JP3100317U - けん玉 - Google Patents

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Abstract

【課題】けん玉の普及を図り、その普及の流れの先で多くの人に公式競技への参加をいざなうことができるようにしたけん玉を提供する。
【解決手段】大皿7、中皿10、小皿8、及びけん先9が設けられたけん2とこのけん2に糸4を介して連結された玉3とを有するけん玉1であって、中皿10の皿部内径が公式競技用規格のけん玉100に設けられた大皿107の皿部内径と同じに形成され、小皿8の皿部内径が公式競技用規格のけん玉100に設けられた中皿110の皿部内径と同じに形成されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、けん玉に関するものである。
図4に示すように、けん玉100は、けん101と玉102とを有し、これらが所定長さの糸103によって連結されて成る。けん101は、円錐棒形を呈する剣本体105と、鼓形を呈してその中央部を剣本体105で串刺し状に貫通保持された皿胴106とを有している。この皿胴106には、一方面側に大皿107が設けられ他方面側に小皿108が設けられている。これに対して剣本体105には、先端側にけん先109が設けられ、尾端側に中皿110が設けられている。すなわち、これら大皿107、中皿110、小皿108、けん先109が互いに十文字配置となっている。またこの剣本体105の長手方向中途部には、そのまわりを一周しつつ突出するすべり止め111が設けられている(例えば、特許文献1等参照)。
 この種のけん玉100は、遊具として使用する分にはその大きさ、形状、色など、なんの制約もないが、公式競技で使用するものでは、剣本体101の太さや長さ、玉102の外径や糸103の長さはもとより、大皿107、中皿110、小皿108におけるそれぞれの皿部内径、更には全体の配色までもが細かく規定されている。
 外形的なことで一例を挙げると、公式競技用規格に基づいて形成されたけん玉100において、大皿107、中皿110、小皿108の各皿部外周部は皿部開口に近づくほど径小になるテーパ形となっており、このテーパ外周面は断面輪郭が直線となるように形成されている。殊に大皿107や小皿108のテーパ外周面は、それぞれの皿部外周部を取り巻く角線(稜線)107a,108aを形成させた後、急激に向きを変えて、皿胴106が鼓形を呈するようにするための内反りアール面106aに繋がったものとなっている。なお、中皿110にも角線110aは存在している。
 また剣本体105に設けられたすべり止め111についても、大皿107及び小皿108に面する側(図4においてすべり止め111の上側)、及び中皿110に面する側(図4においてすべり止め111の下側)の双方とも、内反り方向のアール面111a,111bとして形成されている。
特開2002−346011号公報
 けん玉の普及を図り、その普及の流れの先で多くの人に公式競技への参加をいざなうためには、各個人による絶え間ない練習が必要であるが、それ以前の問題として、まずはけん玉未経験者や初心者にけん玉の魅力を訴える必要がある。ところが、周知の通りけん玉未経験者や初心者にとっては、難易度が最も低いとされる大皿107へ玉102を載せるだけでも、なかなか簡単にはいかない。そのため、すぐに飽きられ、公式競技へ参加するまでに上達することが少ないということがあった。
 また、大皿107や小皿108の皿部外周部には、断面輪郭が直線となるテーパ外周面やそれを取り巻く角線107a,108a,111aが設けられているため、外見的に精悍なイメージがあって人によっては親しみにくく、また殊に低年齢の子供や高齢者にとって、これら角線107a,108a,111aへ指先を押し付けたまま熱中して練習したときに指先が痛くなるといったこともあった。これらのことが、益々、けん玉の普及にとって好材料とはなっていなかったと言うこともできる。
 なお、玩具、民芸品、おみやげ品などとして製作されたけん玉では、剣本体105の太さや長さ、玉102の外径、糸103の長さ、大皿107、中皿110、小皿108の各皿部内径などがバラバラであり、甚だしい場合には、それらの色付けや形、材質までもがまちまちであったため、このようなものをいくら練習しても、けん玉の公式競技への参加へ結びつきにくく、却って正当ではない悪癖をつけてしまということがあった。
 本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであって、けん玉の普及を図り、その普及の流れの先で多くの人に公式競技への参加をいざなうことができるようにしたけん玉を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本考案は次の手段を講じた。
 即ち、本考案に係るけん玉1は、大皿7、中皿10、小皿8、及びけん先9が十文字配置で設けられたけん2と、このけん2に糸4を介して連結された玉3とを有しており、大皿7、中皿10、小皿8の各皿部内径が、公式競技用規格に基づいて形成されたけん玉100(図4参照)の大皿107、中皿110、小皿108の各皿部内径に対してそれぞれ7〜12%ずつ大きく形成されている。
 このようにすることで各皿に対して玉3を載せやすくなる。すなわち、公式競技用規格けん玉100の大皿107へ玉102を載せるよりも、本考案に係るけん玉1の大皿7へ玉3を載せる方が容易であり、公式競技用規格けん玉100の中皿110へ玉102を載せるよりも、本考案に係るけん玉1の中皿10へ玉3を載せる方が容易であり、公式競技用規格けん玉100の小皿108へ玉102を載せるよりも、本考案に係るけん玉1の小皿8へ玉3を載せる方が容易である、ということである。
 そのため、けん玉未経験者や初心者は、いきなり公式競技用規格けん玉100を使って練習するよりも、その前ステップとして本考案に係るけん玉1を使って練習する方が、面白みが沸き、練習の励みになる。そして本考案に係るけん玉1を使って練習した後、公式競技用規格けん玉100へ練習を移行させるようにすることで、技の上達を早めることが期待できる。
 なお、7%を超えない程度の大型化では、玉3を載せやすくなるというところまでいかず、逆に12%を超える大型化では、あまりにも簡単に玉3を載せることができるために、やはり練習効果が低くなる。
 この場合、具体的にどの程度、各皿部を大きくするかの一例として、次のようにすることが推奨される。すなわち、中皿10の皿部内径については、公式競技用規格けん玉100のけん101に設けられた大皿107の皿部内径と同じに形成するのが好適である。また小皿8の皿部内径については、公式競技用規格けん玉100のけん101に設けられた中皿110の皿部内径と同じに形成するのが好適である。
 このようにすると、本考案に係るけん玉1において小皿8だと思って練習していたことが公式競技用規格けん玉100の中皿110に該当するわけであるし、また本考案に係るけん玉1において中皿10だと思って練習していたことが公式競技用規格けん玉100の大皿107に該当するわけであるから、練習が無駄にならず、公式競技用規格けん玉100への練習の移行がスムーズに行えることになる。
 大皿7、中皿10、小皿8の皿部外周部は、それぞれの皿部外周部を取り巻く角線が生じない程度に、外膨れとなる緩和曲面として形成しておくのが好適である。
 このようにすることで外観性がソフトになり、多くの人にとって親しみやすくなる。また実質的に手触りが良好となり、練習中に指先が痛くなるといったことも防止される。
 なお、けん5の長手方向中途部には、このけん5のまわりを一周するすべり止め11が突設されるが、このすべり止め11に関しては、大皿7及び小皿8に面する側がけん5の外周面に対して鋭角に切り立った平坦な環状面11aとして形成され、これとは逆向きで中皿10に面する側が外膨れのアール面11bとして形成されているものとするのが好適である。
 このようにすることで、大皿7及び小皿8に面する側(即ち、皿胴6側)寄りを持って技を繰り出したときに絶大なすべり止め効果を得ることができる。このことも、上達を早め、公式競技用規格けん玉100への練習の移行をスムーズにさせるうえで有効となる。
 本考案に係るけん玉では、それ自体の普及はさることながら、それと共に公式競技用規格のけん玉への移行(即ち、この公式競技用規格のけん玉としての普及)をも図ることができ、従ってこれらの普及の流れの先で多くの人に公式競技への参加をいざなうことができるようになる。
 以下、本考案の実施の形態を、図面に基づき説明する。
 図1乃至図3は、本考案に係るけん玉1の一実施形態を示している。このけん玉1は、けん2と玉3とを有し、これらが所定長さの糸4によって連結されて成る。けん2は、円錐棒形を呈する剣本体5と、鼓形を呈してその中央部を剣本体5で串刺し状に貫通保持された皿胴6とを有している。この皿胴6には、一方面側に大皿7が設けられ他方面側に小皿8が設けられている。これに対して剣本体5には、先端側にけん先9が設けられ、尾端側に中皿10が設けられている。すなわち、これら大皿7、中皿10、小皿8、けん先9が十文字配置になっている。またこの剣本体5の長手方向中途部には、そのまわりを一周しつつ突出するすべり止め11が設けられている。
 小皿8の皿部内径は、公式競技用規格に基づいて形成されたけん玉100(以下、単に「規格けん玉100」と言う。なお図4参照)における小皿108の皿部内径に対して7〜12%大きく形成されている。具体的には、規格けん玉100における小皿108の皿部内径が34mmであるとした場合、小皿8の皿部内径は約9%増しの37mmに設定されている。従って、規格けん玉100の小皿108へ玉102を載せるよりも、小皿8へ玉3を載せる方が容易である。
 この小皿8の皿部内径(37mm)は、規格けん玉100のけん101に設けられた中皿110の皿部内径と同じである。そのため、このけん玉1において小皿8だと思って練習していたことが、将来、規格けん玉100へ練習を移行させた場合にはその中皿110へ玉102を載せる練習として役立つ。
 この小皿8の皿部外周部は外膨れの緩和曲面として形成されており、この緩和曲面は、そのまま皿胴6が鼓形を呈するようにするための内反りアール面6aに滑らかに繋がったものとなっている。そのため、この小皿8の皿部外周部を取り巻くような角線(図4の角線108aに相当するもの)は生じていない。そのため外観性がソフトで親しみやすく、また手触りが良好で、練習中の圧痛を防止できる。
 中皿10の皿部内径は、規格けん玉100における中皿110の皿部内径に対して7〜12%大きく形成されている。具体的には、規格けん玉100における中皿110の皿部内径が37mmであるとした場合、中皿10の皿部内径は約10%増しの41mmに設定されている。従って、規格けん玉100の中皿110へ玉102を載せるよりも、中皿10へ玉3を載せる方が容易である。
 この中皿10の皿部内径(41mm)については、規格けん玉100のけん101に設けられた大皿107の皿部内径と同じである。そのため、このけん玉1において中皿10だと思って練習していたことが、将来、規格けん玉100へ練習を移行させた場合にはその大皿107へ玉102を載せる練習として役立つ。
 この中皿10の皿部外周部は外膨れの緩和曲面として形成されている。そしてこの緩和曲面は、内反りのアール面5aを経て剣本体5の外周面に滑らかに繋がったものとなっている。そのため、この中皿10の皿部外周部を取り巻くような角線(図4の角線110aに相当するもの)は生じていない。そのため外観性がソフトで親しみやすく、また手触りが良好で、練習中の圧痛を防止できる。
 大皿7の皿部内径は、規格けん玉100における大皿107の皿部内径に対して7〜12%大きく形成されている。具体的には、規格けん玉100における大皿107の皿部内径が41mmであるとした場合、大皿7の皿部内径は約7%増しの44mmに設定されている。従って、規格けん玉100の大皿107へ玉102を載せるよりも、大皿7へ玉3を載せる方が容易である。
 この大皿7の皿部外周部は外膨れの緩和曲面として形成されており、この緩和曲面は、そのまま皿胴6が鼓形を呈するようにするための内反りアール面6aに滑らかに繋がったものとなっている。そのため、この大皿7の皿部外周部を取り巻くような角線(図4の角線107aに相当するもの)は生じていない。そのため外観性がソフトで親しみやすく、また手触りが良好で、練習中の圧痛を防止できる。
 なお、けん5の長手方向中途部にけん5のまわりを一周しつつ突出して設けられるすべり止め11に関しては、大皿7及び小皿8に面する側(皿胴6側)がけん5の外周面に対して鋭角に切り立った平坦な環状面11aとして形成され、これとは逆向きで中皿10に面する側が外膨れのアール面11bとして形成されている。
 このような構成を具備したけん玉1では、規格けん玉100を使って練習するよりも大皿7、中皿10、小皿8の各皿へ玉3を載せやすくなっているので、面白みが沸き、練習の励みになる。またある程度、技が繰り出せるようになった後、規格けん玉100への練習の移行もスムーズとなり、上達を早めることが期待できる。
 図2は「とめけん」「ふりけん」「日本一周」「世界一周」などの技を繰り出すときの持ち方を示し、図3は上記以外の技を繰り出すときの持ち方を示している。これらの図から明らかなように、大皿7、中皿10、小皿8の各皿部外周部が外膨れの緩和曲面として形成されているから、これら各部への指の感触がソフトで圧痛には繋がりにくい。また大皿7及び小皿8に面する側(即ち、皿胴6側)寄りを持って技を繰り出したときに、すべり止め11の平坦な環状面11aが手の滑りを確実に止めてくれるようになるため、技の習得乃至上達にとって極めて有益となる。
 ところで、本考案は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
本考案に係るけん玉の一実施形態を示した正面図である。 図1のけん玉の使用例(持ち方)を示した斜視図である。 図2とは別の使用例(持ち方)を示した斜視図である。 公式競技用規格のけん玉を示した正面図である。
符号の説明
 1 けん玉
 2 けん
 3 玉
 4 糸
 7 大皿
 8 小皿
 10 中皿
 11 すべり止め
 11a 平坦な環状面
 11b 外膨れのアール面
 100 公式競技用規格のけん玉
 107 公式競技用規格けん玉の大皿
 110 公式競技用規格けん玉の中皿
 108 公式競技用規格けん玉の小皿
 102 公式競技用規格けん玉の玉
 105 公式競技用規格けん玉のけん

Claims (4)

  1.  大皿(7)、中皿(10)、小皿(8)、及びけん先(9)が十文字配置で設けられたけん(2)とこのけん(2)に糸(4)を介して連結された玉(3)とを有するけん玉において、大皿(7)、中皿(10)、小皿(8)の各皿部内径が公式競技用規格に基づいて形成されたけん玉(100)の大皿(107)、中皿(110)、小皿(108)の各皿部内径に対してそれぞれ7〜12%ずつ大きく形成されていることを特徴とするけん玉。
  2.  大皿(7)、中皿(10)、小皿(8)、及びけん先(9)が十文字配置で設けられたけん(2)とこのけん(2)に糸(4)を介して連結された玉(3)とを有するけん玉において、中皿(10)の皿部内径が公式競技用規格に基づいて形成されたけん玉(100)のけん(101)に設けられた大皿(107)の皿部内径と同じに形成され、小皿(8)の皿部内径が公式競技用規格に基づいて形成されたけん玉(100)のけん(101)に設けられた中皿(110)の皿部内径と同じに形成されていることを特徴とするけん玉。
  3.  大皿(7)、中皿(10)、小皿(8)、及びけん先(9)が十文字配置で設けられたけん(2)とこのけん(2)に糸(4)を介して連結された玉(3)とを有するけん玉において、大皿(7)、中皿(10)、小皿(8)の皿部外周部に、それぞれの皿部外周部を取り巻く角線が生じない程度に外膨れとなる緩和曲面として形成されていることを特徴とするけん玉。
  4.  前記けん(2)の長手方向中途部には、このけん(2)のまわりを一周するすべり止め(11)が突設されており、このすべり止め(11)は、大皿(7)及び小皿(8)に面する側がけん(2)の外周面に対して鋭角に切り立った平坦な環状面(11a)として形成され、これとは逆向きで中皿(10)に面する側が外膨れのアール面(11b)として形成されていることを特徴とする請求項3記載のけん玉。
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WO2018008378A1 (ja) * 2016-07-06 2018-01-11 有限会社山形工房 けん玉
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