JP3108527U - 一体式の異なる直径の歯車セット構造 - Google Patents

Abstract

【課題】異なる直径の歯車をセットとして一体に成形した構造により製造コストを下げ、耐久強度を向上する。
【解決手段】異なる直径の歯車を一体化した構造であり、複数の歯車を一体に成形することによって製造コストを下げ、耐久強度を高めることができる。鋼板を鍛造成形し、階段状に円形の第一歯車２１、第二歯車２２、第三歯車２３が並列するように成形し、それぞれの歯車は山部２４、谷部２５を有しており、第三歯車２３と第二歯車間２２、第二歯車２２と第一歯車２１間の全円周には間隔を空けて連結片２６、凹溝２７が配列されており、一体に成形することによって、別々に成形してリベット接合するものよりも製造コストを下げることができ、各歯車間が連結片２６によって連結されていることにより耐久強度を高めることができる。
【選択図】図４

Description

本考案は異なる直径の歯車セット構造に係り、特に歯車セットを一体に成形することにより製造コストを下げ、耐久強度を高めることができる、異なる直径の歯車セット構造に関わる。

異なる直径の歯車セットは自転車に使用されている。図１、２、３は公知構造の異なる直径の歯車セットであり、それぞれ異なる直径の第一歯車、第二歯車、第三歯車によって構成されている歯車セットである。第一歯車、第二歯車、第三歯車はそれぞれ別々にプレス成形されており、山部、谷部、それぞれ対応するリベット孔を有しており、間隔リング、リベットによって第一歯車、第二歯車、第三歯車がリベット接合され一体になっている。第一歯車、第二歯車の中心には中心孔、連結孔が設けられており、ペダルを設置することができるようになっているが、上記の構造には次のような欠点が存在する。

（１） それぞれの歯車が別々にプレス成形されており、間隔リングとリベットによって接合するので製造に手間が掛かってしまい、コストが比較的高い（本考案を比較した場合）。

（２） リベットによる接合や、間隔リングによって間隔を確保するやり方は、長く使用した場合や大きな負荷が掛かった場合、各歯車の連結が緩んでしまう問題が発生し、使用効率に影響を及ぼす。

（３） リベットによる接合は点での接合なので、本考案の全円周において一体になっている構造と比較した場合、耐久強度に劣り、容易に歯車の変形（湾曲）が発生してしまう。

（４） リベットによる接合では歯車と歯車の間に比較的深い隙間が発生してしまい、チェーンが外れた時、チェーンがその隙間に入って取り出しにくいという問題が発生する。

（５） チェーンを歯車の山部と谷部に設置して使用する時、その両側はチェーンを補助していないので、チェーンから掛けられる負荷は全て山部、谷部で受けることになり、容易に破損してしまうという問題が発生する。
特開平４−３００７９４号公報

本考案の第一の目的は、板片を数個の異なる直径の歯車に一体成形することにより、数個の異なる直径の歯車をそれぞれ成形し、リベット接合する必要をなくし、コストを下げることができる一体式の異なる直径の歯車セット構造を提供することである。

本考案の第二の目的は、成形時に凹溝、連結片を設け、凹溝の面積がちょうど歯車の山部になり、連結片が歯車の谷部を形成し、材料を十分に利用することができ、一体に連結することができる一体式の異なる直径の歯車セット構造を提供することである。

本考案の第三の目的は、各歯車間の連結片は全円周上に間隔を空けて配列されており、各歯車は全円周が一体に連結されており、バランス良く耐久強度を高めることができる一体式の異なる直径の歯車セット構造を提供することである。

請求項１の考案は、第一歯車、第二歯車、第三歯車を有する一体式の異なる直径の歯車セット構造において、
前記第一歯車、第二歯車、第三歯車の周縁には間隔を空けて山部と谷部が配列されており、第三歯車と第二歯車間、第二歯車と第一歯車間の全円周には間隔を空けて連結片、凹溝が配列されており、連結片は対応する谷部の側辺に連結されており、凹溝は山部に対応しており、第三歯車の中心には連結孔が設けられており、回動する歯車セットの軸が設置され、上述の構造により第一歯車、第二歯車、第三歯車が独立する部品を組立てたものとは異なり一体に成形されており、上述の一体成形の構造により、製造コストを下げ、歯車セットの耐久強度を高めることができることを特徴とする一体式の異なる直径の歯車セット構造である。

