JP3087755U - 反射層付き物品及び反射層付き車輪用リム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 その反射層内の反射粒子が互いに重ならずに
きちんと整列した反射機能の良い反射層付き物品を提供
する。 【解決手段】 特定表面に反射層をつけてなる反射層付
き物品において、反射層２０は、少なくとも、下層とな
る、所定厚みを有する透明樹脂層２２と、上層となる、
複数の反射粒子２３１からなり、且つ、複数の反射粒子
はそれぞれの粒径が透明樹脂層の所定厚みより大きく透
明樹脂層の上面から部分的に嵌入するように該透明樹脂
層に散布されている反射粒子層２３とを備えてなること
を特徴とする反射層付き物品。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は反射層付き物品に関し、とりわけ反射層付きの道路標識、警告標示体 、信号板、交通安全用品及び車輪用リムなどに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、交通安全のために、反射層付きの道路標識、警告表示体、信号板、 交通安全用品ないし車輪用リムなどを使用し、該反射層の反射作用により、警示 効果を発揮することがある。図３に示すように、このような反射層３０は、例え ば車輪用リムのタイヤを取り付けた後露出する部分の表面３１に施してなる。前 記反射層３０は、前記表面３１に施されている下塗り層３２と、複数の反射粒子 ３３と透明塗料３４とを攪拌混合したスプレー塗料をスプレーにより前記下塗り 層３２の表面に塗布形成してなる塗料粒子混合層３５と、前記塗料粒子混合層３ ５に塗布されている透明の保護層３６と、前記保護層３６の上面に施されている 透明の艶出し層３７とを備えてなる。このような反射層３０が施してある車輪用 リムに光線が照射すると、前記塗料粒子混合層３５内の複数の前記反射粒子３３ により入射光が反射されて、反射光を生じ、車輪用リムが明るく光って、往来す る人や車に注意を促すことができる。

【０００３】 しかしながら、前記従来の反射層３０は、前記反射粒子３３が、前記透明塗料 ３４と攪拌混合されてから、スプレーにより前記下塗り層３２の表面に塗布され て、該スプレー塗布により形成された前記塗料粒子混合層３５に存在しているの で、前記攪拌混合液の均一性を問わず、前記塗料粒子混合層３５内に、互いに重 なるように密接したりまたは隙間を大きく開けて離間したりして混乱に存在して いるので、反射効果がよくない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の反射層付き物品の問題点に鑑み、本考案は、その反射層内の反射粒 子が互いに重ならずにきちんと整列した反射機能の良い反射層付き物品を提供し ようとすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、先ず、その特定表面に反射層をつけて なる反射層付き物品において、前記反射層は、少なくとも、下層となる、所定厚 みを有する透明樹脂層と、上層となる、複数の反射粒子からなり、且つ、前記複 数の反射粒子はそれぞれの粒径が前記透明樹脂層の前記所定厚みより大きく前記 透明樹脂層の上面から部分的に嵌入するように該透明樹脂層に散布されている反 射粒子層とを備えてなることを特徴とする反射層付き物品を提供する。上記構成 により、本考案の反射層付き物品、例えば、道路標識、警告標示体、信号板、交 通安全用品及び車輪用リムなどにおける反射層は、まず前記物品の前記特定表面 に前記透明樹脂層を施してから適当な粘度（例えばＩＷＡＴＡ ＮＫ−２粘度計 で計った粘度１０￣１２程度）まで乾燥した後、その上面から、それぞれの粒径 が前記透明樹脂層の厚みより大きい複数の反射粒子を該透明樹脂層に部分的に嵌 入するように均一に散布噴射し、乾燥することにより形成されうるため、前記複 数の反射粒子はすべて前記物品の前記特定表面まで前記透明樹脂層を嵌入して整 列し、且つ、完全に透明樹脂層内に陥没せずに、それぞれの一部が透明樹脂層外 に突出するように形成されうるので、反射粒子同士の互いに重なることがない均 一な単一粒子層（反射粒子層）が形成されうる。従って、光線が本考案の前記反 射層に照射すると、何の阻止も干渉もなく、前記単一粒子層の作用により、蛍光 灯に似た反射光を生じ、警示効果を有効に発揮することができる。

