JP3097148B2 - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置

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JP3097148B2
JP3097148B2 JP03064503A JP6450391A JP3097148B2 JP 3097148 B2 JP3097148 B2 JP 3097148B2 JP 03064503 A JP03064503 A JP 03064503A JP 6450391 A JP6450391 A JP 6450391A JP 3097148 B2 JP3097148 B2 JP 3097148B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスクロマトグラフ質
量分析装置(GC/MS)、二次イオン質量分析装置(S
IMS)などのように、イオン源からのイオンを質量分
離することにより物質の定性、定量分析を行う質量分析
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の質量分析計には、図2に
示す構成のものがある。
【0003】同図において、1はイオン源、2はイオン
源1から引き出されたイオンを質量分離する質量分析部
で、二重収束型、四重極型、飛行時間型などの各種のも
のが使用される。3はイオン電子コンバータ4で発生し
た電子を検出して電気信号として取り出す電子検出器
で、この例ではシールド電極3aとダイノード3bを備え
た二次電子増倍管で構成されている。その他、セラトロ
ン、チャンネルトロン、マイクロチャンネルプレート、
ファラデーカップ、シンチレータなどの各種の電子検出
器が適用される。2aはイオンを加速するためのイオン
引出電極で、イオン源1と質量分離部2bとの間に設け
られている。また、2cは質量分離部2bで質量分離され
た特定のイオンのみを選択的に取り出すためのコレクタ
スリット、4はコレクタスリット2cを通過したイオン
を電子に変換するステンレス、アルミニウム、Cu−B
e合金等でできたイオン電子コンバータである。
【0004】イオン電子コンバータ4を設けている理由
は、質量分析部2で質量分離されたイオンを直接に電子
検出器3に入射させると、電子検出器3の寿命低下や感
度低下を招くので、一旦、イオンをイオン電子コンバー
タ4に衝突させて電子に変換させることによりイオン/
電子の変換効率を高め、かつ、電子検出器3の長寿命化
を図るためである。
【0005】なお、5は増幅器、6は計測部である。
【0006】上記構成において、イオン源1には所定の
イオン引出電圧V0が印加され、イオン引出電極2aは接
地されており、これによって、イオン源1から出射され
たイオンがイオン源1とイオン引出電極2aとの間の電
位差V0によって加速される。また、コレクタスリット
2cは接地され、イオン電子コンバータ4には所定のコ
ンバータ電圧Vcが印加されており、これによって、質
量分離部2bで質量分離されてコレクタスリット2cを通
過したイオンが、コレクタスリット2cとイオン電子コ
ンバータ4の電位差Vcによっていわゆる後段加速され
てイオン電子コンバータ4に衝突する。すると、このイ
オン電子コンバータ4からはイオンの量およびエネルギ
ーに応じた電子が放出され、この電子が電子検出器3に
入射される。電子検出器3には、所定の加速電圧VD
印加されており、この加速電圧VDは図示省略した抵抗
により分圧されて各ダイノード3bに印加されている。
したがって、イオン電子コンバータ4からの電子がダイ
ノード3bに衝突することにより、二次電子放射が起こ
り、これが各ダイノード3bによって指数的に増倍され
て電気信号として取り出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のイオ
ン電子コンバータ4におけるイオン/電子の変換効率
は、これに衝突するイオンの入射角θと入射エネルギE
とが影響し、それぞれθ,Eに最適値が存在することが
知られている。また、電子検出器についても、最適な入
射位置が存在する。
【0008】一方、上述したように、イオン源1には所
定のイオン引出電圧V0が印加されるが、このイオン引
出電圧V0は、分析条件に適応するようにその都度変更
される。たとえば、二重収束型質量分析装置において、
未知試料の定性分析などを行う場合には、広い測定質量
数範囲を走査する必要が生じるが、その際には、イオン
引出電圧V0を比較的小さな値に設定する。但し、この
場合の測定感度は低くなる。これに対して、既知試料の
定量分析を行う場合には、測定感度を高める必要がある
ので、その際には、イオン引出電極V0を比較的大きな
値に設定する。但し、この場合の測定質量数範囲は狭く
なる。
【0009】図2に示した従来構成の装置では、イオン
引出電圧V0の設定値とは無関係に、イオン電子コンバ
