JP3088773U - 地震時家屋保護構造体 - Google Patents

地震時家屋保護構造体

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JP3088773U JP2002001542U JP2002001542U JP3088773U JP 3088773 U JP3088773 U JP 3088773U JP 2002001542 U JP2002001542 U JP 2002001542U JP 2002001542 U JP2002001542 U JP 2002001542U JP 3088773 U JP3088773 U JP 3088773U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震に際して家屋を倒壊から保護する為の実
用的な地震時家屋保護構造体を提供する。 【解決手段】 支柱16に支持された蓋枠部12の四隅
が室70の天井の四隅に近接させられて配設されている
為、地震に際して上記室70の天井が崩れてきた場合に
上記蓋枠部12がその天井を受け止めて上記室70の倒
壊を防止する。また、底枠部14は上記室70の床96
の下に設置されたものである為、居住者の生活の妨げに
ならない。すなわち、地震に際して室70を倒壊から保
護する為の実用的な地震時家屋保護構造体10を提供す
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、地震に際して家屋を倒壊から保護する為の地震時家屋保護構造体に 関する。
【0002】
【従来の技術】
環太平洋造山帯に位置する我が国において、地震は常に対策を講じる必要のあ る災害である。その為、近年において建設される家屋には、比較的震度の大きな 地震に遭っても倒壊することのない耐震構造が求められるようになった。しかし 、昭和56年の建築基準法改正前に建設された家屋では、たとえば震度6以上の 大きな地震に対して十分な耐震構造を備えていないものも多く、早急な対策が必 要不可欠である。だが、改築・新築には高額の費用がかかり、とりわけ所得の低 い年金生活者などには困難であると考えられる。そこで、改築・新築に依ること なしに、上述のように大きな地震に際して居住者の生命を守る為の簡便な手段が 考案されている。たとえば、特開平9−41710号公報に記載された伸縮式耐 震用シェルター、あるいは特開平10−15097号公報に記載された耐震用避 難空間の形成構造体などである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、そのような構造体は、専ら押し入れなどに設置されることにより地震 に際しての避難空間を形成する為のものであるが、乳幼児あるいは身体の不自由 な年輩者などがかかる避難空間に迅速に避難できるとは考え難い。また、大きな 地震に際しては正常な判断が失われることが予想され、上述の避難空間へ避難す ることを発想し得ない可能性もある。さらに、大きな地震により押し入れの引き 戸などが開かずに上述の避難空間へ避難できないことも考えられる。
【0004】 そこで、本考案者は、地震に際して避難する為の避難空間を形成するのではな く、たとえば寝室あるいは居間などといった居住者が比較的長い時間を過ごす室 それ自体を、簡単な構造体により倒壊から保護する技術を開発すべく、鋭意研究 に取り組んできた。
【0005】 本考案は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするとこ ろは、地震に際して家屋を倒壊から保護する為の実用的な地震時家屋保護構造体 を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成する為に、本考案の要旨とするところは、矩形状の蓋枠部お よび底枠部と、その蓋枠部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱とを 少なくとも備えて直方体状に構成され、家屋内における1つの室に、前記蓋枠部 の四隅がその室の天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室の床下 に設置されることにより、地震に際して前記室を倒壊から保護する為の地震時家 屋保護構造体である。
【0007】
【考案の効果】
このようにすれば、前記支柱に支持された前記蓋枠部の四隅がその室の天井の 四隅に近接させられて配設されている為、地震に際して前記室の天井が崩れてき た場合に前記蓋枠部がその天井を受け止めて前記室の倒壊を防止する。また、前 記底枠部は前記室の床下に設置されたものである為、居住者の生活の妨げになら ない。すなわち、地震に際して家屋を倒壊から保護する為の実用的な地震時家屋 保護構造体を提供することができる。
