JP3088118B2 - 板状物処理装置および板状物処理方法ならびに半導体装置の製造方法 - Google Patents

板状物処理装置および板状物処理方法ならびに半導体装置の製造方法

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JP3088118B2
JP3088118B2 JP03068361A JP6836191A JP3088118B2 JP 3088118 B2 JP3088118 B2 JP 3088118B2 JP 03068361 A JP03068361 A JP 03068361A JP 6836191 A JP6836191 A JP 6836191A JP 3088118 B2 JP3088118 B2 JP 3088118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板状物処理技術に関
し、特に、半導体基板、ホトマスク、磁気ディスクなど
の精密エッチングや精密洗浄などの精密表面処理に適用
して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、半導体装置の製造に用いられ
る半導体基板(以下、単にウェハと記す)やホトマスク
などの製造過程、あるいは、コンピュータの外部記憶装
置などにおける記憶媒体として用いられる磁気ディス
ク、光ディスクなどの製造過程においては、エッチング
液による精密エッチング、さらには有機溶剤、メタノー
ル、純水などの薬液を用いた精密洗浄/乾燥処理が多用
されている。
【0003】半導体装置の製造における上述のような精
密表面処理技術に関しては、たとえば、「月刊セミコン
ダクタワールド( Semiconductor World)」1988年3
月号、P106〜P113、などの文献に記載されてい
る。
【0004】すなわち、同文献には物理的洗浄方法とし
て、ブラシスクラビング洗浄法、高圧水噴射洗浄
法、超音波照射洗浄法、プラズマスパッタクリーニ
ング法などがあり、化学的洗浄法として、エッチング
液によるエッチング処理法、有機溶剤による溶解法、
プラズマエッチング処理法、などが実用化されている
ことが記載されている。
【0005】ところで、ウェハに形成される半導体素子
構造の微細化に伴い、近年では、半導体素子が形成され
るウェハ表面への異物付着の問題に加えて、ウェハ裏面
に付着する異物の問題が顕在化してきている。
【0006】たとえば、ウェハ裏面に付着した異物によ
る、露光時の焦点ずれの問題、ドライエッチング時
の加工不良の問題、複数枚のウェハの一括洗浄処理な
どにおけるウェハ表面への異物転写の問題などが知られ
ている。
【0007】このような、技術的背景から、前述した各
種処理法の組み合わせにより、ウェハを1枚ずつ処理す
る枚葉式ウェハ洗浄装置が実用化されている。
【0008】また、米国特許第4,350,562号に
は、ウェハをガス流により浮上させつつ回転させなが
ら、ウェハの片面のみを処理するエッチング処理装置が
開示されている。なお、特開昭63−73626号公報
には、ウェハを回転させてガス流を層流にすることが記
載されているが、複数の流体供給口を設けることや、流
線状の処理流体を供給する機能を有する流体供給手段に
ついては、記載がない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】現在、ウェハの表裏面
を洗浄する技術としては、バッチ処理方式と、枚葉処理
方式とが併存している。前者は複数枚のウェハを収納し
たカセットごと、薬液処理槽に浸漬して薬液処理するも
のである。具体的には、(1) 有機溶剤洗浄⇒水洗⇒乾
燥、(2) フッ酸処理⇒水洗⇒乾燥、(3) アルカリ酸化剤
処理⇒水洗⇒フッ酸処理⇒水洗⇒酸性酸化剤処理⇒水洗
⇒乾燥、などのような各種薬液を組み合わせた方法があ
る。
【0010】この種のバッチ式洗浄処理では、ウェハの
表裏面に付着した異物が直接洗浄槽内に持ち込まれ、洗
浄槽中の薬液を汚染するという問題がある。特に、現状
のウェハ処理装置では、ウェハ搬送時やウェハハンドリ
ング時、ウェハチャック時などにウェハ裏面に0.5μm
サイズ以上の付着異物が数千(個/ウェハ)単位で発生
し、洗浄槽の薬液を汚染するとともに、隣接するウェハ
表面にウェハ裏面の付着異物が転写されるという問題が
生じている。
【0011】一方、後者の枚葉処理方式は、ウェハを1
枚ずつハンドリングして、純水によるブラシ洗浄、ジェ
ット洗浄、シャワー洗浄などを組み合わせた洗浄処理を
行い、ウェハの高速回転によって乾燥を行う方法が主流
となっている。
【0012】このような枚葉式の洗浄方式では、ウェハ
表面に付着していた異物が除去されても、ブラシに存在
する異物が再付着したり、薬液の流れがないため、超音
波エネルギによって一旦剥離されたミクロな異物が、ウ
ェハ上に停滞して完全に除去されないなどの問題があ
る。
【0013】さらに、回転乾燥時に、ウェハ表面から飛
散して除去された洗浄液などが、処理室の壁面で反射さ
れ、異物とともにウェハ表面に再付着するという問題も
ある。また、従来の枚葉処理において、ウェハ表面の処
理の後、ウェハ裏面の洗浄を行う場合には、ウェハを反
転させる機構が必要となり、ウェハのハンドリング回数
が増加して、ハンドリング作業間における付着異物の増
大を招くという問題もある。
【0014】また、前述した、米国特許の従来技術で
