JP3087194U - 多層梱包袋 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 産業廃棄物を生じず、懸案の後処理の問題点
をうまく解決できる上に、湿気の防止と残存する空気の
抜け出しをうまく図ることができる手段を提供する。 【解決手段】 外層となるクラフト紙2の内面に気体の
通過を許し、水滴の通過を阻止する多数の微細な通気孔
11が設けられ生分解性プラスチックフィルム2が部分
的な貼着9を介して重合されて、内層となるこの生分解
性プラスチックフィルム3とクラフト紙2との間に空隙
10が形成されて、セメント袋1内の残存空気がこの通
気孔11から空隙10、更にはクラフト紙2を抜け出し
て大気に放出されるように構成されている。
をうまく解決できる上に、湿気の防止と残存する空気の
抜け出しをうまく図ることができる手段を提供する。 【解決手段】 外層となるクラフト紙2の内面に気体の
通過を許し、水滴の通過を阻止する多数の微細な通気孔
11が設けられ生分解性プラスチックフィルム2が部分
的な貼着9を介して重合されて、内層となるこの生分解
性プラスチックフィルム3とクラフト紙2との間に空隙
10が形成されて、セメント袋1内の残存空気がこの通
気孔11から空隙10、更にはクラフト紙2を抜け出し
て大気に放出されるように構成されている。
Description
【0001】
この考案は、に紙を主体にして構成された重量物用の多層梱包袋に関する。更 に詳しくは、重量物、例えばセメントや化学薬品などの粉末状粒子、米や麦など の穀類、肥料や飼料などの粒状物を収納するための多層梱包袋に関する。
【0002】
このような粉末状粒子、穀類、粒状物などを充填するのに、空送という手段が 採用される場合を考察すると、収容物を袋内に送るための空気などの空送気体が 袋内に残存してしまう問題がある。 いずれにしても収納物が充填された後の袋は膨満状態となる。そのため、袋が 占める体積が膨大化し、広い保管スペースが必要となり、保管効率が低化する。 また、残存気体で膨満化した袋を積み重ねて保管すると、不安定で袋が崩れ落ち る危険性がある。
【0003】 この問題を解決するために、全面に多数の小穴を開けた袋や、背面に通気性の 高いフィルムをつなぎ合わせた袋が提案されている。これらの袋は、穴や通気性 のフィルムから袋内の気体が外部に抜け出すために、袋の残存気体により袋の膨 大化はうまく阻止できる。したがって、保管効率が良くなり、また、積み重ねて も崩れ難く、安全性が図れる。
【0004】 しかし、穴を設けたものは、この穴から虫が入り込んだり、収納物がこぼれお ちたりする問題がある。また、通気性のフイルムの場合には、床や棚に水などが こぼれていると、この通気性のフイルムから水などが袋内に浸入してくるという 問題がある。
【0005】 このような問題点を解決するために、従来、一般的にその構造は内外三層の多 層梱包袋が多用されている。 具体的には、外層と最内層は共に未晒包装紙、つまり未晒クラフトパルプを原 料として重袋用クラフト紙が採用されている。そして、これら両重袋用クラフト 紙の間の中間層として、湿気から充填物を保護する必要上からポリエチレンフィ ルムが介装されている。また、この中間層、つまり第二層を形成するポリエチレ ンフィルムには、断続的にスリットが設けられている。 この構成によれば、虫の侵入や水濡れなどの問題はうまく解決できる。
【0006】 しかし、ポリエチレンフィルムにスリットが存在しないと、最内層のクラフト 紙から抜け出した残存気体がこのポリエチレンフィルムと最内層のクラフト紙と の間に残留してしまう。その結果、梱包袋は相変わらず膨満状態であるので、保 管効率の向上を図ったり、安全に積み重ねて収納することは望めない。 このポリエチレンフィルムのスリットは、更に大気へ残存気体を逃がすための 手段である。つまり、このスリットを抜け出した残存気体は、更に最外層のクラ フト紙から袋外へ抜け出すことができる。その結果、梱包袋の膨満状態は解決さ れる。
【0007】 ところで、従来のこの種の多層梱包袋は、一般的に最内層にクラフト紙が配さ れている。 その理由は、収納物がポリエチレンフィルムと直に接触して品質が変化するの を防止するためである。また、収納物がスリットを介してポリエチレンフィルム の外側にこぼれだし、最外層のクラフト紙の間に詰まったりするのを防止するた めであった。
【0008】
しかし、ポリエチレンフィルムに設けられるこのスリットの存在によって、ポ リエチレンフィルムはその本来の目的である収納物を湿気から守る機能が大きく 削がれる結果となっている。また、ポリエチレンフィルムは、廃棄後の処理にも 、単純に焼却したり、土中に埋め戻しすることはできない。したがって、後処理 が不便で、この多層梱包袋そのものが産業廃棄物となってしまっている。
【0009】 そこで、本考案者等は、かかる現状を踏まえて、袋内の残存気体をうまく逃し て膨満状態をうまく解消し、適度のクッション性が保たれ、併せて後処理が簡便 な多層梱包袋の開発に着手した。試行錯誤の末、従来の問題点が中間層を形成す るポリエチレンフィルムであることに気付き、その改良に取り組んだ。開発のポ イントは、要するに袋内の残存気体を、袋内に水気の浸入を可及的に少なくしな がら排出する点にある。これを満足させるには微細な通気穴を備えたフィルムを 採用することで解消できることを知見した。
【0010】 本考案者等は、この新知見を基に更に一歩進め、膨満状態の解消とあわせて湿 気の防止と残存する気体の抜け出しをうまく図ることの兼ね合わせについて更に 研究を重ねた。その結果、この相離反する要件をうまく解決できる手段を開発し たので、ここに提案する。
【0011】
以上の技術的な課題を解決するために、この考案の請求項1記載の多層梱包袋 は、外層となる未晒包装紙と、内層となる樹脂素材のフィルムとからなり、この 樹脂素材のフィルムは、その周縁は全域にわたり、また、残余の部分は部分的に この未晒包装紙の内面に貼着されてこの未晒包装紙との間に密封された空隙が形 成され、袋の内部が通気手段を介してこの空隙に連通連結されたものである。
【0012】
