JP3106146U - 二重手袋 - Google Patents

Abstract

【課題】防水性及び防寒性に優れ、清潔さ神聖さ厳粛性を有すると共に、スムーズな装着性と脱着性に優れ、かつ手袋内の細菌による汚染と細菌の繁殖を防止することができる二重手袋を提供する。
【解決手段】外手袋２と内手袋３とからなる二重手袋であって、外手袋２は編成または織成からなる白い繊維性生地である。内手袋３はゴム、合成樹脂フイルムなどの非吸水性材料からなり、差し込み口５で外手袋２と内手３が一体化される。内手袋３の非吸水性材料の内面側に摩擦材を設ける。
【選択図】図１

Description

本考案は、外面を繊維性生地とし、内面を非吸水性材料とした防水、防寒用の二重手袋に関するもので、主として、結婚式場、葬儀会館のスタッフや救急隊員、警察官、駅員、ガードマンなどが着用すると便利な二重手袋に関するものである。

従来、慶弔行事を執り行う人、救急隊員、警察官、駅員、ガードマンなどが着用する手袋は白い繊維性生地の比較的薄い手袋であった。これは、白が清潔、潔白、純真、神聖などを象徴する色とされていると共に、貴い色とされていることから、主として前記のような職業に携わる人が職務に就くときに適する手袋として着用されている。

上記の白い繊維性生地の手袋は、通常、綿や絹などの天然繊維で５本指の手袋状に編み上げられたもの、あるいは編地や織地を５本指の手袋状に裁断して縫製したものが知られている。

この手袋は、薄い編織生地で仕上げられているから、冬期の冷える時に着用しても防寒性には優れず、屋外での仕事が比較的多い救急隊員や警察官、駅員、ガードマンなどが装着するのに適さなかった。また、雨天の場合には繊維性生地が雨水を吸水して染みこんでくるので、手や指が余計に冷くなるといった問題点があった。

一方、例えば、葬儀を執り行う人は、葬儀の厳粛さを高めるため、通常、白い繊維性の手袋を装着して遺体に触れたりしている。しかし、遺体の回りには多くのドライアイスを置いてあることから、ドライアイスから生じる水分で遺体が濡れていることがあり、納棺時などには手袋が吸水し手が濡れると言った問題点があった。

上記のような手が濡れるのを防止するのであれば、ゴム手袋や合成樹脂手袋などの防水手袋を使用すればよいことになるが、それでは清潔性や神聖性などの点で遺族への配慮に欠けると共に厳粛さを損なうことになり適していなかった。

そのため、外側層を軍手布地、中間層をプラスチックまたはゴム製の防水材質、内側層を薄手の織・編布製の三層手袋（例えば、特許文献１）。または、メリヤス表材とメリヤス裏材との間に、合成樹脂フイルムを介在した三層手袋（例えば、特許文献２）。さらに、外側層を綿生地、中間層を塩化ビニル樹脂、内側層をナイロン生地とした三層構造の手袋（例えば、特許文献３）。などが提案されている。
特開平５−６２７０３号公報 特開平８−３１１７０９号公報 実願平２００４−２００２

しかしながら、上記の特許文献１の三層手袋は、雨天時に着用しても雨水が浸透しない利点はあるものの、外側層を軍手布地に形成してあることから、作業用に用いることができても、厳粛さが求められる慶弔行事に着用する手袋としては不適切であった。

また、特許文献２、３の三層手袋は、表生地が濡れても、その濡れが手に伝わらない利点があり、かつ、表材をメリヤス生地で編成されているので、慶弔行事に着用する手袋に適していても、手袋を脱ぐ時に内側生地が手に密着して捲れ出るため再使用できないと言った問題点があった。

本考案は、上記の問題点を解決することを課題として開発されたもので、防水性および防寒性に優れ、清潔さ神聖さ厳粛性を望むことができる二重手袋となり、スムーズな装着性と脱着性に優れ、かつ手袋内の細菌による汚染と細菌の繁殖を防止することができる二重手袋を提供することを目的とするものである。

上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本考案は、外手袋と内手袋とからなる二重手袋であって、外手袋は編成または織成からなる白い繊維性生地であり、内手袋はゴム、合成樹脂フイルムなどの非吸水性材料からなり、差し込み口で外手袋と内手袋が一体化され、内手袋の非吸水性材料の内面側に摩擦材を設けてなる二重手袋を開発し、採用した。

また、上記のように構成した二重手袋において、内手袋の非吸水性材料に抗菌剤を含有してある二重手袋を開発し、採用した。

本考案の二重手袋は、外手袋を白い編織物の繊維性生地で形成し、内手袋を、ゴム、合成樹脂フイルムなどの非吸水性材料で構成してあるから、慶弔時の礼装用手袋として装着すれば、清潔で衛生的、神聖さや厳粛さを損なうことがない。また、仮に雨水や水分等で外手袋が濡れたとしても、内手袋の非吸水性材料で手が濡れることがなく防水性・防寒性に富むと共に、比較的屋外で仕事をすることの多い救急隊員、警察官、駅員、ガードマンなどが着用する手袋に適する。

また、外手袋と内手袋は差し込み口で一体化されていることから、内手袋と外手袋がバラバラになることがなく、手を入れる時に差し込み易い。さらに、外手袋と内手袋は一体化以外はフリーになっているから、指の動きを規制されることがない。

さらに、内手袋の内面側に摩擦材を設けてあるから、手袋を嵌めた時の手に当る感触が良好となると共に、手袋を脱ぐ時に、内手袋が手に密着して抜け出して裏返しになることがなく、スムーズに外すことができる。

また、内手袋の非吸水性材料に抗菌剤を含有してあるから、長く着用していても、手袋内での細菌の繁殖を防止すると共に、付着した細菌を死滅させ極めて衛生的である。

以下に、本考案の実施の形態を添付図面に基づいて説明すれば、１は５本指の二重手袋本体で、外手袋２の内面に内手袋３が嵌った状態の２層構造になっている。

外手袋２は白い色の綿や絹等の天然繊維で５本指の手袋状に編成されている。内手袋３は塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の薄い合成樹脂フイルムまたは天然、合成ゴムシートで構成された５本指の手袋形状に形成されている。４は内手袋３の内面側に繊維粉などで植毛加工を施した摩擦材４であり、装着および脱着が容易にできるようになっている。

５は手袋の差し込み口であり、外手袋２の編成生地の端部を内面に折り返し、その折り返し片２ａの内面に内手袋３の合成樹脂フイルムまたは薄いゴムシートを挟み縫着して一体化してある。

このように構成した実施の形態１の使用状態を作用、効果と共に説明すると、例えば、葬儀時の礼装用手袋として着用すれば、白い編成生地が外手袋になっているから、清潔、潔白、純真、神聖などを象徴し、葬儀を執り行う時の厳粛さを損なうことがなくなり、遺体に触れても不快感が生じることがなくなる。

また、冬期の屋外や雨天時の作業時に着用すれば、内手袋の非吸水性材料の存在により防寒性および防水性に優れ、手を冷やしたり手を濡らすことがない。

さらに、手袋を装着した時には、内手袋の内面の植毛加工を施してあるから、装着感が良いと共に、手から外す時には手に密着することなく、スムーズに外すことができる。

つぎに、図４、図５に示すのは本考案の第２実施の形態を示すもので、前記第１実施の形態と相違するのは、内手袋３の塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の薄い合成樹脂フイルムまたは天然、合成ゴムの薄いシートに抗菌剤６を含有させてある点が相違しているだけで、その他に相違するところはない。したがって、第１実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。

抗菌剤としては、金属イオン系の抗菌剤が適していて、合成ゼオライトに抗菌効果の高い金属イオン、例えば、銀、銅、亜鉛イオンを付与した微粒子を用いるとよい。

そして、合成樹脂フイルムやゴムシートに抗菌剤を含有するには、例えば抗菌剤である金属イオン微粒子を合成樹脂やゴムに金属イオン微粒子を加えて混練し、その混練材料で合成樹脂フイルムあるいはゴムシートを成形すればよい。

この第２実施の形態にしたがえば、前記第１実施の形態と同様の作用効果に加えて、長い着用によって生じる虞のある細菌の汚染と繁殖を防止することができ極めて衛生的になる。

以上、本考案の主要な実施例について説明したが、本考案はこれらの実施例に限定されるものではなく、本考案の目的を達成でき、かつ考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本考案の範囲内に包含されるものである。

本考案は結婚式場、葬儀会館のスタッフや救急隊員、警察官、駅員、ガードマン、医師、看護師、介護師、ホテルのドアボーイ、ゴルフ場のキャデイなどが利用すれば好適である。

本考案の第１実施の１部切欠正面図である。 図１のＡ−Ａ線断面図である。 図１のＢ−Ｂ線拡大断面図である。 本考案の第２実施の正面図である。 図４のＣ−Ｃ線断面図である。

符号の説明

１ 手袋本体
２ 外手袋
３ 内手袋
４ 摩擦材
５ 差し込み口
６ 抗菌剤

Claims (2)

1. 外手袋と内手袋とからなる二重手袋であって、外手袋は編成または織成からなる白い繊維性生地であり、内手袋はゴム、合成樹脂フイルムなどの非吸水性材料からなり、差し込み口で外手袋と内手が一体化され、内手袋の非吸水性材料の内面側に摩擦材を設けてなる二重手袋。
2. 内手袋の非吸水性材料に抗菌剤を含有してある請求項１に記載の二重手袋。