JP3091070U

JP3091070U - 携帯充電器

Info

Publication number: JP3091070U
Application number: JP2002003799U
Authority: JP
Inventors: 年弘篠崎; 尚湯川
Original assignee: 株式会社トライ; 株式会社ミツコシシステム
Priority date: 2002-05-21
Filing date: 2002-05-21
Publication date: 2003-01-17
Anticipated expiration: 2008-05-21

Abstract

(57)【要約】【課題】電気二重層コンデンサーに蓄電したエネルギ
ーを、携帯電話の電池に移し変えるのに、リニアーの定
電流回路では、５０％程度しか、移し変えることが出来
なかった。【解決手段】リニアーに替えて、スイッチング方式の
昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータにすることで、９０％以上
の移転が可能になった。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、電解コンデンサーと較べて、数万倍の容量をもつスーパーキャパシターの電気二重層コンデンサーに、以下ＳＣと呼ぶ、ＡＣアダプターによって、電気を蓄えて、持ち運び、必要に応じて、携帯電話機の電池を補充電する充電器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

本考案のように、ＳＣをエネルギー貯蔵の中間媒体とし、携帯電話機の電池にエネルギーを移し変える構想は過去にあった。然し、これ等は何れも、ＳＣから電話機へ移す手段として、リニアーの定電流回路を用いていたので、ＳＣの電圧が６Ｖの場合、電話機へ充電を始めると、電圧は降下し、電話機の電池の電圧は、３．７Ｖであるので、４Ｖ当たりまでは有効にエネルギーは移ってゆくが、それ以下は難しい欠点があった。これでは、エネルギーの有効利用率は、５５．５％と低くかった。これは、１−（４Ｖ^２÷６Ｖ^２）＝０．５５５の式から求められる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案では、ＳＣからエネルギーを電気ポンプの様なもので、汲み上げる構想を思い立った。これには電気ポンプとして昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータが適しており、ＳＣから、９０％以上のエネルギーが有効に汲み上げられることも分かった。

【０００４】現行のＳＣは、単体で、印加電圧ｍａｘ３Ｖ、容量は５０Ｆあり、Ｆはファラッド、第１，及び４図のように、２個並列に使用すると、印加電圧はｍａｘ３Ｖ、容量は１００Ｆになる。また、第２及び３図（１）のように、２個直列に使用すると、印加電圧はｍａｘ６Ｖ、容量は２５Ｆになる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の請求項１では、ＳＣを２個並列、及び２個直列に接続し、これから昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータにより、エネルギーを汲み上げ６Ｖに昇圧して、携帯電話機内の電池を充電するようにする。第１図参照

【０００６】請求項２では、ＳＣを２個直列に接続し、ＳＣの電圧は６Ｖで、ＳＣから逆流防止ダイオードＤ２を通して、直接、電話機の電池に落として充電し、電圧が４Ｖまで降下したら、昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータを動作させ６Ｖに昇圧して、残りを、同じように、充電するようにする。第２図参照

【０００７】携帯電話の利用者は、常に、電池の残量に気を配っているが、夜間、充電しておくのを忘れることがある。斯様な場合、例えば、２個並列、１００ＦにしたＳＣを，ＡＣアダプターにより３Ｖの電圧値に蓄電しておけば、蓄電は２−１０分で完了するので、朝食を取っている間に完了して、出勤に間に合う。市販の充電器では、数時間かかり間に合わない。そして、通勤途中、鞄の中で携帯電話機に接続して、電話機内の電池を補充電することが出来る。

【０００８】ＳＣの蓄電は、先に述べたように、ＳＣを２個並列にすると１００Ｆになり、ＡＣアダプターを、３Ｖ、定電流２Ａの出力にしておくと、蓄電は２分で完了する。然し、実際には、もっと長い１０乃至３０分の印加時間が望ましい。時間が長くなる程、所謂、深い蓄電になって、自然放電による電圧降下が少なくなるからである。１０分の印加では、２４時間経過後約３％程低下する。２個直列にすると２５Ｆになり、電圧は、６Ｖ、定電流２ＡでＳＣに印加すると、３０秒で蓄電は完了する。こちらも、同じ理由で、１０−３０分位の印加時間が欲しい。

【０００９】携帯電話機内のリチウム・イオン電池は、３．７Ｖであるが、充電電圧は、メーカーによって、６Ｖ−５Ｖが推奨されている。先に述べたように、ＳＣ２個を並列にした場合、ＡＣアダプターにより３Ｖ、定電流２Ａを１０分間ＳＣに印加すると、エネルギーは貯蔵され、印加を止めても、自然放電が少ないので、３Ｖを維持している。これを昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータにより、６Ｖに昇圧して、３Ａ−０．５Ａを出力させ、直接リチウムイオン電池に落として充電する。電圧は、汲み上げが始まると、３Ｖより０．５Ｖまで、２乃至１０分を要して降下する。この時、エネルギーの有効利用率は９７．２％にも及ぶ。これは、１−（０．５Ｖ^２÷３Ｖ^２）＝０．９７２の式から求めた。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案の携帯充電器は、まず、ＡＣアダプターは、小型のＲＣＣ自励型コンバータからなり、電灯線から入力して、電圧は、２．５Ｖ−７Ｖの内から、ＳＣが並列か、直列かによって電圧値を選び、電流は２Ａ程度の定電流を出力させる。スイチングレギュレータなので、ノイズが電灯線へ帰還しないようにノイズフィルターを付ける。

