JP3108717U - 屋外コンセント - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外で使用する電気製品が作動不良を起こした場合における原因究明と対処を迅速かつ安価に行えるようにする。
【解決手段】コンセント端子2への給電経路にサーモスタット11を設けて屋外用コンセント(1)を構成する。
【効果】屋外で使用する電気製品のサーモスタットは不要となり、外気温がどうであれ、電熱器等の電気製品に給電して発熱すれば製品に問題がないことはわかるし、電気製品に給電して発熱しなければ製品に電熱線の遮断等、何らかの問題があることが直ちにわかる。
【選択図】図1

Description

本考案は、建物の屋外に設けるコンセントに関する。
建物の屋外、とくに建物の外壁に取り付けるタイプの屋外用コンセントが広く用いられている。これは、公共施設やビルディング等における屋外清掃や広告塔の電源その他の目的に用いられるもので、雨水からコンセント端子を守るよう、例えば図2に示すように、ケース体1の外側表面を下方に向かって拡開傾斜させ、その下端面にコンセント端子2を設けるのが一般である。
ケース体1の外側表面を下方に向かって拡開傾斜させるのは、雨水を排除しつつコンセント端子2を水から守るためである。4は、風雨が強いときにコンセント端子2が濡れるのを防止するためのフードである。なお内部の回路は、図3に示すように、電源9からの給電線5を給電点(例えば差込端子)6を介してコンセント端子2に直列接続してある。
このような屋外コンセントは、建物の屋外で使用する各種の電気装置に電源を供給するが、それ自体の構造は単純でありコストも安い。一方、建物の屋外で使用する電気装置のなかには、製造コストも高く、当然ながら点検コストやメンテナンスコストが嵩むものが少なくない。例えば、融雪マットのような冬季の融雪用の製品や、上水/下水用の配管の凍結を防止するヒータ装置等である。これらの製品は、製品自体が比較的高額であることから電源系の配慮もなされている。とくに、融雪装置やヒータ装置の場合、外気温が高いときのように通電の必要性がない場合には電源供給を遮断するサーモスタットを設ける。サーモスタットを融雪装置側に設ける提案としては、例えば実用新案登録文献1、2がある。
特開平10−261908号公報 特開平11−181731号公報
問題は、屋外で使用する融雪マットやヒータ装置等の電気製品がうまく作動しない場合における不具合の点検の煩わしさである。
融雪マットや配管の凍結防止用のヒータ装置のように、作動不良が発生すると即座にユーザからの問い合わせや苦情がくる電気製品の場合、原因の究明と解決はそれほど簡単なことではない。
なぜなら、作動不良の原因は、電熱線の切断など製品自体の不具合と、サーモスタットの不具合と、屋外コンセント側の不具合の三種類がある。とくに困るのは、ユーザからの苦情があって現場に出かけていったときの外気温が、電気製品側に設けてあるサーモスタットのオンオフ制御の設定温度よりも高いときであって、このような場合には、製品側に問題があるのか屋外コンセント側に問題があるのか、直ちに判断することは出来ない。テスター等を使ってコンセント側に問題がないと判断しても、製品自体の不具合なのかサーモスタットの不具合なのかの判断は出来ない。
このような場合、原因を即刻究明しようとすれば、問題の電気製品を低温実験装置のある場所に持ち込んで、サーモスタットの作動に問題がないかどうか点検し、サーモスタットに問題がなければ製品自体を分解または破壊して電熱線が切断していないかどうかを確かめるしかない。しかしながら、このような手段をとると、苦情処理のための点検コストが無用にかさむし、破壊した製品は再使用ができないため製品の販売価格を適性に維持できない。
そこで、本考案の目的は、屋外で使用する電気製品が作動不良を起こした場合における原因究明と対処を迅速安価に行えるようにする点にある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る考案は、コンセント端子への給電経路にサーモスタットを設けて屋外用コンセントを構成する。
このようにすれば、屋外で使用する電気製品のサーモスタットは不要となり、製品自体にはサーモスタットがなくても良くなる。この状態で電気製品に作動不良が生じた場合は、どこに問題があるかを簡単に判断できるようになる。ユーザからの苦情があって現場に出かけていったときの外気温がどうであれ、当該電気製品に給電して発熱すれば製品に問題がないことはすぐにわかるし、当該電気製品に給電して発熱しなければ製品に電熱線の遮断等、何らかの問題があることが直ちにわかるからである。この点検時にはどの屋内の正常なコンセントを使用して良いから、たとえ屋外コンセントに不具合があっても点検自体は簡単に行うことが出来る。
また、電気製品が正常であるならば、問題は屋外コンセント側にあることがすぐに判る。しかしながら、屋外コンセントは雨雪水からコンセント端子を守るよう防水性には十分配慮して作られており滅多に故障はしない。また、その内部に配したサーモスタットも、電気製品側に設けてあるサーモスタットのように雨水や雪や風に晒されるような過酷な環境にはないので作動不良を生じにくい環境にある。この結果、電気製品の作動不良という苦情件数が格段に減ると同時に、苦情があった場合でも速やかに原因の究明が出来る。
請求項2に係る考案は、屋外コンセントに、コンセント端子への給電経路が閉成しているときに点灯し、コンセント端子への給電経路が開成しているときに消灯するパイロットランプ(発光素子等)を設けるものである。
製品の作動不良があったときの点検時に、屋外コンセントのパイロットランプが消えていれば、サーモスタットが働いて給電経路を遮断しているか、あるいは給電経路自体に不具合があることを意味するので、その場合は、屋内の普通のコンセントに電気製品のコンセント端子を差し込んで発熱するか否かを確認すればよい。屋外コンセントのパイロットランプが点灯していれば、コンセント端子までは電源が来ていることが判るので、その屋外コンセントに電気製品のコンセント端子を差し込んで発熱するかどうかの判断を簡単に行うことが出来る。
製品自体に問題がなく、屋外コンセントのパイロットランプが消えているときは、屋外コンセントに問題がある可能性が高い。しかし、その場合でも屋外コンセントの価格は安価であり、交換してもユーザの経済的負担は最小限に抑えられる。
本考案に係る屋外コンセントによれば、屋外で使用する電気製品が作動不良を起こしても原因の究明と適切な対処を迅速かつ安価に行うことが出来る。電源系統の信頼性が向上するので苦情件数も確実に低減させることが出来る。また原因究明のために壊れてもいない電気製品を破壊するなど、無用な確認処理を必要としないため、販売店およびユーザの経済負担を確実に抑制できる。
図1は、本考案に係る屋外コンセントの内部の回路を例示するものである。電源9からの給電線5は、従来と同様に給電点6を介してコンセント端子2に接続させてあるが、電源9とコンセント端子2との間に、サーモスタット11を設けてある。サーモスタット11は、屋外コンセントのケース体1の内部に格納しておく。
12は、二穴の差込端子台であり、電源9からの一方の給電線5の端末を一方の差込端子12−1に装着するとともに、サーモスタット11の上流側の端子を、もう一方の差込端子12−2に装着して、サーモスタット11がコンセント端子2への給電経路を遮断できるようにしてある。サーモスタット11の下流側の給電線は給電点6の上流側の一方の端子6−1に接続しておく。給電点6の上流側の他方の端子6−2には、電源9からの給電線5を接続しておく。
14は、コンセント端子2への給電状態を外部に示すためのパイロットランプである。例えば、発光ダイオードを用いることが出来る。このパイロットランプ14は、コンセント端子2が機能しているか否かを点灯または消灯によって表示するものであるから、その給電ラインは、コンセント端子2と並列接続となるよう給電点6の下流側の端子に接続しておく。パイロットランプ14への給電ライン上に設けることがある抵抗は省略してある。
かかる屋外コンセントによれば、外気温が十分に低く、融雪マットや凍結防止ヒータ等の電気製品に対して給電を行うべき時には、サーモスタット11が回路を閉じて後段への給電を行う。この屋外コンセントを利用している限り、外気温が低いときには給電回路が活きて電気製品は発熱する。このとき、パイロットランプ14は点灯している。
他方、外気温が高くなり、融雪マットや凍結防止ヒータ等の電気製品に対しての給電を遮断すべき時には、サーモスタット11が回路を開いて後段への給電を遮断する。電気製品側には、敢えてサーモスタット(11)を設けるまでもない。このとき、パイロットランプ14は消灯する。
何らかの不具合により、融雪マットや凍結防止ヒータ等の電気製品が作動不良を起こしたときは、例えば次のように対処できる。ユーザからの苦情は、主に、外気温が低いのに電気製品が融雪や凍結防止機能を営まないときである。
第一に、検査当日の外気温が十分に低く、屋外コンセントのパイロットランプ14が点灯しているにも拘わらず電気製品が機能しないときは、電気線の切断など電気製品の不具合であることがわかる。
第二に、検査当日の外気温が十分に低く、屋外コンセントのパイロットランプ14が消灯しているときは、屋外コンセント側の不具合である可能性が高い。このときは、電気製品のコンセントを、屋内のコンセントに差し込んで発熱するかどうかを確かめた上で、発熱すれば屋外コンセント側の不具合であることを確認できる。この場合は、サーモスタット11の不具合である可能性が高いので、屋外コンセントを交換すれば問題は解決できる。屋外コンセントの給電線5には外力等の負荷がかからないし、給電線5の被覆も十分であるから、給電線5が破損する等の事態は考えにくい。
第三に、検査当日の外気温が高いにも拘わらず、屋外コンセントのパイロットランプ14が点灯し電気製品が発熱しているときは、サーモスタット11の不具合である。この場合は、サーモスタット11を交換するか屋外コンセントを交換する。サーモスタット11を組み込んである屋外コンセントは安価に製造できるから、サーモスタット11だけを交換するよりも屋外コンセント自体を交換した方がメンテナンス処理としては簡単であり、費用も安くなる可能性が高い。
ユーザの苦情として想定できるものは以上の通りであり、作動不良の問題に関しては、これ以外のケースはあり得ない。
このように、屋外コンセントのケース体1にサーモスタット11を内蔵させ、電気製品のサーモスタットを除外することによって、作動不良時の検査(点検)の作業効率は格段に向上する。
また、サーモスタット11は外壁に固定されたケース体1の内部にあって、雨や雪や風や外力から完全に守られているため、電気製品の作動不良の発生確率は格段に低下する。苦情件数を確実に低下させることが出来るわけである。これに伴い、高額な電気製品の耐久性と信頼性を高く保証でき、同種機能を営む製品との販売競争においても絶対の有利性を確保することが出来る。
なお、使用するサーモスタット(11)は、オンオフ制御の設定温度を固定しておく所謂プロテクタータイプであっても、オンオフ制御の設定温度を変えることの出来る所謂コントローラタイプのものでも良い。屋外で使用する融雪機器や凍結防止機器に取り付ける場合には所謂コントローラタイプのサーモスタットが望ましいとされるが、本考案に係るサーモスタット(11)は屋外コンセントのケース体(1)に内蔵されるため、どちらを利用しても寿命や精度は高く保証できる。通常は所謂プロテクタータイプの方が製品コストが安いので、経済性に優れる方を利用することが望ましい。
また、パイロットランプ(14)は必ずしも設ける必要はない。コンセント端子(2)に電源が来ているかどうかは他の電気機器を実際に接続してみればすぐにわかることだからである。
実施形態に係る屋外コンセントの回路を例示する図である。 従来からある屋外コンセントの外観を例示する図である。 従来の屋外コンセントの回路を例示する図である。
符号の説明
1 (屋外コンセントの)ケース体
2 コンセント端子
5 給電線
6 給電点
6−1、6−2 給電点の端子
9 電源
11 サーモスタット
12、 差込端子台
12−1、12−2 差込端子
14 パイロットランプ

Claims (2)

  1. コンセント端子への給電経路にサーモスタットを備えることを特徴とする屋外コンセント。
  2. コンセント端子への給電経路が閉成しているときに点灯し、コンセント端子への給電経路が開成しているときに消灯するパイロットランプを備えることを特徴とする請求項1記載の屋外コンセント。
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