【0008】
【考案の他の態様】
ここで、好適には、前記底枠部はコンクリート製平盤状基礎により覆い固めら れ、前記床下の地面に埋設されたものである。このようにすれば、前記室の床上 に設けられた部分も含めて前記地震時家屋保護構造体が振動に対して安定し、地 震に際して、より好適に家屋を倒壊から保護することができる。
【0009】 また、好適には、前記蓋枠部を構成する複数本の梁は、少なくともそれぞれの 端部において前記支柱の上面に載置された状態で固定されたものである。このよ うにすれば、比較的質量の大きな瓦礫が前記蓋枠部に載せられたとしても、前記 複数本の梁が落下してくることがなく、十分な耐久性を備えた地震時家屋保護構 造体を提供することができる。
【0010】 また、好適には、前記地震時家屋保護構造体は、前記蓋枠部から底枠部へ向け た少なくとも3.9×102Paの圧力に変形せずに耐え得るものである。この ようにすれば、一般的な家屋に想定される屋根および二階部分が前記蓋枠部に載 せられたとしても変形することがなく、十分な耐久性を備えた地震時家屋保護構 造体を提供することができる。なお、ここでの変形とは、前記支柱が大きく折れ 曲がるような比較的大規模の変形を指すものであり、多少歪む程度の変形は含ま ない。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の好適な実施例について図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】 図1は、本考案の一実施例である地震時家屋保護構造体10の構成を説明する 図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。この図に示すように、本実 施例の地震時家屋保護構造体10は、矩形状の蓋枠部12および底枠部14と、 その蓋枠部12および底枠部14の四隅を相互に連結する4本の支柱16とを備 えて直方体状に構成されている。かかる地震時家屋保護構造体10の寸法は、後 述するように、その地震時家屋保護構造体10が設置される室70の寸法に合わ せて適宜定められるべきであるが、たとえば一般的な和室六畳間には、短辺約2 530mm×長辺約3440mm×高さ約3000mm程度の寸法を備えた上記 地震時家屋保護構造体10が好適に用いられる。
【0013】 図2は、上述の図1(b)におけるII-II視断面図であり、上記底枠部14を 詳しく説明する図である。この図に示すように、上記底枠部14は、互いに平行 に設けられて相対向する短辺を成す1対の短梁18と、その短梁18とそれぞれ 垂直に設けられて相対向する長辺を成す1対の長梁20と、その1対の長梁20 の略中央に上記短梁18と略平行になるように架設された架梁22と、上記1対 の短梁18相互間、あるいは上記1対の長梁20相互間に張設された複数本(本 実施例では、短梁18相互間に8本、長梁20相互間に10本)の鉄筋24とを 備えて構成されている。なお、図2においては、煩雑となるのを防ぐ為、その鉄 筋24の一部を省略して示している。
【0014】 上記短梁18および架梁22は、たとえばその断面の寸法が200mm×10 0mm×5.5mm×8mmであるH形鋼であり、また、上記長梁20は、たと えばその断面の寸法が200mm×150mm×5.5mm×8mmのH形鋼で ある。また、前記支柱16は、たとえばその断面の寸法が□−150mm×15 0mm×5mmの角形パイプである。かかる支柱16、短梁18、長梁20、架 梁22、後述する小梁66、および火打梁68は、たとえばスチール、アルミニ ウム、あるいはジュラルミンなどの金属材料から形成されたものである。上記1 対の短梁18および長梁20は、それぞれの端部を相互に連結されることにより 前記底枠部14の矩形状枠を構成している。図3は、かかる短梁18と長梁20 との連結の様子を詳しく説明する図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に おけるIII-III視断面図である。この図に示すように、上記短梁18の端部には 、その長手方向に垂直をなす内板26が溶接されている。かかる内板26におい て、上記長梁20が連結される側に突出した部分には貫通穴28が穿設され、さ らにその貫通穴28に対応する部分にはナット30が溶接されている。そのよう にナット30が溶接されているのは、室70に設置する際に上記長梁20とその 室70の壁との隙間が狭い場合、作業が困難となることを予め防止する為である 。上記長梁20における上記貫通穴28およびナット30に対応する部分には、 その貫通穴28と同程度の寸法の貫通穴32が穿設され、ボルト34により上記 長梁20と上記内板26とが締結されている。
【0015】 図4は、前記底枠部14と前記支柱16との連結の様子を詳しく説明する図で あり、(a)は図1のIV-IV視断面図、(b)は(a)の矢印Sで示す方向から 見た正面図である。この図に示すように、前記短梁18および長梁20と、それ らをさらに堅固に連結する為の目板36には、ボルト40により締結する為の貫 通穴がそれぞれの対応する部分に穿設されており、上記目板36におけるその貫 通穴に対応する部分には、上述の内板26と同様にナット38が溶接されている 。上述のように連結された前記短梁18と長梁20とは、かかる目板36にそれ ぞれナット38およびボルト40によって締結されることによりさらに堅固に連 結される。なお、前記短梁18および長梁20のかかる締結部分における上記目 板36の反対側には当板41が設けられており、上記ボルト40の頭がその当板 41に当接させられることにより、前記短梁18あるいは長梁20にかかる応力 が緩和されている。また、前記短梁18には、その長手方向に垂直に設けられた 平板42がその端面に、その平板42に垂直に設けられた平板44がその側面に それぞれ溶接されている。前記支柱16と、かかる平板42、44には、ボルト 48により連結する為の貫通穴がそれぞれ対応する部分に穿設されており、上記 平板42、44におけるその貫通穴に対応する部分には上述の内板26あるいは 目板36と同様にナット46が溶接されている。さらに、前記支柱16と前記短 梁18との成す角にはL形板50が、前記支柱16と前記長梁20との成す角に はL形板52がそれぞれ宛われており、かかるL形板50、52が上記ナット4 6およびボルト48により前記支柱16に締結され、さらに前記短梁18および 長梁20と、上記L形板50および52のそれぞれ対応する部分に穿設された貫 通穴において、上記L形板50および52がそれぞれナット54およびボルト5 6によって前記短梁18、長梁20に締結されることにより、前記支柱16が前 記底枠部14の隅に立設されている。なお、前記短梁18および長梁20のかか る締結部分における上記L形板50および52の反対側には当板41が設けられ ており、上記ボルト56の頭がその当板41に当接させられることにより、前記 短梁18あるいは長梁20にかかる応力が緩和されている。
【0016】 また、前記1対の長梁20のそれぞれの略中央には、内板58が図3に示した 前記内板26と同様に溶接され、前記架梁22およびその内板58にそれぞれ対 応する部分に穿設された貫通穴において図示しないナットとボルトによって前記 架梁22と締着されることにより、前述のように前記架梁22が前記短梁18と 略平行になるように前記1対の長梁20相互間に架設されている。さらに、前記 複数本の鉄筋24は、それぞれの端部が前記短梁18あるいは長梁20に溶接さ れることにより、前記1対の短梁18相互間、あるいは前記記1対の長梁20相 互間に張設されている。前記底枠部14は、以上のように構成されている。
【0017】 前記4本の支柱16によって支持された図1に示す前記蓋枠部12は、前記1 対の短梁18および長梁20が、前述の底枠部14と同様に連結されて構成され れている。図5は、前記蓋枠部12と前記支柱16との連結の様子を詳しく説明 する図であり、(a)は図1のV-V視断面図、(b)は(a)の矢印Sで示す方 向から見た正面図である。この図に示すように、前記蓋枠部12は、前述の底枠 部14と支柱16との連結と同様の目板36、L形板50および52などを介し て前記支柱16と相互に連結されている。ここで、図5に示すように、前記短梁 18および長梁20は、それぞれの端部において前記支柱16の上面60に載置 された状態で前記支柱16と相互に連結されている。
【0018】 また、前記1対の長梁20のそれぞれを略3等分した部分には、内板62が図 3に示した前記内板26と同様に溶接され、前記架梁22およびその内板62に それぞれ対応する部分に穿設された貫通穴において図示しないナットとボルトに よって前記架梁22と締着されることにより、3本の前記架梁22が前記短梁1 8と略平行になるように前記1対の長梁20相互間に架設されている。また、前 記短梁18およびその架梁22の略中央には、内板64が図3に示した内板26 と同様に溶接され、その内板26に図示しないナットとボルトによって締結され た小梁66を介して相互に連結されている。さらに、前記1対の短梁18と長梁 20とによって形成された矩形状枠の四隅には、その四隅を補強して歪みを少な くする為の火打梁68がそれぞれ設けられている。前記蓋枠部12は、以上のよ うに構成されている。
【0019】 図6は、以上のように構成された本実施例の地震時家屋保護構造体10を、一 般的な家屋内の1つの室70に設置した様子を示す概略図である。この図に示す ように、かかる室70は、コンクリート材料により固められ、地中に埋設された 砕石72と、その砕石72上に一体に形成された布基礎74と、その布基礎74 上に固設された1対の土台76と、その土台76上に立設された4本の柱78と 、その4本の柱78上に上記1対の土台76とそれぞれ平行となるように設けら れた1対の梁80と、その1対の梁80相互間に架設された天井板82とを備え て構成されている。なお、図においてGLとは、グラウンド・ライン(Grou nd Line)すなわち地面を表している。
【0020】 前述の地震時家屋保護構造体10は、図6に示すように、その蓋枠部12の四 隅が上記天井板82により構成される天井94の四隅に近接させられたものであ る。また、前記底枠部14が所定厚みのコンクリート製平盤状基礎86により覆 い固められ、床板92により構成される床96の下の地面に埋設されたものであ る。かかる床下には、コンクリート材料により固められた砕石84が地中に埋設 され、その砕石84上には上述のようにコンクリート製平盤状基礎86で覆い固 められた前記底枠部14が一体に設けられている。さらに、かかるコンクリート 製平盤状基礎86上には複数の床つか88が立設され、その複数の床つか88上 には大引き90が架設されている。上記室70の床板92は、上記土台76およ びその大引き90上に架設されており、上記室70は、以上のように構成されて いる。また、図6に示す上記梁80のさらに上側には、二階の室および屋根など が設けられている。
【0021】 本考案者は、一般的な木造建築に想定される上記二階の室および屋根などが地 震に際して崩壊し、前記地震時家屋保護構造体10における前記蓋枠部12上に 載った場合、その地震時家屋保護構造体10にかかるだろう前記蓋枠部12から 底枠部14へ向けた圧力を理論的に算出した。先ず、固定荷重として、上記屋根 の荷重が考えられ、日本瓦が65kg/m2、母屋が5kg/m2、小屋組が15 kg/m2、天井が15kg/m2と見積もると、屋根荷重は合計で100kg/ m2となる。また、同じく固定荷重として、上記二階の室の荷重が考えられ、床 板張が35kg/m2、梁が56kg/m2、天井が15kg/m2と見積もると 、二階荷重は合計で106kg/m2となる。次に、積載荷重として、上記二階 の室に設置された家具などが考えられ、これを130kg/m2と見積もる。ま た、上記屋根の上に積雪があると想定し、これを60kg/m2と見積もると、 積載荷重は合計で190kg/m2となる。二階の室における壁の荷重および風 圧などは無視し、上述の固定荷重および積載荷重を合計すると396kg/m2 となる。かかる圧力が、一般的な木造建築に想定される上記二階の室および屋根 などが地震に際して崩壊し、前記地震時家屋保護構造体10における前記蓋枠部 12上に載った場合、その地震時家屋保護構造体10にかかるだろう前記蓋枠部 12から底枠部14へ向けた圧力の理論値である。すなわち、前記地震時家屋保 護構造体10は、前記蓋枠部12から底枠部14へ向けた少なくとも396kg /m2すなわち約3.9×102Paの圧力に変形せずに耐え得るものであること が望ましい。
【0022】 本実施例の地震時家屋保護構造体10について、上述の圧力に耐え得るもので あるかを理論的に検証する。先ず、前記蓋枠部12に396kg/m2の圧力が かけられたときの前記長梁20のたわみを算定する。前述のように長梁20は、 断面の寸法が200mm×150mm×5.5mm×8mm、断面積が3.90 1×103mm2、長さ寸法lが3.44×103mmであるH形鋼であり、図1 のように前記地震時家屋保護構造体10に配設された前記蓋枠部12にその蓋枠 部12から底枠部14へ向けた396kg/m2の圧力がかけられた場合、集中 荷重Pは0.46tとなる。最大たわみSmaxは次の数式1で与えられ、かかる 数式1にそれぞれの数値を代入して整理すると、Smaxは5.6mmと算出され る。l/360で与えられる許容たわみSlimは9.6mmであるので、本実施 例の地震時家屋保護構造体10ではSlim>Smaxとなり、前記二階の室および屋 根などが地震に際して崩壊し、前記地震時家屋保護構造体10における前記蓋枠 部12上に載った場合であっても、前記長梁20に大きな変形は発生しない。ま た、同様の計算をおこなえば、前記短梁18に関しても同様の結果が得られる。 すなわち、前記二階の室および屋根などが地震に際して崩壊し、前記地震時家屋 保護構造体10における前記蓋枠部12上に載った場合であっても、前記長梁1 8に大きな変形は発生しない。
【0023】 [数式1] Smax=(19×P×l3)/(384×E×I) [数値] P:集中荷重(0.46t) l:梁長さ寸法(3.44×103mm) E:ヤング係数(2.1) I:断面2次モーメント(2.69×105mm4
【0024】 続いて、前記蓋枠部12に396kg/m2の圧力がかけられたときの前記支 柱16の1本あたりの曲げ応力を算出する。前述のように支柱16は、断面の寸 法が□−150mm×150mm×5mm、断面積Aが2.836×103mm2 、長さ寸法lkが2.8×103mm、断面2次モーメントx成分ixが断面2次 モーメントy成分iyと等しく58.8mm、断面係数Zxが断面係数Zyと等し く1.31×104mm3である角形パイプであり、図1のように前記地震時家屋 保護構造体10に配設された前記蓋枠部12にその蓋枠部12から底枠部14へ 向けた396kg/m2の圧力がかけられた場合、前記支柱16における軸方向 応力Nは0.79tとなる。最大モーメントMmaxはP・lk/2で与えられ、か かる数式にそれぞれの数値を代入して整理すると、Mmaxは0.78t・mと算 出される。前記支柱16の長期応力に対する許容座屈応力度fcは1.4であり 、短期応力に対する許容応力度fsは2.1である。また、圧縮応力度σcはN/ A、曲げ応力度cσbはMmax/Zxで与えられ、許容曲げ応力度fbは2.4t/ mである。それらの合成応力σは次の数式2によって合成され、かかる数式2に それぞれの数値を代入して整理すると、σは0.26と算出される。これは基準 値である1よりも十分に高い値であるので、前記二階の室および屋根などが地震 に際して崩壊し、前記地震時家屋保護構造体10における前記蓋枠部12上に載 った場合であっても、前記支柱16に大きな変形は発生しない。以上のように算 定した結果から、本実施例の地震時家屋保護構造体10は、前記蓋枠部12から 底枠部14へ向けた少なくとも396kg/m2すなわち約3.9×102Paの 圧力に変形せずに耐え得るものであることが確認される。
【0025】 [数式2] σ=(σc/fc)+(cσb/fb
【0026】 このように、本実施例によれば、前記支柱16に支持された前記蓋枠部12の 四隅がその室70の天井94の四隅に近接させられて配設されている為、地震に 際して前記室70の天井94が崩れてきた場合に前記蓋枠部12がその天井94 を受け止めて前記室70の倒壊を防止する。また、前記底枠部14は前記室70 の床96の下に設置されたものである為、居住者の生活の妨げにならない。すな わち、地震に際して家屋を倒壊から保護する為の実用的な地震時家屋保護構造体 10を提供することができる。
【0027】 また、好適には、前記底枠部14はコンクリート製平盤状基礎86により覆い 固められ、前記床下の地面に埋設されたものである為、前記室70の床上に設け られた部分も含めて前記地震時家屋保護構造体10が振動に対して安定し、地震 に際して、より好適に家屋を倒壊から保護することができる。
【0028】 また、好適には、前記蓋枠部12を構成する前記1対の短梁18および1対の 長梁20は、少なくともそれぞれの端部において前記支柱16の上面60に載置 されたものである為、比較的質量の大きな瓦礫が前記蓋枠部12に載せられたと しても、前記1対の短梁18および1対の長梁20が落下してくることがなく、 十分な耐久性を備えた地震時家屋保護構造体10を提供することができる。
【0029】 また、好適には、前記地震時家屋保護構造体10は、前記蓋枠部12から底枠 部14へ向けた少なくとも3.9×102Paの圧力に変形せずに耐え得るもの である為、一般的な家屋に想定される屋根および二階部分が前記蓋枠部12に載 せられたとしても変形することがなく、十分な耐久性を備えた地震時家屋保護構 造体10を提供することができる。
【0030】 以上、本考案の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本考案はこ れに限定されるものではなく、さらに別の態様においても実施される。
【0031】 たとえば、前述の実施例では、前記蓋枠部12および底枠部14の四隅を相互 に連結する4本の支柱16のみが設けられていたが、本考案はこれに限定される ものではなく、たとえば前述の実施例において隣接する2本の支柱16の間にさ らに1本ずつの支柱16が立設され、8本の支柱16により前記蓋枠部12およ び底枠部14の四隅を相互に連結するものであっても構わない。すなわち、本考 案の効果を奏するものであれば、前記支柱16の本数は問わない。
