JP3089900U - 加速度センサ用トランスデューサ構造体 - Google Patents

加速度センサ用トランスデューサ構造体

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JP3089900U JP2002002719U JP2002002719U JP3089900U JP 3089900 U JP3089900 U JP 3089900U JP 2002002719 U JP2002002719 U JP 2002002719U JP 2002002719 U JP2002002719 U JP 2002002719U JP 3089900 U JP3089900 U JP 3089900U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重錘体の変位を制限するための精密な制御構
造を設ける。 【解決手段】 上層部100、中層部200、下層部3
00の3層構造をもった基板を用意する。上層部100
にはスリットS1,S2を掘り、変位部111,112
と、周囲の固定部130と、両者を接続する接続部12
2を形成する。下層部300は、重錘体310と台座3
30に分離する。中層部200は、上層部100の各構
成要素と下層部300の各構成要素を接合する機能を果
たす。重錘体310は、台座330に囲まれた空間内で
宙吊り状態となり、加速度の作用により上下左右に変位
する。重錘体310が上方向に変位すると、部分A1
2,A22が、部分A11,A21に接触して、それ以
上の変位は制限される。重錘体310の上方向の変位自
由度は、中層部200の厚みにより正確に設定される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は加速度センサ用トランスデューサ構造体に関し、特に、小型民生用電 子機器に利用される量産型の加速度センサに組み込むのに適したトランスデュー サ構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、デジタルカメラ、電子ゲーム機器、PDA機器など、マイクロプロ セッサを内蔵した小型民生用の電子機器の普及はめざましく、最近では、これら の電子機器あるいはその入力装置に内蔵させるための加速度センサの需要も高ま ってきている。加速度センサを内蔵した電子機器では、本体に加えられた衝撃や 振動などの加速度成分をデジタルデータとしてマイクロプロセッサに取り込むこ とができるため、電子機器周囲の物理的環境を把握した適切な処理が可能になる 。たとえば、デジタルカメラでは、シャッターボタンを押した瞬間に作用した加 速度を検出することにより、手振れに対する補正を行うことができる。また、電 子ゲーム機器用の入力装置などでは、ユーザの操作指示を加速度の形で入力する ことも可能になる。たとえば、加速度センサを重力加速度の検出に利用するよう にすれば、傾斜計として用いることができ、電子機器全体の向き(水平状態に対 する傾斜度合い)を認識することが可能になるので、ユーザが電子機器全体を傾 斜させる動作に基いて、所定の操作入力が可能になる。
【0003】 このような小型民生用電子機器に内蔵するための加速度センサとしては、小型 で量産に適したものが望ましい。たとえば、特開平1−263576号公報や、 特開平3−202778号公報には、量産に適した小型の加速度センサの構造が 開示されており、特開平4−249726号公報には、シリコン基板を利用して 、そのような加速度センサを量産するための製造方法が開示されている。
【0004】 この種の一般的な加速度センサには、加速度を変位に変換するトランスデュー サ構造体が組み込まれている。このトランスデューサ構造体の基本構成は、可撓 性をもった基板と、この基板に接合された重錘体である。基板の一部を固定した 状態とし、重錘体を宙吊りの状態にしておけば、この重錘体に加速度が作用する と、作用した加速度に起因した力が基板に作用し、基板の一部(重錘体が接合さ れた部分)が変位することになる。加速度センサは、このようなトランスデュー サ構造体に生じた変位を、電気的に検出することにより、重錘体に作用した加速 度の検出を行うことになる。前掲公報に開示された加速度センサは、シリコン基 板に重錘体を接合してなるトランスデューサ構造体を組み込んだものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述したように、小型で量産に適した加速度センサとして、シリコン基板など の半導体基板からなるトランスデューサ構造体を組み込んだセンサが提案されて いる。このような加速度センサにおいて検出感度を高めるためには、トランスデ ューサ構造体の感度を高める必要がある。すなわち、わずかな加速度が作用した 場合でも、検出に十分な変位が生じるトランスデューサ構造体が必要になる。と ころが、このような高感度のトランスデューサ構造体では、過度の加速度が加わ った場合に、重錘体を支持する基板が破損するおそれがある。特に、センサ筐体 を落下させてしまったような場合、重錘体に大きな衝撃が加わり、半導体からな る基板が損傷を受ける可能性がある。そこで、通常は、重錘体の変位を所定範囲 内に制御するための物理的な制御構造が設けられている。前掲公報に開示された トランスデューサ構造体の場合も、重錘体の上下方向の変位および横方向の変位 を制御するために、制御基板や台座などの物理的な制御構造が設けられている。 過度の加速度が作用すると、重錘体の一部が制御基板や台座などに接触すること になり、重錘体の変位は、所定の自由度の範囲内に抑制されることになる。した がって、重錘体を支持する基板に過度の応力が加わることを避けることができ、 破損から免れることができる。
【0006】 しかしながら、このような制御構造は、重錘体の形状に合わせた所定の形状に する必要があり、また、重錘体の配置に合わせて所定の位置に配置する必要があ る。このため、制御構造を備えたトランスデューサ構造体を製造するためには、 余分なエッチング工程や機械的切削工程が必要になり、製造プロセスが複雑にな らざるを得ない。特に、量産品として製造される個々のロットごとに均一な性能 を確保するためには、重錘体と制御構造との距離を精密に設定する必要があるの で、前掲各公報に開示されているような従来のトランスデューサ構造体では、制 御構造を形成するプロセスにおける技術的な負担が大きく、コスト低減の見地か らも、大きな問題になっている。
【0007】 そこで本考案は、重錘体の変位を制限するための精密な制御構造を容易に構成 することが可能なトランスデューサ構造体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本考案の第1の態様は、中央部分に設けられた変位部と、この変位部の 周囲に設けられた固定部と、変位部を固定部に対して変位可能な状態となるよう に接続する接続部と、を有する基板層と、 この基板層の下方に配置され、固定部の内側部分下面に形成された制御面に対 向する上面周囲部を有する重錘体と、 この重錘体の周囲を取り囲むように配置され、固定部を下方から支持固定する 台座と、 重錘体と基板層との間の空間における上面周囲部以外の領域に介挿され、重錘 体および基板層とは異なる材料から構成され、重錘体を変位部の下面に接合する 重錘体接合層と、 台座と固定部との間の空間における制御面以外の領域に介挿され、重錘体接合 層と同一材料から構成され、重錘体接合層と同一の厚みを有し、台座を固定部の 下面に接合する台座接合層と、 によって加速度センサ用トランスデューサ構造体を構成し、重錘体に加速度が 作用したときに、接続部に生じる撓みにより変位部が固定部に対して変位するよ うにし、作用した加速度の所定方向成分の大きさが所定の許容値を越えたときに 、上面周囲部が制御面に接触して変位が制御されるように、重錘体接合層の厚み を設定するようにしたものである。
【0009】 (2) 本考案の第2の態様は、上述の第1の態様に係る加速度センサ用トラン スデューサ構造体において、 基板層にスリットを形成し、このスリットにより、基板層の各部が変位部、固 定部、接続部として機能するように構成したものである。
【0010】 (3) 本考案の第3の態様は、上述の第2の態様に係る加速度センサ用トラン スデューサ構造体において、 一部分に開口部を有する環状形状をもった複数のスリットを、それぞれの開口 部が基板層の中心を向くように形成し、 個々の環状スリットに囲まれた部分を羽根部とする送風機のファン状形状をな す構造体により変位部を構成し、互いに隣接する一対のスリット間に形成された 部分により接続部を構成し、複数のスリットの外側包絡線よりも外側に位置する 基板層の外周部分により固定部を構成するようにしたものである。
【0011】 (4) 本考案の第4の態様は、上述の第3の態様に係る加速度センサ用トラン スデューサ構造体において、 ほぼ正方形の輪郭に沿った形状をもち、この正方形の1頂点に相当する部分に 開口部を有する4組の同形スリットを、ほぼ正方形をした基板層上にシンメトリ ックに配置するようにしたものである。
【0012】 (5) 本考案の第5の態様は、上述の第3または第4の態様に係る加速度セン サ用トランスデューサ構造体において、 基板層下面の複数のスリットの外側包絡線の外側直近領域に形成された制御面 により、重錘体の上面周囲部の変位を制御することができるように、重錘体の上 面の輪郭を、変位部を構成する構造体の輪郭を外側へ拡張した形状となるように したものである。
【0013】 (6) 本考案の第6の態様は、上述の第5の態様に係る加速度センサ用トラン スデューサ構造体において、 重錘体接合層を、ファン状形状の中央部の位置において変位部と重錘体とを接 合する中央部接合層と、ファン状形状の個々の羽根部の位置において変位部と重 錘体とを接合する個々の羽根部接合層と、によって構成するようにしたものであ る。
【0014】 (7) 本考案の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る加速度センサ用 トランスデューサ構造体において、 作用した加速度の所定方向成分の大きさが所定の許容値を越えたときに、重錘 体の側面が台座の内側面に接触して変位が制御されるように、重錘体の側面と台 座の内側面との間隔を設定したものである。
【0015】 (8) 本考案の第8の態様は、上述の第1〜第7の態様に係る加速度センサ用 トランスデューサ構造体において、 台座の底面に対して重錘体の底面が所定寸法だけ上方に位置するように構成し 、台座が制御基板上に固定された場合に、重錘体の底面と制御基板の上面との間 に所定間隔が確保されるように重錘体の厚みを設定し、 作用した加速度の所定方向成分の大きさが所定の許容値を越えたときに、重錘 体の底面が制御基板の上面に接触して変位が制御されるようにしたものである。
【0016】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図示する実施形態に基いて説明する。
【0017】 <<< §1.トランスデューサ構造体の基本構造 >>> はじめに、本考案に係る加速度センサ用トランスデューサ構造体の基本構造を 述べる。このトランスデューサ構造体の中枢となる構成要素は、基板層と重錘体 である。重錘体は基板層の下面中央部に接合される。重錘体に加速度が作用する と、この作用した加速度に起因して、基板層の一部に変位が生じる構造になって おり、加速度を基板層の変位に変換するトランスデューサとしての機能を果たす ことになる。
【0018】 図1は、本考案の一実施形態に係るトランスデューサ構造体の上面図である。 このトランスデューサ構造体は、基本的には、シリコンからなる上層部100、 酸化シリコンからなる中層部200、シリコンからなる下層部300の3層構造 を有している。このようなシリコン/酸化シリコン/シリコンなる3層構造をも った材料は、SOI(Silicon On Insulator)基板として市販されており、ここ に示すトランスデューサ構造体は、このSOI基板を利用した製造プロセスによ って製造することが可能である。
【0019】 ここに示す実施形態では、上層部100、中層部200、下層部300は、い ずれも、基本的には正方形状の板状部材である。上層部100には、厚み方向に 貫通するスリットS1〜S4が形成されており、図1では、このスリットS1〜 S4を通して、下層部300の一部が確認できる。図1はかなり繁雑な図になっ ているが、これは上層部100の下に隠れている中層部200の構造を一点鎖線 で示し、下層部300の構造を破線で示したためである。一方、図2は、図1に 示すトランスデューサ構造体を、切断線2−2の位置で切断した側断面図であり 、図3は、同じく図1に示すトランスデューサ構造体を、切断線3−3の位置で 切断した側断面図である。これら側断面図には、このトランスデューサ構造体が 、上層部100、中層部200、下層部300の3層構造からなることが明瞭に 示されている。なお、ここでは説明の便宜上、上層部100の構成要素を100 番台の符号で示し、中層部200の構成要素を200番台の符号で示し、下層部 300の構成要素を300番台の符号で示すことにする。また、図4は、このト ランスデューサ構造体の下面図であり、この下面図では、下層部300の陰に隠 れている中層部200の構造が一点鎖線で示され、上層部100の構造が破線で 示されている。
【0020】 図1に示す上面図や図4に示す下面図は、各層相互の位置関係の確認を行う場 合には便利であるが、単一の図に、3層のすべての構造が重ねて描かれているた め、かなり繁雑になっており、個々の層の細かな構造の説明を行うのには必ずし も適当ではない。そこで、以下、個々の層をそれぞれ独立して描いた平面図を用 い、図2および図3の側断面図を参照しながら、各層の構造を順に説明する。
【0021】 まず、図5を用いて、上層部100の構造を説明する。この図5は、上層部1 00を単体として示した上面図である。図示のとおり、上層部100は、正方形 状の板状部材からなり、厚み方向に貫通するスリットS1〜S4が形成されてい る。この実施形態の場合、上層部100はシリコンの基板層から構成されており 、スリットS1〜S4は、たとえば、このシリコンの基板層に対してエッチング 加工を施すことにより形成される。このスリットS1〜S4を形成することによ り、上層部100は、図示のとおり、複数の領域からなる個々の部分に分けられ ることになる。図5に示す破線は、このような領域の境界線を便宜的に示すもの である。もっとも、これら破線は、各領域の厳密な境界位置を示すものではなく 、説明の便宜上を考慮して描いたものである。
【0022】 ここでは、この上層部100上に形成された個々の部分の説明を行う前に、4 つのスリットS1〜S4に固有の形状について述べておく。図6は、図3の側断 面図において、上層部100を図の切断線6−6に沿って切断した横断面図であ り、厚み方向に貫通するスリットS1〜S4の形状および配置が明瞭に示されて いる。すなわち、各スリットS1〜S4は、いずれもほぼ正方形の輪郭に沿って 形成された幅の細い帯状の環状形状をもったスリットである。ただし、完全な環 状形状をなしているわけではなく、正方形の1頂点に相当する部分には、開口部 が形成されており、この開口部を介して各部は互いに連結された状態を維持して いる。別言すれば、上層部100は、全体として1枚の基板層としての構造をも っており、以下、場合に応じて、この上層部100を基板層100と呼ぶことに する。
【0023】 4組のスリットS1〜S4は全く同形であるが、個々のスリットの開口部は、 いずれも基板層100の中心を向くように配置され、かつ、シンメトリック(図 6の平面図において左右対称および上下対称)に配置されている。このような4 組のスリットS1〜S4を形成すると、基板層100の中央部分には、送風機の ファン状形状をなす構造体が形成されることがわかる。
【0024】 いま、図5の上面図に示されているように、個々の環状スリットS1,S2, S3,S4に囲まれた部分を、それぞれ羽根部111,112,113,114 と呼び、基板層100の中心部分の正方形状の部分を中央部115と呼ぶことに すれば、これら羽根部111〜114と中央部115とにより、送風機のファン 状形状をなす構造体が形成されていることになる。ここでは、このファン状形状 をなす構造体を、変位部110と呼ぶことにする。また、図5に示されているよ うに、互いに隣接する一対のスリット間に形成された矩形状の部分を、ここでは 、接続部121,122,123,124と呼ぶことにし(これらを包括して接 続部120と呼ぶ)、複数のスリットS1〜S4の外側包絡線よりも外側に位置 する基板層100の外周部分を固定部130と呼ぶことにする。
【0025】 前述したように、この実施形態では、基板層100はシリコンの基板層によっ て構成されており、ビーム状の構造をもった接続部121〜124は、外力の作 用によって撓みを生じる物理的性質を有する。別言すれば、外力の作用により撓 みが生じるように、接続部121〜124の幅および厚み(基板層100の厚み )が設定されていることになる。したがって、後述するように、変位部110に 外力が加わると、この外力は、各接続部121〜124へと伝わり、各接続部1 21〜124に撓みを生じさせることになる。その結果、変位部110は、固定 部130に対して変位を生じることになる。結局、図5に示す基板層100は、 スリットS1〜S4を形成することにより、中央部分に設けられた変位部110 と、この変位部110の周囲に設けられた固定部130と、変位部110を固定 部130に対して変位可能な状態となるように接続する接続部120と、の3つ の部分に分けられることになる。
【0026】 なお、ここに示す実施形態では、正方形状をした4つのスリットS1〜S4を 形成するようにしているが、これらのスリットは必ずしも正方形状にする必要は なく、また、必ずしも4つのスリットを形成する必要はない。一般的には、一部 分に開口部を有する環状形状をもった複数のスリットを、それぞれの開口部が基 板層100の中心を向くように配置して形成するようにすればよい。そうすれば 、個々の環状スリットに囲まれた部分を羽根部とする送風機のファン状形状をな す構造体を変位部とすることができ、互いに隣接する一対のスリット間に形成さ れた部分を接続部とすることができ、複数のスリットの外側包絡線よりも外側に 位置する基板層100の外周部分を固定部とすることができる。ただ、実用上は 、ここに示す実施形態のように、4つの正方形状のスリットS1〜S4を形成す るようにすれば、できるだけ面積の大きな変位部110を確保することができ、 また、4本の帯状をした接続部121〜124によって、この変位部110を四 方から支持することができるようになり、非常に効率的である。
【0027】 次に、図7を用いて、中層部200の構造を説明する。この図7は、中層部2 00を単体として示した横断面図であり、図3の側断面図において、中層部20 0を図の切断線7−7に沿って切断した横断面図に相当する。ここに示す実施形 態の場合、中層部200は、たとえば、層面が正方形状をした酸化シリコン層に 対してエッチング加工を施すことにより、形成することができる。図示のとおり 、中層部200は、5枚の重錘体接合層210と、これらを囲う位置に配置され 、方環状形状をもった台座接合層230と、によって構成される。これら各接合 層は、いずれも同一の厚みを有している。重錘体接合層210は、4枚の羽根部 接合層211,212,213,214と、1枚の中央部接合層215と、によ って構成されている。
【0028】 最後に、図8を用いて、下層部300の構造を説明する。この図8は、下層部 300を単体として示した横断面図であり、図3の側断面図において、下層部3 00を図の切断線8−8に沿って切断した横断面図に相当する。ここに示す実施 形態の場合、下層部300は、後述するように、層面が正方形状をしたシリコン 層に対してエッチング加工を施すことにより、形成されることになる。図の溝部 G1およびG2は、このエッチング加工によりシリコンが除去された部分である 。図示のとおり、下層部300は、送風機のファン状形状をなす重錘体310と 、これを囲う位置に配置され、方環状形状をもった台座330と、によって構成 される。重錘体310は、重錘体羽根部311,312,313,314および 重錘体中央部315によって構成されているが、これらは、図5に示す変位部1 10における羽根部111,112,113,114および中央部115にそれ ぞれ対応するものであり、また、図7に示す羽根部接合層211,212,21 3,214および中央部接合層215にそれぞれ対応するものである。
【0029】 以上、上層部100、中層部200、下層部300の構造をそれぞれ別個に説 明したが、ここで述べる実施形態に係るトランスデューサ構造体は、図1の上面 図、図2および図3の側断面図、図4の下面図に示されているとおり、これら3 層を接合することにより得られる構造体である。すなわち、上層部100(基板 層)の構成要素である羽根部111〜114および中央部115の下面には、そ れぞれ中層部200の構成要素である羽根部接合層211〜214および中央部 接合層215が接合され、更に、これらの下面には、それぞれ下層部300の構 成要素である重錘体羽根部311〜314および重錘体中央部315が接合され る。別言すれば、重錘体接合層210は、ファン状形状の個々の羽根部の位置に おいて変位部110と重錘体310とを接合する個々の羽根部接合層211〜2 14と、ファン状形状の中央部の位置において変位部110と重錘体310とを 接合する中央部接合層215と、によって構成されていることになる。また、上 層部100(基板層)の周囲を構成する固定部130の下面には、中層部200 の周囲を構成する台座接合層230が接合され、更にその下面には、下層部30 0の周囲を構成する台座330が接合される。
【0030】 なお、実用上は、図9の側断面図(図1の上面図における切断線2−2の位置 で切断した断面を示す図:以下に後続する側断面図についても同様)に示すよう に、台座330の底面には、更に、制御基板400(たとえば、ガラス基板)が 接合される。この制御基板400は、後述するように、重錘体310の下方向へ の変位を制御するためのものである。
【0031】 図10の側断面図は、このトランスデューサ構造体を加速度センサ内に組み込 んだ例を示す。この例では、加速度センサの装置筐体450の底部に台座330 の底面を固着し、装置筐体450の上部に蓋板460を取り付けて密閉状態にし た例を示すものである。この場合は、加速度センサの装置筐体450の底部が制 御基板としての機能を果たすことになる。
