JP3086699U - 車載用テレビ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 増設ソケットを用いることなく、車載用テレ
ビ装置と他の車載用直流電源機器を同時に使用すること
ができるようにする。また、車載用テレビ装置から家庭
用交流電源機器へ交流電源を供給することができるよう
にする。 【解決手段】 直流電源に接続して使用する車載用テレ
ビ装置に、車載用テレビ装置に供給された直流電力を外
部に供給する１つ又は複数のＤＣソケットを備える。ま
た、車載用テレビ装置に、車載用テレビ装置に供給され
た直流電力を交流電力に変換するインバータと、インバ
ータによって変換された交流電力を外部に供給する１つ
又は複数のＡＣコンセントとを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】本考案は、車載用テレビ装置に係り、特に直流電力と 交流電力とを外部に供給可能な車載用テレビ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、車載用テレビ装置等の車載用直流電源機器は、自 動車の車内に設けられたＤＣソケットにＤＣプラグを差し込んで使用するように なっている。しかし、一般に、自動車の車内にはＤＣソケットが１つしか設けら れていないため、複数の車載用直流電源機器を同時に使用するためには、車内に 設けられたＤＣソケットから電源を分岐する増設ソケットを差し込んで、その増 設ソケットに設けられた複数のＤＣソケットに車載用直流電源機器をそれぞれ差 し込んで使用しなければならなかった。そのため、複数の車載用直流電源機器を 接続するための電源コードが狭い自動車内に引き回され、搭乗者がそれらの電源 コードを足で引っ掛けてしまうということがしばしばあった。

【０００３】従来の技術は、例えば、特開平５−７６１３７号公報に記載されて いるように、本体機器及び周辺機器に、外部電源接続端子と直流安定化電源回路 との間に接続した第１のダイオードと、この第１のダイオードと外部電源接続端 子との間に配線によって接続した出力端子と、その配線の途中に接続した第２の ダイオードと、直流安定化電源回路と第１のダイオードとの間に配線した入力端 子とを設け、２つの機器を接続した状態で、本体機器若しくは周辺機器のいずれ か一方に、外部電源を接続することによって、その２つの機器の負荷に、各々の 直流電力を供給するようにしたものがあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来の技術では、２つの 機器を接続した状態で、本体機器若しくは周辺機器のいずれか一方に、外部電源 を接続することによって、その２つの機器の負荷に、各々の直流電力を供給する ことができたが、周辺機器にも本体機器と同様に、外部電源接続端子と直流安定 化電源回路との間に接続した第１のダイオードと、第１のダイオードと外部電源 接続端子との間に配線によって接続した出力端子と、その配線の途中に接続した 第２のダイオードと、直流安定化電源回路と第１のダイオードとの間に配線した 入力端子とを設けなければならないという問題点があった。また、周辺機器が交 流電源機器の場合、本体機器から周辺機器へ電力を供給することができないとい う問題点があった。

【０００５】本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされた ものであり、その目的とするところは、増設ソケットを用いることなく、他の車 載用直流電源機器を同時に使用することができる車載用テレビ装置を提供しよう とするものである。また、家庭用交流電源機器へ交流電源を供給することができ る車載用テレビ装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本考案における車載 用テレビ装置は、直流電源に接続して使用する車載用テレビ装置であって、車載 用テレビ装置に供給された直流電力を外部に供給する１つ又は複数のＤＣソケッ トを備える。また、本考案における車載用テレビ装置は、車載用テレビ装置に供 給された直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータによって 変換された交流電力を外部に供給する１つ又は複数のＡＣコンセントとを備える 。

【０００７】そして、前記インバータは、互いに位相がπ／３異なる矩形波電圧 を発生する２つのインバータで構成し、該２つのインバータによって発生した矩 形波電圧を合成して出力するようにする。

