JP3096355B2 - Ms/ms装置 - Google Patents
Ms/ms装置Info
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- JP3096355B2 JP3096355B2 JP04143170A JP14317092A JP3096355B2 JP 3096355 B2 JP3096355 B2 JP 3096355B2 JP 04143170 A JP04143170 A JP 04143170A JP 14317092 A JP14317092 A JP 14317092A JP 3096355 B2 JP3096355 B2 JP 3096355B2
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- JP
- Japan
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- ion
- magnetic field
- mass
- ions
- electric field
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- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2台の質量分析装置を
縦続接続した所謂MS/MS装置に関するものである。
縦続接続した所謂MS/MS装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MS/MS装置は、複雑な構造を持つ物
質の分子構造解析を行う上で極めて有用な装置である。
このMS/MS装置では、第1の質量分析装置(MS−
1)において特定の質量を持つイオンのみを選択的に取
出し、取出した親イオンを例えばガス分子と衝突させて
解離させ、派生した娘イオンを第2の質量分析装置(M
S−2)に導入して質量分析することによって、イオン
源内に存在する物質を分析する。
質の分子構造解析を行う上で極めて有用な装置である。
このMS/MS装置では、第1の質量分析装置(MS−
1)において特定の質量を持つイオンのみを選択的に取
出し、取出した親イオンを例えばガス分子と衝突させて
解離させ、派生した娘イオンを第2の質量分析装置(M
S−2)に導入して質量分析することによって、イオン
源内に存在する物質を分析する。
【0003】この娘イオンを高い分解能で分析するため
には、MS−2として二重収束質量分析装置を用いるこ
とが必要であり、現在、扇形電場と扇形磁場を組み合わ
せた二重収束質量分析装置をMS−1及びMS−2とし
て使用する大型のMS/MS装置が実用化されている。
には、MS−2として二重収束質量分析装置を用いるこ
とが必要であり、現在、扇形電場と扇形磁場を組み合わ
せた二重収束質量分析装置をMS−1及びMS−2とし
て使用する大型のMS/MS装置が実用化されている。
【0004】この実用化されているMS/MS装置で
は、通常、MS−1で注目する親イオンのみを継続的に
取り出し、MS−2を掃引することによりその親イオン
から派生する娘イオンのスペクトルを取得する分析法が
用いられる。
は、通常、MS−1で注目する親イオンのみを継続的に
取り出し、MS−2を掃引することによりその親イオン
から派生する娘イオンのスペクトルを取得する分析法が
用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】娘イオンスペクトルも
もちろん有用であるが、ある特定質量の娘イオンを派生
するすべての親イオンがわかれば分析上非常に有用な場
合が多い。この様な言わば親イオンスペクトルを取得す
るために、MS−1とMS−2の磁場強度を連動して掃
引することが試みられているが、2つの磁場を精度良く
連動させて掃引することは極めて困難であり、従来必ず
しも良い結果が得られていない。
もちろん有用であるが、ある特定質量の娘イオンを派生
するすべての親イオンがわかれば分析上非常に有用な場
合が多い。この様な言わば親イオンスペクトルを取得す
るために、MS−1とMS−2の磁場強度を連動して掃
引することが試みられているが、2つの磁場を精度良く
連動させて掃引することは極めて困難であり、従来必ず
しも良い結果が得られていない。
【0006】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであり、2つの磁場強度を連動して掃引することなし
に親イオンスペクトルを求めることの出来るMS/MS
装置を提供することを目的としている。
のであり、2つの磁場強度を連動して掃引することなし
に親イオンスペクトルを求めることの出来るMS/MS
装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、イオン源と、該イオン源からの被分析イ
オンが導入される電場及び磁場から構成される第1の質
量分析系と、該第1の質量分析系を通過したイオンが入
射するイオン解離手段と、解離により生成されたイオン
が導入される電場及び磁場から構成される第2の質量分
析系と、該第2の質量分析系を出射したイオンを検出す
るためのイオン検出器とを備えたMS/MS装置におい
て、前記イオン源で生成されるイオンの運動エネルギ
ー、前記第1の質量分析系の電場強度及び磁場強度をそ
れぞれの比を一定に維持しつつ掃引する掃引手段を設け
たことを特徴としている。
め、本発明は、イオン源と、該イオン源からの被分析イ
オンが導入される電場及び磁場から構成される第1の質
量分析系と、該第1の質量分析系を通過したイオンが入
射するイオン解離手段と、解離により生成されたイオン
が導入される電場及び磁場から構成される第2の質量分
析系と、該第2の質量分析系を出射したイオンを検出す
るためのイオン検出器とを備えたMS/MS装置におい
て、前記イオン源で生成されるイオンの運動エネルギ
ー、前記第1の質量分析系の電場強度及び磁場強度をそ
れぞれの比を一定に維持しつつ掃引する掃引手段を設け
たことを特徴としている。
【0008】
【作用】イオン源で生成されるイオンの運動エネルギ
ー、前記第1の質量分析系の電場強度及び磁場強度をそ
れぞれの比を一定に維持しつつ掃引する掃引手段を設け
たことにより親イオンスペクトルを取得することができ
る。
ー、前記第1の質量分析系の電場強度及び磁場強度をそ
れぞれの比を一定に維持しつつ掃引する掃引手段を設け
たことにより親イオンスペクトルを取得することができ
る。
【0009】以下、図面を用いて本発明の一実施例を詳
説する。
説する。
【0010】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示すイオン光学図
である。図1において第1の質量分析装置MS−1とし
ては、イオン源1、主スリット2、扇形電場3、扇形磁
場4、コレクタスリット5から構成される通常の掃引型
二重収束質量分析装置が用いられ、その後方に衝突室6
及び第2の質量分析装置MS−2が配置される。MS−
2としては、スリット7,扇形電場8,スリット9,扇
形磁場10,イオン検出器11から構成される二重収束
質量分析装置が用いられる。12は掃引信号を発生する
掃引回路で、掃引信号は、掃引制御回路14へ送られ
る。掃引制御回路14は、掃引信号に基づいてイオン加
速電源13,電場電源15及び磁場電源16を制御す
る。17はコレクタスリット5と衝突室6の間のイオン
通路に配置されるMS−1用のイオン検出器で、イオン
通路を挟んで対向配置される変換ダイノードCDと電子
増倍管EMから構成される。そして、変換ダイノードC
Dに高電圧を印加することにより、イオン通路を通るイ
オンをダイノードに向けて加速衝突させ、派生する2次
荷電粒子を電子像倍管EMに導入して検出することがで
きる。また、変換ダイノードに電圧を印加しなければ、
イオンはそのまま通過して衝突室6へ到達し、MS/M
S装置としての測定ができる。
である。図1において第1の質量分析装置MS−1とし
ては、イオン源1、主スリット2、扇形電場3、扇形磁
場4、コレクタスリット5から構成される通常の掃引型
二重収束質量分析装置が用いられ、その後方に衝突室6
及び第2の質量分析装置MS−2が配置される。MS−
2としては、スリット7,扇形電場8,スリット9,扇
形磁場10,イオン検出器11から構成される二重収束
質量分析装置が用いられる。12は掃引信号を発生する
掃引回路で、掃引信号は、掃引制御回路14へ送られ
る。掃引制御回路14は、掃引信号に基づいてイオン加
速電源13,電場電源15及び磁場電源16を制御す
る。17はコレクタスリット5と衝突室6の間のイオン
通路に配置されるMS−1用のイオン検出器で、イオン
通路を挟んで対向配置される変換ダイノードCDと電子
増倍管EMから構成される。そして、変換ダイノードC
Dに高電圧を印加することにより、イオン通路を通るイ
オンをダイノードに向けて加速衝突させ、派生する2次
荷電粒子を電子像倍管EMに導入して検出することがで
きる。また、変換ダイノードに電圧を印加しなければ、
イオンはそのまま通過して衝突室6へ到達し、MS/M
S装置としての測定ができる。
【0011】上記構成において、イオン源1で生成され
イオン加速電源13から発生するイオン加速電圧により
等しいエネルギーが与えられたイオンは、扇形電場3及
び扇形磁場4を通過し、この扇形電場3及び線形磁場4
から構成される二重収束質量分析系の二重収束点に配置
されるコレクタスリット5上にマススペクトルとして展
開収束される。掃引制御回路14により磁場4の強度を
掃引すると、このマススペクトルがコレクタスリット上
を移動するため、前記イオン検出器17を用いることに
より、MS−1によるマススペクトルを取得することが
できる。このスペクトルに基づいて磁場強度を適宜選ぶ
ことにより、スペクトル中の所望のイオンがコレクタス
リットを通過するようにMS−1を設定することができ
る。
イオン加速電源13から発生するイオン加速電圧により
等しいエネルギーが与えられたイオンは、扇形電場3及
び扇形磁場4を通過し、この扇形電場3及び線形磁場4
から構成される二重収束質量分析系の二重収束点に配置
されるコレクタスリット5上にマススペクトルとして展
開収束される。掃引制御回路14により磁場4の強度を
掃引すると、このマススペクトルがコレクタスリット上
を移動するため、前記イオン検出器17を用いることに
より、MS−1によるマススペクトルを取得することが
できる。このスペクトルに基づいて磁場強度を適宜選ぶ
ことにより、スペクトル中の所望のイオンがコレクタス
リットを通過するようにMS−1を設定することができ
る。
【0012】このようにしてMS−1で選ばれた特定イ
オンすなわち親イオンは、衝突室6へ入射し、衝突室内
のガス分子と衝突する。このガス分子との衝突解離によ
り発生した娘イオンは、スリット9を介してMS−2へ
導入され、MS−2の電場8及び磁場10を通過した娘
イオンは、イオン検出器11へ到達して検出される。こ
の状態で、磁場10の強度を掃引すれば、イオン検出器
11へ到達する娘イオンの質量電荷比を掃引することが
でき、その結果、前述した娘イオンスペクトルを取得す
ることができる。
オンすなわち親イオンは、衝突室6へ入射し、衝突室内
のガス分子と衝突する。このガス分子との衝突解離によ
り発生した娘イオンは、スリット9を介してMS−2へ
導入され、MS−2の電場8及び磁場10を通過した娘
イオンは、イオン検出器11へ到達して検出される。こ
の状態で、磁場10の強度を掃引すれば、イオン検出器
11へ到達する娘イオンの質量電荷比を掃引することが
でき、その結果、前述した娘イオンスペクトルを取得す
ることができる。
【0013】こうして得られた娘イオンスペクトル中に
例えば質量100のピークが存在し、この質量電荷比1
00の娘イオンを派生するすべての親イオンを知りたい
場合、まず、MS−2の電場8,磁場10の強度Ed ,
Bd は所定値に固定された状態で、イオン加速電圧Va
,MS−1の電場強度Ep ,磁場強度Bp が、掃引制
御回路14によって連動して掃引される。この掃引中、
三者の強度比は常に一定に維持される。
例えば質量100のピークが存在し、この質量電荷比1
00の娘イオンを派生するすべての親イオンを知りたい
場合、まず、MS−2の電場8,磁場10の強度Ed ,
Bd は所定値に固定された状態で、イオン加速電圧Va
,MS−1の電場強度Ep ,磁場強度Bp が、掃引制
御回路14によって連動して掃引される。この掃引中、
三者の強度比は常に一定に維持される。
【0014】このような掃引により親イオンスペクトル
が得られることを以下に説明する。一般に、二重収束質
量分析装置において、加速電圧Va で加速された質量M
のイオンが中心軌道を通って二重収束点に達するために
は、(1),(2)式が成立することが必要であり、M
S−1,MS−2についても当然(1),(2)式が成
立する。
が得られることを以下に説明する。一般に、二重収束質
量分析装置において、加速電圧Va で加速された質量M
のイオンが中心軌道を通って二重収束点に達するために
は、(1),(2)式が成立することが必要であり、M
S−1,MS−2についても当然(1),(2)式が成
立する。
【0015】M・Va =α・B2 …(1) E=β・Va …(2) (1),(2)式において、E,Bは二重収束質量分析
装置を構成する電場と磁場の強度であり、α,βは装置
固有の定数である。
装置を構成する電場と磁場の強度であり、α,βは装置
固有の定数である。
【0016】いま、MS−1で選択される親イオンの質
量をMp 、MS−2で検出される娘イオンの質量をMd
、イオン加速電圧をVa 、MS−1の電場強度(電場
電圧)をEp 、磁場強度をBp 、MS−2の電場強度
(電場電圧)をEd 、磁場強度をBd 、MS−1の装置
定数をα1 ,β1 、MS−2の装置定数をα2 ,β2 と
すると、(1),(2)式にしたがって下式が成立す
る。
量をMp 、MS−2で検出される娘イオンの質量をMd
、イオン加速電圧をVa 、MS−1の電場強度(電場
電圧)をEp 、磁場強度をBp 、MS−2の電場強度
(電場電圧)をEd 、磁場強度をBd 、MS−1の装置
定数をα1 ,β1 、MS−2の装置定数をα2 ,β2 と
すると、(1),(2)式にしたがって下式が成立す
る。
【0017】 Mp ・Va =α1 ・Bp 2 …(1.1) Ep =β1 ・Va …(2.1) Md (Md /Mp )Va =α2 ・Bd 2 …(1.2) Ed =β2 (Md /Mp )Va …(2.2) (1.1)式及び(1.2)式からMp を消去すると、
下式が得られる。 K・Bd /Md =Va /Bp …(3) (3)式においてKは、(α1 ・α2 )1/2 で与えられ
る定数である。
下式が得られる。 K・Bd /Md =Va /Bp …(3) (3)式においてKは、(α1 ・α2 )1/2 で与えられ
る定数である。
【0018】MS−2の磁場強度Bd をBdoに固定し、
且つ常に一定の娘イオンを検出するために娘イオンの質
量Md をMdo一定とした場合、(3)式は(3´)式と
なって左辺が一定となる。 K・Bdo/Mdo=Va /Bp …(3´) この(3´)式を満足させるようにイオン加速電圧Va
及びMS−1の磁場強度Bp を連動して掃引すれば、M
S−1の磁場4を通りコレクタスリット5を通過した親
イオンから派生した一定質量Mdoの娘イオンは、強度B
doに固定されたMS−2の磁場10を通ってイオン検出
器11へ到達することができる。
且つ常に一定の娘イオンを検出するために娘イオンの質
量Md をMdo一定とした場合、(3)式は(3´)式と
なって左辺が一定となる。 K・Bdo/Mdo=Va /Bp …(3´) この(3´)式を満足させるようにイオン加速電圧Va
及びMS−1の磁場強度Bp を連動して掃引すれば、M
S−1の磁場4を通りコレクタスリット5を通過した親
イオンから派生した一定質量Mdoの娘イオンは、強度B
doに固定されたMS−2の磁場10を通ってイオン検出
器11へ到達することができる。
【0019】それと同時に、(2.1)式および(2.
2)式が成立するようにすれば、親イオンは電場3をも
通過でき、娘イオンは電場8をも通過できる。その結
果、コレクタスリットに到達する親イオンの質量Mp が
(1.1)式にしたがって掃引され、且つ、その親イオ
ンから派生した質量Mdoの娘イオンはMS−2の電場及
び磁場を通過してイオン検出器11へ到達することがで
き、イオン検出器11からは、一定質量Mdoを派生する
すべての親イオンを示す親イオンスペクトル信号が得ら
れる。
2)式が成立するようにすれば、親イオンは電場3をも
通過でき、娘イオンは電場8をも通過できる。その結
果、コレクタスリットに到達する親イオンの質量Mp が
(1.1)式にしたがって掃引され、且つ、その親イオ
ンから派生した質量Mdoの娘イオンはMS−2の電場及
び磁場を通過してイオン検出器11へ到達することがで
き、イオン検出器11からは、一定質量Mdoを派生する
すべての親イオンを示す親イオンスペクトル信号が得ら
れる。
【0020】上記(2.1)式を成立させるためには、
(3´)式を成立させつつ行なわれるVa (及びBp )
の掃引に連動して、Va とEp の比が一定値(β1 )に
なるように電場3を発生させる電場電圧Ep を掃引すれ
ば良い。また、(2.2)式は下記に示すようにVa /
Mp が一定となるため、Ed は(2.2)式で決まる一
定値に維持されれば良い。
(3´)式を成立させつつ行なわれるVa (及びBp )
の掃引に連動して、Va とEp の比が一定値(β1 )に
なるように電場3を発生させる電場電圧Ep を掃引すれ
ば良い。また、(2.2)式は下記に示すようにVa /
Mp が一定となるため、Ed は(2.2)式で決まる一
定値に維持されれば良い。
【0021】即ち、(3´)式から Bp =(Mdo/K・Bdo)Va が得られ、これを(2.1)式に代入しBp を消去する
と、 Mp ・Va =α1 (Mdo/K・Bdo)2 Va 2 が得られる。これを整理すれば、 Va /Mp =1/α1 (Mdo/K・Bdo)2 =const となる。
と、 Mp ・Va =α1 (Mdo/K・Bdo)2 Va 2 が得られる。これを整理すれば、 Va /Mp =1/α1 (Mdo/K・Bdo)2 =const となる。
【0022】以上を整理すれば、MS−2の電場,磁場
の強度Ed ,Bd は所定値に固定で、イオン加速電圧V
a 及びMS−1の磁場強度Bp ,電場強度Ep を互いの
比が一定になるような関係を維持しつつ掃引することに
より、親イオンスペクトルを得ることができる。
の強度Ed ,Bd は所定値に固定で、イオン加速電圧V
a 及びMS−1の磁場強度Bp ,電場強度Ep を互いの
比が一定になるような関係を維持しつつ掃引することに
より、親イオンスペクトルを得ることができる。
【0023】実際の掃引は、掃引回路12及び掃引制御
回路14によって行われる。いま、MS−1によってあ
る質量Mpkの親イオンを継続的に選択し、この親イオン
から注目する質量100の娘イオンが派生し、この質量
100の娘イオンがMS−2の電場及び磁場を通過して
イオン検出器11に到達して検出されているものとす
る。この時のMS−2の電場強度Ed ,磁場強度Bd が
それぞれEd100,Bd100であり、イオン加速電圧Va が
Vak,MS−1の電場強度Ep 及び磁場強度Bpがそれ
ぞれEpk,Bpkであったとする。
回路14によって行われる。いま、MS−1によってあ
る質量Mpkの親イオンを継続的に選択し、この親イオン
から注目する質量100の娘イオンが派生し、この質量
100の娘イオンがMS−2の電場及び磁場を通過して
イオン検出器11に到達して検出されているものとす
る。この時のMS−2の電場強度Ed ,磁場強度Bd が
それぞれEd100,Bd100であり、イオン加速電圧Va が
Vak,MS−1の電場強度Ep 及び磁場強度Bpがそれ
ぞれEpk,Bpkであったとする。
【0024】ここで、質量100の娘イオンを派生する
すべての親イオンを求める親イオンスペクトルの測定が
指令され、掃引回路12から鋸歯状掃引信号が掃引制御
回路14に送られると、掃引制御回路14は、Va :E
p :Bp =Vak:Epk:Bpkの関係を保ちながら、Va
,Ep ,Bp の三者を例えば増大させる方向に連動し
て掃引する。掃引に伴い、Mpkから始まってより高質量
の親イオンがMS−1によって次々に選択されて衝突室
6に入射し、その親イオンから質量100の娘イオンが
派生した場合には、派生した質量100の娘イオンのみ
が電場強度,磁場強度がそれぞれEd100,Bd100に一定
に維持されたMS−2を通過してイオン検出器11へ到
達して検出され、検出器11からは、質量100の娘イ
オンを派生するすべての親イオン(質量Mpkより高質量
側)を示す親イオンスペクトル信号が得られる。
すべての親イオンを求める親イオンスペクトルの測定が
指令され、掃引回路12から鋸歯状掃引信号が掃引制御
回路14に送られると、掃引制御回路14は、Va :E
p :Bp =Vak:Epk:Bpkの関係を保ちながら、Va
,Ep ,Bp の三者を例えば増大させる方向に連動し
て掃引する。掃引に伴い、Mpkから始まってより高質量
の親イオンがMS−1によって次々に選択されて衝突室
6に入射し、その親イオンから質量100の娘イオンが
派生した場合には、派生した質量100の娘イオンのみ
が電場強度,磁場強度がそれぞれEd100,Bd100に一定
に維持されたMS−2を通過してイオン検出器11へ到
達して検出され、検出器11からは、質量100の娘イ
オンを派生するすべての親イオン(質量Mpkより高質量
側)を示す親イオンスペクトル信号が得られる。
【0025】なお、減少させる方向に掃引を行えば、M
pkよりも低質量側についての親イオンスペクトル信号を
取得できる。また、掃引をMpkから始める必要は必ずし
もなく、任意の質量から始めても良い。
pkよりも低質量側についての親イオンスペクトル信号を
取得できる。また、掃引をMpkから始める必要は必ずし
もなく、任意の質量から始めても良い。
【0026】本発明は上記実施例に限らず変形が可能で
あり、例えば、MS−1とMS−2は、二重収束質量分
析装置であれば扇形場がいくつあっても良く、その他に
補正用のレンズなどがあってもかまわない。また、掃引
回路及び掃引制御回路は、アナログ回路で構成しても良
いし、コンピュータ制御でデジタル的に掃引するように
しても良い。
あり、例えば、MS−1とMS−2は、二重収束質量分
析装置であれば扇形場がいくつあっても良く、その他に
補正用のレンズなどがあってもかまわない。また、掃引
回路及び掃引制御回路は、アナログ回路で構成しても良
いし、コンピュータ制御でデジタル的に掃引するように
しても良い。
【0027】さらに、上記実施例は衝突室6を接地電位
で使用する場合について説明したが、衝突室にある電位
Vc (Vc =μ・Va )を印加して使用する場合には、
(1.2)式は、次式のように変形される。
で使用する場合について説明したが、衝突室にある電位
Vc (Vc =μ・Va )を印加して使用する場合には、
(1.2)式は、次式のように変形される。
【0028】 {(1−μ)Md 2 +μ・Md ・Mp }Va =α2 ・Mp ・Bd 2 …(1.3) この(1.3)式と(1.1)式より、 (1−μ)Va 2 ・Md 2 +μ・Md ・α1 ・Va ・Bp 2 −α1 ・α2 ・Bp 2 ・Bd 2 =0 …(4) が得られる。(4)式のうちVa とBp 以外は固定なの
で、Va とBp を(4)式が常に満足されるように掃引
すれば良い。Ep も(1.2)式に従ってVa と共に掃
引する必要があることは言うまでもない。
で、Va とBp を(4)式が常に満足されるように掃引
すれば良い。Ep も(1.2)式に従ってVa と共に掃
引する必要があることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したごとく、本発明によれば、
MS−2の電場及び磁場強度を固定した状態でイオン加
速電圧,MS−1の電場及び磁場強度をそれぞれの比を
一定に維持しつつ掃引する手段を設けることにより親イ
オンスペクトルを取得できる。磁場の掃引と電圧の掃引
を連動させることは、MS−1とMS−2の磁場を連動
して掃引することに比べ容易に精度良くできるため、実
用性の高いMS/MS装置が提供される。
MS−2の電場及び磁場強度を固定した状態でイオン加
速電圧,MS−1の電場及び磁場強度をそれぞれの比を
一定に維持しつつ掃引する手段を設けることにより親イ
オンスペクトルを取得できる。磁場の掃引と電圧の掃引
を連動させることは、MS−1とMS−2の磁場を連動
して掃引することに比べ容易に精度良くできるため、実
用性の高いMS/MS装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
1 イオン源 3,8 扇形電場 4,10 扇形磁場 5 コレクタスリット 6 衝突室 7,9 スリット 11 イオン検出器 12 掃引回路 13 イオン加速電源 14 掃引制御回路 15 電場電源 16 磁場電源
Claims (1)
- 【請求項1】 イオン源と、該イオン源からの被分析イ
オンが導入される電場及び磁場から構成される第1の質
量分析系と、該第1の質量分析系を通過したイオンが入
射するイオン解離手段と、解離により生成されたイオン
が導入される電場及び磁場から構成される第2の質量分
析系と、該第2の質量分析系を出射したイオンを検出す
るためのイオン検出器とを備えたMS/MS装置におい
て、前記イオン源で生成されるイオンの運動エネルギ
ー、前記第1の質量分析系の電場強度及び磁場強度をそ
れぞれの比を一定に維持しつつ掃引する掃引手段を設け
たことを特徴とするMS/MS装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04143170A JP3096355B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | Ms/ms装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04143170A JP3096355B2 (ja) | 1992-05-08 | 1992-05-08 | Ms/ms装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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