JP3098384U - ワイヤ錠を備えたスーツケース - Google Patents
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Abstract
【課題】キーの紛失を防ぎ、盗難を防ぎ、他の鞄を一緒にワイヤで吊るして運搬できるようにしたスーツケースを提供する。
【解決手段】ヒンジ部から前方部に向かって身側ケース1Aと蓋側ケース1Bを開閉するためのジッパー4が延び、身側ケース1Aの上面部に、把手2が備えられている。把手2から肩口部にかけて、ハンドル3を、伸縮自在に収納するハンドルケースHが構成される。このハンドルケースHの内には、ワイヤ錠を装着した。スーツケース本体1の底には、キャスター5を備え、ハンドル3を持ち上げ、この把手を掴んで引っ張り走行するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】ヒンジ部から前方部に向かって身側ケース1Aと蓋側ケース1Bを開閉するためのジッパー4が延び、身側ケース1Aの上面部に、把手2が備えられている。把手2から肩口部にかけて、ハンドル3を、伸縮自在に収納するハンドルケースHが構成される。このハンドルケースHの内には、ワイヤ錠を装着した。スーツケース本体1の底には、キャスター5を備え、ハンドル3を持ち上げ、この把手を掴んで引っ張り走行するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、盗難防止および他の小荷物と一緒に運搬する機能を兼ね備えたスーツケースを提供することを目的とする。詳しくは、スーツケース本体のハンドルケース内にワイヤ錠を装着して、スーツケース本体の収納部と施錠部とを結合、一体化することによって、キーの紛失を防ぎ、そして、ワイヤで収納部を施錠するとともに、ワイヤでスーツケース本体を柱状固定物に繋留して盗難を防ぎ、また、アウトハンガーと称して、他の鞄等の小荷物を一緒にワイヤで吊るして運搬できるようにしたスーツケースを提供する。
【0002】
【従来の技術】
旅行用のスーツケースは、通常、運搬途中に過って蓋が開くのを防止するため、あるいは、スーツケース本体の中の荷物が盗難に遭うのを防ぐために施錠する。この種のスーツケースは容易に持ち運びできる重量と構造からなっている。また、最近では、持ち運びが楽なように、キャスター付きのスーツケースが多く見られる。この様な状況のため、スーツケースの中の荷物はもとより、スーツケース本体もろとも、盗難の対象になり易いのが現状である。
【0003】
一方、スーツケースに取り付けられている錠は、南京錠に代表されるように、施錠、開錠する都度、キー穴にキーを差し込んで回すことによって、錠のロック部材を係、脱位置に変位させる方式が一般的である。あるいは、キー操作に代えて、施錠機構を構成する回転部材またはスライド部材を操作して、刻印されたダ゛イヤルの数字を合わせることにより、施錠、開錠できる様に構成されている。また、最近では、電子ロックと称される非接触式の施錠機構を備えたスーツケースが多く見られる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの施錠手段には、一長一短がある。キーをキー穴に差し込んで廻す操作は面倒である。そして、差し込んだキーを抜き取り忘れることも稀ではない。さらには、抜き取ったキーの保管場所を忘れ、開錠できないこともある。また、スーツケースを施錠し、用足しのため仮置きしたまま、その場を離れた際に、スーツケースもろとも持ち去られることもある。また、電子ロックの場合は、IDカード等の無線キーの保管場所を忘れたり、紛失することもあり問題があった。
【0005】
本考案は、上記事情に鑑みて、スーツケース本体のハンドルケース内にワイヤ錠を装着することにより、スーツケース本体の収納部と施錠部とを結合、一体化するものである。このことによって、キーの紛失を防ぎ、そして、ワイヤで収納部を施錠するとともに、ワイヤでスーツケース本体を柱状固定物に繋留して盗難を防ぎ、また、他の小荷物を一緒に運搬する機能を備えたスーツケースを提供することを目的とする。即ち、以下のような、盗難防止と運搬の機能を兼ね備えたスーツケースを提供する。
(1) 収納部のジッパーを施錠し、開くことができないようにして、盗難から中の荷物を守る。
(2) スーツケースを仮置きしてその場を離れる際は、傍のフェンス、柱、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物に、スーツケースを繋留することにより盗難から守る。
