JP3091848U - 低周波治療器の皮膚接触電極体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 体の部位の形状に適合するように自由に変形
でき、又、丸洗い洗濯が容易で、極めて衛生的である。 【解決手段】 布製の袋１ａの内部に、軽量プラスチッ
クの粒状体１ｂを充填してなる柔軟な枕状の電極保持体
１と、この保持体１の表面に取り付けた導電布帛からな
る皮膚接触電極部２と、この電極部に低周波電流を導く
ための端子部３とを一体に組み合わせた。粒状体１ｂ
は、大きさが２〜６ｍｍの小さなペレット状であり、導
電布帛は、伸縮性のある布地に、化学繊維に銀メッキコ
ーティングしてなる導電性繊維を織り込んでなる布帛で
あることが好ましい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、低周波治療器の皮膚接触電極体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

低周波治療器は、人体の皮膚表面やつぼの部分を、１〜４０００Ｈｚの低周波パ ルスで刺激を与えるものであって、痛みや血行障害の治療に広く使われている。 低周波治療器は、発信器と増幅器とで構成されている低周波治療器本体（以下、 通電器という）と、皮膚に低周波パルスを通電するための皮膚接触電極体とから なる。この電極体は、様々な種類のものがある。例えば、金属製の剛体からなる 電極体は、皮膚との密着性が劣っているため、導電性の高いゲルや、水で濡らし たガーゼ等を電極体表面に巻き付けることによって密着性を高め、皮膚の電器抵 抗を下げ、電流を流し易くしている。又、炭素ゴムなどの導電性ゴム質平板で構 成した電極体も多用されている。この電極体は、比較的柔軟な形状であるので、 皮膚との密着性に優れており、粘着テープで簡単に固定することが可能である。 近年、更に粘着性の強い導電性ゲルが開発され、優れた導電性及び粘着性を持つ ため、汎用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記の電極体は、種々の問題を有している。例えば、導電性ペー ストを用いるため皮膚にアレルギー症状を生じ易い。又、炭素ゴム製の平板電極 は、洗濯・洗浄することが困難であるため清潔性に欠けるという問題がある。更 に、粘着性の強い導電性ゲルを使用することは、取り付けに手間がかかる外、前 記アレルギー問題も起こり得る。更に、足の裏や手のひらなど凹んだ部分には密 着性が悪く、貼り付ける際に強い冷気を感じ、又電極が古くなるとダストや角質 などの不純物が混入し、導電性を阻害するなどの問題がある。

【０００４】 そこで、本考案は、前記の問題点に鑑み、特に手のひらや足の裏のつぼの刺激に 好適な電極保持体の新規な構成を提供したもので、併せて前述の問題点を解決す るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の皮膚接触電極体は、布製の袋の内部に、軽量プラスチックの粒状体を充 填してなる柔軟な枕状の電極保持体と、この保持体の表面に取り付けた導電布帛 からなる皮膚接触電極部と、この電極部に低周波電流を導くための端子部とを一 体に組み合わせたことを特徴とする。

【０００６】 前記粒状体は、大きさが２〜６ｍｍからなる小さなペレット状であることが好ま しい。

【０００７】 又、前記電極保持体は、携帯性を備えた嵩高の偏平状立体であって、高さ２〜６ ｃｍ、幅５〜１０ｃｍ、長さ１０〜１５ｃｍであることが好ましい。

【０００８】 更に、前記導電布帛は、伸縮性のある布地に、繊維に銀メッキコーティングして なる糸を織り込んだ布帛であることが好ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面に基づき、本考案の一実施例を詳細に説明する。

【００１０】 図１は、本考案に係る低周波治療器の皮膚接触電極体（以下、電極体という）の 第１実施例の説明図である。この図において、Ａは外観斜視図を、Ｂは一部破断 正面図を示す。１は、本考案で提供される電極保持体の一例で、柔らかい布地の 袋１ａの内部にナイロン製の小さな粒状体１ｂ、例えば、直径４ｍｍ程度の粒状 体を、袋全体の形状が接触する皮膚面の形状に沿って自由に変形できる程度に充 填したもので、換言すれば小形の枕のようなものや、嵩高の構造体である。２は 、布地袋の表面の一部に逢着した導電性布帛からなる皮膚接触電極部（以下、電 極部という）で、３は、この電極部２に低周波パルスの給電線１１を接続する端 子部である。

【００１１】 この電極体は、皮膚に接触して使用するものであるため、全体的に抗菌性を有す ることが好ましく、且つ湾曲した皮膚面に対しても、これに馴染んで密着できる よう柔軟性を有するものである。そのため、袋１ａは、抗菌性・伸縮性のある糸 で形成したニット地が望ましい。

【００１２】 ナイロン製の粒状体１ｂは、その表面に大気中の水分を凝結保持する機能を持つ ので、その比較的大きい表面積効果によって、適度な水分を袋１ａ内に保持する ことができる。この保水効果は、電極体に適切な湿度環境をつくり、電極体が皮 膚に接触した際、皮膚の電器抵抗を下げることができる。更に、電極体は、べた つかなく、且つ洗濯することができるため衛生的にも優れている。

【００１３】 袋１ａ表面に縫着した電極部２は、伸縮性のある布地に、ナイロン繊維に銀メッ キをコーティングしてなる銀メッキ糸を織り込んだ布帛である。この銀メッキ糸 は、高い導電性を有しており、皮膚に密着した際の衛生性や温感作用に優れてい るため、皮膚に接触して使用する電極体にとして好ましい。導電性繊維としては 、ポリエステル製繊維に銀を被覆したもの、アクリル繊維、アラミド繊維などに 流化銅を結合させたものなどが利用できる。

【００１４】 給電線１１の一端を端子部３に、他端を通電器（図示略）の陽極部と陰極部に接 続し、この通電器から低周波のパルス電流を送ることにより、電極部２全面に電 流を流すことができる。この通電器は、電流値を設定する機能や、電流の変化パ ターンを設定する機能を有するものが好ましく、使用者の要求に応じて電流値や 電流パターンを設定する。

【００１５】 本実施例の電極体は、足裏のつぼに刺激を与える通電用であるため、その形状は 、高さＨが３．５ｃｍ、幅Ｗが４ｃｍ、長さＬが１２ｃｍである。

【００１６】 図２は、電極体の第２実施例の説明図である。Ａは外観斜視図を、Ｂは一部破断 側面図を示す。前記した第１実施例の電極体は、電極保持体１の上面側の一方面 だけに電極部２を縫着したものであるのに対し、この実施例の電極体は、電極保 持体１の上下面に夫々の電極部２，２’を縫着したものである。即ち、本実施例 では、一の電極体を片手で握って使用するため、一つの電極保持体１に比較的大 きな２つの電極部２，２’を縫着して、一方の電極部２から電流を手のひらを通 して、他方の電極部２’に流すことにより、手のひらの血行促進を図るものであ る。

【００１７】 本実施例の電極体は、手のひらのつぼに刺激を与えるためのものであるため、そ の形状は、片手で握れる程度の大きさ、例えば、タバコサイズのもので、高さＨ が３．５ｃｍ、幅Ｗが４ｃｍ、長さＬが１２ｃｍである。

【００１８】 図３は、電極体の第３実施例の説明図で、前記と同様、Ａは外観斜視図を、Ｂは 一部破断側面図を示す。この実施例の電極体は、電極保持体の上面の両肩部に一 対の電極部２，２’を縫着している。この実施例では、一個の電極体の上に腕や 背中などを載せて使用するため、一方の電極部２から腕などを通じて他方の電極 部２’に電流が流れる。

【００１９】 この電極体は、比較的広範囲な人体の部分に使用するため、その形状は、高さＨ が３ｃｍ、幅Ｗが５ｃｍ、長さＬが１２ｃｍである。

【００２０】 次に、電極体の使用態様について、図４〜６に基づいて説明する。図４は第１実 施例の使用状態を、図５は第２実施例の使用状態を、図６は第３実施例の使用状 態を示す。

【００２１】 先ず、図４は、第１実施例の電極体を用いて足の裏（土踏まず）のつぼを刺激す る例であって、電極部２が上方に向くように２つの電極体を床に置き、夫々の電 極体に片足Ｆづつ載せる。その際、足Ｆの裏のつぼに、電極部２が接触するよう に足Ｆを置く。そして、通電器から一方の電極部２に電流を流すことにより、一 方の足Ｆから他方の足Ｆに電流が流れ、その後、他方の電極部２を通じて通電器 に流れることによって、足Ｆのつぼを効果的に刺激し、血行の改善を図ることが できる。

【００２２】 次に、図５は、第２実施例の電極体を用いて手のひらに刺激を与える例を示す。 この図に示すように、電極体を電極部２が手Ｈのひらに接触するように握る。即 ち、一方の電極部２から、手Ｈのひらを介して他方の電極部２’に電流を流すこ とにより、手のひらの血行を改善する。

【００２３】 図６は、第３実施例の電極体を腕に使用する例を示す。先ず、電極体の電極部２ ，２’が上方に向くように置き、その上に腕Ａを載せ、通電器から電流を流すこ とにより、前記した第２実施例のように腕Ａに電流が流れ、腕の筋肉痛や疲労回 復を図る。

【００２４】 図２のもの、図６のものは又、腕のひじの内側に腕を曲げて挟みこんだり、脚の 膝の裏側に挟み込んだりして、ひじや膝の裏側の筋肉のマッサージ効果に利用す ることもできる。

【００２５】 以上、実施例では、特定の人体の部位に使用する例について説明したが、他の部 位、例えば、お腹や腰、膝等にも適宜適応できることは当然である。その際、電 極保持体１の形状寸法や、電極部２の配置等を適宜設計変更できることも言うま でもない。

【００２６】 使用する際、スプレー等で電極体に水を噴霧して保持体１を保水することによっ て、電流を流す際の電気抵抗が少なくし、効果的に通電・治療を行うことができ る。

【００２７】

【考案の効果】 本考案の電極体は、体の部位の形状に適合するように自由に変形できるので、マ ッサージ効果が飛躍的に向上する外、電極保持体の主体がプラスチック粒子であ るため、丸洗い洗濯が容易であり、極めて衛生的である。又、アレルギー体質の 人でも発症の恐れは全く無いなど、低周波治療器の電極体として実用性に優れて いる。更に本考案の電極体は、自由に変形できるプラスチック粒子の集合体を電 極保持体としたので、空気中の水分が適度にこの粒子表面に保持されることにな り、これが布電極の通電性を高めるので、パルス通電効果も優れている。又、こ の考案の電極体を足の裏やふくらはぎなどにゆるく取付けたり、背中に当てたま まで就寝すれば、微弱なパルス刺激の供給によって安らかな睡眠が得られ、熟睡 効果も得られる。勿論、パルス通電はタイマーなどで自動切断できるようにして もよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】電極体の第１実施例の説明図を示す。

【図２】第２実施例の説明図を示す。

【図３】第３実施例の説明図を示す。

【図４】第１実施例の電極体を足の裏に使用する例を示
す。

【図５】第２実施例の電極体を手のひらに通電する例を
示す。

【図６】第３実施例の電極体を腕に使用する例を示す。

【符号の説明】

１ 電極保持体 １ａ 袋 １ｂ 粒状体 ２ 皮膚接触電極部 ３ 端子部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 布製の袋の内部に、軽量プラスチックの
   粒状体を充填してなる柔軟な枕状の電極保持体と、この
   保持体の表面に取り付けた導電布帛からなる皮膚接触電
   極部と、この電極部に低周波電流を導くための端子部と
   を一体に組み合わせたことを特徴とする低周波治療器の
   皮膚接触電極体。
2. 【請求項２】 前記粒状体は、大きさが２〜６ｍｍの小
   さなペレット状であることを特徴とする請求項１に記載
   の低周波治療器の皮膚接触電極体。
3. 【請求項３】 前記電極保持体は、携帯性を備えた嵩高
   の偏平状立体であって、高さが２〜６ｃｍ、幅が５〜１
   ０ｃｍ、長さが１０〜１５ｃｍであることを特徴とする
   請求項１又は２に記載の低周波治療器の皮膚接触電極
   体。
4. 【請求項４】 前記導電布帛は、伸縮性のある布地に、
   化学繊維に銀メッキコーティングしてなる導電性繊維を
   織り込んでなる布帛であることを特徴とする請求項１〜
   ３のいずれかに記載の低周波治療器の皮膚接触電極体。