請求項２の考案は、前記歯車セットの異なる直径の歯車は二つや三つ以上にすることができることを特徴とする請求項１記載の一体式の異なる直径の歯車セット構造である。

本考案の異なる直径の歯車セットを一体に成形する構造により、歯車セットの製造コストを下げ、耐久強度を高めることができた。

図４、５に示すように、本考案は第一歯車２１、第二歯車２２、第三歯車２３を有する歯車セット２０であり、第一歯車２１、第二歯車２２、第三歯車２３の円周辺には全て山部２４と谷部２５が間隔を空けて配列されており、第三歯車２３と第二歯車間２２、第二歯車２２と第一歯車２１間の全円周には間隔を空けて連結片２６、凹溝２７が配列されており、連結片２６は対応する谷部２５の側辺に設置されており、凹溝２７は山部２４に対応しており、第三歯車２３の中心には連結孔２３０が設けられており、回転する歯車セットの軸（例えばペダル１９）が設置され、上述の構造により第一歯車２１、第二歯車２２、第三歯車２３が独立する部品を組立てたものとは異なり、一体に成形されている。

本考案の製造方法は以下の方式を採用することができる。

１ 鍛造成形
熱処理硬化されていない平面状の鋼板を金型によって山部２４、谷部２５が環状に配列するように鍛造成形し、さらに階段状の凹陥形状に鍛造成形し、図４に示すような歯車セットを製造する。さらに詳しく言うと、凹溝２７が成形される部分の一端は切断せずに山部２４を形成し、谷部２５が成形される部分の両端は切断せずに連結片２６を形成する。鍛造成形後に熱処理による硬化を行い、上述の内容から分かるように、本考案は一度の鍛造成形で製品を完成させることができ、三つの歯車を有するが、一つ一つ分けて鍛造成形し、それをリベット接合する必要がなく、製造速度を高めることができ、製造コストを下げることができる。

２ 粉末冶金、ロストワックス成形
本考案の歯車と歯車を連結させている連結片２６間には凹溝２７が設けられているので、脱型を行うことができ、故に粉末冶金、ロストワックス法用模型を採用して成形を行うことができる。これにより一体成形の製造速度を高めることができる。

３ 図４、５は三つの異なる直径の歯車を例にしているが、同じ原理により、二つ、或いは三つ以上の歯車を一体に成形することができ、それらも本考案の範囲に含まれる。

本考案は製造速度を高めることができ、コストを下げることができる以外に、下記のような優れた点を有する。

（１） 各歯車２１、２２、２３間が連結片２６によって連結されており、全円周が一体に連結されているので、極めて高い耐久強度を有しており、板状の歯車は容易に変形しない。

（２） チェーン２８を設置して使用する時、チェーン２８の底部は連結片２６と接触し、それによりチェーンから掛けられる負荷を分担させることができ、歯車の山部２４、谷部２５が摩損するのを減少させることができる。

（３） チェーン２８が外れた時、チェーン２８は連結片２６によって支持されるので、歯車によって挟止されることはなく、再び噛合させるのに便利である。

（４） 歯車は一体に成形されており、お互いに連結されているので、歯車が緩んで位置が動いたり、がたついたりするという問題は発生しない。

上述のように、本考案の構造は今までにない構造であり、達成できる効果は確実に極めて優れた実用性と進歩性を有するものである。

公知構造の分解図である。 公知構造の組立後の立体図である。 公知構造の組立後の断面図である。 本考案の立体図である。 本考案のペダルとチェーンを設置した後の断面図である。

符号の説明

１０ 歯車セット
１１ 第一歯車
１１０ 中心孔
１２ 第二歯車
１２０ 連結孔
１３ 第三歯車
１３０ 中心孔
１４ 山部
１５ 谷部
１６ リベット孔
１７ 間隔リング
１８ リベット
１９ ペダル
２０ 歯車セット
２１ 第一歯車
２２ 第二歯車
２３ 第三歯車
２３０ 連結孔
２４ 山部
２５ 谷部
２６ 連結片
２７ 凹溝
２８ チェーン

Claims (2)

1. 第一歯車、第二歯車、第三歯車からなる異なる直径の歯車セット構造において、
   前記第一歯車、第二歯車、第三歯車の周縁には間隔を空けて山部と谷部が配列されており、第三歯車と第二歯車間、第二歯車と第一歯車間の全円周には間隔を空けて連結片、凹溝が配列されており、連結片は対応する谷部の側辺に連結されており、凹溝は山部に対応しており、第三歯車の中心には連結孔が設けられて回動する歯車セットの軸が設置されることにより、第一歯車、第二歯車、第三歯車が一体に成形された構造をなすことを特徴とする一体式の異なる直径の歯車セット構造。
2. 前記歯車セットの異なる直径の歯車は、二つ又は三つ以上であることを特徴とする請求項１記載の一体式の異なる直径の歯車セット構造。
   
   

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