JP3090948B2 - インキジェット組成物およびインキジェット法 - Google Patents

インキジェット組成物およびインキジェット法

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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/36Inkjet printing inks based on non-aqueous solvents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、組成物および該組成物を使用するための方
法、特に溶剤またはキャリヤー媒体としてのアセトンを
含有するインキおよびインキジェットプリンタを使用し
てインキ組成物で画像を印刷するための方法に関する。
本発明の背景: インキジェットプリンタの多数の種類は、インキ組成
物を支持体の広い範囲に塗布するために使用されてい
る。多くの場合、インキは、有機溶剤中、特にMEK中の
溶液または懸濁液の形で得られる。MEKの使用により、
インキジェットプリンタ中での使用に特に適するインキ
が得られるが、それというのも、該MEKが、直ちに射出
することができ、多くのプラスチック支持体に対して攻
撃的であり、したがって、印刷された画像が支持体に堅
固に付着し、かつ迅速に乾燥し、また、印刷された画像
が、滲みまたは染みに抵抗し、したがって、印刷された
支持体をほとんど印刷直後に取り扱うことができるよう
にするインキを生じるからである。更に、MEKは、染料
およびインキ組成物中で使用された他の成分のほとんど
を直ちに溶解し、この場合、プリンタは、インキ組成の
広い範囲を使用する自由を生じる。
MEKの使用における多くの技術的利点にもかかわら
ず、MEKにより、MEKを吸入するかまたは皮膚と接触させ
た際に健康に対する危険(health hazards)が存在する
という重大な問題が生じる。MEKの使用は、環境の見地
からますます認容することができなくなっており、した
がってコーティングまたは他の印刷法を直接食品に適用
することができない。
それ故、低級アルカノールまたは水およびその混合物
を、食品に適用すべきインキのための溶剤またはキャリ
ア媒体として使用することが提案された。この種の溶剤
またはキャリア媒体は、MEKと関わる生理学的問題を減
少させるかまたは回避させるけれども、溶剤またはキャ
リアとしての水を使用するインキ調製物は、緩徐に乾燥
する。乾燥時間を認容できるレベル、典型的には5秒未
満に減少させようと試みる場合には、水はアルコールと
混合された。しかし、アルコールのレベルを50重量%を
超えて増大させた場合には、一定の常用される染料が組
成物から沈殿するという問題が生じた。更に、アルコー
ルの存在により、印刷された液滴は支持体上への拡散惹
起し、したがって認容できない画像が生じる。
拡散の問題を減少させるように試みた場合には、多数
の添加剤、例えばシリコーン、界面活性剤および食用油
がインキ組成物に添加されたが、しかし成功しなかっ
た。意外なことに、アセトンは、食品に適用すべきイン
キ組成物に溶剤またはキャリヤー媒体として使用するの
に特に好適であり、かつこのような溶剤は、水、アルコ
ールおよび他の生理的に認容性の溶剤と関わる数多くの
問題を減少させることが見い出された。
発明の概要: 従って、本発明は、キャリア媒体中に溶解されるかま
たは分散される画像形成成分を有する、インキジェット
プリンターのノズルを通しての塗布に適当な食用インキ
組成物を提供することであり、この場合、このキャリア
媒体は、アセトンからなることによって特徴付けられ
る。
アセトンは、画像形成成分にとって唯1つの溶剤また
はキャリヤーであることができる。しかし、アセトンを
水または生理的に認容性の有機溶剤、例えば低級アルカ
ノールもしくは低級アルキルカルボン酸の低級アルキル
エステルとの混合物で使用することは、好ましい。
本発明によるインキ組成物は、有利に25℃で40Cps未
満の粘度、例えば10Cps未満、特に1〜6Cpsの粘度を有
し、望ましい粘度は、しばしば溶剤混合物の選択および
/またはセルロース系薬剤もしくは他の増粘剤の添加に
よって達成することができる。また、増粘剤は、インキ
ジェットプリンターのインキ組成物中に典型的に存在す
る結合剤または皮膜形成剤として、印刷された液滴にあ
る程度の耐摩耗性および/または耐水性を与えるために
役立つこともできる。
アルカノールおよび/またはアルキルエステルが存在
する場合には、アルカノールおよびエステル中のアルキ
ル部分は、有利に1〜5個の炭素原子、有利に1〜3個
の炭素原子を有し;かつアルカノールおよびエステル双
方の炭素原子の全体数は5〜8である。
溶剤は、重量比9:1〜1:9、特に3:1〜1:1のアセトンと
水、有利に脱イオン水または蒸留水との混合物であるの
が好ましい。他の溶剤またはキャリヤーは、存在する場
合には、全部の溶剤またはキャリヤー媒体に対して30重
量%未満で存在するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、溶剤/キャリア媒体中に溶
解されるかまたは分散される画像形成成分を含有する。
この画像形成成分は、画像を支持体上に形成するという
目的に関連して任意の適当な形を有するものであってよ
い。従って、この成分は、紫外線光下で蛍光を発するか
または電磁読み取り機によって検出することができるも
のであることができる。しかしながら、この成分は、可
視的画像を支持体上に形成させるもの、例えば染料また
は顔料であることが好ましい。便宜上、本発明は、以
下、染料に関連して記載される。
有利に、画像形成成分は、溶剤媒体に溶解され、溶剤
媒体は、主として水およびアセトンからなる。便宜上、
本発明は、以下、溶剤媒体中の画像形成成分の溶液に関
連して記載される。
本発明で使用するための染料は、水性のエタノール、
エステルまたは他の溶剤中で形成させることができ、こ
の溶液は、任意の適当な混合技術を用いて本発明の使用
のために溶剤中に配合される。また、この染料は、溶剤
中に染料それ自体として使用することができる粒状の固
体または顔料の形で入手することもできる。適当な染料
の多くの形、特に水溶性の食品用銘柄の染料は、市場で
入手可能であり、かつ該染料の市場で入手可能な純度で
使用することができる。しかしながら、幾つかの市販の
染料は、増量剤および染料分子中のスルホン酸または他
の酸基の中和からの残留塩を含有している。前記の物質
および他の物質5重量%未満を含有する染料を使用する
ことは、有利であり、この場合には、存在しうる溶剤の
徐くものとする。
また、インキ組成物が、支持体へのインキ液滴の付着
力を助成し、乾燥した液滴に摩擦および乾燥した液滴と
接触する水または他の溶剤の作用に抗する保護の手段を
得るために、1つまたはそれ以上の皮膜形成樹脂を含有
することは、好ましい。典型的には、この種の樹脂は、
インキジェットプリンターのインキ組成物中で常用のも
のとしての有機樹脂であり、かつ例えばアクリル共重合
体、ロジンエステル、セラック、ポリビニルエステル、
ケトン樹脂、尿素アルデヒド樹脂、塩化ビニル/ビニル
エーテルまたは酢酸ビニル共重合体、セルロースエーテ
ルおよびエステル、ポリアミド樹脂、スチレン/マレイ
ン酸塩樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ビニルピロリ
ドン/酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン樹脂、メラミ
ン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およ
び放射線硬化可能なアクリレート樹脂を包含する。この
ような樹脂は、その商業的に入手可能な形で使用するこ
とができる。インキ組成物を食品に使用することができ
る場合には、セラックまたはセルロース誘導体を樹脂と
して使用するのが好ましい。
本発明に使用するためのインキ組成物は、インキ組成
物の全重量に対して、染料0.1〜20重量%、有利に1〜
6重量%、特に5重量%未満;および結合剤または皮膜
形成成分0.05〜40重量%、有利に0.1〜20重量%を含有
することは、好ましい。
インキを、連続インキジェットプリンタにより塗布す
べき場合には、通常、アセトン対水の重量比3:1〜1:1を
含有する溶剤混合物を使用することが、好ましい。ま
た、通常、1つまたはそれ以上のイオン性成分を、イン
キ中に配合することが必要であり、したがって、インキ
は、インキ中に誘導すべき電荷を受入れるのに十分な導
電性を有することになる。典型的には、1cm当り500〜25
00マイクロジーメンス、有利に750〜1250マイクロジー
メンスの導電率を有するインキ組成物を使用すること
は、望ましい。このことは、付加的に、例えば染料中の
塩または染料自体のような1つまたはそれ以上の望まし
い成分中に存在していてもよい、インキ中への1つまた
はそれ以上のイオン性物質の配合によって達成される。
添加することができる適当な塩は、食用または食品銘柄
の有機酸、例えば酢酸、乳酸またはプロピオン酸、また
は無機酸、例えば塩酸、硫酸または燐酸のアンモニウ
ム、ナトリウムまたはカリウム塩を包含する。また、イ
ンキ組成物の成分のアンモニア化は、組成物中で必要と
された導電性の少なくとも一部分を得るために使用する
ことができる。このようなアンモニア化された成分は、
しばしば、直ちに溶剤に溶解するが、しかし、印刷され
た液滴からのアンモニアの損失により水不溶性の形に回
復し、それによって、該成分は、向上した耐水性の性質
を有する印刷された液滴を提供する。アンモニア化すべ
き該成分が結合剤、特に1つまたはそれ以上のカルボン
酸基を有する有機樹脂、例えばセラックであることは、
好ましい。
本発明で使用するためにインキ組成物は、任意の適当
な方法、例えば1つまたはそれ以上の溶剤中の成分の溶
液を一緒に混合し、次にこの混合物を別の溶剤を用いて
望ましい濃度に希釈することによって得ることができ
る。
更に、本発明は、インキ組成物をインキジェットプリ
ンターのノズルオリフィスを通じて塗布することによっ
て特徴付けられる、本発明によるインキ組成物を用いて
画像を印刷する方法を提供する。
インキジェットプリンターは、支持体上に所望の画像
を形成させるために支持体上の個々に選択された位置に
インキの離散した液滴を塗布するような非接触型プリン
ターである。インキジェットプリンターは、ドロップオ
ンデマンド(drop on demand)型を有することができ、
この場合インキの離散した液滴は、支持体が通過するノ
ズル配列から噴出され、その際ノズルは、望ましい周波
数および支持体上に望ましい画像を形成するのに望まし
い程度に活性化される。従って、このプリンターは、コ
ンピュータの制御下に作動されるバルブ装置またはノズ
ルから液滴を噴出するために必要とされるノズルにイン
キを流すことができるようにするようなものにより圧力
下でインキがノズルに流れるようなものであることがで
きる。選択的に、インキは、電圧がインキの液滴を室へ
のノズル出口から噴出するように結晶に印加される場合
に、室の形を変える圧電性結晶を備えたインキ室に供給
することができる。便宜上、プリンターのこのような型
は、一般に、以下、ドロップオンデマンドインキジェッ
トプリンターとして記載される。
選択的に、液適は、インキが、溜めからインキの噴出
を形成するためのノズルを通して圧力下に供給される連
続インキジェットプリンタとして公知であるものによっ
て塗布することができる。この噴出は、インキに振動ま
たは圧力パルスを供給することによってばらばらにした
実質的に均一な大きさの間隔を開けた液滴に離散させ
る。このことは、圧電性結晶を用いてノズルまたはノズ
ル集成装置を振動させることによるかまたは振動プロー
ブ、例えば圧電性結晶棒をインキそれ自体の中に浸漬す
ることによって達成することができる。このインキは、
液滴中に離散させる前のインキジェットと、電荷電極と
の間に電圧を印加させることによって荷電され、したが
って、各液滴は、公知の電荷を運搬する。次に、荷電さ
れた液滴は、該液滴が、該液滴の飛行の直線から、使用
された偏向場によって偏向される偏向電場を通過する。
偏向の程度は、液滴がプリンターを通過した支持体に衝
突し、かつ電荷および/または偏向場が、液滴を支持体
上の望ましい位置に向くように変えられる点を定めるこ
とになる。印刷すべきでない液滴は、偏向されないが、
しかし、回収器またはタンク中に捕集され、かつ再使用
のためインキ溜めに返送される。このようなインキジェ
ットプリンターは、一般に、連続的インキジェットプリ
ンターとして、以下に記載される。
プリンタの上記型の多くの形は、公知であり、かつ商
業的に入手可能であり、かつ変更なしに本発明による方
法に使用することができる。
上記したように、本発明による組成物は、食品または
食品用包装品上に画像を印刷するのに使用するために殊
に好適である。それというのも、溶剤は、食用であり、
実際にヒトの代謝回路の一部を形成するからである。従
って、アセトン溶剤の有用な利点を達成することを保証
するために食品銘柄であるかまたは食用である成分を組
成物中に使用することは、好ましい。
本発明のインキ組成物および商業的に入手できる連続
的インキジェットプリンタによる該組成物の塗布は、以
下の実施例中での説明によって記載され、この場合、全
ての部および百分率は、別記しない限り、重量について
の記載である: 例 1: インキ組成物を、アセトン(71.1部)を脱イオン水
(25部)と混合し、染料エリトロシン(Erythrosine)E
127(2部)およびパテントブルー(Patent blue)V
E131(0.2部)を添加し、かつ全ての染料が溶解するま
で室温(20℃)で撹拌した。この混合物の粘度を商標K1
ucel EFで販売されているヒドロキシプロピルセルロー
ス(1.7部)を撹拌しながら添加することによって20℃
で3〜4Cpsに調節した。
生じるインキの導電率は、1cm当たり1150〜1250マイ
クロジーメンスの範囲内にあった。インキ組成物は、ド
ロップオンデマンドプリンターまたは連続的ジェットプ
リンターを通して塗布することができ、急速に乾燥する
液滴を生じ、評価できる程度には拡大しなかった。実際
に、インキ組成物中のアセトンの全部は印刷された液滴
から蒸発し、食用物質を含有する固体の印刷された液滴
を生じた。アセトンは、ヒトの代謝回路中に包含された
1つの物質であるので、インキ組成物は、直接に食品、
例えば卵、果実、パイおよび練り粉菓子ならびにこれら
の食品および他の食品のための包装に使用することがで
きる。
例 2: 例1の方法を繰り返したが、しかし、水量を18部に減
少させ、かつアセトンの量を76部に増大させた。インキ
は、例1の場合と同様に印刷することができたが、しか
し、室温で3日間静置した場合にエリトロシン染料を沈
殿させる傾向を示した。これとは異なり、例1の組成物
は少なくとも3週間に亘って安定であった。
例 3: インキ組成物を、アセトン(46.8部)、脱イオン水
(21部)およびアンモニア(10%の水溶液、4部)を室
温で一緒に混合することによって得た。染料エリトロシ
ンE127(2部)およびパテントブルーV E131(0.2
部)をこの混合物に添加し、かつ撹拌して溶解した。セ
ラック(エタノール中の50%溶液)を添加い、かつ撹拌
して溶解した。固体セラックをエタノール溶液の代わり
に使用した場合には、アセトン/水/アンモニア混合物
への溶解は、緩慢であり、エタノール10〜20部が溶剤混
合物中に存在しない場合には、不完全であった。
生じるインキは、連続的ジェットプリンターのノズル
を通して塗布うることができ、5分間を超えて沸騰水に
耐える良好な印刷画像を生じた。また、インキの全成分
が食用であるかまたは食品銘柄であるので、印刷された
液滴は、直接食品に塗布することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/27 - 1/275 C09D 11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食用インキがキャリヤー媒体に溶解された
    かまたは分散された生理的に認容性の画像形成成分を有
    する、インキジェットプリンターのノズルを通して食品
    との直接の接触で食品または包装品に塗布するのに適当
    な食用インキ組成物において、キャリヤー媒体が本質的
    成分として、 A.アセトン少なくとも50重量%;および B.水、またはアルカノールおよびエステルのアルキル部
    分が1〜3個の炭素原子を含有する、生理的に認容性の
    低級アルカノールおよび/または低級アルキルカルボン
    酸の生理的に認容性の低級アルキルエステルから選択さ
    れたすくなくとも1つの他の溶剤を有し、この場合アル
    カノールおよびエステルは、エステルおよびアルカノー
    ルの双方の炭素原子の全体数が5〜8であるように双方
    とも存在し、 水が他の溶剤として存在する場合には、この水は、存在
    するアセトンと1:3〜1:1の重量比で存在し、 アルカノールまたはエステルが他の溶剤として存在する
    場合には、これらは、全キャリヤー媒体に対して30重量
    %未満の量で存在することを特徴とする、食用インキ組
    成物。
  2. 【請求項2】インキを食品または包装品に付着させるた
    めに、インキ組成物が食用染料0.1〜5%および結合剤
    または被膜形成剤としての食用セルロースエーテルまた
    はエステルまたはセラック0.1〜20%を含有する、請求
    項1記載のインキ組成物。
  3. 【請求項3】インキ組成物が1cm当り750〜1250マイクロ
    ジーメンスの導電率を有する、請求項1または2記載の
    インキ組成物。
  4. 【請求項4】画像形成成分が水溶性の食品用銘柄の染料
    である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のイ
    ンキ組成物。
  5. 【請求項5】生理的に認容性の皮膜形成樹脂を有する、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載のインキ組成
    物。
  6. 【請求項6】食品との直接の接触で食品または包装品に
    食用画像を塗布する方法において、請求項1から5まで
    のいずれか1項に記載の食用インキをインキジェットプ
    リンターによって食品または包装品に塗布することを特
    徴とする、食用画像の塗布方法。
  7. 【請求項7】インキ組成物が請求項3記載のインキ組成
    物であり、インキジェットプリンターが連続的インキジ
    ェットプリンタである、請求項6記載の方法。
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