JP3089383U - 多光反射多層塗布面を設けた多目的構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来場面転換用に遊技場、教育施設、集会施
設、大規模遊園地等の背景壁画や美術作品における２種
の照明変化に反射する作画、塗布物を形成しデイライ
ト、ブラックライト、無光源（闇）の下のいずれでも一
定の反射描写が可能と成るようにする。 【解決手段】 画用紙、ボード紙等の生地に、水性合成
樹脂塗料、水性透明発光塗料、油性蓄光発光顔料塗料を
加えて塗り重ね、又は、塗り分けてデイライト、ブラッ
クライト、無光源（闇）の中でも複数の絵柄を出せるよ
うにした上で反射描出を可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、装飾品作成技術、特殊作画方法に基づく多光反射多層塗布物に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来用いられてきた場面変換用の各種美術作品や壁画、背景等には照明フィル ターなどにより、たとえば青空の絵にオレンジ色の照明を当てて夕景にするなど 、作画の技術や内容そのものよりも照明技術に頼るものが比較的多かった。又は 、水性合成樹脂塗料（例、商標 ルミライト）絵具作画により白一色画面から紫 外線下にすると、絵が浮き出てくるというような二種類の絵柄作画方法はあった 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の作画方法だけでは、美術作品、美術館や記念館、集会場の壁面背景画等 の画面変化に関し、デイライト又はブラックライトに対応するのみの二種類の画 面変化しかできなかった。同一の画面に三種類の絵柄変化をもたらすには、デイ ライト、ブラックライトに加えて少なくともブラックライト、デイライト以外の 光源又は無光源下にも反応する蓄光発光顔料塗料の必要があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来使われてきた二種類の同一画面を三種類の絵柄に変化させるた めに、もう一つの塗料を加える手段とその結果としての塗布物を考案した。すな わち、一般に使用されている普通の水彩絵の具と特殊蛍光塗料、そして蓄光発光 顔料塗料を組み合わせるという方法に基づく絵柄の作品を考案したものである。 本考案により同一画面上における塗り分け、又は重ね塗りと照明の変化との組み 合わせによる三種類の絵柄への変化画面が可能になった。ここで絵柄とは、平面 又は立体の表面に描かれた描写作品、又は、塗布作品等の模様又は構図を言う。 本考案による作品又は塗布物の絵柄を可視光線（通常光）下で見た場合、塗料の 種類と照明の変化に応じて同一の画面ないし絵柄が、ブラックライト下では別の 絵柄へと変化し、光の全く存在しない無光源（闇）下では、鑑賞者の目に表出す る絵柄がさらに別の絵柄へと変化できるようになった。

【０００５】 更に具体的に述べると、まず生地としてのボード紙や画用紙等の任意の素材の 上に可視光線（通常光）下での出現色である水性アクリル絵具（例、商標名 リ キテックス）を使い基準ベース面になる絵柄を塗布又は作画する。その上に紫外 線にのみ反応して可視光線化発光する水性合成樹脂塗料（例、商標名 マジック ルミノペイント）と可視光（通常光）と紫外線反応発光の両方で可視光線化する 油性蓄光発光顔料塗料（例、商標名 ブライテックス）で二種類目の絵柄を塗布 又は作画する。その後ブラックライト及び無光源（闇）下の中で発光持続する蓄 光発光顔料塗料（例、商標名 ブライテックス）で三種類目の絵柄を同一画面上 に層を変え又は層を重ねて描き仕上げる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の態様を添付の図面に即して説明する。生地としては画用紙やボ ード紙（例 クレセントボード Ｎｏ．３００中目１．５ｍｍ）等の任意の生地 を用い、その上に塗料及び照明を変えて該ボード上に塗り分け、又は重ね塗りを する。

【０００７】

【実施例１】 第１例として、図１によれば、可視光線（通常光）下では、二羽のメジロがつ ぼみの付いた梅の枝に止まっている絵柄を示す。これは紫外線（ブラックライト ）下では、図２に示すように、一羽が空に飛び出し、もう一羽はそのまま梅の枝 に止まっている。同時に梅は開花している。更に無光源下（闇）では、図３に示 すように、梅の枝に止まる一羽のみ枝に止まっているだけになる絵柄に変わるこ とを示す。塗り重ねとしては、図４に示すように、ボード紙の生地２にまず水性 アクリル絵具３で描き、その上に水性合成樹脂塗料４で上塗りし、最後に更にそ の上に油性蓄光発光顔料塗料５で塗り重ねると三種の光源に反応する。三種の光 源とはすなわち、デイライト、ブラックライト、闇（すなわち無光源状態）であ る。

【０００８】

【実施例２】 第２例として、図５によれば、可視光線（通常光）下では、青空と海と島の風 景の絵柄、紫外線（ブラックライト）下では、図６に示すように、夕焼けの島の 風景の絵柄、無光源下（闇）では、図７に示すように、星空にライトアップされ た島の風景の絵柄からなる例を示す。塗り重ねとしては、上記の第１例と同様に ，図８で示されている。

【０００９】

【実施例３】 第３例として、図９によれば、可視光線（通常光）下では、抽象的な模様柄の 絵柄、紫外線（ブラックライト）下では、図１０に示すように、模様の色や数が 増えた抽象柄の絵柄、無光源（闇）下では、図１１に示すように、女優の顔が浮 かび上がるようにそれぞれ変化する絵柄からなる例を示す。この場合、女優の顔 は第三画面にのみ登場するように描くことができ、それによって場面変化が図れ る。塗り重ねとしては、上記の第１例、第２例と同様に、図１２で示されている 。

【００１０】

【考案の効果】

この考案によれば、一枚または一面の画面を照明の光源の種類変化により少な くとも三種類の別の絵柄へと変化させることができる。エンターティメント、シ ョービジネス的な産業界、及び教育分野、公共施設、資料館、博物館展示等の各 種学習施設、公共施設、娯楽施設等において作品のサイズ等の大小に関係無く視 覚的雰囲気による空間表現製作に用いると効果的である。特に、描かれた作品が 可視光線（通常光）下での明所から、紫外線（ブラックライト）下、無光源（闇 ）下へと照明を切り換えるに伴い、絵柄が変化していくことからストーリー的な あるいは単純な地図や絵柄の転換ができる。又例えば高速道路、地方道路等の壁 面や路面等の生地においては、全ての路面上に充分な照明をあてられない場合が ある。その場合、照明のあて方によって注意標識となる絵柄を描き込むこともで きる。その他にも本考案による応用、用途は種々の異なった生地に異なった用途 目的の下に絵柄を描き分けるといった形での応用や適用が考えられる。

【００１１】

【提出日】平成１４年７月２日（２００２．７．２）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】 【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、装飾品作成技術、特殊作画方法に基づく多光反射多層塗布面を設け た多目的構造物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来用いられてきた場面変換用の各種美術作品や壁画、背景等には照明フィル ターなどにより、例えば青空の絵にオレンジ色の照明を当てて夕景にするなど、 作画の技術や内容そのものよりも照明技術に頼るものが比較的多かった。又は、 水性合成樹脂塗料（例、商標 ルミライト）絵具作画により白一色画面から紫外 線下にすると、絵が浮き出てくるというような二種類の絵柄作画方法はあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の作画方法だけでは、美術作品、美術館や記念館、集会場の壁面背景画等 の画面変化に関し、デイライト又はブラックライトに対応するのみの二種類の画 面変化しかできなかった。同一の画面に三種類の絵柄変化をもたらすには、デイ ライト、ブラックライトに加えて少なくともブラックライト、デイライト以外の 光源又は無光源下にも反応する蓄光発光顔料塗料の必要があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来使われてきた二種類の同一画面を三種類の絵柄に変化させるた めに、もう一つの塗料を加える手段とその結果としての塗布面を設けた多目的構 造物を考案した。すなわち、一般に使用されている普通の水彩絵の具と特殊蛍光 塗料、そして蓄光発光顔料塗料を組み合わせるという方法に基づく絵柄の多光反 射多層塗布面を設けた多目的構造物を考案したものである。本考案により同一画 面上における塗り分け、又は重ね塗りと照明の変化との組み合わせによる三種類 の絵柄への変化画面が可能になった。ここで絵柄とは、平面又は立体の表面に描 かれた描写作品、又は、塗布作品等の模様又は構図を言う。本考案による作品又 は塗布物の絵柄を可視光線（通常光）下で見た場合、塗料の種類と照明の変化に 応じて同一の画面ないし絵柄が、ブラックライト下では別の絵柄へと変化し、光 の全く存在しない無光源（闇）下では、鑑賞者の目に表出する絵柄がさらに別の 絵柄へと変化できるようになった。

【０００５】 更に具体的に述べると、まず生地としてのボード紙や画用紙等の任意の素材の 上に可視光線（通常光）下での出現色である水性アクリル絵具（例、商標名 リ キテックス）を使い基準ベース面になる絵柄を塗布又は作画する。その上に紫外 線にのみ反応して可視光線化発光する水性合成樹脂塗料（例、商標名 マジック ルミノペイント）と可視光（通常光）と紫外線反応発光の両方で可視光線化する 油性蓄光発光顔料塗料（例、商標名 ブライテックス）で二種類目の絵柄を塗布 又は作画する。その後ブラックライト及び無光源（闇）下の中で発光持続する蓄 光発光顔料塗料（例、商標名 ブライテックス）で三種類目の絵柄を同一画面上 に層を変え又は層を重ねて描き仕上げる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の態様を添付の図面に即して説明する。生地としては画用紙やボ ード紙（例 クレセントボード Ｎｏ．３００中目１．５ｍｍ）等の任意の生地 を用い、その上に塗料及び照明を変えて該ボード上に塗り分け、又は重ね塗りを する。

【０００７】

【実施例１】 第１例として、図１によれば、可視光線（通常光）下では、二羽のメジロが蕾 の付いた梅の枝に止まっている絵柄が示されている。これは紫外線（ブラックラ イト）下では、図２に示すように、一羽が空に飛び出し、もう一羽はそのまま梅 の枝に止まっている。同時に梅は開花している。更に無光源下（闇）では、図３ に示すように、梅の枝に止まる一羽のみ枝に止まっているだけになる絵柄に変わ ることを示す。塗り重ねとしては、図４に示すように、ボード紙の生地２にまず 水性アクリル絵具３で描き、その上に水性合成樹脂塗料４で上塗りし、最後に更 にその上に油性蓄光発光顔料塗料５で塗り重ねると三種の光源に反応する。三種 の光源とはすなわち、デイライト、ブラックライト、闇（すなわち無光源状態） である。

【０００８】

【実施例２】 第２例として、図５によれば、可視光線（通常光）下では、青空と海と島の風 景の絵柄が示されている。これは紫外線（ブラックライト）下では、図６に示す ように、夕焼けの島の風景の絵柄に変化し、無光源下（闇）では、図７に示すよ うに、星空にライトアップされた島の風景の絵柄に変化する例が示されている。 塗り重ねとしては、上記の第１例と同様に，図８で示されている。

【０００９】

【実施例３】 第３例として、図９によれば、可視光線（通常光）下では、抽象的な模様柄の 絵柄が示されている。これは紫外線（ブラックライト）下では、図１０に示すよ うに、模様の色や数が増えた抽象柄の絵柄に変化し、無光源（闇）下では、図１ １に示すように、女優の顔が浮かび上がるようにそれぞれ変化する絵柄からなる 例が示されている。この場合、女優の顔は第三画面にのみ登場するように描くこ とができ、それによって場面変化が図れる。塗り重ねとしては、上記の第１例、 第２例と同様に、図１２で示されている。

【００１０】

【考案の効果】

この考案によれば、多目的構造物を構成する多光反射多層塗布面を、照明の光 源の種類変化により少なくとも三種類の別の絵柄へと変化させることができる。 従って、エンターテイメント、ショービジネス的な産業界、及び教育分野、公共 施設、資料館、博物館展示等の各種学習施設、公共施設、娯楽施設等において、 作品のサイズ等の大小に関係無く視覚的雰囲気による空間表現製作に用いると効 果的である。特に、描かれた作品が可視光線（通常光）下での明所から、紫外線 （ブラックライト）下、無光源（闇）下へと照明を切り換えるに伴い、絵柄が変 化していくことからストーリー的なあるいは単純な地図や絵柄の転換ができる。 又、例えば、高速道路、地方道路等の壁面や路面等の生地においては、全ての路 面上に充分な照明をあてられない場合がある。その場合、照明のあて方によって 注意標識となる絵柄を描き込むこともできる。その他にも本考案による応用、用 途は種々の異なった生地に異なった用途目的の下に絵柄を描き分けるといった形 での応用や適用が考えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案をボード紙の生地に水性アクリル絵具
と、水性合成樹脂塗料と、油性蓄光発光顔料塗料とを用
いて二羽のメジロと梅の花を三層に描き分けた塗布物な
いし絵柄作品の平面図を示す。

【図２】図１に示す構成において紫外線（ブラックライ
ト）下での絵柄を示す。

【図３】図１に示す構成において無光源下（闇）での絵
柄を示す。

【図４】図１のＡ−Ａ′線断面図を示す。

【図５】本考案をボード紙の生地に水性アクリル絵具
と、水性合成樹脂塗料と、油性蓄光発光顔料塗料とを用
いて青空と海と島の風景を三層に描き分けた塗布物ない
し絵柄作品の平面図を示す。

【図６】図５に示す構成において紫外線（ブラックライ
ト）下での絵柄を示す。

【図７】図５に示す構成において無光源下（闇）での絵
柄を示す。

【図８】図５のＢ−Ｂ′線断面図を示す。

【図９】本考案をボード紙の生地に水性アクリル絵具
と、水性合成樹脂塗料と、油性蓄光発光顔料塗料とを用
いて可視光線（通常光）下では抽象的な模様柄を示す。

【図１０】図９の絵柄において紫外線（ブラックライ
ト）下では模様の色や数が増えた抽象柄の例を示す。

【図１１】図９の絵柄において無光源（闇）下では、女
優の顔が浮かび出る絵柄からなる例を示す。

【図１２】図９のＣ−Ｃ′線断面図を示す。

【符号の説明】

１：実施例１ ２：ボート゛紙の生地 ３：水性アクリル絵具塗布層 ４：水性合成樹脂塗料塗布層 ５：油性蓄光発光顔料塗料層 ６：実施例２ ７：実施例３

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【手続補正書】

【提出日】平成１４年７月２日（２００２．７．２）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正内容】

【書類名】 明細書

【考案の名称】多光反射多層塗布面を設けた多目的構造
物

【実用新案登録請求の範囲】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の多目的構造物の多光反射多層
塗布面を、ボード紙の生地に水 性アクリル絵具と、水性合成樹脂塗料と、油性蓄光発光
顔料塗料とを用いて二羽のメジロと梅の花を三層に描き
分けた絵柄の平面図である。

【図２】図１に示す多光反射多層塗布面における紫外線
（ブラックライト）下での絵柄 の平面図である。

【図３】図１に示す多光反射多層塗布面における無光源
下（闇）での絵柄の平面図である。

【図４】図１のＡ−Ａ′線断面図である。

【図５】本考案の他の実施例の多目的構造物の多光反射
多層塗布面を、ボード紙の生地に水性アクリル絵具と、
水性合成樹脂塗料と、油性蓄光発光顔料塗料とを用いて
青空と海と島の風景を三層に描き分けた絵柄の平面図で
ある。

【図６】図５に示す多光反射多層塗布面における紫外線
（ブラックライト）下での絵柄の平面図である。

【図７】図５に示す多光反射多層塗布面における無光源
下（闇）での絵柄の平面図である。

【図８】図５のＢ−Ｂ′線断面図である。

【図９】本考案の更に他の実施例の多目的構造物の多光
反射多層塗布面を、ボード紙の生地に水性アクリル絵具
と、水性合成樹脂塗料と、油性蓄光発光顔料塗料とを用
いて描いたものであって、可視光線（通常光）下で視認
される抽象的な模様柄の平面図である。

【図１０】図９に示す多光反射多層塗布面における紫外
線（ブラックライト）下での絵柄の平面図である。

【図１１】図９に示す多光反射多層塗布面における無光
源（闇）下での絵柄の平面図である。

【図１２】図９のＣ−Ｃ′線断面図である。

【符号の説明】 １：実施例１ ２：ボート゛紙の生地 ３：水性アクリル絵具塗布層 ４：水性合成樹脂塗料塗布層 ５：油性蓄光発光顔料塗料層 ６：実施例２ ７：実施例３

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】１枚の生地に、水性合成樹脂塗料、水性透
   明発光塗料、蓄光発光顔料塗料の三種を順次塗り重ね又
   は塗り分けた絵柄を構成し、該絵柄にデイライト又はブ
   ラックライト又は闇でも絵柄を構成するようにしたこと
   を特徴とする多光反射多層塗布物。
2. 【請求項２】１枚の生地に水性アクリル絵具と、蓄光発
   光顔料塗料をそれぞれ用いて基準ベース絵柄を作成し、
   その上に紫外線にのみ反応する水性透明発光塗料を用い
   て絵柄にしたことを特徴とする多光反射多層塗布物。
3. 【請求項３】1枚の生地に、水性及び油性塗料、無着色
   紫外線発光蛍光塗料、蓄光発光顔料塗量の三種を順次塗
   り重ね、又は並列作画及び印刷により絵柄を構成し、該
   絵柄にデイライト又はブラックライト照射時又は闇でも
   絵柄を構成するようにしたことを特徴とする多光反射多
   層塗布物。