JP3102998B2 - 自動車用コンポーネントの診断装置 - Google Patents

自動車用コンポーネントの診断装置

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JP3102998B2
JP3102998B2 JP06258398A JP25839894A JP3102998B2 JP 3102998 B2 JP3102998 B2 JP 3102998B2 JP 06258398 A JP06258398 A JP 06258398A JP 25839894 A JP25839894 A JP 25839894A JP 3102998 B2 JP3102998 B2 JP 3102998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変速器やエンジン等
の自動車用コンポーネント(以下、単にコンポーネント
という)から発生する音を検出してコンポーネントの異
常を検出する自動車用コンポーネントの診断装置に関
し、特に異常診断の信頼性を向上させた自動車用コンポ
ーネントの診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、大量生産される自動車に搭載す
るコンポーネントは、生産段階で不良チェックが行わ
れ、不良品の市場流出を防止する必要がある。なぜな
ら、たとえば部品の加工不良や組立不良等に起因する不
良品のコンポーネントを自動車に搭載して使用すると、
コンポーネントから異常騒音が発生するうえ、コンポー
ネントの故障等を引き起こし、さらに、故障に起因して
重大な事故を招く危険性があるからである。
【0003】したがって、コンポーネントに不良品が生
じた場合に対処するため、自動車に搭載する前の段階に
おいて、コンポーネントの異常を検出してあらかじめ処
置を施す必要がある。以上のことは、コンポーネント生
産の品質管理上きわめて重要なことである。
【0004】図20はたとえば社団法人自動車技術会、
振動騒音部門委員会編集による「くるまの擬音調査報
告、乗用車騒音を主体として、1992年3月」(19
92年4月1日発行)に記載された従来の自動車用コン
ポーネントの診断装置を示すブロック図である。図にお
いて、1は自動車用のコンポーネントたとえば変速機で
あり、以下の要素2〜6により構成されている。
【0005】2はたとえば出力軸となる第1の軸、3は
第1の軸2に回転力を伝達するための第2の軸、4は第
1の軸2および第2の軸3とを異なるギヤ比で係合させ
る複数の歯車である。5はたとえば入力軸に対応して設
けられたクラッチであり、入力軸と第2の軸3との係合
を選択的に解除する。6はマニュアル操作により変速機
1の歯車4を選択する変速機構(シフトレバーに相当)
である。
【0006】7は第1の軸2〜変速機構6からなる変速
機1から発生する音Sを検出して検出音Sに応じた電気
信号Eを出力するマイクロホン、9は電気信号Eを増幅
する増幅器、10は増幅された電気信号Eのうちの検出
対象となる所定周波数成分を通過させるフィルタ、11
はフィルタ10を介した電気信号Eから音圧Pを演算す
る音圧演算装置である。
【0007】12は音圧演算装置11により演算された
音圧Pをアナログ信号からディジタル信号に変換するA
D変換器、13はディジタル変換された音圧Pに基づい
て変速機1の異常を判定するCPU(中央演算装置)、
14は音圧演算装置11から出力される音圧Pに応じて
AD変換器12の最適レンジを設定する自動レンジ切り
替え装置、15はCPU13の判定結果を表示またはプ
リントする出力装置である。
【0008】また、騒音を発生する自動車用コンポーネ
ントとしては、変速機1のみならず、たとえばエンジン
などもあげられる。図21は一般的な自動車用エンジン
(以下、単にエンジンという)を示す構成図であり、3
1は以下の32〜36の要素からなるエンジンである。
【0009】32は燃料混合気の燃焼により回転駆動さ
れるクランク軸、33はクランク軸32に連結され燃料
混合気の爆発時に圧し下げられるピストン、34は燃料
混合気の吸気時および燃焼後の排気ガスの排気時に開閉
されるバルブ、35はクランク軸32が2回転する間に
1回転するカム、36はカム軸35に固定されてバルブ
34等の駆動タイミングを制御するカムである。図21
のようなエンジン31に対しても、図20内のマイクロ
ホン7〜出力装置15からなる診断装置が設けられ得
る。
【0010】次に、コンポーネントとして変速機1の場
合を例にとり、図20に示した従来の自動車用コンポー
ネントの診断装置の動作について説明する。まず、変速
機1の不良チェック時に際して変速機1を運転すると、
クラッチ5の操作により入力軸と係合された第2の軸3
は、変速機構6で選択された歯車4を介して第1の軸2
に回転力を伝達する。このとき、変速機1から発生する
音Sは、マイクロホン7により検出されて電気信号Eに
変換され、電気信号Eは、増幅器9を介して適当な利得
を得るとともに、フィルタ10を介して適当な周波数帯
域が抽出された後、音圧演算装置11に入力される。
【0011】音圧演算装置11は電気信号Eに基づいて
音圧Pの実効値を計算し、AD変換器12は、音圧Pを
ディジタルデータに変換してCPU13に転送する。こ
のとき、自動レンジ切り替え装置14は、AD変換器1
2において最適なAD変換を実行するために、レンジを
自動的に切り換える。
【0012】CPU13は、AD変換器12から転送さ
れた音圧Pを示すディジタルデータと、CPU13内に
あらかじめ設定された基準実効値(異常判定基準)とを
比較し、音圧Pが基準実効値を越えた場合に変速機1に
異常があると判断し、異常判定結果を出力装置15に出
力する。これにより、観測者は、変速機1の異常を認識
し、変速機1を自動車に搭載する前に異常に対処するこ
とができる。
【0013】しかしながら、変速機1から発生する音S
の実効値は、正常状態時と異常状態時との差が微少であ
る。また、変速機1の正常状態時の発生音Sの実効値が
異常状態時の実効値を越える場合もあり得る。したがっ
て、図20の構成では、変速機1の正常状態または異常
状態を正確に区別することは困難である。また、コンポ
ーネントとして、エンジン31(図21参照)を対象と
した場合も同様である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車用コンポ
ーネントの診断装置は以上のように、変速機1から発生
する音Sの実効値が一定の警報値(基準実効値)を越え
た場合に限り異常を判定しているので、発生音Sの実効
値の正常状態時と異常状態時との差が微少であるうえ、
正常状態時の実効値が異常状態時の実効値を越える場合
もあり得ることから、正確に異常を判定することができ
ないという問題点があった。
【0015】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、コンポーネントからの発生音の
正常状態と異常状態とにおける微少な差を判別して、異
常診断の信頼性を向上させた自動車用コンポーネントの
診断装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る自動車用コンポーネントの診断装置は、自動車用コン
ポーネントから発生する音を検出して音に応じた電気信
号を出力するマイクロホンと、電気信号に基づいて自動
車用コンポーネントの異常を検出する異常検出処理装置
とを備え、異常検出処理装置は、電気信号の歪度を演算
する歪度演算手段と、歪度を基準値と比較する比較手段
とを含み、比較手段の比較結果に基づき、歪度が基準値
に対して所定の関係を越えたときに警報を出力するもの
である。
【0017】また、この発明の請求項2に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、自動車用コンポーネント
から発生する音を検出して音に応じた電気信号を出力す
るマイクロホンと、電気信号に基づいて自動車用コンポ
ーネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、
異常検出処理装置は、電気信号の尖度を演算する尖度演
算手段と、尖度を基準値と比較する比較手段とを含み、
比較手段の比較結果に基づき、尖度が基準値に対して所
定の関係を越えたときに警報を出力するものである。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】また、この発明の請求項3に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、自動車用コンポーネント
から発生する音を検出して音に応じた電気信号を出力す
るマイクロホンと、電気信号に基づいて自動車用コンポ
ーネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、
異常検出処理装置は、電気信号の確率密度分布関数を演
算する確率密度分布関数演算手段と、確率密度分布関数
基準値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力す
るものである。
【0025】また、この発明の請求項4に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、自動車用コンポーネント
から発生する音を検出して音に応じた電気信号を出力す
るマイクロホンと、電気信号に基づいて自動車用コンポ
ーネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、
異常検出処理装置は、電気信号の確率密度分布関数を演
算する確率密度分布関数演算手段と、確率密度分布関数
とあらかじめ求められた基準データとの偏差を演算する
偏差演算手段と、偏差のカルバック情報量を求めるカル
バック情報量演算手段と、カルバック情報量を基準値と
比較する比較手段とを含み、比較手段の比較結果に基づ
き、カルバック情報量が基準値に対して所定の関係を越
えたときに警報を出力するものである。
【0026】
【0027】
【0028】また、この発明の請求項5に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、自動車用コンポーネント
から発生する音を検出して音に応じた電気信号を出力す
るマイクロホンと、電気信号に基づいて自動車用コンポ
ーネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、
異常検出処理装置は、電気信号の確率密度分布関数を演
算する確率密度分布関数演算手段と、確率密度分布関数
とあらかじめ求められた基準データとの偏差を演算する
偏差演算手段と、偏差の歪度を求める歪度演算手段と、
歪度を基準値と比較する比較手段とを含み、比較手段の
比較結果に基づき、歪度が基準値に対して所定の関係を
越えたときに警報を出力するものである。
【0029】また、この発明の請求項6に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、自動車用コンポーネント
から発生する音を検出して音に応じた電気信号を出力す
るマイクロホンと、電気信号に基づいて自動車用コンポ
ーネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、
異常検出処理装置は、電気信号の確率密度分布関数を演
算する確率密度分布関数演算手段と、確率密度分布関数