【０００８】また、前記ＡＣコンセントに交流電力を供給しないとき、前記イン バータの動作を停止するスイッチを備えるとよい。

【０００９】また、前記ＤＣソケットと前記ＡＣコンセントとは、前記車載用テ レビ装置の前面下部に設けるとよい。

【００１０】上記のように構成することにより、自動車の車内に設けられたＤＣ ソケットに車載用テレビ装置のＤＣプラグを接続し、車載用テレビ装置の前面下 部に設けられたＤＣソケットに他の車載用直流電源機器のＤＣプラグを接続する ことによって、増設ソケットを用いることなく、車載用テレビ装置と他の車載用 直流電源機器とを同時に使用することができる。また、車載用テレビ装置の前面 下部に設けられたＡＣコンセントに家庭用交流電源機器のＡＣプラグを接続して 、家庭用交流電源機器を使用することができる。

【００１１】

【考案の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本考案の実施の形態を詳述 する。図１は本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置の構成を示すブロック 図であり、図２は本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置を示す説明図であ り、図３は本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置のインバータの構成を示 す概略回路図であり、図４は本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置のイン バータの出力電圧を示す説明図である。

【００１２】まず、図１の本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置の構成を 示すブロック図を基に説明する。

【００１３】車載用テレビ装置１は、自動車の車内に設けられたＤＣソケット（ 図示せず）に接続して該車載用テレビ装置に直流電力を供給するＤＣプラグ２と 、ＤＣプラグ２から入力された直流電力を外部に供給するＤＣソケット７と、Ｄ Ｃプラグ２からの直流電力の電圧を安定化する直流安定化電源回路３と、直流安 定化電源回路３によって電圧が安定化された直流電力が供給され、テレビ放送を 受信する受信回路４と、ＤＣプラグ２から入力された直流電力をスイッチングし て昇圧し、周波数６０Ｈｚ電圧１００Ｖの交流電力に変換するインバータ５と、 インバータ５の動作をＯＮ／ＯＦＦするスイッチ６と、インバータ５によって交 流電力に変換された交流電力を外部に供給するＡＣコンセント８とで構成されて いる。

【００１４】そして、他の車載用直流電源機器１０は、ＤＣプラグ１１を車載用 テレビ装置１のＤＣソケット７に差し込んで使用することができるようになって いて、自動車の車内のＤＣソケットにＤＣソケットからの電源を分岐する増設ソ ケットを使用することなく、車載用テレビ装置１と他の車載用直流電気機器１０ とを同時に使用することができる。

【００１５】また、交流電源機器２０は、ＡＣプラグ２１を車載用テレビ装置１ のＡＣコンセント８に差し込んで使用することができるようになっていて、現有 の家庭用交流電源機器を自動車の車内に持ち込んで使用することができる。

【００１６】また、図２に示すように、車載用テレビ装置１のＤＣプラグ２は、 車載用テレビ装置１の背面或いは側面から引き出され、ＤＣソケット７とＡＣコ ンセント８とは、使い勝手がよいように、車載用テレビ装置１の前面下部にそれ ぞれ設けられている。

【００１７】次に、図３の本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置のインバ ータの構成を示す概略回路図を基に、図４の本考案の実施の形態に係る車載用テ レビ装置のインバータの出力電圧を示す説明図を参照しながら説明する。

【００１８】車載用テレビ装置１のインバータ５は、２つのインバータ５ａ、５ ｂとで構成されていて、インバータ５ａは、４個のスイッチング素子Ｑ１、Ｑ２ 、Ｑ３、Ｑ４とトランスＴ１とで構成され、インバータ５ｂは、４個のスイッチ ング素子Ｑ５、Ｑ６、Ｑ７、Ｑ８とトランスＴ２とで構成されていて、トランス Ｔ１とトランスＴ２とは、２次側コイルが直列に接続されている。

【００１９】インバータ５ａのスイッチング素子Ｑ１、Ｑ４は、図４（ａ）に示 すように、同時にＯＮ、ＯＦＦし、インバータ５ａのスイッチング素子Ｑ２、Ｑ ３は、図４（ｂ）に示すように、同時にＯＮ、ＯＦＦして、トランスＴ１の１次 側コイルを駆動し、図４（ｃ）に示すように、トランスＴ１の２次側コイルに昇 圧された周期２πが１／６０秒の矩形波電圧を発生する。

【００２０】また、インバータ５ｂのスイッチング素子Ｑ５、Ｑ８は、図４（ｄ ）に示すように、同時にＯＮ、ＯＦＦし、インバータ５ａのスイッチング素子Ｑ ６、Ｑ７は、図４（ｅ）に示すように、同時にＯＮ、ＯＦＦして、トランスＴ２ の１次側コイルを駆動し、図４（ｆ）に示すように、トランスＴ２の２次側コイ ルに昇圧され、トランスＴ１の２次側コイルに発生する矩形波電圧の位相より位 相がπ／３遅れた周期２πが１／６０秒の矩形波電圧を発生する。

【００２１】そして、インバータ５ａによって出力された矩形波電圧とインバー タ５ｂによって出力された矩形波電圧とが合成され、直列に接続されたトランス Ｔ１の２次側コイルとトランスＴ２の２次側コイルとの両端に、図４（ｇ）に示 すように、昇圧された周期２πが１／６０秒の階段波電圧が発生し、この階段波 電圧はインバータ５から出力される。

【００２２】このように、互いに位相がπ／３異なる矩形波電圧を合成すること によって、インバータ５から出力される階段波電圧には、１２０Ｈｚの第２調波 、２４０Ｈｚの第４調波等が含まれず、１８０Ｈｚの第３調波が除去され、６０ Ｈｚの基本波が主となるので、高調波を除去するためのフィルタ等を用いなくて も交流電源機器に交流電力を供給することができる。

【００２３】以上、本考案の実施の形態について詳述したが、本考案はこれに限 らず、当業者の通常の知識の範囲内でその変形や改良が可能である。例えば、複 数のＤＣソケットを車載用テレビ装置に設けるようにしてもよい。また、複数の ＡＣコンセントを車載用テレビ装置に設けるようにしてもよい。

【００２４】また、上述においては、車載用テレビ装置に供給された直流電力を 交流電力に変換するインバータを、２つのインバータを直列に接続した２段多重 インバータについて説明したが、３つのインバータを直列に接続した３段多重イ ンバータであってもよい。位相がπ／４異なる３つの矩形波電圧を合成する３段 多重インバータは、２段多重インバータより更に商用交流電源波形に近い階段波 電圧を発生することができる。

【００２５】

【考案の効果】以上説明してきたように、本考案による車載用テレビ装置によれ ば、車載用テレビ装置に供給された直流電力を外部に供給することができる。ま た、車載用テレビ装置に供給された直流電力をインバータによって交流電力に変 換して外部に交流電力を供給することができる。このことにより、自動車の車内 に設けられたＤＣソケットに車載用テレビ装置のＤＣプラグを接続して、車載用 テレビ装置に設けられた１つ又は複数のＤＣソケットに他の車載用直流電源機器 のＤＣプラグを接続することによって、増設ソケットを用いることなく、車載用 テレビ装置と他の車載用直流電源機器とを同時に使用することができる。また、 車載用テレビ装置に設けられた１つ又は複数のＡＣコンセントに家庭用交流電源 機器のＡＣプラグを接続して、家庭用交流電源機器を使用することができる。

【００２６】請求項１記載の考案に係る車載用テレビ装置は、車載用テレビ装置 に供給された直流電力を前面下部に設けられた１つ又は複数のＤＣソケットから 外部に供給することができるようにし、２つのインバータによって互いに位相が π／３異なる矩形波電圧を発生して合成して、車載用テレビ装置に供給された直 流電力を交流電力に変換し、車載用テレビ装置の前面下部に設けられた１つ又は 複数のＡＣコンセントから外部に供給することができるようにしている。また、 ＡＣコンセントに交流電力を供給しないとき、インバータの動作を停止すること ができるようにしている。