【００１１】現行、主流のＳＣは、直径φ１８ｍｍ、長さ４０ｍｍの円筒形アルミケースに入り、印加電圧は３Ｖ、容量は５０Ｆである。今まで２個の並列、２個の直列使用に就いて述べた。この他に、第３図（２）（３）のように、３、４個の並列があり、容量は３個の時１５０Ｆ、４個の時２００Ｆになり、エネルギーは増加分、余計に貯蔵できる。並列の場合は、印加電圧は３Ｖで、印加時間は当然長くなる。更に、第３図（４）のように、２組みの２個並列を直列させて４個を使用する組合せもある。この並・直併用型は、容量は５０Ｆになり、印加電圧は６Ｖで、印加時間は２個の並列より、容量Ｆが半分なので逆に短くて済む。

【００１２】ＳＣの放電を防止するには、ＳＣのリード線の途中にスイッチＳＷ１を入れて、使用しない時はオフにするようにする。第４図参照

【００１３】昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータは、携帯電話の発展とともに小型化し、小型インダクターＬ１、インダクタンスは４．７−１μＨ、μＨはマイクロヘンリー、そして、スイッチング素子Ｑ１、昇圧ダイオードＤ１、コントロールＩＣから成り、スイッチング周波数は２００ｋ−１ＭＨｚである。ＭＨｚはメガヘルツ、また、昇圧ダイオードＤ１に、もう一つの素子Ｑ２のＭＯＳＦＥＴを並行させて、メインのスイッチング素子Ｑ１がオフした時、オンするようにすれば、同期整流ができて効率は９５％まで上がる。非同期整流の時は大よそ８４−８８％である。第４図参照

【００１４】また、請求項２で、充電は７Ｖから４Ｖまで、逆流防止ダイオードＤ２を通して、直接電話機の電池を充電するとした。然し、Ｄ２は、昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータの昇圧ダイオードＤ１で兼ねさせることもできる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の携帯充電器は、ＳＣの特長として、満杯になる時間が、電池と比較してて非常に短いので、本考案のように、朝、出勤前の僅かな時間帯に、充電を済ませる目的に、極めて適している。また、軽量で、持ち運びができる点も目的に適っている。そして、電池の充電、放電は、化学の可逆反応であるのに対して、ＳＣのそれは、単なる物理的変化で、苛酷でなく、蓄電、放電を何万回繰返しても寿命は尽きることはない。また、電池と違って、身体に有害な物質を含まず、環境にやさしい材料で構成されている。

【００１６】本考案では、従来のリニアーの定電流回路の代わりに、昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータを使った。これが本考案の主たる目的であり、リニアーの回路では、ＳＣに貯ったエネルギーの半分しか有効に利用できなかったが、本考案では、９７％も利用出来るようになった。また、既に述べたように、昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータは、同期整流方式を用いれば、効率は９５％に上がり、損失を極めて少なく留めることができる。

【００１７】本考案の携帯充電器は、１回の補充電で、残り少なくなった携帯電話の電池を満杯にすることは出来ない。飽くまで、補充電をする役目の充電器である。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の携帯充電器の構成図

【図２】請求項２の携帯充電器の構成図、

【図３】電気二重層コンデンサー（ＳＣ）の組合せ

【図４】同期整流方式の昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバータ
の構成図

【符号の説明】

ＲＣＣリンギング・チョーク・コンバーター（＝Ａ
Ｃアダプター）ＳＣ電気二重層コンデンサーＬ１インダクターＤ１昇圧ダイオードＤ２逆流防止ダイオードＣ１電解コンデンサーＩＣコントロール集積回路Ｑ１，２ＭＯＳＦＥＴ（＝電界効果パワー・トランジ
スタ）ＦＢ定電圧化の為のフィードバックＯＣＬ定電流動作の為の電流検出ＳＷ１オン、オフ・スイッチ

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【手続補正書】

【提出日】平成１４年８月８日（２００２．８．８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】本考案の充電器は、ＡＣアダプター、電
気二重層コンデンサー、及び昇圧型ＤＣ−ＤＣコンバー
タからなり、ＡＣアダプターは７Ｖ−２．５Ｖの範囲で
出力し、電気二重層コンデンサーに蓄電して、持ち運
び、必要に応じて、携帯電話機に接続して、昇圧型ＤＣ
−ＤＣコンバータにより、７Ｖ−４Ｖに昇圧して、電話
機内の電池を、補充電することを特徴とした携帯充電器
第１図参照
【請求項２】請求項１と同じ構成であるが、電気二重
層コンデンサーは２個直列に接続し、ＡＣアダプター
は、７Ｖ−５Ｖの範囲で出力し、携帯電話機内の電池へ
は、逆流防止ダイオードＤ２を通して充電し、電気二重
層コンデンサーの電圧が４Ｖまで降下したら、昇圧型Ｄ
Ｃ−ＤＣコンバータを働かせ７−４Ｖに昇圧して、電話
機内の電池を、補充電することを特徴とした携帯充電器
第２図参照