択回路1721に接続されてい
る駆動回路1831を構成するスイッチS3はONであ
る。したがって、記録・選択回路1721がバイアス動
作をおこなっている期間は、アナログメモリアレイの中
の第1列に属する他の記録・選択回路1722及び17
23は、保持状態となる。一方、アナログメモリアレイ
の中の第2列第1番目の記録・選択回路1724は、読
みだし動作を行う。したがって、アナログメモリアレイ
の中の第2列に属する他の記録・選択回路1725及び
1726は、保持状態となる。
【0240】このような記録・選択回路1721及び1
724の動作状態においては、蓄積回路1891の端子
1902には、記録・選択回路1724に記録されてい
る信号が出力され、スイッチSW2を介して容量値4C
を有するコンデンサ1931の電極Aに与えられる。一
方、端子1912には、駆動回路1731のアンプ出力
端子からの信号、すなわち演算増幅器の正転入力端子が
接地されている電圧に駆動された電圧が与えられ、スイ
ッチSW13を介してコンデンサ1933のもう一方の
電極Bに印加される。したがって、コンデンサ1931
は、記録・選択回路1724に記録されているアナログ
信号の電圧と演算増幅器の正転入力端子が接地されてい
る電位に駆動された電圧との間の電圧差に相当する電圧
が加えられて、それによって電荷が充電される。
【0241】一方、他の2つのコンデンサ1932及び
1933には、電圧が印加されずに電荷は蓄積されな
い。
【0242】第2の期間では、スイッチSW1〜SW
3、スイッチSW5〜SW12、及びスイッチSW14
〜SW18がOFFであり、スイッチSW4及びSW1
3はONである。このとき、記録・選択回路1721と
駆動回路1731はバイアス動作であり、記録・選択回
路1724は保持動作となる。
【0243】蓄積回路1891で、コンデンサ1931
の電極Bは、演算増幅器の正転入力端子が接地されてい
る電圧である。一方、もう一方の電極Aは、スイッチS
W4を介して、図24に示したスイッチSA1によって
接続された記録・選択回路1721を構成するコンデン
サC2の電極Cに接続されて、電荷が分配される。ただ
し、スイッチSA1がON、スイッチSA2、SA3は
OFFであるので、コンデンサC2には、蓄積回路18
91のコンデンサ1931に蓄積された電荷の5分の1
の電荷が注入されることになる。
【0244】第3の期間において、記録・選択回路17
21と駆動回路1831とが再生動作(リフレッシュ動
作)にはいると、第2の期間で蓄積回路1891のコン
デンサ1931〜1933に注入された電荷が加算され
る。上記に説明したケースでは、加算される電荷は、第
2の期間においてコンデンサ1933に蓄積された電荷
の5分の1である。したがって、記録・選択回路172
4の記録信号の5分の1に相当する値を記録・選択回路
1721の記録信号に加算した信号が、この第3の期間
で出力される。
【0245】以上のように、本実施形態の演算回路18
00では、アナログメモリアレイ1819を構成するあ
る記録・選択回路の記録信号に所定の値を乗算して、そ
れによって得られた値を他の記録・選択回路の記録信号
に加算して、演算処理を行う。以上の説明では、蓄積回
路1891には、それぞれC、2C及び4Cの容量値を
有するコンデンサ1931〜1933が備えられてい
る。さらに、他の容量値を有するコンデンサを設けれ
ば、記録信号に多様な値を乗算して得られた値の加算を
行うことによって、より多様な演算を行うことが可能に
なる。
【0246】(第13の実施の形態)次に、図13を参
照して、本発明のアナログメモリ回路に含まれるコンデ
ンサの構成の一例を説明する。以下の説明は、これまで
に説明した各実施形態のいずれのアナログメモリ回路に
も適用できる。また、各アナログメモリ回路に含まれる
どのコンデンサに対しても適用できるものであるが、特
に、コンデンサC1、C2及びC3への適用が有効であ
る。
【0247】これまでの各実施例におけるアナログメモ
リ回路では、書き込み、保持、読み出し、及び再生の一
連の動作の中で、主としてコンデンサC1〜C3に蓄積
された電荷量に基づいて、演算増幅器152が出力電圧
を発生させる。このため、コンデンサC1〜C3とし
て、その構成に起因して容量値の電圧依存性が大きいも
のを使用する場合でも、記録された信号を読みだすとき
に誤差が生じない。そのため、図13に示すような構成
のコンデンサ600も、本発明のアナログメモリ回路を
構成するコンデンサとして使用することができる。
【0248】図13のコンデンサ600は、p型半導体
基板、例えばp型シリコン基板601の上に形成された
n型不純物拡散領域602を下層電極602とし、その
n型不純物拡散領域602の上に絶縁膜としてシリコン
酸化膜603を形成している。さらに、シリコン酸化膜
603の上にポリシリコン層604を形成して、上層電
極604としている。また、下層電極602及び上層電
極604のそれぞれには、端子605及び606が接続
されている。
【0249】このような構成を有するコンデンサ600