は、ウェハの一面に対するエッチング液によるエッチン
グを行うものであり、乾燥処理を含めたウェハの精密な
表面処理については考慮していない。さらに、気体流に
よって浮上し回転するウェハが周囲の筐体に接触し、ウ
ェハ外周部の欠け(チッピング)を生じることが懸念さ
れるという問題もある。
【0015】従って、本発明の目的は、残留異物などの
極めて少ない、高清浄度の表面処理を行うことが可能な
板状物処理技術を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、板状物の第1主面の
処理による第2主面での汚染発生を確実に防止すること
が可能な板状物処理技術を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、板状物を損傷
することなく、高清浄度の処理結果を得ることが可能な
板状物処理技術を提供することにある。
【0018】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0020】本発明の板状物処理装置は、処理流体を作
用させる位置に、板状物を保持し、その保持した板状物
を回転させることなく、前記板状物の表面の中心近傍か
ら周辺部に向かって流れる前記処理流体の流れ状態を、
前記板状物の表面の中心近傍から周辺部に向かう渦巻き
状回転流として形成する手段を備えるものである。
【0021】
【0022】
【0023】また、本発明の板状物処理方法は、板状物
を回転させることなく、前記板状物の中心近傍から周辺
部に向かう渦巻き状回転流として、処理流体を作用させ
て、前記板状物を処理することを特徴とするものであ
る。さらに、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体
からなるウェハを回転させることなく、前記ウェハの中
心近傍から周辺部に向かう渦巻き状回転流として、処理
流体を作用させて、前記ウェハを処理するものである。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【作用】上記した本発明の板状物処理装置および方法に
よれば、板状物を回転させることなく、その板状物の中
心近傍から周辺部に向かう方向の渦巻き状回転流をなす
薬液や不活性ガスなどの処理流体を作用させることで、
板状物のチッピングを防止でき、また異物は処理流体と
ともに確実に外部に排除され、残留異物などの極めて少
ない、高度に清浄な表面処理を行うことができる。
【0030】また、処理中の第1主面と表裏をなす第2
主面に、当該第2主面側から第1主面側に流れる不活性
ガスを作用させることで、第1主面において除去された
異物などを含む用済の処理流体や雰囲気が第2主面に回
り込んで付着することがなく、処理に関係しない第2主
面に対する異物付着などの汚染を確実に防止することが
できる。
【0031】また、処理対象の板状物の種別や、予想さ
れる異物の種類などに応じて、処理流体として使用する
薬液の種類や組み合わせを適宜制御することで、第1主
面に存在するあらゆる種類の異物を確実に除去すること
ができる。
【0032】さらに、超音波エネルギや熱エネルギを必
要に応じて援用することにより、たとえば0.5μm以下
の微細な異物の除去や、乾燥処理などをより効果的に遂
行することができる。
【0033】また、板状物の第1主面の中央部から周辺
部に向かう流線を有する不活性ガスなどの処理流体を用
いることにより、第1主面上の液滴などの排除による乾
燥処理を効果的に行うことができ、液滴の再付着などに
よる汚染を確実に防止することができる。
【0034】また、板状物自体を動かす必要がないの
で、チッピングなどの損傷の懸念を生じることなく、高
度に清浄な処理結果を得ることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の一実施例である板状物処理装
置および板状物処理方法について、図面を用いて具体的
に説明する。図1は、本発明の一実施例である板状物処
理方法が実施される板状物処理装置の構成の一例を示す
断面図である。
【0036】たとえばカップ状に構成された処理室1の
内部には、開口部1aを通じて、ウェハハンドラ3に保
持されたウェハ2の搬入および搬出が行われるととも
に、当該処理室1の内部の所定位置におけるウェハ2の
位置決めが行われる構造となっている。
【0037】処理室1の内部には、ウェハハンドラ3に
よって所定位置に位置決めされるウェハ2の処理面2a
(第1主面)に所定の間隙をなして対向する位置に、回
転流形成流体供給部4が配置されている。この回転流形
成流体供給部4の内部には、流体加圧調整室14が設け
られているとともに、ウェハ2に対する対向面には、流
体加圧調整室14に連通する複数の流体供給口5が開設
されている。
【0038】複数の流体供給口5は、流体加圧調整室1
4を介して、たとえば有機溶剤供給部15、メタノール
供給部16、純水供給部17、窒素ガス供給部18に接
続されており、処理流体fとして、有機溶剤、メタノー
ル、純水、窒素ガスなどが供給される構造となってい
る。また、有機溶剤、メタノール、純水、窒素ガスなど
処理流体fの、流体供給口5からの流出流量や供給の有
無などは、有機溶剤供給部15、メタノール供給部1
6、純水供給部17、窒素ガス供給部18の各々に設け
られた有機溶剤供給制御弁19、メタノール供給制御弁
20、純水供給制御弁21、窒素ガス供給制御弁22に
よってそれぞれ制御されるように構成されている。流体
加圧調整室14は、各流体供給口5を通じて流出供給さ
れる処理流体fの流量などを均等にする働きをしてい
る。
【0039】さらに、処理室1の底部には、排気口25
を介して排気廃液回収部23が接続されており、当該処
理室1の内部の雰囲気を引き込む方向の排気動作を行う
とともに、後述のようにしてウェハ2の処理面2aに供
給される処理流体fの回収を行うように構成されてい
る。すなわち、処理室1の内部には、排気廃液回収部2
3の排気動作によって、開口部1aを通じて外部側から
流入するとともに、ウェハ2の非処理面2b(第2主
面)に沿って流れ、当該ウェハ2の外周と開口部1aの
間隙から処理室1の内部に流入する清浄気流26が形成
される。特に図示しないが、処理室1の開口部1aの外
側には、前記清浄気流26となる清浄な不活性ガスを供
給する不活性ガス供給源が設けられている。
【0040】回転流形成流体供給部4の周囲には、背面
側からウェハ2の周辺部に沿って処理室1の内部に流入
する清浄気流26の流入状態を、当該ウェハ2の全周に
わたって均一化する気流調整板24が設けられている。
すなわち、排気廃液回収部23が接続される排気口25
の数は限られているため、そのままでは、清浄気流26
の流入状態がウェハ2の周囲において不均一になること
は避けられない。このため、たとえば、気流調整板24
により、排気口25に近く、より強い排気作用が行われ
る領域における清浄気流26の通過面積を小さくし、排
気口25から遠い領域における通過面積を大きくするこ
とで、清浄気流26の流入状態の均一化を実現してい
る。
【0041】図2は、回転流形成流体供給部4における
複数の流体供給口5の構成の一例を示した平面図であ
る。
【0042】同図に示されるように、複数の流体供給口
5は、回転流形成流体供給部4のウェハ2に対する対向
面に設定されたインボリュート基礎円7を、45度分割
したインボリュート曲線上に配列されており、さらに、
個々の流体供給口5の開口方向6(処理流体fの流出方
向)は、当該インボリュート曲線の接線方向となるよう
に穿設されている。これにより、複数の流体供給口5か
ら流出する処理流体fは、ウェハ2の中央部から周辺部
へと螺旋状(ないし渦巻き状)の流線をなす回転流とな
って当該ウェハ2に供給される状態となる。
【0043】次に、上述のように構成された本実施例の
板状物処理装置および板状物処理方法の作用の一例につ
いて説明する。なお、以下の説明では、処理の一例とし
て、ウェハ2の裏面の洗浄処理を行う場合について説明
する。すなわち、図1におけるウェハ2の処理面2a
(第1主面)は、所定の半導体集積回路などが形成され
る表面とは反対側の裏面である。
【0044】まず、排気廃液回収部23を作動させ、処
理室1の開口部1aを通じて清浄気流26が常時内部に
流れ込む状態とする。
【0045】この状態で、ウェハハンドラ3に保持され
たウェハ2を、処理対象となる処理面2aが回転流形成
流体供給部4に対向する姿勢で、処理室1の内部に搬入
し、回転流形成流体供給部4と所定の間隙をなして平行
に対向する所定の位置に位置決めする。
【0046】この位置決め状態では、気流調整板24の
作用により、ウェハ2の全周にわたって、均一に処理室
1の内部に流入する清浄気流26が形成される。
【0047】その後、まず、有機溶剤供給制御弁19を
開き、処理流体fとして、たとえば、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤
を、有機溶剤供給部15から流体供給口5を通じてウェ
ハ2に供給する。
【0048】図2に例示した、前述のような流体供給口
5の配列状態および開口方向により、処理流体fは、ウ
ェハ2の中央部から周辺部に、螺線状の流線を呈して連
続的に流れ去る回転流となる。このため、ウェハ2の処
理面2aに付着している有機異物などは、有機溶剤から
なる処理流体fに溶解して剥離されるとともに、回転流
を形成する処理流体fによってウェハ2の外部に運び去
られ、残留することなく確実に除去される。
【0049】所定の時間だけ、有機溶剤からなる処理流
体fの供給を継続し、ウェハ2の処理面2aに付着した
異物を充分に除去した後、有機溶剤供給制御弁19を閉
じて、有機溶剤からなる処理流体fの供給を停止する。
【0050】次に、メタノール供給制御弁20を開い
て、メタノール供給部16から、処理流体fとしてメタ
ノールを供給する。
【0051】前述の有機溶剤の場合と同様に、流体供給
口5から流出供給されるメタノールは、ウェハ2の中央
部から周辺部に到る回転流となって処理面2aに作用す
る。
【0052】これにより、ウェハ2の処理面2aに存在
する有機溶剤などの液滴全体が当該メタノールによって
置換される。
【0053】所定の時間だけメタノールの供給を維持
し、メタノールによる置換が確実に行われた後、メタノ
ール供給制御弁20を閉じ、メタノールの供給を停止す
る。
【0054】その後、同様に、純水供給制御弁21を開
いて、純水供給部17から処理流体fとして純水の供給
を開始し、所定時間だけ純水の供給を行った後、純水供
給制御弁21を閉じて、処理流体fとしての純水の供給
を停止する。
【0055】こうして、ウェハ2の処理面2aを、有機
溶剤、メタノール、純水からなる処理流体fによって順
次処理した後、窒素ガス供給制御弁22を開いて窒素ガ
ス供給部18から、処理流体fとして窒素ガスを、流体
