JP3099346B2 - アニオンリビングポリマーの製造方法およびこの製造方法で得られたアニオンリビングポリマーを用いるポリマーの製造方法 - Google Patents

アニオンリビングポリマーの製造方法およびこの製造方法で得られたアニオンリビングポリマーを用いるポリマーの製造方法

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JP3099346B2
JP3099346B2 JP02148662A JP14866290A JP3099346B2 JP 3099346 B2 JP3099346 B2 JP 3099346B2 JP 02148662 A JP02148662 A JP 02148662A JP 14866290 A JP14866290 A JP 14866290A JP 3099346 B2 JP3099346 B2 JP 3099346B2
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    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/12Hydrolysis

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる、アニオンリビングポリ
マーの製造方法およびこの製造方法で得られたアニオン
リビングポリマーを用いる各種のポリマーの製造方法に
関する。さらに詳細には、本発明はアセタール構造およ
び/またはケタール構造という特定の構造を有するメタ
クリル酸エステルのアニオンリビングポリマーの製造方
法およびこの製造方法で得られたアニオンリビングポリ
マーを用いる各種のポリマーの製造方法に関する。
そして、本発明に係るそれぞれのポリマーは、塗料
用、接着剤用、成形材料用ならびに印刷材料用組成物と
して、広範な用途に適用できるものである。
〔従来の技術〕
一分子中に少なくとも1個の水酸基を有するメタクリ
ル酸エステルは、それ自体、当該水酸基中には、活性水
素原子が存在する処から、かかる水酸基含有メタクリル
酸エステルなるモノマーから、直接、アニオンリビング
ポリマーが得られたという報告には、未だ、接していな
い。
これまでの処では、この種の水酸基含有メタクリル酸
エステル系ポリマーを得るために、その前駆ポリマーと
して、水酸基含有メタクリル酸エステル中の水酸基を、
予め、置換シリル基で保護しておいてから、改めて、ア
ニオン重合開始剤を作用せしめることによって、この水
酸基が置換シリル基で保護された形の、メタクリル酸エ
ステルのアニオンリビングポリマーを得るという方法が
採られているのみである。(特開昭61−250011号公報) ところが、このようにして置換シリル基で保護された
水酸基を有するメタクリル酸エステルは、それ自体、活
性水素を持たないものであり、そうした活性水素不含の
メタクリル酸エステル用のアニオン重合開始剤の1種と
して用いられているカリウムターシャリーブトキシドに
よっては、重合時に副反応が起きるために、得られるア
ニオンリビングポリマーの収率が低くなることが、上述
した発明の欠点であると言えよう。
因みに、「有機合成化学協会誌」第44巻、第147頁(1
986年)には、置換シリル基で保護されたメタクリル酸
エステルを用いたアニオン重合が不完全であったとして
報じられている通りである。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の技術に従う限りは、アルカリ金属
アルコキシドをアニオン重合開始剤として用いて、何ら
の副反応を起こすことなく、目的とする水酸基の保護さ
れたメタクリル酸エステルのアニオンリビングポリマー
を提供することが、本発明が解決しようとする課題の、
まさに、一つである。
それと併せて、本発明の有効性ないしは利用性を拡大
するために、かかる水酸基の保護されたメタクリル酸エ
ステルのアニオンリビングポリマーについて、さらに、
該リビングポリマーの活性末端を失活させることによっ
て、メタクリル酸エステルのポリマーをも提供すること
が、そして、さらに進んで、このメタクリル酸エステル
のポリマーを酸性条件下で、加水分解せしめることによ
って、水酸基含有メタクリル酸エステルのポリマー類を
も提供することが、共に、本発明が解決しようとする、
もう一つの課題である。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは上述した如き発明が解決しよう
とする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を重ねた結
果、水酸基含有メタクリル酸エステル中の水酸基がアセ
タール構造および/またはケタール構造の形で保護され
たメタクリル酸エステルを、アルカリ金属アルコキシド
の如き重合開始剤を用いて、アニオン重合せしめること
によって、水酸基含有ポリマー類の前駆体である、アセ
タール構造および/またはケタール構造を有するメタク
リル酸エステルのアニオンリビングポリマーが、収率よ
く、得られることを見い出すに及んで、本発明を完成さ
せるに到った。
すなわち、本発明は基本的には、一分子中に少なくと
も1個の水酸基を有するメタクリル酸エステル(A)
[以下、これを水酸基含有メタクリル酸エステル(A)
ともいう。]の水酸基をアセタール構造および/または
ケタール構造としてブロックせしめた形のメタクリル酸
エステル(B)[以下、これをメタクリル酸エステル
(B)ともいう。]をアニオン(共)重合させるか、も
しくは、一分子中にアセタール構造、ケタール構造また
は活性水素原子を有する基(以下活性水素基と略称す
る。)のいずれをも有しないメタクリル酸エステル
(C)[以下、これをメタクリル酸エステル(C)とも
いう。]と前記したメタクリル酸エステル(B)とをア
ニオン共重合させる、アニオンリビングポリマーの製造
方法を提供しようとするものであり、加えて、該アニオ
ンリビングポリマーの活性末端を失活させて得られる、
側鎖に、かかるアセタール構造および/またはケタール
構造を有するポリマーをも提供しようとするものであ
り、さらには、上記したアセタール構造および/または
ケタール構造を有するポリマーを加水分解させて得られ
る水酸基含有メタクリル酸エステルのポリマーをも提供
しようとするものである。
当該メタクリル酸エステル(B)としては、水酸基含
有メタクリル酸エステル(A)中の水酸基が、アセター
ル構造および/またはケタール構造の形で保護されてい
ればよく、必ずしも、当該メタクリル酸エステル(B)
は、水酸基含有メタクリル酸エステル(A)から調製さ
れることを要しない。
すなわち、当該化合物(B)は化合物(A)それ自体
を出発原料として用いて、化合物(A)中の水酸基をア
セタール構造および/またはケタール構造として保護す
ることによっても、あるいは、水酸基含有アセタールお
よび/または水酸基含有ケタールを出発原料として用
い、メタクリル酸エステル化剤によっても得ることがで
きる。
そのさい、水酸基含有メタクリル酸エステル(A)中
の水酸基をアセタール構造および/またはケタール構造
の形で保護する方法としては、つまり、化合物(A)中
のこの水酸基をアセタール構造および/またはケタール
構造として保護する方法としては、種々の方法が挙げら
れるけれども、それらのうちでも特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、化合物(A)と、アセタール
類またはケタール類とのアルコール交換反応による方
法;化合物(A)とα−ハロゲノエーテル類との反応に
よる方法;化合物(A)とα,β−エチレン性不飽和エ
