JP3106272U - 視認性の高い手術用ガーゼ

Info

【課題】安価で、視認性の高い手術用ガーゼを提供する。
【解決手段】血液に染まっても識別しやすい黒色の糸を一定間隔で格子状に編み込むことにより医師や医療スタッフによる視認性を高める。さらに、人間や動物の組織や臓器には本来無い格子状のパターンによっても視認性を高める。【選択図】図１

考案の詳細な説明

本考案は、縦糸と横糸に一定間隔で黒色の糸を編み込むことにより医師や医療スタッフによる外科手術時の視認性を高めた手術用ガーゼに関するものである。

従来の手術用ガーゼは白色の綿糸を用いて織られた平織物であるため手術中に血液等に染まって視認性が著しく低下し、取り出し忘れ等の重大な医療ミスの一因となっているものである。

取り出し忘れ等の医療ミス防止のため、ＩＣチップを取り付けたり、金属繊維やＸ線造影糸を編み込んだものなども考案されているが、何れも血液等の吸収を阻害し、かつ高価な検出器を必要とするものである。

また、検出器を用いた確認作業を手術中に追加しなければならないことから手術時間の延長に繋がったり、あるいは術後のＸ線撮影で取り出し忘れ等が確認された場合は再手術が必要となるものである。

さらに、１回の外科手術において多くの枚数を消費する手術用ガーゼとしては高価なものとなる。

考案が解決しようとする課題

外科手術に使用される手術用ガーゼは、手術中に血液等に染まって医師や医療スタッフによる視認性が著しく低下し、このため取り出し忘れや置き忘れ等の重大な医療ミスを招く一因となっている。

これらの医療ミスを防ぐため、手術用ガーゼにＩＣチップを取り付けたり金属繊維やＸ線造影糸を織り込んだものも考案されているが、何れも血液等の吸収を阻害し、かつ手術中に検出器を用いて取り出し忘れ等を確認したり、あるいは術後にＸ線撮影等により回収もれの無いことを確認する作業が必要なものである。

また、これらの手術用ガーゼは何れも高価な検出器を必要とするものであり、また、手術中に検出作業を追加しなければならないことから手術時間の延長に繋がったり、あるいは術後に回収もれ等が確認された場合は再手術が必要となるものである。

さらに、１回の手術で多くの枚数のガーゼを消費するため、ＩＣチップを取り付けたり金属繊維やＸ線造影糸を織り込んだものは手術用ガーゼとしては高価なものとなる。

課題を解決するための手段

本考案は前記の課題を解決するため、視認性の高さという手術用ガーゼが本来持つべき最も基本的な機能の向上に着目し、外科用の縫合絹糸が黒色であることからも分かるように、血液等に染まっても識別しやすい黒色の糸を一定間隔で手術用ガーゼに格子状に織り込み、手術を担当する医師や医療スタッフによる視認性を高める。

また、人間や動物の組織や臓器には本来無い格子状のパターンによっても視認性を高める。

さらに、本考案の手術用ガーゼは黒色糸を縦糸と横糸に一定間隔で格子状に編み込んだ単純なものであるため、検出器を用いるタイプのものと比較して安価で提供できる。

手術用ガーゼの縦糸と横糸に一定間隔で黒色の糸を格子状に編み込んだものであり、糸の材質はどんなものでも良い。
例えば綿糸や絹糸などのほか、血液等の吸収性を損なわないものであれば如何なる種類のものでも良い。

黒色糸の編み込み間隔は、幅５ｍｍ〜１ｃｍ前後が適当であるが、視認性を損なわない程度の範囲で自由に選択することが出来る。

また、撚糸機により撚って太くした黒色糸を用いて視認性をさらに高めても良い。

考案の効果

黒色の絹糸等が外科用縫合糸に使用されていることからも分かるように、黒色の糸は血液等に染まっても識別しやすく、外科手術時のガーゼの視認性を高める効果がある。

また、人間や動物の組織や臓器には本来無い格子状のパターンによっても視認性が高まり、手術用ガーゼの取り出し忘れや置き忘れ等の重大な医療ミスを防止する有効な手段となるものである。

本考案の視認性を高めた手術用ガーゼの平面図である。

符号の説明

ａ白色綿糸
ｂ黒色糸