JP3088964B2 - 振動波の符号化方法、復号化方法、及び振動波の符号化装置、復号化装置 - Google Patents

振動波の符号化方法、復号化方法、及び振動波の符号化装置、復号化装置

Info

Publication number
JP3088964B2
JP3088964B2 JP09064860A JP6486097A JP3088964B2 JP 3088964 B2 JP3088964 B2 JP 3088964B2 JP 09064860 A JP09064860 A JP 09064860A JP 6486097 A JP6486097 A JP 6486097A JP 3088964 B2 JP3088964 B2 JP 3088964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
value
input
bit
predicted value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09064860A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10260700A (ja
Inventor
宗利 岩切
甲子雄 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Co Ltd
Original Assignee
Kowa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kowa Co Ltd filed Critical Kowa Co Ltd
Priority to JP09064860A priority Critical patent/JP3088964B2/ja
Publication of JPH10260700A publication Critical patent/JPH10260700A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3088964B2 publication Critical patent/JP3088964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声などの振動波
に他のデータを合成して符号化するための符号化方法及
び復号化方法と、その方法を実施する符号化装置及び復
号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動波の一つである音声を伝
送又は蓄積するための符号化技術として、音声の瞬時振
幅値を符号化することを目的とした波形符号化方式があ
り、その一つとして、差分予測符号化方式がある。
【0003】この差分予測符号化方式では、定期的なサ
ンプリングにより得た音声の瞬時振幅値を表す信号を入
力信号として順次入力し、その信号を入力する毎に、過
去の入力信号から今回の入力信号の予測値を求めると共
に、その予測値と今回の入力信号の値との差分を量子化
して符号化する、といった手順で音声を符号化する。
【0004】また、音声を再生する際には、符号化され
た符号化信号を順次入力する毎に、その入力した符号化
信号を逆量子化して該符号化信号の表す差分を求めると
共に、既に生成した音声の瞬時振幅値を表す再生信号か
ら今回の再生信号の予測値を求め、その予測値と今回逆
量子化して求めた差分とを加算して、今回入力した符号
化信号に対応する再生信号を生成することにより、音声
波形を復元する。
【0005】そして、このような差分予測符号化方式の
代表的なものとしては、線形パルス符号化(PCM:Pu
lse Code Modulation )方式に対し近接相関に基づいた
適応予測と適応量子化とを行う手法を組み入れた、適応
差分PCM(ADPCM:Adaptive Differential PCM
)符号化方式が知られている。尚、このADPCM符
号化方式は、CCITT(国際電信電話諮問委員会)に
よりG.721やG.726などの符号化手順として標
準化されており、現在の通信分野において広く採用され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、音声情報と
文字情報(テキスト情報)などの他の情報とを併送しよ
うとした場合、一般的には、送信に必要となる帯域幅が
増大して通信効率が悪くなる。
【0007】そこで、この問題を解決するために、本発
明者は、音声の冗長性に着目して、音声符号(音声を符
号化した符号化信号)中に他の情報を構成するデータを
埋め込むことで音声情報に他の情報を合成し、その合成
後の信号を伝送することを考えた。
【0008】しかしながら、ただ単に他のデータを埋め
込んだのでは、その埋め込み位置を第3者に判別され易
く、合成した他の情報を不正に解読されてしまう可能性
が高くなってしまう。しかも、音声を再生した際に、上
記埋め込んだ他のデータがノイズとなって、再生音質を
劣化させてしまう。
【0009】そして、このような問題は、例えばセンサ
や計測器などから出力されるアナログ信号といった音声
以外の振動波を符号化する際に、文字情報などの他の情
報を合成しようとした場合についても全く同様である。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、音
声などの振動波を符号化する際に他のデータを密かに合
成することのできる振動波の符号化方法、及びその符号
化方法により生成された符号化信号から振動波と他のデ
ータを確実に再生することのできる振動波の復号化方法
と、それらの方法を実施する振動波の符号化装置及び復
号化装置とを、提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】本発明
の振動波の符号化方法では、振動波の瞬時振幅値を表す
信号を入力信号として順次入力する毎に、過去の入力信
号から今回の入力信号の予測値を求めると共に、その予
測値と今回の入力信号の値との差分を量子化して符号化
する。
【0011】つまり、ADPCMに代表される差分予測
符号化方式により振動波を符号化するのであるが、その
符号化を行う際に、以下の手順により、符号化信号中に
他の情報を構成するデータを埋め込むことで、振動波の
情報に他の情報を合成する。まず、入力信号の予測値が
連続して同じ正負極性となった回数(即ち、予測値が正
の値又は負の値で連続した連続回数)を計測すると共
に、予測値の正負極性が今回値と前回値とで変化したと
きに、予測値の正負極性が前回変化してから今回変化す
るまでに計測した前記回数が所定範囲内であるか否かを
判定する。
【0012】そして、前記回数が所定範囲内であると判
定する毎に、振動波に合成すべき他の二値データを読み
出し、今回求めた前記差分を符号化してなる符号化信号
の所定ビットを、前記読み出した二値データに応じて、
その二値データが「0」である場合に前記所定ビットが
予め定められた特定の論理値となり、また、読み出した
二値データが「1」である場合に前記所定ビットが前記
特定の論理値とは反対の論理値となるように操作するこ
とで、符号化信号に前記読み出した二値データを合成す
る。
【0013】具体例を挙げて説明すると、合成する二値
データが「0」である場合に、符号化信号の所定ビット
が特定の論理値としての「0」ならば、そのビットを修
正せずにそのままとし、所定ビットが「1」ならば、そ
のビットを「0」に修正する。また、合成する二値デー
タが「1」である場合に、符号化信号の所定ビットが
「1」ならば、そのビットを修正せずにそのままとし、
所定ビットが「0」ならば、そのビットを「1」に修正
する。
【0014】尚、この例は、特定の論理値を「0」とし
た場合のものであるが、特定の論理値を「1」としたな
らば、上記例とは逆に、合成する二値データが「0」で
ある場合に、符号化信号の所定ビットを「1」となるよ
うに操作し、合成する二値データが「1」である場合
に、符号化信号の所定ビットを「0」となるように操作
すれば良い。
【0015】即ち、本発明の振動波の符号化方法では、
振動波を差分予測符号化方式によって符号化する際に、
今回予測した入力信号の予測値が前回予測した入力信号
の予測値に対して正から負へ或いは負から正へと極性変
化し、且つ、予測値の正負極性が前回変化してから今回
変化するまでに求めた予測値の数(換言すれば、入力信
号の数であり、延いては、符号化対象である振動波の極
性変化の時間間隔)が所定範囲内である、という合成条
件が成立したときに、今回の入力信号に対応する符号化
信号の所定ビットを操作することで、そのビットに他の
情報の二値データを合成する(埋め込む)ようにしてい
る。
【0016】このため、本発明の符号化方法によれば、
振動波を符号化する際に他のデータを密かに合成するこ
とができると共に、他のデータを合成したことによる再
生波形への影響を小さく抑えることができる。つまり、