【0032】 また、前述の実施例では、前記蓋枠部12に、3本の架梁22が架設されてい たが、1本乃至2本、あるいは4本以上の架梁22が架設されたものであっても よい。また、かかる架梁22が設けられていないものであっても構わない。さら には、架梁22の代わりに、または架梁22と共に十分な強度を備えた平板が、 前記蓋枠部12の上面を覆うように設けられたものであってもよい。
【0033】 また、前述の実施例では、前記地震時家屋保護構造体10は、その底枠部14 がコンクリート製平盤状基礎86により覆い固められ、前記床下の地面に埋設さ れたものであったが、前記底枠部14が前記室70の床下の地面に設置されただ けのものであっても構わない。
【0034】 また、前述の実施例では、前記地震時家屋保護構造体10は、前記蓋枠部12 から底枠部14へ向けた少なくとも3.9×102Paの圧力に変形せずに耐え 得るものであったが、これは二階を有する一般的な木造建築を想定した基準値で あり、たとえば平屋内の室に本考案の地震時家屋保護構造体10が設置される場 合にはこの限りではない。
【0035】 また、図3〜図5において、前記地震時家屋保護構造体10における各部材の 連結の様子を説明したが、これはあくまで構成の好適な例であり、前記室70の 構造などに応じて適宜変更され得るものである。
【0036】 その他一々例示はしないが、本考案はその趣旨を逸脱しない範囲内において、 種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である地震時家屋保護構造体
の構成を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は
正面図である。
【図2】図1(b)におけるII-II視断面図であり、底
枠部を詳しく説明する図である。
【図3】底枠部における短梁と長梁との連結の様子を詳
しく説明する図であり、(a)は正面図、(b)は
(a)におけるIII-III視断面図である。
【図4】底枠部と支柱との連結の様子を詳しく説明する
図であり、(a)は図1のIV-IV視断面図、(b)は
(a)の矢印Sで示す方向から見た正面図である。
【図5】蓋枠部と支柱との連結の様子を詳しく説明する
図であり、(a)は図1のV-V視断面図、(b)は
(a)の矢印Sで示す方向から見た正面図である。
【図6】図1に示す地震時家屋保護構造体を、一般的な
家屋内の1つの室に設置した様子を示す概略図である。
【符号の説明】
10:地震時家屋保護構造体 12:蓋枠部 14:底枠部 16:支柱 18:短梁(梁) 20:長梁(梁) 60:支柱の鉛直上側の端面 70:室 94:天井 96:床

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形状の蓋枠部および底枠部と、該蓋枠
    部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱とを
    少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下に設置されることにより、地震に際して前記室を
    倒壊から保護する為の地震時家屋保護構造体。
  2. 【請求項2】 矩形状の蓋枠部および底枠部と、該蓋枠
    部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱とを
    少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下に設置されることにより、地震に際して前記室を
    倒壊から保護する為の地震時家屋保護構造体であって、 前記底枠部はコンクリート製平盤状基礎により覆い固め
    られ、前記床下の地面に埋設されたものである地震時家
    屋保護構造体。
  3. 【請求項3】 矩形状の蓋枠部および底枠部と、該蓋枠
    部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱とを
    少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下に設置されることにより、地震に際して前記室を
    倒壊から保護する為の地震時家屋保護構造体であって、 前記蓋枠部を構成する複数本の梁は、少なくともそれぞ
    れの端部において前記支柱の上面に載置された状態で固
    定されたものである地震時家屋保護構造体。
  4. 【請求項4】 矩形状の蓋枠部および底枠部と、該蓋枠
    部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱とを
    少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下に設置されることにより、地震に際して前記室を
    倒壊から保護する為の地震時家屋保護構造体であって、 該地震時家屋保護構造体は、前記蓋枠部から底枠部へ向
    けた少なくとも3.9×102Paの圧力に変形せずに
    耐え得るものである地震時家屋保護構造体。
  5. 【請求項5】 矩形状の蓋枠部と、コンクリート製平盤
    状基礎により覆い固められた矩形状の底枠部と、前記蓋
    枠部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱と
    を少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下ににおいて地面に埋設されて設置されることによ
    り、地震に際して前記室を倒壊から保護する為の地震時
    家屋保護構造体であって、 前記蓋枠部を構成する複数本の梁は、少なくともそれぞ
    れの端部において前記支柱の上面に載置された状態で固
    定されたものである地震時家屋保護構造体。
  6. 【請求項6】 矩形状の蓋枠部と、コンクリート製平盤
    状基礎により覆い固められた矩形状の底枠部と、前記蓋
    枠部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱と
    を少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下ににおいて地面に埋設されて設置されることによ
    り、地震に際して前記室を倒壊から保護する為の地震時
    家屋保護構造体であって、 該地震時家屋保護構造体は、前記蓋枠部から底枠部へ向
    けた少なくとも3.9×102Paの圧力に変形せずに
    耐え得るものである地震時家屋保護構造体。
  7. 【請求項7】 矩形状の蓋枠部および底枠部と、該蓋枠
    部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱とを
    少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下に設置されることにより、地震に際して前記室を
    倒壊から保護する為の地震時家屋保護構造体であって、 前記蓋枠部を構成する複数本の梁は、少なくともそれぞ
    れの端部において前記支柱の上面に載置された状態で固
    定されたものであり、且つ、前記地震時家屋保護構造体
    は、前記蓋枠部から底枠部へ向けた少なくとも3.9×
    102Paの圧力に変形せずに耐え得るものである地震
    時家屋保護構造体。
  8. 【請求項8】 矩形状の蓋枠部と、コンクリート製平盤
    状基礎により覆い固められた矩形状の底枠部と、前記蓋
    枠部および底枠部の四隅を相互に連結する4本の支柱と
    を少なくとも備えて直方体状に構成され、 家屋内における1つの室に、前記蓋枠部の四隅が該室の
    天井の四隅に近接させられ、且つ、前記底枠部が前記室
    の床下ににおいて地面に埋設されて設置されることによ
    り、地震に際して前記室を倒壊から保護する為の地震時
    家屋保護構造体であって、 前記蓋枠部を構成する複数本の梁は、少なくともそれぞ
    れの端部において前記支柱の上面に載置された状態で固
    定されたものであり、且つ、前記地震時家屋保護構造体
    は、前記蓋枠部から底枠部へ向けた少なくとも3.9×
    102Paの圧力に変形せずに耐え得るものである地震
    時家屋保護構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011043439A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Toshiba Corp 原子力プラント建屋の構造及びその建設工法
JP2014202017A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 東日本旅客鉄道株式会社 天井落下防止構造及び天井落下防止施工方法
JP2015031013A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 清水建設株式会社 吊り天井構造
JP2015031014A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 清水建設株式会社 吊り天井構造

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