(3) アウトハンガーと称して、他の荷物と一緒に吊るして一度に運搬する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の考案は、ハンドルケース内にワイヤ錠を装着したスーツケースであって、前記ワイヤ錠のワイヤの端部を上記ハンドルケース内に係止するとともに、ワイヤの他方の端部を上記ハンドルケースの外に引き出してなることを特徴とするスーツケースである。
【0007】
また、請求項2の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記ワイヤ錠のワイヤの他方の端部を着脱可能にしてなるスーツケースである。
【0008】
請求項3の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記ハンドルケースには、上記ワイヤ錠からワイヤを上記ハンドルケースの外に引き出すための引出口とともに、上記ワイヤの他方の端部を係止するための差込口を設け、そして、上記ワイヤを出入可能にするワイヤ操作口と上記ワイヤの他方の端部を挿脱可能にする開錠口から構成されるものである。
【0009】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を、添付図面に示した本考案の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0010】
先ず、本考案の実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、キャスター付きのスーツケースである。本図に示したスーツケース本体1は、ABS強化樹脂製等で収納部を形成するハードケースタイプの例である。スーツケース本体1の奥側のヒンジ部(図示なし)を介して、収納部の深さ方向で、身側ケース1Aと蓋側ケース1Bとの二つ割状に開口される構造である。そして、ヒンジ部から前方部に向かって身側ケース1Aと蓋側ケース1Bを開閉するためのジッパー4が延びている。また、ジッパー4に沿って蓋側ケース1Aの上面部に、把手2が備えられている。そして、身側ケース1A側で、把手2から肩口部にかけて、ハンドル3を、伸縮自在に収納するハンドルケースHが構成される。また、このハンドルケースHの内には、従来公知の施錠機構であるワイヤ錠Kを装着したものである。ここで、ハンドルケースHは、スーツケースの規格部品を採用したもので、中はハンドル3が縦長に入っているだけでスペースの余裕がある。そこで、そのスペースにワイヤ錠Kを組み込んだものである。その他、スーツケース本体1の底には、キャスター5を備える。そして、スーツケース本体1を持ち運ぶ際は、ハンドル3を持ち上げ、この把手を掴んで引っ張り走行するものである。
【0011】
図2は、本実施例を構成する施錠機構の説明図である。本実施例のワイヤ錠Kは、上記したように従来公知の機構を有する。施錠機構は、ダイヤル盤11、ワイヤ12、ゼンマイ固着軸13、ゼンマイ14、ワイヤ12を巻き戻すための力を蓄えた巻取りドラム15等から構成されている。ここで、ダイヤル盤11は、特定の数字を合わせると施錠、開錠されるものであり、ワイヤ12はスーツケース本体1のジッパー4を閉じ、スーツケース本体1を施錠しておくための紐状のものである。ゼンマイ14は、巻取りドラム15の中に装着され、引き出したワイヤ12を巻き戻す力となる。巻取りドラム15の外周には、ラチェット爪16Cと係合するラチェット車15Bの爪が形成されている。このゼンマイ14は、ワイヤ12を巻きつけた巻取りドラム15を巻取り方向に付勢する作用をする。詳しくは、ワイヤ12の先端がゼンマイ固定軸13に固着されており、そして、巻取りドラム15の中側にゼンマイ14の他端が押し付け付勢された構造である。このため、巻取りドラム15とラチェット爪16Cとの係合が解除される間、ゼンマイ14の復元力によって、巻取りドラム15が逆回転し、ワイヤ12が巻き戻される。その他、施錠機構は、トリガー16、開錠ボタン17等からなる。ここで、トリガー16は、軸16Aを基準に回転するレバー16Bとその先端に軸16Dを基準にして回る継手18、また、この先端にワイヤロック板19から構成されている。
【0012】
次に、上記したワイヤ錠Kの作用を説明する。トリガー16をワイヤ錠Kの中側方向へ押すことにより、軸16Aを支点としてレバー16Bが上側へ引き上げられる。その時、ワイヤロック板19の角度が変わってワイヤのロック状態が解除されるので、ワイヤ12がワイヤ受け20の孔を自由に通り抜ける。ついで、ワイヤ12を上へ引っ張ることにより、巻取りドラム15の外周に幾重にも巻かれているワイヤ12が外に長く引き出される。また、トリガー16をワイヤ錠Kの中側方向へ押している間、ラチェット車15Bとラチェット爪16Cとの係合が解除されるので、ゼンマイ14の復元力によって巻取りドラム15が逆回転し、外に引き出されたワイヤ12が巻き戻され、巻取りドラム15の外周に巻き取られる。