計測器などから出力されるアナログ信号や音声の波形は
不規則な振動をするため、上記合成条件が成立する頻度
は不規則になる。よって、第3者が本発明の符号化方法
によって生成された信号を時系列的に見た場合には、そ
の信号の何れのビット位置に他のデータが埋め込まれて
いるのかを特定できなくなる。しかも、本発明の符号化
方法では、入力信号の予測値が極性変化したときに符号
化信号へ他のデータを埋め込むようにしており、そのと
きの入力信号が表す振動波の振幅値は小さいものである
ため、他のデータを合成することによる量子化誤差が小
さくなって、再生波形への影響を小さく抑えることがで
きるのである。
【0017】ところで、他の二値データを合成するため
に操作する符号化信号の所定ビットとして、その符号化
信号の最下位ビットを用いれば、一層大きな効果を得る
ことができる。つまり、予測値と入力信号との差分を符
号化した符号化信号の最下位ビットは、再生波形に対す
る影響度が最も小さいため、この最下位ビットを利用し
て他のデータを合成するようにすれば、他のデータを合
成したことによる再生波形に対する影響を最小限に抑え
ることができるからである。
【0018】一方、上記の符号化方法により生成された
符号化信号からは、次に述べる本発明の復号化方法によ
って、振動波を復元しつつ前述の如く合成された二値デ
ータを分離することができる。まず、本発明の復号化方
法では、上記の符号化方法により生成された符号化信号
を順次入力する毎に、その入力した符号化信号を逆量子
化して該符号化信号の表す差分を求めると共に、既に生
成した振動波の瞬時振幅値を表す再生信号から今回の再
生信号の予測値を求め、その予測値と今回逆量子化して
求めた前記差分とを加算して、今回入力した符号化信号
に対応する再生信号を生成することにより、振動波を復
元する。つまり、差分予測符号化方式の復号化手順によ
って、振動波の瞬時振幅値を表す再生信号を順次生成す
る。
【0019】ここで、本発明の復号化方法では、このよ
うな復号化を行う際に、再生信号の予測値が連続して同
じ正負極性となった回数を計測すると共に、予測値の正
負極性が今回値と前回値とで変化したときに、予測値の
正負極性が前回変化してから今回変化するまでに計測し
た前記回数が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0020】そして、前記回数が所定範囲内であると判
定した場合に、今回入力した符号化信号の所定ビットが
特定の論理値であれば、その所定ビットに「0」である
二値データが合成されていると判断し、逆に、今回入力
した符号化信号の所定ビットが前記特定の論理値とは反
対の論理値であれば、その所定ビットに「1」である二
値データが合成されていると判断して、入力した符号化
信号から他の二値データを分離する。
【0021】例えば、前述した具体例のように特定の論
理値を「0」として設定した場合には、今回入力した符
号化信号の所定ビットが「0」であれば、そのビットに
「0」である二値データが合成されていると判断し、今
回入力した符号化信号の所定ビットが「1」であれば、
そのビットに「1」である二値データが合成されている
と判断して、符号化信号から他の二値データを分離する
のである。
【0022】尚、特定の論理値を「1」として設定した
場合には、上記例とは逆に、今回入力した符号化信号の
所定ビットが「0」であれば、そのビットに「1」であ
る二値データが合成されていると判断し、今回入力した
符号化信号の所定ビットが「1」であれば、そのビット
に「0」である二値データが合成されていると判断し
て、符号化信号から他の二値データを分離することがで
きる。
【0023】また、当然のことながら、前述したように
符号化信号の最下位ビットを用いて他の二値データを合
成する場合には、復号時には、その最下位ビットの論理
値に応じて他の二値データを分離すれば良い。そして、
このような復号化方法によれば、本発明の符号化方法に
より生成された符号化信号から、振動波と他のデータを
確実に再生することができる。
【0024】一方、本発明の符号化方法を実施する装置
としては、請求項4に記載の振動波の符号化装置があ
る。即ち、請求項4に記載の符号化装置は、振動波の瞬
時振幅値を表す信号を入力信号として順次入力する毎
に、過去の入力信号から今回の入力信号の予測値を求め
ると共に、その予測値と今回の入力信号の値との差分を
量子化して符号化し、その符号化後の符号化信号を出力
するように構成されている。
【0025】ここで特に、合成データ設定手段が、符号
化信号に合成すべき他の二値データを用意する。また、
合成条件判定手段が、入力信号の予測値が連続して同じ
正負極性となった回数を計測すると共に、予測値の正負
極性が今回値と前回値とで変化したときに、予測値の正
負極性が前回変化してから今回変化するまでに計測した
前記回数が所定範囲内であるか否かを判定する。
【0026】そして、この合成条件判定手段によって前
記回数が所定範囲内であると判定される毎に、合成手段
が、合成データ設定手段により用意された二値データを
読み出し、今回求められた前記差分を符号化してなる符
号化信号の所定ビットを、前記読み出した二値データに
応じて、その二値データが「0」である場合に前記所定
ビットが予め定められた特定の論理値となり、また、読
み出した二値データが「1」である場合に前記所定ビッ
トが前記特定の論理値とは反対の論理値となるように操
作することで、符号化信号に前記読み出した二値データ
を合成する。
【0027】このような振動波の符号化装置によれば、
本発明の符号化方法を実施して、振動波を符号化する際
に他のデータを密かに合成することができると共に、他
のデータを合成したことによる再生波形への影響を小さ
く抑えることができる。そして特に、他の二値データを
合成するために合成手段によって操作される符号化信号
の所定ビットとして、請求項5に記載の如く、符号化信
号の最下位ビットを用いれば、前述したように、他のデ
ータを合成したことによる再生波形に対する影響を最小
限に抑えることができる。
【0028】一方更に、本発明の復号化方法を実施する
装置としては、請求項6に記載の振動波の復号化装置が
ある。即ち、請求項6に記載の復号化装置は、請求項4
又は請求項5に記載の符号化装置により生成された符号
化信号を順次入力する毎に、その入力した符号化信号を
逆量子化して該符号化信号の表す差分を求めると共に、
既に生成した振動波の瞬時振幅値を表す再生信号から今
回の再生信号の予測値を求め、その予測値と今回逆量子
化して求めた前記差分とを加算して、今回入力した符号
化信号に対応する再生信号を出力するように構成されて
いる。
【0029】ここで特に、分離条件判定手段が、再生信
号の予測値が連続して同じ正負極性となった回数を計測
すると共に、予測値の正負極性が今回値と前回値とで変
化したときに、予測値の正負極性が前回変化してから今
回変化するまでに計測した前記回数が所定範囲内である
か否かを判定する。
【0030】そして、この分離条件判定手段により前記
回数が所定範囲内であると判定された場合に、分離手段
が、今回入力された符号化信号の所定ビットが特定の論
理値であれば、その所定ビットに「0」である二値デー
タが合成されていると判断し、逆に、今回入力された符
号化信号の所定ビットが前記特定の論理値とは反対の論
理値であれば、その所定ビットに「1」である二値デー
タが合成されていると判断して、入力された符号化信号
から他の二値データを分離する。更に、データ出力手段
が、分離手段により分離された二値データを出力する。
【0031】このような振動波の復号化装置によれば、
前述した符号化装置によって生成された符号化信号か
ら、振動波と他のデータを確実に再生することができ
る。そして、例えば、本発明の符号化装置と復号化装置
を所謂PHSなどのデジタル電話機に音声符号化/復号
化用の装置として組み込むと共に、その電話機に文字の
入力装置と表示装置を設け、更に、符号化装置の合成デ
ータ設定手段が、上記入力装置から入力された文字のテ
キストデータを音声符号に合成すべき他の二値データと
して用意し、また、復号化装置のデータ出力手段により
出力される二値データ(この場合にはテキストデータ)
から文字を再生して上記表示装置に表示させる表示制御
手段を設けるようにすれば、当該電話機を用いた通話者
は、音声と文章との両方で意志の疎通を行うことができ
るようになる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を用いて説明する。尚、本発明の実施形態は、下記
のものに何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲
に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでも
ない。
【0033】まず図1は、実施形態のデジタル電話機