供給口5を通じて回転流として所定の量だけウェハ2の
処理面2aに供給し、乾燥させる。所定の時間だけ処理
流体fとして窒素ガスを供給し、ウェハ2の処理面2a
が所望の乾燥状態となった後、窒素ガス供給制御弁22
を閉じて、供給を停止する。
【0056】こうして処理されたウェハ2は、ウェハハ
ンドラ3の搬送動作によって処理室1の外部に搬出され
る。
【0057】このように、本実施例の板状物処理装置に
よれば、処理流体fとしての有機溶剤、メタノール、純
水、窒素ガスが、ウェハ2の処理対象である処理面2a
の中央部から周辺部に螺線状の流線をなす回転流として
作用するので、有機溶剤、メタノール、純水、さらには
窒素ガスなどの処理流体fによる洗浄および乾燥処理に
おいて、当該処理面2aから剥離/除去された異物が、
滞留することなく、確実にウェハ2の外部に排除され、
ウェハ2の処理面2aを高度に清浄化することができ
る。
【0058】さらに、ウェハ2の処理面2aと表裏をな
す非処理面2b(表面)側から、当該ウェハ2の周辺部
と処理室1の開口部1aとの間隙を通過して、清浄気流
26が処理室1の内部に常時、強制的に流入するので、
当該処理室1の内部で遂行される処理面2aの洗浄およ
び乾燥処理中に発生する処理流体fの飛沫や異物を含む
雰囲気などが、非処理面2bの側に回り込むことが阻止
され、処理面2aに対する処理に関係しない非処理面2
bの汚染を確実に防止することができる。
【0059】また、処理中のウェハ2は、ウェハハンド
ラ3に安定に支持されているので、当該ウェハ2の周辺
部が処理室1の内壁面に衝突してチッピングを生じるな
どの懸念もない。
【0060】なお、上述の説明では、有機溶剤供給系、
メタノール供給系、純水供給系、窒素ガス供給系を、有
機溶剤供給制御弁19、メタノール供給制御弁20、純
水供給制御弁21、窒素ガス供給制御弁22の下流側で
同一ラインを使用しているが、これに限らず、回転流形
成流体供給部4に対する接続を独立にして、当該ライン
内の各処理流体fの配管系などにおける置換に要する時
間などを省略して、処理効率を高めるようにしてもよ
い。
【0061】図3は、本発明の他の実施例である板状物
処理方法が実施される板状物処理装置の要部を示す平面
図である。この図3の実施例の場合には、回転流形成流
体供給部4Aに、インボリュート曲線の接線方向に開口
方向9が設定された流体供給口8を複数列に穿設すると
ともに、中央部には直上方、すなわちウェハ2の処理面
2aにほぼ垂直となる方向に開口する流体供給口10を
穿設したところが図1に例示される板状物処理装置の場
合と異なっている。
【0062】このような回転流形成流体供給部4Aの構
成により、前記図1の実施例の場合と同様の効果が得ら
れるとともに、流体供給口8および10から供給される
処理流体fの流量を大きくして処理効率を高めることが
できる。また、中央部に開口する流体供給口10から噴
出する処理流体fによって、ウェハ2の処理面2aに滞
留しようとする異物などの排除を、より確実に行うこと
ができる。
【0063】図4は、本発明のさらに他の実施例である
板状物処理方法が実施される板状物処理装置の要部を示
す平面図であり、図5は、図4において線V−Vで示さ
れる部分の断面図である。
【0064】この図4および図5の実施例の場合には、
回転流形成流体供給部4Bに、インボリュート曲線をな
して溝状に開口する流体供給口11を形成したものであ
る。
【0065】この流体供給口11の、回転流形成流体供
給部4Bの径方向における断面の開口方向12は、処理
対象であるウェハ2の処理面2aの中央部から周辺部に
向かう方向に傾斜して設定されている。
【0066】これにより、前記図3の実施例の場合と同
様に、ウェハ2に回転流となって作用する処理流体fの
供給流量を充分に大きくすることがてき、処理効率をよ
り向上させることができる。
【0067】次に、図6によって、本発明のさらに他の
実施例である板状物処理方法が実施される板状物処理装
置を説明する。この図6の実施例の場合には、ウェハ2
の洗浄処理に超音波エネルギを援用するものである。
【0068】すなわち、処理室27の内部には、ウェハ
ハンドラ3に保持されたウェハ2の処理面2aに対向す
る回転流形成流体供給部28が配置されており、純水供
給部31および窒素ガス供給部32から、純水供給制御
弁33および窒素ガス供給制御弁34を介して、処理流
体fとして、純水および窒素ガスが供給されるように構
成されている。この回転流形成流体供給部28の内部に
は、超音波発振源30から与えられるエネルギによって
作動する超音波振動子29が配置されている。
【0069】処理室27の底部には、図示しない排気機
構が設けられており、ウェハ2の外周部と処理室27の
開口部27aとの間隙を通じて、外部から清浄気流37
を強制的に流入させることにより、強制排気流36を形
成している。
【0070】以下、この実施例の板状物処理方法および
板状物処理装置の作用の一例について説明する。
【0071】まず、強制排気流36が形成されている状
態で、ウェハハンドラ3に保持された未処理のウェハ2
を、開口部27aを通じ処理室27の内部に搬入し、回
転流形成流体供給部28に所定の間隙をなして対向させ
る。
【0072】その後、まず純水供給制御弁33を開いて
純水を回転流形成流体供給部28に供給し、流体供給口
35を通じて、回転流としてウェハ2の処理面2aに作
用させる。この状態で、超音波振動子29を作動させ
