JP3094117B2 - 電磁式内燃機関燃料噴射装置 - Google Patents

電磁式内燃機関燃料噴射装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関燃料噴射シス
テム用の電磁式噴射装置、とくに同装置制御弁用の改善
された密封システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】前記のタイプの噴射装置は、通常、ノズ
ルの制御室を流出導管に連結する制御弁によって開かれ
る燃料噴射用ノズルを持つ中空体を具備する。弁は、制
御室を構成する弁体を具備する。弁体は、制御室を流出
導管に連結された流出室から分離するための加圧燃料密
封・連結手段によって中空体に連結されている。
【０００３】既知の噴射装置の制御弁は、中空体上の相
補型円錐面と液密状態で対をなす円錐面を具備する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記タイプの連結手段
は、比較的複雑で製造上高価である。それは、高圧密封
（例えば１５００バールにも達する）を達成するのに必
要な実質的に同一な円錐面を異なる部品に機械加工をす
ることが困難であるからである。
【０００５】一方、２つの平行面の間に密封リングまた
はワッシャを使用すれば、それは、例えば４００バール
程度の比較的低圧には耐えうるが、通常の燃料噴射装置
には不十分である。
【０００６】本発明の目的は、上記欠点を解消し、制御
弁と噴射装置本体の間の簡単な液密連結を可能とする電
磁式内燃機関燃料噴射装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、噴射ノ
ズルおよび噴射ノズルを開くための制御弁とを持つ中空
体を具備し、制御弁は、制御室を流出導管に連結する穴
を有する弁体を具備し、弁体は、液密連結手段を介して
中空体の中に収容されている噴射装置において、連結手
段が、最小の隙間を達成するために中空体と弁体の上に
高精度に機械加工された対をなす一対の面と、一対の面
に隣接して、中空体と弁体のさらなる２つのほぼ平行な
面の間で圧縮された密封リングとを具備することを特徴
とする電磁式内燃機関燃料噴射装置が提供される。
【０００８】
【実施例】限定するためのものではない望ましい本発明
の２つの実施例が、例として添付図を参照しながら記述
されている。
【０００９】図１の番号(10)は、内燃機関燃料噴射装置
を示し、これは、円錐状中空体(11)を具備し、中空体(1
1)の底部には、通常高圧（たとえば１５００バール）の
室（図示されていない）に連通する噴射ノズル(12)が収
容されている。
【００１０】既知の方法で高圧室には、加圧燃料インプ
ット導管(13)により、環状室(14)と内側導管（図示され
ていない）を経て、燃料が供給される。インプット導管
(13)は、高圧（たとえば１５００バール）ポンプにより
燃料が供給される。
【００１１】中空体(11)内には、円筒状軸方向空洞(16)
を有するブッシュ(15)が収容され、空洞(16)には下向き
に作用する軸方向滑り棒(17)が収容されている。滑り棒
(17)は、下向きに延び、底部はノズル(12)の栓をする尖
端部となって終わっている。滑り棒(17)は弁(19)によっ
て制御され、弁(19)は、本体(11)に収容されたキャップ
(23)によって適所に保持された電磁石(20)によって制御
される。電磁石(20)は、アンカ(28)を制御し、これは、
制御弁(19)上の板型プランジャを制御する軸(37)を有す
る。弁(19)は、ほぼ円筒形の弁体(38)を具備し、これ
は、環状室(14)を上向きにのびた円筒面(40)によって区
画された区画(39)内に収容されている。
【００１２】弁体(38)の底部には、ブッシュ(15)の頂部
端上の座内側で密封された肩部(41)が設けられている。
円筒体(38)の頂部には、平坦面(68)を有する鍔(42)が設
けられている。平坦面(68)の上にはプランジャ(67)が載
せられ、制御室(47)を燃料流出導管(33)に連結する計量
穴(49)が平坦面(68)に開口している。制御室(47)は、導
管(13)から加圧された燃料を受けとるために、底部で空
洞(16)に連通し、かつ半径方向穴(48)によって環状室(1
4)に連通している。
【００１３】弁体(38)の鍔(42)は、肩部(44)よりなる室
(39)の拡大部分に収容されている。具体的には、鍔(42)
はベル形部材(51)と一体的であり、ベル形部材(51)は、
中空体(11)のねじ付き座(53)の内側にねじ込まれたリン
グナット(52)によって中空体(11)に収容されている。部
材(51)は、スリーブ(54)を具備し、スリーブ(54)は、リ
ングナット(52)の内面とともに環状流出室を形成してい
る。スリーブ(54)の内面は、弁(19)の軸(37)のための精
密案内部として作用する。
【００１４】ベル形部材(51)は、またリング(57)（図２
および３）を具備し、リング(57)は鍔(42)を取り囲み、
これにより、部材(51)がスリーブ(54)を円筒体(38)の中
心に維持し、かつ鍔(58)がリングナット(52)によって鍔
(52)に固定された状態に維持されている。鍔(42)と鍔(5
8)の間には、鍔(58)を通る２個以上の傾斜した穴(65)を
経て環状室(56)と連通した環状室(64)が形成されてい
る。
【００１５】弁体(38)は、液密連結手段によって中空体
(11)に連結されている。液密連結手段は一対の面を具備
し、その一方は、弁体(38)の部分(71)の面(70)よりな
り、その他方は、中空体(11)の区画(38)の面(40)の頂部
(72)（図２および３）よりなる。面(70)(72)は、０．０
５mm以下、望ましくは０．０２〜０．０３mmの範囲の半
径方向隙間を得るように、精密研削されている。
【００１６】液密連結手段はまた、密封リングを具備し
ており、これは、変形可能な材料でつくられ、中空体(1
1)と弁体(38)のさらなる２個の面の間に圧縮されてい
る。同２個の面は、互いにほぼ平行で、面(70)(72)に隣
接している。
【００１７】本発明の第１実施例によれば、弁体(38)に
は、円筒面(73)が備えられ、これは、中空体(11)の区画
(30)の円筒面(40)に平行である。また、中空体(11)の面
(70)と面(73)の間には、肩部(74)が設けられている。
【００１８】面(40)および(73)と、肩部(74)との間に
は、リング(75)が収容されている。リング(75)は、ほぼ
円形断面の弾性材料、例えばゴム製で、一般的にＯリン
グと呼ばれている。面(40)および(73)の隙間は、実質的
にリング(75)の直径よりも小さくなるように設定されて
いる。鍔(42)の環状面(76)は、中空体(11)の肩部(44)の
上に載せられるようになされている。
【００１９】部材(51)とリング(75)を完備した弁体(38)
は、座(39)の内側に挿入され、面(76)が肩部(44)に接触
するまでリングナット(52)がねじ付き座(53)にねじ込ま
れている。
【００２０】このようにして、面(70)が面(73)と係合
し、リング(75)が、図２で示されるように、ほぼ矩形断
面となるように面(40)および(73)の間で圧縮されてい
る。
【００２１】区画(39)内の燃料圧力は、リング(75)を肩
部(74)に対して保持し、その結果、同リングは３つの面
で支持され、その座から押出されることが防止され、同
リングが耐えうる圧力よりも遥かに大きい圧力（１５０
０バール）に完全に耐えうることになる。
【００２２】図３の実施例において、中空体(11)の肩部
(44)には、凹所(77)が設けられ、これは、平坦面(78)お
よび円筒面(79)を有している。凹所(77)には、柔鉄のよ
うな変形可能な材料でつくられたワッシャ(80)が収容さ
れている。ワッシャ(80)は、矩形断面であり、凹所(77)
の面(79)より高く、鍔(42)の環状面(76)によって圧縮さ
れている。
【００２３】この場合、ワッシャ(80)を凹所(77)内に挿
入した後、弁体(38)は部材(51)とともに区画(39)の内に
挿入され、リングナット(52)は鍔(42)をワッシャ(80)上
へ押付けるようにトルクをかけられ、ワッシャ(80)は有
効な密封を確保するように鍔(42)の面(76)と凹所(77)の
面(78)の間である程度まで圧縮・変形される。
【００２４】上記のように圧縮された場合、ワッシャ(8
0)はなお凹所(77)の面(79)よりわずかに高いままであ
り、中空体(11)の２つの壁と弁体(38)の２つの壁によっ
て包囲され、過大トルクによって押出されることからは
安全に守られ、上記の燃料圧力に十分耐えうる。
【００２５】上記において、本発明の範囲から離れるこ
となく、ここに記述し例示された噴射装置に変更がなさ
れ得ことは、当業熟練者にはあきらかであろう。例え
ば、液密連結はリング(75)と金属ワッシャ(80)の双方を
構成要素としてもよい。
【００２６】
【発明の効果】本発明による噴射装置の利点は、前述か
らあきらかであろう。第１に、対をなす円筒面(70)(72)
の精密研削および図２の円筒面(40)(73)と平坦面(76)(7
8)の機械加工は、既知の噴射装置に必要である円錐面の
機械加工よりも遥かに安価である。第２に、シール(75)
(80)と対をなす面(70)(73)の組み合わせは、このような
シールによって通常収容される圧力よりも遥かに大きい
圧力に耐えうる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による電磁式噴射装置の一部切開き図で
ある。
【図２】図１の噴射装置の第１実施例の拡大断面図であ
る。
【図３】図２断面のさらなる実施例の断面図である。
【符号の説明】
11 中空体 12 ノズル 19 制御弁 33 導管 38 弁体 40 面 47 制御室 49 穴 70 面 72 〃 73 〃 75 リング 76 面 78 〃 80 リング
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−285654（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−257754（ＪＰ，Ａ) 岩波繁蔵、近森徳重著，「パッキン技 術便覧」，第２版，産業図書株式会社, 昭和48円９月28日，ｐ．51、367，図 ４・１、６・70 (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02M 39/00 - 71/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 噴射ノズル(12)および噴射ノズル(12)を
    開くための制御弁(19)を持つ中空体(11)を具備し、制御
    弁(19)は、制御室(47)を流出導管(33)に連結する穴(49)
    を有する弁体(38)を具備し、弁体(38)は、加圧燃料が供
    給される環状室(14)を備えた中空体(11)の中に収容され
    ており、弁体(38)は、環状室(14)を制御室(47)に連結す
    るインプット導管(48)を備えており、弁体(38)は、ま
    た、インプット導管(48)に関して一方の側に、連合する
    座にシールされた肩部(41)を、インプット導管(48)に関
    して反対の側に、液密連結手段をそれぞれ備えている噴
    射装置において、 連結手段は、最小の隙間を達成するために中空体(11)と
    弁体(38)の上に高精度に機械加工された対をなす一対の
    円筒状の面(70)(72)と、一対の面(70)(72)に隣接させら
    れた、中空体(11)と弁体(38)のさらなる２つのほぼ平行
    な面(73)(40),(76)(78)と、さらなる２つのほぼ平行な
    面(73)(40),(76)(78) の間で圧縮されている変形可能材
    料の密封リング(75)(80)とを備えており、 弁体(38)が、中空体(11)のねじを切られた座(53)の内側
    にねじ込まれたねじを切られたリングナット(52)によっ
    て中空体(11)に収容され、リングナット(52)と弁体(38)
    の間のベル形部材(51)が、弁体(38)の鍔(42)の上を、円
    筒面(70)(72)の軸線に平行な方向に押すように設計され
    ている、 ことを特徴とする電磁式内燃機関燃料噴射装置。
  2. 【請求項２】 隙間が０．０５mm以下である、 ことを特徴とする請求項１記載の噴射装置。
  3. 【請求項３】 さらなる２つの面(73)(40)もまた円筒形
    であり、リング(75)が弾性材料で形成され、弁体(38)お
    よび中空体(11)のうちの一つが、肩部(75)を具備し、こ
    れが、さらなる２つの面(73)(40)に垂直な方向にリング
    (75)を支持している、 ことを特徴とする請求項１または２に記載の噴射装置。
  4. 【請求項４】 肩部(74)が弁体(38)上に載せられ、リン
    グ(75)がほぼ円形断面であり、さらなる２つの面(73)(4
    0)が、リング(75)を変形させほぼ矩形断面を生じさせる
    ような形状になされている、 ことを特徴とする請求項３記載の噴射装置。
  5. 【請求項５】 鍔(42)もまた中空体(11)の肩部(44)上に
    載せられている、 ことを特徴とする請求項１または４に記載の噴射装置。
  6. 【請求項６】 さらなる２つの面(76)(78)が平坦であり
    環状であり、 リングが軟鉄のような変形可能な金属材料のワッシャ(8
    0)よりなる、 ことを特徴とする請求項１または２に記載の噴射装置。
  7. 【請求項７】 ワッシャ(80)が、鍔(42)と中空体(11)の
    肩部(44)中の凹所(77)との間に収容されている、 ことを特徴とする請求項１または６に記載の噴射装置。
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