JP3092977U - コーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 継ぎ合わせ部材のコーナー継ぎ合わせ組立に
おける締付けクランプ作業が容易且つ迅速に行えるよう
にすると共に、コーナーの継ぎ合わせ角度が変わっても
任意に適用し得るコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバ
イスを提供する。 【解決手段】 対向する二つのクランプ部材１，２のい
ずれか片方のクランプ部材１に左螺子穴のナット３を設
け、別方のクランプ部材２に右螺子穴のナット４を設け
て、該左螺子穴と右螺子穴のナット３，４に、片方が左
螺子５ａで別方が右螺子５ｂの螺子杆を螺合させ、螺子
杆の一端にハンドル６を取付けて螺子杆５を回すことに
より対向するクランプ部材１，２の間がガイドプレート
７にガイドされて開閉するようにしたコーナー継ぎ合わ
せ組立用クランプバイス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、木工用継ぎ合わせ部材等の端部をコーナー継ぎ合わせしてクランプ し、コーナーを組立てるためのコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイスに関す るものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

木工用継ぎ合わせ部材等の端部をコーナー継ぎ合わせしてクランプし、コーナ ーを組立てるのに使用されるクランプバイスは、従来、コーナー継ぎ合わせした 二つの継ぎ合わせ部材をそれぞれ直角方向からボルト等の螺子杆の締め付けによ り押し付けてクランプするやり方が一般的である。

【０００３】 そのために、コーナーを形成する二つの継ぎ合わせ部材を、螺子杆によりそれ ぞれ締付クランプして端部と端部を継ぎ合わせしなければならず、容易且つ迅速 に締付けクランプ作業が行えないこと、及びコーナーの継ぎ合わせ角度の変化に 応じて任意に対応できない問題点がある。

【０００４】 又、実開昭６３−４４７６９号公報には、基台上の前方部分に、支受片で任意 の開き角の鉤形をなす基材支受部を突設し、該基材支受部の鉤形に対応した開き 角をなす押圧片とからなる押圧体を押杆の前端部に設けて、押杆を前進、後退自 在で係合させるべく基台上の後方部分に押杆支受部を設けたコーナークランプが 開示されており、押杆を前進させて締め付けることにより鉤形の開き角をなす支 受片と押圧片の挾面でクランプするように構成され、支受片と押圧片のなす鉤形 の開き角度は、定まった角度で形成されていて、コーナーの継ぎ合わせ角度の変 化に応じて任意に適用し得ないこと、及び広く角張ってシンプルにできない問題 点がある。

【０００５】 よって、本考案は、上記問題点に鑑み、コーナー継ぎ合わせ組立における締付 けクランプ作業が容易且つ迅速に行えると共に、コーナーの継ぎ合わせ角度が変 化しても任意に適用し得るシンプルなコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイス を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を達成すべく、本考案は以下に記載するような手段を講じてなるコー ナー継ぎ合わせ組立用クランプバイスとするものである。 すなわち、 （１）対向する二つのクランプ部材のいずれか片方のクランプ部材に左螺子穴 のナットを設け、別方のクランプ部材に右螺子穴のナットを設けて、該左螺子穴 と右螺子穴のナットに、片方が左螺子で別方が右螺子の螺子杆を螺合させ、螺子 杆の一端にハンドルを取付けて螺子杆を回すことにより対向する二つのクランプ 部材の間がガイドプレートにガイドされて開閉するように構成されていることを 特徴とするコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイスである。 従って、ハンドルを回して螺子杆を回すことにより対向する二つのクランプ部 材が近づいたり、離れたりして開閉するので、二つのクランプ部材の間で継ぎ合 わせ部材のコーナー部を容易且つ迅速に締付けクランプできる。

【０００７】 （２）二つのクランプ部材の対向する上端部に、尖り爪が設けられていること を特徴とする前項（１）記載のコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイスであり 、クランプ部材の対向する上端部に尖り爪を設けることで、尖り爪の爪先がコー ナー部の継ぎ合わせ部材に食い込むようにしてクランプされ、挾持されると共に コーナー角度が変化しても任意に安定してクランプされる。尖り爪はクランプ部 材の上端部の両サイドに設けるのが安定した挾持を得るのに好ましい。

【０００８】 （３）左螺子穴のナットを設けたクランプ部材と右螺子穴のナットを設けたク ランプ部材のいずれか片方のクランプ部材に、ガイドプレートを螺子杆に対して 平行に延出させて設け、該ガイドプレートで別方のクランプ部材が回動しないよ うにガイドされていることを特徴とする前項（１）又は（２）記載のコーナー継 ぎ合わせ組立用クランプバイスであり、ハンドルにより螺子杆を回すことにより 、螺子杆と螺合するナットを設けたクランプ部材が回動すれば対向するクランプ 部材が開閉されないと共に、クランプ部材のクランプ部が回転方向に位置ずれす るが、上記のようにガイドプレートでガイドする手段を講ずることにより防止さ れる。

【０００９】 （４）ガイドプレートが、クランプ部材の側面と下面をガイドするＬ字状のア ングル形に形成されていることを特徴とする前項（１）乃至（３）のいずれか１ 項に記載のコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイスであり、クランプ部材の側 面と下面をガイドすることで、安定したガイドが得られると共に、アングル形に 形成することによりガイドプレートの強度が補強される。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を、実施例を示す図１及び図２に基づいて説明すると、対 向する二つのクランプ部材１，２のいずれか片方のクランプ部材１に左螺子穴の ナット３を設け、別方のクランプ部材２に右螺子穴のナット４を設けて、該左螺 子穴と右螺子穴のナット３，４に、片方が左螺子５ａで別方が右螺子５ｂの螺子 杆５を螺合させ、螺子杆５の一端（本実施例では左螺子５ａの端部）にハンドル ６を取付け固定して螺子杆５を回すことにより対向する二つのクランプ部材１， ２の間がガイドプレート７にガイドされて開閉するように構成されている。

【００１１】 そして、ハンドル６を右（矢印イ）方向に回すことにより、クランプ部材１は 矢印ロの方向へ移動し、クランプ部材２は矢印ハの方向に移動して、対向するク ランプ部材１，２の間が近づいて閉じられるため、継ぎ合わせ部材のコーナー部 を、対向するクランプ部材１，２の間に挿入すればクランプされることになる。 逆に、ナット３を右螺子穴、ナット４を左螺子穴とし、螺子杆５の左螺子５ａ を右螺子、右螺子５ｂを左螺子として螺合させれば、ハンドル６を左（矢印イと 逆）方向に回すことによりクランプされることになる。

【００１２】 クランプ部材１，２の対向する上端部には尖り爪１ａ，２ａが設けられていて 、コーナー部の継ぎ合わせ部材に食い込むようにしてクランプすることで、クラ ンプ部の傾斜により滑ることなく安定した状態で挾持されると共に、コーナー角 度が変化しても任意に安定したクランプが得られる。前記尖り爪１ａ，２ａは、 安定した挾持を得るため、クランプ部材１，２の対向する上端部の両サイドに突 設されている。

【００１３】 又、クランプ部材１，２は左螺子穴のナット３と右螺子穴のナット４を螺子杆 ５の左螺子５ａと右螺子５ｂに螺合させて、ハンドル６により螺子杆５を回すこ とにより移動してクランプ部材１，２の対向間が開閉するようにしてあるが、螺 子杆５を回すことによりナット３，４が回転してクランプ部材１，２が回動すれ ば開閉されないと共に、クランプ部材１，２のクランプ部が回転方向へ位置ずれ するから、ガイドプレート７によりガイドして二つのクランプ部材１，２のクラ ンプ部が互いに対向した状態で移動し、対向するクランプ部材１，２のクランプ 部の間が開閉されるようにしてある。

【００１４】 前記ガイドプレート７によるガイドは、左螺子穴のナット３を設けたクランプ 部材１と、右螺子穴のナット４を設けたクランプ部材２のいずれか片方のクラン プ部材１に、ガイドプレート７を螺子杆５に対して平行に延出させて設けてあり 、該ガイドプレート７で別方のクランプ部材２が回動しないようにガイドされて いる。

【００１５】 ガイドプレート７は、Ｌ字状のアングル形に形成され、図３に示すようにＬ字 状に形成された内側にクランプ部材１及びナット３の側面と下面を当てて溶接等 により固着してあり、延出端部は、図４に示すようにＬ字状に形成された内側と クランプ部材２及びナット４の側面とに僅かな隙間が保てるようにして、ナット ４の右螺子穴が螺子杆５の右螺子５ｂに螺合するようにしてある。

【００１６】 なお、前記ナット３，４は、クランプ部材１，２に溶接等により固着して取付 けられているが、一体化して形成しても良い。 又、前記ガイドプレート７は、Ｌ字状のアングル形に形成されたものに限定す るものではなく、クランプ部材２及びナット４の側面のみ或いは下面のみをガイ ドするようにした平板でも良いが、クランプ部材１，２の挾持間隔により延出長 さが長くなると、Ｌ字状のアングル形にした方が、ガイドプレートが補強されて 強度上好ましく、市販されているアングル形鋼を使用することもできる。

【００１７】 図５は、以上のようにしてなる本考案により、継ぎ合わせ部材８，９をコーナ ー継ぎ合わせして締め付けクランプした状態を示す側面図である。 ハンドル６を右（矢印イ）方向に回すことにより、螺子杆５が右回転し、螺子 杆５の左螺子５ａと左螺子穴のナット３の螺合によりクランプ部材１は矢印ロ方 向に移動し、同時に螺子杆５の右螺子５ｂと右螺子穴のナット４の螺合によりク ランプ部材２は矢印ハ方向に移動して、クランプ部材１，２の尖り爪１ａ，２ａ がコーナー部の継ぎ合わせ部材８，９に食い込むようにしてクランプされ、挾持 されている。

【００１８】 尖り爪１ａ，２ａは、コーナー部の継ぎ合わせ部材８，９に食い込むようにし てクランプされるから、継ぎ合わせ部材８，９の継ぎ合わせコーナー角度Ｋが変 化しても滑ることなく任意にクランプされると共に、ハンドル６を逆（左）方向 に回せば、クランプ部材１，２の尖り爪１ａ，２ａは継ぎ合わせ部材８，９のコ ーナー部から離れて取り外せる状態となり、容易且つ迅速に作業が行える。 クランプ部材１，２の尖り爪１ａ，２ａのクランプ位置Ｐは、継ぎ合わせ部材 ８，９の継ぎ合わせ面の範囲Ｓ以内にして、おおむね１／２〜２／３Ｓの範囲を クランプすると良い。

【００１９】

【考案の効果】

以上記述した如く、本考案は対向する二つのクランプ部材のいずれか片方のク ランプ部材に左螺子穴のナットを設け、別方のクランプ部材に右螺子穴のナット を設けて、該左螺子穴と右螺子穴のナットに、片方が左螺子で別方が右螺子の螺 子杆を螺合させ、螺子杆の一端にハンドルを取付けて回すことにより対向する二 つのクランプ部材の間がガイドプレートにガイドされて開閉するように構成され 、二つのクランプ部材の間がガイドプレートにガイドされて開閉するように構成 され、二つのクランプ部材の間で継ぎ合わせ部材のコーナー部をクランプして挾 持するようにしたものであるから、ハンドルにより一本の螺子杆を締め付けるだ けで継ぎ合わせ部材のコーナー継ぎ合わせが容易且つ迅速に行える。

【００２０】 又、尖り爪を食い込ませるようにしてクランプするから、コーナーの傾斜によ り滑ることなく確実にクランプして挾持されると共に、継ぎ合わせコーナー角度 が変わっても任意にクランプされる。

【００２１】 更に、一本の螺子杆にクランプ部材を対向させて直線状に配列した構成であり 、広く角張らずシンプルな構造にできるから、安価にできると共にクランプスペ ースが少なくて済む。 などの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の実施例を示す側断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ断面図である。

【図５】クランプした状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１，２ クランプ部材 １ａ，２ａ 尖り爪 ３，４ ナット ５ 螺子杆 ５ａ 左螺子 ５ｂ 右螺子 ６ ハンドル ７ ガイドプレート ８，９ 継ぎ合わせ部材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する二つのクランプ部材のいずれか
   片方のクランプ部材に左螺子穴のナットを設け、別方の
   クランプ部材に右螺子穴のナットを設けて、該左螺子穴
   と右螺子穴のナットに、片方が左螺子で別方が右螺子の
   螺子杆を螺合させ、螺子杆の一端にハンドルを取付けて
   螺子杆を回すことにより対向する二つのクランプ部材の
   間がガイドプレートにガイドされて開閉するように構成
   されていることを特徴とするコーナー継ぎ合わせ組立用
   クランプバイス。
2. 【請求項２】 二つのクランプ部材の対向する上端部
   に、尖り爪が設けられていることを特徴とする請求項１
   記載のコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイス。
3. 【請求項３】 左螺子穴のナットを設けたクランプ部材
   と右螺子穴のナットを設けたクランプ部材のいずれか片
   方のクランプ部材に、ガイドプレートを螺子杆に対して
   平行に延出させて設け、該ガイドプレートで別方のクラ
   ンプ部材が回動しないようにガイドされていることを特
   徴とする請求項１又は請求項２記載のコーナー継ぎ合わ
   せ組立用クランプバイス。
4. 【請求項４】 ガイドプレートが、クランプ部材の側面
   と下面をガイドするＬ字状のアングル形に形成されてい
   ることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１
   項に記載のコーナー継ぎ合わせ組立用クランプバイス。