【0013】
ついで、引き出したワイヤ12の先端のワイヤヘッド12Aを差込孔22に挿入する。このようにして、ワイヤ12は、スーツケース本体1のハンドケースH内のワイヤ錠Kに係止されることになる。ワイヤ12の係止を解除する場合は、開錠ボタン17をワイヤ錠Kの中側へ押す。これにより、ワイヤヘッド12Aが差込孔22から脱離される。
【0014】
つぎに、ハンドルケースH内に装着したワイヤ錠Kの使い方について、図3を参照しながら説明する。スーツケース本体1の身側ケース1Aの上面からの肩口部にかけてハンドルケースHを設け、その内側にワイヤ錠Kを装着する。そして、ハンドルケースHには、ワイヤ錠Kを外から操作するために、開錠口27およびワイヤ操作口28を設ける。そして、ワイヤ操作口28に指を差しこんでトリガー16をワイヤ錠Kの中側へ押すことにより、ワイヤロック板19が解除されるので、引出口25を介してワイヤ12を外へ長く引き出すことができる。
【0015】
一方、ジッパー4が閉じ寄せられ、両側のジッパーがぶつかった箇所に、スライダー6の先端部に備えたリングが交互に絡み合う輪状のワイヤ通孔7が形成される。このワイヤ通孔7の中へ、ワイヤヘッド12Aを貫通させる。ワイヤヘッド12Aがワイヤ通孔7を貫通することで、ジッパー4が施錠されることになる。次に、ワイヤヘッド12Aをワイヤ差込口26の中の差込孔22に挿入、係止させる。そして、最後に、ダイヤル盤11の数字を設定する。これで、施錠操作を完了する。本実施例では、数字ダイヤル式の錠を使って説明したが、他の形式の錠でもよい。
【0016】
スーツケースは、ジッパー4が施錠されることで、中の荷物を取り出せず、盗難から守ることができる。また、場合によっては、スーツケースを仮置きする傍のフェンス、ベンチの脚、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物にまでワイヤ12を延長して括り付け、繋留する使い方もある。本人が、ダイヤルの数字を合わせない限り、ワイヤ錠Kを開錠して、柱状固定物からワイヤを外すことは不可能なので、スーツケースごと持ち去ることができない。あるいは、盗難防止とは別の使い方ができる。即ち、他の荷物と一緒にワイヤで吊るして一度に運ぶというような便利な使い方もできる。以上のような使い方ができるように、ワイヤは長い方がよい。
【0017】
図4は、他の実施例に係るスーツケースの斜視図である。本図に示したスーツケース本体1は、軽量強化ポリエステル樹脂製等で収納部を形成するソフトケースタイプの例である。本実施例の第一実施例と異なるところは、スーツケースのジッパーの位置が、収納部深さの中心ではなく、蓋側ケース1B端に近いところにある。上記実施例と同様に、ワイヤ錠KをハンドルケースH内に装着する。また、ワイヤをこのハンドルケースHの外に引き出すための引出口と、上記ワイヤの他方の端部を係止するための差込口を設け、そして、上記ワイヤを出入可能にするワイヤ操作口とワイヤの他方の端部を挿脱可能にする開錠口を設けることも上記実施例と同様である。ワイヤ錠Kの使い方についても同様である。
【0018】
以上の実施例は、請求項3に関するものであり、ワイヤをこのハンドルケースHの外に引き出すための引出口と、上記ワイヤの他方の端部を係止するための差込口を設け、そして、上記ワイヤを出入可能にするワイヤ操作口とワイヤの他方の端部を挿脱可能にする開錠口を設ける構成にした。
【0019】
しかしながら、必ずしも上記の構成に限らなくても勿論よい。次に、請求項1あるいは請求項2に関する実施例について説明する。引き出したワイヤの他方の端部をスーツケースに戻さない使い方もある。例えば、引き出したワイヤの他方の端部をフェンス、柱、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物に、括ったり、柱状固定物に備えた特定の係止具に繋留する使い方でもよい。あるいは、引き出したワイヤの他方の端部を、クリップで止めたり、ロック機構を備えた例えば南京錠等を使って、着脱可能に柱状固定物に繋留する使い方でもよい。また、引き出したワイヤで他の荷物を一緒に吊るして、スーツケースと一緒に運ぶ使い方も可能である。
【0020】
【考案の効果】
以上に説明したように、本考案にかかわるスーツケースによれば、スーツケース本体と錠とを結合、一体化しすることに着目したもので、スーツケースの内側にワイヤ錠を装着する構成にしたものである。その結果、収納部のジッパーをワイヤにより施錠するようにしたので、スーツケースの中の荷物を盗まれる恐れがなく、実用性の高いものである。さらに、スーツケースを仮置きする傍のフェンス、ベンチの脚、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物にワイヤを括り通すことにより、スーツケースごと盗難にあうのを防止できる。また、他の荷物と一緒にワイヤで吊るして運搬することができる機能を兼ね備えている等の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係るスーツケースの斜視図である。
【図2】本考案の実施例を構成する施錠機構の説明図である。
【図3】本考案の実施例に係る施錠機構本体をスーツケース内に装着した状態を示す説明図である。
【図4】本考案の他の実施例に係るスーツケースの斜視図である。
【符号の説明】
1 スーツケース本体
1A 身側ケース
1B 蓋側ケース
2 把手
3 ハンドル
4 ジッパー
5 キャスター
6 スライダー
7 ワイヤ通孔
11 ダイヤル盤
12 ワイヤ
12A ワイヤヘッド
13 ゼンマイ固定軸
14 ゼンマイ
15 巻取りドラム
15B ラチェット車
16 トリガー
16A 軸
16B レバー
16C ラチェット爪
16D 軸
17 開錠ボタン
18 継手
19 ワイヤロック板
20 ワイヤ受け
21 ワイヤガイド孔
22 差込孔
25 引出口
26 差込口
27 開錠口
28 ワイヤ操作口
H ハンドルケース
K ワイヤ錠
【考案の属する技術分野】
この考案は、盗難防止および他の小荷物と一緒に運搬する機能を兼ね備えたスーツケースを提供することを目的とする。詳しくは、スーツケース本体のハンドルケース内にワイヤ錠を装着して、スーツケース本体の収納部と施錠部とを結合、一体化することによって、キーの紛失を防ぎ、そして、ワイヤで収納部を施錠するとともに、ワイヤでスーツケース本体を柱状固定物に繋留して盗難を防ぎ、また、アウトハンガーと称して、他の鞄等の小荷物を一緒にワイヤで吊るして運搬できるようにしたスーツケースを提供する。
【0002】
【従来の技術】
旅行用のスーツケースは、通常、運搬途中に過って蓋が開くのを防止するため、あるいは、スーツケース本体の中の荷物が盗難に遭うのを防ぐために施錠する。この種のスーツケースは容易に持ち運びできる重量と構造からなっている。また、最近では、持ち運びが楽なように、キャスター付きのスーツケースが多く見られる。この様な状況のため、スーツケースの中の荷物はもとより、スーツケース本体もろとも、盗難の対象になり易いのが現状である。
【0003】
一方、スーツケースに取り付けられている錠は、南京錠に代表されるように、施錠、開錠する都度、キー穴にキーを差し込んで回すことによって、錠のロック部材を係、脱位置に変位させる方式が一般的である。あるいは、キー操作に代えて、施錠機構を構成する回転部材またはスライド部材を操作して、刻印されたダ゛イヤルの数字を合わせることにより、施錠、開錠できる様に構成されている。また、最近では、電子ロックと称される非接触式の施錠機構を備えたスーツケースが多く見られる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの施錠手段には、一長一短がある。キーをキー穴に差し込んで廻す操作は面倒である。そして、差し込んだキーを抜き取り忘れることも稀ではない。さらには、抜き取ったキーの保管場所を忘れ、開錠できないこともある。また、スーツケースを施錠し、用足しのため仮置きしたまま、その場を離れた際に、スーツケースもろとも持ち去られることもある。また、電子ロックの場合は、IDカード等の無線キーの保管場所を忘れたり、紛失することもあり問題があった。
【0005】
本考案は、上記事情に鑑みて、スーツケース本体のハンドルケース内にワイヤ錠を装着することにより、スーツケース本体の収納部と施錠部とを結合、一体化するものである。このことによって、キーの紛失を防ぎ、そして、ワイヤで収納部を施錠するとともに、ワイヤでスーツケース本体を柱状固定物に繋留して盗難を防ぎ、また、他の小荷物を一緒に運搬する機能を備えたスーツケースを提供することを目的とする。即ち、以下のような、盗難防止と運搬の機能を兼ね備えたスーツケースを提供する。
(1) 収納部のジッパーを施錠し、開くことができないようにして、盗難から中の荷物を守る。
(2) スーツケースを仮置きしてその場を離れる際は、傍のフェンス、柱、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物に、スーツケースを繋留することにより盗難から守る。
(3) アウトハンガーと称して、他の荷物と一緒に吊るして一度に運搬する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の考案は、ハンドルケース内にワイヤ錠を装着したスーツケースであって、前記ワイヤ錠のワイヤの端部を上記ハンドルケース内に係止するとともに、ワイヤの他方の端部を上記ハンドルケースの外に引き出してなることを特徴とするスーツケースである。
【0007】
また、請求項2の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記ワイヤ錠のワイヤの他方の端部を着脱可能にしてなるスーツケースである。
【0008】
請求項3の考案は、請求項1の考案の上記特徴に加えて、前記ハンドルケースには、上記ワイヤ錠からワイヤを上記ハンドルケースの外に引き出すための引出口とともに、上記ワイヤの他方の端部を係止するための差込口を設け、そして、上記ワイヤを出入可能にするワイヤ操作口と上記ワイヤの他方の端部を挿脱可能にする開錠口から構成されるものである。
【0009】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を、添付図面に示した本考案の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0010】
先ず、本考案の実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、キャスター付きのスーツケースである。本図に示したスーツケース本体1は、ABS強化樹脂製等で収納部を形成するハードケースタイプの例である。スーツケース本体1の奥側のヒンジ部(図示なし)を介して、収納部の深さ方向で、身側ケース1Aと蓋側ケース1Bとの二つ割状に開口される構造である。そして、ヒンジ部から前方部に向かって身側ケース1Aと蓋側ケース1Bを開閉するためのジッパー4が延びている。また、ジッパー4に沿って蓋側ケース1Aの上面部に、把手2が備えられている。そして、身側ケース1A側で、把手2から肩口部にかけて、ハンドル3を、伸縮自在に収納するハンドルケースHが構成される。また、このハンドルケースHの内には、従来公知の施錠機構であるワイヤ錠Kを装着したものである。ここで、ハンドルケースHは、スーツケースの規格部品を採用したもので、中はハンドル3が縦長に入っているだけでスペースの余裕がある。そこで、そのスペースにワイヤ錠Kを組み込んだものである。その他、スーツケース本体1の底には、キャスター5を備える。そして、スーツケース本体1を持ち運ぶ際は、ハンドル3を持ち上げ、この把手を掴んで引っ張り走行するものである。
【0011】
図2は、本実施例を構成する施錠機構の説明図である。本実施例のワイヤ錠Kは、上記したように従来公知の機構を有する。施錠機構は、ダイヤル盤11、ワイヤ12、ゼンマイ固着軸13、ゼンマイ14、ワイヤ12を巻き戻すための力を蓄えた巻取りドラム15等から構成されている。ここで、ダイヤル盤11は、特定の数字を合わせると施錠、開錠されるものであり、ワイヤ12はスーツケース本体1のジッパー4を閉じ、スーツケース本体1を施錠しておくための紐状のものである。ゼンマイ14は、巻取りドラム15の中に装着され、引き出したワイヤ12を巻き戻す力となる。巻取りドラム15の外周には、ラチェット爪16Cと係合するラチェット車15Bの爪が形成されている。このゼンマイ14は、ワイヤ12を巻きつけた巻取りドラム15を巻取り方向に付勢する作用をする。詳しくは、ワイヤ12の先端がゼンマイ固定軸13に固着されており、そして、巻取りドラム15の中側にゼンマイ14の他端が押し付け付勢された構造である。このため、巻取りドラム15とラチェット爪16Cとの係合が解除される間、ゼンマイ14の復元力によって、巻取りドラム15が逆回転し、ワイヤ12が巻き戻される。その他、施錠機構は、トリガー16、開錠ボタン17等からなる。ここで、トリガー16は、軸16Aを基準に回転するレバー16Bとその先端に軸16Dを基準にして回る継手18、また、この先端にワイヤロック板19から構成されている。
【0012】
次に、上記したワイヤ錠Kの作用を説明する。トリガー16をワイヤ錠Kの中側方向へ押すことにより、軸16Aを支点としてレバー16Bが上側へ引き上げられる。その時、ワイヤロック板19の角度が変わってワイヤのロック状態が解除されるので、ワイヤ12がワイヤ受け20の孔を自由に通り抜ける。ついで、ワイヤ12を上へ引っ張ることにより、巻取りドラム15の外周に幾重にも巻かれているワイヤ12が外に長く引き出される。また、トリガー16をワイヤ錠Kの中側方向へ押している間、ラチェット車15Bとラチェット爪16Cとの係合が解除されるので、ゼンマイ14の復元力によって巻取りドラム15が逆回転し、外に引き出されたワイヤ12が巻き戻され、巻取りドラム15の外周に巻き取られる。
【0013】
ついで、引き出したワイヤ12の先端のワイヤヘッド12Aを差込孔22に挿入する。このようにして、ワイヤ12は、スーツケース本体1のハンドケースH内のワイヤ錠Kに係止されることになる。ワイヤ12の係止を解除する場合は、開錠ボタン17をワイヤ錠Kの中側へ押す。これにより、ワイヤヘッド12Aが差込孔22から脱離される。
【0014】
つぎに、ハンドルケースH内に装着したワイヤ錠Kの使い方について、図3を参照しながら説明する。スーツケース本体1の身側ケース1Aの上面からの肩口部にかけてハンドルケースHを設け、その内側にワイヤ錠Kを装着する。そして、ハンドルケースHには、ワイヤ錠Kを外から操作するために、開錠口27およびワイヤ操作口28を設ける。そして、ワイヤ操作口28に指を差しこんでトリガー16をワイヤ錠Kの中側へ押すことにより、ワイヤロック板19が解除されるので、引出口25を介してワイヤ12を外へ長く引き出すことができる。
【0015】
一方、ジッパー4が閉じ寄せられ、両側のジッパーがぶつかった箇所に、スライダー6の先端部に備えたリングが交互に絡み合う輪状のワイヤ通孔7が形成される。このワイヤ通孔7の中へ、ワイヤヘッド12Aを貫通させる。ワイヤヘッド12Aがワイヤ通孔7を貫通することで、ジッパー4が施錠されることになる。次に、ワイヤヘッド12Aをワイヤ差込口26の中の差込孔22に挿入、係止させる。そして、最後に、ダイヤル盤11の数字を設定する。これで、施錠操作を完了する。本実施例では、数字ダイヤル式の錠を使って説明したが、他の形式の錠でもよい。
【0016】
スーツケースは、ジッパー4が施錠されることで、中の荷物を取り出せず、盗難から守ることができる。また、場合によっては、スーツケースを仮置きする傍のフェンス、ベンチの脚、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物にまでワイヤ12を延長して括り付け、繋留する使い方もある。本人が、ダイヤルの数字を合わせない限り、ワイヤ錠Kを開錠して、柱状固定物からワイヤを外すことは不可能なので、スーツケースごと持ち去ることができない。あるいは、盗難防止とは別の使い方ができる。即ち、他の荷物と一緒にワイヤで吊るして一度に運ぶというような便利な使い方もできる。以上のような使い方ができるように、ワイヤは長い方がよい。
【0017】
図4は、他の実施例に係るスーツケースの斜視図である。本図に示したスーツケース本体1は、軽量強化ポリエステル樹脂製等で収納部を形成するソフトケースタイプの例である。本実施例の第一実施例と異なるところは、スーツケースのジッパーの位置が、収納部深さの中心ではなく、蓋側ケース1B端に近いところにある。上記実施例と同様に、ワイヤ錠KをハンドルケースH内に装着する。また、ワイヤをこのハンドルケースHの外に引き出すための引出口と、上記ワイヤの他方の端部を係止するための差込口を設け、そして、上記ワイヤを出入可能にするワイヤ操作口とワイヤの他方の端部を挿脱可能にする開錠口を設けることも上記実施例と同様である。ワイヤ錠Kの使い方についても同様である。
【0018】
以上の実施例は、請求項3に関するものであり、ワイヤをこのハンドルケースHの外に引き出すための引出口と、上記ワイヤの他方の端部を係止するための差込口を設け、そして、上記ワイヤを出入可能にするワイヤ操作口とワイヤの他方の端部を挿脱可能にする開錠口を設ける構成にした。
【0019】
しかしながら、必ずしも上記の構成に限らなくても勿論よい。次に、請求項1あるいは請求項2に関する実施例について説明する。引き出したワイヤの他方の端部をスーツケースに戻さない使い方もある。例えば、引き出したワイヤの他方の端部をフェンス、柱、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物に、括ったり、柱状固定物に備えた特定の係止具に繋留する使い方でもよい。あるいは、引き出したワイヤの他方の端部を、クリップで止めたり、ロック機構を備えた例えば南京錠等を使って、着脱可能に柱状固定物に繋留する使い方でもよい。また、引き出したワイヤで他の荷物を一緒に吊るして、スーツケースと一緒に運ぶ使い方も可能である。
【0020】
【考案の効果】
以上に説明したように、本考案にかかわるスーツケースによれば、スーツケース本体と錠とを結合、一体化しすることに着目したもので、スーツケースの内側にワイヤ錠を装着する構成にしたものである。その結果、収納部のジッパーをワイヤにより施錠するようにしたので、スーツケースの中の荷物を盗まれる恐れがなく、実用性の高いものである。さらに、スーツケースを仮置きする傍のフェンス、ベンチの脚、柵あるいは、持ち運びできない重量物等の柱状固定物にワイヤを括り通すことにより、スーツケースごと盗難にあうのを防止できる。また、他の荷物と一緒にワイヤで吊るして運搬することができる機能を兼ね備えている等の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係るスーツケースの斜視図である。
【図2】本考案の実施例を構成する施錠機構の説明図である。
【図3】本考案の実施例に係る施錠機構本体をスーツケース内に装着した状態を示す説明図である。
【図4】本考案の他の実施例に係るスーツケースの斜視図である。
【符号の説明】
1 スーツケース本体
1A 身側ケース
1B 蓋側ケース
2 把手
3 ハンドル
4 ジッパー
5 キャスター
6 スライダー
7 ワイヤ通孔
11 ダイヤル盤
12 ワイヤ
12A ワイヤヘッド
13 ゼンマイ固定軸
14 ゼンマイ
15 巻取りドラム
15B ラチェット車
16 トリガー
16A 軸
16B レバー
16C ラチェット爪
16D 軸
17 開錠ボタン
18 継手
19 ワイヤロック板
20 ワイヤ受け
21 ワイヤガイド孔
22 差込孔
25 引出口
26 差込口
27 開錠口
28 ワイヤ操作口
H ハンドルケース
K ワイヤ錠
Claims (3)
- ハンドルケース内にワイヤ錠を装着したスーツケースであって、前記ワイヤ錠のワイヤの端部を上記ハンドルケース内に係止するとともに、ワイヤの他方の端部を上記ハンドルケースの外に引き出してなることを特徴とするスーツケース。
- 前記ワイヤ錠のワイヤの他方の端部を着脱可能にしてなることを特徴とする請求項1記載のスーツケース。
- 前記ハンドルケースには、上記ワイヤ錠からワイヤを上記ハンドルケースの外に引き出すための引出口とともに、上記ワイヤの他方の端部を係止するための差込口を設け、そして、上記ワイヤを出入可能にするワイヤ操作口と上記ワイヤの他方の端部を挿脱可能にする開錠口を設けたことを特徴とする請求項1記載のスーツケース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003307U JP3098384U (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | ワイヤ錠を備えたスーツケース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003307U JP3098384U (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | ワイヤ錠を備えたスーツケース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3098384U true JP3098384U (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=43252142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003003307U Expired - Lifetime JP3098384U (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | ワイヤ錠を備えたスーツケース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3098384U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014530311A (ja) * | 2011-09-13 | 2014-11-17 | サムソナイトアイピー ホールディングスエス.エー.アール.エル. | 手荷物ケース用多重ロックシステム |
JP2019130288A (ja) * | 2018-10-19 | 2019-08-08 | Yper株式会社 | 配送荷物保管装置 |
-
2003
- 2003-06-06 JP JP2003003307U patent/JP3098384U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014530311A (ja) * | 2011-09-13 | 2014-11-17 | サムソナイトアイピー ホールディングスエス.エー.アール.エル. | 手荷物ケース用多重ロックシステム |
US10301850B2 (en) | 2011-09-13 | 2019-05-28 | Samsonite Ip Holdings S.A R.L. | Multiple lock system for a luggage case |
JP2019130288A (ja) * | 2018-10-19 | 2019-08-08 | Yper株式会社 | 配送荷物保管装置 |
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