は、端子605及び606に与えられる電圧信号によっ
て、一般にその容量値が大きく変化する。しかし、この
ように容量値の電圧依存性が大きいコンデンサ600を
本発明のアナログメモリ回路を構成するコンデンサとし
て使用しても、コンデンサに蓄積された電荷量に基づい
てアナログ電位が再生されるので、読み出し誤差は生じ
ない。
【0250】なお、第4の実施形態にて説明したコンデ
ンサC4は、常に定電圧に充電される。そのために、そ
の容量値の電圧依存性は、読み出し誤差を生じさせな
い。
【0251】本発明のアナログメモリ回路に含まれるコ
ンデンサを上記のコンデンサ600のように構成すれ
ば、従来技術のアナログメモリ回路におけるコンデンサ
のように2層のポリシリコン層の形成を必要としない。
そのため、アナログメモリを含む本発明のアナログメモ
リ回路を、デジタルLSIと同じ製造工程を使用して製
造することができる。これより、同一チップの上で種々
のシステムとの共存が可能となる。
【0252】次に、図14を参照して、本発明のアナロ
グメモリ回路に適用できる他のコンデンサ構造700を
説明する。
【0253】コンデンサ構造700では、接地電位に接
地されたp型半導体基板、例えばp型シリコン基板70
1の上に、2つのn型不純物拡散領域702a及び70
2bを形成する。一方のn型不純物拡散領域702aに
は端子705aが接続され、他方のn型不純物拡散領域
702bには端子705bが接続されている。2つのn
型不純物拡散領域702a及び702bの間には、両者
を電気的に分離するためにp+不純物拡散領域(高濃度
のp型不純物拡散領域)707を形成する。さらに、こ
れら3つの不純物拡散領域702a、702b及び70
7の上にシリコン酸化膜703を形成し、さらにシリコ
ン酸化膜703の上にポリシリコン層704を形成す
る。また、ポリシリコン層704には、端子706が接
続されている。
【0254】このような構成を有するコンデンサ構造7
00において、n型不純物拡散領域702aをコンデン
サC1の電極Aに相当する下層電極702aとし、n型
不純物拡散領域702bをコンデンサC2の電極Dに相
当する下層電極702bとする。そして、ポリシリコン
層704を、コンデンサC1の電極B及びコンデンサC
2の電極Cに相当する上層電極704として、両コンデ
ンサC1及びC2で共有させる。
【0255】この構成では、一般に下層電極(n型不純
物拡散領域)702a及び702bからは、p型シリコ
ン基板701との間に流れる逆方向電流のために、電荷
が次第に漏れる。しかし、本発明の各実施例におけるア
ナログメモリ回路では、コンデンサC1の電極B及びコ
ンデンサC2の電極Cの両方を兼ねる上部電極(ポリシ
リコン層)704に保存される電荷を用いて、読み出し
動作を行う。この上部電極704からは、ダイオードの
逆方向電流による電荷の漏れは発生せず、アナログ記録
信号の読み出し時に誤差は生じない。
【0256】このようにして形成された本実施形態のコ
ンデンサ構造700では、回路面積を小さくすることが
できるので、記録密度を向上することができる。
【0257】図15(a)及び(b)は、本発明のアナ
ログメモリ回路に適用できるさらに他のコンデンサ構造
800である。図15(a)は、コンデンサ構造800
の上面図であり、図15(b)はその断面図である。
【0258】本実施形態のコンデンサ構造800では、
接地されたp型半導体基板、例えばp型シリコン基板8
01の上に、n型不純物拡散領域802を形成する。n
型不純物拡散領域802には端子805が接続され、定
電圧に接続されている。
【0259】n型不純物拡散領域802の上に形成した
ポリシリコン層を所定の形状にパターニングして、2つ
のポリシリコン領域808a及び808bを形成して、
それぞれ下層電極808a及び808bとする。それぞ
れの下層電極808a及び808bには、端子809a
及び809bを接続する(図15(a)はこの状態を示
す)。さらに、それぞれの下層電極808a及び808
bの上には、絶縁膜として機能するシリコン酸化膜80
3を形成し、さらにシリコン酸化膜803を覆うように
ポリシリコン層804を形成して上層電極とする。ま
た、ポリシリコン層804には、端子806が接続され
ている。
【0260】このような構成を有するコンデンサ構造8
00において、下層電極808aをコンデンサC1の電
極Aとし、下層電極808bをコンデンサC2の電極D
とする。そして、ポリシリコン層804を、コンデンサ
C1の電極B及びコンデンサC2の電極Cとして両コン
デンサで共有させる。この構成でも、電荷を保存する必
要のある上部電極804からのダイオードの逆方向電流
による電荷の漏れはなく、アナログ記録信号の読み出し
時に誤差は生じない。
【0261】なお、上記の説明における不純物拡散領域
や基板の導電型の関係は、相互に逆転させることができ
る。
【0262】また、上記の説明では、絶縁膜をシリコン
酸化膜、ならびに電極材料をポリシリコンとしている
