JP3107800U - 自然石パネル外壁材 - Google Patents

Abstract

【課題】 取り扱いが容易であり、施工性、耐久性、耐候性、断熱性、耐水性などに優れた床面あるいは壁面用の化粧材である自然石パネル外壁材の提供。
【解決手段】 複数のタイル状石材をあらかじめ固着させた建築物の外壁用パネルであって、多角形のタイル状に成形された自然石板を、ガルバリウム鋼板などのアルミニウム合金基板の表面に、接着剤または粘着剤を介して複数枚貼り合わせ、ガルバリウム鋼板と、発泡ウレタンと、アルミニウム合金薄膜とのサンドイッチ構造を採用し、目地部分以外を自然石で覆った自然石パネル外壁材を構成する。
【選択図】 図１

Description

本考案は、取り扱いが容易であり、施工性、耐久性、耐候性、断熱性、耐水性に優れた床面あるいは壁面用の化粧材に関するものである

従来、建築物の外壁などへタイルを貼る際には、一枚ずつタイルを職人の手で壁面や床面に貼りつけていたために、手間や時間、工賃がかかるものであった。そのため、上記作業を簡易にするために、タイル調の各種の外壁用化粧板、サイディングが知られている。

特開平１１−３１１０１３号公報 特開平８−２２４８５１号公報 特開平１０−６８２１２号公報

特開平１１−３１１０１３「タイル状パネルおよびその製造方法」においては、タイル内装壁またはタイル外装壁を簡便かつ効率よく施工でき、作業者の技量や熟練度にかかわらず常に高品位のタイル内装または外装工事を施工することができるタイル状パネルが提案されている。
タイル状パネルは、ブロー成形された中空二重壁構造の樹脂パネルから成り、樹脂パネルの表壁に、その表面が多数のタイル面を成すように目地と成る凹条３を一体に成形して構成したものであり、タイル面が大理石調または石目調をなしているタイル状パネルも提案されている。

特開平８−２２４８５１「タイル調化粧材」においては、焼き物のタイルに酷似し、耐候性、耐水性に優れ、施工に熟練を要しない施工性に優れた、床面、壁面用のタイル調化粧材が提案されている。
樹脂含浸紙、合成樹脂シート、織布などよりなるフレキシブルシートの表面に接着剤または粘着剤を介してタイルの形状をしたアクリル系またはポリエステル系の人工大理石を所定枚数貼り合わせたタイル調化粧材である。

しかしながら、上記いずれの発明においても、タイル調化粧材に大理石調などの模様をプリントなどにより付加したものであり、自然石の石材を使用したものではない。したがって、自然石を用いた場合のように耐久性、耐候性、断熱性、耐水性などを得られるものではなかった。

特開平１０−６８２１２「石材タイルの施工方法」においては、大理石または御影石等の天然石材を建造物の壁面に装飾壁として施工するにあたり、施工性を容易にする施工方法が提案されている。
板状に加工された天然石材タイルを用いて、建造物の壁面等を装飾する施工方法であって、石材タイルと、その石材タイルを支持する加工が容易な材料で形成された固定部材とを交互に配設するようにした施工方法であり、加工性が容易な材料で固定部材を形成しているので、石材タイルを支持するための複雑な構成でも寸法精度良く簡単に形成できるというものである。

上記発明は、自然石の石材タイルに関するものであるが、石材同士を固定部材を用いて施工するものであり、あらかじめ細かいタイル状あるいは割り石状の自然石材を外壁材(サイディング）に取り付けておくものではない。
そのため、サイディングのような施工の容易性は得られない。

そこで本考案においては、上記の様々な課題を解決し、取り扱いが容易であり、施工性、耐久性、耐候性、断熱性、耐水性などに優れた床面あるいは壁面用の化粧材である自然石パネル外壁材を提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、請求項１に記載の考案においては、
複数のタイル状石材をあらかじめ固着させた建築物の外壁用パネルであって、多角形のタイル状に成形された自然石板を、アルミニウム合金基板の表面に、接着剤または粘着剤を介して複数枚貼り合わせ、目地部分以外を自然石で覆ったことを特徴とする自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

また、上記課題を解決するため、請求項２に記載の考案においては、
前記アルミニウム合金基板は、ガルバリウム鋼板である、自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

また、上記課題を解決するため、請求項３に記載の考案においては、
前記ガルバリウム鋼板の表面には、アルミニウム合金薄膜からなる第一の層が設けられた、自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

また、上記課題を解決するため、請求項４に記載の考案においては、
前記第一の層の表面には、発泡ウレタンからなる第二の層が設けられた、自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

また、上記課題を解決するため、請求項５に記載の考案においては、
前記発泡ウレタンは、イソシアヌレートからなる硬質発泡ウレタン材である、請求項４または５のいずれかに記載の自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

また、上記課題を解決するため、請求項６に記載の考案においては、
前記自然石は、大理石または御影石であって、矩形に成形された自然石板である、請求項１〜５のいずれかに記載の自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

また、上記課題を解決するため、請求項７に記載の考案においては、
前記自然石は、大理石または御影石であって、割り石状に成形された自然石板である、請求項１〜５のいずれかに記載の自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

また、上記課題を解決するため、請求項８に記載の考案においては、
前記パネル外壁材が、金具引掛工法により外壁に施工されるものである、請求項１〜７のいずれかに記載の自然石パネル外壁材であることを特徴としている。

本考案によれば、取り扱いが容易であり、施工性、耐久性、耐候性、断熱性、耐水性などに優れた床面あるいは壁面用の化粧材である自然石パネル外壁材を提供することができる。

以下、本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。
本考案の自然石パネル外壁材は、複数のタイル状石材をあらかじめ固着させた建築物の外壁用パネルである。
図１は、本考案の自然石パネル外壁材の基本的な構成の一例を示す図である。図１において、左は側面図、下は底面図、右上は正面図を示している。
図２は、本考案の自然石パネル外壁材の別の基本的な構成の一例を示す図である。図２において、左は側面図、下は底面図、右上は正面図を示している。
図３は、本考案の自然石パネル外壁材の拡大断面図の一例を示している。
図４は、本考案の自然石パネル外壁材の一例を示す拡大図である。

本考案の自然石パネル外壁材は、多角形のタイル状に成形された自然石板を、アルミニウム合金基板の表面に、接着剤または粘着剤を介して複数枚貼り合わせ、目地部分以外を自然石で覆ったことを特徴とする自然石パネル外壁材である。
前記アルミニウム合金基板は、好ましい一例は、ガルバリウム鋼板である。これ以外にも、非熱処理型合金として純アルミニウム（１０００系）、Ａｌ−Ｍｎ系合金（３０００系）、Ａｌ−Ｓｉ系合金（４０００系）、Ａｌ−Ｍｇ系合金（５０００系）、熱処理型合金としてＡｌ−Ｃｕ−Ｍｇ系合金（２０００系）、Ａｌ−Ｍｇ−Ｓｉ系合金（６０００系）、Ａｌ−Ｚｎ−Ｍｇ系合金（７０００系）などの各種アルミニウム合金基板を採用することができる。本明細書においては、好ましい例としてガルバリウム鋼板を採用した形態を以下では説明する。

図３および図４を参照すると、前記ガルバリウム鋼板の表面には、アルミニウム合金薄膜からなる第一の層が設けられている。
アルミニウム合金薄膜は、図４に示すように、好ましい一例として５５％アルミ亜鉛メッキを採用した。

次に、前記第一の層の表面には、発泡ウレタンからなる第二の層が設けられている。
第一の層に用いられる発泡ウレタンは、好ましくは、イソシアヌレートからなる硬質発泡ウレタン材である。
下地金属サイディングには優れた耐食性をもつ、ガルバリウム鋼板ＡＺ150を使用、さらに通常金属サイディング厚より厚みを多くし、発泡ウレタン圧を増やすことで強度も耐久性もアップすることができる。
本考案の自然石パネル外壁材は、ガルバリウム鋼板と、発泡ウレタンと、アルミニウム合金薄膜とのサンドイッチ構造を採用し、優れた遮音性能を発揮する。

次に、本考案の自然石パネル外壁材においては、自然石を採用し、前記自然石は、大理石または御影石であって、矩形に成形された自然石板である。化粧材となる天然御影石（本磨き）は半永久的な耐久性を持ち、外壁材としては多くの建造物（ビル等が主）に使われる石材を使用し、高耐久素材とすることが望ましい。基板のサンドイッチ構造に加え、表面装飾材にも天然御影石を採用しているため、優れた遮音性能を発揮する。
また、図２に示されるように、前記自然石は、大理石または御影石であって、割り石状に成形された自然石板とすることができる。

本考案の自然石パネル外壁材を、図４に示すように、下地金属サイディングには優れた耐食性をもつガルバリウム鋼板ＡＺ150を使用し、さらに通常金属サイディング厚（０．２７ｍｍ）より厚みを多くし（０．３０ｍｍ）、発泡ウレタン圧を増やすことで強度も耐久性もアップした実施例を、図５から図１１を参照して説明する。
図５は、化粧材となる天然御影石（本磨き）を採用した場合の促進耐候性試験結果であり、半永久的な耐久性を持たせたことが示されている。
図６は、ガルバリウム鋼板＋イソシアヌレート発泡＋アルミニウム合金薄膜のサンドイッチ構造を採用した場合の、断熱性能の試験結果である。
図７は、ガルバリウム鋼板＋イソシアヌレート発泡＋アルミニウム合金薄膜のサンドイッチ構造を採用した場合の、遮音性能の試験結果である。

前記自然石パネル外壁材は、各種の工法に用いられるように構成することができる。好ましい一例は、金具引掛工法により外壁に施工されるものである。
本考案の実施形態によれば、金属系サイディングでは初めて横張り金具引掛け工法を採用したことにより、外壁と構造体を完全には固定しないため、図８に示されるように、万一の地震などの際にも外壁に応力が伝わるのを防ぎ、脱落や変形を防止する。
また、図９に一例を示すように、パネル外壁材の嵌合部や繋ぎ目地部分には雨水の進入を防ぐための工夫を採用することが望ましい。

図１０は、冬場の凍害を想定した、JISA1435（建設外壁材料の耐凍害性試験方法）による耐凍害性能試験結果である。
また図１１は、軽量金属サイディング＋軽量化粧材からなる本考案の自然石パネル外壁材の軽量化性能を示す図である。

以上詳細に説明したように、本考案によれば、取り扱いが容易であり、施工性、耐久性、耐候性、断熱性、耐水性などに優れた床面あるいは壁面用の化粧材である自然石パネル外壁材を提供することができる。

本考案の自然石パネル外壁材の基本的な構成の一例を示す図である。 本考案の自然石パネル外壁材の別の基本的な構成の一例を示す図である。 本考案の自然石パネル外壁材の一例を示す拡大断面図である。 本考案の自然石パネル外壁材の一例を示す拡大図である。 化粧材となる天然御影石（本磨き）を採用した場合の促進耐候性試験結果であり、半永久的な耐久性を持たせたことが示されている。 ガルバリウム鋼板＋イソシアヌレート発泡＋アルミニウム合金薄膜のサンドイッチ構造を採用した場合の、断熱性能の試験結果である。 ガルバリウム鋼板＋イソシアヌレート発泡＋アルミニウム合金薄膜のサンドイッチ構造を採用した場合の、遮音性能の試験結果である。 金具工法を採用したことにより、地震などの際にも外壁に応力が伝わるのを防ぐ状態を示す図である。 パネル外壁材の嵌合部や繋ぎ目地部分には雨水の進入を防ぐための工夫を採用した一例を示す図である。 冬場の凍害を想定した、JISA1435（建設外壁材料の耐凍害性試験方法）による耐凍害性能試験結果である。 軽量金属サイディング＋軽量化粧材からなる本考案の自然石パネル外壁材の軽量化性能を示す図である。

Claims (8)

1. 複数のタイル状石材をあらかじめ固着させた建築物の外壁用パネルであって、
   多角形のタイル状に成形された自然石板を、アルミニウム合金基板の表面に、接着剤または粘着剤を介して複数枚貼り合わせ、目地部分以外を自然石で覆ったことを特徴とする自然石パネル外壁材。
2. 前記アルミニウム合金基板は、ガルバリウム鋼板であることを特徴とする、自然石パネル外壁材。
3. 前記ガルバリウム鋼板の表面には、アルミニウム合金薄膜からなる第一の層が設けられたことを特徴とする、自然石パネル外壁材。
4. 前記第一の層の表面には、発泡ウレタンからなる第二の層が設けられたことを特徴とする、自然石パネル外壁材。
5. 前記発泡ウレタンは、イソシアヌレートからなる硬質発泡ウレタン材であることを特徴とする、請求項４または５のいずれかに記載の自然石パネル外壁材。
6. 前記自然石は、大理石または御影石であって、矩形に成形された自然石板であることを特徴とする、請求項１〜５のいずれかに記載の自然石パネル外壁材。
7. 前記自然石は、大理石または御影石であって、割り石状に成形された自然石板であることを特徴とする、請求項１〜５のいずれかに記載の自然石パネル外壁材。
8. 前記パネル外壁材が、金具引掛工法により外壁に施工されるものであることを特徴とする、請求項１〜７のいずれかに記載の自然石パネル外壁材。