とあらかじめ求められた基準データとの偏差を演算する
偏差演算手段と、偏差の尖度を求める尖度演算手段と、
尖度を基準値と比較する比較手段とを含み、比較手段の
比較結果に基づき、尖度が基準値に対して所定の関係を
越えたときに警報を出力するものである。
【0030】また、この発明の請求項7に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、請求項3から請求項6
でのいずれかにおいて、基準データは、自動車用コンポ
ーネントが正常状態のときに得られる電気信号に基づい
て設定されるものである。
【0031】また、この発明の請求項8に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、請求項1から請求項7
でのいずれかにおいて、基準値は、自動車用コンポーネ
ントが正常状態のときに得られる電気信号に基づいて設
定されるものである。
【0032】また、この発明の請求項9に係る自動車用
コンポーネントの診断装置は、請求項1から請求項8
でのいずれかにおいて、自動車用コンポーネントとして
自動車用変速機または自動車エンジンを対象としたもの
である。
【0033】
【作用】この発明の請求項1においては、マイクロホン
により検出されたコンポーネント発生音の電気信号の歪
度を演算し、歪度が基準値に対して所定の関係を越えた
ときに警報を出力する。これにより、検出音が正常状態
で存在する音のみであれば、歪度が正常値に近くなるた
め、警報が誤出力されることはない。
【0034】また、この発明の請求項2においては、マ
イクロホンにより検出されたコンポーネント発生音の電
気信号の尖度を演算し、尖度が基準値に対して所定の関
係を越えたときに警報を出力する。これにより、検出音
が正常状態で存在する音のみであれば、尖度が正常時に
近くなるため、警報が誤出力されることはない。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】また、この発明の請求項3においては、マ
イクロホンにより検出されたコンポーネント発生音の電
気信号の確率密度分布関数を演算するとともに、確率密
度分布関数とあらかじめ求められた基準データとの偏差
のフラクタル次元を演算し、フラクタル次元が基準値に
対して所定の関係を越えたときに警報を出力する。これ
により、検出音が正常状態で存在する音のみであれば、
偏差のフラクタル次元が正常値に近くなり、警報が誤出
力されることはない。
【0042】また、この発明の請求項4においては、マ
イクロホンにより検出されたコンポーネント発生音の電
気信号の確率密度分布関数を演算するとともに、確率密
度分布関数とあらかじめ求められた基準データとの偏差
のカルバック情報量を演算し、カルバック情報量が基準
値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力する。
これにより、検出音が正常状態で存在する音のみであれ
ば、偏差のカルバック情報量が正常値に近くなり、警報
が誤出力されることはない。
【0043】
【0044】
【0045】また、この発明の請求項5においては、マ
イクロホンにより検出されたコンポーネント発生音の電
気信号の確率密度分布関数を演算するとともに、確率密
度分布関数とあらかじめ求められた基準データとの偏差
の歪度を演算し、歪度が基準値に対して所定の関係を越
えたときに警報を出力する。これにより、検出音が正常
状態で存在する音のみであれば、偏差の歪度が正常値に
近くなり、警報が誤出力されることはない。
【0046】また、この発明の請求項6においては、マ
イクロホンにより検出されたコンポーネント発生音の電
気信号の確率密度分布関数を演算するとともに、確率密
度分布関数とあらかじめ求められた基準データとの偏差
の尖度を演算し、尖度が基準値に対して所定の関係を越
えたときに警報を出力する。これにより、検出音が正常
状態で存在する音のみであれば、偏差の尖度が正常値に
近くなり、警報が誤出力されることはない。
【0047】また、この発明の請求項7においては、自
動車用コンポーネントが正常なときに得られる発生音の
電気信号に基づいて基準データを設定し、コンポーネン
トの異常判定を確実にする。
【0048】また、この発明の請求項8においては、自
動車用コンポーネントが正常なときに得られる発生音の
電気信号に基づいて基準値を設定し、コンポーネントの
異常判定を確実にする。
【0049】また、この発明の請求項9においては、自
動車用コンポーネントとして変速機またはエンジンを対
象とし、変速機またはエンジンの異常判定の信頼性を向
上させる。
【0050】
【実施例】以下、この発明の実施例1〜実施例14を図
について説明する。図1はこの発明の実施例1〜実施例
14を示すブロック図であり、図において、1〜7、
9、10、12、SおよびEは前述と同様のものであ
る。以下、前述と同様に、騒音を発生するコンポーネン
トとして、変速機1を対象とした場合を例にとって説明
する。なお、図1はコンポーネント診断装置全体の概略
構成を示しており、請求項1〜請求項9の全てに対応す
る。
【0051】Yi(i=1、2、…、N)はマイクロホ
ン7で検出された音Sの電気信号Eの電圧レベルに相当
する時系列的なデータ(以下、列データという)であ
り、増幅器9、フィルタ10およびAD変換器12を介
してディジタルデータとなっている。
【0052】20は列データYiに対して種々の演算処
理を行うCPUで構成された異常検出処理装置であり、
マニュアル操作等に基づく外部指令によって切り替えら
れる二つの動作態様(基準値または基準データの設定モ
ードおよび変速機1の診断モード)を有する。
【0053】異常検出処理装置20は、変速機1の診断
時において、検出音Sの電気信号Eを示す列データYi
を取り込み、列データYiの性質を示す指標的なデータ
(後述する)を演算する。また、この診断時データと、
変速機1が正常なときに得られた列データYiに基づく
データ(あらかじめ求められた基準値または基準データ
等)とを比較し、この比較結果に基づいて、診断時デー
タが基準値に対して所定の関係を越えたときに変速機1
の異常を判定し、警報Aを発生するようになっている。
【0054】実施例1.(請求項1、請求項8および請
求項9に対応) 図2はこの発明の実施例1による異常検出処理装置20
の構成を示す機能ブロック図であり、21は列データY
iから電気信号Eの歪度μ3を演算する歪度演算器、
は基準値設定モードにおいて歪度演算器21から出力
される歪度を基準値μ3rとして記憶する歪度設定器、
23は変速機1の診断モードにおいて歪度演算器21か
ら出力される歪度μ3と歪度設定器22からの基準値μ
3rとを比較する比較器、24は比較器23の比較結果
に基づいて警報Aを発生する警報器である。
【0055】なお、図2において、破線からなる矢印
は、基準値設定モードにおける各信号の流れを示し、実
線からなる矢印は、コンポーネント診断モードにおける
各信号の流れを示す。このことは、後述する各図面にお
いても同様である。異常検出処理装置20内の歪度演算
器21は、以下のように、式(1)から求められる平均
値μ1と式(2)から求められる分散値μ2とを用い
て、式(3)により歪度μ3を演算する。
【0056】 μ1=(1/N)Σ(Yi) …(1) μ2=√{(1/N)Σ(Yi−μ1)2} …(2) μ3=(1/N)・{1/(μ2)3}Σ(Yi−μ1)3 …(3)
【0057】上記各式(1)〜(3)の総和項(Σ)に
おいて、列データYiは、i=0、1、…、N−1、に
関して加算される。
【0058】次に、図1および図2を参照しながら、こ
の発明の実施例1の動作について説明する。まず、AD
変換器12は、増幅器9およびフィルタ10を介して出
力される電気信号Eを等時間間隔毎にサンプリングし、
時系列的なN個の列データYi(i=1、2、…、N)
を出力する。
【0059】続いて、異常検出処理装置20内の歪度演
算器21は、列データYiに対して式(1)〜(3)の
演算を行い、電気信号Eの歪度μ3を計算する。このと
き、変速機1の正常状態時に(または、正常サンプルと
なる変速機1を用いて)あらかじめ行われる基準値設定
モードにおいては、歪度演算器21で演算された歪度μ
3は、図2内の破線で示すように、歪度設定器22に出
力され、歪度設定器22内に基準値μ3rとして格納さ
れる。
【0060】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、演算器21で演算された歪度μ3は、図2内の実線
で示すように比較器23に出力される。これにより、比
較器23は、診断モード時に歪度演算器21から出力さ
れる歪度μ3と、設定器22に格納された基準値μ3r
とを比較し、歪度μ3が基準値μ3rに対して所定の関
係(たとえば、基準値μ3rの3倍)を越えたとき、異
常を示す比較結果を出力する。この比較結果を受けて、
警報器24は警報Aを発生する。
【0061】なお、コンポーネント診断モードにおける
上記一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返さ
れる。このように、正常状態の変速機1からの電気信号
Eに基づいて基準値設定モードの動作をあらかじめ実行
し、基準値μ3rを格納しておき、その後、コンポーネ
ント診断時に診断モードの動作を実行し、診断対象とな
る各変速機1からの発生音Sの性質を示す歪度μ3を逐
次求め、この歪度μ3と正常時の基準値μ3rとを比較
する。
【0062】これにより、診断モードにおける検出音S
が変速機1の異常を示し、基準値μ3rに対する歪度μ
3の違いが大きい(所定の関係を越えた)場合には、警
報器24は異常を示す警報Aを確実に発生することがで
きる。一方、診断モードにおける検出音Sが変速機1の
正常状態を示すものであれば、歪度μ3は基準値μ3r
(正常時のもの)と同等となり、警報器24が警報Aを
発生することはない。
【0063】上記のような歪度μ3に基づく診断は、た
とえば変速機1のケーシングに可動部が当たっている場
合等のように、列データYiの確率密度分布(後述す
る)に対する偏差に異常の特徴が現れる場合に特に有効
である。したがって、式(3)のように、比較的簡単な
処理で診断結果を求めることができる。
【0064】実施例2.(請求項2、請求項8および請
求項9に対応) なお、上記実施例1では、検出音Sの電気信号Eに相当
する列データYiの性質を示す指標的なデータとして歪
度μ3を用いたが、列データYiの尖度を用いてもよ
い。
【0065】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
尖度を用いたこの発明の実施例2を図について説明す
る。図3はこの発明の実施例2による異常検出処理装置
20の構成を示す機能ブロック図であり、21A〜24
Aは前述の歪度演算器21〜警報器24にそれぞれ対応
しており、YiおよびAは前述と同様のものである。
【0066】21Aは列データYiから電気信号Eの尖
度μ4を演算する尖度演算器、22Aは基準値設定モー
ドにおいて尖度演算器21Aから出力される尖度μ4を
基準値μ4rとして記憶する尖度設定器、23Aは尖度
演算器21Aから出力される尖度μ4と尖度設定器22
A内の基準値μ4rとを比較する比較器、24Aは比較
器23Aの比較結果に基づいて警報Aを発生する警報器
である。
【0067】この場合、尖度演算器21Aは、上述の式
(1)から求められる平均値μ1と式(2)から求めら
れる分散値μ2とを用いて、以下の式(4)により尖度