が、使用できる材料はこれに限られるものではない。例
えば、絶縁膜としては窒化シリコン(Si34)膜やS
iO2−P25膜を使用することができる。また、電極
材料としては、モリブデンMoやタングステンWを使用
することができる。
【0263】さらに、基板はシリコン基板に限られるも
のではなく、例えば、ゲルマニウムGeやGaAs等の
他の材料からなる基板を使用することも可能である。
【0264】(第14の実施の形態)次に、本発明のア
ナログメモリ回路に含まれるスイッチS1及びS4なら
びにコンデンサC1〜C3の構成の一例を説明する。図
16は、スイッチS1及びS4ならびにコンデンサC1
〜C3が、半導体基板901の上に形成された状態を示
す断面図である。
【0265】図16に示す構成において、スイッチS1
及びS4は、いずれもnMOSトランジスタである。具
体的には、先に図3を参照して説明したMOSトランジ
スタ30と同様の構成を有しており、対応する構成要素
には類似の参照番号を付しており、その詳細な説明はこ
こでは省略する。
【0266】スイッチS1のドレイン領域となるn型不
純物拡散領域904は、後述するn型不純物拡散領域9
29に接続されている。このドレイン領域(n型不純物
拡散領域)904とウエルであるp型不純物拡散領域9
02とは、アナログメモリ回路の動作にあたって逆バイ
アスされて、その間のpn接合部にコンデンサが形成さ
れる。このn型不純物拡散領域904とp型不純物拡散
領域902との間のpn接合部で形成されたコンデンサ
を、図10を参照して説明したコンデンサC3とする。
【0267】一方、スイッチS4のドレイン領域として
機能するn型不純物拡散領域924の中には、p型不純
物拡散領域928が形成され、さらにそのp型不純物拡
散領域928の内部にn型不純物拡散領域929が形成
されている。このうちでn型不純物拡散領域924とp
型不純物拡散領域928とが、お互いに接続されてい
る。そして、p型不純物拡散領域928とその内部に形
成したn型不純物拡散領域929とを逆バイアスするこ
とによってその間のpn接合部に形成されるコンデンサ
を、コンデンサC1とする。また、スイッチS4のウェ
ルとして機能するp型不純物拡散領域922と、ドレイ
ン領域として機能するn型不純物拡散領域924とを逆
バイアスして形成されるpn接合部のコンデンサを、コ
ンデンサC2とする。
【0268】上記のような本実施形態の構成では、コン
デンサC1を形成するn型不純物拡散領域929が図1
における電極Aに相当し、コンデンサC2を形成するp
型不純物拡散領域922が図1における電極Dに相当す
る。さらに、お互いに接続されているp型不純物拡散領
域928及びn型不純物拡散領域924が、それぞれコ
ンデンサC1の電極B及びコンデンサC2の電極Cに相
当する。
【0269】以上のような本実施形態の構成によれば、
本発明の各実施形態のアナログメモリ回路に含まれるコ
ンデンサC1〜C3が必要とする回路面積を削減するこ
とができ、その結果として記録密度が向上する。
【0270】図17は、本発明のアナログメモリ回路に
含まれるスイッチS1及びS4ならびにコンデンサC1
〜C4の他の構成例を示す。図17は、スイッチS1及
びS4ならびにコンデンサC1〜C4が、半導体基板1
001の上に形成された状態を示す断面図である。
【0271】図17で、スイッチS1及びS4は、いず
れもnMOSトランジスタである。具体的には、先に図
16を参照して説明した構成と同様の構成を有してお
り、対応する構成要素には類似の参照番号を付している
ので、その詳細な説明はここでは省略する。スイッチS
1に関連するn型不純物拡散領域1004とp型不純物
拡散領域1002との間のpn接合部で形成されたコン
デンサを、図10を参照して説明したコンデンサC3と
する。
【0272】スイッチS1のドレイン領域となるn型不
純物拡散領域1004の上には、下層シリコン酸化膜1
018、下層ポリシリコン層1019、上層シリコン酸
化膜1020、及び上層ポリシリコン層1021が、こ
の順に積層され、コンデンサC1及びC2を構成してい
る。
【0273】スイッチS4のウェルとなるp型不純物拡
散領域1022とドレイン領域として機能するn型不純
物拡散領域1024とは、お互いに接続されている。
【0274】n型シリコン基板1001において、スイ
ッチS1及びS4の形成箇所とは別の箇所の上には、下
層シリコン酸化膜1038、下層ポリシリコン層103
9、上層シリコン酸化膜1040、及び上層ポリシリコ
ン層1041がこの順に積層された積層構造が形成され
ている。スイッチS4のソース領域として機能するn型
不純物拡散領域1023は、上層ポリシリコン層104
1に接続されている。このとき、上層シリコン酸化膜1
040を介して下層ポリシリコン層1039と上層ポリ
シリコン層1041とによって形成されるコンデンサ
を、コンデンサC4とする。さらに、上層ポリシリコン
層1041には、図1の演算増幅器152の反転入力端
子に接続される端子1036が接続されている。
