JP3092393U - 持ち手部を備えた風呂敷 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の風呂敷は、方形の布地の各角部を相互
に結んで、その結び目を掴んで持ち運びするものであっ
たため、手に提げて持ち運びすることができないという
問題があった。また、巾着は、袋物であって口のサイズ
や形状が特定されるため、一種類の巾着で、例えば弁当
箱とペットボトルのような形状が全く異なる物に適用す
ることは、困難であった。 【解決手段】 風呂敷Ｆの対角二箇所に輪状の持ち手部
１ａ及び１ｂを設けた構成の風呂敷Ｆを用いる。 【効果】 角Ａと角Ｄを結び合わせ、次に角Ｂ及び角Ｃ
を結び合わせると、二つの輪状の持ち手部１ａ及び１ｂ
は、風呂敷Ｆの中央部に位置して、手提げ紐として使用
できるようになる。そのため、風呂敷Ｆを用いれば、包
む物の形状を問わない風呂敷でありながら、巾着のよう
に手に提げて持ち運びすることが可能となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば弁当箱やペットボトル等を包んで、手に提げて持ち運びする のに便利な、持ち手部を備えた風呂敷に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の風呂敷は、方形の布地で構成されており、その布地の各角部を相互に結 んで、衣類、書籍、瓶類等を包み、結び目を手で掴んで持ち運びするものであっ た。また、従来の風呂敷は、例えば綿、ポリエステル等の素材からなる比較的薄 手の布地を使用したものであった。

【０００３】 また、従来、主に日用身回品の携帯用として巾着が用いられている。巾着は、 口の部分に紐を取り付けた袋物であって、その紐は、口のサイズを調整すると共 に、手提げ紐としての機能も有するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の風呂敷は、方形の布地の各角部を相互に結んだ ときの結び目を掴んで持ち運びする必要があるため、手提げ紐を備えた巾着と比 較すると、手に提げて携帯したり、フックに吊るしたりすることができないとい う点で、不便という問題があった。

【０００５】 一方、巾着は、日用身回品等の小物を入れて携帯するのには適しているが、袋 物であって、口のサイズや袋の形状が特定されるため、一種類の巾着で、例えば 弁当箱とペットボトルのような形状が全く異なる物に適用することは、困難であ った。

【０００６】 また、従来の風呂敷は、例えば綿、ポリエステル等の素材からなる比較的薄手 の布地で構成されているため、例えば弁当箱を包むのに使用しても、弁当箱の温 度の上昇を遅らせて鮮度を保つ保冷効果は得られず、保冷剤等を多用しなければ ならないという問題があった。また、逆に、例えば熱いお茶が入ったペットボト ルを包むのに使用しても、お茶の温度を保つ保温効果は得られなかった。

【０００７】 本考案は上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば弁当箱と ペットボトルのような形状が全く異なる物であっても、双方包むことが可能で、 しかも、手に提げて持ち運びすることができる風呂敷を提供することを目的とし ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案に係る風呂敷は、風呂敷の対角二箇所に 輪状の持ち手部を設けた構成としている。そして、このようにすることで、本考 案に係る風呂敷は、持ち手部を設けた二箇所の角部を結び合わせた際に、二つの 輪状の持ち手部が手提げ紐として機能するため、包む物の形状を問わない風呂敷 でありながら、巾着のように手に提げて持ち運びすることが可能となる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案に係る風呂敷は、風呂敷の対角二箇所に輪状の持ち手部を設けた構成で ある。ここで、持ち手部は、例えば偏平紐、丸紐等で構成することができ、その 材質は特に限定されない。また、紐に限らず、例えば合成皮革等で構成しても良 い。

【００１０】 また、風呂敷自体の素材も、特に限定するものではなく、例えば綿、ポリエス テル等の所望の素材を用いることができる。 しかし、衣類等を包むのであれば、上記の通りの構成で十分であるが、例えば 弁当箱やペットボトル等の飲食物が入った容器を包むことも想定すると、保温機 能と保冷機能の双方を兼ね備えたものであることが望ましい。

【００１１】 そこで、本考案の風呂敷では、風呂敷の中央部に、保温保冷用シートを取り付 る方がより望ましい。このようにすれば、風呂敷の外側から内側へ、あるいは内 側から外側への熱の移動が可及的に遮られるから、熱い夏の季節でも弁当の鮮度 を極力保ったり、ペットボトル入りの熱いお茶の温度を長く保つこと等ができる からである。

【００１２】 なお、ここで、保温保冷用シートとは、布に断熱効果のある樹脂の成分を塗布 して樹脂加工したシートであり、一般に市販されているものである。そして、こ の保温保冷用シートは、例えばその周囲を風呂敷と縫合することで、風呂敷の中 央部に取付けることができる。

【００１３】 また、本考案に係る風呂敷において、持ち手部を風呂敷の対角二箇所に取り付 ける手段は、特に限定をするものではなく、どのような方法を用いて接合しても よい。 しかし、持ち手部と風呂敷の接合部には、風呂敷の中に包む物の全重量がかか るため、その重量に耐えられるだけの強度が求められる。

【００１４】 そこで、本考案に係る風呂敷では、持ち手部を設けた風呂敷の角部には、補強 布を取り付ける方がより望ましい。このようにすれば、持ち手部と風呂敷の接合 部の強度が増し、より重い物を包むことができるからである。

【００１５】

【実施例】

以下、本考案の風呂敷を、図１〜図３に示す実施例に基いて説明する。 図１は、本実施例の風呂敷の説明図であって、（ａ）は、物を包む際に内側と なる面を、（ｂ）は、外側となる面を表している。また、図２は、本実施例の風 呂敷の使用例を説明する図であって、（ａ）は、持ち手部を取付けた風呂敷の角 部を結び合わせる前の状態を、（ｂ）は、結び合わせ後の状態を表している。ま た、図３は、本実施例の風呂敷の他の使用例を説明する図であって、（ａ）は、 持ち手部を取付けた風呂敷の角部を結び合わせる前の状態を、（ｂ）は、結び合 わせ後の状態を表している。

【００１６】 図１に示す実施例の風呂敷Ｆは、例えば弁当箱と５００ｍｌサイズのペットボ トルの双方を包むことができるように、綿製の布地を、５３ｃｍ四方の大きさに 形成したものである。本実施例では、風呂敷Ｆの角Ａ〜Ｄのうち、対角に位置す る角Ｂと角Ｃの部分に、丸紐を輪状にして取付けた持ち手部１ａ及び１ｂを設け ている。

【００１７】 また、本実施例の風呂敷Ｆは、物を包む際に内側となる面の中央部に、図１（ ａ）に示すように、断熱効果を有する樹脂を塗布して樹脂加工した正方形状の保 温保冷用シート２を、その周囲を縫合することによって取り付けている。このよ うにしたので、風呂敷Ｆの外側から内側へ、あるいは内側から外側への熱の移動 は、保温保冷用シート２によって可及的に遮られるから、熱い夏の季節でも弁当 の鮮度を極力保ったり、ペットボトル入りの熱いお茶の温度を長く保つこと等が できる。

【００１８】 また、持ち手部１ａを取付けた風呂敷の角Ｂには、図１（ａ）に示すように、 風呂敷本体よりもやや厚手の布地で構成した三角形状の補強布３ａを、また、そ の裏面にも、図１（ｂ）に示すように、補強布３ｃを取り付けて縫合している。 このようにしたので、本実施例の風呂敷Ｆでは、持ち手部１ａを取付けた接合部 は、風呂敷Ｆの表裏面から補強布３ａ及び３ｃで補強されるため、十分な強度が 得られる。また、持ち手部１ｂに関しても同様に、表裏面に補強布３ｂ及び３ｄ を取り付けて、接合部の強度を増している。

【００１９】 次に、図１及び図２を用いて、本実施例の風呂敷Ｆの使用方法について説明す る。本実施例の風呂敷Ｆでは、先ず、保温保冷用シート２を取付けた図１（ａ） に示す面の中央に例えば弁当箱等を置き、角Ａと角Ｄを結び合わせる。図２（ａ ）は、その状態を表したものである。

【００２０】 そして、次に、持ち手部１ａ及び１ｂを設けた角Ｂと角Ｃを結び合わせると、 図２（ｂ）に示すように、二つの輪状の持ち手部１ａ及び１ｂは、風呂敷の中央 部に位置して、手提げ紐として使用できるようになる。そのため、本実施例の風 呂敷Ｆを用いれば、風呂敷Ｆに包んだ弁当箱等を、巾着のように手に提げて持ち 運びすることが可能となる。

【００２１】 一方、５００ｍｌサイズのペットボトルを包む場合の使用方法は以下のように なる。先ず、図３（ａ）に示すように、ペットボトルＰを、持ち手部を設けた角 Ｂと角Ｃを結ぶ対角線上の角Ｂ寄りの位置に置き、角Ａと角Ｄの部分をペットボ トルＰの側面に巻きつける。なお、このとき、保温保冷用シート２を取付けた面 が内側となるようにしている。

【００２２】 次に、図３（ａ）の状態から、持ち手部１ｂを設けた角Ｃの部分を、持ち手部 １ａを設けた角Ｂ側に持って行き、角Ｂと角ＣをペットボトルＰの飲口部付近で 結び合わせると、図３（ｂ）に示すように、二つの輪状の持ち手部１ａ及び１ｂ は、ペットボトルＰの飲口部付近に位置して、手提げ紐として使用できるように なる。そのため、本実施例の風呂敷Ｆを用いれば、風呂敷Ｆに包んだペットボト ルＰを、手に提げて持ち運びしたり、フック等に吊るしたりすることが可能とな る。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る風呂敷は、風呂敷の対角二箇所に輪状の持 ち手部を設けた構成としたため、持ち手部を設けた二箇所の角部を結び合わせた 際に、二つの輪状の持ち手部を手提げ紐として用いることができる。従って、包 む物の形状を問わない風呂敷でありながら、巾着のように手に提げて持ち運びす ることが可能となる。

【００２４】 また、風呂敷の中央部に、保温保冷用シートを取付けた構成の本考案に係る風 呂敷を用いれば、弁当の鮮度を保ったり、ペットボトル入りの熱いお茶の温度の 極力保ったりすることができる。加えて、持ち手部を設けた角部に補強布を取付 けた構成の本考案に係る風呂敷を用いれば、例えばおせち料理が入った重箱等、 ある程度の重量がある物についても十分対応することができ、利用範囲が広がる という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の風呂敷の説明図であって、（ａ）
は、物を包む際に内側となる面を、（ｂ）は、外側とな
る面を表している。

【図２】本実施例の風呂敷の使用例を説明する図であっ
て、（ａ）は、持ち手部を取付けた風呂敷の角部を結び
合わせる前の状態を、（ｂ）は、結び合わせ後の状態を
表している。

【図３】本実施例の風呂敷の他の使用例を説明する図で
あって、（ａ）は、持ち手部を取付けた風呂敷の角部を
結び合わせる前の状態を、（ｂ）は、結び合わせ後の状
態を表している。

【符号の説明】

Ｆ 風呂敷 １ａ 持ち手部 １ｂ 持ち手部 ２ 保温保冷用シート ３ａ 補強布 ３ｂ 補強布 ３ｃ 補強布 ３ｄ 補強布

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 風呂敷の対角二箇所に輪状の持ち手部を
   設けたことを特徴とする風呂敷。
2. 【請求項２】 風呂敷の中央部に、保温保冷用シートを
   取り付けたことを特徴とする請求項１記載の風呂敷。
3. 【請求項３】 前記持ち手部を設けた風呂敷の角部に、
   補強布を取り付けたことを特徴とする請求項１又は２記
   載の風呂敷。