JP3092089B2 - 耐チッピング塗膜 - Google Patents

耐チッピング塗膜

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JP3092089B2 JP03283139A JP28313991A JP3092089B2 JP 3092089 B2 JP3092089 B2 JP 3092089B2 JP 03283139 A JP03283139 A JP 03283139A JP 28313991 A JP28313991 A JP 28313991A JP 3092089 B2 JP3092089 B2 JP 3092089B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のタイヤハウ
ス、床裏などに塗布され、塩化ビニルプラスチゾルから
形成された耐チッピング塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のタイヤハウス、床裏など
には飛び石による損傷を防止する目的で耐チッピング塗
料が塗布されている。この耐チッピング塗膜は、十分な
耐チッピング性を得るためには0.8〜1.0mmと厚く
塗布する必要があるが、反面重量増という問題を招いて
いる。
【0003】この耐チッピング塗膜を軽量化するため
に、塗膜の比重を小さくする方法が提案されている。た
とえば、特公平1−16870号公報には、塩化ビニル
プラスチゾル系の耐チッピング塗料の充填剤成分のうち
0.5〜5重量%をプラスチック中空状充填剤に置き換
えた耐チッピング塗料の開示がある。この場合、軽量化
しない塗膜と同じ膜厚では耐チッピング性が低くなるの
で、同程度の耐チッピング性を保持するためには1.5
倍以上の膜厚とすることが必要となり軽量化した効果が
低減されるという不具合がある。また、エアレススプレ
ーなどで塗装すると中空充填剤が破壊される場合もあ
る。
【0004】低沸点溶剤を内包したカプセルタイプ、ニ
トロソ化合物、アゾジカルボンアミドなどのアゾ化合
物、スルフォニルヒドラジッド化合物等の公知の発泡剤
を用いて塩化ビニルプラスチゾル系の発泡塗膜を形成す
る耐チッピング塗料が開示されている(特開昭64−2
9472号公報)。しかし、この種の発泡剤は、生成さ
れる発泡粒径の制御が困難となり、形成される気泡は数
10〜数100μmの範囲の大小粒径で混在する状態と
なる。このため発泡塗膜は耐チッピング性能のばらつき
が大きくなるという不具合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、均一で優れた耐チッピング性を
有する軽量の耐チッピング塗膜とすることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の耐チッピング塗
膜は、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、充填剤を主成分とす
る塩化ビニルプラスチゾル組成物から形成され、熱によ
り分解発泡する固体発泡剤が樹脂被膜で被覆されたカプ
セル化発泡剤の発泡で形成され発泡粒径が20〜200
μmの範囲の発泡気泡をもつことを特徴とする。本発明
の耐チッピング塗膜は、塩化ビニルプラスチゾル塗料に
カプセル化発泡剤を配合し、前記塩化ビニルプラスチゾ
ル塗料を塗布基板に塗布後の焼付け条件で前記カプセル
化発泡剤を発泡させて形成されている。この発泡条件で
形成された発泡は発泡粒径の分布範囲が狭く均一な発泡
塗膜となり耐チッピング性のバラツキが防止できる。こ
れは、発泡剤が樹脂被膜でカプセル化されていること
で、焼付け発泡時にカプセル被膜内で発泡剤が発泡し
生成された発泡気体がカプセル被膜内部および周囲の塩
化ビニル樹脂マトリックスに閉じ込められて飛散しない
ので、比較的均一な発泡気泡をもつ発泡塗膜が形成でき
るからである。
【0007】本発明に使用される塩化ビニル系樹脂とし
ては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのホモ
ポリマーや、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン
などの共重合体を挙げることができ、これらは単独もし
くは併用して用いてもよい。可塑剤としてはジイソノニ
ルプタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(D
OP)などのが使用でき、これらの可塑剤は塩化ビニル
樹脂の溶融性を向上させ充填剤を被覆して塗膜の物性を
向上させることができる。また塩化ビニルプラスチゾル
組成物のゾルの粘度安定性をより高めるためにジメチル
シクロヘキシルフタレート(DMCHP)を上記の可塑
剤に併用することが好ましい。
【0008】充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、タルク、カーボンブラック、シリカなどが
使用でき、特に炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。
カプセル化発泡剤は、アゾジカルボンアミド、アゾビス
ブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、4,4’−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラ
ジドなどの熱で分解する固体状の発泡剤を用い、アクリ
ロニトリル、塩化ビニリデン、ポリプロピレン、シリコ
ンなどの樹脂被覆膜で前記発泡剤の一定量を被覆内蔵さ
せてカプセル化したものである。そして塗膜の焼付け時
の温度で発泡剤が被覆膜の内部で発泡して均一で微細な
発泡気泡を形成することができる。該発泡気泡の大きさ
はカプセル内に内蔵される発泡剤の量により左右され
る。なお、他に低沸点の溶剤をカプセル化したものがあ
るが、この溶媒をカプセル化したものは、発泡時に溶剤
が飛散して環境雰囲気を悪化させるたり、急激に発泡す
るので発泡気泡の粒径のばらつきが大きくなるので好ま
しくない。
【0009】この塗料には接着付与剤を添加して、被着
面に塗膜の接着性を高めることができる。接着付与剤と
しては、ブロックイソシアネートなどが利用できる。
【0010】
【作用】本発明の耐チッピング塗膜は、塩化ビニルプラ
スチゾル塗料にカプセル化発泡剤を配合して塗布後焼付
け時に発泡させて発泡塗膜を形成している。この発泡剤
は皮膜に被覆されているため発泡条件が制御できるので
発泡粒径のばらつきが少なくなり均一な発泡塗膜が形成
できる。このため発泡状態が均一な塗膜であるので、耐
チッピング性のばらつきが少なくなる。すなわち、発泡
粒径が大きい部分では耐チッピング性が低く、発泡粒径
が小さい部分では耐チッピング性は高くなりるが、発泡
状態が均一であるため耐チッピング性が均一となる。そ
して発泡塗膜であるので軽量となり、かつ気泡の周囲は
弾性のある塩化ビニル系塗膜で形成されているため小石
などの衝突によっても気泡の弾性変形により衝撃を吸収
する。したがって、それ程厚く塗布しなくても耐チッピ
ング性に優れている。
【0011】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1) 塩化ビニル系樹脂100重量部、可塑剤ジイソノニルフ
タレート(DINP)80重量部、ジメチルシクロヘキ
シルフタレート(DMCHP)20重量部、充填剤の炭
酸カルシウム40重量部、カプセル化発泡剤3重量部、
接着付与剤10重量部とを混合して塩化ビニルプラスチ
ゾル塗料を作製した。ここでカプセル化発泡剤は4,
4’ーオキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジドから
なる発泡剤をシリコン樹脂被膜で被覆してカプセル化さ
れたものであり、カプセル化発泡剤の粒径は60μm以
下である。
【0012】この塗料を後述するように塗布して実施例
1の塗膜とした。 (実施例2)実施例1においてカプセル化発泡剤の量を
6重量部とした他は同じ組成で塩化ビニルプラスチゾル
塗料を作製し、同様に塗膜を形成した。 (比較例1)実施例1において発泡剤を低沸点溶剤内包
のカプセルタイプを3重量部用いた他は同じ組成で塩化
ビニルプラスチゾル塗料を作製し、同様に塗膜を形成し
た。 (比較例2)実施例1において発泡剤としてアゾジカル
ボンアミドを3重量部用いた他は同じ組成で塩化ビニル
プラスチゾル塗料を作製し、同様に塗膜を形成した。 (比較例3)実施例1において発泡剤としてアゾジカル
ボンアミドを6重量部用いた他は同じ組成で塩化ビニル
プラスチゾル塗料を作製し、同様に塗膜を形成した。
【0013】以上の各5種の塗料について以下の評価を
おこなった。結果を表1に示す。比重は塗料自身の比重
と、エアレスポンプ、エアレススプレーガン、ノズルチ
ップをもつ塗装装置を用いて吐出圧150kg/cm2
で塗布焼付け(焼付け条件は120℃×20分)後の塗
膜の比重を測定した。発泡粒径は、10cm×10cm
のパネルに厚さ0.1cmに塗布し、120℃で30分
焼付け後の塗膜をナイフでカットし発泡粒径の最大と最
小の粒径を測定した。
【0014】耐チッピング性は、カチオン電着塗装を施
した鋼板に耐チッピング塗料を塗布し(焼付け後の膜厚
が1000μmになるように)120℃×20分焼付け
したものをテストパネルとした。このテストパネルを3
0°の角度にセットし、垂直に立てた20mmφで長さ
2mの塩化ビニルパイプを用いてパイプの上端からJI
S B1181に定められた3種M−4ナットを落下さ
せテストパネルの素地が露出するまでのナットの総重量
を調べた。3枚のテストパネルについてそれぞれ測定し
てそのばらつきを比較した。評価としては最小値が60
kg以上を○とし、それ以下のものを×とした。
【0015】
【表1】
【0016】結果、比重が1.3前後の塗料が焼付け後
は発泡により1.00前後の比重となり軽量化してい
る。発泡粒径は実施例1、2では20〜160μmと狭
い分布範囲を示しているが、カプセル化発泡剤でない比
較例2、3では分布範囲が30〜400μmと大小の粒
径のものが存在している。また比較例1の溶剤型のカプ
セル化発泡剤も分布範囲が広い。このため耐チッピング
性は実施例ではいずれも60kg以上でばらつきが少な
いが、比較例では60kgを超えるものや40kg前後
の低いものがありばらつきが大きい。
【0017】したがって、カプル化発泡剤を使用するこ
とにより発泡粒径の分布が小さく均一の発泡塗膜が形成
でき、軽量で耐チッピング性のばらつきの少ない耐チッ
ピング塗膜が形成できる。
【0018】
【発明の効果】したがって、本発明の耐チッピング塗膜
によれば、比重が小さくかつそれ程厚膜としなくてもば
らつきがなく十分な耐チッピング性がえられるので軽量
化の効果が絶大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 127/06 C09D 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂、可塑剤、充填剤を主成
    分とする塩化ビニルプラスチゾル組成物から形成され、
    熱により分解発泡する固体発泡剤が樹脂被膜で被覆され
    カプセル化発泡剤の発泡で形成され発泡粒径が20〜
    200μmの範囲の発泡気泡をもつことを特徴とする耐
    チッピング塗膜。
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