JP3093387B2 - 測定装置 - Google Patents

測定装置

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JP3093387B2
JP3093387B2 JP03317777A JP31777791A JP3093387B2 JP 3093387 B2 JP3093387 B2 JP 3093387B2 JP 03317777 A JP03317777 A JP 03317777A JP 31777791 A JP31777791 A JP 31777791A JP 3093387 B2 JP3093387 B2 JP 3093387B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環境状態に応じてイン
ピーダンスが非線型に変化する素子の出力に基づいて環
境状態の測定を行う測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、低湿から高湿まで広範囲の湿度を
高精度で測定する事は、非常に難しかった。湿度センサ
ーの出力が、図2に示すように高次のγ特性を持つため
に、広範囲に直線近似する事が難しい為である。直線変
換の為に、ダイオードの電圧電流特性を利用する事が一
般に行なわれているが、実際のセンサーの特性と、ダイ
オードの特性との違いを補正するために、それぞれの組
合せに対して個別に調整する必要があり、精度も広範囲
の湿度に対して高精度に直線変換する事が出来なかっ
た。さらに、CPUを用いて高次の近似曲線を最小二乗
法で求め、これにセンサー出力を代入して直線近似する
方法も提案され、既に実用化されているが、広範囲で精
度よく測定するためには、測定回路の分解能の高精度化
が著しく要求され、且つ、CPUやA/Dコンバータの
高ビット化、CPUの処理時間の増大を招いていた。し
かし、図2に示すように、センサーの出力は相対湿度2
0〜95%に対して、1KΩから10MΩ以上迄変化す
る。10%以下の低湿迄測定しようとすると100MΩ
以上の高抵抗が予想される。相対湿度5%以下の測定精
度が要求されるものとすると、60℃、95%付近で
0.3KΩの精度(分解能)が必要なので、1/330
000以下の分解能が検出回路からA/Dコンバータ、
CPUに必要になり、現実的にこの様な広範囲の湿度の
高精度の測定は不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】上記欠点に鑑み、
本発明は広範囲で精度の高い測定装置を提供し、かつ調
整等の煩わしい工程を必要とせず、シンプルで安価な測
定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、環境状態に応じてインピーダンスが非線
型に変化する第1素子と、前記第1素子に接続され、可
変のインピーダンスを有する第2素子と、接続された前
記第1素子及び前記第2素子の両端に電圧を印加するも
のであって、時間の経過に応じて印加する電圧の極性を
反転させる電圧印加手段と、前記第2素子に複数のイン
ピーダンスのいずれかをセットするセット手段と、前記
第1素子と前記第2素子の接点の電圧から、前記セット
手段によりセットされたインピーダンスに対応した直線
近似を行うことによって、環境状態を測定する測定手段
と、を有することを特徴とする測定装置を提供するもの
である。
【0005】
【実施例】(実施例1) 図1は本発明の実施例である湿度測定装置の回路構成図
である。1は安定した振幅を発信する発信回路であり、
発信周波数は湿度センサー2の特性に合わせて100H
z〜10kHzの間の特定周波数が選ばれる。2は図2
の出力特性曲線に示すように温度及び湿度に応じて抵抗
値が変化する湿度センサーであり、例えば高分子型のセ
ラミックセンサーなどである。R1〜R5は湿度センサ
ー2の出力特性曲線を図4に示す様に5つの領域に分割
して直線近似するための基準抵抗であり、それぞれの抵
抗には導通状態をスイッチングする電子スイッチSW1
〜SW5が接続されている。C1はAC結合用のコンデ
ンサで、発信回路1の発信周波数におけるインピーダン
スが湿度センサー2や基準抵抗R1〜R5に対して無視
できる様な値を用いる。3は湿度センサー2と基準抵抗
R1〜R5の出力を増幅する交流増幅器、4は交流増幅
器3で増幅された交流信号を直流信号に変換する検波回
路、5は検波回路4で直流変換された直流信号をデジタ
ル値に変換するA/Dコンバータである。6はA/Dコ
ンバータ5から入力されたデジタル値に基づいて、湿度
センサー2の出力特性曲線の直線近似を行い、湿度を測
定するCPUである。CPU6は電子スイッチSW1〜
SW5のスイッチングを制御する。7は温度に応じて抵
抗が変化するサーミスタ(温度センサー)で、湿度セン
サー2の近くに配置される。8は抵抗10を介してサー
ミスタ7に基準電圧VRを印加する基準電源、9は温度
センサー7の出力を増幅する直流増幅器であり、直流増
幅器9で増幅された直流信号はA/Dコンバータ5へ出
力される。
【0006】図3(1)は図1の発信回路1及び湿度セ
ンサー2から交流増幅器3までの回路を実装した基盤の
平面図であり、図3(2)は前記基盤の断面図である。
セラミック基盤13上に湿度センサー2、基準抵抗R1
〜R5、回路電極15、17を印刷で構成し、その上に
電子スイッチSW1〜SW5、AC結合コンデンサーC
1、交流増幅器3をリフロー法で半田付けして取りつけ
る。湿度センサー2の上部は防塵フィルター12で覆
い、更に、セラミック基盤13の表側は金属メッシュの
シールド板11で全体を覆う。セラミック基盤13の裏
側は絶縁層16を介してシールド電極14を印刷する。
【0007】上記構成により、基準抵抗R1〜R5と湿
度センサー2との分圧比(湿度センサー2の出力)は交
流増幅器3、検波回路4、A/Dコンバータ5を介して
CPU6に入力され、CPU6は湿度センサー2の抵抗
値を算出すべく、基準抵抗R1〜R5と湿度センサー2
との分圧比に対応する抵抗値をCPU6内に記憶されて
いるテーブルから読み出す。一方、抵抗10とサーミス
タ7との分圧比(サーミスタ7の出力)は増幅器9、A
/Dコンバータ5を介してCPU6に入力され、CPU
6は湿度センサー2の周囲の温度を算出すべく、抵抗1
0とサーミスタ7との分圧比に対応する温度を読み出
す。CPU6は湿度センサー2の抵抗値と湿度センサー
2の周囲の温度から湿度を算出する。
【0008】図4は、図2に示された様な湿度センサー
2の出力特性曲線を5つの領域に分割して直線近似した
グラフである。Xは湿度センサー2の抵抗値であり、H
は湿度センサー2の抵抗値Xに対応する湿度である。L
41は、電子スイッチSW1のみをオンにして、基準抵
抗R1のみ導通した時の近似直線である。H41は、近
似直線L41で近似可能な領域を表す。XM41は領域
H41における中間点の湿度HM41での湿度センサー
2の抵抗値である。近似直線L41において、温度がT
[℃]、湿度センサー2の抵抗値がX[Ω]の時の湿度
H[%]は、 H=A1(T)・X+B1(T) で表される。但し、 A1(T)=C1・T+D1 B1(T)=E1・T+F1 である。ここで、C1、D1、E1、F1は近似直線L
41の直線パラメータであり、予めCPU6に記憶され
ている。
【0009】つまり、CPU6は、抵抗10とサーミス
タ7との分圧比すなわち湿度センサー2の周辺の温度T
と、基準抵抗R1と湿度センサー2との分圧比すなわち
湿度センサー2の抵抗値Xと、近似直線L41の直線パ
ラメータC1、D1、E1、F1とから湿度Hを算出す
ることができる。その他の近似直線L42〜L45にお
いても同様の直線パラメータがCPU6に記憶されてお
り、同様にして湿度Hを算出することができる。
【0010】次に、図5のフローチャートを参照しなが
ら、CPU6による湿度の算出方法について説明する。
まず、変数nを初期化し(n=0)(ステップS1)、
変数nに1加算して(n=1)(ステップS2)、電子
スイッチSWn(SW1)をオンして、基準抵抗R1を
導通状態にする(ステップS3)。そして、A/Dコン
バータ5を介して入力された基準抵抗Rn(R1)と湿
度センサー2との分圧比から湿度センサー2の抵抗値X
n(X1)を算出し、記憶する(ステップS4)。CP
U6内に予め記憶されている直線近似領域Hn(Y1)
における中間点の湿度HMn(HM1)での湿度センサ
ー2の抵抗値XMn(XM1)とXn(X1)との差の
絶対値Gn(G1)を算出し、記憶する(ステップS
5)。上述のステップS2〜S5を5回繰り返す(n=
2〜5)(ステップS6)。その後、A/Dコンバータ
5から入力された抵抗10とサーミスタ7との分圧比か
らサーミスタ7の温度すなわち湿度センサー2の周辺の
温度Tを算出する(ステップS7)。そして、ステップ
S5において算出したG1〜G5の内で最小のnを算出
する(ステップS8)。そのnに対応している直線パラ
メータCn、Dn、En、FnをCPU6内から読み出
し、温度TからAn(T)とBn(T)を算出し、続い
てAn(T)、Bn(T)、抵抗値Xnから湿度Hを算
出して(ステップS9)、終了する。
【0011】このように、曲線特性を有する測定素子の
出力を複数の近似直線で近似するので高精度で広範囲の
湿度測定が可能となる。
【0012】(実施例2) 図6は本発明の実施例である湿度測定装置の回路構成図
である。本実施例は図1に示すような実施例1の回路構
成をより簡単にしたものである。基準抵抗R1〜R5、
結合コンデンサC1、湿度センサー2は図1と同様なの
で説明を省略する。20は湿度センサー2に基準電圧V
R2を印加する基準電源である。SW6、SW7は基準
電圧VR2と、グランドを交互に切り替えて、湿度セン
サ−2にバイアスとして給電させるための電子スイッチ
である。C2は結合コンデンサー、SW3はCMOSタ
イプのアナログスイッチで、湿度センサー2の交流出力
V2をA/Dコンバータ5に入力するために直流再生す
るクランプ回路を構成する。5はCMOSタイプのA/
Dコンバータで、CPU6からA/Dストローブ21が
入力されるとその時にデジタル変換したデジタル値をC
PU6へ出力する。
【0013】次に、図7の各部の電圧波形を参照しなが
ら動作を説明する。CPU6はCPU6内に有するハー
ドタイマもしくはソフトタイマで湿度センサー2の最適
駆動周波数(例えば1KHz)に近いタイミング信号を
発生し、そのタイミング信号に応じて電子スイッチSW
6、SW7が交互に導通状態になるように切り替える。
それにより、基準電圧VR2とグランドが基準抵抗R1
〜R5に交互にバイアスとして印加される。基準抵抗R
1〜R5には、図7のV1に示す様に振幅VRのパルス
信号が加えられる。前記パルス信号は、基準抵抗R1〜
R5、AC結合コンデンサC1を介して湿度センサー2
に印加され、湿度センサー2には図7のV2に示す様な
最大値:+α・VR2/2、最小値:−α・VR2/
2、振幅:α・VR2の交流信号が得られる。但し、α
は、 α=Xn/(R1+Xn) である。
【0014】湿度センサー2の出力は、結合コンデンサ
ーC2、電子スイッチSW3によって直流再生される。
すなわち、CPU6は、図7のSW3に示す様に、湿度
測定していない時はSW3をオン、湿度測定している時
はV1及びV2のレベルが低い期間のうち所定タイミン
グだけオン、湿度測定時の他の期間はオフにする。A/
Dコンバータ5は、CMOSタイプで入力インピーダン
スが非常に高いので、C2の電荷は変化することがな
い。このため、A/Dコンバータ5の入力には、図7の
V3に示すようにV2の振幅α・VR2を保ったまま
で、0Vを基準に正パルスV3として直流再生される。
【0015】CPU6は、結合コンデンサC2から出力
された正パルスV3の正のピーク期間に同期してA/D
ストローブ21をA/Dコンバータ5に与え、この正パ
ルスV3のピーク値をデジタル値に変換させてCPU6
内に取り込む。このようにして、入力された湿度センサ
ー2の出力のデジタル値に基づいて湿度センサー2の抵
抗値Xを算出することができる。
【0016】そして、CPU6は実施例1で説明したよ
うに、サーミスタ7の出力に基づいて湿度センサー2の
周囲の温度Tを算出し、抵抗値Xと温度T、直線パラメ
ータから湿度Hを算出することができる。
【0017】以上のように、実施例1に必要であった発
信回路1、交流増幅器3、検波回路4をなくして、簡素
化した湿度測定装置を提供することができる。これによ
り、測定精度を上げるために出力振幅が安定化された発
信回路1を使用する代わりに、基準電圧VR2とグラン
ドを切り替えて基準抵抗R1〜R5に印加するため、安
定した振幅の信号を印加することが可能になる。また、
A/Dコンバータ5の入力部で振幅の調整をする必要が
なくなり、各回路を高精度にしてバラツキ要因を少なく
する必要がなくなる。また、発信回路1などの高精度の
信号処理が不要となり、コストダウンがはかれる。
【0018】(実施例3)上述した実施例1、実施例2
は、CPU6が入力した湿度センサー2の出力電圧から
湿度センサー2の抵抗値を算出し、湿度センサー2の抵
抗値と湿度の関係曲線に基づいて湿度を算出するもので
あったが、本実施例は実施例2の湿度測定装置と同様な
回路構成(図6)において、CPU6が湿度センサー2
の出力電圧V3を入力し、湿度センサー2の出力電圧と
湿度の関係曲線に基づいて湿度を算出するものである。
【0019】図8は湿度センサー2の出力電圧V3と湿
度との関係を表すグラフである。図8中の点線C81〜
C85は電子スイッチSW1〜SW5をオンにして基準
抵抗R1〜R5を導通状態にしたときの曲線である。曲
線C81〜C85に重ねて描かれた実線L81〜L85
は近似直線である。近似直線L81はパラメータI1、
J1を用いて、 V3=I1・H+J1 と表される。近似直線L82〜L85においても同様に
パラメータI2〜I5、J2〜J5を用いて表される。
CPU6はパラメータI1〜I5、J1〜J5をあらか
じめ記憶しており、湿度センサー2の出力電圧V3を入
力することにより、湿度Hを算出することができる。図
8の一点鎖線内に示されているように、基準抵抗R1〜
R5を切り替えることにより15%〜100%の湿度の
算出が可能となる。
【0020】図9はCPU6による湿度算出のフローチ
ャートである。まず、変数nを1にして(ステップS1
1)、スイッチSnをオンにして基準抵抗Rnを導通状
態にし、湿度センサー2の出力電圧V3を入力する(ス
テップS12)。そして、出力電圧V3が0.25より
大きく、0.8より小さい場合(ステップS13)、基
準抵抗Rnのときの近似直線のパラメータIn、Jnを
CPU6内から読み出し(ステップS14)、湿度Hを
算出する(ステップS15)。また、ステップS13に
おいて、出力電圧V3が0.8以上の場合、変数nの内
容を1増加し(ステップS16)、変数nの内容が6よ
り小さい場合はステップS12に進む(ステップS1
7)。ステップS17において、変数nの内容が6以上
の場合は、湿度は15%以下と判断して(ステップS1
8)、湿度算出処理を終了する。
【0021】なお、図6の基準抵抗の種類を増やせば、
図8に示すように湿度15%以下の精密な湿度測定も可
能である。
【0022】(実施例4)図10は第4の実施例の湿度
測定装置の回路構成図である。前述した第3実施例で
は、湿度センサー2の値が10MΩ以上になると、スイ
ッチSW1〜SW5に存在する浮遊容量や湿度センサー
2に存在する浮遊容量C5、その他の回路に存在する浮
遊容量のために測定誤差が生じることがある。本実施例
はそのような浮遊容量に起因する測定誤差を軽減するも
のである。
【0023】湿度センサー2、A/Dコンバータ5、C
PU6、基準電源20、A/Dストローブ21、スイッ
チSW1〜SW8、結合コンデンサC1は図6と同様な
ので説明を省略する。R10は湿度10〜15%の測定
を可能にするための基準抵抗で、SW10は基準抵抗R
10の導通状態をスイッチングするスイッチである。C
3は結合コンデンサC1よりも小さい容量の結合コンデ
ンサで、基準抵抗R10に対して直列に接続されてい
る。その直列回路の一端すなわちコンデンサC3の一端
がコンデンサC1、コンデンサC2、そして湿度センサ
ー2との接点に接続され、その直列回路の他端すなわち
基準抵抗R10の一端がスイッチSW6、SW7、基準
抵抗R1〜R5の接点に接続されている。スイッチSW
9とコンデンサC4は互いに並列に接続され、その並列
回路がコンデンサC2とスイッチSW3の結線中に挿入
されている。そしてスイッチSW3とスイッチSW4、
コンデンサC4の接続点がA/Dコンバータ5に接続さ
れている。但し、C1、C2、C3、C4の値は、 C2/C1≒(1/(1/C2+1/C4))/C3 という関係を満たすものとする。
【0024】次にCPU6の湿度算出の流れについて説
明する。CPU6はスイッチSW9をオンにして、図9
に示された実施例2と同様の制御を行う。ステップ8に
おいて、基準抵抗R1〜R5のいずれを選択しても直線
近似可能な電圧を得ることができないことが分かると、
CPU6はスイッチSW1〜SW5をオフ、スイッチS
W10をオン、スイッチSW4をオフにする。そして、
スイッチSW6、SW7を切り替える周波数を小さくす
る。例えば、周波数を1kHzから50Hzに切り替え
る。そして、クランプ動作を開始し、実施例3と同様の
方法でV2の値をA/D変換して読み込む。周波数は、
C1と湿度センサーの抵抗値の積の時定数に反比例して
小さくするものとする。例えばC1が0.3μFで、湿
度センサー2のインピーダンスが60MΩのときは、5
0Hzにし、C1が0.3μFで、湿度センサー2のイ
ンピーダンスが6kΩのときは、500Hzにする。ま
た、クランプタイミングは図7のタイミングを用い、V
R2の駆動周波数を変化させるときは、それに比例して
タイミングを調整し、図7と同様なクランプ動作を行
う。
【0025】湿度センサー2の値が10MΩ以上になる
と、湿度センサー2の浮遊容量やその他の回路の浮遊容
量が存在するために、実施例3の方法では近似計算がで
きないが、本実施例では、湿度センサー2の抵抗値が大
きくなったときにはそのような浮遊容量を考慮して結合
コンデンサC3、C2、C4の値や、基準電源の駆動周
波数を変えるので、浮遊容量に起因する測定誤差を軽減
することができ、正確な測定が可能となる。また、コン
デンサC3の値を小さくすることになるため、クランプ
動作においてコンデンサC3が定常状態になる時間を短
くすることが可能となり、高速測定が可能となる。
【0026】(実施例5)図11は本発明の第5の実施
例の湿度測定装置の回路構成図である。湿度センサー
2、A/Dコンバータ5、CPU6、基準電源20、A
/Dストローブ21、スイッチSW1〜SW8、結合コ
ンデンサC1は図6と同様なので説明を省略する。SW
10は基準抵抗R1、およびスイッチSW1に対して並
列に接続されたスイッチである。この回路は実施例3に
おいて、抵抗値が0Ωの基準抵抗を基準抵抗R1〜R5
に対し、並列に接続したものと考えられる。
【0027】次にCPU6の湿度算出の流れについて説
明する。図9に示された実施例2と同様の制御を行う。
ステップ8において、基準抵抗R1〜R5のいずれを選
択しても直線近似可能な電圧を得ることができないこと
が分かると、CPU6はスイッチSW1〜SW5をオ
フ、スイッチSW10をオンにする。そして、湿度セン
サー2の出力電圧V3をA/Dコンバータ5を介して入
力し、湿度を算出する。
【0028】このように、湿度が低いときすなわち湿度
センサー2の抵抗値が高いときは、スイッチSW10に
より基準抵抗を0Ωにするので、コンデンサC1の基準
抵抗R1〜R5側の浮遊容量の影響を小さくすることが
できる。これにより、湿度センサー2の出力V2にはノ
イズが乗りにくくなり、クランプ出力電圧V3も安定す
る。そのため、安定した湿度測定ができる。
【0029】(実施例6)図12は本発明の第6の実施
例の湿度測定装置の回路構成図である。101はマイク
ロコンピュータ、102は温度及び湿度に応じて抵抗値
が変化する湿度センサーであり、例えば高分子型のセラ
ミックセンサーを用いる。103は電子スイッチで、1
01のマイクロコンピュータの出力ポートのオープンド
レイン端子をそのまま用いてもいい。104、105は
湿度センサー2の出力電圧と所定の電圧V103、V1
02とを比較するコンパレータ、106は所定時間カウ
ントするカウンタである。
【0030】図13は図12に示された湿度測定装置に
おけるタイミングチャートである。図13のSIは電子
スイッチ103の制御タイミングであり、マイクロコン
ピュータ101がSIをハイレベルにしたとき電子スイ
ッチ103を導通状態にする。SIをハイレベルの状態
にしておく時間はSI1周期に対して1/1000以下
の長さになるよう設定される。このように設定すること
により、電子スイッチ103を導通状態にして湿度セン
サー102に通電した後、湿度センサー102内部で移
動した電子やイオンが完全に初期状態に戻った状態で次
の測定が行われるようになる。SIが立ち上がることに
より電子スイッチ103が導通状態になると、充電され
ていたコンデンサC101の電荷は放電され、V101
は0Vになる。そして、SIがローレベルになることに
より電子スイッチが解放状態になると、コンデンサC1
01に電荷が湿度センサー102を介して充電され、徐
々にV101が上昇し、早かれ遅かれ飽和状態となる。
湿度センサー102の抵抗値が大きいほどV101の飽
和状態になるまでの時間が遅く、抵抗値が小さいほどV
101の飽和状態になるまでの時間が早い。なお、Aは
高湿のとき、Bは低湿のときの例を表したものである。
C104、C105はコンパレータ104、105の出
力である。C104はV103よりV101が小さいと
きハイレベルとなり、C105はV102よりV101
が小さいときハイレベルとなる。なお、(A)、(B)
はそれぞれ高湿、低湿のときのコンパレータの出力を表
す。C106はSIがハイレベルからローレベルに変化
した時点からC104(A)またはC105(B)がハ
イレベルからローレベルに変化する時点までの間を表し
たタイムチャートである。
【0031】図13のV101の変化がAの場合の湿度
センサー102の抵抗値は次のようにして求める。カウ
ンタ106によってC106(C104(A))に示さ
れた時間TSをカウントする。そのカウントされた時間
TSから次の式により湿度センサー102の抵抗値RS
を算出する。
【0032】RS=TS/(C1・log(1/(1−
V103/Vcc))) そして、実施例1と同様にして湿度センサー102の抵
抗値RSから湿度を算出する。
【0033】図13のV103の変化がBの場合の湿度
センサー102の抵抗値も同様にして求める。但し、A
の場合と異なる点は、C106(C105(B))に示
された時間TSをカウントし、次の式により湿度センサ
ー102の抵抗値RSを算出する点である。
【0034】RS=TS/(C1・log(1/(1−
V102/Vcc))) このように、湿度センサーの抵抗値をRC回路に充電さ
れる時間から求めるので簡単な回路構成にすることがで
きる。
【0035】なお、図14に示すようにコンデンサC1
11、C112、C113、スイッチSW111、SW
112、SW113を備え、切り替えることにより、測
定精度の高い湿度測定が可能となる。また、図14の回
路において、V113を次式のように設定することによ
って、湿度センサー102の抵抗値を対数計算すること
なく算出することができる。
【0036】 V113=Vcc(1−1/ε)=0.63・Vcc このV113を前述のRSの式に代入すると、 RS=TS/C1 となり、湿度センサー102の抵抗値を対数計算するこ
となく算出できることが分かる。
【0037】この様にして測定されたセンサー抵抗Rs
から、湿度Hは次の様にして求められる。センサーの出
力曲線は、図14に示すように各温度Tで5つの領域に
分けて直線近似される。図15に示すフローチャートに
従って、湿度Hを求めるまでのフローを説明する。Rs
及び湿度センサー近傍に設けられた温度センサーによっ
て測定された周囲温度Tから直線近似領域が選択され、
予めCPUに記憶されていたルックアップテーブルから
直線パラメータCn,Dn,En,Fnを求める。R
s、T,Cn,Dn,EnからAN(T)、BN(T)
を求める。そして、求められたAN(T)、BN(T)
から湿度Hが得られる。
【0038】(実施例7) 図17は本発明の第7の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。151はマイクロコンピュータ、152は
湿度センサーで、例えば高分子型のセラミックセンサー
などを用いる。湿度センサー152は図2に示す様に温
度、湿度に応じて抵抗値が変化する。153,154は
測定を行なう際に湿度センサー152に電流を流すため
の電子スイッチで、マイクロコンピュータ151の出力
ポートのオープンドレイン端子をそのまま用いてもよ
い。電子スイッチ153,154のオン状態の時間は1
周期の1000分の1以上にならないように設定され
る。このように設定されることにより、湿度測定のため
に湿度センサー152内部で移動した電子やイオンが完
全に初期状態に戻れる。湿度測定しないときには、電子
スイッチ153,154共に開放状態に保たれ、測定用
コンデンサC151は電圧E(V)相当の電荷が充電さ
れている。湿度測定時には、図18のSI3,SI4に
示すようにそれぞれ2秒周期で交互にパルス波(1m
s)を発生させる。これにより、湿度センサー152の
出力電圧V151は図18のV151に示すようにE
(V)を中心にする対称波形となり、湿度センサー15
2に印加される直流電圧はゼロとなる。湿度センサー1
52の抵抗はSI3のパルスの立ち下がりから、コンデ
ンサC151に充電される時間を計測して求める。
【0039】湿度の測定時には、図19のSI3に示す
ように電子スイッチSI3を導通状態にし、充電されて
いたコンデンサC151の電荷は図19のV151に示
すように急激に放電される。1ms後、電子スイッチC
151を開放状態にし、湿度センサー152を介してコ
ンデンサC151には充電が開始される。そして、コン
デンサC151に充電されているときのコンデンサC1
51の端子電圧V151としきい値V153,V154
とをコンパレータ155,156によって比較する。そ
して、カウンタ157により、電子スイッチC151が
開放状態になった時からそれぞれのしきい値V153,
V154を越えるまでの時間TSをカウントする。この
ときコンパレータ155,156では、図19のC15
5,C156に示す様にそれぞれのしきい値V153,
V154にV151が達したときに出力が反転するの
で、図19のC157に示す様にカウンタ157はそれ
に応じてカウントを行う。図19においてAはセンサー
抵抗小のときすなわち高湿のときの様子を表わし、Bは
センサー抵抗大のときすなわち低湿のときの様子を表わ
す。
【0040】カウンタ157によってカウントされた時
間TSを次式に代入して湿度センサー152の抵抗値を
算出する。
【0041】
【外1】
【0042】そして、前述した実施例と同様にして、湿
度センサー152の抵抗値RSから湿度Hを算出する。
【0043】また、図20は図17における電源E、2
Eを電源Vccから得られる様にした回路構成例であ
る。
【0044】また、図21は基準用電圧の精度を上げる
ためにボルテージフォロワー191,192を介して電
圧E,2Eを供給する様にした回路構成例である。これ
により、高湿測定時に測定誤差を小さくするために分圧
抵抗を小さくしたときに、電力効率の低下による抵抗の
ジュール熱によって測定環境自身を乱すことがなくな
る。
【0045】このような回路構成において湿度センサー
152の抵抗値RSを求め、前述した実施例の様に湿度
Hを求める。
【0046】図22に前述した方法で得られた湿度デー
タの適正判断をし、所定個数のデータの平均値を取る事
により安定した湿度測定を行なえる様にするためのフロ
ーチャートを示す。
【0047】まず、マイクロコンピュータ151内のレ
ジスタ内を初期設定し(ステップS21)、算出した湿
度データHnを入力する(ステップS22)。そして、
記憶されている湿度データの最大値Hmax,最小値H
minと入力した湿度データHnの比較を行なう(ステ
ップS23)。ステップS23で湿度データHnが(H
min−α)より大きく、(Hmax+β)より小さい
とき湿度データの更新を行なう(ただし、α,βは定
数)。ステップS23で湿度データHnがその範囲外の
ときはステップS22へ進む。湿度データの更新を行な
う場合、レジスタR0〜RK-1それぞれの内容をレジスタ
1〜RKへ移動させ(ステップS24)、レジスタR0
に湿度データHnをインプットする(ステップS2
5)。
【0048】そして、レジスタRK-1の内容がまだ0の
ときはステップS22へ進み、それ以外のときは次へ進
む(ステップS26)。ステップS26でRK-1≠0の
ときは、レジスタR0〜RK-1の最小値Hmin,最大値
Hmaxをそれぞれ求め、さらに次式により湿度データ
の平均値を求める(ステップS27)。
【0049】
【外2】 そして、平均値出力レジスタの内容をHnとし(ステッ
プS28)、ステップS22へ進む。
【0050】このように平均値を更新することにより、
安定した湿度測定を可能とするものである。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
環境状態に応じてインピーダンスが非線型に変化する第
1素子と、前記第1素子に接続され、可変のインピーダ
ンスを有する第2素子と、接続された前記第1素子及び
前記第2素子の両端に電圧を印加するものであって、時
間の経過に応じて印加する電圧の極性を反転させる電圧
印加手段と、前記第2素子に複数のインピーダンスのい
ずれかをセットするセット手段と、前記第1素子と前記
第2素子の接点の電圧から、前記セット手段によりセッ
トされたインピーダンスに対応した直線近似を行うこと
によって、環境状態を測定する測定手段を有するので、
簡単な構成により広範囲で精度の高い環境状態の測定を
行うことができるとともに、第1素子の長寿命化をはか
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の湿度測定装置の回路構成図で
ある。
【図2】湿度センサーの湿度−抵抗特性を示すグラフで
ある。
【図3】回路を実装した基盤を表わす図である。
【図4】図2の特性曲線を複数の直線で近似したグラフ
である。
【図5】図1の湿度測定装置で湿度を測定する流れを示
すフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構成
図である。
【図7】図6の湿度測定装置の各部の電圧波形である。
【図8】湿度センサーの湿度−出力電圧特性を示すグラ
フである。
【図9】図6の湿度測定装置で湿度を測定する流れを示
すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。
【図11】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。
【図12】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。
【図13】図12の湿度測定装置のタイミングチャート
である。
【図14】図2の特性曲線を複数の直線で近似したグラ
フである。
【図15】図12の湿度測定装置で湿度を測定する流れ
を示すフローチャートである。
【図16】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。
【図17】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。
【図18】図17におけるSI3、SI4、V151の
波形を示す図である。
【図19】図17における各部の波形を示す図である。
【図20】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。
【図21】本発明の他の実施例の湿度測定装置の回路構
成図である。
【図22】図17、図20、図21において安定した湿
度測定を行うためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 湿度センサー 6 CPU 7 サーミスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境状態に応じてインピーダンスが非線
    形に変化する第1素子と、 前記第1素子に接続され、可変のインピーダンスを有す
    る第2素子と、 接続された前記第1素子及び前記第2素子の両端に電圧
    を印加するものであって、時間の経過に応じて印加する
    電圧の極性を反転させる電圧印加手段と、 前記第2素子に複数のインピーダンスのいずれかをセッ
    トするセット手段と、 前記第1素子と前記第2素子の接点の電圧から、前記セ
    ット手段によりセットされたインピーダンスに対応した
    直線近似を行うことによって、環境状態を測定する測定
    手段と、 を有することを特徴とする測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1素子は、湿度に応じてインピー
    ダンスが変化することを特徴とする請求項1記載の測定
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第2素子は、複数の抵抗素子及び抵
    抗素子のいずれかに切り替えるスイッチからなり、前記
    複数の抵抗素子のそれぞれの抵抗値は異なることを特徴
    とする請求項1記載の測定装置。
  4. 【請求項4】 前記セット手段は、複数の抵抗素子と前
    記第2素子の接点の電圧が所定の範囲内に収まるように
    インピーダンスセットすることを特徴とする請求項1
    記載の測定装置。
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