JP3097071U - 枕 - Google Patents

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小林 知司
田多井 毅
Original Assignee
株式会社安眠
株式会社エヌ・ジー・シー
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Abstract

【課題】就寝の際、枕がずれたり移動することを防ぐことにより、頭部および頸椎の安定性を向上させると共に、寝返りを打った際でも、枕が常に頭部の下に敷設される枕を提供する。
【解決手段】緩衝性を有する中材2と、中材2を被覆するカバー材3にて形成される枕1において、中材2の側面であって人体の首部が載置される側が湾曲部4を有し、かつ中材2の上面に長手方向に沿って通気用の長溝5が少なくとも1本形成されている。好ましくは湾曲部4の側面に緩衝性を向上させるための長溝6が形成されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は枕に関し、詳しくは、就寝の際、ずれたり移動することを防ぐことにより頭部および頸椎の安定性を向上させた枕であって、寝返りを打った際でも、常に枕が頭部の下に敷設されることを可能とした枕に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、就寝時に肩部から首部にかけた身体の略上半身を、確実にリラックスした状態で支持すること、頸椎の自然な状態を確保することを目的とした変形型枕が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3049694号公報(第1−2頁、第2図)
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上掲特許文献1に開示されている変形型枕は、頸椎支持用の第2膨出部と、この第2膨出部より凹部を経由して設けられた頭部支持用の第1膨出部と、前記第2膨出部に設けられたひれ片部とで構成されているため、頸椎を自然な状態に保ち、かつ頸椎への負担軽減が図れるが、その一方で、就寝中に、枕がズレたり移動したりするという欠点があった。また、寝返りを打った際、頭部が身体の移動と共に下方にズレて、枕から落ちてしまうという問題もあった。
【0005】
そこで本考案の目的は、上記問題点を解消し、就寝の際、枕がずれたり移動することを防ぐことにより、頭部および頸椎の安定性を向上させると共に、寝返りを打った際でも、枕が常に頭部の下に敷設される枕を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を有利に解決する本考案の枕は、緩衝性を有する中材と、該中材を被覆するカバー材とを備えた枕において、前記中材の側面であって人体の首部が載置される側が湾曲部を有し、かつ前記中材の上面に長手方向に沿って通気用の長溝が少なくとも1本形成されていることを特徴とするものである。これにより、寝返りを打った際でも、頭部が湾曲部に沿って移動し、枕が常に頭部の下に敷設された状態となる。また、前記中材の上面長手方向に長溝を設けたことにより、使用中における頭部下方の通気性が向上される。
【0007】
また、前記中材の湾曲部側面に、緩衝性を向上させるための長溝を設けたことにより、クッション性が高まり、頭部および頸椎の安定性が向上して首周辺にかかる負担を軽減できる。
【0008】
さらに、前記中材の内部にパームロックボードを収容させることで、枕全体の保形性が高まると共に、頭部より発せられる汗を効率よく吸収することができる。
【0009】
さらにまた、前記湾曲部の側面に、中材をカバー材にて被覆した背当具を配設すると共に、背当具を含む枕全体をカバー本体にて被覆することにより、身体下部に敷設された背当具にて枕が保持され、就寝の際、枕がずれたり移動したりすることを防ぐことができる。またカバー本体に、背当具を着脱自在に連結可能な連結具を設けることで、収納や携帯面で利便性が高まると共に、背当具を枕の下に敷設することで、枕の高さを調節することができる。
【0010】
さらにまた、前記カバー材およびカバー本体を、備長炭を粉砕してなる備長炭微粒子を埋入して形成することにより、カバーの汚れによる不快な臭を軽減することができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下に、本考案の枕の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1の(a)および(b)に、本考案に従う枕の一例を斜視図および断面図で示す。図示する本考案の枕1は、緩衝性を有する中材2と、中材2を被覆するカバー材3にて形成されている。枕1の中材2は、優れた緩衝性を有する既知の素材、例えば、中発泡フォーム(低反発弾性フォーム)から構成し、仰向け状態で身体の頸椎周辺が載置される部分が嵩高に形成され、頭部が載置される部分が窪んだ状態となっている。
【0012】
また、枕1の長手方向は、寝返りを打って落ちることがなく、またズレを防止し、さらには外観的な美しさや優雅さの観点から、80cmを超える長さとすることが好ましい。
【0013】
本考案の枕1においては、中材2の長手方向側面であって、人体の首部が載置される側に、緩やかな弓形状の湾曲部4が形成されている。かかる湾曲部4を設けたことにより、図8に示すように、就寝時に寝返りを打った際、頭部が身体と共に下方に移動しても、頭部が湾曲部4に沿って移動するため、頭部が常に枕1の上に載置された状態となる。
【0014】
また、中材2の上面には長手方向に、通気用の長溝5が前記湾曲部4の弓形状に沿って複数形成されている。これにより、使用の際、頭部下方の通気性が向上し、快適な安眠が実現できる。
【0015】
さらに、中材2の湾曲部4の側面には、長手方向に沿って長溝6が設けられている。かかる長溝6を設けたことにより、湾曲部4のクッション性が高まり、頭部および頸椎の安定性が向上して首周辺にかかる負担を軽減できる(図7参照)。
【0016】
本考案の他の好適例として、図4に示すように、中材2の内部にパームロックボード7を収容させることが好ましい。パームロックボード7は、ヤシ等の天然素材を圧縮して板状に形成したもので、可撓性と通気性に優れた特徴を有する。そのため、中材2全体の保形性を高めると共に、頭部より発せられる汗を効率よく吸収することができる。
【0017】
さらに他の本考案の好適例として、枕1の湾曲部4の側面に、人体の背部が載置される背当具10を配設することができる(以下の説明において、「枕1」は「枕本体1」と称する)。図2の(a)および(b)に示す背当具10は、横臥時、人体の背部が載置されるもので、板状の中材11がカバー材12にて被覆されて形成される。中材11は緩衝性を有する既知の素材、例えば、高発泡フォームを好適に使用することができる。また、背当具10の全面にはツボ刺激効果を有する凹凸部13が形成されていることが好ましく、また、通気性を高めるための貫通孔14が複数穿孔されていることが好ましい。図3の(a)および(b)に示すように、前記背当具10を枕1の湾曲部4の側面に配設することにより、背当具10が身体の加重により支持され、就寝の際、枕本体1がずれたり移動したりすることを防ぐことができる。但し、背当具10の側面(湾曲部4側)は、湾曲部4と同様に湾曲状に形成する。
【0018】
また、枕本体1と背当具10とは、図5の(a)および(b)に示すように、カバー本体20にて被覆されている。かかるカバー本体20の内部はマチ23にて区分され、枕本体1を収納する第一袋部21と、背当具10を収納する第二袋部22とが形成されている。カバー本体20の各袋部に枕本体1と背当具10とを収容させることで、枕本体1と背当具10との一体感が向上すると共に、汚れが付着した場合、カバー本体20を洗濯するだけで衛生的に使用することができる。
【0019】
あるいはまた、図6に示すように、カバー本体20に、第一袋部21と第二袋部22とを着脱自在に連結する連結具24を設けてもよい。かかる連結具24としては、例えば、ファスナーや面ファスナー、ホック等を好適に採用することができる。連結具24にて枕本体1と背当具10とを着脱自在に連結することにより、収納や携帯面で利便性が高まると共に、背当具10を枕本体1の下に敷設することで、枕の高さを調節することができる。
【0020】
更に本考案の他の好適例として、枕本体1のカバー材3、背当具10のカバー材12、およびカバー本体20を、夫々備長炭を粉砕してなる備長炭微粒子を埋入して形成することが好ましい。これらは、多数の備長炭微粒子が分散されてなる水分散液をビスコースに添加混合した後紡糸する既知の紡糸方法により製造することができる(例えば、特開2001−98412号公報参照)。この方法により製造されたカバー材3、12、およびカバー本体20を、枕本体1や背当具10に使用することにより、枕本体1や背当具10の汚れによる不快な臭を解消することができる。
【0021】
【考案の効果】
以上説明してきたように、本考案の枕においては、寝返りを打った際でも、頭部が湾曲部に沿って移動し、枕が常に頭部の下に敷設された状態となる。また、中材の上面長手方向に長溝を設けたことにより、使用中における頭部下方の通気性が向上される。
【0022】
また、中材の湾曲部側面に、緩衝性を向上させるための長溝を設けることにより、クッション性が高まり、頭部および頸椎の安定性が向上して首周辺にかかる負担を軽減できる。
【0023】
さらに、中材の内部にパームロックボードを収容させることで、枕全体の保形性が高まると共に、頭部より発せられる汗を効率よく吸収することができる。
【0024】
さらにまた、枕の湾曲部側面に、中材をカバー材にて被覆した背当具を配設すると共に、背当具を含む枕全体をカバー本体にて被覆することにより、身体下部に敷設された背当具にて枕が保持され、就寝の際、枕がずれたり移動したりすることを防ぐことができる。また、カバー本体に、背当具を着脱自在に連結可能な連結具を設けることで、収納や携帯面で利便性が高まると共に、背当具を枕の下に敷設することで、枕の高さを調節することができる。
【0025】
さらにまた、枕と背当具とを被覆するカバー材およびカバー本体を、備長炭を粉砕してなる備長炭微粒子を埋入して形成することにより、カバーの汚れによる不快な臭を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、本考案の好適例の枕の全体斜視図および矢視断面図である。
【図2】(a)および(b)は、背当具の全体斜視図および矢視断面図である。
【図3】(a)および(b)は、背当具を枕の湾曲部に配設させた状態の斜視図および矢視断面図である。
【図4】背当具を配設させた状態の正面図である。
【図5】(a)および(b)は、カバー本体を被覆させた斜視図および矢視断面図である。
【図6】枕および背当具を分割させた状態の断面図である。
【図7】使用状態の断面図である。
【図8】寝返りを打った状態の正面図である。
【符号の説明】
1 枕
2 中材
3 カバー材
4 湾曲部
5 長溝
6 長溝
7 パームロックボード
10 背当具
11 中材
12 カバー材
13 凹凸部
14 貫通孔
20 カバー本体
21 第一袋部
22 第二袋部
23 マチ
24 連結具

Claims (7)

  1. 緩衝性を有する中材と、該中材を被覆するカバー材とを備えた枕において、前記中材の側面であって人体の首部が載置される側が湾曲部を有し、かつ前記中材の上面に長手方向に沿って通気用の長溝が少なくとも1本形成されていることを特徴とする枕。
  2. 前記湾曲部の側面に、緩衝性を向上させるための長溝が形成されている請求項1記載の枕。
  3. 前記中材の内部に、パームロックボードが収容されている請求項1または2記載の枕。
  4. 前記湾曲部側面に、背当具が配設された請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の枕。
  5. カバー本体にて被覆されている請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の枕。
  6. 前記カバー本体に、前記背当具を着脱自在に連結可能な連結具を設けた請求項5記載の枕。
  7. 前記カバー材およびカバー本体が、備長炭を粉砕してなる備長炭微粒子を埋入して形成されている請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の枕。
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