【０００６】 そして、前記反射層付き物品の前記特定の表面に前記透明樹脂層を施す前に、 先に前記特定の表面を平滑化させておいた方が良い。平滑化の方法は、普通の物 品を平滑化させる、例えば研磨仕上げ処理やメッキなどの常法を使用すれば良い が、前記特定表面に下塗り層を直接敷設することも考えられる。その場合、前記 下塗り層を硬化まで乾燥させた後、始めて該下塗り層の上面に前記透明樹脂層を 施すことにより、前記反射粒子の嵌入を前記下塗り層の上面までに制限させた方 が良い。

【０００７】 そして、前記反射粒子層を保護するために、前記透明樹脂層と共に前記反射粒 子層を挟むように、前記反射粒子層の上面から保護層が被覆されていることが好 ましい。

【０００８】 そしてまた、前記反射層を明るくするために、前記保護層の上面に艶出し層が 施されていることが好ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、添付図面を参照しながら、本考案に係る反射層付き物品の好ましい実施 形態を説明する。本実施形態において、車輪用リムを反射層付き物品の例として 説明するが、他の反射層付き物品、例えば、道路標識や、警告標示体、信号板、 交通安全用品にも応用することができる。図１及び図２に示すように、、本実施 形態における車輪用リム１０は、タイヤを取り付けた後露出する部分の表面１１ に反射層２０を施してなる。該反射層２０は、先ず、前記表面１１に銀色ペイン トをスプレーして下塗り層２１を形成する。前記下塗り層２１を硬化まで乾燥さ せた後、始めて該下塗り層２１の上面に例えばエポキシ樹脂などの透明樹脂をス プレーして８０μｍの厚みを有する透明樹脂層２２を形成する。そして、前記透 明樹脂層２２を適当な粘度、例えばＩＷＡＴＡ ＮＫ−２粘度計で計った粘度１ ０￣１２程度まで乾燥した後、反射粒子２３１の粒径分布が９０￣１０６μｍ範 囲内にある反射粒子製品ユニビーズＵＢ−６７ＮＨを、前記透明樹脂層２２の上 面から、前記反射粒子製品のそれぞれの反射粒子２３が前記下塗り層２１の上面 までに部分的に嵌入するように、前記透明樹脂層２２に均一に噴射散布する。そ して、前記透明樹脂層２２を乾燥することにより、前記透明樹脂層２２に部分的 に嵌入した前記反射粒子２３１を固定して反射粒子層２３を形成する。そして、 前記反射粒子層２３の上面から、硬質の透明樹脂をスプレーしてから乾燥するこ とにより、前記透明樹脂層２２と共に前記反射粒子層２３を挟むように保護層２ ４を形成する。最後に、前記保護層２４の上面に艶だしワニスをスプレーして艶 出し層２５を形成する。

【００１０】 このようにして構成されている反射層付き車輪用リム１０の反射層２０は、図 １に示すように、前記車輪用リム１０のタイヤを取付けた後露出する表面１１に 施されている下塗り層２１と、前記下塗り層２１の上面に、所定厚みを有するよ うに敷設されている透明樹脂層２２と、複数の反射粒子２３１からなり、且つ、 前記複数の反射粒子２３１はそれぞれの粒径が前記透明樹脂層２２の前記所定厚 みより大きく前記透明樹脂層２２の上面から部分的に嵌入するように該透明樹脂 層２２の上面に散布されてなる反射粒子層２３と、前記透明樹脂層２２と共に前 記反射粒子層２３を挟むように、前記反射粒子層２３の上面から被覆されている 保護層２４と、前記保護層２４の上面に施されている艶出し層２５とを備えてな る。前記図示のように、前記反射粒子層２３のそれぞれの反射粒子２３１はいず れも前記透明樹脂層２２を前記下塗り層２１の上面までに嵌入したので、前記透 明樹脂層２２の表面に、反射粒子同士が互いに重ならずにきちんと整列した単一 粒子層がなる。従って、前記反射粒子層２３のそれぞれの反射粒子２３１は完全 に前記透明樹脂層２２に陥没することなくいずれも前記透明樹脂層２２の上面か ら突出しているので、光線が反射粒子層２３の反射粒子２３１に照射すると、何 の阻止も干渉もなく、前記単一粒子層（反射粒子層２３）の作用により、蛍光灯 に似た反射光を生じ、前記車輪用リム１０の表面を明るく光らせ、往来する人や 車に注意を促すことができる。

【００１１】

【考案の効果】

上述のように、本考案に係る反射層付きの物品、例えば道路標識、警告標示体 、信号板、交通安全用品ないし車輪用リムにおける反射層の基本構成、即ち前記 透明樹脂層及び前記反射粒子層は、まず前記物品の特定表面に前記透明樹脂層を 施してから適当な粘度まで乾燥した後、その上面から、それぞれの粒径が前記透 明樹脂層の厚みより大なる複数の反射粒子を該透明樹脂層に部分的に嵌入するよ うに均一に散布噴射し、乾燥することにより形成されうるため、前記複数の反射 粒子はすべて前記物品の前記特定表面まで前記透明樹脂層を嵌入して整列し、且 つ、完全に透明樹脂層内に陥没せずに、それぞれの一部が透明樹脂層外に突出す るように形成されうるので、反射粒子同士の互いに重なることがない均一な単一 粒子層（反射粒子層）が形成されうる。従って、光線が本考案の前記反射層に照 射すると、何の阻止も干渉もなく、前記単一粒子層の作用により、蛍光灯に似た 反射光を生じ、警示効果を有効に発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る反射層付き車輪用リムの好ましい
実施形態を示す部分断面拡大図。

【図２】前記好ましい実施形態を示す正面図。

【図３】従来の反射層付き車輪用リムの反射層を示す部
分断面拡大図。

【符号の説明】

１０ 車輪用リム １１，３１ リム表面 ２０，３０ 反射層 ２１，３２ 下塗り層 ２２ 透明樹脂層 ２３ 反射粒子層 ２３１，３３ 反射粒子 ２４，３６ 保護層 ２５，３７ 艶出し層 ３４ 透明塗料 ３５ 塗料粒子混合層

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】その特定表面に反射層をつけてなる反射層
   付き物品において、 前記反射層は、少なくとも、 下層となる、所定厚みを有する透明樹脂層と、 上層となる、複数の反射粒子からなり、且つ、前記複数
   の反射粒子はそれぞれのの粒径が前記透明樹脂層の前記
   所定厚みより大きく前記透明樹脂層の上面から部分的に
   嵌入するように該透明樹脂層に散布してなる反射粒子層
   とを備えてなることを特徴とする反射層付き物品。
2. 【請求項２】前記特定表面と前記透明樹脂層との間に下
   塗り層が敷設されていることを特徴とする請求項１に記
   載の反射層付き物品。
3. 【請求項３】前記透明樹脂層と共に前記反射粒子層を挟
   むように、前記反射粒子層の上面から保護層が被覆され
   ていることを特徴とする請求項１に記載の反射層付き物
   品。
4. 【請求項４】前記保護層の上面に艶出し層が施されてい
   ることを特徴とする請求項１に記載の反射層付き物品。
5. 【請求項５】タイヤを取付けた後露出する部分の表面に
   反射層を施してなる反射層付き車輪用リムにおいて、 前記反射層は、 前記表面に施されている下塗り層と、 前記下塗り層の上面に、所定厚みを有するように敷設さ
   れている透明樹脂層と、 複数の反射粒子からなり、且つ、前記複数の反射粒子は
   それぞれの粒径が前記透明樹脂層の前記所定厚みより大
   きく前記透明樹脂層の上面から部分的に嵌入するように
   該透明樹脂層の上面に散布してなる反射粒子層と、 前記透明樹脂層と共に前記反射粒子層を挟むように、前
   記反射粒子層の上面から被覆されている保護層と、 前記保護層の上面に施されている艶出し層とを備えてな
   ることを特徴とする反射層付き車輪用リム。