JP3101430B2 - 音声伝送方式 - Google Patents

音声伝送方式

Info

Publication number
JP3101430B2
JP3101430B2 JP04210319A JP21031992A JP3101430B2 JP 3101430 B2 JP3101430 B2 JP 3101430B2 JP 04210319 A JP04210319 A JP 04210319A JP 21031992 A JP21031992 A JP 21031992A JP 3101430 B2 JP3101430 B2 JP 3101430B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
index
pitch
vector
pitch period
adaptive codebook
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04210319A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0659698A (ja
Inventor
恭士 大田
智彦 谷口
良紀 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP04210319A priority Critical patent/JP3101430B2/ja
Publication of JPH0659698A publication Critical patent/JPH0659698A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3101430B2 publication Critical patent/JP3101430B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音声信号の情報圧縮を行
うための音声伝送方式に関し、特に4〜16Kb/sの伝送
速度で符号化を行うためのA−b−S(Analysis-by-Sy
nthesis:合成による分析)型ベクトル量子化を用いた音
声伝送方式に関する。
【0002】A−b−S型ベクトル量子化を用いた音声
伝送方式による音声符号器、例えばCELP(Code Exc
ited Linear Production)符号器は、企業内通信システ
ム、ディジタルの移動無線システムなどにおいて、音声
品質を保ちつつ情報圧縮を実現するものとして期待され
ている。
【0003】
【従来の技術】音声には有声音と無声音とがあり、有声
音は声帯の振動によるパルス音源が基となって発生し、
個人個人のノドや口の声道特性が付加されて声になる。
また、無声音は声帯を振るわせないで出す音で、単なる
ガウス性の雑音列が音源となって声道を通って声とな
る。従って、音声発生メカニズムは図10に示すよう
に、有声音の元となるパルス音源PSGと無声音の元と
なる雑音源NSGと、各音源から出力される信号に声道
特性を付加する線形予測合成フィルタLPCFによりモ
デル化できる。尚、人の声は周期性を有し、該周期性は
パルス音源から出力されるパルスの周期性に対応してお
り、人や話内容によって異なる。
【0004】以上のことから、入力音声に対応するパル
ス音源の周期と雑音源の雑音列を特定することができれ
ば、これらパルス周期と雑音源の雑音列を識別する符号
(インデックス)により入力音声を符号化することがで
きる。
【0005】そこで、図11に示すように、適応符号帳
11を用いて入力音声信号の周期性に基づいてパルス音
源のパルス周期を同定し、該周期を備えたパルス列Pに
ゲインbを乗じたベクトルbPを線形予測合成フィルタ
13に入力してフィルタ演算処理を施し、得られたフィ
ルタ演算結果を入力音声信号から減算してその誤差信号
から誤差電力評価部13が最小となる適応符号帳11の
ピッチベクトルを選択することにより、周期成分を抽出
する。
【0006】その後又はこれと同時に、予め複数の雑音
列(各雑音列はN次元のコードベクトルで表現されてい
る)を固定(ストカスティック)符号帳1に用意してお
き、各コードベクトルCに合成フィルタ3の処理を施し
た再生信号ベクトルと上記の周期成分が除去された入力
信号ベクトル(N次元ベクトル)との誤差が最小となる
コードベクトルを誤差電力評価部5が求めれば、前記周
期とコードベクトルを特定するデータにより音声を符号
化することが出来る。
【0007】図12はA−b−S法によるベクトル量子
化を用いた音声伝送(符号化)方式の構成図で図11の
上半分に相当しており、詳しく述べると11はN次元ピ
ッチベクトルで表現されているピッチベクトルPをサイ
ズMだけ記憶する適応符号帳、2はゲインbの増幅部、
12は増幅部2の出力に声道特性を模擬した聴覚重み付
け演算処理を施す線形予測合成フィルタ、14は線形予
測合成フィルタ12から出力される再生信号ベクトルと
入力信号ベクトルの誤差を出力する誤差算出部、13は
該誤差を評価し、該誤差が最小となるピッチベクトルを
求める誤差電力評価部である。
【0008】このA−b−S法による量子化では通常の
ベクトル量子化と異なり、適応符号帳11の各ピッチベ
クトル(P)に最適のゲイン(b)を掛けた後、線形予
測合成フィルタ12でフィルタ処理を施し、このフィル
タ処理で得られる再生信号ベクトル(bAP)と入力信
号ベクトル(X)との間の誤差信号(E)を誤差発生部
14で求め、誤差電力評価部13で誤差信号の電力を評
価関数(距離尺度)として適応符号帳11の探索を行
い、誤差電力が最小となるピッチベクトルを求め、該ピ
ッチベクトルを特定する符号(インデックス)により入
力信号を符号化して伝送する。
【0009】このときの誤差電力は次式 |E|2 =|X−bAP|2 (1) により与えられる。最適なピッチベクトル及びゲインb
は、この(1)式に示す誤差電力を最小化するものとし
て決定される。尚、声の大きさによりパワーが異なるの
で、ゲインbを最適化して再生信号パワーを入力信号の
パワーに合わせる。最適ゲインは(1)式をbで偏微分
して0と置くことにより求めることができる。即ち、 d|E|2 /db=0 より、bは b=(XT AP)/((AP)T (AP)) (2) で与えられる。このbを(1)式に代入すると、 |E|2 =|X|2 −(XT AP)2 /((AP)T (AP)) (3) となる。入力信号Xと合成フィルタ12の出力APの相
互相関をRXP、合成フィルタ12の出力ACの自己相関
をRPPとすれば、相互相関及び自己相関は次式 Rxp=XT AP (4) RPP=(AP)T (AP) (5) により表現される。
【0010】(3)式の誤差電力を最小にすピッチベク
トルPは(3)式の右辺第2項を最大にするものである
から、該ピッチベクトルPは次式 P=argmax(RXP 2 /RPP) (6) と表現でき、最適のゲインは(6)式を満たす相互相
関、及び自己相関を用いて(2)式より b=RXP/RPP (7) で与えられる。
【0011】図13は以上の式により、誤差電力が最小
となるピッチベクトルを求めて入力信号を符号化する適
応符号帳探索処理アルゴリズムをモデル化した構成図で
あり、図12に加えて、相互相関RXP(=XT AP)を
演算する演算部6と、この相互相関RXPの二乗を演算す
る演算部7と、bAPの自己相関RPPを演算する演算部
8と、RXP 2 /RPPを演算する演算部9と、RXP 2 /R
PPが最大となる、換言すれば誤差電力が最小となるピッ
チベクトルを決定して該ピッチベクトルを特定する符号
を出力する誤差電力評価部13と、が設けられている
が、等価的に図12と同じものである。
【0012】この適応符号帳11の符号語としては、前
フレームの残差合成ベクトルのバッファ(フレーム遅延
器)15より所望の整数サンプルの遅延を持ったベクト
ルが格納されている。
【0013】即ち、残差合成ベクトルバッファ15は、
ピッチベクトルの探索で求められた最適ピッチベクトル
とこの時の雑音符号帳探索によって求められた最適コー
ドベクトルとで生成される音源信号の過去の処理フレー
ムに対するサンプルを蓄積しておく。そして、符号語生
成部16でピッチ周期が図示の如く「147」,「14
6」,「145」,…というように異なる周期隔った所
定次元数Nのサンプルを適応符号帳11のサイズ分Mだ
け符号語として切り出して適応符号帳11に格納する。
【0014】この時、符号帳サイズMは固定の通常128
(7 ビット) 程度で、ピッチ周期(周波数)は20(400Hz)
から147(54.4Hz) までをカバーしている。そして、次
の処理フレームにおいて、それらの符号語の内から最適
なものをA−b−S探索することによりピッチ周期の同
定を行う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】近年、ピッチ周期同定
の時間的分解能を高めるため分数周期符号帳を用いた方
式が提案されている。これは、従来は、図2(a) に示す
ようにピッチ周期の更新幅が例えば「147」〜「20」と
なっており1/Fs秒(Fs: サンプリング周波数)の整数
周期のみを取り扱っていたのに対し、同図に示す「14
7」〜「20」の内の「66」, 「65」を同図(b) の左側に
示すようにその分数周期である「66.5」, 「66」, 「6
5.5」にまで分析解能を上げることで特性の向上を図る
ものである。
【0016】しかしながら、適応符号帳の基となる残差
合成ベクトルバッファ15内には、固定のレートでサン
プリングされた離散値(整数周期用サンプル)が格納さ
れているので、それ以下の精度のサンプルを得るために
は、補間フィルタを用いてサンプリング変換を行う必要
がある。分数周期サンプルの生成は、対象サンプルの近
傍Nsサンプルを用いて行うため、1サンプル当たりN
s(通常8〜40)回の積和算が必要となる。つまり、
探索に要する演算量はNs倍となってしまう。
【0017】また、適応符号帳のサイズM(図2(a) の
場合は「127 」) も分数周期の間隔に応じて大きくなる
ため、システムで用意すべきメモリ量の増大と、伝送容
量の増大を伴う。これらのことは、移動無線システムの
開発における目標となる、ハードウェアの小型化・省電
力化を妨げる要因となるだけでなく、伝送容量の増大、
及び符号帳インデックスの伝送路誤り感度の増加による
特性劣化を引き起こしてしまう。
【0018】従って、本発明は、適応符号帳のサイズを
変えずに音声伝送品質を保持することができる音声伝送
方式を実現することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】上記のように従
来の適応符号帳を用いた音声伝送方式では、固定の適応
符号帳が送受信部にそれぞれ用意され、適応符号帳イン
デックスとピッチ周期との対応が固定的な形で伝送が行
われていた。
【0020】しかしながら、図3に示す様に分析の対象
となる音声の基本周波数(ピッチ)は、発声者の性別に
よってその分布(図では、各周波数における頻度を示し
ている。)が異なる。更に、図4〜図7に示すシミュレ
ーション結果に示されている様に、同性の間でも発声者
に依存してその分布は微妙に異なっていることが分か
る。但し、その分布の平均値は違うものの、分散には共
通するものがあり、このことからこのパラメータが(性
別も含んだ)個人性情報を表すものと言うことができ
る。
【0021】そこで本発明に係る音声伝送方式では、図
13に示したような適応符号帳によりピッチ周期を表現
するピッチベクトルに対して声道特性を模擬した線型予
測合成フィルタを通して得られる再生信号と入力音声信
号との誤差が最小となる最適ピッチベクトルを誤差電力
評価部で評価し、該最適ピッチベクトルを特定するイン
デックスにより該入力音声信号を符号化すると共に該最
適ピッチベクトルとこの時の雑音符号帳探索による最適
コードベクトルとで生成される音源信号の過去の処理フ
レームに対するサンプルを残差合成ベクトルバッファに
蓄積しておき、符号語生成部で周期の異なる所定次元数
のサンプルを該適応符号帳のサイズ分だけ符号語として
切り出し該適応符号帳とする音声伝送方式において、図
1に原理的に示すように、符号語生成部16に対して誤
差電力評価部13で特定されたインデックスの度数に基
づきピッチ周期間隔を精とするインデックス、粗とする
インデックスを決定して組み合わせることによりインデ
ックスとピッチ周期の割当を適応符号帳11の符号帳サ
イズの増加無しに適応的に変化させるインデックス割当
制御部20を設けている。
【0022】即ち、適応符号語のインデックスとピッチ
周期の割当が固定であった従来方式に対し、本発明で
は、図2(b) に示すようにピッチ周期を例えば上記のよ
うに「66.5」, 「66」, 「65.5」に分数周期化した場合
でも適応符号語のインデックス数は同図(a) と同じく
「0 」〜「127 」と変えない。但し、この場合、ピッチ
周期間隔を精とした関係上、粗とするピッチ周期間隔が
必要となるが、この粗ピッチ周期は、個人個人の分布の
偏りを誤差電力評価部13で特定されたインデックスの
度数に基づきインデックス割当制御部20が抽出し、最
適な周波数レンジを設定して、符号語生成部16でのイ
ンデックスと周波数の対応関係を適応的に制御すること
で効率的な分析を行う。
【0023】図2の例では、同図(b) に示すようにイン
デックス「113 」及び「114 」を同図(a) の「35」,
「34」から「36」, 「34」に変更して不要なピッチ周期
「35」を間引いている。
【0024】このように、インデックスとピッチ周期の
対応を適応的に制御することにより、伝送容量、演算量
の増大に結び付く符号帳サイズ拡張を行わずに分析分解
能向上手法の導入が図られ、演算量の増大を抑えつつ、
伝送容量をそのままにして特性を向上させることが可能
となり、量子化効率の向上が期待できる。また逆に見れ
ば、特性を従来法と同等に維持しつつ、伝送容量、演算
量を削減することも可能となり、低伝送レート化、ハー
ドの小型化に貢献できる。
【0025】一方、従来方式と異なり本発明では適応符
号帳11のインデックス割当が動的に変化するので、復
号器側の制御を行うため補助情報の伝送が必要となる。
しかし、この補助情報に多くのビットを割くのは好まし
くないので、効率の良い伝送を行うために変化ポイント
のピッチ周期を伝送する際に付随ビットを立てて伝送す
る。
【0026】そこで本発明では更に、インデックス割当
制御部20が、受信側に伝送するためのインデックス割
当制御情報として、ピッチ周期の精度を精/粗とする2
点の割当変更をインデックスの伝送とともに伝送し、復
号器側では、その割当変更を検出した時に復号器側に同
様に保持している頻度情報と照合してピッチ周期の精度
を精/粗とする2点(精とする点は伝送されてきたピッ
チ周期)を選ぶ。
【0027】但し、伝送効率を一層向上させるため、割
当変更のタイミングを、処理フレームで構成される1フ
レーム内で1回と限定すれば、どの時点で変更点が存在
するかだけを表現すればよいので1bit/サブフレー
ム(処理フレーム)以上で伝送が可能となる。
【0028】また、音声の性質上、ピッチ周期性が支配
的となる有声部とピッチ周期がランダムとなる無声部の
2つのいずれかに当該フレームが属するかによって、分
析されたピッチ周期の信頼性が異なる。
【0029】そこで、本発明では図1に点線で示すよう
に有声/無声判定部21を設け、この判定部21により
入力音声をフレームごとに分析し、有声部と判定された
時のみ、頻度のカウント、評価、割当制御を行うことと
する。これにより、不確定な無声音部の履歴を引き込む
ことを避け、より正確に分布特性を抽出することが可能
となる。
【0030】更に、少ない補助情報で復号器の制御を行
うので、何かの要因で符/復号器間の同期外れが起こる
ことが予想される。そこで、本発明ではインデックス割
当制御部20が、一定のピッチ周期でリセットをかけて
履歴を除去する制御をかけることにより送受信間の同期
外れを予防することが望ましい。
【0031】
【実施例】図1に示した本発明に係る音声伝送方式に用
いる適応符号帳11の実施例としては、従来の整数ピッ
チ周期分析方式と同等の符号帳サイズのものでよく、図
2に示したように初期状態で従来の整数ピッチ周期分析
方式と同様に探索最小ピッチ周期を「20」とし、探索
最大ピッチ周期を「147」とする。そして、整数最小
ピッチ周期1の固定のステップ幅で割当てておき、処理
を進めるごとにインデックス割当制御部20に探索結果
が各フレーム毎に入力され、その出現頻度により統計的
にインデックス割当が制御されるようになっている。
【0032】このインデックス割当制御部20として
は、各インデックスの探索結果の頻度を保持するカウン
タを設け、その平均度数に対する割当が閾値以上になっ
た時に、その最大度数のポイントと範囲内の最小度数の
ポイントの間で、インデックス割当の変更を行うように
すればよい。
【0033】この制御を図8の動作説明図に示す、ピッ
チ周期とインデックスとの割当を、ピッチ周期を階層的
に等間隔で配したポイント(黒丸)間を結ぶワイヤのモ
デル(ヒストグラム)で考える。尚、図中、横軸はイン
デックス(ピッチ周期)を示し、縦軸は探索された度数
(頻度)を示している。
【0034】まず初期状態は、同図(a) に示すように整
数ピッチ周期のみの間を間隔「1」で結んだ状態だが、
処理を始めてからの或る時点でピッチ周期「45」が誤
差電力評価部13で最適値として探索された頻度が点線
で示す閾値を越えたとする。そこで、近傍のステップを
細分化し、ピッチ周期「44」とのステップ幅を同図
(b) に示すように半分の0.5 とする。これは図示のよう
に、ワイヤを1つ下の階層まで延ばすことと対応する。
【0035】一方、符号帳サイズは「128」と固定
(つまりワイヤの長さは一定)なので、探索された頻度
が一番少ないポイントの近傍のステップ幅を粗くする必
要があり、図示の例ではインデックス「121」の近傍
をステップ幅を「1」から「2」に変化させて対応す
る。
【0036】このようにインデックス割当制御部20
は、符号語生成部16に対してピッチ周期の精度を精/
粗とする2点についての一対の作業を動的に行って適応
符号帳11に格納する符号語の適応制御を行う。
【0037】一方、上述したように従来方式と異なり本
発明では適応符号帳11のインデックス割当が動的に変
化するので、復号器側の制御を行うため補助情報の伝送
が必要となる。しかし、この補助情報に多くのビットを
割いたのでは本発明の利点を相殺してしまうので、効率
の良い伝送を行うために変化ポイントのピッチ周期を伝
送する際に付随ビットを立てて伝送する。
【0038】即ち、図9(a) に示すように1フレームを
5サブフレーム(サブフレームは図14に示した残差合
成ベクトルバッファの各サンプルの処理フレームに対応
している)で構成したとすると、図8(a) に示した例に
対応して第3サブフレーム目のピッチ周期「45」の時
点で閾値を越えた場合、割当変更のタイミングをピッチ
周期「45」を伝送する時(サブフレーム処理時)に1
ビットの制御フラグとして表現し、伝送する。
【0039】これを受けた復号器側では、この1ビット
を検出した時に復号器側に同様に保持している頻度情報
(これは符号器側と共に逐次更新されている)と照らし
合わせて、ピッチ周期の精度を精/粗とする2点を選び
(精とする点は伝送されてきたピッチ周期)同様の処理
を行う。
【0040】これで符/復号器間の同期動作は実現でき
るが、この1ビット/サブフレームの補助情報伝送で
は、伝送容量上、適応符号帳11のサイズを2倍にした
ことと同等になり余り効率的とは言えない。
【0041】そこでピッチ周期の割当変更のタイミング
をフレーム内で1回と限定すれば、5サブフレーム/1
フレームの時には、1フレームに対して5ビットではな
く、図9(b) 及び(c) に示す様に3ビットでどのサブフ
レームに変更点が存在するかが表現できる。こうすれ
ば、3/5=0.6ビット/1サブフレームの増加に抑
えることができ、効率性を大きく損なわずに済む。
【0042】尚、インデックス割当制御部20は、一定
のピッチ周期でリセットをかけて履歴を除去する制御を
かける際、そのタイミングの伝送には、割当変更タイミ
ング補助情報の1レベルを割当てて行えば、伝送量を増
加させること無く対処できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る音声伝
送方式によれば、インデックス割当制御部を設け、符号
語生成部に対して誤差電力評価部で特定されたインデッ
クスの度数に基づき周期間隔を精とするインデックス、
粗とするインデックスを決定して組み合わせることによ
りインデックスとピッチ周期の割当を適応符号帳の符号
帳サイズの増加無しに適応的に変化させるように構成し
たので、伝送容量、演算量の増大に結び付く符号帳サイ
ズ拡張を行わずに分析分解能向上手法の導入が図られ、
演算量の増大を抑えつつ、伝送容量をそのままにして特
性を向上させることが可能となり、量子化効率の向上が
期待できる。また逆に見れば、特性を従来法と同等に維
持しつつ、伝送容量、演算量を削減することも可能とな
り、低伝送レート化、ハードの小型化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音声伝送方式の符号器を原理的に
示したブロック図である。
【図2】本発明に係る音声伝送方式のピッチ周期の割当
変更を従来例との対比で概念的に説明するための図であ
る。
【図3】本発明に係る音声伝送方式の動作原理に関する
発声音の基本周波数分布について示す図である。
【図4】本発明に係る音声伝送方式の動作原理に関する
シミュレーションによる男性話者の基本周波数分布に
ついて示す図である。
【図5】本発明に係る音声伝送方式の動作原理に関する
シミュレーションによる男性話者の基本周波数分布に
ついて示す図である。
【図6】本発明に係る音声伝送方式の動作原理に関する
シミュレーションによる女性話者の基本周波数分布に
ついて示す図である。
【図7】本発明に係る音声伝送方式の動作原理に関する
シミュレーションによる女性話者の基本周波数分布に
ついて示す図である。
【図8】本発明に係る音声伝送方式に用いるインデック
ス割当制御部の動作を説明するための図である。
【図9】本発明に係る音声伝送方式のインデックス割当
制御部から伝送される補助情報について説明するための
図である。
【図10】音声生成系の概念を示したブロック図であ
る。
【図11】一般的なCELP音声符号化の原理を示した
ブロック図である。
【図12】従来のA−b−S型ベクトル量子化の適応符
号化側の構成について示したブロック図である。
【図13】適応符号帳の符号帳探索に要する演算機能に
ついて示したブロック図である。
【図14】適応符号語の生成処理について示す図であ
る。
【符号の説明】
11 適応符号帳 12 線型予測合成フィルタ 13 誤差電力評価部 15 残差合成ベクトルバッファ 16 符号語生成部 20 インデックス割当制御部 21 有声/無声判定部 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/00 - 19/14 H03M 7/30 H04B 14/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適応符号帳(11)によりピッチ周期を表現
    するピッチベクトルに対して声道特性を模擬した線型予
    測合成フィルタ(12)を通して得られる再生信号と入力音
    声信号との誤差が最小となる最適ピッチベクトルを誤差
    電力評価部(13)で評価し、該最適ピッチベクトルを特定
    するインデックスにより該入力音声信号を符号化すると
    共に該最適ピッチベクトルとこの時の雑音符号帳探索に
    よる最適コードベクトルとで生成される音源信号の過去
    の処理フレームに対するサンプルを残差合成ベクトルバ
    ッファ(15)に蓄積しておき、符号語生成部(16)で周期の
    異なる所定次元数のサンプルを該適応符号帳(11)のサイ
    ズ分だけ符号語として切り出し該適応符号帳(11)とする
    音声伝送方式において、 該符号語生成部(16)に対して該誤差電力評価部(13)で特
    定されたインデックスの度数に基づきピッチ周期間隔を
    精とするインデックス、粗とするインデックスを決定し
    て組み合わせることによりインデックスとピッチ周期の
    割当を該適応符号帳(11)の符号帳サイズの増加無しに適
    応的に変化させるインデックス割当制御部(20)を設けた
    ことを特徴とした音声伝送方式。
  2. 【請求項2】 該インデックス割当制御部(20)が、受信
    側に伝送するためのインデックス割当制御情報として、
    ピッチ周期の精度を精/粗とする2点の割当変更をイン
    デックスの伝送とともに伝送し、復号器側では、その割
    当変更を検出した時に復号器側に同様に保持している頻
    度情報と照合してピッチ周期の精度を精/粗とする2点
    を選ぶと共に該処理フレームで構成される1フレーム内
    に最大1回の制御に制限することを特徴とした請求項1
    に記載の音声伝送方式。
  3. 【請求項3】 入力音声信号により当該フレームが有声
    /無声のいずれに属するかを決定する判定部(21)を設
    け、有声フレームと判定されたときのみ該インデックス
    割当制御部(20)を動作させることを特徴とした請求項1
    又は2に記載の音声伝送方式。
  4. 【請求項4】 該インデックス割当制御部(20)が、一定
    間隔で該インデックスとピッチ周期の割当をリセットす
    ることにより送受信間の同期外れを予防することを特徴
    とした請求項1乃至3のいずれかに記載の音声伝送方
    式。
JP04210319A 1992-08-06 1992-08-06 音声伝送方式 Expired - Fee Related JP3101430B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04210319A JP3101430B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 音声伝送方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04210319A JP3101430B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 音声伝送方式

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0659698A JPH0659698A (ja) 1994-03-04
JP3101430B2 true JP3101430B2 (ja) 2000-10-23

Family

ID=16587462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04210319A Expired - Fee Related JP3101430B2 (ja) 1992-08-06 1992-08-06 音声伝送方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3101430B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3888097B2 (ja) 2001-08-02 2007-02-28 松下電器産業株式会社 ピッチ周期探索範囲設定装置、ピッチ周期探索装置、復号化適応音源ベクトル生成装置、音声符号化装置、音声復号化装置、音声信号送信装置、音声信号受信装置、移動局装置、及び基地局装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0659698A (ja) 1994-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2940005B2 (ja) 音声符号化装置
JP2776050B2 (ja) 音声符号化方式
US5018200A (en) Communication system capable of improving a speech quality by classifying speech signals
CN102648493B (zh) 音频信号处理方法和设备
JP3196595B2 (ja) 音声符号化装置
JP2626223B2 (ja) 音声符号化装置
JP3089769B2 (ja) 音声符号化装置
JP2616549B2 (ja) 音声復号装置
JPH08179795A (ja) 音声のピッチラグ符号化方法および装置
JP2002140099A (ja) 音声復号化装置
JP3101430B2 (ja) 音声伝送方式
JP2829978B2 (ja) 音声符号化復号化方法及び音声符号化装置並びに音声復号化装置
JP3338074B2 (ja) 音声伝送方式
JPS6238500A (ja) 高能率音声符号化方式とその装置
JP2956068B2 (ja) 音声符号化復号化方式
JP3299099B2 (ja) 音声符号化装置
JP2560682B2 (ja) 音声信号符号化復号化方法とその装置
JP3252285B2 (ja) 音声帯域信号符号化方法
JPH09244695A (ja) 音声符号化装置及び復号化装置
JP3515216B2 (ja) 音声符号化装置
JP3024467B2 (ja) 音声符号化装置
JP2508002B2 (ja) 音声符号化方法とその装置
JP2992998B2 (ja) 音声符号化復号化装置
JP3006790B2 (ja) 音声符号化復号化方法及びその装置
JP2658438B2 (ja) 音声符号化方法とその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000808

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees