JP3093969U - 回転式クリアカートナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】形状の変化に対する反発力が強いクリアカート
ンを長方形や正方形などの所定の形状に保持するのを容
易にし、かつ、クリアカートンが保持部内で揺動したり
保持部から落ちたりするのを防止する。 【解決手段】未開口のクリアカートンを収納する収納部
と、収納部のカートン取り出し口に対向させて配設され
クリアカートンの正面を吸着させて引出す取出し装置
と、取出されたクリアカートンの側部に接触して開口さ
せるガイド部と、開口されたクリアカートンを開口した
ままの状態で保持し回転移動する保持部を有する取出し
機構を備えた回転式クリアカートナーにおいて、取出し
機構に、ガイド部によって開口されるクリアカートンを
所定の開口位置を超えて逆方向へ押圧する逆折装置を設
けるとともに、保持部のクリアカートンと接触する位置
にカートンの揺動を抑える滑り止め部材を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、薬品、化粧品などを封入するクリアカートン（樹脂製の透明の箱） を、折り畳んだ未開口の状態から、開口させて蓋閉め処理などを行うのに使用さ れる回転式クリアカートナーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、紙箱よりも、クリアカートン（透明な箱）が、見栄えのよさや商品が箱 の外から見えるといった利点から、特に化粧品などの封入容器として多く用いら れるようになった。そのため、従来の回転式カートナーが、紙箱だけではなく、 クリアカートンを開口させ封入などの処理をするのにも使用されている。 すなわち、例えば図１に示す従来の回転式カートナーでは、図２に示す取出し 機構１のように、収納部２から取出された未開口のクリアカートンＡを、クリア カートンＡの移動経路上に固設した金属板からなるガイド部３に摺接させて、形 状をほとんど扁平な平行四辺形又はひし形から長方形ないし正方形に開口させ、 その状態で保持部４に引き入れるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、クリアカートンは紙と異なり、樹脂製なので弾力性が強く、特に回転 式のカートナーにおいては、カートンをガイド部で開口させても反発力で若干元 に戻るため、きちんとした長方形や正方形にならず平行四辺形やひし形になって しまい、後工程に支障が生じるという問題がある。

【０００４】 また、長方形や正方形になっても、クリアカートンは滑りやすいので、保持部 の中で揺動して、後工程の作業が順調にできなかったり、場合によってはクリア カートンが保持部から落ちるという不都合もある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、前述した課題を解決するため、未開口のクリアカートンを収納する 収納部と、収納部のカートン取り出し口に対向させて配設されクリアカートンの 正面を吸着させて引出す取出し装置と、取出されたクリアカートンの側部と摺接 して開口させるガイド部と、開口されたクリアカートンを開口したままの状態で 保持する保持部とを有する取出し機構を備えた回転式クリアカートナーにおいて 、取出し機構に、ガイド部によって開口されるクリアカートンを所定の開口位置 を超えて逆方向へ押圧する逆折装置を設けるとともに、保持部のクリアカートン と接触する位置にカートンの揺動を抑える滑り止め部材を設けたことを特徴とす る。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を、実施例にもとづき図面を参照して説明する。図３は、 本考案の構成及び作用を示す平面図である。

【０００７】 回転式クリアカートナーの取出し機構１１の構成は次のとおりである。収納部 １２に、折り畳んだ未開口のクリアカートンＡが多数収納されている。取出し装 置１３は、収納部１２のカートン取り出し口１２ａに対向させて配設されており 、カートン取り出し口１２ａの方向に伸縮可能な可動アーム１３ａ、可動アーム １３ａの先端に固着させた吸盤１３ｂ、可動アーム１３ａを伸縮させるとともに 、吸盤１３ｂの中央部にある空気孔を通して空気を吸い込み吸盤１３ｂがクリア カートンＡに当接したときに吸盤１３ｂ内の空気を抜いてクリアカートンＡを真 空吸着させる駆動手段１３ｃからなる。１４はガイド部である。１５は逆折装置 であり、クリアカートンＡの側部に逆折方向に当接する金属性の押圧部１５ａ、 伸縮可能なアーム１５ｂ及びアーム１５ｂを伸縮させる駆動手段１５ｃからなっ ている。１６−１は保持部であるアタッチメントの１つ、１７は滑り止め部材と して使用されているゴムである。

【０００８】 次に、本実施例の作用を説明する。図４に示すように、通常は保持部１６の後 方位置Ｘにある可動アーム１３ａの吸盤１３ｂを、収納部１２の取出し口１２ａ にあるクリアカートンＡに接するＹの位置まで駆動手段１３ｃにより伸長させる 。吸盤１３ｂがクリアカートンＡに当接すると、吸盤１３ｂ内の空気が吸引され て真空になり、クリアカートンＡが吸盤１３ｂに吸着する。

【０００９】 次に、駆動手段１３ｃにより、可動アーム１３ｂを元のＸ位置まで引き戻す。 その過程で、クリアカートンＡがまずガイド部１４に摺接し、その間に、折り畳 んだ未開口の状態から長方形に変形する。

【００１０】 続いて、逆折装置１５により、クリアカートンＡを、さらに逆方向へ押圧する 。すなわち、駆動手段１５ｃによりアーム１５ｂを伸ばして、先端の押圧部１５ ａをクリアカートンＡの側面に押し当てる。そして、さらにアーム１５ｂを伸ば して、クリアカートンＡに、未開口だったときに折曲っていた方向と逆の方向に 圧力を加える。これによって、クリアカートンＡは、長方形の状態から、元の状 態とは逆方向の平行四辺形になる。

【００１１】 そうしておいて、クリアカートンＡを保持部１６−１に引き入れる。このとき には、クリアカートンＡは、弾力（反発力）によって平行四辺形から長方形に戻 っている。

【００１２】 ゴム１７に当たると、クリアカートンＡはそれ以上移動せず、ゴムとの摩擦に よって、保持部１６−１内に固定的に保持される。

【００１３】 取出し装置１３の駆動手段１３ｃは、クリアカートンＡがゴム１７に当たって も、アーム１３ｂを引き戻す。そのため、吸盤１３ｂがクリアカートンＡから離 れ、元のＸ位置に戻る。

【００１４】 図５は、この間のクリアカートンＡの変形の様子を詳しく示している。取出し 部１２ａから引き出されたクリアカートンＡは、まだ未開口の扁平な形をして いる。これが、ガイド部１４に摺接している間に次第に長方形になっていく~ 。次に、逆折装置１５によって逆方向に押圧され、逆方向に傾いた平行四辺形 になる。しかし、クリアカートンＡは反発力が強いので、アタッチメント１６ −１に引き込まれるときには、長方形に戻っている。

【００１５】 この状態でクリアカートナーの本体部１８が時計回りに所定の角度回動し、ア タッチメント１６−１は左側に移動して、アタッチメント１６−２が、アタッチ メント１６−１のあった位置にくる。そして、これまでに述べてきたことが再び 行われ、保持部１６−２にも長方形のクリアカートンＡが引き入れられ、固定的 に保持される。こうして、クリアカートンＡは次々とアタッチメント１６−１〜 １６−ｎへ引き入れられ、後工程で蓋閉めなどの作業が行われる。

【００１６】 本考案は、前記実施例に限られるものではない。例えば、逆折装置はクリアカ ートンを逆方向へ押圧することによって反発力を抑えるものであればよく、アー ムや押圧部を有するものに限られない。例えば、空気圧によって押圧するもので あってもよい。また、滑り止め部材はゴムに限られず、クリアカートンの表面と の摩擦によってクリアカートンを固定的に保持できるものであればよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案は、形状の変化に対する反発力が強いクリアカー トンを長方形や正方形などの所定の形状に保持するのが容易になり、かつ、クリ アカートンが保持部内で揺動したり保持部から落ちたりするのを防止することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の回転式カートナーを示す平面図である。

【図２】従来の回転式カートナーの取出し機構を示す平
面図である。

【図３】本考案にかかる回転式クリアカートナーの、取
出し機構を示す平面図である。

【図４】取出し装置１３の作用を示す概略図である。

【図５】本考案にかかる取出し機構によってクリアカー
トンＡが移動する間の形状の変化を示す概略図である。

【符号の説明】

１、１１ 取出し機構 ２、１２ 収納部 ３、１４ ガイド部 １５ 逆折装置 １６ 保持部（アタッチメント） １７ 滑り止め部材（ゴム）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】未開口のクリアカートンを収納する収納部
   と、収納部のカートン取り出し口に対向させて配設され
   クリアカートンの正面を吸着させて引出す取出し装置
   と、引出されたクリアカートンの側部に摺接して開口さ
   せるガイド部と、開口されたクリアカートンを開口した
   ままの状態で保持する保持部とを有する取出し機構を備
   えた回転式クリアカートナーにおいて、取出し機構に、
   ガイド部によって開口されるクリアカートンを所定の開
   口位置を超えて逆方向へ押圧する逆折装置を設けたこと
   を特徴とする回転式クリアカートナー。
2. 【請求項２】前記取出し機構を構成する保持部のクリア
   カートンと接触する位置にカートンの揺動を抑える滑り
   止め部材を設けたことを特徴とする、請求項１記載の回
   転式クリアカートナー。