【0275】上記のような本実施形態の構成では、コン
デンサC1を形成するn型不純物拡散領域1004が図
1における電極Aに相当し、コンデンサC2を形成する
上層ポリシリコン層1021が図1における電極Dに相
当する。そして、下層ポリシリコン層1019が、コン
デンサC1の電極B及びコンデンサC2の電極Cを兼ね
た電極に相当する。
【0276】以上のような本実施形態の構成によれば、
本発明の各実施形態のアナログメモリ回路に含まれる各
コンデンサC1〜C4が必要とする回路面積を削減する
ことができ、その結果として記録密度が向上する。
【0277】なお、上記の説明における不純物拡散領域
や基板の導電型の関係は、相互に逆転させることができ
る。
【0278】また、上記の説明では、絶縁膜をシリコン
酸化膜、ならびに電極材料をポリシリコンとしている
が、使用できる材料はこれに限られるものではない。例
えば、絶縁膜としては窒化シリコン(Si34)膜やS
iO2−P25膜を使用することができる。また、電極
材料としては、モリブデンMoやタングステンWを使用
することができる。
【0279】さらに、基板はシリコン基板に限られるも
のではなく、例えば、ゲルマニウムGeやGaAs等の
他の材料からなる基板を使用することも可能である。
【0280】
【発明の効果】以上のように、本発明のアナログメモリ
回路によると、記録回路の第1のコンデンサに電荷とし
て記録されたアナログ信号が保持期間中の電荷の漏れに
よって減衰しても、漏れ電荷を第2のコンデンサに蓄積
して、それに基づいて漏れ電荷を第1のコンデンサに再
生することで、読み出しに際してアナログ信号の劣化を
再生した状態で読み出すことができる。
【0281】また、アナログ信号を長時間にわたって保
持する場合でも、記録されているアナログ信号の劣化を
再生(リフレッシュ)することができるので、信号の記
録保持時間を長くすることができる。
【0282】駆動回路に演算増幅器を用いることによ
り、簡易な回路で漏れ電荷の再生機能を実現することが
できる。
【0283】駆動回路に含まれる演算増幅器の反転入力
端子と参照電位を結ぶスイッチ、或いは、第1のコンデ
ンサ及び第2のコンデンサの間の接続点と参照電位とを
結ぶスイッチを設ければ、漏れ電荷を蓄積する第2のコ
ンデンサの初期化に要する時間を短縮することができ
る。
【0284】記録回路に含まれる第1のコンデンサの第
1の電極と参照電位とを接続する第3のコンデンサをさ
らに備えれば、第1のコンデンサの第1の電極に存在す
るさまざまな寄生コンデンサの影響が緩和されて、アナ
ログ信号の保持動作が安定化する。
【0285】駆動回路に含まれる演算増幅器の反転入力
端子と参照電位とを接続する第4のコンデンサをさらに
備えれば、演算増幅器の反転入力端子の電位が、そこに
接続された負帰還ループが構成されていない場合でも、
正転入力端子に接続されている参照電位と同じ電圧レベ
ルに保持される。このことにより、反転入力端子に接続
する負帰還ループが構成されると、反転入力端子は直ち
に参照電位によって決定される定電圧点に駆動される。
したがって、アナログ信号の記録動作及び読み出し動作
の速度が向上する。
【0286】コンデンサの形成にあたって、同じくアナ
ログメモリ回路に含まれるスイッチを構成するMOSト
ランジスタの不純物拡散領域の周辺に形成されるpn接
合部を利用してコンデンサを形成すれば、コンデンサの
形成に必要な回路面積が削減されて、記録密度が向上す
る。
【0287】また、アナログ信号の入力及び出力用の端
子を2つ備えるとともに、アナログ信号を電荷として蓄
積するコンデンサを2つ備え、さらに上記2つのコンデ
ンサからの漏れ電荷を蓄積する他のコンデンサを、それ
ら2つのコンデンサの間に直列に接続すれば、差動信号
として与えられるアナログ信号を取り扱うことができ
る。
【0288】複数の記録回路をマトリクス状に配置し
て、マトリクスの各行に対して駆動回路を一つずつ配置
して接続した構成とすれば、記録動作、保持動作、再生
動作、及び読み出し動作をマトリクスの各行に対して時
系列で行うことができる。これにより、複数の記録回路
が一つの駆動回路で駆動される。この結果、アナログメ
モリ回路の実現に必要とされる回路面積及び消費電力が
削減される。また、この構成によれば、複数のアナログ
信号が記録される。
【0289】さらに、所定の割合でお互いに異なった容
量値を有する複数のコンデンサを備えた蓄積回路を複数
個設けて、それぞれが記録回路のマトリクスに接続され
た構成にすることにより、複数の記録回路に記録された
複数のアナログ信号に対して、乗算及び加算演算を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるアナログメモ
リ回路の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すアナログメモリ回路の動作を示すタ
イミングチャートである。
【図3】図1に示すアナログメモリ回路に含まれるスイ
ッチとして使用され得るMOSトランジスタの典型的な
構成を示す図である。
【図4】(a)及び(b)は、図1に示すアナログメモ
リ回路に含まれるコンデンサへの電荷の蓄積状態及び漏
れ電荷の発生状態を模式的に示す図である。
【図5】図1に示すアナログメモリ回路の他の動作方法
を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるアナログメモ
リ回路の構成を示す図である。
【図7】図6に示すアナログメモリ回路の動作を示すタ
イミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるアナログメモ
リ回路の他の構成を示す図である。
【図9】図8に示すアナログメモリ回路の動作を示すタ
イミングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態におけるアナログメ
モリ回路の構成を示す図である。
【図11】(a)〜(c)は、図10に示すアナログメ
モリ回路に含まれるコンデンサへの電荷の蓄積状態及び
漏れ電荷の発生状態を模式的に示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態におけるアナログメ
モリ回路の構成を示す図である。
【図13】本発明のアナログメモリ回路に含まれるコン
デンサの構成の一例を示す断面図である。
【図14】本発明のアナログメモリ回路に含まれるコン
デンサの構成の他の一例を示す断面図である。
【図15】(a)は、本発明のアナログメモリ回路に含
まれるコンデンサの構成のさらに他の一例を示す上面図
であり、(b)は、(a)に示す構成の断面図である。
【図16】本発明のアナログメモリ回路の構成の一例を
示す断面図である。
【図17】本発明のアナログメモリ回路の構成の他の一
例を示す断面図である。
【図18】(a)は、本発明の第5の実施形態における
アナログメモリ回路の構成を示す回路図であり、(b)
及び(c)は、(a)に示すアナログメモリ回路に含ま
れるコンデンサへの電荷の蓄積状態及び漏れ電荷の発生
状態を模式的に示す図である。
【図19】本発明の第6の実施形態におけるアナログメ
モリ回路の構成を示す回路図である。
【図20】(a)は、本発明の第7の実施形態における
アナログメモリ回路の構成を示す回路図であり、(b)
は、その動作を示すタイミングチャートである。
【図21】(a)は、本発明の第8の実施形態における
アナログメモリ回路の構成を示す回路図であり、(b)
は、その動作を示すタイミングチャートである。
【図22】(a)は、本発明の第9の実施形態における
アナログメモリ回路の構成を示す回路図であり、(b)
は、その動作を示すタイミングチャートである。
【図23】(a)は、本発明の第10の実施形態におけ
るアナログメモリ回路の構成を示す回路図であり、
(b)は、その動作を示すタイミングチャートである。
【図24】本発明の第11の実施形態におけるアナログ
メモリ回路の構成を示す回路図である。
【図25】図24に示すアナログメモリ回路の動作を示
すタイミングチャートである。
【図26】本発明の第12の実施形態における演算回路
の構成を示す回路図である。
【図27】図26に示す演算回路に含まれる蓄積回路の
構成を示す回路図である。
【図28】図26に示す演算回路の動作を示すタイミン
グチャートである。
【図29】(a)は、従来技術によるアナログメモリ回
路の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す
従来のアナログメモリ回路の等価回路である。
【図30】従来技術のアナログメモリ回路の回路構成原
理を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 n型シリコン基板 2 p型不純物拡散領域 3、4 n型不純物拡散領域 5 チャネル領域 6 ゲート絶縁膜 7 ゲート電極 8、10 電極 9、11 シリコン酸化膜 16 入力端子 17 ゲート端子 18 出力端子 50、100、200、300、400、500、11
00、1200、1300、1400、1500、16
00 アナログメモリ回路 110、1110、1210 記録回路 130、1130、1230 選択回路 150、1150、1250 駆動回路 112、1112、1113、1312、1412、1
512、1612 入出力端子 114、1114、1115、1118、1119 注
入端子 116、1116、1117 保持端子 152、1152 演算増幅器 154 増幅出力端子 156 注入端子 600 コンデンサ 601、701、801 p型シリコン基板 602、702a、702b、802 n型不純物拡散
領域 603、703、803 シリコン酸化膜 604、704、804 ポリシリコン層 605、606、705a、705b、706、80
5、806、809a、809b 端子 700、800 コンデンサ構造 707 p+不純物拡散領域 808a、808b ポリシリコン領域 901 n型シリコン基板 902、922、928 p型不純物拡散領域 903、904、923、924、929 n型不純物
拡散領域 905、925 チャネル領域 906、926 ゲート絶縁膜 907、927 ゲート電極 916、936 端子 917、937 ゲート端子 1001 n型シリコン基板 1002、1022 p型不純物拡散領域 1003、1004、1023、1024 n型不純物
拡散領域 1005、1025 チャネル領域 1006、1026 ゲート絶縁膜 1007、1027 ゲート電極 1016、1036 端子 1017、1037 ゲート端子 1018、1020、1038、1040 シリコン酸
化膜 1019、1021、1039、1041 ポリシリコ
ン層 1252 反転増幅器 1348 差電圧検出回路 1349 電流出力回路 1450 電荷移動量検出回路 1451 電荷供給回路 1552、1654 電圧電流変換回路 1553、1655 可変インピーダンス回路 1700 アナログメモリ回路 1710、1810 アナログメモリアレイ 1721〜1729 記録・選択回路 1731〜1733、1831〜1833 駆動回路 1741〜1743、1841〜1843 入出力端子 1744〜1746、1844〜1846 注入端子 1780 デコーダ回路 1781 駆動信号 1782 デコーダ出力 1783 駆動回路 1784 クロック信号入力端子 1786 選択信号入力端子 1800 演算回路 1891〜1893 蓄積回路 1920 クロック発生回路 1921 クロック制御信号 1931〜1933 コンデンサ
フロントページの続き (72)発明者 松澤 昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−8399(JP,A) 特開 昭58−196697(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11C 27/00 - 27/02 H01L 27/10 451 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたアナログ信号を電荷として記
    録し保持するとともに、保持動作の期間中に発生する漏
    れ電荷による該アナログ信号の劣化を再生した上で、該
    アナログ信号を読み出す記録回路と、 該記録回路の動作を制御する選択回路と、 該記録回路に所定の定電圧を供給する駆動回路と、を備
    え、該記録回路は、 該アナログ信号の入力及び出力のための入出力端子と、 該アナログ信号を電荷として記録し保持する、該入出力
    端子に結合された第1の電極と、第2の電極と、を有す
    る第1のコンデンサと、 該第1のコンデンサの該第2の電極と参照電位との間に
    接続されていて、該第1のコンデンサから漏れた電荷を
    保持する第2のコンデンサと、を備えていて、 該第2のコンデンサに保持された該漏れ電荷に相当する
    量の電荷が、所定のタイミングで該第1のコンデンサへ
    戻される、アナログメモリ回路。
  2. 【請求項2】 前記駆動回路は、前記アナログ信号の記
    録動作では前記第1のコンデンサの前記第2の電極に前
    記参照電位を供給し、前記漏れ電荷を前記第1のコンデ
    ンサに戻す動作では、該第1のコンデンサからの該漏れ
    電荷の量に相当する電荷を該第1のコンデンサの前記第
    1の電極に供給して、それによって、該漏れ電荷を該第
    1のコンデンサに戻す、請求項1に記載のアナログメモ
    リ回路。
  3. 【請求項3】 前記駆動回路は、 反転入力端子と正転入力端子と出力端子とを有する演算
    増幅器と、 該演算増幅器の該反転入力端子と該出力端子とを接続す
    るスイッチと、を備えていて、 該演算増幅器の該正転入力端子は前記参照電位に接続さ
    れている、請求項1に記載のアナログメモリ回路。
  4. 【請求項4】 前記選択回路は、 前記第1のコンデンサの前記第1の電極と前記駆動回路
    に含まれる前記演算増幅器の前記出力端子とを結ぶ第1
    のスイッチと、 該第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサの間の接
    続点と該演算増幅器の前記反転入力端子とを接続する第
    2のスイッチと、を備えている、請求項3に記載のアナ
    ログメモリ回路。
  5. 【請求項5】 前記駆動回路に含まれる前記演算増幅器
    の前記反転入力端子と前記参照電位を結ぶスイッチをさ
    らに備えている、請求項3に記載のアナログメモリ回
    路。
  6. 【請求項6】 前記第1のコンデンサ及び前記第2のコ
    ンデンサの間の接続点と前記参照電位とを結ぶスイッチ
    をさらに備えている、請求項1に記載のアナログメモリ
    回路。
  7. 【請求項7】 第3のコンデンサをさらに備えており、
    該第3のコンデンサの一方の電極は前記第1のコンデン
    サの前記第1の電極に接続され、該第3のコンデンサの
    他方の電極は前記参照電位に接続されている、請求項1
    に記載のアナログメモリ回路。
  8. 【請求項8】 前記記録回路がMOSトランジスタから
    構成されるスイッチをさらに備え、該MOSトランジス
    タが、 第1導電型の半導体基板の中に形成されている第2導電
    型の第1の不純物拡散領域と、 該第1の不純物拡散領域の中に形成されている該第1導
    電型の第2の不純物拡散領域と、を備えていて、 前記第3のコンデンサは、該第1の不純物拡散領域と該
    第2の不純物拡散領域との間に逆バイアス電圧を印加す
    ることによって生じるコンデンサである、請求項7に記
    載のアナログメモリ回路。
  9. 【請求項9】 第4のコンデンサをさらに備えており、
    該第4のコンデンサの一方の電極は前記駆動回路に含ま
    れる前記演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、該
    第4のコンデンサの他方の電極は前記参照電位に接続さ
    れている、請求項3に記載のアナログメモリ回路。
  10. 【請求項10】 前記第1のコンデンサ及び前記第2の
    コンデンサの少なくとも一方は、第1導電型の半導体基
    板中に形成されている第2導電型の不純物拡散領域と、
    該不純物拡散領域の上に形成された絶縁膜及び導体層と
    によって形成されている、請求項1に記載のアナログメ
    モリ回路。
  11. 【請求項11】 前記第1及び第2のコンデンサは、第
    1導電型の半導体基板中に該第1の導電型の高濃度不純
    物拡散領域を挟んで配置されている第2の導電型の2つ
    の不純物拡散領域と、該高濃度不純物拡散領域及び該2
    つの不純物拡散領域の上に形成された絶縁層及び導体層
    とによって形成されている、請求項1に記載のアナログ
    メモリ回路。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2のコンデンサは、第
    1導電型の半導体基板中に形成されている第2導電型の
    不純物拡散領域の上に並んで配置された2つの導体領域
    と、該2つの導体領域の上に形成された絶縁層及び導体
    層とによって形成されている、請求項1に記載のアナロ
    グメモリ回路。
  13. 【請求項13】 前記選択回路の前記第2のスイッチを
    構成するMOSトランジスタが、 第1の導電型の半導体基板の中に形成された第2の導電
    型の第1の不純物拡散領域と、 該第1の不純物拡散領域の中に形成された該第1の導電
    型の第2の不純物拡散領域と、を備えており、 該第2の不純物拡散領域の中に該第2の導電型の第3の
    不純物拡散領域がさらに形成され、該第3の不純物拡散
    領域の中に該第1の導電型の第4の不純物拡散領域がさ
    らに形成されており、 前記第1のコンデンサは、該第4の不純物拡散領域と該
    第3の不純物拡散領域との間に逆バイアス電圧を印加す
    ることによって生じるコンデンサであり、 前記第2のコンデンサは、該第2の不純物拡散領域と該
    第1の不純物拡散領域との間に逆バイアス電圧を印加す
    ることによって生じるコンデンサであり、 該第2の不純物拡散領域と該第3の不純物拡散領域とは
    お互いに電気的に接続されている、請求項4に記載のア
    ナログメモリ回路。
  14. 【請求項14】 前記記録回路がMOSトランジスタか
    ら構成されるスイッチを備え、該MOSトランジスタ
    が、第1の不純物拡散領域の上に形成された下層絶縁層
    と、該下層絶縁層の上に形成された下層導体層と、該下
    層導体層の上に形成された上層絶縁層と、該上層絶縁層
    の上に形成された上層導体層と、を備え、 前記第1のコンデンサは、該第1の不純物拡散領域、該
    下層絶縁層及び該下層導体層によって形成され、該第2
    のコンデンサは、該下層導体層、該上層絶縁層及び該上
    層導体層によって形成され、 該下層導体層は、前記選択回路の前記第2のスイッチを
    構成するMOSトランジスタを構成する不純物拡散領域
    に接続されている、請求項4に記載のアナログメモリ回
    路。
  15. 【請求項15】 前記駆動回路は、 反転入力端子及び出力端子を有する反転増幅器と、 を備えている、請求項1に記載のアナログメモリ回路。
  16. 【請求項16】 前記駆動回路は、 前記漏れ電荷の発生によって生じる、前記記録回路に記
    録されている前記アナログ信号の電圧変化量を検出し
    て、該検出された電圧変化量を示す出力信号を供給する
    検出部と、 該検出部の該出力信号を受け取って、該検出された電圧
    変化量に相当する量の電荷を前記第1のコンデンサに供
    給する供給部と、を備えている、請求項1に記載のアナ
    ログメモリ回路。
  17. 【請求項17】 前記検出部は、2つの入力端子の間の
    電位差を検出する差電圧検出回路であって、該2つの入
    力端子の一方は、前記記録回路に含まれる前記第1及び
    第2のコンデンサの接続点に接続されていて、該2つの
    入力端子の他方は所定の基準電位を与えられていて、 前記供給部は、入力信号に応じた大きさの電流を出力す
    る電流出力回路であって、該差電圧検出回路の出力信号
    に応じた大きさの電流を該第1のコンデンサに供給し
    て、それによって前記電荷を供給する、請求項16のア
    ナログメモリ回路。
  18. 【請求項18】 前記検出部は、前記記録回路に含まれ
    る前記第1及び第2のコンデンサの間に接続されてい
    て、該第1及び第2のコンデンサの間を移動した電荷量
    を検出する電荷移動量検出回路である、請求項16のア
    ナログメモリ回路。
  19. 【請求項19】 前記駆動回路は、 前記記録回路に含まれる前記第1及び第2のコンデンサ
    の接続点と所定の参照電位との間に接続され、与えられ
    る入力電位と該所定の参照電位との間の電位差の大小関
    係に応じてインピーダンスが変化する可変インピーダン
    ス回路と、 前記漏れ電荷の発生によって生じる、該記録回路に記録
    されている前記アナログ信号の電圧の所定の参照電位か
    らの変化量を検出して、該検出された電圧変化量に相当
    する大きさの電流を該第1のコンデンサに供給する変換
    部と、を備えている、請求項1に記載のアナログメモリ
    回路。
  20. 【請求項20】 前記可変インピーダンス回路は、さら
    に前記変換部にも接続されている、請求項19に記載の
    アナログメモリ回路。
  21. 【請求項21】 前記参照電位が接地電位である、請求
    項1に記載のアナログメモリ回路。
  22. 【請求項22】 前記アナログ信号が第1及び第2の信
    号成分を含む差動信号であって、前記第1のコンデンサ
    は該差動信号の該第1の信号成分を電荷として記録し保
    持し、 前記記録回路が、該差動信号の該第2の信号成分を電荷
    として記録し保持する第3のコンデンサをさらに備えて
    おり、 前記第2のコンデンサは該第3のコンデンサから漏れた
    電荷も保持し、 該第2のコンデンサに保持された該漏れ電荷に相当する
    量の電荷が、所定のタイミングで該第1及び第3のコン
    デンサへ戻される、請求項1に記載のアナログメモリ回
    路。
  23. 【請求項23】 前記記録回路が複数個マトリクスに配
    置されていて、該マトリクスの各行に対して前記駆動回
    路が一つずつ配置されて接続されており、複数の前記ア
    ナログ信号を記録する、請求項1に記載のアナログメモ
    リ回路。
  24. 【請求項24】 複数の蓄積回路をさらに備え、該複数
    の蓄積回路のそれぞれは前記マトリクスの各行に接続さ
    れ、該複数の蓄積回路のそれぞれは複数のコンデンサを
    備え、該複数のコンデンサは所定の割合でお互いに異な
    った容量値を有していて、 該マトリクスに配置されている前記複数の記録回路のう
    ちの所定のものに記録されている前記アナログ信号を、
    順次、該蓄積回路の該複数のコンデンサに選択的に電荷
    として充電し、該充電された電荷を該複数の記録回路に
    分配し、それによって、前記複数のアナログ信号に対し
    て乗算及び加算演算を行う、請求項23に記載のアナロ
    グメモリ回路。
  25. 【請求項25】 アナログ信号をアナログメモリ回路に
    入力するステップと、 該入力されたアナログ信号を、該アナログメモリ回路の
    中の記録部に電荷として記録するステップと、 該記録されたアナログ信号を所定の時間にわたって保持
    するステップと、 該保持動作の期間中に発生する該記録部からの漏れ電荷
    を所定の箇所に蓄え、該蓄えられた漏れ電荷に相当する
    量の電荷を該記録部に戻すステップと、 該アナログ信号を該アナログメモリ回路から読み出すス
    テップと、を包含するアナログ信号の記録方法。
  26. 【請求項26】 前記記録部からの前記漏れ電荷の量を
    検出する工程をさらに包含する、請求項25に記載のア
    ナログ信号の記録方法。
  27. 【請求項27】 前記アナログ信号が複数のアナログ信
    号であり、 記録されている該複数のアナログ信号のうちの所定のも
    のを、順次、所定の割合でお互いに異なった容量値を有
    する複数のコンデンサに、選択的に電荷として充電する
    ステップと、 該充電された電荷を該複数の記録回路に分配するステッ
    プと、をさらに包含し、それによって、該複数のアナロ
    グ信号に対して乗算及び加算演算を行う、請求項25に
    記載のアナログ信号の記録方法。
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