JP3098194U - オゾン水供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】歯科医院などの医療施設または高度な衛生管理が要求される施設などで用いられる水の消毒殺菌効果を高め、しかも廃水処理が不要なオゾン水供給システムを提供する。
【解決手段】施設内部に水を供給するための配管4の途中に、オゾン水を発生するオゾン水製造装置2が設けられてなるオゾン水供給システム。
【選択図】 図1
【解決手段】施設内部に水を供給するための配管4の途中に、オゾン水を発生するオゾン水製造装置2が設けられてなるオゾン水供給システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案はオゾン水供給システムに関する。さらに詳しくは、歯科医院などの医療施設または高度な衛生管理が要求される施設などで用いられる水の消毒殺菌効果を高め、しかも廃水処理が不要なオゾン水供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歯科医院などの医療施設においては、種々の用途で水が用いられている。たとえば、歯科医院では、治療箇所を洗浄するために噴射ノズルから口腔内に水噴射または噴霧などを行なったり、患者の歯を切削するためのインスツルメント(通常、エアタービンまたはマイクロモータと呼ばれているもの)から噴霧したり、患者のうがいに用いたり、さらには手や器具を洗浄したりするのに多くの水が用いられる。
【0003】
これらの水として、現状では、水道水を直接用いたり、または市販の浄水装置で製造された浄水などを用いている。また、器具などの消毒および殺菌を行なう場合には、市販の消毒液、殺菌用のガスまたは高圧蒸気などを別途用いて消毒および殺菌を行なっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、歯科医院内部はいろいろな汚染状況にさらされている。たとえば、エアタービンによる患者の歯の切削中には、歯の切削片や金属粉だけでなく、血液や唾液も飛散し、医者またはスタッフがこれらの飛散物を吸いこんで感染症や呼吸器障害になるおそれがある。また、治療中または治療後に患者の口腔内を清潔に洗浄しないと患者が病原菌やウイルスに院内感染するおそれがある。これに対し、従来の水道水または浄水を用いた洗浄のみでは、完全な消毒や殺菌を行なうことができない。一方、消毒液や殺菌用の薬液を用いて消毒や殺菌を行なえば、薬液を中和または無害化するための廃水処理を行なう必要があり、廃水処理設備のための設置スペースを要するとともに運転コストがかかる。
【0005】
さらに、殺菌用のガス、たとえばエチレンオキサイドガス(EOG)またはホルムアルデヒドなどのガスは、発ガン物質が含まれているため、これらのガスの使用は健康上好ましくない。また、ガスが大気中に残留しやすいため、大気汚染の原因にもなる。また、高圧蒸気を用いて殺菌する場合においても、完全に殺菌することができずに耐性菌が出現するおそれがある。
【0006】
本考案はかかる問題を解消するためになされたものであり、歯科医院などの医療施設または高度な衛生管理が要求される施設などで用いられる水の消毒殺菌効果を高め、しかも廃水処理が不要なオゾン水供給システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案のオゾン水供給システムは、施設内部に水を供給するための配管の途中に、オゾン水を発生するオゾン水製造装置が設けられてなることを特徴とする。
【0008】
前記オゾン水製造装置の入口用配管および出口用配管を連通するための連通用配管が設けられ、さらに前記入口用配管、出口用配管および連通用配管にそれぞれ開閉弁が設けられてなるのが好ましい。
【0009】
前記施設が歯科医院であり、少なくとも当該医院内の診察用のいすへの配管の途中にオゾン水製造装置が設けられてなるのが好ましい。
【0010】
【考案の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本考案のオゾン水供給システムをさらに詳細に説明する。図1は本考案の一実施の形態にかかわるオゾン水供給システムを備えた歯科医院の診療室の斜視説明図、および図2は図1のオゾン水製造装置の入口用配管および出口用配管における水の流れを示す説明図である。
【0011】
本実施の形態のオゾン水供給システムは、図1〜2に示されるように、歯科医院の診察室内部にオゾン水を供給するためのものであり、家庭用の上水道に接続された入口用配管1と、注水口に前記入口用配管1が接続され、屋外や機械室などに設置されたオゾン水製造装置2と、該オゾン水製造装置2の排水口に接続された出口用配管3と、床下の室内用分配管4とからなり、室内用分配管4には、診察室内部の水を利用する機器が接続されている。たとえば、図1に示される診察室の場合、室内用分配管4には、診察用のいす5の給水口(図示せず)および治療器具や手指などを洗浄するための流し台8に設置された水道栓9が接続されている。診察用のいす5の内部には、患者のうがい用の水を供給するための給水管6、うがい台を洗浄するための洗浄管(図示せず)、診察用のいす5に設置された水噴射および噴霧用ノズル7、噴霧機能を有するエアタービン10などの、いす5において水を使用する箇所への配管が行なわれている。