ータ4および電子検出器3に印加する各電圧Vc,VD
値が個別に設定されており、イオン引出電圧V0の値が
変更されても両電圧Vc,VDは固定されたまま、また
は、V0との相関関係なく任意に変更される。
【0010】そのため、従来装置では、上記のように分
析条件に応じてイオン引出電圧V0を変更した場合に
は、コレクタスリット2cを通過するもイオンの運動エ
ネルギが変動していた。すなわち、コレクタスリット2
cを通過するイオンの運動エネルギEは、 E=q・V0=m・v2/2 (1) (ここに、qはイオンの電荷、mはイオンの質量、vは速
度)となるので、同じ質量電荷比m/qのイオンに対して
も、V0の値に応じてvが変化し、これに伴い、イオン
の飛行軌道も変化してイオン電子コンバータ4に衝突す
るイオンの入射角θと入射位置とがいずれも変動する。
このため、イオン引出電圧V0の値に応じてイオン/電
子の変換効率が大きく変動するとともに、電子検出器3
に対する電子の入射位置も変動し、その結果、同一質量
電荷比m/qのイオンを検出する場合にも、イオン引出電
圧V0の値に応じて検出感度がばらつくという不都合を
生じていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するためになされたものであって、イオン引出電
圧の値に影響されることなく、質量分析計を通過したイ
オンがイオン電子コンバータに対して一定の入射角およ
び入射エネルギで衝突するようにして、イオン検出感度
のばらつきが生じないようにするものである。
【0012】そのため、本発明では、イオン源1と、イ
オン引出電極2aによって引き出されたイオンを質量分
離する質量分離部2bと、この質量分離部2bで質量分離
して取り出された特定のイオンのみを選択的に取り出す
コレクタスリット2cと、このコレクタスリット2cを通
過したイオンを電子に変換するイオン電子コンバータ4
と、変換された電子を検出して電気信号として取り出す
電子検出器3とが順次配置されている質量分析装置にお
いて、次の構成を採る。
【0013】すなわち、本発明の質量分析装置では、コ
レクタスリット2cとイオン電子コンバータ4との間
に、さらにサブスリット10を配置する一方、イオン源
1に印加するイオン引出電圧をV0、サブスリット10
に印加する電圧をVs、イオン電子コンバータ4に印加
するコンバータ電圧をVcとした場合に、 Vs=V0−k1、Vc=V0−k2 (ただし、k1,k2は定数) の関係を満たすように、V0の設定に応じてVs、Vcを
それぞれ決定する電圧制御手段12を備えた構成とし
た。
【0014】
【作用】上記構成において、分析条件に適合させるため
に、イオン引出電圧V0を設定すると、これに応じて電
圧制御手段12は、サブスリット10とイオン電子コン
バータ6の各印加電圧Vs,Vcを設定する。
【0015】この状態において、イオン源1とサブスリ
ット10との間の電位差は、 V0−Vs=k1 で一定となり、したがって、質量分析部2で質量分離さ
れたすべてのイオンは、常に一定の運動エネルギーでサ
ブスリット10から出射される。
【0016】一方、サブスリット10とイオン電子コン
バータ4との間の電位差は、 Vs−Vc=−k1+k2 で一定となり、サブスリット10を通過したすべてのイ
オンは、常に同一の軌道を描いてイオン電子コンバータ
4に衝突する。
【0017】つまり、すべてのイオンは、イオン引出電
圧V0の値に影響を受けることなく、イオン電子コンバ
ータ4に対して、常に一定の入射角θでもって同じ位置
に衝突するので、従来のように、同一質量電荷比m/qの
イオンを検出する場合にもイオン引出電圧V0によって
検出感度が変動を受けるなどの不都合が回避され、常に
一定の検出感度が得られることになる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る質量分析装置の
構成図であり、図2に示した従来例に対応する部分には
同一の符号を付す。
【0019】図1において、1はイオン源、2aはイオ
ン引出電極、2bは質量分離部、2cはコレクタスリッ
ト、3は電子検出器、4はイオン電子コンバータ、5は
増幅器、6は計測部であり、これらの構成は従来例の場
合と同様である。
【0020】この実施例の特徴は、コレクタスリット2
cとイオン電子コンバータ4との間に、サブスリット1
0が配置されており、また、イオン源1、サブスリット
10、イオン電子コンバータ4および電子検出器3に印
加する電圧を制御する電圧制御手段12と、イオン引出
電圧V0を設定するための設定部14とを備えているこ
とである。
【0021】上記の電圧制御手段12は、たとえばCP
Uで構成され、イオン源1に印加するイオン引出電圧を
0、サブスリット10に印加する電圧をVs、イオン電
子コンバータ4に印加するコンバータ電圧をVc、電子
検出器3の前段に印加する電圧をVD、電子検出器3の
後段に印加する電圧をVEとした場合に、 Vs=V0−k1、Vc=V0−k2、VD=V0−k3、VE=V0−k4 (ただし、k1, k2,k3,k4は定数) (2) の関係を満たすように、設定部14でV0の値が設定さ
れると、これに応じてVs、Vc,VD,VEの各値をそれ
ぞれ決定して出力するようになっている。なお、上記の
各定数k1,k2,k3,k4は、検出感度が大きくなるよう
に、イオンの軌道および電子検出器3への電子の入射位
置を考慮して予め決定される。
【0022】なお、16は増幅器5の入力電位を一定に
するためのアイソレーション用のコンデンサである。
【0023】次に、上記構成の質量分析装置の作用につ
いて説明する。
【0024】分析条件に適合させるために、設定部14
からイオン源1に対して印加するイオン引出電圧V0
値を設定すると、これに応じて電圧制御手段12は、上
記の(2)式に基づいて、サブスリット10、イオン電子
コンバータ4および電子検出器3の各印加電圧Vs,V
c,VD,VEを設定する。
【0025】この状態において、イオン源1とサブスリ
ット10との間の電位差は、 V0−Vs=k1 で一定となり、したがって、質量分析部2で質量分離さ
れたすべてのイオンは、常に一定の運動エネルギでサブ
スリット10から出射される。
【0026】また、サブスリット10とイオン電子コン
バータ4との間の電位差は、 Vs−Vc=−k1+k2 で一定となり、したがって、サブスリット10を通過し
たすべてのイオンは、常に同一の軌道を描いてイオン電
子コンバータ4に衝突する。つまり、すべてのイオン
は、イオン引出電圧V0の値に影響を受けることなく、
イオン電子コンバータ4に対して、常に一定の入射角θ
でもって同じ位置に衝突する。
【0027】さらに、イオン電子コンバータ4と電子検
出器3のシールド電極3aとの間の電位差は、 Vc−VD=−k2+k3 で一定となり、イオン電子コンバータ4からの電子は、
電子検出器に対して常に一定速度でかつ一定位置に入射
される。さらに、電子検出器3の前段と後段の電位差
は、 VD−VE=−k3+k4 で一定となり、電子検出器3で増幅される条件は常に等
しくなる。
【0028】このため、イオン引出電圧V0の影響を受
けることなく、同一質量電荷比m/qのイオンに対して、
常に一定の検出感度が得られることになる。
【0029】上記の実施例では、電子検出器3に印加す
る電圧VD,VEもイオン引出電圧V0の値に応じて変化
するようにしているが、加速電圧VD,VEだけ切り離し
て独立に設定するようにしてもよい。この場合では、V
0の変化により、全体での感度に変化が生じるが、VS
Cをイオン/電子変換に必要な最適な値に設定してお
れば、V0を変化させても、変換に最適な条件を常に満
足することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、質量分析計を通過した
すべてのイオンは、イオン引出電圧の設定値が変更され
た場合にも、それに影響されることなく、常にイオン電
子コンバータに対して一定の入射角および入射エネルギ
で衝突する。このため、従来のようなイオン検出感度の
ばらつき発生を確実に回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る質量分析装置の構成図で
ある。
【図2】従来の質量分析装置の構成図である。
【符号の説明】
1…イオン源、2…質量分析部、3…電子検出器、4…
イオン電子コンバータ、10…サブスリット、12…電
圧制御手段。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/06 H01J 49/26 - 49/32 H01J 37/244

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン源(1)と、このイオン源(1)から
    引き出されたイオンを質量分離する質量分析部(2)と、
    この質量分析部(2)で質量分離して取り出されたイオン
    を電子に変換するイオン電子コンバータ(4)と、変換さ
    れた電子を検出して電気信号として取り出す電子検出器
    (3)とが順次配置されている質量分析装置において、
    前記質量分析部(2)とイオン電子コンバータ(4)との
    間に、さらにサブスリット(10)を配置する一方、イオ
    ン源(1)に印加するイオン引出電圧をV0、サブスリッ
    ト(10)に印加する電圧をVs、イオン電子コンバータ
    (4)に印加するコンバータ電圧をVcとした場合に、 Vs=V0−k1、Vc=V0−k2 (ただし、k1,k2は定数) の関係を満たすように、V0の設定に応じてVs、Vcを
    それぞれ決定する電圧制御手段(12)を備えることを特
    徴とする質量分析装置。
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