て、回転流形成流体供給部28からウェハ2に作用しつ
つある処理流体fとしての純水に超音波エネルギを与え
る。この超音波エネルギによって、回転流となってウェ
ハ2に作用する処理流体fによる異物などの剥離除去作
用が促進され、かつ、剥離除去された異物は、回転流を
なす処理流体fによって滞留することなく、ウェハ2の
外部に速やかに排除される。
【0073】所定の時間だけ、この洗浄処理を行った
後、超音波エネルギの印加を停止するとともに、純水供
給制御弁33を閉じて処理流体fとしての純水の供給を
停止する。その後、窒素ガス供給制御弁34を開き、処
理流体fとしての窒素ガスの供給を開始し、流体供給口
35からウェハ2の処理面2aに窒素ガスを作用させ、
当該処理面2aの乾燥処理を行う。所定時間の窒素ガス
の供給によって、ウェハ2を充分に乾燥させた後、窒素
ガス供給制御弁34を閉じて窒素ガスの供給を停止し、
処理済みのウェハ2を外部に搬出する。
【0074】このように、本実施例の場合には、純水に
よる超音波洗浄によって、より微細な異物などを効果的
に除去できるとともに、ウェハ2から一旦除去された異
物などは、回転流をなす純水(処理流体f)とともに滞
留することなく確実にウェハ2の外部に排除され、再汚
染などの懸念がない。このため、ウェハ2の処理面2a
を高度に清浄化することができる。また、前述した各実
施例の場合と同様に、外部から強制的に処理室1の内部
に流入する清浄気流37によって、処理室27の内部に
おいて発生する処理流体fの飛沫や異物などがウェハ2
の処理に関係しない非処理面2bの側に回り込んで付着
することがなく、処理面2aの洗浄処理中における非処
理面2bの汚染の発生を確実に阻止できる。
【0075】図7は、本発明の他の実施例である板状物
処理方法が実施される板状物処理装置の構成の一例を示
す略断面図である。本実施例の場合には、ウェハ2に対
してベーパーエッチング処理を行うように構成されてい
る。
【0076】すなわち、処理室38の内部には、ウェハ
ハンドラ40に保持されたウェハ39の処理面39a
(第1主面)に対向する位置に、回転流形成流体供給部
41が設けられている。この回転流形成流体供給部41
には、エッチング液蒸気制御弁45,水蒸気供給制御弁
46,窒素ガス供給制御弁47を介して、エッチング液
蒸気生成部42、水蒸気生成部43、窒素ガス供給部4
4がそれぞれ接続されており、ウェハ39の処理面39
aに対向して開設された流体供給口5から、処理流体f
としてエッチング液蒸気、水蒸気、窒素ガスなどを当該
処理面39aに作用させることが可能となっている。
【0077】また、ウェハ39を挟んで回転流形成流体
供給部41に対向する位置には、多数の透孔50aが穿
設された石英製の整流板50および石英プレート51が
配置されている。石英プレート51の背面側には赤外線
ランプ52が配置されており、石英プレート51および
整流板50越しに、ウェハ39の非処理面39b(第2
主面)側に対して、赤外線52aを照射するように構成
されている。
【0078】さらに、石英プレート51と、整流板50
との間の空間には、窒素ガス供給部49が接続されてお
り、整流板50の多数の透孔50aを通じて、窒素ガス
49aが、ウェハ39の非処理面(非処理面39b)に
均一に供給される構造となっている。また、処理室38
の底部には、排気廃液回収部48が設けられており、後
述のような一連の処理において発生する廃液の回収を行
うとともに、ウェハ39の背面側に供給される窒素ガス
49aを、当該ウェハ39の外周部と処理室38との間
の間隙を通じて引き込む方向に向けて、強制的な排気流
を形成する作用を行う。
【0079】以下、図7の板状物処理装置にて実施され
る板状物処理方法の作用の一例について説明する。
【0080】まず、排気廃液回収部48を作動させると
ともに、窒素ガス供給部49から窒素ガス49aをウェ
ハ39の非処理面側に供給することにより、処理室38
の内部には、下向きの排気流(窒素ガス流)が形成され
る。
【0081】この状態で、ウェハハンドラ40を作動さ
せ、ウェハ39を、回転流形成流体供給部41に対向す
る位置に位置決めする。
【0082】その後、窒素ガス供給制御弁47を開いて
窒素ガス供給部44から窒素ガスを供給すると同時に、
エッチング液蒸気制御弁45を開いて、エッチング液蒸
気生成部42から所定のエッチング液蒸気を供給する。
これにより窒素ガスをキャリアとするエッチング液蒸気
からなる処理流体fは、回転流形成流体供給部41の流
体供給口53を通じて回転流としてウェハ39の処理面
39aに作用し、当該処理面39aに対するエッチング
処理を行う。
【0083】所定時間のエッチング処理の後、まず、エ
ッチング液蒸気制御弁45を閉じてエッチング液蒸気の
供給を停止するとともに、水蒸気供給制御弁46を開い
て水蒸気生成部43からの水蒸気の供給を開始する。こ
の水蒸気は、窒素ガス供給部44から供給される前述の
窒素ガスをキャリアとする処理流体fとして、ウェハ3
9の処理面39aに回転流となって作用し、処理面39
aに残留するエッチング液などを洗い流す処理を行う。
【0084】そして、所定時間の水蒸気による清浄処理
の後、水蒸気供給制御弁46を閉じて水蒸気の供給を停
止し、処理流体fとして窒素ガスのみが供給される状態
にする。
【0085】そして、この窒素ガスのみが処理流体fと
して供給される状態で、赤外線ランプ52を点灯し、石
英プレート51および整流板50越しにウェハ39の非
処理面39bの側に赤外線52aを照射し、ウェハ39
の乾燥を促進する。所定時間の赤外線52aの照射によ
る乾燥処理の後、赤外線ランプ52を消灯して、赤外線
52aの照射を停止し、さらに、窒素ガス供給制御弁4
7を閉じて、窒素ガスの供給を停止する。
【0086】このように、本実施例の場合には、エッチ
ング液蒸気が回転流となってウェハ39の処理面39a
に作用するので、エッチングによって当該処理面39a
から剥離する異物などが、確実にウェハ39の外部に排
除され、さらに、水蒸気による清浄処理、窒素ガスによ
る乾燥処理においても、処理流体fが回転流となって処
理面39aに作用するので、残留異物を確実に減少し、
処理面39aを高度に洗浄な状態にすることができる。
【0087】また、窒素ガス供給部49からウェハ39
の非処理面に供給される窒素ガス49aは、強制的な排
気流となって回転流形成流体供給部41の側に移動する
ため、処理中の処理面39aの側において発生した処理
流体fの飛沫が非処理面側に回り込むことがなく、非処
理面の汚染を防止することができる。
【0088】図8は、本発明のさらに他の実施例である
板状物処理方法が実施される板状物処理装置の構成の一
例を示す断面図である。
【0089】本実施例の板状物処理装置は、有機洗浄装
置として構成されている。
【0090】処理室54の内部には、回転流形成流体供
給部57が、複数の流体供給口58の穿設面を上向きに
して配置されており、有機溶剤供給制御弁61および窒
素ガス供給制御弁62を介して、処理流体fとしての有
機溶剤および窒素ガスの供給源である有機溶剤供給部5
9および窒素ガス供給部60が接続されている。
【0091】この回転流形成流体供給部57の周辺部を
貫通する位置にはウェハハンドラ55が設けられてお
り、処理対象のウェハ56の処理面56a(第1主面)
を下向きにした姿勢で回転流形成流体供給部57に対す
る位置決め動作を行うように構成されている。
【0092】ウェハ56を挟んで回転流形成流体供給部
57と対向する位置には、導波管64が開設されてい
る。導波管64には、図示しないマイクロ波源が接続さ
れており、所望の波長のマイクロ波電磁界66を、ウェ
ハ56の非処理面56b(第2主面)に照射する構造と
なっている。
【0093】導波管64の開口部には、多数の透孔63
aが穿設された整流板63が、ウェハ56とほぼ平行に
設けられているとともに、当該導波管64には、窒素ガ
ス供給部65が接続されており、当該整流板63の多数
の透孔63aを通じて、窒素ガス65aがウェハ56の
非処理面56bの側に均等に吹き出す構造となってい
る。
【0094】回転流形成流体供給部57におけるウェハ
ハンドラ55の貫通部にはシールド機構67が設けられ
ており、当該貫通部における処理流体fやマイクロ波電
磁界の漏洩を防止している。
【0095】また、特に図示しないが、処理室54の底
部には、排気廃液回機構が設けられており、処理中に発
生する廃液の回収を行うとともに、前述の導波管64内
から整流板63を通じて流入する窒素ガス65aを、当
該処理室54の内部に引き込む方向に強制的に排気流を
形成する働きをしている。
【0096】以下、この図8の実施例の板状物処理装置
にて実施される板状物処理方法による有機洗浄処理につ
いて説明する。
【0097】まず、導波管64の内部から整流板63を
通じて供給される窒素ガス65aを、図示しない排気廃
液回収機構による排気動作によって、処理室54の内部
に強制的に引き込むことにより下向きの強制排気流を形
成する。
【0098】この状態で、ウェハハンドラ55により、
ウェハ56を搬入し、処理面56aが、回転流形成流体
供給部57に所定の間隙をなして対向する位置に位置決
めする。
【0099】その後、有機溶剤供給制御弁61を開い
て、処理流体fとしての有機溶剤の供給を開始し、回転
流形成流体供給部57の流体供給口58から回転流とし
てウェハ56の処理面56aに作用させる。この有機溶
剤の作用により、ウェハ56の処理面56aに存在する
有機異物などは、有機溶剤による溶解作用などによって
剥離除去され、滞留することなく、回転流をなす有機溶
剤とともにウェハ56の外部に排除される。このよう
な、有機溶剤による洗浄処理を所定の時間だけ行った
後、有機溶剤供給制御弁61を閉じて、有機溶剤の供給
を停止する。
【0100】次に、窒素ガス供給制御弁62を開いて、
処理流体fとしての窒素ガスの供給を開始し、流体供給
口58を通じて、回転流としてウェハ56の処理面56
aに作用させるとともに、導波管64を介して、ウェハ
56の非処理面56bの側からマイクロ波電磁界66を
印加する。これにより、ウェハ56からの有機溶剤の蒸
発が促進され、ウェハ56は、迅速に乾燥される。
【0101】マイクロ波電磁界66の照射による所定時
間の乾燥処理の後、マイクロ波電磁界66の印加を停止
するとともに、窒素ガス供給制御弁62を閉じ、処理流
体fとしての窒素ガスの供給を停止する。
【0102】このように、本実施例の板状物処理装置お
よび板状物処理方法によれば、処理流体fとしての有機
溶剤を、回転流をなすようにウェハ56の処理面56a
に作用させることにより、残留異物などを生じることな
く、高度な洗浄状態をうることができる。また、処理流
体fとしての窒素ガスを回転流をなすようにウェハ56
の処理面56aに作用させるとともに、マイクロ波電磁
界66による加熱によって有機溶剤の蒸発が促進され、
有機溶剤による洗浄処理後の乾燥処理の所要時間を短縮
することができる。また、処理流体fの種別などに応じ
て、最も加熱効率のよいマイクロ波電磁界66の波長を
設定することにより、乾燥処理の効率化を実現できる。
【0103】また、ウェハ56の非処理面56bの側か
ら処理面56aの側に強制的に流れ込む窒素ガス65a
の排気流により、処理面56aの側において発生する有
機溶剤の飛沫や、異物を含む窒素ガス雰囲気などが、非
処理面56bの側に回り込むことが確実に阻止され、処
理面56aの処理中における非処理面56bの汚染の発
生を確実に防止できる。
【0104】図9は、本発明のさらに他の実施例である
板状物処理方法が実施される板状物処理装置の構成の一
例を示す外観斜視図である。
【0105】この図9の実施例の場合には、たとえば、
前述の図1および図6に例示した板状物処理装置におい
て、処理室1(処理室27)を縦型としたものである。
【0106】すなわち、各々の回転流形成流体供給部4
(回転流形成流体供給部28)は、流体供給口5(流体
供給口35)が開設された平面を、鉛直方向にした姿勢
で設置されている。
【0107】これにより、カセット100に、ほぼ鉛直
な姿勢で配列・収納された状態で受け入れや払い出しが
行われる複数のウェハ2の姿勢を、当該カセット100
における鉛直な姿勢のままで取り扱うことが可能とな
る。このため、カセット100から鉛直な姿勢で取り出
されるウェハ2を横倒しにして水平にしたり、水平姿勢
のウェハ2を鉛直にするなどの、煩雑な機構をウェハハ
ンドラ3から省略することができ、ウェハハンドラ3を
含むウェハ2の搬送機構を簡略化することができる。
【0108】なお、ウェハの保持方法としては、前述し
た各実施例のウェハハンドラに限定されない。
【0109】たとえば、図10に示されるように、ウェ
ハ2の全周を保持するリング状ハンドラ68でもよく、
また、図11に示されるように、ウェハ2の周辺部に接
して静吸着する静電チャック69でもよい。さらに、図
12に示されるように、ウェハ2のオリエンテーション
フラット部2cの位置にストッパ72を有し、中央部か
ら吹き出す不活性ガス流71による負圧の発生を利用し
て、ウェハ2をほぼ非接触に保持するストッパ付ベルヌ
ーイチャック70を用いてもよい。
【0110】前記実施例では、板状処理物の第1主面の
みに所定流線を形成した処理流体を供給して、第1主面
のみ処理する実施例であるが、これに限定されることは
ない。図13に示すように、ウェハ200の第1主面2
01、第2主面202に対向して回転流形成流体供給部
を構成する方式が考えられる。
【0111】具体的には、第1主面201に、第1主面
回転流形成流体供給部210と第1主面流体供給制御部
211を構成し、第1主面回転流形成供給流体212を
供給し処理する。同時に、第2主面202には第2主面
回転流形成流体供給部213と第2主面流体供給制御部
214を構成し、第2主面回転流形成供給流体215を
供給し処理する。
【0112】尚、この実施例のウェハハンドラ203
は、ウェハ周辺部面取り部分の角度変化を利用して機械
的にウェハを保持している。
【0113】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。
【0114】たとえば、処理対象となる板状物として
は、前述の各実施例に例示したウェハに限らず、磁気デ
ィスク、光ディスク、ホトマスクなどの精密な表面処理
に広く適用することができる。
【0115】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0116】(1).本発明においては、板状物を回転させ
ることなく、板状物の表面に、処理流体を渦巻き状回転
流として作用させることから、板状物をチッピングさせ
ることなく、板状物を処理することができる。また、本
発明では、板状物を回転させることなく、板状物表面
に、処理流体を回転流として作用させることから、板状
物表面に形成される処理流体の渦巻き状回転流の流れ速
度や流れ方向を一定に保つことができる。この結果、処
理流体の渦巻き状回転流による板状物の処理状態が一定
に保たれ、薬液等の処理流体による処理が均一に保たれ
る。板状物の処理面に、渦巻き状回転流を形成しながら
薬液などの処理流体を作用させるので、処理流体が処理
面において停滞することなく、また、常に新鮮で清浄な
処理流体の供給が行われるので、剥離異物の停滞や再付
着などが確実に防止され、処理流体による板状物の高度
な清浄化処理を実現することができる。
【0117】(2).板状物の処理対象の処理面に、所定の
流線を形成しながら不活性ガスなどの処理流体を作用さ
せて乾燥処理を行うので、蒸発する薬液の蒸気や液滴な
どが処理流体とともに確実に排除されるとともに、板状
物に対して再付着することがなく、高度に清浄で均一な
乾燥処理を実現することができる。
【0118】(3).板状物の処理面に作用させる処理流体
として、当該板状物の種類や、予想される異物などに応
じて複数の薬液などを組み合わせることにより、あらゆ
る種類の板状物および異物に対する清浄化処理を実現す
ることができる。
【0119】(4).板状物の第2主面から、当該第2主面
と表裏をなす第1主面に到る方向に強制的に流れる気流
を形成しつつ、第1主面に対する処理を遂行するので、
当該第1主面の処理において発生する飛沫や異物を含む
雰囲気などが、非処理面である第2主面の側に回り込む
ことが確実に阻止され、処理中における非処理面の汚染
発生を確実に防止することができる。
【0120】(5).処理流体の作用に超音波エネルギを援
用することにより、板状物の処理面のミクロな領域での
薬液処理反応、さらにはミクロな異物の剥離除去作用が
促進され、処理効率を高めることができる。
【0121】(6).処理流体の作用に熱エネルギを援用す
ることにより、たとえば、乾燥処理における所要時間の
短縮を実現することができる。たとえば、処理流体の作
用にマイクロ波電磁界のエネルギを援用することによ
り、乾燥処理の対象となる板状物や、処理流体の誘電率
などの性質に応じて波長を設定することで、たとえば、
水分などの加熱促進による急速な乾燥処理が可能とな
り、たとえばウォーターマーク(液滴の蒸発痕)の発生
を確実に防止することができる。
【0122】(7).前記(1) 〜(6) の結果、たとえば、半
導体装置の製造過程におけるウェハなどの高度に洗浄な
表面処理が可能となり、ウェハプロセスによって製造さ
れる半導体装置の品質や歩留りを向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である板状物処理方法が実施
される板状物処理装置の構成の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例である板状物処理方法が実
施される板状物処理装置の要部の構成の一例を示す平面
図である。
【図3】本発明の他の実施例である板状物処理方法が実
施される板状物処理装置の要部を示す平面図である。
【図4】本発明の他の実施例である板状物処理方法が実
施される板状物処理装置の要部を示す平面図である。
【図5】図4において線V−Vで示される部分の断面図
である。
【図6】本発明のさらに他の実施例である板状物処理方
法が実施される板状物処理装置の構成の一例を示す略断
面図である。
【図7】本発明の他の実施例である板状物処理方法が実
施される板状物処理装置の構成の一例を示す略断面図で
ある。
【図8】本発明のさらに他の実施例である板状物処理方
法が実施される板状物処理装置の構成の一例を示す略断
面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例である板状物処理方
法が実施される板状物処理装置の構成の一例を示す外観
斜視図である。
【図10】リング状ハンドラの構成の一例を示す略断面
図である。
【図11】静電チャックの構成の一例を示す断面図であ
る。
【図12】ストッパ付ベルヌーイチャックの一例を示す
断面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例である板状物処理
方法が実施される板状物処理装置の構成の一例を示す略
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田原 勝三 東京都青梅市藤橋3丁目3番地2 日立 東京エレクトロニクス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−42918(JP,A) 特開 昭57−52139(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 B08B 3/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理流体を作用させる位置に、板状物を
    保持し、その保持した板状物を回転させることなく、
    記板状物の表面の中心近傍から周辺部に向かって流れる
    前記処理流体の流れ状態を、前記板状物の表面の中心近
    傍から周辺部に向かう渦巻き状回転流として形成する手
    段を備えることを特徴とする板状物処理装置。
  2. 【請求項2】 前記板状物の表面の中心近傍から周辺部
    に向かう前記処理流体の渦巻き状回転流を形成する手段
    は、前記板状物に処理流体を供給する処理流体供給口の
    形状と配置により決定することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の板状物処理装置。
  3. 【請求項3】 前記板状物の表面の中心近傍から周辺部
    に向かう前記渦巻き状回転流を形成する処理流体は、流
    体または蒸気体、もしくは気体であることを特徴とする
    請求項1、または2記載の板状物処理装置。
  4. 【請求項4】 板状物を回転させることなく、前記板状
    物の中心近傍から周辺部に向かう渦巻き状回転流とし
    て、処理流体を作用させて、前記板状物を処理すること
    を特徴とする板状物処理方法。
  5. 【請求項5】 前記板状物を回転させることなく、前記
    板状物の表面の中心近傍から周辺部に向かう渦巻き状回
    転流を形成する前記処理流体として、流体、蒸気体、も
    しくは気体を単独で、もしくは組み合わせて用いること
    を特徴とする請求項記載の板状物処理方法。
  6. 【請求項6】 半導体からなるウェハを回転させること
    なく、前記ウェハの中心近傍から周辺部に向かう渦巻き
    状回転流として、処理流体を作用させて、前記ウェハを
    処理することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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