μ4を演算する。
【0068】 μ4=(1/N){1/(μ2)4}Σ{(Yi−μ1)4}−3 …(4)
【0069】上記式(4)の総和項(Σ)において、列
データYiは、i=0、1、…、N−1、に関して加算
される。次に、図1および図3を参照しながら、この発
明の実施例2の動作について説明する。まず、前述と同
様に、AD変換器12は時系列的なN個の列データYi
を出力する。
【0070】続いて、異常検出処理装置20内の尖度演
算器21Aは、列データYiに対して上記式(1)およ
び(2)とともに(4)の演算を行い、電気信号Eの尖
度μ4を計算する。このとき、基準値設定モードにおい
ては、尖度演算器21Aで演算された尖度μ4は、図3
内の破線で示すように、尖度設定器22Aに出力され、
尖度設定器22A内に基準値μ4rとして格納される。
【0071】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、演算器21Aで演算された尖度μ4は、図3内の実
線で示すように比較器23Aに出力される。これによ
り、比較器23Aは、診断モード時に尖度演算器21A
から出力される尖度μ4と、設定器22Aに格納された
基準値μ4rとを比較し、尖度μ4が基準値μ4rに対
して所定の関係(たとえば、基準値μ4rの3倍)を越
えたとき、異常を示す比較結果を出力する。この比較結
果を受けて、警報器24Aは警報Aを発生する。コンポ
ーネント診断モードにおける上記一連の動作は、たとえ
ば一定のサイクルで繰り返される。
【0072】このように、正常状態の変速機1からの電
気信号Eに基づき基準値設定モードの動作をあらかじめ
実行して基準値μ4rを格納した後、診断モードの動作
を実行し、変速機1からの発生音Sの性質を示す尖度μ
4を逐次求め、この尖度μ4と正常時の基準値μ4rと
を比較する。
【0073】これにより、診断時における検出音Sが変
速機1の異常を示し、基準値μ4rに対する尖度μ4の
違いが大きい(所定の関係を越えた)場合には、警報器
24Aは異常を示す警報Aを確実に出力することができ
る。一方、診断時における検出音Sが変速機1の正常状
態を示すものであれば、尖度は基準値μ4r(正常時の
もの)と同等となり、警報器24Aが警報Aを発生する
ことはない。
【0074】このような尖度μ4に基づく診断は、たと
えば変速機1内の歯車4のギア欠損やギア偏心等の場合
のように、列データYiの確率密度分布(後述する)の
尖りや広がりに異常の特徴が現れる場合に特に有効であ
る。したがって、式(4)のように、比較的簡単な処理
で診断結果を求めることができる。
【0075】実施例3.なお、 上記実施例2では、検出音Sの電気信号Eに相当
する列データYiの性質を示す指標的なデータとして尖
度μ4を用いたが、列データYiを統計処理して得られ
る列データYiの確率密度分布関数を用いてもよい。こ
の場合、単に列データYiの電圧レベルに基づく歪度μ
3(実施例1)または尖度μ4(実施例2)を用いた場
合よりも、診断結果の信頼性が向上する。
【0076】以下、電気信号Eの指標的なデータとし
て、列データYiの確率密度分布関数およびこれをニュ
ーラルネットワークに学習させた値を用いたこの発明の
実施例3を図について説明する。図4はこの発明の実施
例3による異常検出処理装置20の構成を示す機能ブロ
ック図であり、23Bおよび24Bは前述の比較器23
Aおよび警報器24Aにそれぞれ対応しており、Yiお
よびAは前述と同様のものである。
【0077】25は列データYiから電気信号Eの確率
密度分布関数F1を演算する確率密度分布関数演算器で
ある。26は確率密度分布関数F1の形状をニューラル
ネットワークの学習値N1として演算するニューラルネ
ットワーク演算器であり、ニューラルネットワークによ
る適合度「0〜1」を学習値N1として出力する。27
は基準値設定モードにおいてニューラルネットワーク演
算器26から出力される学習値N1(0〜1)を基準値
N1rとして格納する基準値設定器である。
【0078】23Bはニューラルネットワーク演算器2
6から出力される学習値N1と基準値設定器22A内の
基準値N1rとを比較する比較器、24Bは比較器23
Aの比較結果に基づいて警報Aを発生する警報器であ
る。
【0079】確率密度分布関数演算器25は、各振幅値
の分布(一つの不規則波形の振幅が或る時刻にどのよう
な値で表れるか等を示す確率)を表わす周知の関数を、
確率密度分布関数F1として演算する。確率密度分布関
数F1は、たとえば振幅(電圧レベルに相当する)や周
波数のカウント数などの、列データYiに関する種々の
時系列的な分布特性に基づいて求められ得る。
【0080】確率密度分布関数演算器25は、列データ
Yiをディジタル的に処理しているので、振幅の範囲を
たとえば等間隔に分割し、各分割範囲毎に振幅値が入る
確率を求める。これにより、確率密度分布関数F1のデ
ータは、振幅範囲の分割数に対応したデータ列となり、
具体的には、たとえば列データYiの中に各分割範囲に
属するデータがいくつ存在するかの割合として求められ
る。
【0081】また、ニューラルネットワーク演算器26
は、与えられた入力データ、出力データ(教師信号)の
対に関して、シグモイド特性を有するユニットで構成さ
れる多層ネットワークと、誤差逆伝搬学習法と称される
周知の手法とを用いて、学習の誤差評価関数を考え、こ
の誤差評価関数を最小化する結合重みを勾配法で求めた
ものをニューラルネットワークの学習値N1として演算
する。
【0082】図5は確率密度分布関数F1を求めるため
に用いられる基準信号例を示す説明図であり、横軸は時
間t、縦軸は列データYiに基づく各時間毎の所定振幅
等のカウント数である。カウント数は、上述したように
種々の要素からなり得る。
【0083】図6は図5の基準信号に基づいて求められ
る確率密度分布関数F1を示す説明図であり、横軸はカ
ウント数、縦軸は各カウント数毎の出現個数である。こ
こでは、基準(正常)値N1rに対応する確率密度分布
関数F1として、カウント数「100」の個数が「5
0」、カウント数「90」の個数が「10」の場合を示
す。
【0084】次に、図1および図4〜図6を参照しなが
ら、この発明の実施例3の動作について説明する。ま
ず、AD変換器12からの時系列的なN個の列データY
iに基づいて、確率密度分布関数演算器25は、列デー
タYiに対する確率密度分布関数F1を計算する。続い
て、ニューラルネットワーク演算器26は、確率密度分
布関数F1の形状を学習してあらかじめ構築されたニュ
ーラルネットワークを用い、ニューラルネットワークに
よる適合度を表わす学習値N1(0〜1)を演算する。
【0085】基準値設定モードにおいて、ニューラルネ
ットワーク演算器26からの学習値N1は、図4内の破
線で示すように基準値設定器27に入力され、基準値N
1rとして格納される。一方、コンポーネント診断モー
ドにおいては、学習値N1は図4内の実線で示すように
比較器23Bに出力される。
【0086】比較器23Bは、診断モード時に演算され
た学習値N1と正常時に演算された基準値N1rとを比
較し、診断時の学習値N1が基準値N1rのたとえば1
/2倍を下回った(適合度が1/2以下)とき、警報器
24Bに異常を示す比較結果を出力し、この比較結果を
受けて警報器24Bは警報Aを発生する。前述と同様
に、コンポーネント診断モードにおける上記一連の動作
は、たとえば一定のサイクルで繰り返される。
【0087】このように、正常時の変速機1からの発生
音S(電気信号E)に基づいて基準値N1rをあらかじ
め格納しておき、その後、診断時の変速機1からの電気
信号Eの適合度を示す学習値N1を逐次求め、学習値N
1と基準値N1rとを比較することにより、学習値N1
が変速機1の異常を示す(学習値N1の基準値N1rに
対する違いが所定の関係を越える)場合に警報Aを確実
に出力することができる。
【0088】一方、診断時における検出音Sが変速機1
の正常状態を示すものであれば、学習値N1は基準値N
1rと同等となり、警報器24Bが警報Aを発生するこ
とはない。また、このようなニューラルネットワークに
よる学習値N1に基づく診断は、確率密度分布関数F1
からニューラルネットワークを学習するのみで信号処理
を行うことができるため、信号処理や算出方法を事前に
決定する必要がなく、演算を簡略化することができる。
【0089】実施例4.なお、 上記実施例3では、検出音Sの電気信号Eに相当
する列データYiの性質を示す指標的なデータとして、
列データYiの確率密度分布関数F1に基づくニューラ
ルネットワークによる学習値N1を用いたが、確率密度
分布関数F1に基づくファジールールによる特徴(メン
バーシップ関数内の基準値)を用いてもよい。
【0090】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1に基づくファジールールの特徴を
用いたこの発明の実施例4を図について説明する。図7
はこの発明の実施例4による異常検出処理装置20の構
成を示す機能ブロック図であり、23C、24C、26
Cおよび27Cは、前述の比較器23B、警報器24
B、ニューラルネットワーク演算器26および基準値設
定器27にそれぞれ対応しており、25、YiおよびA
は前述と同様のものである。
【0091】図7において、26Cは確率密度分布関数
F1のファジールールによる特徴F2を数値化して出力
する特徴抽出器、F2aは基準値設定モードにおいて外
部から与えられるメンバーシップ基準関数、27Cは基
準値設定モードでの特徴(数値)F2とメンバーシップ
基準関数F2aとに基づくメンバーシップ関数F2rを
ファジールールの基準値として格納するメンバーシップ
関数設定器である。
【0092】この場合、比較器23Cは、特徴抽出器2
6Cからファジールールにより記号化されて出力される
特徴F2と、ファジールールを実行するためのメンバー
シップ関数F2rと比較する。また、警報器24Cは、
比較器23Cからの比較結果に基づいて警報Aを発生す
る。
【0093】図8および図9は確率密度分布関数F1
(図6参照)に基づいて得られるファジールールのメン
バーシップ関数の一例を示す説明図であり、それぞれ、
横軸はカウント数(90および100)に対する個数、
縦軸は正常または異常を判定するためのメンバーシップ
関数値(0〜1)である。ここでは、メンバーシップ関
数値が0〜0.5のときに異常と判定され、0.5〜1
のときに正常と判定される。
【0094】図8はカウント数が「90」の場合のメン
バーシップ関数F2r(90)を示し、図6から明らか
なように、個数が「10」のときにメンバーシップ関数
値は最大値「1」となる。また、図9はカウント数が
「100」の場合のメンバーシップ関数F2r(10
0)を示し、個数が「50」のときにメンバーシップ関
数値は最大値「1」となる。
【0095】各メンバーシップ関数F2rは、たとえば
メンバーシップ基準関数F2aに対してファジールール
による特徴F2を付加することによって得られる。な
お、個数からなる特徴F2は、たとえば適当な振幅エネ
ルギ領域の確率密度の数値として表わされるが、必要に
応じて任意の数値が選択され得る。また、メンバーシッ
プ基準関数F2aも、図8および図9の形状に限らず任
意に選択され得る。
【0096】次に、図1および図7〜図9を参照しなが
ら、この発明の実施例4の動作について説明する。ま
ず、AD変換器12からの時系列的なN個の列データY
iに基づいて、確率密度分布関数演算器25は、列デー
タYiに対する確率密度分布関数F1を計算する。続い
て、特徴抽出器26Cは、確率密度分布関数F1の特徴
F2を抽出する。
【0097】特徴F2は、基準値設定モードにおいて
は、図7内の破線で示すように、メンバーシップ関数設
定器27Cに入力され、メンバーシップ基準関数F2a
とともに基準値F2rとして格納される。一方、コンポ
ーネント診断モードにおいては、特徴F2は、実線で示
すように比較器23Cに出力される。
【0098】すなわち、コンポーネント診断モードにお
いて、確率密度分布関数演算器25により演算される確
率密度分布関数F1は、特徴抽出器26Cに出力され、
たとえば、カウント数「100」および「90」に対す
る個数データ(図6参照)が特徴F2として抽出され
る。
【0099】こうして抽出された特徴F2は、比較器2
3Cにおいて、メンバーシップ関数設定器27C内に格
納されたメンバーシップ関数F2r(90)(図8参
照)およびF2r(100)(図9参照)に対する適合
度を比較する。このとき、図8および図9のように、正
常な基準信号(図5参照)の確率密度分布関数F1から
得られたメンバーシップ関数F2r(90)およびF2
r(100)の個数(横軸)の中心(正常時の特徴F
2)は、それぞれ、「10」および「50」である。
【0100】いま、診断対象となる変速機1の発生音S
の確率密度分布関数F1から抽出された特徴F2が、カ
ウント数「90」に対する個数「8」、カウント「10
0」に対する個数「49」、を示したとする。これらの
個数「8」および「49」を図8および図9の各メンバ
ーシップ関数F2r(90)およびF2r(100)上
で比較すると、関数値は、それぞれ、「0.8」および
「0.95」となる。
【0101】したがって、0.5<メンバーシップ関数
F2r(90)の値≦1.0、および、0.5<メンバ
ーシップ関数F2r(100)の値≦1.0、を同時に
満たすため、診断対象となる変速機1は正常と判定され
る。これに反して、少なくとも一方のメンバーシップ関
数値が0.5以下となった場合には、診断対象となる変
速機1は異常と判定され、比較器23Cからの異常判定
結果に応答して、警報器24Cから警報Aが発生され
る。
【0102】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返され
る。このため、正常な状態の変速機1を用いて基準設定
モードの動作をあらかじめ実行しておき、その後の判定
時においてコンポーネント診断モードの動作を実行すれ
ば、各変速機1の発生音Sの性質を示す適合度が逐次求
められて正常時と比較され、正常時との違いが大きい場
合には警報Aが出力されることになる。
【0103】したがって、判定時における発生音Sが変
速機1の異常を示すものであれば、警報Aが出力される
が、正常な状態を示す発生音であれば適合度は正常時の
ものと同等となり、警報Aは出力されない。
【0104】また、ファジールールにあてはめたメンバ
ーシップ関数F2rにより論理的な信号処理や判定が行
われるため、さらに信頼性を向上させることができる。
また、特徴F2として、カウント数「90」および「1
00」に対する個数を抽出したが、任意の特徴を抽出す
ることができ、抽出数も任意に選択可能であることは言
うまでもない。
【0105】実施例5.なお、 上記実施例4では、検出音Sの電気信号Eに相当
する列データYiの性質を示す指標的なデータとして、
列データYiの確率密度分布関数F1に基づくメンバー
シップ関数F2rを用いたが、確率密度分布関数F1の
波形特徴(たとえば、電圧レベル、ピーク値、周波数、
うねり、またはピッチ等の複数の項目からなる)をパタ
ーンの基準値として用いてもよい。
【0106】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の波形特徴(パターンの基準値)
を用いたこの発明の実施例5を図について説明する。図
10はこの発明の実施例5による異常検出処理装置20
の構成を示す機能ブロック図であり、23D、24D、
26Dおよび27Dは、図7内の比較器23C、警報器
24C、特徴抽出器26Cおよびメンバーシップ関数設
定器27Cにそれぞれ対応しており、25、Yiおよび
Aは前述と同様のものである。
【0107】図10において、26Dは確率密度分布関
数F1の波形特徴F3を抽出する波形特徴抽出器、27
Dは基準設定モードにおいて正常な変速機1から得られ
る波形特徴F3を基準値F3rとして格納しておく基準
値設定器、23Dは診断モードにおいて得られる波形特
徴F3を基準値F3rと比較する比較器、24Dは比較
器23Dの比較結果に基づいて警報Aを発生する警報器
である。
【0108】なお、波形特徴F3は、振幅、カウント数
および周波数等の種々の項目を含み得るが、たとえば、
確率密度分布関数F1の波形を平滑化した波形として表
わすこともできる。また、基準値F3rは、前述のメン
バーシップ基準関数F2rのように、基準設定モードに
おいて外部から与えられてもよい。
【0109】次に、図1および図10を参照しながら、
この発明の実施例5の動作について説明する。まず、基
準設定モードにおいては、正常な変速機1から得られた
列データYiに基づいて、確率密度分布関数演算器25
は確率密度分布関数F1を演算し、波形特徴抽出器26
Dは波形特徴F3を抽出する。抽出された波形特徴F3
は、破線のように、基準値設定器27Dに基準値F3r
として格納される。
【0110】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、確率密度分布関数F1から抽出された波形特徴F3
は、比較器23Dにおいて基準値F3rと適合度が比較
される。診断対象となる変速機1は、基準値F3rに対
する波形特徴F3の適合度が高ければ正常と判定され、
適合度が低ければ異常と判定されて警報器24Dから警
報Aが発生される。この診断方法は、確率密度分布関数
F1の波形特徴に特定のパターンとして異常の特徴が現
れる場合に有効である。
【0111】実施例6.なお、 上記実施例5では、検出音Sの電気信号Eに相当
する列データYiの性質を示す指標的なデータとして、
列データYiの確率密度分布関数F1の波形特徴F3を
基準値F3rとして用いたが、診断の信頼性をさらに向
上させるために、確率密度分布関数F1の基準データに
対する偏差を用いて正規化してもよい。この場合、演算
された偏差は、ニューラルネットワークに学習された基
準値と比較されることになる。
【0112】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の基準データに対する偏差を用い
たこの発明の実施例6を図について説明する。図11は
この発明の実施例6による異常検出処理装置20の構成
を示す機能ブロック図であり、23E、24E、26E
および27Eは、図4内の比較器23B、警報器24
B、ニューラルネットワーク演算器26および基準値設
定器27にそれぞれ対応しており、25、YiおよびA
は前述と同様のものである。
【0113】図11において、28は基準設定モードに
おいて確率密度分布関数演算器25から出力される確率
密度分布関数F1を基準データF1rとして格納する基
準データ設定器、29は確率密度分布関数F1を表わす
列データと基準データF1rとの偏差ΔFを計算する減
算器からなる偏差演算器である。
【0114】26Eは偏差演算器29の計算結果(列デ
ータ)の形状を学習するニューラルネットワーク演算
器、27Eは基準設定モードにおいてニューラルネット
ワーク演算器26Eから出力される0〜1の学習値N2
を基準値N2rとして格納する基準値設定器、23Eは
ニューラルネットワーク演算器26Eから出力される学
習値N2(0〜1)を基準値設定器27E内の基準値N
2rと比較する比較器、24Eは比較器23Eの比較結
果に基づいて警報Aを発生する警報器である。
【0115】次に、図1および図11を参照しながら、
この発明の実施例6の動作について説明する。まず、確
率密度分布関数演算器25は、列データYiに基づく信
号の確率密度分布関数F1を演算し、確率密度分布関数
F1を表わす列データとして出力する。
【0116】基準設定モードにおいて、列データで表わ
された確率密度分布関数F1は、図11内の破線で示す
ように基準データ設定器28に入力され、基準データF
1rとして格納される。続いて、列データYiのサンプ
リングが再度実行され、確率密度分布関数演算器25か
ら出力される確率密度分布関数F1の列データは、偏差
演算器29に入力され、基準データ設定器28内の基準
データF1rとの偏差(列データのうちの対応する個々
のデータ毎の偏差)ΔFが演算される。
【0117】演算された確率密度分布関数F1の偏差Δ
Fは、ニューラルネットワーク演算器26Eに入力さ
れ、偏差ΔFの形状が学習される。基準設定モードにお
いて、ニューラルネットワーク演算器26Eで演算され
た学習値N2(0〜1)は、図11内の破線示すように
基準値設定器27Eに入力され、基準値N2rとして格
納される。
【0118】一方、診断モードにおいては、確率密度分
布関数F1の列データは、常に偏差演算器29に入力さ
れ、基準データ設定器28内の基準データとの偏差ΔF
が演算される。続いて、偏差演算器29から出力される
確率密度分布関数F1の偏差ΔFは、ニューラルネット
ワーク演算器26Eに入力され、ニューラルネットワー
クにより、適合度0〜1を表わす学習値N2が演算され
る。
【0119】ニューラルネットワーク演算器N2で演算
された学習値N2は、比較器23Eにおいて、基準値設
定器27E内の基準値N2rと比較される。比較器23
Eは、たとえばニューラルネットワーク演算器26Eか
ら出力される学習値N2が、基準値設定器27Eに格納
された基準値N2r(適合度)のたとえば1/2倍を下
回ったとき、警報器24Eに異常を示す比較結果を出力
し、この比較結果に応答して、警報器24Eは警報を発
生する。
【0120】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返される
ので、基準設定モードにおいて、正常な変速機1を用い
た基準データF1rおよび基準値N2rを設定してお
き、その後の判定モードにおいて、変速機1の診断を実
行することができる。
【0121】これにより、各変速機1の発生音Sの性質
を示す確立密度分布関数F1と、確率密度分布関数F1
の正常時の基準データF1rとの偏差ΔFを用いて、ニ
ューラルネットワークの学習値N2(適合度)が逐次求
められる。そして、比較器23Eにおいて、学習値N2
と正常時の基準値N2rとが比較され、正常時の基準値
N2rとの違いが大きい場合には警報Aが発生される。
【0122】したがって、前述と同様に、判定時におけ
る発生音Sが変速機1の異常を示すものであれば警報A
が発生されるが、正常な状態を示す発生音Sであれば、
適合度を表わす学習値N2は正常時の基準値N2rと同
等の値となり、警報Aは発生されない。
【0123】この発明の実施例6のコンポーネント診断
方法によれば、ニューラルネットワーク演算器26Eに
おいて、確率密度分布関数F1と基準データF1rとの
偏差ΔFをニューラルネットワークに学習するだけで信
号処理を行うことができ、したがって、信号の処理や算
出方法等を事前に決定する必要がない。
【0124】実施例7.なお、 上記実施例6では、確率密度分布関数F1と基準
データF1rとの偏差ΔFをニューラルネットワークに
より学習演算し、学習値N2を基準値N2rと比較した
が、偏差ΔFの特徴を抽出してファジールールの基準値
