JP3093337U - リモートコントロール模型自動車の起動装置 - Google Patents

リモートコントロール模型自動車の起動装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 模型車エンジンが正常の回転速度に達した
時、速やかに起動軸を切離し、切離しが遅れてエンジン
の余計な負荷となったり、摩擦による損傷を起さない、
特に高速なエンジンの始動に適する、リモートコントロ
ール模型自動車の起動装置の提供する。 【解決手段】 起動装置の起動軸6が模型車エンジンの
尾軸7と結合する連結板61に面取り613した斜面6
10を設け、エンジン発動の任務を果たした起動軸6が
滑らかに後退してエンジンの尾軸7から切り離され、余
計な動力の損失や起動軸その他部品の摩擦による損傷を
防ぎ、後退した起動軸6がエンジンの振動等により、迷
走して再び、エンジンの尾軸7と接触しないよう、ピン
525と鋼球62の組み合わせによる起動軸6の固定装
置を取り付けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、機械力損失が小さく、部品の損傷がないリモートコントロール模型 自動車エンジンの起動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リモートコントロールする模型自動車は、趣味の1つとして若者間に広く流行 している。この模型自動車は、現在の精密機械技術を駆使して作られており、そ の部品の精巧さや機能性は、殆んど本物の自動車と変らない。
【0003】 この模型自動車において、エンジンを始動するには、起動装置が必要である。 この起動装置には、2タイプある。1つは、起動用のモータを使用する起動装置 (図7,8参照)で、他のものは、エンジンの回転軸に巻き付けられたロープを 人力で引っ張る起動装置21(図9参照)である。
【0004】 前者の起動装置は、一般的に使用されているもので、図7,8に示すように、 モータ11と、減速用ギアセット12と、起動軸13とを有している。減速用ギ アセット12は、ギアボックス14内に収容され、1組の遊星歯車機構と幾つか のギアを有している。このギアの1つである出力側ギア15の中央には、1つの 六角孔が開設され、ここに六角ナット16が収納され、その中を1本の単方向ク ラッチスリーブ17が貫通している。
【0005】 ギアボックス14の他側には、単方向クラッチスリーブ17に相対する位置に 後カバー18が設けられ、後カバー18に取り付けられたニップルチャック19 を起動軸13が挿通している。
【0006】 この起動軸13は、一端がクラッチスリーブ17と継脱自在に連結され、他端 が係止ノッチ131を有するラッパ状に形成され、エンジン20の尾軸と係合し ている。
【0007】 この起動装置は、モータ11が回転すると、その動力が減速用ギアセット12 →出力側ギア15→六角ナット16→単方向クラッチスリーブ17→起動軸13 →エンジン20の尾軸→模型車エンジンと伝達されて、エンジン20が始動する ことになる。そして、このエンジン20の回転が、正常回転に達すれば、つまり 、エンジン20自体の回転がモータ11の回転以上になると、単方向クラッチス リーブ17は自動的に離れ、起動軸13との結合が解かれ、ギア機構の損傷が防 止される。
【0008】
【考案の解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の起動装置は、下記の欠点がある。
【0009】 (1)エンジン20が起動し、エンジン20の尾軸と起動軸13との連結状態 がまだ解かれていない時点では、起動軸13自体及びニップルチャック19等が エンジン20の負荷となり、その結果、エンジン20が正常回転に到達する時間 を遅らせる。
【0010】 (2)起動軸13と係合している単方向クラッチスリーブ17は、エンジン2 0が正常な回転に到達したとき、エンジン20の尾軸と簡単に離れず、起動軸1 3と僅かに接触する状態になるため、動力の損失を招く。
【0011】 (3)上記現象により摩擦が生じ、この摩擦により単方向クラッチスリーブ1 7が高温になり、その寿命も短くなる。
【0012】 本考案は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、第1 の目的は、模型車のエンジンが正常な回転に達っしたとき、速やかに起動軸を切 り離し、切り離しの遅れによりエンジンに余計な負荷が掛かったり、摩擦による 損傷を起さない起動装置を提供することにある。
【0013】 第2の目的は、切り離されて後退した起動軸がエンジンの振動等により迷走し て再びエンジンの尾軸と接触しない起動装置を提供することにある。
【0014】 第3の目的は、エンジンを始動した後、起動軸を完全に切り離しでき、高速で のエンジンの始動が可能な起動装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案によるリモートコントロール模型自動車の 起動装置は、起動軸が模型車エンジンの尾軸と結合する連結板に面取りした斜面 を設け、エンジンを始動させた後の起動軸が、滑らかに後退してエンジン尾軸か ら切り離され、余計な動力の損失や起動軸その他部品の摩擦による損傷を防止し 、後退した起動軸がエンジンの振動などにより、迷走して再び、エンジンの尾軸 と接触しないよう、ピンと鋼球の組み合わせにより起動軸を固定保持するように したことを特徴とする。
【0016】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施形態を図面により説明する。
【0017】 図1は本実施形態の分解斜視図、図2は本考案に係る起動装置の起動軸の分解 斜視図、図3は本考案に係る起動軸とスリップブッシュの断面図、図4は起動軸 とスリップブッシュの連結状態を示す斜視図、図5は起動軸とスリップブッシュ の分離状態を示す斜視図、図6は模型車のエンジンが起動軸を切り離して、高速 運転する状態を示した説明図である。
【0018】 図1において、本起動装置は、起動用のモータ3と、動力伝達機構4と、後カ バー5と、起動軸6とを有し、この起動軸6を回転することにより起動軸6に連 結されたエンジンの尾軸7を回転し、エンジンを起動する。
【0019】 起動用のモータ3の出力は、動力伝達機構4により伝達されるが、この動力伝 達機構4の内部には、1組のギアセットが設けられ、その出力側に後カバー5が 設けられている。後カバー5は、内部にスリップブッシュ52が設けられ、この スリップブッシュ52は、スリーブ51内に回転自在に設けられている。
【0020】 図1,4に示すように、スリップブッシュ52は、一端にカラー521が形成 され、このカラー521にはスリーブ522が設けられている。このスリーブ5 22には、両端に凹部524を有する1本の傾斜溝523が、長手軸線に対し傾 斜して形成されている。
【0021】 図2,3において、起動軸6をスリップブッシュ52に挿入したときに、起動 軸6とスリップブッシュ52とを連結するための1本のピン525が、起動軸6 と傾斜溝523を径方向に貫通するように設けられている。このピン525が傾 斜溝523内で移動することにより、起動軸6はスリップブッシュ52に対し軸 方向所定距離移動可能となる。
【0022】 また、この起動軸6には1つの収容孔が設けられている。この収容孔の内部に は、1つの鋼球62、1つのコイルばね63及び1本の取付ねじ64が収容され ている。これらは、エンジンを始動した後に、起動軸6を後退位置で保持するも のである。つまり、エンジンが始動した後に、起動軸6が後退すると、鋼球62 は、スリップブッシュ52の内側に形成された嵌合溝526に嵌合し、起動軸6 が動かないように保持する。
【0023】 起動軸6の一端に設けられた連結板61には、エンジンの尾軸7の連結器71 が係合する2つの係合凹部611が設けられている。この連結板61には、起動 軸6の連結器71が係合し易く外れ易いように内縁部と外縁部に面取り613が 施された斜面610(図5参照)が形成されている。なお、この面取り613は 係合凹部611にまで形成されている。
【0024】 前記エンジンのピストンロッド81は、図1に示すように、尾軸7の連結器7 1と連結され、この尾軸7は、軸受82により支持されている。なお、ピストン は、エンジン8の中に設けられている。
【0025】 次に、起動装置の動作原理を説明する。
【0026】 図1,4において、モータ3が回転すると、その動力は、伝達機構4により伝 達され、スリップブッシュ52が回転する(図4の矢印方向)。このため、スリ ップブッシュ52と起動軸6を挿通して設けられているピン525も傾斜溝52 3に沿って移動することになる。当初ピン525は、図5に示す位置にあるが、 スリップブッシュ52の回転により図4に示す位置に移動することになる。
【0027】 したがって、このピン525の移動により起動軸6が前進移動することになる (図4の白抜き矢印)。起動軸6が前進移動すると、エンジンの尾軸7の連結器 71が、連結板61の係合凹部611の1つと係合し、エンジン8は起動軸6に より駆動される。
【0028】 次に、エンジン8が正常な回転になった場合について述べる。エンジン8が正 常な回転になると、図5において、起動軸6の連結板61は、逆にエンジンの尾 軸7により回転される状態になり、連結器71は、係合凹部611の反対側の端 部に、面取り613を施した斜面610に沿つて滑りながら移動し、逐に係合凹 部611から離脱する。この連結器71の係合凹部611からの離脱は、起動軸 6の後退を可能にする。
【0029】 一方、起動軸6の回転が、エンジンの尾軸7により行なわれると、ピン525 は、傾斜溝523に沿って図4の状態から図5の状態に移動することになる。こ の結果、起動軸6が後退し(図5の白抜き矢印)、起動装置とエンジンとの切り 離しが行なわれる。
【0030】 この場合、起動軸は、連結板61に形成された面取り613が施された斜面6 10の助けを借りて滑らかに後退するので、前記切り離しは短時間に行なわれ、 切り離しの遅れに伴う余計な摩擦や動力の損失を招くことがなく、スムーズに後 退する。そして、起動軸6が所定位置まで後退すると、鋼球62が内側嵌合溝5 26に嵌合し、起動軸6を位置固定的に停止させる。したがって、起動軸6は、 エンジン8の振動により迷走することはなく、エンジンの尾軸7との再接触が防 止される。
【0031】 また、この起動装置は、エンジンの尾軸7の連結器71が、連結板61の係合 凹部611と係合した状態(図6参照)でエンジン8が駆動された後、完全な切 離しが可能となるので、高速な模型車エンジンの始動も可能となる。
【0032】 本考案は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、実用新案登録 請求の範囲内で種々変更使用することが可能である。例えば、前記実施の形態で は、起動装置のモータを電気的に作動しているが、これのみでなくこのモータの 回転軸にロープを巻き付け、これを人力で引いて駆動するようにしても良い。
【0033】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案による起動装置は、下記の従来品に見 られない優れた効果を奏する。
【0034】 (1)模型車のエンジンが正常な回転に達っすると、起動軸はその連結板に形 成された面取りの付いた斜面の助けを借りてスムーズに後退するので、切離しの 遅れによってエンジンに余計な負荷を掛けることはなく、摩擦による部品の損傷 も起らない。
【0035】 (2)切り離されて後退した起動軸は固定的に停止されるので、エンジンの振 動などにより迷走して再び、エンジンの尾軸と接触することもない。
【0036】 (3)このような完全な切離しが可能な起動装置は、従来品が不可能とする、 特に、高速な模型車エンジンの始動に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案に係る起動装置の分解斜視図である。
【図2】 本考案に係る起動装置の起動軸の分解斜視図
である。
【図3】 本考案に係る起動軸とスリップブッシュの断
面図である。
【図4】 本考案に係る起動軸とスリップブッシュの連
結状態を示す斜視図である。
【図5】 本考案に係る起動軸とスリップブッシュの分
離状態を示す斜視図ある。
【図6】 模型車のエンジンが起動軸を切り離して、高
速運転する状態を示した説明図である。
【図7】 従来の模型自動車エンジンとその起動モータ
の組立図である。
【図8】 従来の模型自動車エンジン起動モータの分解
斜視図である。
【図9】 従来の模型自動車エンジンの人力式起動装置
の斜視図である。
【符号の説明】
12…ギアセット、 21…人力の起動装置、 3…起動用のモータ、 4…動力伝達機構、 5…後カバー、 51…スリーブ、 52…スリップブッシュ、 521…カラー、 522…スリ一プ、 523…傾斜溝(長溝)、 524…凹部、 525…ピン、 526…嵌合溝、 6…起動軸、 61…連結板、 62…鋼球、 63…コイルばね、 64…取付ねじ、 610…斜面、 611…係合凹部、 613…面取り、 7…エンジンの尾軸、 71…連結器、 8…エンジン、 81…ピストンロッド 82…軸受。

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人力あるいはモータの駆動力によりエン
    ジンを起動させるリモートコントロール模型自動車の起
    動装置において、 モータと連結されたギアセット、その出力側に設けられ
    た後カバー、この後カバーに取り付けられたスリーブ、
    及び当該スリーブ内に回転自在に設けられたスリップブ
    ッシュを有する動力伝達機構と、 一端が前記スリップブッシュ内に挿入され、他端が模型
    車エンジンの尾軸に取り付けられた連結器と係合離脱可
    能とされた連結板を備えた起動軸と、を有し、 前記スリップブッシュに形成した長溝と前記起動軸に1
    本のピンを径方向から差込み、前記スリップブッシュの
    回転を前記起動軸に伝達するとともに前記起動軸が前記
    スリップブッシュに対し軸方向に移動可能に構成し、 前記エンジンの回転が正常回転に達したとき、前記起動
    軸の連結板が前記連結器からスムーズに後退し離間する
    ように前記連結板の表面を斜面としたことを特徴とする
    リモートコントロール模型自動車の起動装置。
  2. 【請求項2】 前記スリップブッシュ上に設けられた長
    溝は、長手軸線に対し傾斜していることを特徴とする請
    求項1に記載の起動装置。
  3. 【請求項3】 前記長溝は、両端にそれぞれ凹部が形成
    されている請求項1に記載の起動装置。
  4. 【請求項4】 前記連結板は、前記連結器が結合される
    2つの係合凹部を有し、各係合凹部と前記斜面との間は
    面取りが施こされていることを特徴とする請求項1に記
    載の起動装置。
  5. 【請求項5】 前記起動軸は、収容孔を有し、この収容
    孔内に鋼球、コイルばね及び取付ねじを収容し、前記鋼
    球が前記スリップブッシュに形成された嵌合溝に嵌合す
    ることにより前記起動軸を位置固定に保持するようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載の起動装置。
  6. 【請求項6】 前記起動装置のモータは、電気で駆動す
    るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の起動装
    置。
  7. 【請求項7】 前記起動装置のモータは、前記モータの
    回転軸に巻き付けられたロープを引いて駆動するように
    したことを特徴とする請求項1に記載の起動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007309156A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Kyosho Corp 模型エンジンの電動スタータ装置
CN100487238C (zh) * 2004-03-26 2009-05-13 京商株式会社 模型发动机起动器组件

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