以上の構成による多層梱包袋においては、収納物とともに袋内に充填されて残 存する気体は、樹脂素材のフィルムに設けられた通気手段から外層のクラフト紙 とこの樹脂素材のフィルムとの間の空隙内に流れ込んでいく。そして、最終的に は、外層のクラフト紙を抜けて大気に放出される。逆に、万一外部から水気が浸 入しようとしても、この樹脂素材のフィルムでシャットアウトされ、それ以上の 浸入はうまく阻止される。空隙内に流入した残存気体は、外層のクラフト紙から 大気に徐々に放出されてゆく。
【0013】
したがって、この考案に係る請求項1記載の多層梱包袋は、以下の効果を奏す る。 多層梱包袋は、外層の未晒包装紙とその内側に部分的に貼着された樹脂素材の フィルムの内外二層で構成されるために、コストダウンを図ることができながら 、収納物を水気からも確実に保護する。併せて、残存気体の排出もうまく行える ので、納まりの良い膨らみ加減を現出できる。その結果、保管スペースを少なく できて保管効率が向上し、適度なクッション性も兼ね備えることとなり、収容物 の保護機能も増し、また、積み重ね時の安定性も格段に改善される。
【0014】 この考案に係る請求項1記載の多層梱包袋において、通気手段は、請求項2記 載のように、樹脂素材のフィルムに設けられた気体の通過を許し、水滴の通過を 阻止する多数の微細な通気穴であるのが望ましい。 残存気体の迅速な排出が可能となるばかりでなく、水気の浸入を的確に阻止す るからである。
【0015】 この考案に係る請求項1記載の多層梱包袋において、通気手段は、請求項3記 載のように、一端に開放口が、多端側に放出口が備わり、前記開放口寄り側の壁 面に設けられた通気部を備え、開放口は大気と連通する状態で扁平チューブ状に 構成されて多層梱包袋に設けられる排気弁と、この排気弁の前記通気部に対向し て樹脂素材のフィルムに設けられた通気部とで構成されるのが望ましい。 袋内と空隙を連通する通気穴を一ヶ所に設けることができ、水気の浸入を一層 的確に阻止するからである。
【0016】 この考案に係る請求項3記載の多層梱包袋において、排気弁は、請求項4記載 のように、その本体内にあって、開放口側が通気部側の壁に固定され、放出口側 が遊端となって、この通気部の開放口側からこの通気部を越えて放出口側に至り 、加圧時にはこの通気部を閉止するが、非加圧時にはこの通気部を開放し、且つ 、通気部から開放口の排気流路を確保する位置にまで復帰するようにこの通気部 に対して固定側を支点にして遠近離間自在に変位する弁体が設けられるのが望ま しい。 収納物を空送気体によって一挙に多層梱包袋内に充填する時、収納物を空送す る気体の圧力によって、弁体は通気部側に押圧されるので、この通気部が弁体で 閉止される。その結果、空送気体とともに送られる粉体などによって、通気部に 目詰まりが生じるおそれを少なくできるからである。
【0017】 この考案に係る請求項3〜4のいずれかに記載の多層梱包袋において、排気弁 は、請求項5記載のように、その本体内にあって、通気部の対向する壁面が互い に密着するのを防止するために弁体存在位置よりも放出口側にスペーサーが設け られるのが望ましい。 収納物を空送気体によって一挙に多層梱包袋内に充填した後、多層梱包袋内に は、送気気体が残留し、満杯状態にまで膨満されて、多層梱包袋内は大気圧より も高圧になっている。その結果、この排気弁の本体が圧迫されて、挫屈して通気 部とこれに対向する壁が同士が接当し、開放口から放出口に至る流路が閉鎖され てしまう。しかし、このスペーサーの存在によって、対向する壁同士は常時一定 の間隔が保たれて対向し、流路が確保され、少なくとも通気部と開放口との連通 は確保され、排気効率を阻害するおそれが更に少なくなり、多層梱包袋内の残存 気体の排出をより的確に行うことができるようになるからである。
【0018】 この考案に係る請求項5記載の多層梱包袋において、スペーサーは、請求項6 記載のように、弁体が設けられた側の壁面に設けられているのが望ましい。 開放口から扁平チューブ状の本体内に送り込まれる収納物や気体の送気抵抗を 可及的に少なくできるからである。つまり、スペーサーが弁体を設けた側とは反 対の側の壁面に設けられていると、気体の流れは、弁体を迂回した後、更にスペ ーサーを迂回する必要上、蛇行する結果となり、直線的でスムースな流下が難し くなるからである。
【0019】 また、この考案に係る請求項5〜6のいずれかに記載の多層梱包袋において、 スペーサーの弁体側の端面は、請求項7記載のように、開放口から放出口側に至 るほど順次放出側に後退する傾斜面に形成されているのが望ましい。 開放口から扁平チューブ状の本体内に送り込まれる収納物や気体の送気抵抗を より可及的に少なくできるからである。
【0020】 また、この考案に係る請求項3〜5又は請求項7のいずれかに記載の考案に係 る多層梱包袋において、放出口は、請求項8記載のように、扁平チューブ状の本 体壁に設けられた開口であるのが望ましい。 放出口の開設を扁平チューブ状の本体の表裏のいずれの側にでも、適宜に設け ることができ、汎用性に富むからである。
【0021】 また、この考案に係る請求項3〜5のいずれかに記載の多層梱包袋において、 排気弁の通気部は、請求項9記載のように、扁平チューブ状の本体の壁に穿設さ れた穴若しくは細目穴のいずれかであるのが望ましい。 前者の構成では、通気穴を開設するにあたって、通気部の形成が至極簡便であ る。また、後者の場合は、穴径や穴相互の間隔などの設計仕様が格段に簡便であ り、望みの通気部を簡便に得られる。
【0022】 また、この考案に係る請求項9記載の多層梱包袋において、細目穴は、請求項 10記載のように、本体の壁に設けられた開口とこの開口を閉止するようにして 貼着された樹脂素材のフィルムに穿設された通気穴であるか、本体の壁に直に設 けられた微細な多数の通気穴であるのが望ましい。 前者の構成では、通気穴を開設するにあたって、穴径や穴相互の間隔などの設 計仕様が格段に簡便であり、望みの通気部を簡便に得られる。また、後者では、 通気穴の開設作業そのものが大変楽になる。
【0023】 更に、この考案に係る請求項10記載の多層梱包袋において、細目穴は、請求 項11記載のように、通気穴を全域にわって備えた樹脂素材のフィルム製の筒状 集気体がその長さ方向の中間部分を本体の開口に貼着されて構成されているのが 望ましい。 筒状集気体により袋内の広い範囲から残存気体を捕集できるようになり、残留 気体の排気を一層効率良く行なえるからである。
【0024】 この考案に係る請求項1〜3又は請求項9〜11記載の多層梱包袋において、 樹脂素材のフィルムは、請求項12記載のように、生分解プラスチックフィルム であるのが望ましい。 この生分解性のプラスチックフィルムは、生分解性プラスチックと称されるも のと、崩壊性プラスチックあるいは光生分解性プラスチックと称されるものとが 存在する。言うまでもなく、生分解性プラスチックは、植物の原料を発酵させて 得られる。また、崩壊性プラスチックあるいは光分解性プラスチックは、ベース となるプラスチック原料にトウモロコシの澱粉又は植物性澱粉を配合混入して得 られる。 いずれも焼却しても、ダイオキシンなどの有害ガスが発生せず、また、光や温 度や微生物によって最終的に水と炭酸ガスに分解される。その結果、大変使い勝 手が良く、産業廃棄物にもなりにくい特性を備えるからである。
【0025】
(第1の実施の形態) 以下、この考案に係る多層梱包袋の第1の実施の形態を、セメント袋に適用し た場合について図1〜4の記載に基づいて説明する。 このセメント袋1は、図1に示されるように、外層となる未晒包装紙の一例で あるクラフト紙2と、内層となる生分解性プラスチックフィルム3が、内外二層 に重合されてなる。縦が630mmで、横が495mmの縦長である。開封側( 図示上部)と底側(図示下部)に角底部4を備えている。この内外二層のセメン ト袋の作成は従来の手法によって行われる。
【0026】 具体的には、図2に示されるように、平坦に折りつぶした筒状体の端部を、第 1折り線5により、矩形状の開口6が開くように展開する。次いで、得られた台 形状の部分7を第2折り線8で折って閉じて角底部4が形成される。 図中4aは、角底部4の最外部に貼着される密封を確保するために貼着される 化粧紙である。
【0027】 ただし、クラフト紙2の内面にこの生分解性プラスチックフィルム3を重合さ せるに当たって、先ず重要なことは、内層となる生分解性プラスチックフィルム 3は、その周縁全域がこのクラフト紙2の内面に貼着Sされていることである。 また、残余の部位は、つまり周縁以外の部分は、図3に示されるように、クラフ ト紙2の内面に部分的に貼着9される。具体的には、図1に示されるように、断 続的な線状で貼着9される。なお、図示しないが点状に貼着9されても同様の効 果を奏する。特に、この貼着は、貼着9部分が相互に所定の間隔を開けることが 肝要である。このような接着手段を採用することによって、クラフト紙2と生分 解性プラスチックフィルム3との間に、図3に示されるように、積極的に空隙1 0が形成される。この空隙10は、セメント袋1へセメントを気送した後、この 袋内に残存する空気の排出空間あるいは抜け道となるので重要である。
【0028】 外層となるクラフト紙2は、従来周知の、クラフトパルプを原料として抄紙さ れた未晒クラフト紙が採用される。具体的には、坪料70g/m2 、厚さ100 μmの未晒クラフト紙である。言うまでもなく、この未晒クラフト紙は、表裏面 、また、素材その物にも特段の防水加工などは施されていないものが採用されて いる。
【0029】 内層となる生分解性プラスチックフィルム3は、従来から周知の生分解性プラ スチックフィルムが採用される。フィルムの厚さは、収納される対象物によって も異なるが、この実施の形態で採用されるセメント袋では、30〜200μmの 範囲から適宜に選択される。この生分解性プラスチックフィルムは、いわゆる生 分解性プラスチックフィルムと称されるものと、崩壊性プラスチックフィルムあ るいは光生分解性プラスチックフィルムと称されるものを包含している。いずれ を採用しても良い。言うまでもなく、生分解性プラスチックは、植物の原料を発 酵させて得られる。また、崩壊性プラスチックあるいは光分解性プラスチックは 、ベースとなるプラスチック原料にトウモロコシの澱粉又は植物性澱粉を配合混 入して得られる。具体的には、近年グリーンプラ(登録商標)と称されて販売さ れているものなどは好適である。
【0030】 上記以外にも、従来より周知の日光、紫外線、熱、水および/または微生物の 作用により分解され合成樹脂素材から得られるフィルムも採用される。
【0031】 以上のような生分解性プラスチックフィルム3には、図示のとおりの通気部が 設けられる。この通気部11は、空気の通過を許し、水滴の通過を阻止する多数 の微細な通気穴11Aが設けられて形成される。その設けられる範囲は、セメン ト袋1の幅方向の中央部分で、左右の80mmの幅にして、縦方向のほぼ全長に わたって設けられる。この実施の形態では、具体的には、穴径は約0.3mm、 穴と穴との間隔は、隣り合う穴の中心の間隔で3mmに設定されている。
【0032】 なお、この通気穴11Aは、図示されるとおりの構成に限定されるものではな い。その穴径、間隔、更には設けられる範囲などは、収納される対象物に応じて 適宜に選択される。一例としては、設けられる範囲は、残存する空気の抜け出し 量などを勘案して、生分解性プラスチックフィルム3の全域、あるいは表・裏い ずれかの一方だけに設けられるなどの各手法が採用される。
【0033】 生分解性プラスチックフィルム3にこの通気穴11Aを設ける手段は、従来か ら行われている各種の公知の手段が採用される。例えば、放電加工、針による物 理的な穴あけ加工、更にはこの針に超音波による振動を掛けたり、熱を与えたり して行う方法、レーザー光によるものなどである。
【0034】 また、生分解性プラスチックフィルム3にこの通気穴11Aを設けるにあたっ ては、この生分解性プラスチックフィルム3そのものに、先に列挙した各種の手 段の他にも、図4に示される以下の手段も採用できる。 すなわち、幅が80mmから100mmの帯状にした生分解性プラスチックフ ィルム31の全域に、先のとおりの仕様で通気穴11Aを設ける。一方、セメン ト袋1の胴回りのほぼ半周分よりもやや短い幅寸法を有する無穴の生分解性プラ スチックフィルム32を2枚用意する。この2枚の無穴の生分解性プラスチック フィルム32をその幅方向中間で二つ折りして、折り線側33を外側に、辺縁3 4を互いに向い合わせる。そしてこの左右に向かい合った辺縁34に前記帯状の 生分解性プラスチックフィルム31の左右両辺をそれぞれ接合するようにしたも のである。
【0035】 以上のような各種の手段を用いて得られたセメント袋1は、通気穴11Aを介 して、セメント袋1の内部、つまり内層の生分解性プラスチックフィルム3の内 側と生分解性プラスチックフィルム3とクラフト紙2との間の空隙10とが常時 連通されている。 したがって、このセメント袋1へ収容物の一例であるセメントを充填した後、 セメント袋1内に残留するセメント空送用のエアーは、図3に示されるように、 この通気穴11Aを通って空隙10内へ抜け出し、更にクラフト紙2を抜けて、 大気に放出されることになる。逆に、外部から浸入しようとする水気は、この空 気の通過を許し、水滴の通過を阻止する多数の通気穴11Aが設けられ生分解性 プラスチックフィルム3によって、うまく阻止される。
【0036】 また、この生分解性プラスチックフィルム3は、セメントと直接接触しても、 いわゆる環境に優しい素材であるから、焼却しても、ダイオキシンなどの有害ガ スが発生せず、更には、光や温度や微生物によって最終的に水と炭酸ガスに分解 される。
【0037】 このように、この第1の実施の形態に係る考案によれば、セメント袋1をいつ までも膨満状態のまま放置させることなく、可及的速やかに納まりの良い膨らみ 加減にできる。したがって、保管スペースを少なくできて保管効率が向上し、併 せて適度なクッション性も兼ね備えるので、セメントの保護機能も増し、積み重 ね時の安定性も格段に改善される。また、外層のクラフト紙2とその内側に部分 的に貼着された生分解性プラスチックフィルム3の内外二層で構成するために、 コストダウンを図ることができる。更に、セメントを水気からもうまく保護する 。併せて、セメントの品質をうまく保つことができる。更には、焼却したり、度 中への埋め戻しが簡便に行えるので、産業廃棄物化せず、大変使い勝手の良いセ メント袋を提供できる。
【0038】 (第2の実施の形態) 次に、この考案に係る多層梱包袋の第2の実施の形態を、前記第1の実施の形 態に示されるセメント袋に適用した場合について、図5〜図13の記載に基づい て説明する。 この第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態に示される内外二層のセメン ト袋1に適用された構造を更に改善しようとするもので、角底部4に弁の一例で ある特異な排気弁12を設けることで、残存空気の排出を効果的に行えるように したものである。つまり、この排気弁12によって、セメント袋1の内部を生分 解性プラスチックフィルム2とクラフト紙との間の前記空隙10に連通させた点 に特徴があり、この排気弁12に上記第1実施の形態の通気部11(通気穴11 A)と同等の機能をもたせるようした点に特徴を有する。 以下、具体的な構造を説明する。
【0039】 図6に示される構造は、排気弁12をセメント袋1の上部の角底部4に設けた 例を示している。 なお、この第2の実施の形態に採用されるセメント袋1では、生分解性プラス チックフィルム2には通気穴11Aを備えないものが採用される。 図5に示されるように、セメント袋1の前記上部の矩形状の開口6の左右の三 角形状の折り込み部7Aのうち、左側の折り込み部7Aの縁部近辺にこの排気弁 12を貼り付ける。次いで、図6に示されるように、この排気弁12の上から台 形状の部分7を第2折り線で折って閉じる。 排気弁12の長さを長くして、その両端部分を左右の折り込み部7Aに接着す る手段も採用できる。
【0040】 図11に示されるように、台形状の部分7の生分解性プラスチックフィルム3 に通気部13の一例である通気穴13A(所定の大きさの開口)が設けられてい る。この通気穴13Aを介して排気弁12の細目穴19(後述)が生分解性プラ スチックフィルム3とクラフト紙2との間の前記空隙10に連通されるように設 けられことが肝要である。 必要に応じて、角底部4上からはそのほぼ全域にわたる大きさの化粧紙4aが 貼着される(図6想像線参照)。
【0041】 この排気弁12は、図7〜9に示されるように、本体15がクラフト紙やその 他の紙あるいは合成樹脂などを素材にして得られた扁平なチューブ状に形成され る。この第2の実施の形態では、可撓性のある素材が採用された場合について説 明する。 この扁平チューブ状の本体15の一端に、セメント袋1の外部と連通する、つ まりは大気に開放された開放口16が備わり、多端側は栓部材17で密閉される 。そして、この栓部材17の手前、つまり開放口16側に、本体の壁15Aを穿 設して、セメント袋1の内部と連通する放出口18が設けられている。この放出 口18から開放口16を介してセメント袋1内部と外部とが連通される。
【0042】 そして、本体15の開放口16寄り側で、放出口18を設けた壁15Aとは反 対側の壁15Bに細目穴19が設けらる。この細目穴19は、図例では、次のよ うにして得られる。 すなわち、先ず扁平チューブ状の本体15の壁15Bに所定の大きさの開口2 0を穿設する。一方、この開口20よりもやや大きめに裁断され、かつ、多数の 通気穴11が設けらた生分解性プラスチックフィルム片3Aを作成する。この生 分解性プラスチックフィルム片3Aが、この開口20を覆うようにして開口20 の周壁部分に貼着される。 この細目穴19は、上記の構成に代えて、単に扁平チューブ状の本体15の壁 15Bに直に穿設された多数の通気穴を採用できる。
【0043】 また、この扁平チューブ状の本体15内にあって、前記細目穴19を開閉する 弁体21が設けられている。この弁体21は、開放口16側の端部が細目穴19 側の壁15Bに固定され、放出口18側が遊端となっている。そして、この細目 穴19の開放口16側からこの細目穴19を越えて、更に放出口18側に至る長 さに、また幅方向はこの扁平チューブ状の本体15の内法寸法とほぼ同等かやや 短い幅にそれぞれ寸法設定されている。
【0044】 そして、この弁体21にとって重要なことは、この細目穴19に対して固定側 、つまり本体15の壁15Bに取り付けられている側を支点にして遠近離間自在 に変位するように構成されている。この構成によって、セメントがセメント袋1 内に圧送空気によって充填される時、つまりは加圧時には、この細目穴19を閉 止し、逆に、セメントの充填が完了した後や充填前、つまり非加圧時にはこの細 目穴19を開放する。
【0045】 更に、この扁平チューブ状の本体15内にあって、細目穴19部分の対向する 壁15Aがこの細目穴19に密着するのを防止するために、必要に応じて、この 弁体21の存在位置よりも放出口18側にスペーサー22、つまりは間隔保持具 が設けられる。おおむねこの扁平チューブ状の本体15内の流路の上下高さの2 分の1〜3 分の2程度の上下高さを備えている。また、幅はほぼこの流路より短 く、少なくとも放出口18から開放口16までの本体15内の流路が確保できる 程度に形成される。設けられる位置は、本体15内の流路の幅方向の両サイドや 中央など適宜に選択される。またこの弁体21の開放口16側側の端面は、この 開放口16から放出口18側に至るほど順次放出口18側に後退する傾斜面22 Aに形成されている。
【0046】 セメント袋1内にセメントの充填が完了した当初は、セメント袋1は膨満状態 にあり、セメント袋1の内圧が大変高くなっている。その結果、図13に示され るように、この扁平チューブ状の本体15が圧迫されて、挫屈して対向する壁1 5A,15B同士が接当し、この扁平チューブ状の本体15の前記開放口16か ら放出口18に至る流路が閉鎖されてしまう。しかし、このスペーサー22の存 在によって、対向する壁15A,15B同士は常時一定の間隔が保たれて対向し 、流路が確保され、放出口18と細目穴19との連通は確保される。
【0047】 図11に示されるように、排気弁12は、放出口18がセメント袋1の内方に 臨み、細目穴19が、台形状の部分7に形成された前記通気穴13Aに臨むよう にして、取り付けられる。
【0048】 更に、排気弁12のこの細目穴19が設けられている側とは反対側の壁15A には、必要に応じて、セメント袋1内の残留空気を排気弁12内に取り入れるた めの排気口23が穿設される。
【0049】 以上のように構成された第2の実施の形態に示されるセメント袋の作用を図1 2の記載に基づいて説明する。 図示されるように、排気弁12の開放口16にセメント充填用のノズルNの先 端を突っ込み、セメント袋1内にセメントを圧送して、セメントを充填する。こ の時、圧送空気の圧力により、弁体21は上方に変位して細目穴19が閉止され る。したがって、圧送されるセメントが空隙10内に不用意に流れ込んだり、目 詰まりを起こすことはない。開放口16から圧送されるセメントは、この排気弁 12内の流路を流下し、スペーサー22の傾斜面22Aによりスムースに案内さ れながら放出口18に至り、この放出口18からセメント袋1内に充填されてゆ く。更に、前記排気口23を設ける場合には、この排気口23からもセメント袋 1内に充填されてゆく。
【0050】 図13に示されるように、セメントの充填が完了するとセメント袋1内の圧力 は大気圧よりも高圧になるが、排気弁12の前記排気通路を含めて開放口16か ら放出口18に至る流路がスペーサー22によって常時確保され、少なくとも細 目穴19と放出口18との連通が確保される。その結果、図11に示されるよう に、セメント袋1内の残留空気は、放出口18から排気弁12内に流入し、更に 細目穴19から生分解プラスチックフィルム3に設けられた通気穴13Aを通っ て空隙10内に抜け出す。また、一部は排気弁12の流路を介して徐々に開放口 16からも外部へ排出されてゆく。空隙10内に至った残存空気はクラフト紙2 から抜け出し大気に放出されていく。 更に、排気口23を設けた場合には、この排気口23から排気弁12内に流入 し、更に細目穴19から生分解プラスチックフィルム3に設けられた通気穴13 Aを通って空隙10内に抜け出す。また、一部は徐々に開放口16からも外部へ 排出されてゆく。
【0051】 このように、第2の実施の形態に係るセメント袋は、セメントを充填する時に は弁体21によって細目穴19が閉止されるので、空送空気とともに送られるセ メントが空隙10内に抜け出したり、細目穴19を詰まらせたりするおそれがな くなる。併せて、細目穴19と放出口16に連なる排気路がスペーサー22によ って確保されるために、セメント袋1内に残存する空気は、この細目穴19から 生分解性プラスチックフィルム3に設けられた通気部13を通って、生分解性プ ラスチックフィルム3とクラフト紙2との間の空隙10に流れ込んでいく。そし て、最終的には、外層のクラフト紙2を抜けて大気に放出される。また、一部は 開放口16から外部へ徐々に排出される。その結果、残存空気の排出もうまく行 えるので、保管スペースを少なくできて保管効率が向上し、しかも適度なクッシ ョン性も兼ね備えることとなり、収容物の保護機能も増し、また、積み重ね時の 安定生も格段に改善される。更に、生分解性プラスチックフィルムは、いわゆる 環境に優しい素材であるから、焼却したり、度中への埋め戻しが簡便に行えるの で、産業廃棄物化せず、大変使い勝手の良いセメント袋を提供できる。
【0052】 (第3の実施の形態) 次に、この考案に係る多層梱包袋の第3の実施の形態を、セメント袋に適用し た場合について図14、図15の記載に基づいて説明する。 この第3の実施の形態では、残留空気の更に効率の良い排気手段を提案するこ とにある。したがって、セメント袋1の構成は前記第1実施の形態と、また、排 気弁12は前記第2の実施の形態とそれぞれ同様であるので、同じ構成に付いて は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】 そこで、考えられた構造は、細目穴19を拡張することであった。 具体的には、図1〜4に示されるように、通気穴11Aは所定の幅で帯状に設 けられたセメント袋1が用いられる。 このセメント袋1に前記排気弁12が、前記第2の実施の形態に示される手順 どおりに取り付けられる。この場合、この生分解性プラスチックフィル3に設け られている通気穴11Aと排気弁12の細目穴19が互いに連通される状態にし て排気弁12が取り付けられる。
【0054】 この構成によれば、残留空気はこの生分解性プラスチックフィル3に設けられ ている通気穴11Aを直に通るルートと、この排気弁12の細目穴19から生分 解性プラスチックフィル3に設けられている通気穴11Aを通るルート(図15 参照)の両方のルートから空隙10内へ抜け出すことができる。したがって、残 留空気の排気を一層効率良く行える。
【0055】 なお、図例では通気穴11Aと細目穴19とが互いに連通される状態の構成を 示しているが、通気穴11Aと細目穴19とで別々に排気を行う構成も採用でき る。つまり、図14や図15に示される構成とは違って、通気穴11Aと排気弁 12の細目穴19とが別の位置に存在するように設け、第1の実施の形態による 通気穴11Aからの排気の方法と、第2の実施の形態による排気弁12からの排 気の方法とを単純に併設した手段である。 この手段によると、セメント袋の製造、特に排気弁12の角底部4への取付け が大変容易になる。
【0056】 (第4の実施の形態) 次に、この考案に係る多層梱包袋の第5の実施の形態を、セメント袋に適用し た場合について図16の記載に基づいて説明する。 この第4の実施の形態も、残留空気の更に効率の良い排気の手法をより簡便に 得るようにしたところにある。したがって、セメント袋1や排気弁12などの基 本的な構成は、前記第1並びに第2の実施の形態と同様であるので、同じ構成に ついては同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0057】 そこで、考えられた構造は、この細目穴を拡張することであった。 具体的には、図16に示されるように、通気部11となる多数の通気穴11A が全域にわって設けられた生分解性プラスチックフィル3を素材にして筒状に形 成された集気体24を得る。したがって、通気穴11Aはこの集気体24の全周 に存在することになる。このように構成された集気体24の長さ方向の中間部分 を排気弁12の開口20に貼着する。
【0058】 このようにして構成された排気弁12は、図中想像線で示されるよう、集気体 24をセメント袋1内に納めておけば、残留空気はこの集気体24内に流入し、 これを通って開口20から排気弁12内に流入する。したがって、残留空気を広 い範囲から捕集できるようになる。その結果、残留空気の排気を一層効率良く行 える。つまり図10に示される生分解性プラスチックフィル片3Aに代えてこの 集気体24が採用された点に特徴がある。
【0059】 言うまでもなく、図11に示されるのと同様に、生分解性プラスチックフィル ム3に設けられた通気穴13Aを介して排気弁12の細目穴19が生分解性プラ スチックフィルム3とクラフト紙2との間の前記空隙10に連通されるように設 けられことが肝要である。
【0060】 なお、この第4の実施の形態に採用されるセメント袋1は、生分解性プラスチ ックフィルム2には、第1の実施の形態に採用される通気穴11Aを備えたもの 、或いは第2の実施の形態に採用される通気穴11Aを備えないもの、どちらに でも対応できる。
【0061】 (第5の実施の形態) 次に、この考案に係る多層梱包袋の第5の実施の形態を、セメント袋に適用し た場合について図18〜20の記載に基づいて説明する。 この第5の実施の形態も、残留空気の更に効率の良い排気手段を提案すること にあり、特に簡易な構造で行えるようにする点にある。したがって、セメント袋 1や排気弁12などの基本的な構成は、前記第2の実施の形態と同様であるので 、同じ構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0062】 そこで、考えられた構造は、排気弁12とセメント袋1に設けられる通気部を 一つの穴で構成することである。以下、具体的な構造を説明する。 図示される構造は、排気弁12をセメント袋1の上部の角底部4に設けた例を 示している。 なお、この第5の実施の形態に採用されるセメント袋1では、生分解性プラス チックフィルム2には通気穴11Aを備えないものが採用される。 また、排気弁12も、最低限、開放口15,放出口16,弁体21を備えてい るが、スペーサー22並びに排気口23は必要に応じて採用されれば良い。
【0063】 図5に示されるのと同様、図18に示されるように、セメント袋1の前記上部 の矩形状の開口6の左右の三角形状の折り込み部7Aのうち左側の折り込み部7 Aの縁部近辺にこの排気弁12を貼り付ける。次いで、図6に示されるのと同様 に、この排気弁12の上から台形状の部分7を第2折り線で折って閉じる。 なお、排気弁12の長さを長くして、その両端部分を左右の折り込み部7Aに 接着する手段も採用できる。
【0064】 この時、図18に示されるように、台形状の部分7の生分解性プラスチックフ ィルム3には通気部13の一例である、丸穴状に穿設された一つの通気穴13A が設けられている。また、第2の実施の形態に示された細目穴19の設けられて いる部位に、この細目穴19に代えて、図19に示されるように、前記通気穴1 3Aと同様の、丸穴状に穿設された、通気部の一例である通気穴19Aが穿設さ れている。
【0065】 図18に示されるように、排気弁12は、放出口18がセメント袋1の内方に 臨み、通気穴19Aは、台形状の部分7の前記通気穴13Aに正しく対向するよ うにして取り付けられる。 したがって、この生分解性プラスチックフィルム3の通気穴13Aを介して排 気弁12の通気穴19Aが生分解性プラスチックフィルム3とクラフト紙2との 間の前記空隙10に連通される(図20参照)。
【0066】 必要に応じて、角底部4上からはそのほぼ全域にわたる大きさの化粧紙4aが 貼着される(図6想像線参照)。この化粧紙4aは、生分解性プラスチックフィ ルム3に設けられる通気穴13Aが、台形状の部分7のクラフト紙も貫通してい る場合、その外部からの閉塞具として有効に機能する。
【0067】 このように構成された第5の実施の形態に示されるセメント袋は、セメントを 圧送して、充填する。この時、圧送空気の圧力により、弁体21は上方に変位し て通気穴19Aが閉止される。したがって、圧送されるセメントが空隙10内に 不用意に流れ込むことはない。開放口16から圧送されるセメントは、この排気 弁12内の流路を流下し、前記放出口18に至り、この放出口18からセメント 袋1内に充填されてゆく。
【0068】 セメントの充填が完了するとセメント袋1内の圧力は大気圧よりも高圧になり 、弁体21が放出口18側の遊端が下方に変位し、排気弁12の放出口18から 開放口16に至る前記排気通路を閉止する。これによって、放出口18から通気 穴19Aに至る流路が連通される。その結果、セメント袋1内の残留空気は、放 出口18から排気弁12内に流入し、更に図20に示されるように、通気穴19 Aから生分解プラスチックフィルム3に設けられた通気穴13Aを通って空隙1 0内へ抜け出す。また、一部は排気弁12の流路を介して徐々に開放口16から も外部へ排出されてゆく。空隙10内に至った残存空気はクラフト紙2から抜け 出し大気に放出されていく。
【0069】 この第5の実施の形態においても、前記第2の実施の形態と同様に、セメント 袋1内の残存空気の排出をより的確に行うことができる。したがってまた、保管 スペースを少なくできて保管効率が向上し、しかも適度なクッション性も兼ね備 えることとなり、収容物の保護機能も増し、また、積み重ね時の安定生も格段に 改善される。また、生分解性プラスチックフィルムは、所謂環境に優しい素材で 、焼却したり、度中への埋め戻しが簡便に行なえるので、産業廃棄物化せず、大 変使い勝手の良いセメント袋を提供できる。
【0070】 そして、殊にこの第5の実施の形態においては、排気弁12の通気穴19Aと 空隙10へ残留気体を導く生分解プラスチックフィルム3に設けられた通気穴1 3Aが共に単なる穴で構成されるから、細目穴に比べては構造が簡素であり、製 造も簡便で、一層廉価に提供できる利点がある。
【0071】 なお、第2〜第5の各実施の形態において、排気弁12は、上部の角底部4に 設けられた例を示したが、下部の角底部4に適用しても同様の効果を得ることが できる。
【0072】 更に、以上の各実施の形態において、この考案が適用される対象物としてセメ ント袋が採用されたが、セメント袋の他にも化学薬品などの粉末状粒子、米や麦 などの穀類、肥料や飼料などの粒状物などの重量物を収納するための重量物用の 多層梱包袋に適用されることは言うまでもない。
【0073】 また、排気弁12に用いられる弁体21は、充填物が米や麦などの穀類、肥料 や飼料などの粒状物などの場合には、細目穴19が目詰まりを生じるおそれも少 ないことから、必ずしも必要とされるものではない。微細な粉末が充填される場 合には、この弁体21は極めて有効である。
【0074】 また、排気弁12は、クラフト紙や樹脂フィルムなどの可撓性のある素材を用 いて構成される場合には、先に示したスペーサー22は有効である。逆に、可撓 性の少ない厚手のボール紙やプラスチックを素材を用いて構成される場合には、 排気弁12そのものが挫屈しないので、必ずしもスペーサー22を設ける必要は ない。採用される素材によって、適宜に選択されれば良い。
【0075】 また、排気弁12の放出口18は、壁15Aに設けられた開口で形成されてい るが、この構成に代えて、図17に示されるように、壁15Aに開口を設けるこ となく、また、栓部材17を設けずに、この扁平チューブ状の本体15の他端を 開放して、ここを放出口18とする手段も採用できる。 排気弁12をコンパクトに構成できる上に、放出口を本体15の壁に設ける場 合に比べて、製作が容易になり廉価に提供できるからである。
【0076】 更に、各実施の形態では内層の素材は、生分解性プラスチックフィルムを採用 したが、必要に応じて他の合成樹脂素材、例えばポリエチレンフィルムなどが採 用される。
【図1】この考案に係る多層梱包袋の第1の実施の形態
を示し、セメント袋の一部切欠き正面図である。
を示し、セメント袋の一部切欠き正面図である。
【図2】図1に示されるセメント袋を製造する最初の部
分を示す部分工程図である。
分を示す部分工程図である。
【図3】図1に示されるセメント袋の作用を説明する要
部の拡大断面図である。
部の拡大断面図である。
【図4】通気穴を備えた生分解性プラスチックフィルム
の別の作成手段を示す斜視図である。
の別の作成手段を示す斜視図である。
【図5】この考案に係る多層梱包袋の第2の実施の形態
を示し、上部の角底部に排気弁を取り付ける製造工程の
最初の部分を示す一部切欠き部分工程図である。
を示し、上部の角底部に排気弁を取り付ける製造工程の
最初の部分を示す一部切欠き部分工程図である。
【図6】図5に示されるセメント袋の完成された正面図
である。
である。
【図7】排気弁の正面図である。
【図8】図7中A−A線に沿って切断した排気弁の断面
図である。
図である。
【図9】図8中のA−A線に沿って切断した排気弁の断
面図である。
面図である。
【図10】排気弁の細目穴の別の作成例を示す要部の部
分拡大斜視図である。
分拡大斜視図である。
【図11】図5に示されるセメント袋の作用を説明する
要部の拡大断面図である。
要部の拡大断面図である。
【図12】排気弁の、セメント圧送時の作用の説明図で
ある。
ある。
【図13】排気弁の、セメント圧送後の作用の説明図で
ある。
ある。
【図14】この考案に係る多層梱包袋の第3の実施の形
態を示し、上部の角底部に排気弁を取り付ける製造工程
の最初の部分を示す一部切欠き部分工程図である。
態を示し、上部の角底部に排気弁を取り付ける製造工程
の最初の部分を示す一部切欠き部分工程図である。
【図15】図14に示されるセメント袋の作用を説明す
る要部の拡大断面図である。
る要部の拡大断面図である。
【図16】この考案に係る多層梱包袋の第4の実施の形
態を示し、排気弁の変形例を示す拡大斜視図である。
態を示し、排気弁の変形例を示す拡大斜視図である。
【図17】この考案に係る多層梱包袋に採用される排気
弁の更に変形例を示す断面図である。
弁の更に変形例を示す断面図である。
【図18】この考案に係る多層梱包袋の第5の実施の形
態を示し、排気弁の変形例を示す拡大斜視図である。
態を示し、排気弁の変形例を示す拡大斜視図である。
【図19】第5の実施の形態に採用される排気弁の断面
図である。
図である。
【図20】第5の実施の形態に係る多層梱包袋の要部の
拡大断面図である。
拡大断面図である。
1…セメント袋,2…クラフト紙,3…生分解性プラス
チックフィルム,4…角底部,9…貼着,10…空隙,
11…通気部,11A…通気穴,12…排気弁,13…
通気部,13A…通気穴,15…本体,16…開放口,
18…放出口,19…細目穴,19A…通気穴,21…
弁体,22…スペーサー。
チックフィルム,4…角底部,9…貼着,10…空隙,
11…通気部,11A…通気穴,12…排気弁,13…
通気部,13A…通気穴,15…本体,16…開放口,
18…放出口,19…細目穴,19A…通気穴,21…
弁体,22…スペーサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 宮田 彰典 大阪府大阪市西区新町1丁目12番14‐503 号
Claims (12)
- 【請求項1】 外層となる未晒包装紙と、内層となる樹
脂素材のフィルムとからなり、この樹脂素材のフィルム
は、その周縁は全域にわたり、また、残余の部分は部分
的にこの未晒包装紙の内面に貼着されてこの未晒包装紙
との間に密封された空隙が形成され、袋の内部が通気手
段を介してこの空隙に連通連結されていることを特徴と
する多層梱包袋。 - 【請求項2】 通気手段は、樹脂素材のフィルムに設け
られた気体の通過を許し、水滴の通過を阻止する多数の
微細な通気穴である請求項1記載の多層梱包袋。 - 【請求項3】 通気手段は、一端に開放口が、多端側に
放出口が備わり、前記開放口寄り側の壁面に設けられた
通気部を備え、開放口は大気と連通する状態で扁平チュ
ーブ状に構成されて多層梱包袋に設けられる排気弁と、
この排気弁の前記通気部に対向して樹脂素材のフィルム
に設けられた通気部とで構成される請求項1記載の多層
梱包袋。 - 【請求項4】 排気弁の本体内にあって、開放口側が通
気部側の壁に固定され、放出口側が遊端となって、この
通気部の開放口側からこの通気部を越えて放出口側に至
り、加圧時にはこの通気部を閉止するが、非加圧時には
この通気部を開放し、且つ、通気部から開放口の排気流
路を確保する位置にまで復帰するようにこの通気部に対
して固定側を支点にして遠近離間自在に変位する弁体が
設けられている請求項3記載の多層梱包袋。 - 【請求項5】 排気弁の本体内にあって、通気部の対向
する壁面が互いに密着するのを防止するために弁体存在
位置よりも放出口側にスペーサーが設けられている請求
項3〜4のいずれかに記載の多層梱包袋。 - 【請求項6】 スペーサーは、弁体が設けられた側の壁
に設けられている請求項5記載の多層梱包袋。 - 【請求項7】 スペーサーの弁体側に面する端面は、開
放口から放出口側に至るほど順次放出口側に後退する傾
斜面に形成されている請求項5〜6のいずれかに記載の
多層梱包袋。 - 【請求項8】 放出口は、扁平チューブ状の本体壁に設
けられた開口である請求項3〜5又は請求項7のいずれ
かに記載の多層梱包袋。 - 【請求項9】 排気弁の通気部は、壁面に穿設された穴
若しくは細目穴のいずれかである請求項3〜5のいずれ
かに記載の多層梱包袋。 - 【請求項10】 細目穴は、本体の壁に設けられた開口
とこの開口を閉止するようにして貼着された樹脂素材の
フィルムに穿設された通気穴であるか、本体の壁に直に
設けられた微細な多数の通気穴である請求項9記載の多
層梱包袋。 - 【請求項11】 細目穴は、通気穴を全域にわって備え
た樹脂素材のフィルム製の筒状集気体がその長さ方向の
中間部分を本体の開口に貼着されて構成されている請求
項10記載の多層梱包袋。 - 【請求項12】 樹脂素材のフィルムは生分解性のプラ
スチックフィルムである請求項1〜3又は請求項9〜1
1のいずれかに記載の多層梱包袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002000066U JP3087194U (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 多層梱包袋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002000066U JP3087194U (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 多層梱包袋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3087194U true JP3087194U (ja) | 2002-07-19 |
Family
ID=43238560
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3087194U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102689739A (zh) * | 2012-06-11 | 2012-09-26 | 广西壮族自治区林业科学研究院 | 一种林木肥料的包装材料及其包装方法 |
JP6239170B1 (ja) * | 2017-03-16 | 2017-11-29 | 丸天産業株式会社 | ガス抜き弁 |
-
2002
- 2002-01-09 JP JP2002000066U patent/JP3087194U/ja not_active Expired - Fee Related
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CN102689739A (zh) * | 2012-06-11 | 2012-09-26 | 广西壮族自治区林业科学研究院 | 一种林木肥料的包装材料及其包装方法 |
JP6239170B1 (ja) * | 2017-03-16 | 2017-11-29 | 丸天産業株式会社 | ガス抜き弁 |
JP2018155287A (ja) * | 2017-03-16 | 2018-10-04 | 丸天産業株式会社 | ガス抜き弁 |
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