ーテル化合物との反応による方法;あるいは化合物
(A)とカルボニル化合物との反応による方法などであ
る。
水酸基含有メタクリル酸エステル(A)として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、β−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポ
リエチレングリコールモノメタクリレートもしくはβ−
ヒドロキシブチルメタクリレートの如きジオールのモノ
メタクリレート類;グリセロールモノメタクリレート、
トリメチロールプロパンモノメタクリレート、トリメチ
ロールエタンモノメタクリレートもしくはペンタエリス
リトールモノメタクリレートの如き、三価以上の多価ア
ルコールのモノメタクリレート類;または上掲された如
き各種のメタクリレートをε−カプロラクトンなどで変
性せしめて得られるような、ポリエステル構造を有する
化合物などである。
また、水酸基含有メタクリル酸エステル(A)のアセ
タール化またはケタール化のために用いられる前記アセ
タール類またはケタール類として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、ジメトキシメタン、ジエトキ
シメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジエトキシエ
タン、2,2−ジメトキシプロパンまたは2,2−ジエトキシ
プロパンなどである。
さらに、前記α−ハロゲノエーテル類として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、クロロメチルメ
チルエーテル、クロロメチルエチルエーテル、ベンジル
クロロメチルエーテルまたは2−メトキシエトキシメチ
ルクロライドの如きクロロメチルエーテル類などであ
る。
さらにまた、前記したα,β−エチレン性不飽和エー
テル化合物として特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ルもしくはイソブチルビニルエーテルの如きアルキルビ
ニルエーテル類;2−メトキシプロペンもしくは2−エト
キシプロペンの如きイソプロペニルエーテル類;または
3,4−ジヒドロ−2H−ピランもしくは4−メトキシ−5,6
−ジヒドロ−2H−ピランの如き、環状不飽和エーテルと
も称されるピラン誘導体などである。
そして、前記したカルボニル化合物としては数多くの
化合物が挙げられるが、それらのうちでも特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド
もしくはベンズアルデヒドの如きアルデヒド類;または
アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノンもしくはシ
クロペンタノンの如きケトン類などである。
そしてまた、前記した水酸基含有アセタール類または
水酸基含有ケタール類として特に代表的なもののみを例
示するにとどめれば、2−(1−エトキシエトキシ)エ
タノール、2−(1−イソブトキシエトキシ)プロパノ
ール、2−テトラヒドロピラニロキシエタノール、4−
テトラヒドロピラニロキシエタノール、6−(メトキシ
メトキシ)ヘキサノール、2−(1−メトキシエトキ
シ)エタノールもしくは2−(1−メトキシエトキシ)
プロパノールの如き水酸基含有アセタール類;または2
−(1−メトキシ−1−メチル−エトキシエチル)エタ
ノール、2−(1−メトキシ−1−メチル−エトキシ)
プロパノール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4
−イルメタノールもしくは2−エチル−2−メチル−ジ
オキソラン−4−イルメタノールの如き水酸基含有ケタ
ール類などである。
そしてさらに、かかる水酸基含有アセタール類または
ケタール類をメタクリル酸エステル化せしめるための、
いわゆるメタクリル酸エステル化剤として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、メタクリル酸クロラ
イドもしくはメタクリル酸ブロマイドの如き酸ハロゲン
化物;または無水メタクリル酸の如き酸無水物などであ
る。
以上に掲げられたような各種の原料を用いて、水酸基
含有メタクリル酸エステル(A)中の水酸基が、アセタ
ール構造および/またはケタール構造を有した形で保護
されている前記メタクリル酸エステル(B)としては、
種々の構造のものが包含されるが、それらのうちでも特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次に掲げ
られるような化合物などである。ただし、Mは なる構造を有するメタクリロイル基を表わすものとし、
また、Xは、たとえば、 −CH2−O−CH3、 −CH2−O−CH2−CH3、 −CH2−O−CH2−C6H5、 −CH2−O−CH2−CH2−O−CH3 などをはじめ、さらには、 などを表わすものとする。
すなわち、当該化合物(B)として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、 M−O−CH2−CH2−O−X、 M−O−(CH2−O−X、 M−O−(CH2−O−X、 M−O−(CH2CH2−O)−X、 M−O−CH2−CCH2−O−X) などである。
別に、本発明に係るアニオンリビングポリマー、また
は該リビングポリマー類の活性末端を失活して得られ
る、アセタール構造および/またはケタール構造を有す
るメタクリル酸エステルのポリマー、さらには、これら
それぞれのポリマーを加水分解せしめて得られる水酸基
含有メタクリル酸エステルのポリマーを調製するにさい
して用いられる、それぞれ、アセタール構造も、ケター
ル構造も、はたまた、活性水素基をも全く有しない、前
記したメタクリル酸エステル(C)としては、分子中に
活性水素を何ら有しなく、かつ、それ自体がアニオン重
合しうるものであれば、勿論、用いることができるが、
それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにと
どめれば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、
ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレートも
しくはステアリルメタクリレートの如きアルキルメタク
リレート類;シクロヘキシルメタクリレートの如きシク
ロアルキルメタクリレート類;2−エトキシエチルメタク
リレート、2−エトキシプロピルメタクリレート、2−
メトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレン
グリコールメタクリレートもしくはテトラヒドロフルフ
リルメタクリレートの如きエーテル結合含有メタクリレ
ート類;2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートも
しくは2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレートの
如き三級アミノ基含有メタクリレート類;アリルメタク
リレートの如きアリル含有メタクリレート類;または、
ベンジルメタクリレートもしくは2−フェニルエチルメ
タクリレートの如き芳香環含有メタクリレート類などで
ある。
そして、まず、前述した如き、水酸基含有メタクリル
酸エステル(A)を用いてメタクリル酸エステル(B)
を調製するさいの、化合物(A)とアセタール類および
/またはケタール類との反応は、通常、加熱条件下で0.
5〜30時間のあいだ、副生する低沸点のアルコール類を
系外に除去しながら行なわれる。
勿論、かかる反応は窒素ガスまたはアルゴンガスの如
き不活性ガスの雰囲気中で行なわれてもよいし、また、
必要により、溶媒を使用して行なわれてもよい。
そうした溶媒類として適切なものは、ベンゼン、トル
エンまたはキシレンなどである。
また、かかる反応は通常、酸触媒の存在下で行なれる
が、そうした触媒として適切なものには、塩酸、硫酸も
しくは硝酸の如き無機酸類;パラトルエンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸もしくはトリクロル酢酸の如き有機
酸類;または三フッ化ホウ素、硫酸水素カリウムもしく
は五酸化リンなどがある。
そのさい、重合を禁止し抑制するために、必要に応じ
て、予め、かかる反応系に重合禁止剤を加えて反応を行
なうことが望ましく、適切な重合禁止剤として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、ハイドロキノ
ン、4−メトキシフェノールまたは4−tert−ブチルカ
テコールなどである。
次いで、化合物(A)から化合物(B)を調製するさ
いの、化合物(A)とα−ハロゲノエーテル類との反応
は、室温または冷却下で、通常、0.5〜30時間のあい
だ、不活性ガス雰囲気中で行なわれる。
また、かかる反応は無溶媒下、あるいは溶媒中のいず
れでも行なわれるが、そうした溶媒の適切なものとして
は、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ヘキサン、ヘ
プタンまたは、ベンゼンなどが挙げられる。
さらに、かかる反応は通常、塩基性化合物の共存下で
行なわれるが、そうした化合物として適切なものの代表
例のみを例げるにとどめれば、ジイソプロピルエチルア
ミンもしくはトリエチルアミンの如きアミン類などであ
るし、また、必要により、ハイドロキノンまたは4−メ
トキシフェノールのような重合禁止剤を共存せしめても
よいことは、勿論である。
また、化合物(A)から化合物(B)を調製するにさ
いして、化合物(A)とα,β−エチレン性不飽和エー
テル化合物との反応は、室温または加温条件下で、通
常、0.5〜30時間のあいだ、窒素ガスやアルゴンガスな
どの不活性ガス雰囲気下で行なわれるが、そのさい、か
かる反応は溶媒の存在下または不存在下のいずれにおい
ても行なわれる。
適切な溶剤としては、塩化メチレン、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンまたはN,N−ジメ
チルホルムアミドなどが挙げられる。
かかる反応はまた、通常、酸触媒の存在下で行なわれ
るが、ここにおいて、適切な触媒としては、パラトルエ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリクロル酢酸も
しくはトリフルオル酢酸の如き有機酸類;または塩酸、
硫酸、オキシ塩化燐、リン酸もしくは臭化水素の如き無
機酸類あるいは、三フッ化ほう素−エーテラート、三塩
化アルミルニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウムの如き
ルイス酸、またはピリジニウムパルトルエンスルホナー
トなどの有機酸塩類などが挙げられるし、さらには、か
かる反応系に加えられる重合禁止剤として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、ハイドロキノン、4
−メトキシフェノールまたは4−tert−ブチルカテコー
ルなどである。
さらに、化合物(A)とカルボニル化合物とを反応さ
せて化合物(B)を得るさいの反応は、通常、加熱条件
下に、0.5〜30時間のあいだ、必要により、窒素ガスや
アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、副生する水
を系外に除去しながら行なわれるし、また、かかる反応
は無溶剤下でも、溶剤の存在下でも行なわれるが、そう
した溶剤として適切なものは、ベンゼン、トルエンまた
はキシレンなどである。
かかる反応は、通常、触媒の存在下で行なわれ、たと
えば、塩酸、硫酸、リン酸もしくは臭化水素の如き無機
酸類;またはパラトルエンスルホン酸もしくはカルボン
酸の如き有機酸類などが特に代表的なものとして行なわ
れる。
そのさいに、特に、一分子中に唯1個の水酸基を有す
るメタクリル酸エステルを用い、かつ、メタノールやエ
タノールなどのアルコール類をも用い、勿論、カルボニ
ル化合物をも用いて化合物(B)を調製するときは、一
分子中に唯1個のメタクリロイルオキシ基を有するアセ
タール類またはケタール類、つまり、アセタール構造ま
たはケタール構造をとった形で保護されている化合物
(B)が得られる。
別に、一分子中に2個以上の水酸基を有するメタクリ
ル酸エステルとカルボニル化合物とを反応せしめるさい
に、必要により、上掲の如きアルコール類を使用するこ
とによって、一分子中に1個のメタクリロイル基を有す
るアセタール類またはケタール類、つまり、アセタール
構造またはケタール構造をとった形で保護されている化
合物(B)が得られる。
こうした、カルボニル化合物を用いて行なわれる反応
系には、必要に応じて、ハイドロキノン、4−メトキシ
フェノールまたは4−tert−ブチルカテコールの如き重
合禁止剤を、予め、加えることが望ましい。
さらにまた、水酸基含有アセタールおよび/またはケ
タール類のメタクリル酸エステル化法によって化合物
(B)を製造するさいの、これらの水酸基含有アセター
ルおよび/またはケタール類と前掲された如きメタクリ
ル酸エステル化剤との反応は、室温で、または加熱条件
下で、通常、0.5〜30時間のあいだ、窒素ガスやアルゴ
ンガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なわれる。
また、かかる反応は溶媒の存在下または不存在下で、
しかも、通常は、塩基性化合物の共存下で行なわれる
が、まず、溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼンまたはトル
ンエンなどが用いられるし、次いで、塩基性化合物とし
ては、トリエチルアミン、トリブチルアミンまたはピリ
ジンの如きアミン類などが用いられる。
加えて、反応系に予め、重合禁止剤を添加させておい
て反応を行なうのが望ましく、かかる重合禁止剤として
は、ハイドロキノン、4−メトキシフェノールまたは4
−tert−ブチルカテコールなどが適切なものである。
以上のようにして、水酸基含有メタクリル酸エステル
(A)中の水酸基をアセタール化および/またはケター
ル化せしめることによって、あるいは、水酸基含有アセ
タールおよび/またはケタール類をメタクリル酸エステ
ル化せしめることによって、本発明に係るアニオンリビ
ングポリマーを調製するための中間体たる、アセタール
構造および/またはケタール構造をとって保護された形
のメタクリル酸エステル(B)を得ることが得られる。
当該化合物(B)はそれ自体、ラジカルに対して活性
である処から、重合禁止剤を併用し、さらに、冷暗所に
保存することが望ましい。
かかる重合禁止剤としては、塩基性のものが望まし
く、それらのうちでも特に代表的なもののを例示するに
とどめれば、フェノチアジンまたはp−フェニレンジア
ミンの如きアミン類などである。
次いで、本発明のアニオンリビングポリマーは、化合
物(B)のアニオンリビング重合、あるいは、化合物
(B)と、アセタール構造および/またはケタール構造
も、活性水素基も、それらの悉くが存在しないメタクリ
ル酸エステル(C)とのアニオンリビング(共)重合に
よって得られるのが、それらのアニオンリビング(共)
重合は、化合物(B)に、あるいは、この化合物(B)
と化合物(C)とに、アニオン重合開始剤を作用される
ことによって得られるものである。
こうしたアニオン重合開始剤として適切なものは、活
性水素を有しないメタクリル酸エステルのアニオン重合
に使用されているようなものであり、こうした公知慣用
の重合開始剤が広く適用できるが、それらのうちでも特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、カリウム
−tert−ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウム
メトキシドもしくはリチウム−tert−ブトキシドの如き
アルカリ金属のアルコキシド類;tert−ブチルマグネシ
ウムブロマイドもしくは、シクロヘキシルマグネシウム
ブロマイドの如きグリニャール試薬;リチウムナフタレ
ン、ナトリウムナフタレンもしくはカリウムナフタレン
の如きナフタレンアルカリ金属塩類;リチウムビフェニ
ル、ナトリウムビフェニルもしくはカリウムビフェニル
の如きビフェニルアルカリ金属塩類;またはリチウムア
ルミニウムハイドライドの如きリチウム試薬などであ
る。
就中、アルカリ金属アルコキシド類をアニオン重合開
始剤として用いる場合には、従来において置換シリル基
によって水酸基が保護されたメタクリル酸エステルを単
量体成分としたさいに認められるような、副反応による
重合率の低下はなく、高重合率で、かつ、高収率で、目
的とする、アセタール構造および/またはケタール構造
の導入を通して、水酸基が保護された形のメタクリル酸
エステルのアニオンリビングポリマーが得られる。
これらは、本発明の独自のメリットである、と言えよ
う。
ところで、アルカリ金属アルコキシド類をアニオン重
合開始剤として用いる場合のアニオン重合は、−100〜
+120℃、好ましくは、0〜100℃、より好ましくは、50
〜100℃なる範囲内で、0.5〜30時間のあいだ行なわれ
る。
このアルカリ金属アルコキシド類以外の、上掲された
如き重合開始剤を用いてのアニオン重合は、室温で行な
ってもよいが、望ましくは、−100〜0℃なる範囲内
で、徳に望ましくは、−100〜−50℃となる範囲内で、
0.5〜30時間のあいだで行なわれる。
そのさい、必要に応じて、溶媒を用いてもよく、かか
る溶媒として特に適切なものは、ベンゼン、トルエンも
しくはキシレンの如き芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタンもしくはシクロヘキサンの如き(環
状)脂肪族炭化水素類;またはテトラヒドロフランもし
くはジエチルエーテルの如きエーテル類などである。こ
れの溶媒は単独使用でも、2種以上の併用でもよいこと
は、勿論である。
アニオン重合はまた、窒素ガスまたはアルゴンガスの
如き公知慣用の不活性ガスの雰囲気中で行なわれること
が望ましく、必要により、減圧下で行なわれてもよい。
得られるアニオンリビングポリマーの重合度は、用い
られるメタクリル酸エステル/アニオン重合開始剤のモ
ル比を、適宜、変えることによって制御することができ
るものであって、かかるモル比を上げることによって重
合度を増大せしめることができる。
また、アルカリ金属アルコキシド類を重合開始剤とす
るアニオン重合においては、メタノールの如きアルコー
ル類を重合度の調節剤ないしは調整剤として用いること
ができる。
こうしたアニオン重合反応を行なうに当たっては、重
合開始剤にメタクリル酸エステルを一括で仕込んで反応
せしめるという方法でもよいし、あるいは、二つ以上に
分割されたメタクリル酸エステルを分割して仕込むとい
う方法でもよいし、さらには、メタクリル酸エステルを
滴下するなどという形で、連続的に供給して行くという
方法でもよい。
メタクリル酸エステルモノマーたる、前記化合物
(B)または化合物(C)の組成を変えることによっ
て、種々の構造を有するアニオンリビングポリマーが得
られるが、2種以上のメタクリル酸エステルモノマーを
併用する場合には、同一種類で、かつ、同一の組成のモ
ノマー同志の場合であっても、重合方法によっては、異
なる構造を持ったアニオンリビングポリマーが得られ
る。
すなわち、2種以上のメタクリル酸エステルを共重合
せしめる場合には、重合系に供給されるモノマーの組成
を経時的に変化させることによって、アニオンリビング
ポリマー中の特定の部位に、特定の構造を有するという
ポリマーを得ることができる。
たとえば、アニオン重合開始剤の存在下に、化合物
(B)のうちの或る一つのモノマーbを重合させてアニ
オンリビングポリマーを得、次いで、化合物(C)のう
ちの或るモノマーcを反応系に供給して重合せしめるこ
とにより、(bqL(ただし、pおよびqはそ
れぞれのモノマーの重合度を表わすものとし、Lは活性
末端を表わすものとする。)なる構造を有する、いわゆ
るジブロックリビングポリマーを得ることもできるし、
また、さらに進んで、再度モノマーbを反応系に供給し
て重合せしめることによって、(b
γL(ただし、γは重合度を表わすものとする。)なる
構造のトリブロックリビングポリマーをも得ることがで
きる。
かくして得られる、本発明のアニオンリビングポリマ
ーは、2〜1,000、好ましくは、2〜500なる重合度を有
するものであって、比較的低温領域において安定なる活
性末端を有するものである。
そのために、本発明のアニオンリビングポリマーは、
種々の親電子剤と反応させることによって、種々の極性
反応基(官能基)を分子末端に導入せしめることができ
るものである。
また、本発明のアニオンリビングポリマーの活性末端
は、プロトン酸類の如き活性水素含有化合物を作用せし
めることにより、容易に失活させることができる処か
ら、アセタール構造および/またはケタール構造を有す
るメタクリル酸エステルの重合体となすことができる。
こうした失活処理に用いられる活性水素含有化合物と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、塩
酸、硫酸、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸も
しくはパラトルエンスルホン酸の如き各種のプロトン酸
類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノールもしくはブタノールの如きアルコール類;また
は水などである。
かくして、失活処理が施された本発明のアニオンリビ
ングポリマーから、さらに該ポリマー中に存在するアセ
タールおよび/またはケタール構造の部分を取り去るこ
とによって、今度は、水酸基を含有するメタクリル酸エ
ステルの重合体を得ることができる。
こうしたアセタール構造および/またはケタール構造
部位の除去は、それらの構造によって種々の条件を設定
することができるが、一般には、酸触媒を用いる加水分
解によればよい。
かかる触媒として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、塩酸、硫酸もしくは硝酸の如き無機酸類;
パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリ
フルオル酢酸もしくは酢酸の如き有機酸類;または酸性
水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)もしくはス
ルホン酸基(−SO3H)の如き酸性基を有する酸性イオン
交換樹脂などである。
酸触媒加水分解によるアセタールおよび/またはケタ
ール部位の除去反応は、室温で、または加熱条件下で、
通常、1分間から30時間のあいだで行なわれ、そのさ
い、水中で、または水と有機溶媒との混合系中で行なっ
てもよく、かかる有機溶媒として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、メタノールもしくはエタノー
ルの如きアルコール類;またはテトラヒドロフラン、ジ
オキサンもしくはジエチルエーテルの如きエーテル類な
どをはじめ、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル
−2−ピロリジノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサ
ン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンまたはキシレンなど
である。これらは単独使用でも、2種以上の併用でもよ
いことは、勿論である。
ところで、かかる酸触媒加水分解反応は、それ自体
が、平衡反応である処から、使用される水の量として
は、除去されるべきアセタールおよび/またはケタール
類に対して過剰であることが望ましいし、こうしたアセ
タール類および/またはケタール類の除去処理の操作
は、必要の都度、繰り返し行なわれてもよい。
かくして得られる、本発明のアニオンリビングポリマ
ーをはじめ、該ポリマーに対しての失活処理やら、該ポ
リマーからのアセタール類および/またはケタール構造
の部位の除去処理などの操作を通して得られる、それぞ
れのポリマーは、いずれも、従来において、ラジカル重
合法に従って得られていた同一組成のポリマーに比し
て、種々の重合度を設定することができるし、しかも、
極めて狭い分子量分布を有するものである。
したがって、これら上記の如き特徴を活かし、最大限
に利用することによって、従来の技術に従う限りは、得
ることができなかった、たとえば、低分子量で、かつ、
分子量分布の狭い、アセタール構造、ケタール構造また
は水酸基を有する、さらには、これら以外の極性反応性
(官能基)や構造部位などを有する、メタクリル酸エス
テル重合体などの各種のポリマーを得ることができる。
本発明に係るこれら各種のポリマーは、通常のラジカ
ル重合法によって得られる、それぞれ、同一組成で、か
つ、同一の数平均分子量を有するポリマーに比して、重
量平均分子量も、粘度平均分子量も、共に、小さいとい
う特徴をも有するものである。
したがって、アニオン重合法によって得られる本発明
の各種のポリマーは、ラジカル重合法によって得られ
る、同一数平均分子量を有する同一組成のポリマーに比
して、低粘度のものであり、ひいては、或る一定の粘度
を得るために併用される溶媒の量を、著しく低減せしめ
ることができるものである。
かくて、本発明のアニオンリビングポリマー、および
それから誘導される各種のポリマーは、いずれも、ハイ
ソリッド塗料用の樹脂として特に有用性の高いものであ
る。
次に、本発明のアニオンリビングポリマーを用いて、
かかるハイソリッド塗料用組成物を調製する方法の一例
について述べることにする。
まず、アニオンリビングポリマーを、キシレンなどの
有機溶媒類で希釈してから、塩酸などの酸類を含む水
と、メタノールなどのアルコール類とからなる混合溶液
で数回に亘って洗浄することによって、該ポリマーを失
活させ、加水分解せしめて、水酸基含有メタクリル酸エ
ステル重合体の溶液を調製する。
次いで、減圧下に加熱して水およびアルコール類など
の低沸点化合物を留去し、キシレンなどの有機溶媒類で
希釈することによって、一定の粘度を有する水酸基含有
重合体の溶液を得る。
しかるのち、この樹脂溶液に顔料および顔料分散剤を
配合し、ペイント・コンディショナーなどの分散機で一
定時間の分散化を行なってから、水酸基と反応して硬化
塗膜を形成させうるポリイソシアネートなどの硬化剤を
配合せしめる。
次いで、かくして得られる塗料配合物を、スプレー塗
装法などの公知慣用の方法により、被塗物基材上に塗装
し、一定の温度で一定時間の焼付けを行なう。
この焼付けによって、塗膜は硬化し、水にも有機溶媒
にも不溶の架橋塗膜となる。
本発明のアニオンリビングポリマーを用いて、これら
の上述した如き一連の操作によって得られた硬化塗膜
は、揮発分の少ない条件下で被膜の形成が為されている
ものである処から、外観にすぐれるものであり、しか
も、該ポリマー分子中の特定の部位に特定の架橋点を有
しているものである処から、充分なる架橋密度と充分な
る柔軟性ないしは可撓性とを併せ有するものであって、
塗膜として、充分、実用に耐えうるものである。
本発明のアニオンリビングポリマー、およびそれから
得られる各種のポリマーは、塗料用樹脂という唯一の用
途に限られるものでは決してなく、ポリマー分子中の特
定部位に、水酸基やアセタールおよび/またはケタール
構造などの官能基を有するものである処から、こうした
各種の官能基を有するという特徴を活かした形の種々の
機能性高分子素材として、たとえば、反応性可塑剤、相
溶化剤、分散剤、乳化剤、グラフトポリマー用合成原
料、イオン交換樹脂用原料、マクロモノマー合成用原
料、熱硬化性成形用樹脂ならびに反応性紫外線吸収剤含
有難樹脂などとして、広範囲に利用することができる。
また、本発明のアニオンリビングポリマー、および該
ポリマーを失活させて得られるポリマーは、アセタール
類および/またはケタール類で保護された水酸基を有す
るものである処から、硬化剤として、ポリイソシアネー
トの如き、いわゆる水酸基と反応性を有する化合物と併
用することができる。
こうした形の配合物は、保存安定性にすぐれるし、し
かも、酸類の如き脱保護剤を使用することによって、空
気中で、基材などに塗布されるなどの形で用いられるよ
うな場合には、空気中の水分(湿気)と反応して再生さ
れた水酸基が硬化剤と反応して、架橋フィルムを形成せ
しめうるという特徴を有するものである。
したがって、かかる脱保護剤との組成物は、保存安定
性にすぐれる反応性樹脂組成物として利用することがで
きる。
本発明において、アセタール構造および/またはケタ
ール構造を有するメタクリル酸エステルのアニオン重合
によって、高収率で、該メタクリル酸エステルのアニオ
ンリビングポリマーが得られることは、前述した通りで
あるが、その理由は概ね、次のようなものであると考え
られる。
メタクリル酸エステルのアニオン重合は、該重合を開
始するアニオン重合開始剤および該重合を推進するエノ
レートアニオンが活性を保つことのできる塩基性の条件
下で行なわれる。
アセタール構造および/またはケタール構造それ自体
は、かかる塩基性条件に対して極めて高い安定性を有す
るものであって、これら上記のアニオン重合開始剤およ
びエノレートアニオンと何らの反応をも起こすことがな
いものである処から、化合物(B)は、活性水素をが有
しないメタクリル酸エステルモノマーと同様にアニオン
重合し、当該化合物(B)のアニオンリビングポリマー
を与えるものと思われる。
アセタール構造および/またはケタール構造それ自体
は、エーテル型構造のものから成っているものである処
から、種々の求核試薬に対しても、塩基性反応試薬に対
しても、本来、安定なものであって、tert−ブチル基な
どのアルキル置換基による立体障害の付与化という特別
の手段をも何ら必要とするものではなく、種々のアニオ
ン重合条件下で安定なるアニオンリビングポリマーを与
えることになるのであると考えられる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例、比較例および応用例
により、一層、具体的に説明する。以下において、
「%」は特に断りのない限り、すべて「重量%」である
ものとする。
なお、アニオン重合反応は、真空ラインおよび窒素ガ
スラインに接続された三方コック4と、種々のモノマー
を仕込むための等圧型滴下漏斗1,1′と、還流冷却管2
と、アニオン重合開始剤と磁気回転子とを含有するフラ
スコ3とが、連続的に接続された、第1図に示されるよ
うな装置を用いて、次のような手順により行なった。
すなわち、まず、かかる装置を冷やしてから、真空ラ
インに接続し、高真空に保持して脱気せしめる。
次いで、窒素ラインに接続してフラスコ内を窒素ガス
で置換する。
こうした脱気および窒素ガス置換の操作を、必要によ
り、数回に亘って繰り返してから、窒素ガス雰囲気中
で、モノマーを滴下して、所定の温度で所定の時間のあ
いだ重合反応を行なう。
また、モノマーの合成反応は、窒素ガスライン、温度
計、撹拌機、冷却管および滴下漏斗を連続的に接続され
た形のフラスコを用いて行なった。
参考例1(アセタール構造含有モノマーの調製例) モノマー合成反応装置に、エチルビニルエーテルを入
れ、10℃以下に冷却し撹拌しておいた、エチルビニルエ
ーテルと等モルのβ−ヒドロキシエチルメタクリレート
と、エチルビニルエーテルに対して0.3モル%の濃塩酸
との混合物を、発熱に注意しながら、滴下した。滴下
中、必要により、反応液を氷冷して、反応液の温度を15
℃以下に保持した。
滴下終了後は、室温で3時間の撹拌を行なってから、
使用した濃塩酸に対して1.5倍当量の水酸化カリウム水
溶液を加えて中和した。
次いで、中和により生成した塩化カリウム白色固体を
過して取り除き、液をヘキサンで抽出した。
炭酸ナトリウム水溶液で洗浄したのち、無水硫酸ナト
リウムで乾燥させた。
使用したβ−ヒドロキシエチルメタクリレートの3%
のフェノチアジンを加えてから、減圧濃縮を行なった。
引き続いて、ヴィグリュー分留管を用いて減圧蒸留を
行なった処、使用したβ−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを基準として91モル%の収率で、目的とする2−
(1−エトキシエトキシ)エチルメタクリレート(EEEM
A)が得られた。以下、これをメタクリル酸エステル
(B−1)と略称するが、このものの沸点は56〜58℃/
0.4mmHgであった。
このメタクリル酸エステル(B−1)は、該エステル
(B−1)の0.1%のフェノチアジンが加えられたの
ち、窒素雰囲気中、冷暗所に保存された。
該エステル(B−1)をIRスペクトル、1HNMRおよび
マススペクトルにより分析した結果、式 で示される化合物であることが確認された。
すなわち、IRスペクトル、1HNMRおよびマススペクト
ル(MS)は、それぞれ、次表に示される通りである。
参考例2(同上) モノマー合成反応容器に、β−ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)と、このHEMAに対して10モル%のピ
リジニウムパラトルエンスルホネートとからなる混合物
の塩化メチレン溶液を仕込み、そこへ予め撹拌しておい
た、HEMAに対して1.5倍モルの3,4−ジヒドロ−2H−ピラ
ンを滴下して、室温で5時間のあいだ撹拌を続行せしめ
た。
穏やかに起こる発熱を水冷することによって、反応液
の温度を30℃以下に保って、反応終了後は、ヘキサンを
加えてピリジニウムパラトルエンスルホネートを沈降さ
せ、過して取り除いた。
液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥させた。
使用したHEMAの3%のフェノチアジンを加えて減圧濃
縮した。
次いで、ヴィグリュー分留管を用いて減圧蒸留を行な
った処、使用したHEMAを基準として82モル%の収率で、
目的とする2−(2−テトラヒドロピラニロキシ)エチ
ルメタクリレート(THPEMA)が得られた。以下、これを
メタクリル酸エステル(B−2)と略称するが、このも
のの沸点は72〜75℃/0.5mmHgであった。
該エステル(B−2)は、その0.1%のフェノチアジ
ンが加えられ、窒素下で、冷暗所に保存された。
該エステル(B−2)についてのIRスペクトル、1HNM
Rおよびマススペクトルの分析の結果、式 で示される化合物であることが確認された。
すなわち、IRスペクトル、1HNMRおよびマススペクト
ル(MS)は、それぞれ、次表に示される通りのものであ
る。
参考例3(同上) モノマー合成反応装置に、イソブチルビニルエーテル
を仕込み、10℃以下に冷却し撹拌しておいた、イソブチ
ルビニルエーテルと等モルのβ−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート(HPMA)と、イソブチルビニルエーテルに
対して、0.5モル%の濃塩酸との混合物を、発熱に注意
しながら滴下した。
滴下中、必要に応じて、反応液を氷冷して反応液の温
度を15℃以下に保持した。
滴下終了後は、室温で3時間のあいだ撹拌し続けたの
ち、使用した濃塩酸に対して1.5倍当量の水酸化カリウ
ム水溶液を加えて中和した。
かかる中和により生成した塩化カリウム白色固体を
過して取り除き、液をヘキサンで抽出した。
次いで、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄したのち、無水
硫酸ナトリウムで乾燥させた。
使用したHPMAの3%のフェノチアジンを加えたのち、
減圧濃縮した。
引き続き、ヴィグリュー分留管を用いて減圧蒸留を行
なって、使用したHPMAを基準として86モル%の収率で、
目的とするト2−(1−イソブトキシエトキシ)プロピ
ルメタクリレートIBEPMA)を得た。以下、これをメタク
リル酸エステル(B−3)と略記するが、このものは66
〜69℃/0.4mmHgの沸点を有していた。
このものは、その0.1%のフェノチアジンを加えたの
ち、窒素下で、冷暗所に保存した。
このものについて、IRスペクトル、1HNMRおよびマス
スペクトルにより分析を行なった結果、式 なる構造を有することが確認された。
すなわち、IRスペクトル、1HNMRおよびマススペクト
ル(MS)は、それぞれ、次表に示される通りである。
参考例4(ケタール構造含有モノマーの調製例) モノマー合成反応装置に、2,2−ジメチル−1,3−ジオ
キソラン−4−メタノール(DMDOMeOH)と、このDMDOMe
OHと等モルのトリエチルアミンと、このDMDOMeOHに対し
て2%のフェノチアジンとからなる混合物のトルエン溶
液を入れ、室温で撹拌しておいた。DMDOMeOHに対して0.
9倍モルの無水メタクリル酸を室温で滴下したのち、110
℃で10時間の反応を行なった。
次いで、反応液をヘキサンで抽出し、炭酸ナトリウム
水溶液で中和して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてか
ら、DMDOMeOHに対して2%のフェノチアジンを加え、し
かるのち、80℃に加熱して減圧濃縮した。
引き続いて、ヴィグリュー分留管を用いて減圧蒸留を
行なった処、使用したDMDOMeOHを基準として64モル%な
る収率で、目的とするト2,2−ジメチル−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル−メチルメタクリレート(DOMMA)が得
られた。以下、これをメタクリル酸エステル(B−4)
と略称するが、このものの沸点は52〜53℃/0.45mmHgで
あった。
このメタクリル酸エステル(B−4)を、その0.1%
のフェノチアジンを加えたのち、窒素下で冷暗所に保存
する一方でIRスペクトル、1HNMRおよびマススペクトル
分析にかけた処、式 で示される構造をもった化合物であることが確認され
た。
すなわち、IRスペクトル、1HNMRおよびマススペクト
ル(MS)は、それぞれ、次表に示される通りである。
実施例1〜11 これらの一連の実施例は、いずれも、アニオンリビン
グポリマーの調製例を示すためのものである。
まず、0.1%の重合禁止剤を含む、参考例1で得られ
たメタクリル酸エステル(B−1)を、第5表に示され
るような種々のアニオン重合開始剤に作用させて、キシ
レン、トルエンまたはテトラヒドロフラン中、所定の温
度で、所定時間のあいだ、アニオン重合を行なった。
その結果、同表に示される通り、種々のアニオン重合
開始剤に対して、重合は速やかに進行し、しかも、ほぼ
定量的に、目的とするアニオンリビングポリマーが得ら
れることが判明した。
次いで、このリビングポリマーの活性末端を、アニオ
ン重合開始剤と等モル量の酢酸を加えて失活せしめ、生
成した酢酸塩を過して取り除いたのち、IRスペクトル
および1HNMRスペクトル分析にかけた処、メタクリル酸
エステル(B−1)中の共役二重結合に基く吸収の存在
は認められなかったし、しかも、アセタール構造に基く
吸収は何らの変化もしていないことが確認された。(第
7表を参照) なおかつ、得られた吸収スペクトルは、ラジカル重合
法によって合成されたポリ{2−(1−エトキシエトキ
シ)エチルメタクリレート}の吸収に一致するものであ
ることも確認された。
さらに、ゲル・パーミェーション・クロマトグラフィ
ー(GPC)により、得られたアニオンリビングポリマー
の分子量を測定した結果、このポリマーは極めて狭い分
子量分布を有するものであることも確認できた。(第5
表を参照。) 同様の操作により、参考例2〜4で得られた、それぞ
れ、メタクリル酸エステル(B−2)〜(B−4)を用
いて各種のアニオンリビングポリマーを得た。
次いで、それぞれのポリマーについても、同様に、同
定を行なった処、実施例1と同様の結果であることが確
認できた。(第5表を参照。) 実施例12〜20 これらの例は、いずれも、アニオンリビング・コポリ
マーの調製例を示すためのものである。
まず、0.1%の重合禁止剤を含む、参考例1で得られ
たメタクリル酸エステル(B−1)と、n−ブチルメタ
クリレートとを、アニオン重合開始剤に、それぞれ、同
時に、あるいは、別々に作用させて、キシレンまたはト
ルエン中、所定の温度で、所定時間のあいだ、アニオン
共重合を行なった。
その結果、第6表に示される通り、種々のアニオン重
合開始剤に対して、重合は速やかに進行し、しかも、ほ
ぼ定量的に、目的とするアニオンリビング・コポリマー
が得られることが判明した。
次いで、このリビング・コポリマーの活性末端を、ア
ニオン重合開始剤と等モル量の酢酸を加えて失活せし
め、生成した酢酸塩を過して取り除いたのち、IRスペ
クトルおよび1HNMRスペクトル分析にかけた処、メタク
リル酸エステル(B−1)中の、およびn−ブチルメタ
クリレート中の両共役二重結合に基く吸収の存在は認め
られなくなっていたし、しかも、このメタクリル酸エス
テル(B−1)中のアセタール構造に基く吸収は何らの
変化もしていないことが確認された。(第7表を参
照。) また、得られた吸収スペクトルは、ラジカル重合法に
よって合成された、上記両モノマーからのコポリマーの
吸収スペクトルに一致するものであることも確認され
た。
さらに、得られたアニオンリビング・コポリマーの分
子量をGPCにより測定した結果、このコポリマーは極め
て狭い分子量分布を有するものであることも確認でき
た。(第6表を参照。) 同様の操作により、各種のアニオンリビング・コポリ
マーを得た。
次いで、それぞれのコポリマーについても、同様に、
同定を行なった処、実施例12と同様の結果であることが
確認された。(第6表を参照。) 第6表の脚註 註1) EEEMA(30%)を反応させたのち、n−BMA(70
%)を加えて反応させた。
2) EEEMA(50%)を反応させたのち、IBEPMA(50
%)を加えて反応させた。
3) EEEMA(70%)−MMA(30%)混合物を反応させ
た。
4) THPEMA(60%)−DMAEMA(40%)混合物を反応
させた。
5) IBEPMA(30%)−EPMA(70%)混合物を反応さ
せた。
6) DOMMA(40%)−AMA(60%)混合物を反応させ
た。
7) EEEMA(20%)を反応させたのち、n−BMA(60
%)を加えて反応させ、次いで、さらにEEEMA(20%)
を加えて反応させた。
8) EEEMA(40%)を反応させたのち、DOMMA(30
%)を加えて反応させ、次いで、さらにDMAEMA(30%)
を加えて反応させた。
実施例21 本例は、実施例2で得られたアニオンリビングポリマ
ーを酸触媒により、水酸基含有メタクリル酸エステルの
ポリマーを調製するためのものである。
まず、実施例2で得られた、メタクリル酸エステル
(B−1)のアニオンリビングポリマーに、該ポリマー
を得るに当たって用いたアニオン重合開始剤と等モル量
の酢酸を加えて失活せしめ、生成した酢酸塩を過して
取り除いた。
次いで、液(アクリル樹脂溶液)を1規定塩酸水溶
液−メタノール混合溶液で、室温下に、繰り返し洗浄せ
しめ、加熱濃縮せしめることにより、酸性条件下での加
水分解を行なった。
しかるのち、かくして得られたポリマーを、IRスペク
トルおよび1HNMRスペクトル分析にかけた処、アセター
ル構造に基く吸収は消失していることが、その代わりに
水酸基に基く吸収が現われていることが、それぞれ、確
認されたし、しかも、当該スペクトルは、ラジカル重合
法によって合成されたポリ(β−ヒドロキシエチルメタ
クリレート)のそれと一致していることも判明した。
(第7表を参照。) 実施例22 本例は、実施例19で得られたアニオンリビング・コポ
リマーを、酸触媒の存在下で加水分解せしめるというこ
とによって、β−ヒドロキシエチルメタクリレートと、
n−ブチルメタクリレートとのコポリマーを調製するた
めのものである。
まず、実施例21と同様にして、メタクリル酸エステル
(B−1)とn−ブチルメタクリレートとのアニオンリ
ビング・コポリマーを、酸性条件下で加水分解せしめ
た。
次いで、かくして得られたコポリマーを、IRスペクト
ルおよび1HNMRスペクトル分析にかけた処、アセタール
構造に基く吸収は消失している一方で、水酸基に基く吸
収が現われていることが確認されていたし、しかも、当
該スペクトルは、ラジカル重合法によって合成された、
β−ヒドロキシエチルメタクリレートとn−ブチルメタ
クリレートとのコポリマーのそれと一致していることも
判明した。(第7表を参照。) また、実施例21で得られたメタクリル酸エステル(B
−1)のホモポリマーを、一方、実施例22で得られた、
メタクリル酸エステル(B−1)とn−ブチルメタクリ
レートとのアニオンリビング・コポリマーを加水分解せ
しめて得られたポリ(β−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、またはβ−ヒドロキシエチルメタクリレート・n
−ブチルメタクリレート共重合体の分子量をGPCにより
測定した処、これらの(コ)ポリマーは、いずれも、極
めて狭い分子量分布を有するものであることも確認され
た。
さらに、実施例21および22で得られた、それぞれのア
クリル樹脂の分子量を、GPCにより測定した結果、これ
らの(コ)ポリマーは、いずれも、極めて狭い分子量分
布を有するものであることも確認できた。(第8表を参
照。) 応用例1 実施例21で得られたポリ(β−ヒドロキシエチルメタ
クリレート)と、トリメチロールプロパンヘキサメチレ
ンジイソシアネート付加物とを、OH/NCO=1/1(当量
比)となるように、常法により、配合せしめて高固形分
のクリヤー塗料(ハイソリッド塗料組成物)を調製し
た。
次いで、この塗料をボンデ処理軟鋼板に塗布し、所定
の温度で所定の時間、焼付けを行なって硬化塗膜を得
た。
しかるのち、この塗膜について諸性能の評価を行なっ
た。
それらの結果は、第9表に、まとめて示す。
応用例2 ポリ(β−ヒドロキシエチルメタクリレート)の代わ
りに、実施例22で得られた、β−ヒドロキシエチルメタ
クリレートとn−ブチルメタクリレートとの共重合体を
用いるように変更した以外は、応用例1と同様にして、
ハイソリッド塗料組成物を調製し、塗布し、焼付けを行
なった。
かくして得られた塗膜についても、同様の諸性能の評
価を行なった。
それらの結果は、第9表に、まとめて示す。
〔発明の効果〕 以上のようにして得られる、それぞれ、アニオンリビ
ング(コ)ポリマー、該リビング(コ)ポリマーの活性
末端を失活せしめて得られる、メタクリル酸エステルの
(コ)ポリマー、ならびに、かかるメタクリル酸エステ
ル(コ)ポリマーを酸性条件下で加水分解せしめて得ら
れる、水酸基含有メタクリル酸エステル(コ)ポリマー
は、前二者とも、分子中にアセタール構造および/また
はケタール構造を有するという、極めて独自性のあるも
のである。
まず、アルカリ金属アルコキシドをアニオンリビング
ポリマー形成用中間体のアニオン重合開始剤として用い
ても、アセタール構造および/またはケタール構造を有
するメタクリル酸エステル類は、何らの副反応を伴うも
のではなく、目的とする各種のアニオンリビング(コ)
ポリマーおよびそれらの各種の誘導体が、収率よく得ら
れる。
しかも、このように得られる、いずれの(コ)ポリマ
ーは、極めて狭い分子量分布を持ったものである処か
ら、極めて実用的効果の高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のアニオンリビングポリマーを調製す
るためのアニオン重合反応装置の一例を示す概略正面図
である。 図中の各記号は、次の通りである。 1,1′……等圧型滴下漏斗 2……還流冷却管 3……フラスコ 4……三方コック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 133/04 C09J 133/04 (56)参考文献 特開 平4−15205(JP,A) 特開 平3−131610(JP,A) 特開 平3−122104(JP,A) 特開 平2−298505(JP,A) 特開 昭61−250011(JP,A) 特開 平1−305052(JP,A) 特開 平1−50844(JP,A) 特開 平1−101377(JP,A) 特開 昭61−200982(JP,A) 特開 昭61−40279(JP,A) 特開 昭60−197670(JP,A) 特開 昭60−78976(JP,A) 特開 昭60−11840(JP,A) 特開 昭58−201786(JP,A) 特開 昭58−17412(JP,A) 特開 昭58−8078(JP,A) 特開 昭62−91520(JP,A) 特開 昭61−266406(JP,A) 特開 昭61−266405(JP,A) 特開 昭61−266404(JP,A) 特開 昭60−72884(JP,A) 特開 昭60−72883(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一分子中に少なくとも1個の水酸基を有す
    るメタクリル酸エステル(A)の水酸基をアセタール構
    造および/またはケタール構造としてブロックせしめた
    形のメタクリル酸エステル(B)をアニオン重合させる
    か、もしくは、一分子中にアセタール構造、ケタール構
    造または活性水素原子を有する基のいずれをも有しない
    メタクリル酸エステル(C)と前記したメタクリル酸エ
    ステル(B)とをアニオン共重合させることを特徴とす
    る、アニオンリビングポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】前記したメタクリル酸エステル(B)が、
    一分子中に少なくとも1個の水酸基を有するメタクリル
    酸エステル(A)と、α,β−エチレン性不飽和エーテ
    ル化合物とを反応させて得られるものである、請求項1
    に記載のアニオンリビングポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】前記したメタクリル酸エステル(B)が、
    一分子中に少なくとも1個の水酸基を有するメタクリル
    酸エステル(A)と、アルキルビニルエーテル、アルキ
    ルイソプロペニルエーテルおよびピラン誘導体よりなる
    群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応させて
    得られるものである、請求項1に記載のアニオンリビン
    グポリマーの製造方法。
  4. 【請求項4】前記したメタクリル酸エステル(B)が、
    環状アセタール構造および/または環状ケタール構造を
    有するものである、請求項1、2または3に記載のアニ
    オンリビングポリマーの製造方法。
  5. 【請求項5】アルカリ金属アルコキシド類をアニオン重
    合開始剤として用いる、請求項1〜4のいずれか1項記
    載のアニオンリビングポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】2〜1,000なる重合度のアニオンリビング
    ポリマーを製造する、請求項1〜5のいずれか1項記載
    のアニオンリビングポリマーの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方
    法で得られたアニオンリビングポリマーの活性末端を失
    活させることを特徴とする、アセタール構造および/ま
    たはケタール構造を有するメタクリル酸エステルのポリ
    マーの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の製造方法で得られたメタ
    クリル酸エステルのポリマーを、酸性条件下で、加水分
    解せしめることを特徴とする、水酸基含有メタクリル酸
    エステルのポリマーの製造方法。
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