【0012】
また、本実施の形態では、図1〜2に示されるように、オゾン水製造装置2の入口用配管1および出口用配管3を連通するための連通用配管11が設けられ、さらに入口用配管1、出口用配管3および連通用配管11には開閉弁12、13、14がそれぞれ設けられている。それにより、図2(a)に示されるように、通常の運転状態では、開閉弁12、13を開け、開閉弁14を閉じることにより、入口用配管1を通して注水される水道水は、オゾン水製造装置2内部に導入されてオゾン水になり、そののち出口用配管3を通して診察室内部に供給される。
【0013】
一方、図2(b)に示されるように、緊急時、たとえばオゾン水製造装置2が故障したり、または装置の取付けまたは取り外しを行なうなどの場合においても、診察室で水を使用することが考えられるが、そのときは、開閉弁12、13を閉じ、開閉弁14を開くことにより、入口用配管1を通して注水される水道水が、連通用配管3を経由して出口用配管3を通してそのまま診察室内部に供給される。
【0014】
オゾン水製造装置2は、オゾンガスを発生させるオゾンガス発生器と、発生したオゾンガスを入口用配管1から供給される水道水に混合して溶解させることにより、オゾン水を製造する混合器とから構成されており、市販されているものを用いることができる。
【0015】
オゾンガス発生器としては、種々の構成が採用され、本考案においてとくに限定されるものではないが、たとえば、ガラスなどからなる二重管の内部に空気を送り込みながら交流電圧を印加して無声放電させることにより、オゾンガスを発生させるオゾナイザなどが採用され得る。また、後述するように、オゾンガス発生器で発生するオゾンガスの一部を水に溶解させずにそのまま診察室内部に供給することにより、診察室内部の空気の消毒および殺菌を行なうことができる。
【0016】
オゾン水製造装置2の仕様は、オゾン水および必要に応じてオゾンガスを使用する施設の種類や規模に応じて適宜選定すればよいが、たとえば一般的な個人の歯科医院の場合、以下の仕様とすることができる。
【0017】
オゾンガス発生量 :1.5g/h
オゾンガス濃度 :5g/N
オゾン水濃度 :0.3〜1.2mg/L
オゾン水生成量 :10〜40L/min
給水圧 :0.25MPa以上
【0018】
以上のように構成されたオゾン水供給システムを用いれば、水道水からオゾン水を製造して診察室内部に供給することができ、従来の水道水や浄水を用いた場合と比較して消毒殺菌効果を大幅に向上させることができる。
【0019】
しかも、従来の殺菌法で用いられるエチレンオキサイドガス(EOG)やホルムアルデヒドは、発ガン物質を含むが、オゾンには発ガン性が認められていないので安全である。また、オゾンは空気中で自然に分解が進むため、オゾンの残留がほとんど問題にならず、環境や人にやさしい。
【0020】
さらに、オゾンの強力な酸化作用により、微生物の膜成分が酸化を受け、変性、分解して溶菌がおこって死滅する。細胞内の遺伝子(DNA、RNA)や酵素を酸化してその機能を破壊するため、膜の構造が単純なウイルスなどを死滅させることができる。しかも、これらの作用は物理化学的な作用であり、抗生剤のような微生物の代謝を阻害して死滅させる作用と異なり、高圧蒸気殺菌法のように耐性菌は出現しない。
【0021】
オゾン水による消毒を行なう場合、消毒対象物にそれぞれ適応した方法を採用すればよい。具体的には、たとえば以下の表1のようにオゾン水の使用法を使い分けることができる。
【0022】
【表1】
【0023】
また、本考案のオゾン水製造装置内部で作り出されるオゾンガスを用いて、診療室、およびその他の室(手術室または待合室など)の空気の殺菌も行なうことができる。オゾンガスを用いた殺菌の場合、以下のような効果を奏することができる。
▲1▼ オゾンガスは、拡散効果により部屋のすみずみまで均一に除菌することができる。
▲2▼ オゾンガスは、除菌効果に加えて脱臭効果もあり、薬品や壁、天井にしみついた臭いまで脱臭する。
▲3▼ 高性能集塵フィルタ(除塵率80%以上)を併用すれば、このフィルタが塵埃を効率よく除去する。
▲4▼ 24時間連続的に紫外線を照射することによって、細胞を破壊して細菌を不活化することができるので、耐性菌ができにくい。
▲5▼ 内装材などの建築材料から出る汚染化学物質のホルムアルデヒドをオゾンガスによる酸化によって化学分解して除去する。
▲6▼ オゾンガス自体は空気中で酸化反応することによって人畜無害な酸素ガスに容易に戻るため、中和、洗浄、清拭などの後処理が不要になる。
▲7▼ 簡単な操作で手間がかからない。コンピュータで自動運転(完全無人化全自動)を行なうことができる。
▲8▼ 運転にかかるコストは、わずかな電気使用料金だけで済む。
【0024】
なお、以上の説明では、本考案のオゾン水供給システムを歯科医院の施設に適用した例をあげて説明したが、本考案はこれに限定されるものではなく、その他の医療施設にも適用され得るばかりでなく、高度な衛生管理が要求される施設(たとえば、食品工場、薬品工場または研究所など)においても適用可能である。
【0025】
【考案の効果】
本考案では、消毒殺菌効果の高いオゾン水を用いて患者の口腔内や器具の殺菌洗浄を行なうことができるため、クリーンな診療環境を保つことができる。インプラント手術はもちろん、根管治療、歯髄保存処置、歯周外科手術などを安心して行なうことができる清浄度を保つことができる。その結果、患者だけでなく、毎日診療を行なう医師やスタッフの健康を守ることができる。
【0026】
また、オゾン水に含まれるオゾンは、酸素ガスに容易に戻るため、中和、洗浄、清拭などの後工程での廃水処理が不要になる。
【0027】
しかもオゾン水の製造コストはわずかな電気使用量で済む。常温常湿で短い処理時間で済む。また、殺菌条件は常温であり、熱をかけないことから、熱に弱い素材の物を殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施の形態にかかわるオゾン水供給システムを備えた歯科医院の診療室の斜視説明図である。
【図2】図1のオゾン水製造装置の入口用配管および出口用配管における水の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1 入口用配管
2 オゾン水製造装置
3 出口用配管
【考案の属する技術分野】
本考案はオゾン水供給システムに関する。さらに詳しくは、歯科医院などの医療施設または高度な衛生管理が要求される施設などで用いられる水の消毒殺菌効果を高め、しかも廃水処理が不要なオゾン水供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歯科医院などの医療施設においては、種々の用途で水が用いられている。たとえば、歯科医院では、治療箇所を洗浄するために噴射ノズルから口腔内に水噴射または噴霧などを行なったり、患者の歯を切削するためのインスツルメント(通常、エアタービンまたはマイクロモータと呼ばれているもの)から噴霧したり、患者のうがいに用いたり、さらには手や器具を洗浄したりするのに多くの水が用いられる。
【0003】
これらの水として、現状では、水道水を直接用いたり、または市販の浄水装置で製造された浄水などを用いている。また、器具などの消毒および殺菌を行なう場合には、市販の消毒液、殺菌用のガスまたは高圧蒸気などを別途用いて消毒および殺菌を行なっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、歯科医院内部はいろいろな汚染状況にさらされている。たとえば、エアタービンによる患者の歯の切削中には、歯の切削片や金属粉だけでなく、血液や唾液も飛散し、医者またはスタッフがこれらの飛散物を吸いこんで感染症や呼吸器障害になるおそれがある。また、治療中または治療後に患者の口腔内を清潔に洗浄しないと患者が病原菌やウイルスに院内感染するおそれがある。これに対し、従来の水道水または浄水を用いた洗浄のみでは、完全な消毒や殺菌を行なうことができない。一方、消毒液や殺菌用の薬液を用いて消毒や殺菌を行なえば、薬液を中和または無害化するための廃水処理を行なう必要があり、廃水処理設備のための設置スペースを要するとともに運転コストがかかる。
【0005】
さらに、殺菌用のガス、たとえばエチレンオキサイドガス(EOG)またはホルムアルデヒドなどのガスは、発ガン物質が含まれているため、これらのガスの使用は健康上好ましくない。また、ガスが大気中に残留しやすいため、大気汚染の原因にもなる。また、高圧蒸気を用いて殺菌する場合においても、完全に殺菌することができずに耐性菌が出現するおそれがある。
【0006】
本考案はかかる問題を解消するためになされたものであり、歯科医院などの医療施設または高度な衛生管理が要求される施設などで用いられる水の消毒殺菌効果を高め、しかも廃水処理が不要なオゾン水供給システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案のオゾン水供給システムは、施設内部に水を供給するための配管の途中に、オゾン水を発生するオゾン水製造装置が設けられてなることを特徴とする。
【0008】
前記オゾン水製造装置の入口用配管および出口用配管を連通するための連通用配管が設けられ、さらに前記入口用配管、出口用配管および連通用配管にそれぞれ開閉弁が設けられてなるのが好ましい。
【0009】
前記施設が歯科医院であり、少なくとも当該医院内の診察用のいすへの配管の途中にオゾン水製造装置が設けられてなるのが好ましい。
【0010】
【考案の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本考案のオゾン水供給システムをさらに詳細に説明する。図1は本考案の一実施の形態にかかわるオゾン水供給システムを備えた歯科医院の診療室の斜視説明図、および図2は図1のオゾン水製造装置の入口用配管および出口用配管における水の流れを示す説明図である。
【0011】
本実施の形態のオゾン水供給システムは、図1〜2に示されるように、歯科医院の診察室内部にオゾン水を供給するためのものであり、家庭用の上水道に接続された入口用配管1と、注水口に前記入口用配管1が接続され、屋外や機械室などに設置されたオゾン水製造装置2と、該オゾン水製造装置2の排水口に接続された出口用配管3と、床下の室内用分配管4とからなり、室内用分配管4には、診察室内部の水を利用する機器が接続されている。たとえば、図1に示される診察室の場合、室内用分配管4には、診察用のいす5の給水口(図示せず)および治療器具や手指などを洗浄するための流し台8に設置された水道栓9が接続されている。診察用のいす5の内部には、患者のうがい用の水を供給するための給水管6、うがい台を洗浄するための洗浄管(図示せず)、診察用のいす5に設置された水噴射および噴霧用ノズル7、噴霧機能を有するエアタービン10などの、いす5において水を使用する箇所への配管が行なわれている。
【0012】
また、本実施の形態では、図1〜2に示されるように、オゾン水製造装置2の入口用配管1および出口用配管3を連通するための連通用配管11が設けられ、さらに入口用配管1、出口用配管3および連通用配管11には開閉弁12、13、14がそれぞれ設けられている。それにより、図2(a)に示されるように、通常の運転状態では、開閉弁12、13を開け、開閉弁14を閉じることにより、入口用配管1を通して注水される水道水は、オゾン水製造装置2内部に導入されてオゾン水になり、そののち出口用配管3を通して診察室内部に供給される。
【0013】
一方、図2(b)に示されるように、緊急時、たとえばオゾン水製造装置2が故障したり、または装置の取付けまたは取り外しを行なうなどの場合においても、診察室で水を使用することが考えられるが、そのときは、開閉弁12、13を閉じ、開閉弁14を開くことにより、入口用配管1を通して注水される水道水が、連通用配管3を経由して出口用配管3を通してそのまま診察室内部に供給される。
【0014】
オゾン水製造装置2は、オゾンガスを発生させるオゾンガス発生器と、発生したオゾンガスを入口用配管1から供給される水道水に混合して溶解させることにより、オゾン水を製造する混合器とから構成されており、市販されているものを用いることができる。
【0015】
オゾンガス発生器としては、種々の構成が採用され、本考案においてとくに限定されるものではないが、たとえば、ガラスなどからなる二重管の内部に空気を送り込みながら交流電圧を印加して無声放電させることにより、オゾンガスを発生させるオゾナイザなどが採用され得る。また、後述するように、オゾンガス発生器で発生するオゾンガスの一部を水に溶解させずにそのまま診察室内部に供給することにより、診察室内部の空気の消毒および殺菌を行なうことができる。
【0016】
オゾン水製造装置2の仕様は、オゾン水および必要に応じてオゾンガスを使用する施設の種類や規模に応じて適宜選定すればよいが、たとえば一般的な個人の歯科医院の場合、以下の仕様とすることができる。
【0017】
オゾンガス発生量 :1.5g/h
オゾンガス濃度 :5g/N
オゾン水濃度 :0.3〜1.2mg/L
オゾン水生成量 :10〜40L/min
給水圧 :0.25MPa以上
【0018】
以上のように構成されたオゾン水供給システムを用いれば、水道水からオゾン水を製造して診察室内部に供給することができ、従来の水道水や浄水を用いた場合と比較して消毒殺菌効果を大幅に向上させることができる。
【0019】
しかも、従来の殺菌法で用いられるエチレンオキサイドガス(EOG)やホルムアルデヒドは、発ガン物質を含むが、オゾンには発ガン性が認められていないので安全である。また、オゾンは空気中で自然に分解が進むため、オゾンの残留がほとんど問題にならず、環境や人にやさしい。
【0020】
さらに、オゾンの強力な酸化作用により、微生物の膜成分が酸化を受け、変性、分解して溶菌がおこって死滅する。細胞内の遺伝子(DNA、RNA)や酵素を酸化してその機能を破壊するため、膜の構造が単純なウイルスなどを死滅させることができる。しかも、これらの作用は物理化学的な作用であり、抗生剤のような微生物の代謝を阻害して死滅させる作用と異なり、高圧蒸気殺菌法のように耐性菌は出現しない。
【0021】
オゾン水による消毒を行なう場合、消毒対象物にそれぞれ適応した方法を採用すればよい。具体的には、たとえば以下の表1のようにオゾン水の使用法を使い分けることができる。
【0022】
【表1】
【0023】
また、本考案のオゾン水製造装置内部で作り出されるオゾンガスを用いて、診療室、およびその他の室(手術室または待合室など)の空気の殺菌も行なうことができる。オゾンガスを用いた殺菌の場合、以下のような効果を奏することができる。
▲1▼ オゾンガスは、拡散効果により部屋のすみずみまで均一に除菌することができる。
▲2▼ オゾンガスは、除菌効果に加えて脱臭効果もあり、薬品や壁、天井にしみついた臭いまで脱臭する。
▲3▼ 高性能集塵フィルタ(除塵率80%以上)を併用すれば、このフィルタが塵埃を効率よく除去する。
▲4▼ 24時間連続的に紫外線を照射することによって、細胞を破壊して細菌を不活化することができるので、耐性菌ができにくい。
▲5▼ 内装材などの建築材料から出る汚染化学物質のホルムアルデヒドをオゾンガスによる酸化によって化学分解して除去する。
▲6▼ オゾンガス自体は空気中で酸化反応することによって人畜無害な酸素ガスに容易に戻るため、中和、洗浄、清拭などの後処理が不要になる。
▲7▼ 簡単な操作で手間がかからない。コンピュータで自動運転(完全無人化全自動)を行なうことができる。
▲8▼ 運転にかかるコストは、わずかな電気使用料金だけで済む。
【0024】
なお、以上の説明では、本考案のオゾン水供給システムを歯科医院の施設に適用した例をあげて説明したが、本考案はこれに限定されるものではなく、その他の医療施設にも適用され得るばかりでなく、高度な衛生管理が要求される施設(たとえば、食品工場、薬品工場または研究所など)においても適用可能である。
【0025】
【考案の効果】
本考案では、消毒殺菌効果の高いオゾン水を用いて患者の口腔内や器具の殺菌洗浄を行なうことができるため、クリーンな診療環境を保つことができる。インプラント手術はもちろん、根管治療、歯髄保存処置、歯周外科手術などを安心して行なうことができる清浄度を保つことができる。その結果、患者だけでなく、毎日診療を行なう医師やスタッフの健康を守ることができる。
【0026】
また、オゾン水に含まれるオゾンは、酸素ガスに容易に戻るため、中和、洗浄、清拭などの後工程での廃水処理が不要になる。
【0027】
しかもオゾン水の製造コストはわずかな電気使用量で済む。常温常湿で短い処理時間で済む。また、殺菌条件は常温であり、熱をかけないことから、熱に弱い素材の物を殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施の形態にかかわるオゾン水供給システムを備えた歯科医院の診療室の斜視説明図である。
【図2】図1のオゾン水製造装置の入口用配管および出口用配管における水の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1 入口用配管
2 オゾン水製造装置
3 出口用配管
Claims (3)
- 施設内部に水を供給するための配管の途中に、オゾン水を発生するオゾン水製造装置が設けられてなるオゾン水供給システム。
- 前記オゾン水製造装置の入口用配管および出口用配管を連通するための連通用配管が設けられ、さらに前記入口用配管、出口用配管および連通用配管にそれぞれ開閉弁が設けられてなる請求項1記載のオゾン水供給システム。
- 前記施設が歯科医院であり、少なくとも当該医院内の診察用のいすへの配管の途中にオゾン水製造装置が設けられてなる請求項1または2記載のオゾン水供給システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003105U JP3098194U (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | オゾン水供給システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003105U JP3098194U (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | オゾン水供給システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3098194U true JP3098194U (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=43251959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003003105U Expired - Fee Related JP3098194U (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | オゾン水供給システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3098194U (ja) |
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2003
- 2003-05-29 JP JP2003003105U patent/JP3098194U/ja not_active Expired - Fee Related
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |