JP3100472B2 - 乾式分析要素用アナライザー - Google Patents

乾式分析要素用アナライザー

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JP3100472B2 JP04234774A JP23477492A JP3100472B2 JP 3100472 B2 JP3100472 B2 JP 3100472B2 JP 04234774 A JP04234774 A JP 04234774A JP 23477492 A JP23477492 A JP 23477492A JP 3100472 B2 JP3100472 B2 JP 3100472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、目的成分を分析するの
に必要なすべての試薬を含む分析要素と少なくともその
一部を含まない分析要素を両方測定しうる乾式分析要素
アナライザーとそれを用いた測定方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】乾式分析は、目的成分を分析するのに必
要なすべての試薬を濾紙や一又は複数の水浸透性層を支
持体の上に積層した多層材料に組み込んだ乾式分析要素
を用いて行なう分析法であり、操作が簡単でありながら
高い分析精度が得られるので最近盛んに開発が行なわれ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このすべての試薬を含
む分析要素は、便利ではあるが施設や市場のセグメント
に固有の特殊項目の分析要請に応えようとすると少量生
産のためコストが高くなって実用化が困難であった。本
発明の目的は、各施設や市場の要請する特殊項目を含む
各種目的成分を乾式分析法によって分析しうる実用可能
なアナライザーとそれを用いた測定方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するべく鋭意検討し、分析するのに必要な試薬の一
部又は全部を含まない分析要素を案出したが、この分析
要素を用いて要求される各種分析項目を分析するには多
数の測定試薬を調合し、管理しなければならず実用的で
はなかった。そこでさらに検討を進め、普遍的に分析の
要請のある項目についてはすべての試薬を組み込んだ分
析要素を用いて行ない、特殊項目については試薬の一部
又は全部を含まない分析要素を用いてそこに含まれてい
ない試薬は測定の際に点着供給する方法を案出し、この
方法が上記目的を達成しうるものであることを見出して
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、少なくとも透明で水
不浸透性の支持体の上に液体浸透性層と液体展開層がこ
の順に積層されており、目的成分を分析するのに必要な
全ての試薬を含む少なくとも1種の乾式分析要素と、目
的成分を分析するのに必要な試薬の一部又は全部を含ま
ない少なくとも1種の乾式分析要素(但し、表面が親水
化されており血球分離能を有する微多孔性層が積層され
ているものを除く。)を分析するための装置であって、
検体液の定量供給装置と、試薬液の定量供給装置と、乾
式分析要素を一定時間一定温度に保って反応を進行させ
るインキュベーション部と、反応によって生じた光学的
変化を測定する測光部と、測光結果を表示する表示部を
有し、前記試薬液の定量供給装置が、目的成分を分析す
るのに必要な全ての試薬を含む乾式分析要素の場合には
作動せず、目的成分を分析するのに必要な試薬の一部又
は全部を含まない乾式分析要素の場合には作動するよう
に構成されている乾式分析要素用アナライザーに関する
ものである。
【0006】乾式分析要素用アナライザーは、分析要素
を一定時間、一定温度に保って反応を進行させるインキ
ュベーション部と、反応によって生じた光学的変化を測
定する測光部と、測光結果を表示する表示部を少なくと
も有するものであり、そのほか検体液の定量供給装置、
分析要素を収容した分析スライドの供給装置、搬送装置
などが適宜設けられる。
【0007】インキュベーション部は、検体等が点着さ
れた分析要素を例えば1〜15分間、30〜60℃程度の範囲
で一定条件で加温するところであり、測光部は反応によ
って生じた光学的変化を通常は反射光学濃度計を用いて
測光する。表示部は反射光学濃度計のメータ部であって
もよいが、最近は検量線を内蔵しているコンピュータに
演算を行なわせ、濃度を直接デジタル表示しあるいはプ
リントアウトするタイプのものが増えている。このよう
な乾式分析要素用アナライザーは種々のものが市販され
(例えば、「富士ドライケム1000」,富士写真フイルム
(株)製品、等)、「医用電子と生体工学」(日本エム・
イー学会,22巻,4号,274〜278頁,1984年)に記載さ
れている。
【0008】本発明のアナライザーは、これらの公知の
アナライザーに少なくとも2基の液体定量供給装置、す
なわち、試薬液の定量供給装置と、検体液の定量供給装
置がない場合にはさらにそれを付設したところに特徴が
ある。両定量供給装置は市販のものを用いればよく、例
えばターンテーブルの周縁に沿って検体、試薬等の収容
部が円状に並べられ、そこに収容されている液を回動ア
ームの先端に取付けられたピペット等で定量吸引して回
動し、分析スライドにこれを点着する形式のものであっ
てもよく、縦方向あるいは横方向に並べられた液収容部
から一定量の液を吸引して分析スライドの走行方向と直
角方向に分析スライド直上まで移動して下降し、液を分
析スライドに点着する形式のものであってもよい。点着
場所はいずれもインキュベータより上流側にすることは
いうまでもない。試薬液の定量供給装置は、2基以上設
けることができる。
【0009】本発明のアナライザーは、複数種類の分析
要素、すなわちすべての試薬が組み込まれている少なく
とも1種の分析要素と試薬の一部又は全部を含まない少
なくとも1種の分析要素を分析するものであるから、少
なくとも分析要素がすべての試薬を含有していて検体だ
けを点着すればよいものであるかあるいはさらに試薬を
点着する必要があるかを識別する機構を設けておくこと
が好ましい。分析項目に応じて点着する検体の液量を変
更する必要があったりあるいは点着する試薬の種類が変
わる場合には分析項目を識別しうるようにしておくこと
が好ましい。この識別機構としては、種々の手段を利用
できるが、スライド枠にバーコードを印刷する方法が簡
便である(例えば特開昭63−172944号公報)。
【0010】本発明のアナライザーに適用される乾式分
析要素には、目的とする分析反応に必要な試薬が予め乾
式分析要素の中に組み込まれており、化学的変化量とし
て反応の生成物を蓄積し、これを目視測定器などで判
定、定量化する原理に基づくものと上記試薬の一部又は
全部が欠落しているものがある。なお、血色素量、ビリ
ルビンなどのように被検物質そのものが検出可能な状態
にあるものは化学反応を前提としない。この検出方法と
しては、光学的な濃度測定の他、蛍光、発光、磁気な
ど、どんな方法によっても良い。また、一旦定着後、別
の試薬を加えて検出をより正確、確実な方法にすること
もできる。このような乾式分析要素としては、例えば、
多層化学分析フィルムがある。
【0011】乾式分析要素は、少なくとも一つの液体浸
透性の多孔質層を有する。この層の中に検出すべき成分
と反応する試薬の全てを含んでもよいし、一部を含んで
もよい。1層の多孔質層の異なる深さの層にそれぞれ試
薬の一部を含んでもよい。また別の無孔質の液体浸透性
層に、上記試薬の一部または全部を含んでもよい。多孔
質または無孔質の液体浸透性層を2つ以上有してもよ
い。
【0012】乾式分析要素は、少なくとも1種の相互作
用組成物を含む。相互作用組成物は、分析成分を含む液
体試料が乾式分析要素に接触したときに、分析物質また
は分析物質の反応生成物もしくは分解生成物と、または
互いに、相互作用する1種またはそれ以上の活性成分を
含む。乾式分析要素中では、このような相互作用によっ
て直接にまたは間接に(他の反応を経て)分光光度法に
よって検出され得る色素、蛍光物質等が生成、分解また
は不活性化される。色素は、血液中の所要の特定成分と
色素生成物質との相互作用によって生成してもよいし、
また非拡散性色素からの拡散性色素の遊離によって生成
してもよい。「相互作用」には、化学活性、酵素一基質
複合体の形成におけるような触媒活性、抗原一抗体反応
におけるような免疫原活性、並びに染料の濃度が直接的
また間接的に特定の分析物質の存在または濃度を示すよ
うな検出可能な色素等を遊離、形成または生成できるあ
らゆる化学的または物理的相互作用が含まれる。
【0013】乾式分析要素は、比色測定されるものな
ら、検出成分、反応の種類、構成、測定波長等を問わな
いが、乾燥状態でも光学的変化が保存中に大きくなるよ
うなものは本発明に不適当である。乾式分析要素は、2
単位(個)以上とすることが、分析精度を高める上で好
ましい。液体試料の点着と同時に別の乾式分析要素に基
準液を点着すると、分析精度をさらに高めることができ
る。
【0014】乾式分析要素は、米国特許3,992,158号明
細書や同4,292,272号明細書に記載されたような、透明
で水不浸透性の支持体の上に、試薬の少なくとも一部を
含む液体浸透性層とさらに多孔質層とが順次設けられ
た、一体化多層分析スライドであることが好ましい。
【0015】乾式分析要素は、また米国特許3,983,005
号明細書、同4,042,335号明細書、同4,066,403号明細
書、同4,144, 306号明細書、同4,132,528号明細書、同
4,258,001号明細書、同4,357,363号明細書、同4,381,42
1号明細書等に記載されたような構成をもつものでよ
い。また、特開昭61−4959号公報、特開昭62−138756号
公報、同62−138757号公報、同62−138758号公報に記載
されたような、複数の多孔質層を有するものでもよい。
【0016】
【0017】液体展開層は、全血を吸収できる適当な気
孔率及び平均気孔寸法を有する任意の適当な繊維もしく
は非繊維材料、またはそれらの混合物から構成される。
液体展開層はそれが液体接触している隣接する水浸透性
層に面した面において単位面積当たり均一の検体液を提
供するものが好ましい。有用な液体展開層は、米国特許
第4,292,272号明細書に記載された織物や特開昭60−222
769号公報に記載された編物のような繊維材料により構
成できる。また米国特許3,992,158号明細書に記載され
ている非繊維等方性多孔質(例えばブラッシュポリマ
ー)を用いて構成することもできる。
【0018】液体展開層には、展開面積、展開速度等を
調節するため、特開昭60−222770号公報、特願昭61−12
2875号明細書、61−122876号明細書、61−143754号公報
明細書に記載したような親水性高分子あるいは界面活性
剤を含有してもよい。
【0019】乾式分析要素は例えば、米国特許4,04
2,335号明細書に記載されたような光遮蔽層または
ろ過層を有してもよい。
【0020】乾式分析要素は、光反射層を有してもよ
い。例えば、試薬層と検出層との間、または試薬層と液
体展開層との間に、光反射層を設けることができる。光
反射層は、検出層、試薬層等に生じた検出可能な変化
(色変化、発色等)を光透過性を有する支持体側から反
射測光する際に、展開層に点着供給された被検液の色、
特に試料が全血である場合のヘモグロビンの赤色、ビリ
ルビンの黄色等を遮蔽するとともに光反射層または背景
層として機能する。光反射層は、親水性ポリマーをバイ
ンダーとして、酸化チタン、硫酸バリウム等の光反射性
微粒子が分散された水浸透性の層とすることが好まし
い。バインダーとしてはゼラチン、ゼラチン誘導体、ポ
リアクリルアミド等が好ましい。ゼラチンのような硬化
可能なポリマーには硬膜剤を加えてもよい。乾式分析要
素には、必要に応じ展開層、試薬層、検出層等に酸化チ
タン等の光反射性粒子を含有させてもよい。
【0021】乾式分析要素は、光透過性または透明な支
持体を有する。この支持体はプラスチックのように液体
不浸透性のものである。
【0022】乾式分析要素の実用的に好ましい構成は以
下の通りである。 (1) 支持体上に試薬層、その上に液体展開層を有する
もの。 (2) 支持体上に検出層、試薬層、液体展開層をこの順
に有するもの。 (3) 支持体上に試薬層、光反射層、液体展開層をこの
順に有するもの。 (4) 支持体上に検出層、試薬層、光反射層、液体展開
層をこの順に有するもの。 (5) 支持体上に検出層、光反射層、試薬層、液体展開
層をこの順に有するもの。
【0023】上記(1)または(3)において、支持体と試
薬層との間に吸水層を設けてもよい。上記(1)ないし
(3)において試薬層と検出層または液体展開層の間にろ
過層を設けてもよい。上記(3)ないし(5)において光反
射層と検出層、試薬層もしくは液体展開層との間、試薬
層と検出層との間、または試薬層と液体展開層の間に、
さらに血球ろ過層またはその他のろ過層を設けてもよ
い。
【0024】乾式分析要素の1種またはそれ以上の層
は、1種またはそれ以上の他の種々の任意の成分、例え
ば界面活性剤、発色剤の溶剤、緩衝剤、結合剤、硬化剤
を含むことができる。これらの成分は通常添加されてい
る量と同程度添加されることができる。代表的な要素成
分は、例えば米国特許3,992,158号明細書、同4,042,335
号明細書、同4,144,306号明細書、同4,132,528号明細
書、同4,050,898号明細書、同4,258,011号明細書、同4,
275,152号明細書、同4,292,272号明細書に記載されてい
る。
【0025】乾式分析要素に含まれる試薬組成物は、被
検成分の存在下に、光学的に検出し得る物質、例えば色
素を生成し得る組成物である。ロイコ色素の酸化によっ
て色素を生成する組成物(米国特許4,089,747号、特開
昭59−193352号等に記載されたようなアリールイミダゾ
ールロイコ色素)、ジアゾニウム塩、酸化されたときに
他の化合物とカップリングにより色素を生成する化合物
を含む組成物(例えば4−アミノアンチピリン類と、フ
ェノール類またはナフトール類)、還元型補酵素と電子
伝達剤の存在下で色素を生成することのできる化合物か
ら成るもの等を用いることができる。
【0026】ロイコ色素の例としては、米国特許4,089,
747号、特開昭59−193352号に記載されたようなトリア
リールイミダゾールロイコ色素、公知のトリアリールメ
タンロイコ色素その他を挙げることができる。
【0027】被酸化性化合物と発色剤との縮合生成物を
含む染料生成性組成物によって、色素が形成されてもよ
い。被酸化性化合物の例としては、ベンジジン及びその
同族体、p−フェニレンジアミノ類、p−アミノフェノ
ール類、アミノアンチピリン、例えば4−アミノアンチ
ピリンなどを挙げることができる。
【0028】また酵素活性を測定する乾式分析要素の場
合には、例えば、p−ニトロフェノールのような有色物
質を遊離しうる自己顕色性基質(例えばパラニトロフェ
ニルりん酸エステル、パラニトロフェニルマルトペンタ
オース、γ−グルタミルパラニトロアニリド)を、試薬
層や展開層に含むことができる。
【0029】試薬組成物は酵素を含むものでもよく、特
開昭62−138756号の明細書第18ページから第20ページに
記載されたものを用いることができる。また、免疫反応
を利用したものでもよい(特開昭64−88156号公報、特
開平1−112159号公報等)。試薬組成物は、全部または
その一部を、親水性ポリマーを結合剤とする実質的に均
一な層に含ませてもよい。親水性ポリマーとしては、例
えば、ゼラチンおよびこれらの誘導体(例えばフタル化
ゼラチン)、セルロース誘導体(例えばヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、アガ
ロース、アクリルアミド重合体、メタアクリルアミド重
合体、アクリルアミドまたはメタアクリルアミドと各種
ビニル性モノマーとの共重合体、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルピロリドンと各種ビニル性モノマーとの
共重合体等が利用できる。
【0030】試薬組成物の一部または全部を、多孔質層
に含ませてもよい。被検成分の存在下に発色を生ずる試
薬組成物を多孔性層の少なくとも1つに含有させるに
は、試薬組成物の適当な溶液または分散液を予め含浸ま
たは塗布した多孔性展開層を、他の水浸透性層、例えば
試薬層の上に特開昭55−164356号記載のような方法で接
着させる方法が利用できる。
【0031】多孔性層を、他の水浸透性層(例えば下塗
り層、接着層、吸水層)の上に前記特開昭55−164356号
記載のような方法で接着させた後、試薬組成物の溶液ま
たは分散液を多孔性層に塗布してもよい。多孔性層への
含浸または塗布には、公知の方法を利用できる。塗布に
は、例えばディップ塗布、ドクター塗布、ホッパー塗
布、カーテン塗布を適宜選択して用いる。
【0032】試薬組成物は、総てを一つの多孔性層、例
えば2層以上の多孔性層のうち支持体に最も近い多孔性
層に含んでもよく、2以上の多孔性層に分けて含有させ
てもよい。
【0033】試薬の一部又は全部を含まない分析要素
は、上記の各種試薬の一部又は全部を含まないものであ
る。分析項目によらず共通に組み込まれる試薬は予め組
み込んでおくことが好ましい。このような共通の試薬と
しては、pH緩衝剤、発色剤、酵素等の安定化剤などがあ
る。
【0034】検出される液体試料の目的成分(アナライ
ト)は、低分子物質、イオン、高分子物質のいずれでも
よく、親水性物質、疎水性物質のいずれでもよい。検出
される成分が酵素であってもよく、抗原あるいは抗体で
あってもよい。抗原や抗体は、酵素や蛍光性物質で標識
されていてもよく、他の高分子に結合していてもよい。
抗原はハプテンであってもよい。
【0035】〔アナライトの例〕 低分子:尿素、尿酸、アンモニア、クレアチニン、乳
酸、ピルビン酸、グルコース、ガラクトース、中性脂
肪、コレステロール、ヘモグロビン、ビリルビン イオン:カルシウム、カリウム、ナトリウム、塩素イオ
ン 高分子:蛋白(アルブミン、グロブリン等)、核酸、リ
ポ蛋白 酵 素:アミラーゼ、アルカリホスファターゼ、リパー
ゼ、乳酸脱水素酵素、クレアチンホスフォキナーゼ、ア
ラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギンアミノ
トランスフェラーゼ
【0036】上記のアナライトのうち、予めすべての試
薬を組み込んだ分析要素にすることが好ましいものは、
測定頻度が高く、かつ緊急性の高い項目である。例え
ば、アンモニア、尿素窒素、グルコース、アミラーゼ、
アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギンアミ
ノトランスフェラーゼである。
【0037】試薬の一部又は全部を含まない分析要素に
することが好ましいものは、測定頻度があまり高くな
く、高pHや低pHなど過激な反応条件を必要とするなどの
理由から、試薬内蔵型スライドにすることに無理のある
項目である。例えば、総蛋白、アルカリフォスファター
ゼ、イオン化カルシウムなどがある。
【0038】本発明のアナライザーを用いて液体試料を
分析する一典型例について述べると、まずバーコード等
の識別標識によって測定目的成分が表示された分析スラ
イドを所定の分析項目順に並べてスタッカー等に積み込
む。分析スライドが積層順に一枚づつ取り出されて搬送
され、まず、識別標識の読取装置によって識別標識が読
み取られる。次に、分析スライドに所定量の液体試料が
点着され、識別標識に応じて所定の試薬が選択されて所
定量点着され、あるいは試薬が点着されずにインキュベ
ートが行なわれる。識別標識の読み取りは試薬点着の前
であればよく、液体試料点着後であってもよい。一方、
液体試料の点着は試薬の点着の後でもよい。インキュベ
ート後は常法により分析要素の呈色反応部の光学濃度を
反射測光し、予め求めておいた検量線から濃度を算出す
る。
【0039】
【実施例】アナライザーには、市販の乾式分析スライド
用アナライザー(「富士ドライケム5000」、富士写真フ
イルム(株)製品)に、図1に示すような検体液の定量供
給装置1と試薬液の定量供給装置2を付設して使用し
た。両定量供給装置1、2は略同型でいずれもターンテ
ーブル3、4と分注アーム5、6からなっている。ター
ンテーブルの周縁部には検体液あるいは試薬液を入れる
カップ7と定量供給用のマイクロチップ8が交互に配置
されている。分注アーム5、6は回動して下降すること
により、ターンテーブル3、4に配置されているマイク
ロチップ8をその回動端より下方に突出する装着ロッド
9に嵌着し、上昇後、ターンテーブル3、4をわずかに
回動させて、当該チップ8に隣接するカップ7がその直
下に位置させる。そこで、分注アーム5、6は下降し、
カップ7に収容されている検体液あるいは試薬液を一定
量マイクロチップ8に収容して再度上昇する。次に、分
注アームは大きく回動して分析スライド10の直上まで移
動し、そこで下降して検体液あるいは試薬液を点着して
再度上昇し、元の位置まで戻ってマイクロチップを脱着
する。以上の動作を繰り返す。
【0040】透明支持体の上に親水性ポリマー層及び多
孔性展開層がこの順に積層された試薬を全く含まない分
析要素を作成し、枠に納めて分析スライドとした。一
方、アルカリフォスファターゼ測定試薬溶液として下記
の組成のものを調製した。 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 89.1mg パラニトロフェニルリン酸2ナトリウム 370mg 塩化マグネシウム 4mg 水 10g (pH9.9)
【0041】富士ドライケム用管理血清CPL、M、H
を用いてアルカリフォスファターゼの検量線を求めてお
いた。
【0042】上記のアナライザーを用いてアルカリフォ
スファターゼ、総蛋白及びグルタミン酸ピルビン酸トラ
ンスアミナーゼ(GPT)の測定を行なった。アルカリフ
ォスファターゼの分析には上記の分析スライドを用い、
総蛋白とGPTの分析にはすべての試薬を含んでいる市
販の分析スライド(「富士ドライケムスライドTP」、
「富士ドライケムスライドGPT」、いずれも富士写真
フイルム(株)製品)を用いた。上記三種のスライドを各
10枚づつアナライザー内のスタッカーにランダムに積
み重ねて測定を開始した。スタッカーから取り出された
各スライドは、アナライザーの検体点着ステーションま
で移動させ、そこで停止させておいた。分析スライドが
アルカリフォスファターゼ用の場合には、まず試薬液の
定量供給装置2を作動させて試薬液を10μl点着し、
5秒後に検体液の定量供給装置1を作動させて健常者の
静脈面にヘパリンを注加し、遠心分離して得た血清を1
0μl点着した。分析スライドが総蛋白用あるいはGP
T用の場合には試薬液の定量供給装置2は作動させず、
検体液である上記血清のみを点着させた。各スライドは
いずれも上記アナライザーで37℃、6分間インキュベ
ートし、400nmにおける反射光学濃度を測定して検
量線により濃度を求め、測定値の再現性を調べた。結果
を下記に示す。 平 均 値 SD CV アルカリフォスファターゼ 22u/l 4.8u/l 2.2% 総蛋白 7.4g/dl 0.9 1.2% GPT 18u/l 3.9 2.2%
【0043】
【発明の効果】本発明により、ルーチン検査と特殊検査
を1台のアナライザーで行なうことができ、施設等に固
有の分析要請にも応えることができる。一部又は全部の
試薬を含まない分析要素は、ユーザーが試薬を点着して
乾燥することにより、従来の分析要素と同様に使用する
ことができる。そによって、ユーザー独自の分析手段と
して利用することもできる。また、試薬を2以上に分け
て点着することもでき、それによって、例えばアスコル
ビン酸、ピルビン酸、ビリルビン等の内因性の干渉物質
を除去してから検出反応を行なわせたり、また、保存中
に酵素試薬の劣化をもたらす酸、アルカリ、重金属等を
別々に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例であるアナライザー
の要部の使用状態を説明する図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも透明で水不浸透性の支持体の
    上に液体浸透性層と液体展開層がこの順に積層されてお
    り、目的成分を分析するのに必要な全ての試薬を含む少
    なくとも1種の乾式分析要素と、目的成分を分析するの
    に必要な試薬の一部又は全部を含まない少なくとも1種
    の乾式分析要素(但し、表面が親水化されており血球分
    離能を有する微多孔性層が積層されているものを除
    く。)を分析するための装置であって、検体液の定量供
    給装置と、試薬液の定量供給装置と、乾式分析要素を一
    定時間一定温度に保って反応を進行させるインキュベー
    ション部と、反応によって生じた光学的変化を測定する
    測光部と、測光結果を表示する表示部を有し、前記試薬
    液の定量供給装置が、目的成分を分析するのに必要な全
    ての試薬を含む乾式分析要素の場合には作動せず、目的
    成分を分析するのに必要な試薬の一部又は全部を含まな
    い乾式分析要素の場合には作動するように構成されてい
    る乾式分析要素用アナライザー
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