(以下、単に、電話機という)1の構成を表すブロック
図である。尚、本実施形態は、CCITTによりG.7
21符号化手順として標準化された32kb/sADP
CM符号化方式により、音声の符号化・復号化及び伝送
を行う携帯型のデジタル電話機に本発明を適用したもの
である。また、以下の説明において、他の電話機3と
は、図1にて()内に符号を付しているように、図1に
示す電話機1と全く同様に構成された電話機である。
【0034】図1に示すように、本実施形態の電話機1
は、音声を入力して所定時間毎(本実施形態では、8k
Hz:0.125ms毎)にサンプリングすることによ
り、その音声波形の瞬時振幅値を表すデジタル音声信号
sを順次出力する音声入力装置5と、文字を入力するた
めの多数の入力キーを有すると共に、その入力キーによ
って入力された文字に対応するテキストデータのビット
系列tを順次記憶する文字入力装置7と、音声入力装置
5からのデジタル音声信号sを順次入力して、そのデジ
タル音声信号sをADPCM符号化方式により符号化す
ると共に、その符号化した符号化信号に文字入力装置7
に記憶されたビット系列tを合成して、伝送符号it と
して出力する符号化装置9と、符号化装置9から出力さ
れる伝送符号it を無線変調してアンテナ11から送信
すると共に、他の電話機3から図示されない中継局を経
由して送信されて来た無線信号をアンテナ11を介して
受信し、その受信信号を復調して上記他の電話機3から
の伝送符号ir を出力する送受信装置13と、を備えて
いる。
【0035】そして更に、電話機1は、送受信装置13
から出力される他の電話機3からの伝送符号ir を順次
入力し、その伝送符号ir をADPCM符号化方式によ
り復号してデジタル音声信号sp を出力すると共に、上
記伝送符号ir からテキストデータのビット系列t’を
抽出して出力する復号化装置15と、復号化装置15か
ら出力されるデジタル音声信号sp から、音声を再生し
て出力する音声出力装置17と、復号化装置15から出
力されるビット系列t’から、文字を再生して表示する
表示装置19と、を備えている。
【0036】次に、符号化装置9及び復号化装置15に
ついて説明する。尚、図2,図4〜図6及び以下の説明
において、()内のkは、音声入力装置5によるサンプリ
ングの順番を示す順序ラベルであり、()内のxは、文字
入力装置7に記憶されたビット系列tの順番を示す順序
ラベルである。よって、例えば、「s(k) 」は、音声波
形の瞬時振幅値を表すデジタル音声信号sのうちのk番
目の信号を表し、また、「t(x) 」は、文字入力装置7
に記憶されたビット系列tのうちのx番目のビットを表
している。
【0037】まず、符号化装置9は、図2に示すよう
に、音声入力装置5からのデジタル音声信号(以下、入
力音声信号という)s(k) を線形PCM信号sl(k)に変
換して出力する線形PCM変換器(Converter )21
と、今回の入力音声信号s(k) に対応する線形PCM信
号sl(k)の予測値se(k)を求めて出力する適応予測器
(Predictor )23と、線形PCM変換器21からの線
形PCM信号sl(k)の値と適応予測器23からの予測値
se(k)との差分d(k) を出力する加算器25と、加算器
25からの差分d(k) を量子化関数Qに基づき4ビット
で量子化して符号化し、その符号化後の符号化信号i
(k) を出力する適応量子化器27と、後述する合成手順
に従って、適応量子化器27から出力された符号化信号
i(k) をそのまま、或いは、その符号化信号i(k) に文
字入力装置7に記憶されたテキストデータのビットt
(x) を合成して、送受信装置13へ伝送符号it(k)とし
て出力するデータ合成器(Emb )29と、を備えてい
る。
【0038】そして更に、符号化装置9は、適応予測器
23が次回の入力音声信号s(k+1)に対応する線形PC
M信号sl(k+1)の予測値se(k+1)を求めるのに必要な情
報を生成する処理部として、データ合成器29から今回
出力された伝送符号it(k)を逆量子化関数Q-1に基づき
逆量子化して、逆量子化差分dq(k)を出力する適応逆量
子化器31と、その逆量子化差分dq(k)と伝送符号it
(k)から、適応予測器23で予測値se(k+1)の算出に用
いられる2次全極型予測係数ai,[i=1,2]及び6
次全零型予測係数bj,[j=1〜6]を求めると共に、
適応量子化器27及び適応逆量子化器31の量子化関数
Q,Q-1で次回に用いられる適応量子化パラメータy(k
+1) を求める適応制御器(Adaptive controller )33
と、適応逆量子化器31からの逆量子化差分dq(k)に適
応予測器23からの今回の予測値se(k)を加算して、適
応予測器23へ予測値se(k+1)の算出に用いられる再構
成信号sr(k)として出力する加算器35と、を備えてい
る。
【0039】尚、適応量子化パラメータyは、適応量子
化器27及び適応逆量子化器31で量子化/逆量子化を
行う際の、量子化ステップ(刻み幅)を決定するための
パラメータであり、過去に出力された伝送符号it に適
応して設定される。つまり、本実施形態の電話機1に備
えられた符号化装置9は、CCITTによりG.721
符号化手順として標準化された32kb/sADPCM
符号化方式(以下、標準ADPCM方式という)の通常
の符号化装置に対して、データ合成器29が追加されて
いる点が異なっている。そして、標準ADPCM方式の
通常の符号化装置では、適応量子化器27から出力され
る符号化信号i(k) が、そのまま伝送符号it(k)として
送受信装置13へ出力されると共に、適応逆量子化器3
1と適応制御器33とに入力されるのであるが、本実施
形態の符号化装置9では、追加されたデータ合成器29
から出力される伝送符号it(k)が、送受信装置13へ出
力されると共に、適応逆量子化器31と適応制御器33
とに入力されている。
【0040】そして、符号化装置9におけるデータ合成
器29以外の各部によって実現される符号化の手順につ
いては、標準ADPCM方式と全く同じであり、例え
ば、文献「小澤一範著:ディジタル移動通信のための高
能率音声符号化技術;株式会社トリケップス」や、文献
「安田 浩著:マルチメディア符号化の国際標準;丸善
株式会社」などに記載されているため、ここでは予測値
se(k)を求める手順について簡単に説明する。
【0041】まず、k番目の予測値se(k)は、適応予測
器23により、2次全極型予測係数ai(k):i =1,2
を用いて下記の式1から求められる。
【0042】
【数1】
【0043】尚、sez(k) は、全零型予測値を表し、ま
た、sr(k-i)は、予測値se(k-i)と逆量子化差分(逆量
子化残差値とも呼ばれる)dq(k-i)との和で表され、夫
々、下記の式2と式3によって求められる。
【0044】
【数2】
【0045】
【数3】sr(k-i) = se(k-i)+dq(k-i) …式3 そして、2次全極型予測係数a1(k),a2(k)は、適応制
御器33により、下記の式4及び式5により求められて
更新される。
【0046】
【数4】 a1(k) = (1−2-8)a1(k-1) +(3×2-8)sgn[p(k)]sgn[p(k-1)] …式4
【0047】
【数5】 a2(k) = (1−2-7)a2(k-1) +2-7{sgn[p(k)]sgn[p(k-2)] −f[a1(k-1)]sgn[p(k)]sgn[p(k-1)]} …式5 ここに、関数sgn[] は、[]内の変数値が正のとき+
1で、負のとき−1となる。また、p(k) は、全零型予
測値sez(k) に逆量子化差分dq(k-i)を加えたものであ
り、下記の式6によって求められる。
【0048】
【数6】p(k) = dq(k)+sez(k) …式6 また、式5内の関数f[]は、経験的な関数であり、次
の式7によって表される。
【0049】
【数7】
【0050】ただし、各係数の更新範囲は、次の式8及
び式9のように限定される。
【0051】
【数8】|a2| ≦ 0.75 …式8
【0052】
【数9】|a1| ≦ 1−2-4−a2(k) …式9 一方、6次全零型予測係数bj(k):j =1,2,3…,
6は、適応制御器33により、下記の式10により求め
られて更新される。
【0053】
【数10】 bj(k) = (1−2-8)bj(k-1) +2-7sgn[dq(k)]sgn[dq(k-j)] …式10 このように、符号化装置9では、音声の瞬時振幅値を表
す入力音声信号s(k)を入力する毎に、過去の入力音声
信号から今回の入力音声信号s(k) の予測値se(k)を求
め、その予測値se(k)と今回の入力音声信号s(k) の値
との差分d(k)を量子化して符号化する、といった標準
ADPCM方式の手順で音声を符号化している。
【0054】そして、このような符号化装置9におい
て、予測値se は、図3にて点線で示すように、同図の
実線で示す実際の音声波形に忠実に追従することとな
り、予測値se の正負極性の変化(即ち、正の値から負
の値への変化、及び、負の値から正の値への変化)は、
音声波形の振幅値が小さい箇所付近に現れる。
【0055】よって、予測値se の正負極性が変化する
箇所にテキストデータのビットt(x) を埋め込めば、ビ
ットt(x) の埋め込みによる量子化誤差を小さくでき、
延いては、再生音声への影響を小さく抑えることができ
る。また、音声波形は不規則な振動をするため、予測値
se の正負極性の変化箇所は不特定に分布する。
【0056】そこで、本実施形態の符号化装置9では、
音声を符号化する際に、データ合成器29が、以下の
[G−1]〜[G−4]からなる合成手順により、伝送
符号it(k)中にテキストデータのビットt(x) を埋め込
む(合成する)ようにしている。
【0057】[G−1]:まず、データ合成器29は、
適応予測器23から出力される予測値se が連続して同
じ正負極性となった回数(即ち、予測値se が正の値又
は負の値で連続した連続回数であり、以下、この回数を
予測符号ランレングスlseという)を計測する。
【0058】[G−2]:そして、予測値se の正負極
性が今回値と前回値とで変化したときに、予測値se の
正負極性が前回変化してから今回変化するまでに計測し
た予測符号ランレングスlseが、下記の式11に示す如
く、予め設定された下限値kmin から上限値kmax まで
の範囲内であるか否かを判定する。
【0059】
【数11】kmin ≦ lse ≦ kmax …式11 [G−3]:上記[G−2]の判定にて、予測符号ラン
レングスlseが下限値kmin から上限値kmax までの範
囲内であると判定すると、合成条件が成立したと判断し
て、文字入力装置7からテキストデータのビットt(x)
を読み出す。
【0060】そして、下記の[表1]に示す如く、読み
出したビットt(x) が「0」である場合に、適応量子化
器27から今回出力されている符号化信号i(k) の最下
位ビットilsb(k)が「0」ならば、その最下位ビットi
lsb(k)を変化させずにそのままとし、最下位ビットils
b(k)が「1」ならば、その最下位ビットilsb(k)を
「0」に置き換える。また、読み出したビットt(x) が
「1」である場合に、適応量子化器27から今回出力さ
れている符号化信号i(k) の最下位ビットilsb(k)が
「1」ならば、その最下位ビットilsb(k)を変化させず
にそのままとし、最下位ビットilsb(k)が「0」なら
ば、その最下位ビットilsb(k)を「1」に置き換える。
【0061】
【表1】
【0062】そして、このようにテキストデータのビッ
トt(x) に応じて最下位ビットilsb(k)を操作した符号
化信号i(k) を、伝送符号it(k)として出力する。 [G−4]:一方、予測値se の正負極性が今回値と前
回値とで変化していない場合、或いは、上記[G−2]
の判定にて、予測符号ランレングスlseが下限値kmin
から上限値kmax までの範囲内ではないと判定した場合
には、合成条件が成立していないと判断して、適応量子
化器27から出力された符号化信号i(k) をそのまま、
伝送符号it(k)として出力する。
【0063】ここで、符号化装置9の動作内容をまとめ
ると、図4に示すフローチャートのようになる。図4に
示すように、符号化装置9では、まず、音声入力装置5
からk番目の入力音声信号s(k) を入力し、線形PCM
変換器21により、その入力音声信号s(k) を線形PC
M信号sl(k)に変換すると共に(S100)、適応予測
器23により、今回の線形PCM信号sl(k)の予測値s
e(k)を求め(S110)、更に、加算器25により、線
形PCM信号sl(k)の値と予測値se(k)との差分d(k)
を求める(S120)。そして、適応量子化器27によ
り、上記S120で求めた差分d(k) を、適応制御器3
3にて求められている適応量子化パラメータy(k)に応
じた量子化関数Qによって量子化及び符号化して、符号
化信号i(k) を生成する(S130)。
【0064】次に、データ合成器29がS140〜S2
00の処理を行うことで、伝送符号it(k)を出力する。
即ち、まず、今回求めた予測値se(k)の正負極性と前回
求めた予測値se(k-1)の正負極性とが一致しているか否
かを判定し(S140)、両正負極性が一致しているな
らば(S140:YES)、予測符号ランレングスlse
を1インクリメントする(S150)。そして、上記S
130で生成した符号化信号i(k) を、そのまま伝送符
号it(k)として送受信装置13へ出力する(S20
0)。
【0065】すると、その伝送符号it(k)は、送受信装
置13により無線変調されてアンテナ11から送信され
る。一方、今回求めた予測値se(k)の正負極性と前回求
めた予測値se(k-1)の正負極性とが一致していなければ
(S140:NO)、現在までに計測した予測符号ラン
レングスlseが、予め設定された下限値kmin から上限
値kmax までの範囲内であるか否かを判定し(S16
0)、その範囲内でなければ(S160:NO)、予測
符号ランレングスlseの値を、「1」に初期化する(S
170)。そして、この場合にも、上記S130で生成
した符号化信号i(k) を、そのまま伝送符号it(k)とし
て送受信装置13へ出力する(S200)。
【0066】これに対して、今回求めた予測値se(k)の
正負極性と前回求めた予測値se(k-1)の正負極性とが一
致しておらず(S140:NO)、且つ、現在までに計
測した予測符号ランレングスlseが下限値kmin から上
限値kmax までの範囲内であった場合には(S160:
YES)、合成条件が成立したと判断して、文字入力装
置7からテキストデータのx番目のビットt(x) を読み
出すと共に、前述した[表1]に基づく[G−3]の手
順により、上記S130で生成した符号化信号i(k) の
最下位ビットilsb(k)を操作して、符号化信号i(k) に
上記読み出したビットt(x) を合成する(S180)。
【0067】そして、次回に読み出すテキストデータの
ビットを更新するために、順序ラベルxを1インクリメ
ントし(S190)、更に、予測符号ランレングスlse
の値を「1」に初期化した後(S170)、上記S18
0でビットt(x) を合成した符号化信号i(k) を、伝送
符号it(k)として送受信装置13へ出力する(S20
0)。
【0068】このように今回の伝送符号it(k)の出力が
終了すると、適応逆量子化器31により、今回の伝送信
号it(k)を、適応制御器33にて求められている適応量
子化パラメータy(k) に応じた逆量子化関数Q-1によっ
て逆量子化して、逆量子化差分dq(k)を求める(S21
0)。そして更に、適応制御器33により、今回の逆量
子化差分dq(k)と伝送符号it(k)から、適応予測器23
で次の予測値se(k+1)の算出に用いられる2次全極型予
測係数ai(k+1)及び6次全零型予測係数bj(k+1)を求め
ると共に、適応量子化器27及び適応逆量子化器31で
次回に用いられる適応量子化パラメータy(k+1) を求め
る(S220)。
【0069】そして、次回の処理に備えて順序ラベルk
を1インクリメントした後(S230)、通話スイッチ
(図示省略)のオン/オフ状態などに基づき通信終了か
否かを判定し(S240)、通信終了でなければ(S2
40:NO)、S100以降の動作を繰り返し、また、
通信終了であれば(S240:YES)、当該符号化装
置9の動作を終了する。
【0070】尚、本実施形態では、文字入力装置7が合
成データ設定手段に相当している。そして、データ合成
器29が行う図4のS140〜S170の動作(即ち、
前述した[G−1]及び[G−2]の動作)が、合成条
件判定手段としての動作に相当しており、また、データ
合成器29が行う図4のS180及びS190の動作
(即ち、前述した[G−3]の動作)が、合成手段とし
ての動作に相当している。一方、復号化装置15には、
他の電話機3に設けられた符号化装置9から前述の如く
出力された伝送符号it が、アンテナ11及び送受信装
置13を介して、伝送符号ir として順次入力される。
そして、復号化装置15は、その伝送符号ir を標準A
DPCM方式により復号してデジタル音声信号sp を出
力すると共に、上記伝送符号ir からテキストデータの
ビット系列t’を抽出して出力する。
【0071】このため、復号化装置15は、図5に示す
ように、送受信装置13からの伝送符号ir(k)を、符号
化装置9側の適応逆量子化器31と同じ逆量子化関数Q
-1に基づき逆量子化して、逆量子化差分dq(k)を出力す
る適応逆量子化器41と、過去の再構成信号sr と逆量
子化差分dq から今回の再構成信号sr(k)の予測値se
(k)を求めて出力する適応予測器(Predictor )43
と、適応逆量子化器41からの逆量子化差分dq(k)に適
応予測器43からの予測値se(k)を加算して、今回の伝
送符号ir(k)に対応する再構成信号sr(k)として出力す
る加算器45と、を備えている。
【0072】更に、復号化装置15は、加算器45から
の再構成信号sr(k)に対し、符号化装置9側の線形PC
M変換器21とは逆の変換を行って、デジタル音声信号
sp(k)を出力する逆線形PCM変換器(逆Converter )
47と、適応逆量子化器41から出力される逆量子化差
分dq(k)と今回の伝送符号ir(k)から、適応予測器43
で次回の予測値se(k+1)の算出に用いられる2次全極型
予測係数ai,[i=1,2]及び6次全零型予測係数b
j,[j=1〜6]を求めると共に、適応逆量子化器41
の逆量子化関数Q-1で次回に用いられる適応量子化パラ
メータy(k+1)を求める適応制御器(Adaptive controll
er )49と、後述する分離手順に従って、伝送符号ir
(k)に合成されたテキストデータのビットt’(x) を抽
出し、その抽出したビットt’(x) を表示装置19に順
次出力するデータ分離器(Emb-1)51と、を備えてい
る。
【0073】この復号化装置15では、適応逆量子化器
41、適応予測器43、加算器45、及び適応制御器4
9により、符号化装置9側の適応逆量子化器31、適応
予測器23、加算器35、及び適応制御器33からなる
部分と全く同じ処理ブロックが構成されている。そし
て、適応予測器43及び適応制御器49が、符号化装置
9側の適応予測器23及び適応制御器33と全く同様に
動作することにより、前述した式1〜式10に基づき、
再構成信号sr(k)の予測値se(k)が求められ、その予測
値se(k)と適応逆量子化器41からの逆量子化差分dq
(k)とが加算器45により加算されて、伝送符号ir(k)
に対応する線形PCM信号形式の再構成信号sr(k)が再
生される。
【0074】そして更に、その再構成信号sr(k)が、符
号化装置9側の線形PCM変換器21に対応して設けら
れた逆線形PCM変換器47により、通常のデジタル音
声信号sp(k)に変換されて、音声出力装置17へ出力さ
れる。つまり、復号化装置15では、データ分離器51
以外からなる部分により、伝送符号ir(k)を入力する毎
に、その伝送符号ir(k)を逆量子化してその伝送符号i
r(k)の表す差分d(k) を求めると共に、既に生成した再
構成信号sr から今回の再構成信号sr(k)の予測値se
(k)を求め、その予測値se(k)と今回逆量子化して求め
た差分d(k) とを加算して、今回入力した伝送符号ir
(k)に対応する再構成信号sr(k)を生成し、更に、その
再構成信号sr(k)を音声再生用のデジタル音声信号sp
に変換する、といった標準ADPCM方式の通常の復号
化装置が構成されている。
【0075】換言すれば、本実施形態の復号化装置15
は、標準ADPCM方式の通常の復号化装置に対して、
符号化装置9側のデータ合成器29に対応したデータ分
離器51を追加して設けている点のみが異なっている。
そして、符号化装置9では、データ分離器51が、以下
の[B−1]〜[B−4]からなる分離手順により、伝
送符号ir からテキストデータのビット系列t’を分離
・抽出して出力する。
【0076】[B−1]:まず、データ分離器51は、
適応予測器43から出力される予測値se が連続して同
じ正負極性となった回数(予測符号ランレングスlse)
を計測する。 [B−2]:そして、予測値se の正負極性が今回値と
前回値とで変化したときに、予測値se の正負極性が前
回変化してから今回変化するまでに計測した予測符号ラ
ンレングスlseが、符号化装置9側のデータ合成器29
で設定されているのと同じ下限値kmin から上限値kma
x までの範囲内であるか否かを判定する。
【0077】[B−3]:上記[B−2]の判定にて、
予測符号ランレングスlseが下限値kmin から上限値k
max までの範囲内であると判定すると、分離条件が成立
したと判断して、今回入力した伝送符号ir(k)からテキ
ストデータのビットt’(x)を抽出する。
【0078】即ち、今回入力した伝送符号ir(k)の最下
位ビットilsb(k)が「0」であれば、その最下位ビット
ilsb(k)に「0」であるビットt’(x) が合成されてい
ると判断して記憶し、また、今回入力した伝送符号ir
(k)の最下位ビットilsb(k)が「1」であれば、その最
下位ビットilsb(k)に「1」であるビットt’(x) が合
成されていると判断して記憶する。そして、このように
記憶したテキストデータのビットt’(x) を、表示装置
19へ出力する。
【0079】[B−4]:一方、予測値se の正負極性
が今回値と前回値とで変化していない場合、或いは、上
記[B−2]の判定にて、予測符号ランレングスlseが
下限値kmin から上限値kmax までの範囲内ではないと
判定した場合には、分離条件が成立していない(つま
り、今回入力した伝送符号ir(k)にはテキストデータの
ビットt’(x) が合成されていない)と判断して、何も
処理を行わない。
【0080】ここで、復号化装置15の動作内容をまと
めると、図6に示すフローチャートのようになる。図6
に示すように、復号化装置15では、まず、送受信装置
13からk番目の伝送符号ir(k)を入力すると共に(S
300)、適応予測器43により、今回の再構成信号s
r(k)の予測値se(k)を求める(S310)。
【0081】そして次に、データ分離器51がS320
〜S370の処理を行う。即ち、まず、今回求めた予測
値se(k)の正負極性と前回求めた予測値se(k-1)の正負
極性とが一致しているか否かを判定し(S320)、両
正負極性が一致しているならば(S320:YES)、
予測符号ランレングスlseを1インクリメントする(S
330)。
【0082】一方、今回求めた予測値se(k)の正負極性
と前回求めた予測値se(k-1)の正負極性とが一致してい
なければ(S320:NO)、現在までに計測した予測
符号ランレングスlseが、予め設定された下限値kmin
から上限値kmax までの範囲内であるか否かを判定し
(S340)、その範囲内でなければ(S340:N
O)、予測符号ランレングスlseの値を、「1」に初期
化する(S350)。
【0083】これに対して、今回求めた予測値se(k)の
正負極性と前回求めた予測値se(k-1)の正負極性とが一
致しておらず(S320:NO)、且つ、現在までに計
測した予測符号ランレングスlseが下限値kmin から上
限値kmax までの範囲内であった場合には(S340:
YES)、分離条件が成立したと判断して、前述した
[B−3]の手順により、今回入力した伝送符号ir(k)
からテキストデータのビットを抽出し、その抽出したビ
ットをx番目のビットt’(x) として、表示装置19へ
出力する(S360)。
【0084】そして、次回にビット抽出を行った場合に
備えて、テキストデータのビットを識別するための順序
ラベルxを1インクリメントし(S370)、また、予
測符号ランレングスlseの値を「1」に初期化する(S
350)。例えば、S370では、今回抽出したビット
がテキストデータの4番目のビットt’(4) であった場
合には、順序ラベルxを「5」に更新して、次回に抽出
したビットを5番目のビットt’(5) として出力できる
ようにしておくのである。
【0085】このようなデータ分離器51による処理
(S320〜S370)が終了すると、次に、S300
で今回入力した伝送符号ir(k)を、適応逆量子化器41
により、適応制御器49にて求められている適応量子化
パラメータy(k) に応じた逆量子化関数Q-1によって逆
量子化して、逆量子化差分dq(k)を求める(S38
0)。
【0086】そして、加算器45により、S380で求
めた逆量子化差分dq(k)とS310で求めた予測値se
(k)とを加算して、今回の伝送符号ir(k)に対応する再
構成信号sr(k)を求め(S390)、その再構成信号s
r(k)を、逆線形PCM変換器47によりデジタル音声信
号sp(k)に変換して、音声出力装置17へ出力する(S
400)。
【0087】そして更に、適応制御器49により、今回
の伝送符号ir(k)とS380で求めた逆量子化差分dq
(k)から、適応予測器43で次の予測値se(k+1)の算出
に用いられる2次全極型予測係数ai(k+1)及び6次全零
型予測係数bj(k+1)を求めると共に、適応逆量子化器4
1で次回に用いられる適応量子化パラメータy(k+1) を
求める(S410)。
【0088】その後、次回の処理に備えて順序ラベルk
を1インクリメントし(S420)、更に、通話スイッ
チ(図示省略)のオン/オフ状態などに基づき通信終了
か否かを判定する(S430)。そして、通信終了でな
ければ(S430:NO)、S300以降の動作を繰り
返し、また、通信終了であれば(S430:YES)、
当該復号化装置15の動作を終了する。
【0089】従って、復号化装置15では、送受信装置
13から伝送符号ir(k)が入力される毎に、逆線形PC
M変換器47から音声出力装置17へ、伝送符号ir(k)
を復号してなるデジタル音声信号sp(k)が出力され、ま
た、上記S320〜S350の動作で判定される分離条
件が成立する毎に、データ分離器51から表示装置19
へテキストデータのビットt’(x) が出力される。
【0090】そして、本実施形態の電話機1において、
音声出力装置17は、逆線形PCM変換器47から順次
出力されるデジタル音声信号sp(k)に応じて音声を再生
して出力する。また、表示装置19は、データ分離器5
1から順次出力されるビットt’(x) を記憶し、その記
憶したビットの系列から所定のタイミングで文字を再生
して表示する。
【0091】尚、本実施形態では、データ分離器51が
行う図6のS320〜S350の動作(即ち、前述した
[B−1]及び[B−2]の動作)が、分離条件判定手
段としての動作に相当しており、また、データ分離器5
1が行う図6のS360及びS370の動作(即ち、前
述した[B−3]の動作)が、分離手段及びデータ出力
手段としての動作に相当している。
【0092】以上詳述したように、本実施形態の電話機
1に備えられた符号化装置9では、音声波形を標準AD
PCM方式によって符号化する際に、今回の入力音声信
号s(k) に対応する線形PCM信号sl(k)の予測値se
(k)が、前回予測した予測値se(k-1)に対して正から負
へ或いは負から正へと極性変化し、且つ、予測値se の
正負極性が前回変化してから今回変化するまでに求めた
予測値se の数(即ち、本実施形態でいう予測符号ラン
レングスlseであり、延いては、符号化対象である音声
波形の極性変化の時間間隔)が予め設定された下限値k
min から上限値kmax までの範囲内である、という合成
条件が成立したときに、今回の入力音声信号s(k) に対
応する符号化信号i(k) の最下位ビットilsb(k)を[表
1]の如く操作することで、その最下位ビットilsb(k)
に、テキストデータのビットt(x)を合成する(埋め込
む)ようにしている。
【0093】このため、本実施形態の符号化装置9によ
れば、音声を符号化する際にテキストデータを密かに合
成することができると共に、テキストデータを合成した
ことによる再生音声への影響を極めて小さく抑えること
ができる。つまり、音声波形は図3に示したように不規
則な振動をするため、上記合成条件が成立する頻度は不
規則になる。よって、第3者が当該符号化装置9によっ
て生成された伝送符号it を時系列的に見た場合には、
何れのビット位置にテキストデータのビットtが埋め込
まれているのかを特定できなくなる。また、予測値se
が極性変化したときの符号化信号i(k) へテキストデー
タのビットt(x) を埋め込むようにしており、そのとき
の入力音声信号s(k) が表す音声の振幅値は小さいもの
である。しかも、符号化信号i(k) のビットのうち、再
生音声に対する影響度が最も低い最下位ビットilsb(k)
を操作して、テキストデータのビットt(x) を合成して
いる。よって、テキストデータのビットt(x) を合成す
ることによる量子化誤差が極めて小さくなって、再生音
声への影響を最小限に抑えることができるのである。
【0094】また更に、本実施形態の符号化装置9で
は、データ合成器29から出力される伝送符号it を、
適応逆量子化器31と適応制御器33とに入力するよう
にしており、この構成により、テキストデータのビット
を埋め込んだ後の伝送符号itを用いて各処理ブロック
の適応化がなされるようにしている。
【0095】このため、テキストデータのビットを埋め
込んだことによる影響が蓄積せず、送信側と受信側と
で、適応化係数(2次全極型予測係数ai 及び6次全零
型予測係数bj )の不一致が生じないという利点があ
る。一方、このような符号化装置9に対応する本実施形
態の復号化装置15では、他の電話機3の符号化装置9
によって生成された伝送符号ir を標準ADPCM方式
によって復号することにより、音声の瞬時振幅値を表す
デジタル音声信号sp を順次生成するのであるが、この
ような復号化を行う際に、符号化装置9側の合成条件と
全く同じ分離条件が成立したか否かを判定し、分離条件
が成立した場合に、今回入力した伝送符号ir(k)の最下
位ビットilsb(k)に着目して、その伝送符号ir(k)から
テキストデータのビットt(x) を分離・抽出するように
している。
【0096】よって、この復号化装置15によれば、符
号化装置9により生成された伝送符号ir から、音声と
テキストデータ(文字)とを確実に再生することができ
る。そして、以上のような符号化装置9及び復号化装置
15を備えた本実施形態の電話機1,3によれば、伝送
符号にテキストデータが埋め込まれた状態でも、受信者
に聴感的な違和感を与えない良好な音声を再生して、音
声出力装置17から出力することができる。このため、
情報伝送のための帯域幅を増大せずに、音声とテキスト
データを併送することが可能となり、回線資源を有効利
用することができる。
【0097】また、本実施形態の電話機1,3によれ
ば、通話中であっても伝送符号からテキストデータを取
り出して、そのテキストデータに対応した文字を表示装
置19に表示することができる。このため、当該電話機
1,3を用いた通話者は、音声と文章との両方で意志の
疎通を行うことができるようになる。
【0098】「実験結果」ここで、本実施形態の符号化
装置9及び復号化装置15について、標準ADPCM方
式に基づき実験システムを構成してシミュレーションを
実施した結果について説明する。
【0099】まず、実験音声としては、下記の[表2]
に示すように、男性と女性の各々による日本語及び英語
の音声を用いた。また、音声源としては、FMラジオな
らびに会話テープから各5秒を抽出したものを用いた。
このため、符号化する入力音声信号s(k) のサンプル数
は各々40000となっている。尚、[表2]及び後述
する[表3],[表4]において、「Jm」は男性によ
る日本語の音声(日本語男声)を示し、「Jw」は女性
による日本語の音声(日本語女声)を示し、「Em」は
男性による英語の音声(英語男声)を示し、「Ew」は
女性による英語の音声(英語女声)を示している。
【0100】
【表2】
【0101】そして、音質の評価法としては、様々な方
法が提案されているが、本実験では客観的な評価尺度と
して最も基本的な、信号対量子化雑音比(SNR:Sign
al-to-quantization Noise Ratio)を用いた。尚、SN
Rの評価式は、例えば、文献「小澤一範著:ディジタル
移動通信のための高能率音声符号化技術;株式会社トリ
ケップス」に記載されているように、入力音声(本実施
形態でいう入力音声信号)s(n) とその量子化誤差e
(n) を用いて、次の式12で表すことができる。
【0102】
【数12】
【0103】次に、[表2]に示した4種類の音声を用
いて実験した結果を示す。まず、前述した下限値kmin
と上限値kmax を、0〜99までの範囲で10刻みに変
化させたときの予測符号ランレングスlseの出現度数
(即ち、合成条件及び分離条件が成立する回数)は、下
記の[表3]のようになった。
【0104】
【表3】
【0105】また、実験音声として英語男声Emを用
い、下限値kmin を0に設定して上限値kmax を変化さ
せた場合における合成データのバイト量(即ち、合成で
きるテキストデータのバイト量)は、図7に示すように
なった。[表3]及び図7の結果から明らかなように、
合成条件及び分離条件の決定要素である下限値kmin と
上限値kmax を適宜設定することにより、テキストデー
タを合成する時間的密度(単位時間当りに合成可能なテ
キストデータの量)を操作できることが分かる。但し、
高い密度でテキストデータの合成を行うと、第3者によ
る解読の可能性が高くなるため、合成条件(下限値kmi
n 及び上限値kmax )は、密度と第3者による解読の可
能性とを考慮して設定すれば良い。
【0106】次に、英語男声Emを用いて、合成データ
のバイト量に対する必要ビット操作量(操作ビット量)
を調べた結果を図8に示す。この図8から、合成するテ
キストデータのビット量の約半分程度のビット操作で、
テキストデータの合成が可能であることが分かる。この
ことは、先に述べた[表1]の手順に従いテキストデー
タを合成している点から容易に推測できる。
【0107】次に、テキストデータの合成が音質に与え
る影響について考察する。英語男声Emを用いて、無作
為に抽出した伝送符号(本実施形態の適応量子化器27
から出力される符号化信号iに相当)をランダム系列で
操作した場合と、本実施形態の方法により伝送符号を操
作した場合とで、再生音質の劣化状況を比較した結果
を、図9に示す。尚、図9において、「○」で示されて
いるのが前者の場合(非本実施形態の方法)であり、
「×」で示されているのが後者の場合(本実施形態の方
法)である。
【0108】この図9から明らかなように、同じビット
量を操作したとき、本実施形態の方法によれば音質に与
える影響が非常に小さいことが分かる。即ち、SNRは
テキストデータを合成していない状態で約39dBであ
るが、本実施形態の方法によれば、データの合成が可能
な箇所全てにテキストデータのビットを埋め込んだ場合
でも、SNRが約36dBとなって、良好な再生音質を
確保できることがわかる。また、先に述べたように、音
声の振幅値が小さい箇所において埋め込みが施されるた
め、聴感的に雑音としては感じられない。
【0109】更に、実際の再生音声波形の一部を観察し
た結果を図10に示す。尚、図10は、英語男声Emの
冒頭500サンプルについて示したものであり、(a)
は、テキストデータを合成していない再生音声波形を示
し、(b)は、本実施形態の方法によりテキストデータ
を最大限に合成した場合の再生音声波形を示し、(c)
は、上記両再生音声波形の差分波形を示している。
(c)では、(a),(b)に対して、縦軸のレンジが
10倍に拡大されている。
【0110】この図10より、テキストデータを合成す
ることによる大きな影響は無いことが分かる。一方、
[表2]に示した4種類の実験音声Jm,Jw,Em,
Ewの各々について、データ合成密度が0の場合の再生
音質(つまり、テキストデータを合成していない場合の
再生音質)と、テキストデータを最大限に合成した場合
の再生音質とを、下記の[表4]に示す。
【0111】
【表4】
【0112】この[表4]より、本実施形態の方法によ
れば、テキストデータを大量に合成しても、良好な音質
を維持できることが分かる。 「その他」本実施形態の符号化装置9及び復号化装置1
5は、CCITTによりG.721符号化手順として標
準化された32kb/sADPCM符号化方式に従っ
て、音声の符号化/復号化を行うものであったが、他の
差分予測符号化方式に対しても、同じ手法を適用するこ
とができる。
【0113】例えばCCITTによりG.726符号化
手順として標準化されたADPCM符号化方式に適用す
る場合には、G.726符号化手順の符号化装置と復号
化装置に、夫々、本実施形態のデータ合成器29とデー
タ分離器51を追加すれば良いのである。
【0114】また、符号化装置9及び復号化装置15
は、専用の論理回路によって構成しても良いし、マイク
ロコンピュータを用いて構成するようにしても良い。一
方、本実施形態の電話機1,3において、無線伝送路上
で伝送誤りが生じると、再生音質が劣化すると共に、合
成したテキストデータから文字を再生する際にも影響が
出る。
【0115】そこで、伝送符号it にハミング符号や巡
回符号及びBCH符号といった誤り訂正符号を適用し、
伝送符号it に誤りが生じても正しい符号を再現できる
ようにしても良い。そして更に、送信側と受信側とで、
定期的に内部状態を初期化するといった対策を施しても
良い。
【0116】また、音声と共に伝送するテキストを暗号
化してランダム系列として準備すれば、第3者に対する
秘匿性を極めて高くすることができる。尚、上記実施形
態では、本発明を電話機に適用したものであるため、符
号化装置9により生成された伝送符号it を、即座に無
線変調して送信するようにしたが、伝送符号it を所定
の記録媒体に記憶させておくようにしても良い。そし
て、この場合には、上記記録媒体から伝送符号it を順
次読み出して、復号化装置15により復号化すれば良
い。
【0117】また、上記実施形態の符号化装置9及び復
号化装置15は、音声波形を符号化/復号化するもので
あったが、センサや計測器などから出力されるアナログ
信号といった音声以外の振動波を符号化/復号化するよ
うにしても良い。具体的には、上記アナログ信号を所定
時間毎にサンプリングして得たデジタル信号を、入力音
声信号sに代えて、符号化装置9の線形PCM変換器2
1に入力させれば良い。
【0118】そして、このようにすれば、センサや計測
器から出力されるアナログ信号の振動波を符号化する際
に、テキストデータなどの他のデータを合成することが
でき、また、その符号化信号から他のデータを分離して
抽出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のデジタル電話機の構成を表すブロ
ック図である。
【図2】 図1の符号化装置の構成を表すブロック図で
ある。
【図3】 実際の音声波形と予測値との関係を説明する
説明図である。
【図4】 符号化装置の動作内容を表すフローチャート
である。
【図5】 図1の復号化装置の構成を表すブロック図で
ある。
【図6】 復号化装置の動作内容を表すフローチャート
である。
【図7】 下限値kmin を0に設定して上限値kmax を
変化させた場合における合成データのバイト量を表すグ
ラフである。
【図8】 合成データのバイト量に対する必要ビット操
作量(操作ビット量)を表すグラフである。
【図9】 実施形態の効果を表すグラフである。
【図10】 再生音声波形の観察結果を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
1,3…デジタル電話機 5…音声入力装置 7…
文字入力装置 9…符号化装置 11…アンテナ 13…送受信装
置 15…復号化装置 17…音声出力装置 19…表
示装置 21…線形PCM変換器 23,43…適応予測器 25,35,45…加算器 27…適応量子化器
29…データ合成器 31,41…適応逆量子化器 33,49…適応制御
器 47…逆線形PCM変換器 51…データ分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 11/00 - 11/06 G10L 19/00 - 19/14 H03M 7/30 - 7/38 H04B 14/00 - 14/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動波の瞬時振幅値を表す信号を入力信
    号として順次入力し、前記信号を入力する毎に、過去の
    入力信号から今回の入力信号の予測値を求めると共に、
    該予測値と今回の入力信号の値との差分を量子化して符
    号化する差分予測符号化方式により、前記振動波を符号
    化する振動波の符号化方法において、 前記入力信号の予測値が連続して同じ正負極性となった
    回数を計測すると共に、前記予測値の正負極性が今回値
    と前回値とで変化したときに、該正負極性が前回変化し
    てから今回変化するまでに計測した前記回数が所定範囲
    内であるか否かを判定し、 前記回数が所定範囲内であると判定する毎に、前記振動
    波に合成すべき他の二値データを読み出し、今回求めた
    前記差分を符号化してなる符号化信号の所定ビットを、
    前記読み出した二値データに応じて、該二値データが
    「0」である場合に前記所定ビットが予め定められた特
    定の論理値となり、前記二値データが「1」である場合
    に前記所定ビットが前記特定の論理値とは反対の論理値
    となるように操作することで、前記符号化信号に前記読
    み出した二値データを合成すること、 を特徴とする振動波の符号化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の振動波の符号化方法に
    おいて、 前記所定ビットは、前記符号化信号の最下位ビットであ
    ること、 を特徴とする振動波の符号化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の符号化方
    法により生成された符号化信号を順次入力し、前記符号
    化信号を入力する毎に、その符号化信号を逆量子化して
    該符号化信号の表す差分を求めると共に、既に生成した
    前記振動波の瞬時振幅値を表す再生信号から今回の再生
    信号の予測値を求め、該予測値と今回逆量子化して求め
    た前記差分とを加算して、今回入力した符号化信号に対
    応する再生信号を生成することにより、前記振動波を復
    元する振動波の復号化方法において、 前記再生信号の予測値が連続して同じ正負極性となった
    回数を計測すると共に、前記予測値の正負極性が今回値
    と前回値とで変化したときに、該正負極性が前回変化し
    てから今回変化するまでに計測した前記回数が所定範囲
    内であるか否かを判定し、 前記回数が所定範囲内であると判定した場合に、今回入
    力した前記符号化信号の前記所定ビットが前記特定の論
    理値であれば、当該所定ビットに「0」である二値デー
    タが合成されていると判断し、前記所定ビットが前記特
    定の論理値とは反対の論理値であれば、当該所定ビット
    に「1」である二値データが合成されていると判断し
    て、前記符号化信号から前記他の二値データを分離する
    こと、 を特徴とする振動波の復号化方法。
  4. 【請求項4】 振動波の瞬時振幅値を表す信号を入力信
    号として順次入力し、前記信号を入力する毎に、過去の
    入力信号から今回の入力信号の予測値を求めると共に、
    該予測値と今回の入力信号の値との差分を量子化して符
    号化し、該符号化後の符号化信号を出力するように構成
    された振動波の符号化装置において、 前記符号化信号に合成すべき他の二値データを用意する
    合成データ設定手段と、 前記入力信号の予測値が連続して同じ正負極性となった
    回数を計測すると共に、前記予測値の正負極性が今回値
    と前回値とで変化したときに、該正負極性が前回変化し
    てから今回変化するまでに計測した前記回数が所定範囲
    内であるか否かを判定する合成条件判定手段と、 該合成条件判定手段により前記回数が所定範囲内である
    と判定される毎に、前記合成データ設定手段により用意
    された二値データを読み出し、今回求められた前記差分
    を符号化してなる符号化信号の所定ビットを、前記読み
    出した二値データに応じて、該二値データが「0」であ
    る場合に前記所定ビットが予め定められた特定の論理値
    となり、前記二値データが「1」である場合に前記所定
    ビットが前記特定の論理値とは反対の論理値となるよう
    に操作することで、前記符号化信号に前記読み出した二
    値データを合成する合成手段と、 を備えたことを特徴とする振動波の符号化装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の振動波の符号化装置に
    おいて、 前記合成手段により操作される前記符号化信号の所定ビ
    ットは、該符号化信号の最下位ビットであること、 を特徴とする振動波の符号化装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の符号化装
    置により生成された符号化信号を順次入力し、前記符号
    化信号を入力する毎に、その符号化信号を逆量子化して
    該符号化信号の表す差分を求めると共に、既に生成した
    前記振動波の瞬時振幅値を表す再生信号から今回の再生
    信号の予測値を求め、該予測値と今回逆量子化して求め
    た前記差分とを加算して、今回入力した符号化信号に対
    応する再生信号を出力するように構成された振動波の復
    号化装置において、 前記再生信号の予測値が連続して同じ正負極性となった
    回数を計測すると共に、前記予測値の正負極性が今回値
    と前回値とで変化したときに、該正負極性が前回変化し
    てから今回変化するまでに計測した前記回数が所定範囲
    内であるか否かを判定する分離条件判定手段と、 該分離条件判定手段により前記回数が所定範囲内である
    と判定された場合に、今回入力された前記符号化信号の
    前記所定ビットが前記特定の論理値であれば、当該所定
    ビットに「0」である二値データが合成されていると判
    断し、前記所定ビットが前記特定の論理値とは反対の論
    理値であれば、当該所定ビットに「1」である二値デー
    タが合成されていると判断して、前記符号化信号から前
    記他の二値データを分離する分離手段と、 該分離手段により分離された二値データを出力するデー
    タ出力手段と、 を備えたこと特徴とする振動波の復号化装置。
JP09064860A 1997-03-18 1997-03-18 振動波の符号化方法、復号化方法、及び振動波の符号化装置、復号化装置 Expired - Fee Related JP3088964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09064860A JP3088964B2 (ja) 1997-03-18 1997-03-18 振動波の符号化方法、復号化方法、及び振動波の符号化装置、復号化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09064860A JP3088964B2 (ja) 1997-03-18 1997-03-18 振動波の符号化方法、復号化方法、及び振動波の符号化装置、復号化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10260700A JPH10260700A (ja) 1998-09-29
JP3088964B2 true JP3088964B2 (ja) 2000-09-18

Family

ID=13270361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09064860A Expired - Fee Related JP3088964B2 (ja) 1997-03-18 1997-03-18 振動波の符号化方法、復号化方法、及び振動波の符号化装置、復号化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3088964B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6871180B1 (en) * 1999-05-25 2005-03-22 Arbitron Inc. Decoding of information in audio signals
WO2006009075A1 (ja) * 2004-07-20 2006-01-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 音声符号化装置および音声符号化方法
JP4911385B2 (ja) * 2008-03-04 2012-04-04 日本電気通信システム株式会社 データ通信方法、データ通信システムおよびデータ通信プログラム
JP6079230B2 (ja) * 2012-12-28 2017-02-15 株式会社Jvcケンウッド 付加情報挿入装置、付加情報挿入方法、付加情報挿入プログラム、付加情報抽出装置、付加情報抽出方法、及び付加情報抽出プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10260700A (ja) 1998-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2518765B2 (ja) 音声符号化通信方式及びその装置
JP3022462B2 (ja) 振動波の符号化方法及び復号化方法
WO2005109401A1 (ja) 音響信号のパケット通信方法、送信方法、受信方法、これらの装置およびプログラム
JPH0713600A (ja) 駆動同期時間符号化ボコーダおよび方法
JP3088964B2 (ja) 振動波の符号化方法、復号化方法、及び振動波の符号化装置、復号化装置
WO2001065542A1 (fr) Dispositif de codage/decodage de la voix et procede associe
JP2000068925A (ja) 音声チャネル上でデ―タを送信する方法およびシステム
JPH1049199A (ja) 無音圧縮音声符号化復号化装置
JPH09506187A (ja) Adpcm音声コーダのための適応誤差制御
JP4022111B2 (ja) 信号符号化装置及び信号符号化方法
JPH09214636A (ja) データ埋め込み音声通信方法及び装置
JP2006503323A (ja) 位相の更新による正弦波オーディオコーディング
JP2809524B2 (ja) デジタル伝送システムの同期方式
Ding Wideband audio over narrowband low-resolution media
WO2004112256A1 (ja) 音声符号化装置
JP3508850B2 (ja) 疑似背景雑音生成方法
JPH0588697A (ja) 欠落音声補間方式
JP3496618B2 (ja) 複数レートで動作する無音声符号化を含む音声符号化・復号装置及び方法
JPH09149104A (ja) 擬似背景雑音生成方法
JP3130834B2 (ja) 移動電話機
JP4597360B2 (ja) 音声復号装置及び音声復号方法
JP2002252644A (ja) 音声パケット通信装置及び音声パケット通信方法
JPH0661950A (ja) 音声符号復号装置
JP2001177481A (ja) 復号化装置
JPH07334197A (ja) 音声符号化装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130714

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees