JP3094630U - 冷却シート - Google Patents
冷却シートInfo
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- JP3094630U JP3094630U JP2002007879U JP2002007879U JP3094630U JP 3094630 U JP3094630 U JP 3094630U JP 2002007879 U JP2002007879 U JP 2002007879U JP 2002007879 U JP2002007879 U JP 2002007879U JP 3094630 U JP3094630 U JP 3094630U
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- cooling sheet
- sheet
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 従来の冷却シートよりも大きな冷却力を有
し、且つ、かなり激しく動かす部位に安定して固定する
ことができ、額冷却用,眼部冷却用,首周り(頸部)冷
却用等に使用し得る冷却シートを提供する。 【解決手段】 水を含む水溶性高分子からなる膏体を支
持体2に展延して膏体層1を形成し、膏体層1上にライ
ナー3を貼付した冷却シートにおいて、支持体2の長手
方向の両側に、冷却シートを固定するための結束部4,
5が形成されている冷却シート。本考案の冷却シート
は、ヒトの頭部,頸部,腕部又は足部のような、通常、
冷却シートを強固に固定し難い貼付部位にも強固に固定
することができ、用途が広く、且つ強い冷却力を長時間
持続させることができる。
し、且つ、かなり激しく動かす部位に安定して固定する
ことができ、額冷却用,眼部冷却用,首周り(頸部)冷
却用等に使用し得る冷却シートを提供する。 【解決手段】 水を含む水溶性高分子からなる膏体を支
持体2に展延して膏体層1を形成し、膏体層1上にライ
ナー3を貼付した冷却シートにおいて、支持体2の長手
方向の両側に、冷却シートを固定するための結束部4,
5が形成されている冷却シート。本考案の冷却シート
は、ヒトの頭部,頸部,腕部又は足部のような、通常、
冷却シートを強固に固定し難い貼付部位にも強固に固定
することができ、用途が広く、且つ強い冷却力を長時間
持続させることができる。
Description
【0001】
本考案は、冷却シート、更に詳しくは、支持体の長手方向の両側に、冷却シー
トを固定するための結束部が形成されており、例えば、ヒトの頭部,頸部,腕部
又は足部のような、通常、冷却シートを強固に固定し難い部位にも強固に固定す
ることができ、額冷却用,眼部冷却用,首周り(頸部)冷却用等に使用し得る冷
却シートに関するものである。
【0002】
病気などの際の解熱のため,スポーツにおいて身体の一部の温度を低下させる
ため(ほてりの除去ため),身体の一部(例えば、眼部)に清涼感を得るため又
は身体の一部の疲れを除去するため等の種々の目的に使用する、種々の冷却シー
ト(シート状の冷却剤)が市販され又は提案されている(例えば、特許文献1〜
5参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−192332号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平10−216169号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平04−039379号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平09−187474号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平10−258078号公報(特許請求の範囲)
【0004】
従来の冷却シート(種々の形態のものを包含する)は、発熱時又は頭痛がする
時、頭や眼が疲れた時、体息時などに頭部及び/又は眼部を冷やすため、主とし
て額や眼部に貼付するもので、形も小型のものが殆どである。従って、従来の冷
却シートの冷却力はそれ程大きくなく、従来の冷却シートを使用した時、貼付部
位の急激な温度上昇(例えば、過度の体温上昇など)が生じた場合には、冷却力
が不足し、貼付部位を充分に冷却することができなかった。
【0005】
また、従来の冷却シートは、冷却剤(又は保冷剤)をそれ自体の粘着力(例え
ば、水を含む水溶性高分子からなる膏体を用いる冷却剤の場合には、前記膏体の
粘着力)を利用して貼付部位に貼付するものが殆どであり、発熱時に額に貼付す
る場合などのように貼付部位をあまり動かさない場合はよいが、かなり激しく動
かす部位に所定時間安定して貼付すること、例えば、ゴルフをしている最中、首
周りのほてりを除去するために首周り(頸部)に貼付し、その貼付した状態を所
定時間安定して維持することなどは困難であった。
【0006】
更に、従来の冷却シートにおいて冷却力を大きくするためには、例えば、水を
含む水溶性高分子からなる膏体を用いる冷却剤の場合、前記膏体の量(水と水溶
性高分子との総量)を増加させる必要がある。しかしながら、膏体の量の増加は
必然的に冷却シートの質量を増加させるので、膏体の粘着力のみで冷却シートを
かなり激しく動かす部位に所定時間安定して貼付すること(例えば、ゴルフなど
のスポーツをしている間、首周りや腕周りに安定して貼付すること)はできない
。
【0007】
加えて、従来の冷却シートは予め用途が決められているものが殆どであり(例
えば、額の冷却用や眼部の冷却用の冷却シート)、使用目的に応じて(例えば、
貼付する部位の相違に応じて)、1種の冷却シートを適宜使い分けることは困難
であった。
【0008】
本考案は前記従来技術の問題点を解決するためのものであり、その目的とする
ところは、従来の冷却シートよりも大きな冷却力を有し、且つ、かなり激しく動
かす部位に安定して固定することができ、額冷却用,眼部冷却用,首周り(頸部
)冷却用等に使用し得る冷却シートを提供することにある。
【0009】
本考案の冷却シートは、水を含む水溶性高分子からなる膏体を支持体に展延し
て膏体層を形成し、該膏体層上にライナーを貼付した冷却シートにおいて、
前記支持体の長手方向の両側に、前記冷却シートを固定するための結束部が形
成されていることを特徴とする(以下、iと称する)。
以下の本考案の冷却シートが好ましい。
ii) 前記ライナーが、前記膏体層の左部に貼付されたライナーと前記膏体層の中
央部に貼付されたライナーと前記膏体層の右部に貼付されたライナーとからなり
、前記膏体層の中央部に貼付されたライナーの左右の端部は、前記膏体層の左部
に貼付されたライナー及び前記膏体層の右部に貼付されたライナーの端部と突き
合わされ又は重ね合わされているiの冷却シート。
iii)前記結束部が、少なくとも二つの結束部からなるiの冷却シート。
iv)前記支持体の長手方向の少なくとも片側の近縁に、切り込みが設けられてい
るiの冷却シート。
【0010】
本考案の冷却シートは、支持体の長手方向の両側の膏体が展延されていない部
分を、前記冷却シートを貼付部位に固定するための結束部として利用する。
本結束部は本冷却シートを貼付部位(例えば、ヒトの頭部や頸部)に、例えば
、運動中も強固に固定し得るものであればよく、その大きさ(例えば、長手方向
の長さや長手方向と直交する方向の幅)や形状は特に限定されない。
本結束部は、本冷却シートの使用時に、あたかも結び紐のように機能し、本冷
却シートを貼付部位に、本冷却シートを貼付したヒトがたとえ運動中であっても
、強固に固定し得る。
本結束部(又は支持体)の材料は特に限定されないが、例えば、本結束部(又
は支持体)を伸縮性の材料にて形成すると、貼付部位の大きさ(太さ)に応じて
、本結束部を本来の長さ以上に適切な長さまで引き伸ばすことができるので、冷
却シートを貼付部位に固定する際、冷却シートの両端の結束部同士を結び易くな
る。
【0011】
本結束部は、簡単には例えば、本支持体の長手方向の両側をそのまま長手方向
に延長した形状であってよい(支持体の長手方向の両側を膏体層を形成しない状
態で残す)。本結束部が少なくとも二つの結束部からなると(例えば、二つの結
束部又は三つ結束部からなる)、一つ一つの結束部が結び紐のように機能し、複
数の箇所にて、本冷却シートを貼付部位に緊縛・固定することができるので、本
冷却シートが貼付箇所に強固に緊縛・固定される。
少なくとも二つの結束部を形成する方法は、例えば、一つの結束部(例えば、
かなり幅が広い帯状のもの)に長手方向に沿って所定幅で切り込みを設け又は切
り裂いてもよいし(二股又は三股に割いてもよいし)、又は、結束部による緊縛
・固定が容易となるように、所望により、更に加工してもよい。
【0012】
本考案の冷却シートの大きさや形状は、貼付部位に応じて適宜選択する。例え
ば、本冷却シートの貼付部位が腕部や足部である場合は、冷却シートの形状は矩
形(例えば、長方形)であってよく、その大きさは限定されないが、例えば、比
較的小さいサイズ(例えば、長手方向の長さ10cm)から、該サイズを2〜4
個を連ねた程度の大きいサイズ(例えば、長手方向の長さ25〜40cm)であ
ってよい。本冷却シートの貼付部位が首周りである場合は、冷却シートの形状を
湾曲した矩形とすると、首周りにその形状に沿って貼付することができる。
本考案の冷却シートにおいて、支持体(又は、支持体及び膏体層)の長手方向
の少なくとも片側の近縁に切り込みを設けると(例えば、長手方向に沿って所定
間隔で所定長さの切り込みを設ける)、例えば、首周りなどの湾曲した部分に貼
付する際、支持体(又は、支持体及び膏体層)が切り込み箇所で開くので、好適
に貼付することができる。
【0013】
本考案の冷却シートにおいて使用することができる膏体は、水溶性高分子から
なり適度な保水性及び粘着性を有する膏体が好ましい。前記水溶性高分子として
は、例えば、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、ポリーN−ビニルアセトアミド、ポリアクリル酸及びこれら
の金属塩等を単独又は組み合わせて用いることができる。
水と前記水溶性高分子との質量比は、目的とする冷却シートの種類(例えば、
頭部用,頸部用,腕部用又は足部用など)、貼付場所(例えば、頭部の額に貼付
するか、又は眼部に貼付するか)、貼付時間(例えば、1時間以下用,2〜5時
間用,6〜24時間用など)等を考慮して適宜選択する。
【0014】
前記水溶性高分子には、使用目的に応じて種々の添加剤を所定比率で配合する
ことができる。前記添加剤の具体例は、例えば、合成ケイ酸アルミニウム、水酸
化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属架橋剤;ポリソルベート類、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類の界面活性剤;グリセリン、
ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ソルビトール、プロピレン
グリコール類等の多価アルコール類;エタノール、イソプロピルアルコール、ベ
ンジルアルコール類等のアルコール類である。
【0015】
前記成分以外の他の添加成分として、有機酸、有機塩基、無機塩基等のpH調
節剤;メチルパラベン、プロピルパラベン等の保存剤;カオリン、タルク、酸化
チタン、顔料等の着色剤;d−又はl−メントール、ハッカ油等の清涼剤;カミ
ツレ、ラベンダー、ビャクダン、ベルガモット、バジル、ショウノウ、クローブ
、ゼラニウム、ジャスミン、レモングラス、レモン、マジョーラム、メリッサ、
ネロリ、パチューリ、ローズ、ローズマリー、パイン、ローズウッド、セージ、
タイム、イランイラン、シピレス、ウイキョウ、ミルラ、ビターオレンジ等の香
料を挙げることができる。これらの添加成分は、必要に応じて単独又は組み合わ
せて、前記水溶性高分子に所定比率で配合してよい。
【0016】
本考案の冷却シートにおいて使用することができる支持体は、例えば、天然繊
維や合成繊維からなり通気性を有する織布又は不織布を用いることができる。前
記天然繊維の例は、例えばセルロース繊維であり、前記合成繊維の例は、例えば
、ポリエステル樹脂,フェノール樹脂又はエポキシ樹脂等から形成された繊維で
ある。
本支持体は、前記織布又は不織布以外に、例えば、小孔(貫通孔)や溝等を形
成することにより通気性を良くし、水分蒸散を可能としたプラスチックフイルム
でもよい。
本支持体に使用する材料は、本膏体に含まれる成分により変形,変性又は変色
しないものを選択する。
【0017】
本考案の冷却シートにおいて使用することができるライナーは、天然又は合成
ポリマーからなるフィルム状又はシート状のライナーであってよい。具体的には
、例えば、本ライナーはポリエチレンやセロファン等の薄い膜状のシート体であ
ってよい。本ライナーには、使用前に本膏体が、貼付すべき部位以外の他の部位
に付着することを防ぎ、また本膏体からの水の蒸発を防ぐ機能がある。本ライナ
ーの表面には、本膏体からの剥離性を良くするために、例えば、シリコーンによ
るコーティング処理を施してもよい。
【0018】
本ライナーは、切り込みが設けられていないものでもよいが、冷却シートの使
用時にライナーの一部(例えば、中央部)のみを膏体から剥離するために、所定
箇所に切り込みを設けてもよい。前記切り込みは、例えば、部分切断部(ミシン
目なども含む)であってよく、切り込みの種類,数,設ける位置等は適宜選択す
る。
【0019】
以下の実施例により、本考案を更に詳しく説明する。
実施例1:
図1に本考案の実施例1の冷却シートを示す。水溶性高分子(例えば、ポリア
クリル酸ナトリウム)をベースに多量の水を含ませた保水性で且つ粘着性を有す
る膏体(水溶性高分子:水の質量比1:10)を、通気性のある支持体2(例え
ば、ポリプロピレン不織布)上の中央部に所定の厚さで展延して膏体層1を形成
し、膏体層1の表面の乾燥を防ぐために、膏体層1の表面にライナー3(例えば
、ポリプロピレンフィルム)を貼付した。支持体2の長手方向の両側の膏体層1
が展延されていない部分には、本冷却シートを貼付部位に固定するための結束部
4,5が形成されている。また、膏体層1には香料6(例えば、ラベンダーエキ
ス)及び清涼剤7(例えば、l−メントール)が所定比率(膏体1に対して、香
料6は例えば0.001〜0.1質量%、例えば0.005質量%、そして清涼
剤7は例えば0.1〜1質量%、例えば0.3質量%)で配合されている。
図2(a)及び図2(b)に、実施例1の冷却シートにおける各種形状の支持
体の平面図を示す。図2(a)は長方形の支持体8の例であり、図2(b)は湾
曲した矩形状の支持体9の例である。支持体8や支持体9を使用する冷却シート
の大きさは適宜選択する。冷却シートの膏体層は、例えば、幅3〜5cm,長さ
25〜40cmの長方形又は湾曲した矩形状であってよい。結束部の長さは、例
えば、10〜15cmであってよい。
結束部は紐状なので、本冷却シートを貼付部位に固定する際に長さが足りない
場合は、結束部に更に適当な長さの帯状又は紐状のものを接続してもよい。
【0020】
実施例2:
図3に、本考案の実施例2の冷却シートを示す(ライナーは図示せず)。支持
体10及び長方形の膏体層11の長手方向の両側近縁(片側近縁のみでもよい)
には、長手方向に沿って所定間隔(例えば、6〜10cm間隔)で所定長さ(例
えば、0.5〜1cm)の切り込み12(膏体層11の長手方向の片側に3個、
両側で合計6個)が設けられている。支持体10の長手方向の両側には、結束部
13及び結束部14が形成されている。
本実施例2の冷却シートは、例えば、ヒトの首に巻く際に切り込み12の箇所
で支持体10(又は及び膏体層11が扇形に開くので巻き易い。切り込み12は
支持体10のみに設けてもよい。
【0021】
実施例3〜5:
結束部の形状が異なること以外は、実施例1と同様にして、本考案の実施例3
〜5の冷却シートを製造した。図4(a)〜(c)に、実施例3〜5の冷却シー
トの一方の結束部の形状を示す。
図4(a)(実施例3)は、一つの結束部の幅方向の中央部を除去することに
より、2本の紐状の結束部15,15を形成した例である。図4(b)(実施例
4)は、一つの結束部に切り込みを設けて幅を3等分し、3本の紐状の結束部1
6,16,16を形成した例である。図4(c)(実施例5)は、一つの結束部
の幅方向の両側部を除去することにより、1本の紐状の結束部17を形成した例
である。
【0022】
実施例6:
図5に本考案の実施例6の冷却シートを示す。図5(a)は本例の冷却シート
の平面図、図5(b)は本例の冷却シートの断面図である。本例の冷却シートは
、図5(b)に示されるように、支持体18,膏体層19及びライナー20が順
次積層されており、図5(a)に示されるように、ライナー20には、支持体1
8の長手方向に沿って、所定間隔で部分切断部21が設けられている。支持体1
8に2箇所の部分切断部21を設けることにより、本例の冷却シートの使用時に
、例えば中央部のライナー20のみを膏体層19から剥離することができる。
中央部のライナー20のみを膏体層19から剥離すると、例えば、本例の冷却
シートをヒトの額に貼付する際、眼部に膏体層19が直接触れず、眼部に粘着感
が無くて良い。
【0023】
実施例7:
図6に本考案の実施例7の冷却シートを示す。図6(a)は本例の冷却シート
の平面図、図6(b)は本例の冷却シートの断面図である。本例の冷却シートは
、図6(b)に示されるように、支持体22,膏体層23及びライナー24,2
5及び26が順次積層されており、図6(a)に示されるように、ライナー26
の左右の端部は、ライナー24及びライナー25の端部上に重ね合わされている
(ライナー26の左右の端部を、ライナー24及びライナー25の端部と突き合
わせてもよい)。ライナーを3分割することにより、本例の冷却シートの使用時
に、例えば中央部のライナー26のみを膏体層23から剥離することができる。
中央部のライナー26のみを膏体層23から剥離すると、実施例6の冷却シー
トと同様、例えば、本例の冷却シートをヒトの額に貼付する際、眼部に膏体層2
3が直接触れず、眼部に粘着感が無くて良い。
【0024】
実施例8(冷却性能評価試験):
本考案の実施例1の冷却シートの膏体層部分の一部(冷却シート体;5×l3
cm)を用いて、本冷却シートの冷却効果を確認する試験(冷却性能評価試験)
を行なった。
<方法>
約40℃に加温した温水200mlを三角フラスコに入れ、前記冷却シート体
をフラスコ表面に貼付し、貼付後60分までは10分間隔で、以後は30〜60
分間隔で480分まで、三角フラスコ内の温水の温度を測定した。温水の温度変
化は、タカラ温度計測器(株)製のサーミスター(Model D925)を用いて、温水
中に挿入・固定したセンサーを介して測定した。測定中はマルチスターラー(Iu
chiM-1)で温水を絶えず撹枠した。測定は3例の冷却シート体について、室温(
23〜25)℃で行なった。対照として、冷却シート体を貼付しない場合につい
ても、同様に温水の温度変化を測定した。
<結果>
結果を図7及び図8に示す。図7は冷却時間(試験開始後の経過時間;横軸,
単位分)と冷却温度(試験開始後の三角フラスコ内の温水の温度;縦軸,単位℃
)との関係を示す図であり、図8は冷却時間(試験開始後の経過時間;横軸,単
位分)と温度差(試験開始直前の三角フラスコ内の温水の温度と、所定時間経過
後の三角フラスコ内の温水の温度との差;横軸,単位℃)との関係を示す図であ
る。
図7及び図8に示めされるように、前記冷却シート体を貼付した三角フラスコ
内の温水の温度は試験開始後(貼付後)急速に低下し、60分後では対照の無貼
付の場合に比べて、3度以上の温度差があった。前記冷却シート体を貼付した三
角フラスコ内の温水の温度は貼付2時間後でも20℃程度に低下しており、以後
480分経過するまで、三角フラスコ内の温水の温度は室温以下の状態を維持し
た。すなわち、480分後においても試験体と対照との温度差は1.5度を保ち
、この時点においても冷却効果が認められ、本考案の冷却シートの長時間に渡る
冷却能力が確認された。
【0025】
<本考案の冷却シートの使用例>
実施例7の冷却シートを用いる場合について説明する。
1)ヒトの首周りに貼付する場合
本冷却シートの使用方法は、まずライナーの一部又は全部を膏体層から剥離し
、冷却すべき場所、例えばヒトの首周りの皮膚に貼付する。本冷却シートの結束
部(2本)を適当な位置で結ぶ。膏体層が皮膚に密着した状態で膏体層中の水分
は体温によって蒸散し、この時の放熱によって、首周りに冷涼感を与えると同時
に体温を低下させる。貼付部位を首周りにすることで頸動脈が冷却され、熱放散
の効率が良くなり、体温上昇(特に頭部の温度の上昇)が抑えられ、体温調節が
し易くなる。従って、体温調節が困難な日射病又は熱射病の予防にも使用するこ
とができる。
なお、必要であれば、本冷却シートを従来の額用小型冷却シート等と併用して
も差し支えない。
2)ヒトの額に貼付する場合
ライナーの全部を膏体層から剥離してもよいが、露出した膏体層の両端部が髪
の毛に付着するのを避けたいと考える場合は中央部のライナーのみを剥離し、本
冷却シートを額に貼付して頭部に巻き、結束部にて鉢巻状に結べば、従来の冷却
シート(従来品)と同様に頭部の冷却に使用することができ、且つ、従来の冷却
シートに比べて本考案の冷却シート(本発明品)の膏体層の容量が大きいため本
発明品は従来品より冷却力が大きく、更に冷却力が長時間持続される。
更に、例えば、ライナーを剥離せずに本冷却シートを眼部に当て、結束部にて
頭部に巻いて結べば、アイマスクとしても利用することができる。この場合、繰
り返して使用可能であり、その後、ライナーを剥離すれば、使い捨てタイプの冷
却剤としても使用することができる。
【0026】
すなわち、実施例7(又は実施例6)のタイプの本考案の冷却シートは、ライ
ナーの剥離の仕方で,例えば、以下の3通りの使い方が可能である。
a)ライナーを剥離せずに眼部に当て頭部に巻いて用いれば、アイマスクになる
。
b)ライナーの中央部のみを剥離し額に貼付して用いれば、従来品より強く且つ
持続的に頭部を冷却することができる頭部冷却用の冷却剤になる。
3)ライナー全部を剥離して首周りに貼付又は巻くことによって、頸部のみなら
ず頭部全体をもまた効率良く、且つ強力に冷却することが可能な多目的な冷却剤
(頸部及び頭部冷却用の冷却剤)になる。
【0027】
本考案の冷却シートは、水溶性高分子からなる保水性基剤に特定割合で多量の
水を含有させた膏体を、例えば、ヒトの頭部,頸部,腕部又は足部のような、通
常、冷却シートを強固に固定し難い貼付部位にも強固に固定することができ、且
つ強い冷却力を長時間持続させることができるので、放熱(又は熱の除去)を目
的としてヒトに貼付した場合、発熱や高温環境下又は高温下における過激な運動
時の過度の体温上昇を調節するために使用することができる。
本考案の冷却シートは、真夏の高温環境下や直射日光の当たる屋外のスポーツ
やレジャー(例えば、ゴルフ、登山、ハイキング、スポーツ観戦等)など、気温
の高いところに長時間曝される場合や屋外での仕事など体温上昇の激しい時に、
、又は仕事や勉強の合間にリラックスするために、使用することが可能な多目的
で簡易な冷却剤〔例えば、額冷却用,眼部冷却用,首周り(頸部)冷却用の冷却
剤〕として有用である。
【図1】図1は、本考案の実施例1の冷却シートを示す
図である。
図である。
【図2】図2は、実施例1の冷却シートにおける各種形
状の支持体の平面図である。
状の支持体の平面図である。
【図3】図3は、本考案の実施例2の冷却シートを示す
図である。
図である。
【図4】図4は、本考案の実施例3〜5の冷却シートの
一方の結束部の形状を示す図である。
一方の結束部の形状を示す図である。
【図5】図5は、本考案の実施例6の冷却シートを示す
図である。
図である。
【図6】図6は、本考案の実施例7の冷却シートを示す
図である。
図である。
【図7】図7は、本考案の実施例1の冷却シートにおけ
る、冷却時間(試験開始後の経過時間;横軸,単位分)
と冷却温度(試験開始後の三角フラスコ内の温水の温
度;縦軸,単位℃)との関係を示す図である。
る、冷却時間(試験開始後の経過時間;横軸,単位分)
と冷却温度(試験開始後の三角フラスコ内の温水の温
度;縦軸,単位℃)との関係を示す図である。
【図8】図8は、本考案の実施例1の冷却シートにおけ
る、冷却時間(試験開始後の経過時間;横軸,単位分)
と温度差(試験開始直前の三角フラスコ内の温水の温度
と、所定時間経過後の三角フラスコ内の温水の温度との
差;横軸,単位℃)との関係を示す図である。
る、冷却時間(試験開始後の経過時間;横軸,単位分)
と温度差(試験開始直前の三角フラスコ内の温水の温度
と、所定時間経過後の三角フラスコ内の温水の温度との
差;横軸,単位℃)との関係を示す図である。
1,11,19:膏体層
2,8,9,10,18:支持体
3,20,24,25,26:ライナー
4,5,13,14,15,16,17:結束部
6:香料
7:清涼剤
12:切り込み
21:部分切断部
Claims (4)
- 【請求項1】 水を含む水溶性高分子からなる膏体を支
持体に展延して膏体層を形成し、該膏体層上にライナー
を貼付した冷却シートにおいて、 前記支持体の長手方向の両側に、前記冷却シートを固定
するための結束部が形成されていることを特徴とする冷
却シート。 - 【請求項2】 前記ライナーが、前記膏体層の左部に貼
付されたライナーと前記膏体層の中央部に貼付されたラ
イナーと前記膏体層の右部に貼付されたライナーとから
なり、前記膏体層の中央部に貼付されたライナーの左右
の端部は、前記膏体層の左部に貼付されたライナー及び
前記膏体層の右部に貼付されたライナーの端部と突き合
わされ又は重ね合わされていることを特徴とする請求項
1記載の冷却シート。 - 【請求項3】 前記結束部が、少なくとも二つの結束部
からなることを特徴とする請求項1記載の冷却シート。 - 【請求項4】 前記支持体の長手方向の少なくとも片側
の近縁に、切り込みが設けられていることを特徴とする
請求項1記載の冷却シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002007879U JP3094630U (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 冷却シート |
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JP (1) | JP3094630U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021261339A1 (ja) * | 2020-06-24 | 2021-12-30 | 小林製薬株式会社 | 冷却具 |
-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002007879U patent/JP3094630U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021261339A1 (ja) * | 2020-06-24 | 2021-12-30 | 小林製薬株式会社 | 冷却具 |
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