【００２７】請求項２記載の考案に係る車載用テレビ装置は、使い勝手がよいよ うに、車載用テレビ装置の前面下部に１つ又は複数のＤＣソケットを設け、車載 用テレビ装置に供給された直流電力を外部に供給することができるようにしてい る。

【００２８】請求項３記載の考案に係る車載用テレビ装置は、車載用テレビ装置 に供給された直流電力を１つ又は複数のＤＣソケットから外部に供給するととも に、インバータによって車載用テレビ装置に供給された直流電力を交流電力に変 換し、変換された交流電力を１つ又は複数のＡＣコンセントから外部に供給する ことができるようにしている。

【００２９】請求項４記載の考案に係る車載用テレビ装置は、２つのインバータ によって互いに位相がπ／３異なる矩形波電圧を発生し、発生した矩形波電圧を 合成して、直流電力を交流電力に変換するようにしている。

【００３０】請求項５記載の考案に係る車載用テレビ装置は、使い勝手がよいよ うに、外部に交流電力を供給するＡＣコンセントを車載用テレビ装置の前面下部 に設けるようにしている。

【００３１】請求項６記載の考案に係る車載用テレビ装置は、交流電力を外部に 供給しないとき、直流電力を交流電力に変換するインバータの動作を停止するこ とができるようにしている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置
の構成を示すブロック図である。

【図２】 本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置
を示す説明図である。

【図３】 本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置
のインバータの構成を示す概略回路図である。

【図４】 本考案の実施の形態に係る車載用テレビ装置
のインバータの出力電圧を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 車載用テレビ装置 ２、１１ ＤＣプラグ ３ 直流安定化電源回路 ４ 受信回路 ５、５ａ、５ｂ インバータ ６ スイッチ ７ ＤＣソケット ８ ＡＣコンセント １０ 直流電源機器 ２０ 交流電源機器 ２１ ＡＣプラグ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直流電源に接続して使用する車載用テレ
   ビ装置であって、車載用テレビ装置の前面下部に設けら
   れ、該車載用テレビ装置に供給された直流電力を外部に
   供給する１つ又は複数のＤＣソケットと、互いに位相が
   π／３異なる矩形波電圧を発生する２つのインバータで
   構成され、該２つのインバータが発生した矩形波電圧を
   合成して、前記車載用テレビ装置に供給された直流電力
   を交流電力に変換するインバータと、前記車載用テレビ
   装置の前面下部に設けられ、前記インバータによって変
   換された交流電力を外部に供給する１つ又は複数のＡＣ
   コンセントと、前記ＡＣコンセントに交流電力を供給し
   ないとき、前記インバータの動作を停止するスイッチと
   を備えたことを特徴とする車載用テレビ装置。
2. 【請求項２】 直流電源に接続して使用する車載用テレ
   ビ装置であって、車載用テレビ装置の前面下部に設けら
   れ、前記車載用テレビ装置に供給された直流電力を外部
   に供給する１つ又は複数のＤＣソケットを備えたことを
   特徴とする車載用テレビ装置。
3. 【請求項３】 前記車載用テレビ装置に供給された直流
   電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバー
   タによって変換された交流電力を外部に供給する１つ又
   は複数のＡＣコンセントとを備えたことを特徴とする請
   求項２記載の車載用テレビ装置。
4. 【請求項４】 前記インバータは、互いに位相がπ／３
   異なる矩形波電圧を発生する２つのインバータで構成さ
   れ、該２つのインバータが発生した矩形波電圧を合成し
   て出力するインバータであることを特徴とする請求項３
   記載の車載用テレビ装置。
5. 【請求項５】 前記ＡＣコンセントは、前記車載用テレ
   ビ装置の前面下部に設けられたことを特徴とする請求項
   ３記載の車載用テレビ装置。
6. 【請求項６】 前記ＡＣコンセントに交流電力を供給し
   ないとき、前記インバータの動作を停止するスイッチを
   備えたことを特徴とする請求項３又は請求項４のいずれ
   かに記載の車載用テレビ装置。