【0032】 <<< §2.トランスデューサとしての動作 >>> 続いて、これまで§1で述べたトランスデューサ構造体に加速度が作用した場 合の動作を説明する。図9あるいは図10の側断面図に示されているように、こ のトランスデューサ構造体では、重錘体310が基板層100の下面(変位部1 10の下面)に取り付けられており、基板層100の周囲を構成する固定部13 0は、台座330によって支持固定されている。そして、変位部110は固定部 130に対して、接続部120を介して変位可能な状態で支持されているので、 重錘体310は、台座330に囲われた空間内で宙吊りの状態になっていること になる。このため、台座330(制御基板400)を、加速度の検出対象物に固 定すると、この検出対象物に作用した加速度は、その反作用として重錘体310 にも作用することになり、重錘体310を台座330に対して変位させる力が生 じることになる。このような力は、接続部120に撓みを生じさせ、変位部11 0が固定部130に対して相対的に変位する現象が生じることになる。
【0033】 このように、ここで述べたトランスデューサ構造体は、作用した加速度を変位 部110の変位に変換する機能を有している。したがって、このトランスデュー サ構造体を利用して加速度センサを構成するには、変位部110の変位を何らか の検出手段によって検出できるようにすればよい。このような変位検出手段の具 体例については、§3で簡単に述べることにする。
【0034】 既に述べたように、ここに示す実施形態に係るトランスデューサ構造体の基板 層100はシリコン基板によって構成されている。しかも、図5に示すように、 基板層100には、スリットS1〜S4が形成されており、加速度に起因した応 力により撓みが生じる接続部120は、非常にデリケートな構造を有しており、 過度の加速度が加わった場合には破損する可能性がある。このため、上述したト ランスデューサ構造体には、過度の加速度が加わった場合に、重錘体310の変 位を制御するための制御構造が設けられている。
【0035】 たとえば、図9に示すトランスデューサ構造体の重錘体310に対して、図の 下方向を向いた過度の加速度が作用した場合を考えてみる。この場合、重錘体3 10を図の下方向に変位させる力が働くことになるが、重錘体310の底面が制 御基板400の上面に接触することにより、それ以上の変位は抑制されることに なる。すなわち、図9に示すトランスデューサ構造体では、台座330の底面に 対して重錘体310の底面が所定寸法d3だけ上方に位置する構造になっており 、重錘体310が制御基板400上に固定された場合に、重錘体310の底面と 制御基板400の上面との間に所定間隔d3が確保されるようになっている。し たがって、重錘体310は、図の下方向に対して、間隔d3の範囲内では自由に 変位を生じることができる。しかしながら、作用した加速度の大きさが所定の許 容値を越えた場合は、図11の側断面図に示されているように、重錘体310の 底面が制御基板400の上面に接触して変位が制御されることになる。
【0036】 このように、制御基板400によって、重錘体310の下方向への変位が制御 され、過度の加速度が作用した場合にも、基板層100に破損が生じることを防 ぐことができる。したがって、図9に示す所定間隔d3は、重錘体310の下方 向への変位の自由度を与える寸法値ということになり、その値は、重錘体310 が下方向にどの程度変位した場合に、基板層100に破損が生じる可能性がある か、という事情を考慮し、基板層100に破損が生じることのないような安全圏 内になるように設定される。
【0037】 重錘体310の図の横方向に関する変位は、台座330によって制御されるこ とになる。たとえば、図9に示す重錘体310を、図の左方向に強制的に変位さ せようとすると、図12に示すように、やがて重錘体310の側面が台座330 の内側面に接触し、それ以上の変位が生じることはない。台座330は、重錘体 310の四方を囲う構造体であるため、重錘体310の水平方向に関する変位は 、すべて台座330によって制御されることになる。したがって、図9に示す所 定間隔d1は、重錘体310の水平方向への変位の自由度を与える寸法値という ことになり、その値は、重錘体310が水平方向にどの程度変位した場合に、基 板層100に破損が生じる可能性があるか、という事情を考慮し、基板層100 に破損が生じることのないような安全圏内になるように設定される。
【0038】 更に、重錘体310の図の上方向に関する変位は、固定部130の内側部分下 面の制御面によって制御されることになる。たとえば、図9に示す重錘体310 を、図の上方向に強制的に変位させようとすると、図13に示すように、やがて 重錘体310の上面周囲部が固定部130の内側部分下面(制御面)に接触し、 それ以上の変位が生じることはない。
【0039】 このような変位制御は、図13に示すように、重錘体310を垂直上方へ変位 させる力が作用した場合だけに限らず、図14に示すように、重錘体310に対 して回転モーメント力が作用した場合にも有効である。すなわち、図14に示す ように、重錘体310を傾斜させるような力が作用した場合であっても、重錘体 310の上面周囲部のいずれかの箇所が、固定部130の内側部分下面の制御面 に接触することにより、それ以上の変位は制御されることになる。この図14に 示す例では、重錘体310の図の右上に示す部分が、固定部130の下面に接触 した状態になっているが、更に強い回転モーメント力が加わると、重錘体310 の図の左下に示す部分が制御基板400の上面に接触し、制御基板400による 変位制御も併せて行われることになる。なお、実際の加速度センサの場合、重錘 体310に対して、図の上方向への加速度が加わると、図13のような変位制御 が行われ、図の下方向への加速度が加わると、図11のような変位制御が行われ る。ところが、図の横方向への加速度が加わった場合は、図12のような変位制 御ではなく、図14のような変位制御が行われることになる。これは、重錘体3 10の上部のみが接続部120を介して支持されているため、横方向の加速度が 重錘体310に対しては回転モーメントとして作用するためである。
【0040】 図5の上面図に示されているファン状形状をなす変位部110と、図8の横断 面図に示されているファン状形状をなす重錘体310とを比較すると、両者はい ずれも平面的にファン状形状をなす構造体である点で共通するが、前者の輪郭に 比べて後者の輪郭の方が若干広がっていることがわかるであろう。すなわち、図 8に示す重錘体310の輪郭は、図5に示す変位部110の輪郭を外側へ拡張し た形状になっている。この特徴は、図2の側断面図によって、より明瞭に示され ている。図2において、上層部100の構成要素として示されている羽根部11 1の左端位置に対して、下層部300の構成要素として示されている重錘体羽根 部311の左端位置は左にずれている。このような位置関係になっているため、 重錘体310の上面周囲部A12(図2における重錘体羽根部311の上面の左 端部分)は、固定部130の下面に形成された制御面A11に対向する直下位置 に配置されることになる。同様に、上層部100の構成要素として示されている 羽根部112の右端位置に対して、下層部300の構成要素として示されている 重錘体羽根部312の右端位置は右にずれている。このような位置関係になって いるため、重錘体310の上面周囲部A22(図2における重錘体羽根部312 の上面の右端部分)は、固定部130の下面に形成された制御面A21に対向す る直下位置に配置されることになる。
【0041】 これは、重錘体310が図の上方に変位しようとしても、上面周囲部A12や A22が制御面A11,A21に接触することにより、それ以上の変位が生じな いように制御されることを意味し、本考案に係るトランスデューサ構造体の本質 的な特徴である。図2の側断面図では、左右両端部分の制御面A11,A21し か示されていないが、実際には、図15の上面図にハッチングを施して示す制御 領域A10,A20,A30,A40において、このような制御が行われること になる。すなわち、図15において、固定部130の下面側における制御領域A 10,A20,A30,A40に相当する部分を、それぞれ制御面A11,A2 1,A31,A41と呼び、重錘体310の上面側における制御領域A10,A 20,A30,A40に相当する部分を、それぞれ上面周囲部A12,A22, A32,A42と呼ぶことにすると、制御面A11,A21,A31,A41は 、固定部130の内側部分下面に形成された面であり(別言すれば、基板層10 0の下面の個々のスリットS1〜S4の外側直近領域に形成された面であり)、 上面周囲部A12,A22,A32,A42は、重錘体310の上面の周囲部分 に形成された面である。しかも、上面周囲部A12,A22,A32,A42は 、それぞれ制御面A11,A21,A31,A41に対向する位置に配置されて いるため、上述したように、上面周囲部A12,A22,A32,A42に対す る上方向への変位が制御されることになる。
【0042】 このように、ここに述べる実施形態では、ファン状形状をもった重錘体310 の上面の輪郭を、同じくファン状形状をもった変位部110の輪郭を外側へ拡張 した形状となるように構成したことにより、重錘体310の上面周囲部の随所に おいて、制御面による変位制御が可能になる。
【0043】 もちろん、前掲公報に開示された従来のトランスデューサ構造体においても、 重錘体の上方向、横方向、下方向の変位を制御することができる制御構造が設け られている。しかしながら、既に述べたとおり、従来は、重錘体の形状や配置に 適合した正確な制御構造をもったトランスデューサ構造体を量産する際に、製造 プロセス上の技術的な負担が大きくなるという問題が生じていた。本考案に係る 構造を有する加速度センサでは、このような製造プロセス上の技術的な負担が大 幅に緩和される。以下、その理由を述べる。
【0044】 図2の側断面図に示すトランスデューサ構造体において、重錘体310の上方 向への変位が、制御面A11,A21と上面周囲部A12,A22との接触によ って制御されることは既に述べたとおりである。ここで重要な点は、制御面A1 1,A21と上面周囲部A12,A22との間隔が、中層部200の厚み(重錘 体接合層210および台座接合層230の厚み)によって正確に設定されている という点である。別言すれば、重錘体310の上方向への変位の自由度は、中層 部200の厚みによって設定されることになる。ここで、中層部200は、上層 部(基板層)100や下層部300とは異なる材料から構成された層であり、い わば基板層100と重錘体310との間に介挿されるスペーサとしての機能を果 たす層である。このように、スペーサとして機能する中層部200を介挿した3 層構造を採ることにより、重錘体310の上方向への変位の自由度を常に一定の 値(中層部200の厚み)に設定することができるようになる。したがって、比 較的単純な製造プロセスにより量産した場合でも、個々のロットごとに、重錘体 の変位自由度が極端に変動することはない。
【0045】 なお、重錘体310が所定の自由度の範囲内で上方向に変位することが可能に なるようにするために、重錘体接合層210は、重錘体310と基板層100と の間の空間における上面周囲部以外の領域(図15にハッチングを施して示した 制御領域A10,A20,A30,A40以外の領域)に介挿する必要がある。 図15に示す例では、図に一点鎖線で示す位置に、重錘体接合層210(羽根部 接合層211〜214と中央部接合層215:図7参照)が介挿されている。こ の重錘体接合層210の厚みは、作用した加速度の大きさが所定の許容値を越え たときにも、重錘体310の上方向の変位が所定範囲内に制御され、基板層10 0の破損を防ぐことができるような適当な値に設定されることになる。
【0046】 このように、本考案の本質は、基板層100と重錘体310との間にスペーサ としての機能を果たす重錘体接合層210を介挿した構造を採ることにより、上 方向への制御構造を正確な位置に形成できるようにした点にある。
【0047】 <<< §3.変位検出手段の具体例 >>> 本考案は、トランスデューサ構造体の独特の構成に関するものであるが、この ような構成をもったトランスデューサ構造体は、実用上は、加速度センサの構成 要素として利用されることになる。そして、本考案に係るトランスデューサ構造 体を用いて加速度センサを構成するには、変位部110の変位を検出する変位検 出手段を付加する必要がある。ここでは、参考のために、本考案に係るトランス デューサ構造体へ適用するのに好ましい具体的な変位検出手段の例を2つ示して おく。
【0048】 第1の例は、接続部に配置されたピエゾ抵抗素子と、このピエゾ抵抗素子の電 気抵抗の変化を検出する検出回路と、によって変位検出手段を構成した例である 。たとえば、図16の上面図に示されているように、合計12個のピエゾ抵抗素 子Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4を、接続部121,122 ,123,124上に形成する。ここで、基板層100をN型のシリコン層とし ておき、ここにP型の不純物を拡散すれば、各ピエゾ抵抗素子を形成することが できる(N型とP型を逆にしてもよい)。ピエゾ抵抗素子は、応力が加えられる と電気抵抗値が変化する性質を有している。変位部110が変位した場合、接続 部121,122,123,124には、応力による撓みが生じていることにな る。そこで、各ピエゾ抵抗素子の電気抵抗値を検出すれば、各接続部121,1 22,123,124に加えられた応力を認識することができ、変位部110の 変位状態を知ることができ、重錘体に加えられた加速度の向きや大きさを求める ことができる。
【0049】 実用上は、図示の実施形態のように、変位部110の左右両側にそれぞれ接続 部121,124を形成し、左側の接続部121には、2個のピエゾ抵抗素子R x1,Rx2を配置し、右側の接続部124には、2個のピエゾ抵抗素子Rx3 ,Rx4を配置し、合計4個のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4がほぼ一直線上に 沿って配置されるようにすれば、この4個のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4を用 いたブリッジ回路により、この4個のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4の配列方向 に関する加速度成分もしくは基板層100に対して垂直な方向に関する加速度成 分を検出することが可能である。たとえば、基板層100の中心位置に原点Oを とり、図示のとおり、図の右方向にX軸、図の上方向にY軸、図の紙面垂直上方 にZ軸を定義したとすると、X軸に沿って配置された4個のピエゾ抵抗素子Rx 1〜Rx4を用いたブリッジ回路により、重錘体に作用した加速度のX軸方向成 分の検出が可能であり、Y軸に沿って配置された4個のピエゾ抵抗素子Ry1〜 Ry4を用いたブリッジ回路により、重錘体に作用した加速度のY軸方向成分の 検出が可能であり、X軸に沿って配置された4個のピエゾ抵抗素子Rz1〜Rz 4を用いたブリッジ回路により、重錘体に作用した加速度のZ軸方向成分の検出 が可能である。
【0050】 図17は、このようなブリッジを用いた検出を行うための検出回路を示す回路 図である。電源61,62,63から各ブリッジに所定の電圧を印加し、電圧計 64,65,66によって各部のブリッジ電圧を検出すれば、これら電圧計64 ,65,66の検出電圧は、それぞれ加速度のX軸,Y軸,Z軸成分を示すもの になる。なお、本願考案者が行った実験によると、図16に示すピエゾ抵抗素子 の配置の代わりに、図18に示す配置(抵抗素子Rx3,Rx4の位置と抵抗素 子Rz3,Rz4の位置とが入れ替わっている)を採った場合の方が精度の高い 検出値を得ることができた。
【0051】 続いて第2の例を示す。この第2の例は、基板層の上方に所定間隔をおいて配 置された補助基板と、変位部の上面に形成された変位電極と、補助基板の下面に 形成された固定電極と、変位電極と固定電極とによって形成される容量素子の静 電容量の変化を検出する検出回路と、によって変位検出手段を構成した例である 。
【0052】 たとえば、図19の側断面図に示されている例は、図9に示すトランスデュー サ構造体における基板層100の上方に、補助基板500を取り付けたものであ る。この補助基板500の下面は、基板層100の上面に対して所定間隔をおい て配置されている。しかも、図20の下面図に示すように、この補助基板500 の下面には、5枚の固定電極501,502,503,504,505が形成さ れている。図19の側断面図に示されている補助基板500の断面は、図20に 示す補助基板500を切断線19−19の位置で切断した断面である。一方、変 位部110の上面には、この5枚の固定電極501〜505に対向する変位電極 が設けられており、各固定電極501〜505と、これに対向する変位電極とに よって、合計5組の容量素子C1〜C5が形成されている。もっとも、実用上は 、変位部110の上面の少なくとも各固定電極501〜505に対向する領域を 導電性を有する領域にしておけば、この変位部110自身を変位電極として利用 することができる。ここに示す実施形態の場合、基板層100全体を導電性材料 (高濃度の不純物を拡散したシリコン層)によって構成し、全体が1枚の共通電 極として機能するようにしてある。
【0053】 このような構成にすれば、5組の容量素子C1〜C5の静電容量の変化により 、変位部110の変位状態を認識することができ、重錘体に加えられた加速度の 向きや大きさを求めることができる。すなわち、変位部110を構成する各羽根 部111〜114や中央部115と補助基板500との間の距離を、容量素子C 1〜C5の静電容量値によって認識することができるので、これら静電容量値に 基く演算によって、重錘体に作用した加速度の各方向成分ごとの大きさを求める ことができる。
【0054】 図21は、このような原理により、加速度の各方向成分を求める検出回路の一 例を示す回路図である。この回路における容量素子C1〜C5は、導電性を有す る変位部110を一方の共通接地電極とし、5枚の固定電極501〜505を他 方の電極とする容量素子であり、その静電容量値は、C/V変換器71〜75に よって電圧値V1〜V5に変換される。更に、減算器76および77によって、 差分V1−V2および差分V3−V4が求められる。こうして出力端子Txに得 られる差分V1−V2は、図20に示すX軸方向の加速度成分を示す値となり、 出力端子Tyに得られる差分V3−V4は、図20に示すY軸方向の加速度成分 を示す値となり、出力端子Tzに得られる電圧V5は、図20の紙面垂直上方を 向いたZ軸方向の加速度成分を示す値となる。
【0055】 <<< §4.いくつかの変形例 >>> 最後に、本考案に係るトランスデューサ構造体の変形例を述べておく。上述し た実施形態では、図15にハッチングを施して示す制御領域A10,A20,A 30,A40において、固定部130側の制御面A11,A21,A31,A4 1と、重錘体310側の上面周囲部A12,A22,A32,A42とが対向し た構造となり、変位制御が行われる。しかしながら、非常に小型のトランスデュ ーサ構造体の場合、制御領域A10,A20,A30,A40の幅は極めて小さ いため、スリットS1〜S4の位置と重錘体310の位置との間に寸法誤差が生 じると、これらの制御領域が正しく形成されない可能性がある。たとえば、図1 5において、スリットS1〜S4の位置が全体的に斜め左上方向にずれた場合、 図示されている制御領域A10はスリットS1の移動により面積が減少し、逆に 、図示されている制御領域A40はスリットS4の移動により面積が増加する。 したがって、ずれ量がある程度以上になると、制御領域A10は完全に消滅し、 図の左上部分における変位制御機能は失われてしまう。
【0056】 特に、エッチングを利用したプロセスによって各部の構造を形成するような場 合、エッチングの位置精度が十分に確保されていないと、上述のようなずれが生 じるおそれがある。加速度センサを量産する場合、エッチングの処理不良等によ り、変位制御機能が不完全になったロットは、不良品として排除する必要がある 。しかしながら、図15に示すトランスデューサ構造体の場合、変位制御機能が 正常か否かを外観から確認することが困難である。すなわち、図15の上面図を 見る限り、重錘体310は、その一部がスリットS1〜S4を通して露出してい るだけであり、図示されている制御領域A10,A20,A30,A40の存在 は、固定部130の陰に隠れて目視確認することはできない。
【0057】 ここで述べる第1の変形例は、このような課題を解決するための実施形態であ る。この変形例では、図6の横断面図に示されている上層部100の代わりに、 図22の横断面図に示されている上層部100Aを用いるようにする。この上層 部100Aの特徴は、スリットS1,S2,S3,S4の周囲に、それぞれ爪状 スリットS11〜S14,S21〜S24,S31〜S34,S41〜S44を 形成するようにした点にある。これら爪状スリットは、重錘体310の輪郭位置 を目視確認するための確認用窓として機能する。図23は、この上層部100A を用いたトランスデューサ構造体の上面図である。図15と同様に、ハッチング を施した制御領域A10,A20,A30,A40は、変位制御機能を果たすた めの領域である。ただ、図15に示す構造体に比べて、図23に示す構造体では 、爪状スリットが形成されているため、重錘体310の輪郭位置を目視確認する ことができる。たとえば、図示の爪状スリットS11,S12の内部を見れば、 重錘体羽根部311の左側の輪郭部分の位置を確認することが可能である。
【0058】 図24は、図23における爪状スリットS11周辺の拡大上面図である。図示 のとおり、上方から爪状スリットS11の内部を覗くと、右側には重錘体羽根部 311が位置し、左側には溝部G1が位置していることが確認できる。ここで、 両者の境界線は、重錘体羽根部311の左側の輪郭位置を示している。したがっ て、上層部100Aに分散配置されている各爪状スリットの中を覗けば、重錘体 310の全体的な輪郭位置を認識することができ、制御領域A10,A20,A 30,A40が正しく形成されているか否かを判断することができる。もちろん 、非常に小型のトランスデューサ構造体の場合であれば、顕微鏡などの光学的手 段を用いて拡大することにより、同様の判断が可能である。図23に示すように 、爪状スリットを設けることにより、制御領域の面積は若干減少することになる が、変位制御機能には何ら支障は生じない。このように、本考案における重錘体 の「上面周囲部」や、固定部の内側部分下面に形成された「制御面」は、重錘体 の周囲を完全に取り囲むように配置する必要はなく、重錘体の変位を効率的に制 御することができる箇所ごとに分散して配置してかまわない。
【0059】 続いて述べる第2の変形例は、制御領域の面積を更に減少させた実施形態であ る。この実施形態では、図6に示す上層部100の代わりに、図25に示す上層 部100Bを用い、図7に示す中層部200の代わりに、図26に示す中層部2 00Bを用い、図8に示す下層部300の代わりに、図27に示す下層部300 Bを用いる(いずれも層面に平行な切断面で切った横断面図である)。
【0060】 まず、図25に示す上層部100Bを見ると、4つのスリットSS1〜SS4 が形成されていることがわかる。ただし、これらのスリットは正方形状のもので はなく、8角形に近い形状となっている。いずれも完全な環状の8角形ではなく 、上層部100Bの中央に近い部分に開口部を有している。別言すれば、このス リットSS1〜SS4は、いわば、図6に示す上層部100上に形成された正方 形状のスリットS1〜S4の3つの角を削ったような形状ということになる。実 は、この削られた角の部分が、制御面として機能することになる。一方、図26 に示す中層部200Bは、中央部分の5か所に配置された重錘体接合層210B (羽根部接合層211B〜214Bおよび中央部接合層215B)と、その周囲 を囲う台座接合層230Bと、によって構成されている。羽根部接合層211B 〜214Bの形状は、スリットSS1〜SS4の形状に合わせて、角が削られた ものになっている。また、図27に示す下層部300Bは、ファン状形状をした 重錘体310B(重錘体羽根部311B〜314Bおよび重錘体中央部315B )と、その周囲を囲う台座330Bと、によって構成され、両者は溝部GG1, GG2によって分離されている。
【0061】 ここで、重錘体接合層210Bと重錘体310Bとの平面形状を比較すると、 図27に示す重錘体羽根部311B〜314Bは正方形状をしているのに対し、 図26に示す羽根部接合層211B〜214Bは、正方形の3つの角が削られた 形状をしている。実は、重錘体羽根部311B〜314Bを構成する正方形のそ れぞれ3つの角の部分は、上面周囲部として機能することになるが、羽根部接合 層211B〜214Bは、この上面周囲部の領域を避けるような形状となってい るため、上面周囲部と制御面との間には所定間隔d2(中層部200Bの厚み) が確保されることになり、重錘体310Bは間隔d2の自由度の範囲内で上方向 に変位が可能になる。
【0062】 図28は、上層部100B,中層部200B,下層部300Bを積層してなる トランスデューサ構造体の上面図である(下層部300Bを破線で示し、中層部 200Bは図示を省略してある)。ただし、図の下半分は、上層部100Bおよ び中層部200Bを除去した状態(すなわち、下層部300Bの上面状態)が示 されている。この図により、上層部100B上に形成された各スリットSS1〜 SS4と、重錘体310Bとの平面的な位置関係が明瞭に認識できる。図にハッ チングを施した領域が制御領域であり、上層部100Bの下面における制御領域 が「制御面」となり、重錘体310Bの上面における制御領域が「上面周囲部」 となる。たとえば、スリットSS1とその下に位置する重錘体羽根部311Bと の位置関係を見れば、正方形状の重錘体羽根部311Bは、図示のとおり、3か 所の制御領域AA1,AA2,AA3において変位が制御されることがわかる。 4つの重錘体羽根部311B〜314Bは、いずれも3か所において変位が制御 されることになる。このように、本考案における「制御面に対向する上面周囲部 」は、必ずしも重錘体310の上面の周囲全域に設ける必要はなく、図28にハ ッチングを施した領域のように、その一部分に設ければ十分である。接続部12 0Bが比較的固い場合には、制御領域の数を更に減少させることも可能である。 たとえば、図28に示す例では、スリットSS1の周辺に3つの制御領域AA1 ,AA2,AA3が設けられているが、これを1つの制御領域AA2のみに減ら すようなことも可能である。
【0063】 図29は、図28に示すトランスデューサ構造体を、図の切断線29−29の 位置で切断した状態を示す側断面図である。図示のとおり、上層部100B側の スリットSS1,SS2の直下に、下層部300B側の溝部GG1が形成されて おり、この側断面図を見る限り、重錘体310Bの変位が固定部130Bの下面 によって制御されるような構造は示されていない。しかしながら、図28に示す 構造体を、正方形の対角線に相当する斜め45°の位置の切断線に沿って切断し た側断面を思い浮かべれば、制御領域AA2に相当する部分において、重錘体3 10Bの上面周囲部の変位が、固定部130Bの下面の制御面によって制御され る構造が理解できよう。
【0064】
【考案の効果】
以上のとおり、本考案に係るトランスデューサ構造体によれば、重錘体の変位 を制限するための精密な制御構造を容易に構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施形態に係るトランスデューサ構
造体の上面図である。
【図2】図1に示すトランスデューサ構造体を、切断線
2−2の位置で切断した側断面図である。
【図3】図1に示すトランスデューサ構造体を、切断線
3−3の位置で切断した側断面図である。
【図4】図1に示すトランスデューサ構造体の下面図で
ある。
【図5】図2または図3の側断面図に示されている上層
部100単体の上面図である。
【図6】図3の側断面図において、上層部100を図の
切断線6−6に沿って切断することにより得られる上層
部100単体の横断面図である。
【図7】図3の側断面図において、中層部200を図の
切断線7−7に沿って切断することにより得られる中層
部200単体の横断面図である。
【図8】図3の側断面図において、下層部300を図の
切断線8−8に沿って切断することにより得られる下層
部300単体の横断面図である。
【図9】図2の側断面図に示されているトランスデュー
サ構造体の下面に、制御基板400を取り付けた状態を
示す側断面図である。
【図10】図2の側断面図に示されているトランスデュ
ーサ構造体を、装置筐体450内に収容した状態を示す
側断面図である。
【図11】図9に示すトランスデューサ構造体におい
て、重錘体310を下方向に変位させる力が加えられた
ときに、変位制御が行われる状態を示す側断面図であ
る。
【図12】図9に示すトランスデューサ構造体におい
て、重錘体310を左方向に変位させる力が加えられた
ときに、変位制御が行われる状態を示す側断面図であ
る。
【図13】図9に示すトランスデューサ構造体におい
て、重錘体310を上方向に変位させる力が加えられた
ときに、変位制御が行われる状態を示す側断面図であ
る。
【図14】図9に示すトランスデューサ構造体におい
て、重錘体310を回転させる力が加えられたときに、
変位制御が行われる状態を示す側断面図である。
【図15】図1に示すトランスデューサ構造体におい
て、固定部130側に設けられた制御面と、重錘体31
0の上面周囲部との位置関係を示す上面図である。
【図16】図9に示すトランスデューサ構造体に、ピエ
ゾ抵抗素子を用いた変位検出手段を適用した一例を示す
上面図である。
【図17】図16に示すピエゾ抵抗素子を用いた加速度
の検出回路の一例を示す回路図である。
【図18】図9に示すトランスデューサ構造体に、ピエ
ゾ抵抗素子を用いた変位検出手段を適用した別な一例を
示す上面図である。
【図19】図9に示すトランスデューサ構造体に、容量
素子を用いた変位検出手段を適用した一例を示す側断面
図である。
【図20】図19に示す補助基板500の下面図であ
る。
【図21】図19に示す容量素子を用いた加速度の検出
回路の一例を示す回路図である。
【図22】本考案の第1の変形例に用いる上層部100
Aの横断面図である。
【図23】図22に示す上層部100Aを用いたトラン
スデューサ構造体の上面図である。
【図24】図23に示す爪状スリットS11周辺の拡大
上面図である。
【図25】本考案の第2の変形例に用いる上層部100
Bの横断面図である。
【図26】本考案の第2の変形例に用いる中層部200
Bの横断面図である。
【図27】本考案の第2の変形例に用いる下層部300
Bの横断面図である。
【図28】本考案の第2の変形例に係るトランスデュー
サ構造体の上面図(下層部300Bの位置を破線で示
し、中層部200Bの図示は省略)である。ただし、図
の下半分には、上層部100Bおよび中層部200Bを
除去した状態(すなわち、下層部300Bの上面状態)
が示されている。
【図29】図28に示すトランスデューサ構造体を、図
の切断線29−29の位置で切断した状態を示す側断面
図である。
【符号の説明】
61〜63…電源 64〜66…電圧計 71〜75…C/V変換器 76,77…減算器 100,100A,100B…上層部(シリコンからな
る基板層) 110,110B…変位部 111〜114…羽根部 115…中央部 120,120B…接続部 121〜124…接続部 130,130B…固定部 200,200B…中層部(酸化シリコンからなる接合
層) 210,210B…重錘体接合層 211〜214,211B〜214B…羽根部接合層 215,215B…中央部接合層 230,230B…台座接合層 300,300B…下層部(シリコンからなる重錘体お
よび台座の層) 310,310B…重錘体 311〜314,311B〜314B…重錘体羽根部 315,315B…重錘体中央部 330,330B…台座 400…制御基板(ガラス基板) 450…装置筐体 460…蓋板 500…補助基板 501〜505…固定電極 A10,A20,A30,A40…制御領域 A11,A21,A31,A41…制御面 A12,A22,A32,A42…重錘体の上面周囲部 AA1,AA2,AA3…制御領域 C1〜C5…容量素子 d1〜d3…間隔寸法 G1,G2,GG1,GG2…溝部 Rx1〜Rx4,Ry1〜Ry4,Rz1〜Rz4…ピ
エゾ抵抗素子 S1〜S4,SS1〜SS4…ほぼ環状のスリット S11〜S14,S21〜S24,S31〜S34,S
41〜S44…爪状スリット Tx,Ty,Tz…出力端子 V…空隙部 V1〜V5…電圧

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部分に設けられた変位部と、この変
    位部の周囲に設けられた固定部と、前記変位部を前記固
    定部に対して変位可能な状態となるように接続する接続
    部と、を有する基板層と、 前記基板層の下方に配置され、前記固定部の内側部分下
    面に形成された制御面に対向する上面周囲部を有する重
    錘体と、 前記重錘体の周囲を取り囲むように配置され、前記固定
    部を下方から支持固定する台座と、 前記重錘体と前記基板層との間の空間における前記上面
    周囲部以外の領域に介挿され、前記重錘体および前記基
    板層とは異なる材料から構成され、前記重錘体を前記変
    位部の下面に接合する重錘体接合層と、 前記台座と前記固定部との間の空間における前記制御面
    以外の領域に介挿され、前記重錘体接合層と同一材料か
    ら構成され、前記重錘体接合層と同一の厚みを有し、前
    記台座を前記固定部の下面に接合する台座接合層と、 を備え、前記重錘体に加速度が作用したときに、前記接
    続部に生じる撓みにより前記変位部が前記固定部に対し
    て変位するように構成され、作用した加速度の所定方向
    成分の大きさが所定の許容値を越えたときに、前記上面
    周囲部が前記制御面に接触して変位が制御されるよう
    に、前記重錘体接合層の厚みが設定されていることを特
    徴とする加速度センサ用トランスデューサ構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトランスデューサ構造
    体において、 基板層にスリットが形成され、このスリットにより、前
    記基板層の各部が変位部、固定部、接続部として機能す
    るように構成されていることを特徴とする加速度センサ
    用トランスデューサ構造体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のトランスデューサ構造
    体において、 一部分に開口部を有する環状形状をもった複数のスリッ
    トが、それぞれの開口部が基板層の中心を向くような向
    きで形成されており、 個々の環状スリットに囲まれた部分を羽根部とする送風
    機のファン状形状をなす構造体により変位部が構成さ
    れ、互いに隣接する一対のスリット間に形成された部分
    により接続部が構成され、前記複数のスリットの外側包
    絡線よりも外側に位置する基板層の外周部分により固定
    部が構成されていることを特徴とする加速度センサ用ト
    ランスデューサ構造体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のトランスデューサ構造
    体において、 ほぼ正方形の輪郭に沿った形状をもち、前記正方形の1
    頂点に相当する部分に開口部を有する4組の同形スリッ
    トが、ほぼ正方形をした基板層上にシンメトリックに配
    置された状態で構成されていることを特徴とする加速度
    センサ用トランスデューサ構造体。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のトランスデュ
    ーサ構造体において、 基板層下面の複数のスリットの外側包絡線の外側直近領
    域に形成された制御面により、重錘体の上面周囲部の変
    位を制御することができるように、重錘体の上面の輪郭
    が、変位部を構成する構造体の輪郭を外側へ拡張した形
    状となるように構成されていることを特徴とする加速度
    センサ用トランスデューサ構造体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のトランスデューサ構造
    体において、 重錘体接合層が、ファン状形状の中央部の位置において
    変位部と重錘体とを接合する中央部接合層と、ファン状
    形状の個々の羽根部の位置において変位部と重錘体とを
    接合する個々の羽根部接合層と、によって構成されてい
    ることを特徴とする加速度センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のトラン
    スデューサ構造体において、 作用した加速度の所定方向成分の大きさが所定の許容値
    を越えたときに、重錘体の側面が台座の内側面に接触し
    て変位が制御されるように、重錘体の側面と台座の内側
    面との間隔が設定されていることを特徴とする加速度セ
    ンサ用トランスデューサ構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のトラン
    スデューサ構造体において、 台座の底面に対して重錘体の底面が所定寸法だけ上方に
    位置し、前記台座が制御基板上に固定された場合に、前
    記重錘体の底面と前記制御基板の上面との間に所定間隔
    が確保されるように、前記重錘体の厚みが設定されてお
    り、 作用した加速度の所定方向成分の大きさが所定の許容値
    を越えたときに、前記重錘体の底面が前記制御基板の上
    面に接触して変位が制御されるように、前記所定間隔が
    設定されていることを特徴とする加速度センサ用トラン
    スデューサ構造体。
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