(メンバーシップ関数)と比較してもよい。
【0125】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の基準データF1rに対する偏差
ΔFを用い、偏差ΔFの特徴をファジールールの基準値
と比較するようにしたこの発明の実施例7を図について
説明する。
【0126】図12はこの発明の実施例7による異常検
出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、2
3F、24F、26F、27FおよびF4aは、図7内
の比較器23C、警報器24C、特徴抽出器26C、メ
ンバーシップ関数設定器27Cおよびメンバーシップ基
準関数F2aにそれぞれ対応しており、25、28、2
9、YiおよびAは前述と同様のものである。
【0127】図12において、26Fは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFから特徴F4を数値化または記号
化して抽出する特徴抽出器、27Fは基準設定モードに
おいて得られるファジールールのメンバーシップ関数F
4rを格納しておくメンバーシップ関数設定器である。
【0128】23Fは診断対象となる変速機1の正否を
判定する比較器であり、特徴抽出器26Fで抽出された
特徴F4に対し、メンバーシップ関数設定器27F内の
メンバーシップ関数F4rと比較することによりファジ
ールールを実行する。24Fは比較器52の比較結果に
基づいて警報Aを発生する警報器である。
【0129】次に、図1および図12を参照しながら、
この発明の実施例7の動作について説明する。まず、前
述と同様に、偏差演算器29により、列データYiに基
づく確率密度分布関数F1と、基準データ設定器28内
の基準データF1rとの偏差ΔFが演算される。
【0130】確率密度分布関数F1の偏差ΔFは、特徴
抽出器26Fに入力され、数値で表わされる特徴F4が
抽出される。基準設定モードにおいて、特徴抽出器26
Fで抽出された特徴F4は、破線のようにメンバーシッ
プ関数設定器27Fに入力され、外部から与えられるメ
ンバーシップ基準関数F4aとともにメンバーシップ関
数F4rとなり、ファジールールを実行するための基準
値としてメンバーシップ関数設定器27F内に格納され
る。
【0131】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、確率密度分布関数演算器25により演算された確率
密度分布関数F1の列データは、常に偏差演算器29に
入力され、基準データF1rとの偏差ΔFが演算され
る。続いて、確率密度分布関数F1の偏差ΔFは、特徴
抽出器26Fに入力され、たとえば、適当な振幅エネル
ギ領域の確率密度の数値として表わされた特徴F4が抽
出される。
【0132】抽出された特徴F4は、比較器23Fにお
いてメンバーシップ関数F4rと比較され、たとえば、
メンバーシップ関数値が0.5以下であって適合度が低
ければ、診断対象となる変速機1は異常と判定される。
このとき、比較器23Fは、異常を示す比較結果を出力
し、この比較結果に応答して警報器24Fは、警報Aを
発生する。
【0133】なお、前述と同様に、診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返されて
おり、適合度が逐次求められ、正常時との違いが大きい
場合のみに警報Aが発生する。また、ファジールールに
より論理的な信号処理や判定を行うとともに、確率密度
分布関数F1の偏差ΔFを用いることにより、診断の信
頼性を向上させることができる。
【0134】実施例8.なお、 上記実施例7では、確率密度分布関数F1の偏差
ΔFの特徴F4を抽出してファジールールのメンバーシ
ップ関数F4rと比較したが、偏差ΔFの波形特徴をパ
ターンとして抽出し、パターンの基準値と比較してもよ
い。
【0135】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の偏差ΔFを用い、偏差ΔFの波
形特徴を基準値と比較するようにしたこの発明の実施例
8を図について説明する。
【0136】図13はこの発明の実施例8による異常検
出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、2
3G、24G、26Gおよび27Gは、図10内の比較
器23D、警報器24D、波形特徴抽出器26Dおよび
基準値設定器27Dにそれぞれ対応しており、25、2
8、29、YiおよびAは前述と同様のものである。
【0137】図13において、26Gは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFから波形特徴F5(たとえば、複
数の項目からなる)を数値化されたパターンとして抽出
する波形特徴抽出器、27Gは基準設定モードにおいて
得られる波形特徴F5を基準値F5rとして格納してお
く基準値設定器、23Gは波形特徴抽出器26Gから出
力される波形特徴F5を基準値設定器27G内の基準値
F5rと比較する比較器、24Gは比較器24Gの比較
結果に応答して警報Aを発生する警報器である。
【0138】次に、図1および図13を参照しながら、
この発明の実施例8の動作について説明する。この場
合、偏差演算器29で演算された確率密度分布関数F1
の偏差ΔFは、波形特徴抽出器26Gに入力され、波形
特徴F5が抽出される。基準設定モードにおいて、波形
特徴F5は、破線のように基準値設定器27G内に基準
値F5rとして格納される。
【0139】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、波形特徴抽出器26Gで抽出された偏差ΔFの波形
特徴F5は、常に比較器23Gに入力され、基準値F5
rと比較される。なお、波形特徴F5は、たとえば、確
率密度分布関数F1の波形を平滑化した波形として表わ
すこともできる。
【0140】比較器23Gは、波形特徴F5と基準値F
5rとの適合度が高い場合には診断対象となる変速機1
が正常と判定し、逆に、波形特徴F5と基準値F5rと
の適合度が低い場合には診断対象となる変速機1が異常
と判定する。そして、比較器23Gからの異常を示す比
較結果に応答して、警報器24Gは警報Aを発生する。
【0141】なお、前述と同様に、コンポーネント診断
モードにおける一連の動作は、たとえば一定のサイクル
で繰り返されており、適合度が逐次求められ、正常時と
の違いが大きい場合のみに警報Aが発生する。この場
合、波形特徴F5と基準値F5rとの差により、平面空
間に占める波形振幅の複雑さ(高周波を含むノイズ波形
等)の度合いを求めることができる。
【0142】実施例9.(請求項3および請求項7〜請
求項9に対応) なお、上記実施例8では、確率密度分布関数F1の偏差
ΔFの波形特徴F5をパターンとして抽出し、パターン
の基準値F5rと比較したが、偏差ΔFのフラクタル次
元を演算して基準値と比較してもよい。
【0143】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の偏差ΔFを用い、偏差ΔFのフ
ラクタル次元を基準値と比較するようにしたこの発明の
実施例9を図について説明する。
【0144】図14はこの発明の実施例9による異常検
出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、2
3H、24H、26Hおよび27Hは、図13内の比較
器23G、警報器24G、波形特徴抽出器26Gおよび
基準値設定器27Gにそれぞれ対応しており、25、2
8、29、YiおよびAは前述と同様のものである。
【0145】図14において、26Hは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFのフラクタル次元F6を演算する
フラクタル次元演算器、27Hは基準設定モードにおい
て得られるフラクタル次元F6を基準値F6rとして記
憶するフラクタル次元設定器、23Hはフラクタル次元
演算器26Hから出力されるフラクタル次元F6をフラ
クタル次元設定器27H内の基準値F6rと比較する比
較器、24Hは比較器24Hの比較結果に応答して警報
Aを発生する警報器である。
【0146】次に、図1および図14を参照しながら、
この発明の実施例9の動作について説明する。この場
合、偏差演算器29で演算された偏差ΔF(N個の列デ
ータ)は、フラクタル次元演算器26Hに入力されてフ
ラクタル次元F6が演算される。フラクタル次元F6
は、基準設定モードにおいては、破線のようにフラクタ
ル次元設定器27Hに入力され、基準値F6rとして格
納される。
【0147】ここで、フラクタル次元F6とは、たとえ
ば二次元空間上にある点列の性質を表わす周知の関数で
あり、点列を構成する各点のうちのいずれか一つを中心
とする半径rの円内に入っている点の数をN(r)とし
た場合に、点の数N(r)に対して以下の式(5)を満
足する指数νで表わされる。したがって、時系列のデー
タ部があれば、これを二次元空間上の点と考えて、フラ
クタル次元F6を求めることができる。
【0148】N(r)≒rν …(5)
【0149】ただし、式(5)において、便宜的に半径
rに対する乗算形式(rν)で表わされているが、フラ
クタル次元F6に相当する変数νは指数である。
【0150】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、フラクタル次元演算器26Hで演算されたフラクタ
ル次元F6は、実線のように常に比較器23Hに入力さ
れ、比較器23Hによりフラクタル次元の基準値F6r
と比較される。比較器23Hは、たとえば、フラクタル
次元演算器26Hで演算されたフラクタル次元F6が、
フラクタル次元設定器27H内のフラクタル次元F6r
(基準値)の3倍を越えた場合に、異常を示す比較結果
を警報器24Hに出力する。これに応答して、警報器2
4Hは警報Aを発生する。
【0151】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返されて
おり、確率密度分布関数F1の偏差ΔFのフラクタル次
元F6が逐次求められている。そして、このフラクタル
次元F6は、正常時におけるフラクタル次元(基準値F
6r)と比較され、フラクタル次元F6と基準値F6r
との違いが大きい場合のみに警報Aが発生する。この場
合も、フラクタル次元F6と基準値F6rとの差によ
り、波形振幅等の複雑さの度合いを求めることができ
る。
【0152】実施例10.(請求項4および請求項7〜
請求項9に対応) なお、上記実施例9では、確率密度分布関数F1の偏差
ΔFのフラクタル次元F6を演算して基準値F6rと比
較したが、偏差ΔFのカルバック情報量を演算して基準
値と比較してもよい。
【0153】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の偏差ΔFを用い、偏差ΔFのカ
ルバック情報量を基準値と比較するようにしたこの発明
の実施例10を図について説明する。
【0154】図15はこの発明の実施例10による異常
検出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、
23I、24I、26Iおよび27Iは、図14内の比
較器23H、警報器24H、フラクタル次元演算器26
Hおよびフラクタル次元設定器27Hにそれぞれ対応し
ており、25、28、29、YiおよびAは前述と同様
のものである。
【0155】図15において、26Iは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFのカルバック情報量F7を演算す
るカルバック情報量演算器、27Iは基準設定モードに
おいて得られるカルバック情報量F7を基準値F7rと
して記憶するカルバック情報量設定器、23Iはカルバ
ック情報量演算器26Iから出力されるカルバック情報
量F7をカルバック情報量設定器27I内の基準値F7
rと比較する比較器、24Iは比較器24Iの比較結果
に応答して警報Aを発生する警報器である。
【0156】次に、図1および図15を参照しながら、
この発明の実施例10の動作について説明する。この場
合、偏差演算器29で演算された偏差ΔF(N個の列デ
ータ)は、カルバック情報量演算器26Iに入力されて
カルバック情報量F7が演算される。カルバック情報量
F7は、基準設定モードにおいては、破線のようにカル
バック情報量設定器27Iに入力され、基準値F7rと
して格納される。
【0157】ここで、カルバック情報量F7とは、2つ
の確率密度分布p(x),q(x)を比較するためのメ
ジャーの1つであり、正常時の不規則信号の確率密度分
布の分布状況をモデル化することにより、統計的仮説検
定法を用いて計測信号の正常または異常を判定可能にす
るものである。したがって、一定の優位水準での異常検
知が可能になる。また、異常時の信号特性を事前に知る
必要がなく、正常時の信号を複数計測するのみでよいの
で、対象プラントに依存せずに適用することができる。
【0158】ここで、カルバック情報量F7をI[p
(x),q(x)]とすれば、2つの確率密度分布の列
データp(x)およびq(x)が与えられた場合、変数
xに関して−∞〜∞の範囲で総和演算することにより、
以下の式(6)で表わすことができる。
【0159】 I[p(x),q(x)]=Σ[p(x)・log{q(x)/p(x]} …(6)
【0160】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、カルバック情報量演算器26Iで演算されたカルバ
ック情報量F7は、実線のように常に比較器23Iに入
力され、比較器23Iによりカルバック情報量の基準値
F7rと比較される。比較器23Iは、たとえば、カル
バック情報量演算器26Iで演算されたカルバック情報
量F7が、カルバック情報量設定器27I内のカルバッ
ク情報量F7r(基準値)の3倍を越えた場合に、異常
を示す比較結果を警報器24Iに出力する。これに応答
して、警報器24Iは警報Aを発生する。
【0161】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返されて
おり、確率密度分布関数F1の偏差ΔFのカルバック情
報量F7が逐次求められている。そして、このカルバッ
ク情報量F7は、正常時におけるカルバック情報量(基
準値F7r)と比較され、カルバック情報量F7と基準
値F7rとの違いが大きい場合のみに警報Aが発生す
る。この場合、処理を簡略化することができる。
【0162】実施例11.なお、 上記実施例10では、確率密度分布関数F1の偏
差ΔFのカルバック情報量F7を演算して基準値F7r
と比較したが、偏差ΔFの平均値を演算して基準値と比
較してもよい。
【0163】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の偏差ΔFを用い、偏差ΔFの平
均値を基準値と比較するようにしたこの発明の実施例1
1を図について説明する。
【0164】図16はこの発明の実施例11による異常
検出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、
23J、24J、26Jおよび27Jは、図15内の比
較器23I、警報器24I、カルバック情報量演算器2
6Iおよびカルバック情報量設定器27Iにそれぞれ対
応しており、25、28、29、YiおよびAは前述と
同様のものである。
【0165】図16において、26Jは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFの平均値F8を演算する平均値演
算器、27Jは基準設定モードにおいて得られる平均値
F8を基準値F8rとして記憶する平均値設定器、23
Jは平均値演算器26Jで演算される平均値F8を平均
値設定器27J内の基準値F8rと比較する比較器、2
4Jは比較器24Jの比較結果に応答して警報Aを発生
する警報器である。
【0166】次に、図1および図16を参照しながら、
この発明の実施例11の動作について説明する。この場
合、偏差演算器29で演算された偏差ΔF(N個の列デ
ータ)は、平均値演算器26Jに入力されて平均値F8
が演算される。平均値F8は、基準設定モードにおいて
は、破線のように平均値設定器27Jに入力され、基準
値F8rとして格納される。なお、平均値F8は、前述
の式(1)により、μ1として求められる。
【0167】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、平均値演算器26Jで演算された平均値F8は、実
線のように常に比較器23Jに入力され、比較器23J
により平均値の基準値F8rと比較される。比較器23
Jは、たとえば、平均値演算器26Jで演算された平均
値F8が、平均値設定器27J内の平均値F8r(基準
値)の3倍を越えた場合に、異常を示す比較結果を警報
器24Jに出力する。これに応答して、警報器24Jは
警報Aを発生する。
【0168】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返されて
おり、確率密度分布関数F1の正常時との偏差ΔFの平
均値F8が逐次求められている。そして、この平均値F
8は、正常時における平均値(基準値F8r)と比較さ
れ、平均値F8と基準値F8rとの違いが大きい場合の
みに警報Aが発生する。この場合も、処理を簡略化する
ことができる。
【0169】実施例12.なお、 上記実施例11では、確率密度分布関数F1の偏
差ΔFの平均値F8を演算して基準値F8rと比較した
が、偏差ΔFの分散値を演算して基準値と比較してもよ
い。
【0170】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の偏差ΔFを用い、偏差ΔFの分
散値を基準値と比較するようにしたこの発明の実施例1
2を図について説明する。
【0171】図17はこの発明の実施例12による異常
検出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、
23K、24K、26Kおよび27Kは、図16内の比
較器23J、警報器24J、平均値演算器26Jおよび
平均値設定器27Jにそれぞれ対応しており、25、2
8、29、YiおよびAは前述と同様のものである。
【0172】図17において、26Kは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFの分散値F9を演算する分散値演
算器、27Kは基準設定モードにおいて得られる分散値
F9を基準値F9rとして記憶する分散値設定器、23
Kは分散値演算器26Kで演算される分散値F9を分散
値設定器27K内の基準値F9rと比較する比較器、2
4Kは比較器24Kの比較結果に応答して警報Aを発生
する警報器である。
【0173】次に、図1および図17を参照しながら、
この発明の実施例12の動作について説明する。この場
合、偏差演算器29で演算された偏差ΔF(N個の列デ
ータ)は、分散値演算器26Kに入力されて分散値F9
が演算される。分散値F9は、基準設定モードにおいて
は、破線のように分散値設定器27Kに入力され、基準
値F9rとして格納される。なお、分散値F9は、前述
の式(2)により、μ2として求められる。
【0174】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、分散値演算器26Kで演算された分散値F9は、実
線のように常に比較器23Kに入力され、比較器23K
により分散値の基準値F9rと比較される。比較器23
Kは、たとえば、分散値演算器26Kで演算された分散
値F9が、分散値設定器27K内の分散値F9r(基準
値)の3倍を越えた場合に、異常を示す比較結果を警報
器24Kに出力する。これに応答して、警報器24Kは
警報Aを発生する。
【0175】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返されて
おり、確率密度分布関数F1の正常時との偏差ΔFの分
散値F9が逐次求められている。そして、この分散値F
9は、正常時における分散値(基準値F9r)と比較さ
れ、分散値F9と基準値F9rとの違いが大きい場合の
みに警報Aが発生する。この場合も、処理を簡略化する
ことができる。
【0176】実施例13.(請求項5および請求項7〜
請求項8に対応) なお、上記実施例12では、確率密度分布関数F1の偏
差ΔFの分散値F9を演算して基準値F9rと比較した
が、偏差ΔFの歪度を演算して基準値と比較してもよ
い。
【0177】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の偏差ΔFを用い、偏差ΔFの歪
度を基準値と比較するようにしたこの発明の実施例13
を図について説明する。
【0178】図18はこの発明の実施例13による異常
検出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、
23L、24L、26Lおよび27Lは、図17内の比
較器23K、警報器24K、分散値演算器26Kおよび
分散値設定器27Kにそれぞれ対応しており、25、2
8、29、YiおよびAは前述と同様のものである。
【0179】図18において、26Lは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFの歪度μ5を演算する歪度演算
器、27Lは基準設定モードにおいて得られる歪度μ5
を基準値μ5rとして記憶する歪度設定器、23Lは歪
度演算器26Lで演算される歪度μ5を歪度設定器27
L内の基準値μ5rと比較する比較器、24Lは比較器
24Lの比較結果に応答して警報Aを発生する警報器で
ある。
【0180】次に、図1および図18を参照しながら、
この発明の実施例13の動作について説明する。この場
合、偏差演算器29で演算された偏差ΔF(N個の列デ
ータ)は、歪度演算器26Lに入力されて歪度μ5が演
算される。歪度μ5は、基準設定モードにおいては、破
線のように歪度設定器27Lに入力され、基準値μ5r
として格納される。なお、歪度μ5は、前述の式(1)
〜式(3)により、μ3として求められる。
【0181】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、歪度演算器26Lで演算された歪度μ5は、実線の
ように常に比較器23Lに入力され、比較器23Lによ
り歪度の基準値μ5rと比較される。比較器23Lは、
たとえば、歪度演算器26Lで演算された歪度μ5が、
歪度設定器27L内の歪度μ5r(基準値)の3倍を越
えた場合に、異常を示す比較結果を警報器24Lに出力
する。これに応答して、警報器24Lは警報Aを発生す
る。
【0182】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返されて
おり、確率密度分布関数F1の正常時との偏差ΔFの歪
度μ5が逐次求められている。そして、この歪度μ5
は、正常時における歪度(基準値μ5r)と比較され、
歪度μ5と基準値μ5rとの違いが大きい場合のみに警
報Aが発生する。この場合も、処理を簡略化することが
できる。
【0183】実施例14.(請求項6〜請求項9に対
応) なお、上記実施例13では、確率密度分布関数F1の偏
差ΔFの歪度μ5を演算して基準値μ5rと比較した
が、偏差ΔFの尖度を演算して基準値と比較してもよ
い。
【0184】以下、電気信号Eの指標的なデータとして
確率密度分布関数F1の偏差ΔFを用い、偏差ΔFの尖
度を基準値と比較するようにしたこの発明の実施例14
を図について説明する。
【0185】図19はこの発明の実施例14による異常
検出処理装置20の構成を示す機能ブロック図であり、
23M、24M、26Mおよび27Mは、図18内の比
較器23L、警報器24L、歪度演算器26Lおよび歪
度設定器27Lにそれぞれ対応しており、25、28、
29、YiおよびAは前述と同様のものである。
【0186】図19において、26Mは偏差演算器29
で演算された偏差ΔFの尖度μ6を演算する尖度演算
器、27Mは基準設定モードにおいて得られる尖度μ6
を基準値μ6rとして記憶する尖度設定器、23Mは尖
度演算器26Mで演算される尖度μ6を尖度設定器27
M内の基準値μ6rと比較する比較器、24Mは比較器
24Mの比較結果に応答して警報Aを発生する警報器で
ある。
【0187】次に、図1および図18を参照しながら、
この発明の実施例13の動作について説明する。この場
合、偏差演算器29で演算された偏差ΔF(N個の列デ
ータ)は、尖度演算器26Mに入力されて尖度μ6が演
算される。尖度μ6は、基準設定モードにおいては、破
線のように尖度設定器27Mに入力され、基準値μ6r
として格納される。なお、尖度μ6は、前述の式(1)
〜式(4)により、μ4として求められる。
【0188】一方、コンポーネント診断モードにおいて
は、尖度演算器26Mで演算された尖度μ6は、実線の
ように常に比較器23Mに入力され、比較器23Mによ
り尖度の基準値μ6rと比較される。比較器23Mは、
たとえば、尖度演算器26Mで演算された尖度μ6が、
尖度設定器27M内の尖度μ6r(基準値)の3倍を越
えた場合に、異常を示す比較結果を警報器24Mに出力
する。これに応答して、警報器24Mは警報Aを発生す
る。
【0189】なお、コンポーネント診断モードにおける
一連の動作は、たとえば一定のサイクルで繰り返されて
おり、確率密度分布関数F1の正常時との偏差ΔFの尖
度μ6が逐次求められている。そして、この尖度μ6
は、正常時における尖度(基準値μ6r)と比較され、
尖度μ6と基準値μ6rとの違いが大きい場合のみに警
報Aが発生する。この場合も、処理を簡略化することが
できる。
【0190】以上の各実施例では、騒音を発生するコン
ポーネントとして、変速機1(図1参照)を対象とした
たが、たとえばエンジン(図21参照)等の他のコンポ
ーネントを対象とした場合も、同様の効果を奏すること
は言うまでもない。
【0191】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、自動車用コンポーネントから発生する音を検出し
て音に応じた電気信号を出力するマイクロホンと、電気
信号に基づいて自動車用コンポーネントの異常を検出す
る異常検出処理装置とを備え、異常検出処理装置は、電
気信号の歪度を演算する歪度演算手段と、歪度を基準値
と比較する比較手段とを含み、比較手段の比較結果に基
づき、歪度が基準値に対して所定の関係を越えたときに
警報を出力し、検出音が正常状態で存在する音のみであ
って歪度が正常値に近ければ警報を誤出力することはな
い。したがって、歪度演算という比較的簡単な処理を用
いて、自動車用コンポーネントの発生音の正常状態と異
常状態とにおける微少な差を正確に判別することがで
き、不良品の市場への流出を防止して自動車生産の品質
向上に大きく貢献でき、異常診断の信頼性を向上させた
自動車用コンポーネントの診断装置が得られる効果があ
る。
【0192】また、この発明の請求項2によれば、自動
車用コンポーネントから発生する音を検出して音に応じ
た電気信号を出力するマイクロホンと、電気信号に基づ
いて自動車用コンポーネントの異常を検出する異常検出
処理装置とを備え、異常検出処理装置は、電気信号の尖
度を演算する尖度演算手段と、尖度を基準値と比較する
比較手段とを含み、比較手段の比較結果に基づき、尖度
が基準値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力
し、検出音が正常状態で存在する音のみであって尖度が
正常値に近ければ警報を誤出力することはない。したが
って、尖度演算という比較的簡単な処理を用いて、自動
車用コンポーネントの発生音の正常状態と異常状態とに
おける微少な差を正確に判別することができ、不良品の
市場への流出を防止して自動車生産の品質向上に大きく
貢献でき、異常診断の信頼性を向上させた自動車用コン
ポーネントの診断装置が得られる効果がある。
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】また、この発明の請求項3によれば、自動
車用コンポーネントから発生する音を検出して音に応じ
た電気信号を出力するマイクロホンと、電気信号に基づ
いて自動車用コンポーネントの異常を検出する異常検出
処理装置とを備え、異常検出処理装置は、電気信号の確
率密度分布関数を演算する確率密度分布関数演算手段
と、確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
タとの偏差を演算する偏差演算手段と、偏差のフラクタ
ル次元を求めるフラクタル次元演算手段と、フラクタル
次元を基準値と比較する比較手段とを含み、比較手段の
比較結果に基づき、フラクタル次元が基準値に対して所
定の関係を越えたときに警報を出力し、検出音が正常状
態で存在する音のみであって偏差のフラクタル次元が正
常値に近ければ警報を誤出力することはない。したがっ
て、確率密度分布関数の偏差に基づくフラクタル次元を
用いることにより、電気信号に含まれる周波数成分の複
雑さ等を求めて、自動車用コンポーネントの発生音の正
常状態と異常状態とにおける微少な差を正確に判別する
ことができ、不良品の市場への流出を防止して自動車生
産の品質向上に大きく貢献でき、異常診断の信頼性を向
上させた自動車用コンポーネントの診断装置が得られる
効果がある。
【0200】また、この発明の請求項4によれば、自動
車用コンポーネントから発生する音を検出して音に応じ
た電気信号を出力するマイクロホンと、電気信号に基づ
いて自動車用コンポーネントの異常を検出する異常検出
処理装置とを備え、異常検出処理装置は、電気信号の確
率密度分布関数を演算する確率密度分布関数演算手段
と、確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
タとの偏差を演算する偏差演算手段と、偏差のカルバッ
ク情報量を求めるカルバック情報量演算手段と、カルバ
ック情報量を基準値と比較する比較手段とを含み、比較
手段の比較結果に基づき、カルバック情報量が基準値に
対して所定の関係を越えたときに警報を出力し、検出音
が正常状態で存在する音のみであって偏差のカルバック
情報量が正常値に近ければ警報を誤出力することはな
い。したがって、確率密度分布関数の偏差に基づくカル
バック情報量の演算という比較的簡単な処理を用いて、
自動車用コンポーネントの発生音の正常状態と異常状態
とにおける微少な差を正確に判別することができ、不良
品の市場への流出を防止して自動車生産の品質向上に大
きく貢献でき、異常診断の信頼性を向上させた自動車用
コンポーネントの診断装置が得られる効果がある。
【0201】
【0202】
【0203】また、この発明の請求項5によれば、自動
車用コンポーネントから発生する音を検出して音に応じ
た電気信号を出力するマイクロホンと、電気信号に基づ
いて自動車用コンポーネントの異常を検出する異常検出
処理装置とを備え、異常検出処理装置は、電気信号の確
率密度分布関数を演算する確率密度分布関数演算手段
と、確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
タとの偏差を演算する偏差演算手段と、偏差の歪度を求
める歪度演算手段と、歪度を基準値と比較する比較手段
とを含み、比較手段の比較結果に基づき、歪度が基準値
に対して所定の関係を越えたときに警報を出力し、検出
音が正常状態で存在する音のみであって偏差の歪度が正
常値に近ければ警報を誤出力することはない。したがっ
て、確率密度分布関数の偏差に基づく歪度演算という比
較的簡単な処理を用いて、自動車用コンポーネントの発
生音の正常状態と異常状態とにおける微少な差を正確に
判別することができ、不良品の市場への流出を防止して
自動車生産の品質向上に大きく貢献でき、異常診断の信
頼性を向上させた自動車用コンポーネントの診断装置が
得られる効果がある。
【0204】また、この発明の請求項6によれば、自動
車用コンポーネントから発生する音を検出して音に応じ
た電気信号を出力するマイクロホンと、電気信号に基づ
いて自動車用コンポーネントの異常を検出する異常検出
処理装置とを備え、異常検出処理装置は、電気信号の確
率密度分布関数を演算する確率密度分布関数演算手段
と、確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
タとの偏差を演算する偏差演算手段と、偏差の尖度を求
める尖度演算手段と、尖度を基準値と比較する比較手段
とを含み、比較手段の比較結果に基づき、尖度が基準値
に対して所定の関係を越えたときに警報を出力し、検出
音が正常状態で存在する音のみであって偏差の尖度が正
常値に近ければ警報を誤出力することはない。したがっ
て、確率密度分布関数の偏差に基づく尖度演算という比
較的簡単な処理を用いて、自動車用コンポーネントの発
生音の正常状態と異常状態とにおける微少な差を正確に
判別することができ、不良品の市場への流出を防止して
自動車生産の品質向上に大きく貢献でき、異常診断の信
頼性を向上させた自動車用コンポーネントの診断装置が
得られる効果がある。
【0205】また、この発明の請求項7によれば、請求
項3から請求項6までのいずれかにおいて、基準データ
は、自動車用コンポーネントが正常状態のときに得られ
る電気信号に基づいて設定されるようにしたので、自動
車用コンポーネントの異常判定を確実にした自動車用コ
ンポーネントの診断装置が得られる効果がある。
【0206】また、この発明の請求項8によれば、請求
項1から請求項7までのいずれかにおいて、基準値は、
自動車用コンポーネントが正常状態のときに得られる電
気信号に基づいて設定されるようにしたので、自動車用
コンポーネントの異常判定を確実にした自動車用コンポ
ーネントの診断装置が得られる効果がある。
【0207】また、この発明の請求項9によれば、請求
項1から請求項8までのいずれかにおいて、自動車用コ
ンポーネントとして変速機またはエンジンを対象とした
ので、変速機またはエンジンの異常判定の信頼性を向上
させた自動車用コンポーネントの診断装置が得られる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1〜14(請求項1〜9
対応)の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施例1(請求項1、請求項8お
よび請求項9に対応)による異常検出処理装置の構成を
示す機能ブロック図である。
【図3】 この発明の実施例2(請求項2、請求項8お
よび請求項9に対応)による異常検出処理装置の構成を
示す機能ブロック図である。
【図4】 この発明の実施例3による異常検出処理装置
の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】 図4内の確率密度分布関数演算器で用いられ
る正常時での基準信号の一例を示す波形図である。
【図6】 図5の基準信号から得られる正常時での確率
密度分布関数の一例を示す波形図である。
【図7】 この発明の実施例4による異常検出処理装置
の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】 図7内の比較器で用いられるファジールール
のメンバーシップ関数の一例を示す波形図である。
【図9】 図7内の比較器で用いられるファジールール
のメンバーシップ関数の一例を示す波形図である。
【図10】 この発明の実施例5による異常検出処理装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図11】 この発明の実施例6による異常検出処理装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図12】 この発明の実施例7による異常検出処理装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図13】 この発明の実施例8による異常検出処理装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図14】 この発明の実施例9(請求項3および請求
項7〜請求項9に対応)による異常検出処理装置の構成
を示す機能ブロック図である。
【図15】 この発明の実施例10(請求項4および請
求項7〜請求項9に対応)による異常検出処理装置の構
成を示す機能ブロック図である。
【図16】 この発明の実施例11による異常検出処理
装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図17】 この発明の実施例12による異常検出処理
装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図18】 この発明の実施例13(請求項5および請
求項7〜請求項9に対応)による異常検出処理装置の構
成を示す機能ブロック図である。
【図19】 この発明の実施例14(請求項6〜請求項
に対応)による異常検出処理装置の構成を示す機能ブ
ロック図である。
【図20】 従来の自動車用コンポーネントの診断装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図21】 一般的な自動車用コンポーネントの他の例
を示す構成図である。
【符号の説明】
1 自動車用変速機(自動車用コンポーネント)、7
マイクロホン、20異常検出処理装置、21、26L
歪度演算器、21A、26M 尖度演算器、22、27
L 歪度設定器、22A、27M 尖度設定器、23、
23A〜23M 比較器、24、24A〜24M 警報
器、25 確率密度分布関数演算器、26、26E ニ
ューラルネットワーク演算器、26C 特徴抽出器、2
6D波形特徴抽出器、26H フラクタル次元演算器、
26I カルバック情報量演算器、26J 平均値演算
器、26K 分散値演算器、27、27D、27E、2
7G 基準値設定器、27C、27F メンバーシップ
関数設定器、27Hフラクタル次元設定器、27I カ
ルバック情報量設定器、27J 平均値設定器、27K
分散値設定器、28 基準データ設定器、29 偏差
演算器、31自動車用エンジン(自動車用コンポーネン
ト)、 警報、E 電気信号、F1 確率密度分布関
数、F2 特徴、F3、F5 波形特徴(パターン)、
F6 フラクタル次元、F7 カルバック情報量、F8
平均値、F9 分散値、F1r 基準データ、ΔF
偏差、F2r、F4r メンバーシップ関数(ファジー
ルールの基準値)、F3r、F5r パターンの基準
値、F6r フラクタル次元の基準値、F7r カルバ
ック情報量の基準値、F8r 平均値の基準値、F9r
分散値の基準値、N1、N2 学習値、S 発生音、
Yi 列データ、μ3、μ5 歪度、μ4、μ6 尖
度、N1r、N2r、μ3r、μ4r、μ5r、μ6r
基準値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−42949(JP,A) 特開 平5−296888(JP,A) 特開 平4−13935(JP,A) 特開 平4−36621(JP,A) 特開 平6−109858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 17/00 - 17/007 G01M 15/00 G01M 19/00 G01H 1/00 - 17/00 G60R 16/02 650 G06F 9/44 554 G06F 15/18 540 G06F 15/18 560 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用コンポーネントから発生する音
    を検出して前記音に応じた電気信号を出力するマイクロ
    ホンと、前記電気信号に基づいて前記自動車用コンポー
    ネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、 前記異常検出処理装置は、 前記電気信号の歪度を演算する歪度演算手段と、 前記歪度を基準値と比較する比較手段とを含み、 前記比較手段の比較結果に基づき、前記歪度が前記基準
    値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力するこ
    とを特徴とする自動車用コンポーネントの診断装置。
  2. 【請求項2】 自動車用コンポーネントから発生する音
    を検出して前記音に応じた電気信号を出力するマイクロ
    ホンと、前記電気信号に基づいて前記自動車用コンポー
    ネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、 前記異常検出処理装置は、 前記電気信号の尖度を演算する尖度演算手段と、 前記尖度を基準値と比較する比較手段とを含み、 前記比較手段の比較結果に基づき、前記尖度が前記基準
    値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力するこ
    とを特徴とする自動車用コンポーネントの診断装置。
  3. 【請求項3】 自動車用コンポーネントから発生する音
    を検出して前記音に応じた電気信号を出力するマイクロ
    ホンと、前記電気信号に基づいて前記自動車用コンポー
    ネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、 前記異常検出処理装置は、 前記電気信号の確率密度分布関数を演算する確率密度分
    布関数演算手段と、 前記確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
    タとの偏差を演算する偏差演算手段と、 前記偏差のフラクタル次元を求めるフラクタル次元演算
    手段と、 前記フラクタル次元を 基準値と比較する比較手段とを含
    み、 前記比較手段の比較結果に基づき、前記フラクタル次元
    前記基準値に対して所定の関係を越えたときに警報を
    出力することを特徴とする自動車用コンポーネントの診
    断装置。
  4. 【請求項4】 自動車用コンポーネントから発生する音
    を検出して前記音に応じた電気信号を出力するマイクロ
    ホンと、前記電気信号に基づいて前記自動車用コンポー
    ネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、 前記異常検出処理装置は、 前記電気信号の確率密度分布関数を演算する確率密度分
    布関数演算手段と、 前記確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
    タとの偏差を演算する偏差演算手段と、 前記偏差のカルバック情報量を求めるカルバック情報量
    演算手段と、 前記カルバック情報量を 基準値と比較する比較手段とを
    含み、 前記比較手段の比較結果に基づき、前記カルバック情報
    量が前記基準値に対して所定の関係を越えたときに警報
    を出力することを特徴とする自動車用コンポーネントの
    診断装置。
  5. 【請求項5】 自動車用コンポーネントから発生する音
    を検出して前記音に応じた電気信号を出力するマイクロ
    ホンと、前記電気信号に基づいて前記自動車用コンポー
    ネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、 前記異常検出処理装置は、 前記電気信号の確率密度分布関数を演算する確率密度分
    布関数演算手段と、 前記確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
    タとの偏差を演算する偏差演算手段と、 前記偏差の歪度を求める歪度演算手段と、 前記歪度を 基準値と比較する比較手段とを含み、 前記比較手段の比較結果に基づき、前記歪度が前記基準
    値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力するこ
    とを特徴とする自動車用コンポーネントの診断装置。
  6. 【請求項6】 自動車用コンポーネントから発生する音
    を検出して前記音に応じた電気信号を出力するマイクロ
    ホンと、前記電気信号に基づいて前記自動車用コンポー
    ネントの異常を検出する異常検出処理装置とを備え、 前記異常検出処理装置は、 前記電気信号の確率密度分布関数を演算する確率密度分
    布関数演算手段と、 前記確率密度分布関数とあらかじめ求められた基準デー
    タとの偏差を演算する偏差演算手段と、前記偏差の尖度を求める尖度演算手段と、 前記尖度を 基準値と比較する比較手段とを含み、 前記比較手段の比較結果に基づき、前記尖度が前記基準
    値に対して所定の関係を越えたときに警報を出力するこ
    とを特徴とする自動車用コンポーネントの診断装置。
  7. 【請求項7】 前記基準データは、前記自動車用コンポ
    ーネントが正常状態のときに得られる前記電気信号に基
    づいて設定されることを特徴とする請求項3から請求項
    6までのいずれかの自動車用コンポーネントの診断装
    置。
  8. 【請求項8】 前記基準値は、前記自動車用コンポーネ
    ントが正常状態のときに得られる前記電気信号に基づい
    て設定されることを特徴とする請求項1から請求項7ま
    でのいずれかの自動車用コンポーネントの診断装置。
  9. 【請求項9】 前記自動車用コンポーネントは自動車用
    変速機または自動車エンジンであることを特徴とする請
    求項1から請求項8までのいずれかの自動車用コンポー
    ネントの診断装置。
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