JP3086255B2 - 核酸含有溶液の電気化学的処理による変性方法、および、かかる変性方法を利用する増幅方法、複製方法、検出方法およびキット - Google Patents

核酸含有溶液の電気化学的処理による変性方法、および、かかる変性方法を利用する増幅方法、複製方法、検出方法およびキット

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    • Y10T436/143333Saccharide [e.g., DNA, etc.]

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、核酸物質を処理して二本鎖形から一本鎖形
への完全なまたは部分的な変換を遂行するための方法に
関するものであり、こうした変性方法を含む、核酸の増
幅または検出方法に関するものである。
よく知られた二重らせん配置中の二本鎖DNA(デオキ
シリボ核酸)及びDNA/RNA(リボ核酸)及びRNA/RNA複合
体は、安定な分子であり、インビトロで、核酸の相捕鎖
を分離させるためには、激しい条件を必要とする。鎖を
分離するのに通常採用されている既知の方法において
は、少なくとも摂氏60゜及びしばしば摂氏100゜もの高
温を10分間以上の長時間適用することが必要であり、ま
たは、pH11以上のアルカリ性を適用することが必要であ
る。他の方法としては、未知の方法によってDNAの巻き
戻しを触媒しうる、E.ColiのRepタンパク質のようなヘ
リカーゼ酵素を使用したり、DNAの一本鎖形を安定化す
るように働く、E.ColiファージT4の32=タンパク質のよ
うな結合タンパク質を使用することが、挙げられる。こ
うした熱やアルカリの既知の方法によって製造した変性
一本鎖DNAは、ハイブリッド形成の研究のために通常使
用されたり、増幅サイクルに使用されたりしている。
米国特許第4683202号〔ケアリー ビー マリス(Kar
y B Mullis)等、セタス(Cetus)コーポレーションに
譲渡〕が開示した方法によれば、核酸またはその混合物
に含有されている標的核酸配列を増幅して検出するため
に、その核酸の相捕鎖を分離し、特定のオリゴヌクレオ
チドプライマーとハイブリッド形成させ、ポリメラーゼ
によってこのプライマーを伸長させて相捕プライマー伸
長産物を生成させ、次いでこれらの伸長産物を使用し
て、前記特定のオリゴヌクレオチドプライマーとのハイ
ブリッド形成を再び生じさせることによって、更に所望
の核酸配列を合成している。この方法を繰り返して実施
すれば、出発物質の単分子からさえも、必要な核酸配列
を多量に生成させることができる。この核酸の相捕鎖の
分離は、連続的なサイクル中の熱変性によって達成する
ことが好ましいが、こうした熱変性のみが、二本鎖核酸
を改善するこの変性プロセスについて、この増幅サイク
ルを継続させうるような、単純可逆性を提供しているか
らである。しかし、この反応混合物に熱サイクルをかけ
る必要があるために、典型的な加熱および冷却装置の作
動が遅いことから、この増幅プロセスを実施できるスピ
ードに限界がある。また、プライマー伸長工程におい
て、もしも熱に不安定な酵素の連続的添加を避けるべき
であるとするならば、好熱性微生物からの特別な耐熱性
ポリメラーゼ酵素を使用することが必要である。これに
よって、この増幅プロセスを利用する新しい診断フォー
マットの設計が制限されるが、診断機器の選択的領域に
熱を加えることが難しいからであり、またDNAそれ自体
の構造に対して破壊的でありうるが、このホスホジエス
テル結合が高温で分解して、分解した一本鎖の回収をも
たらしうるからである。一般的に信じられているところ
では、今日使用されている好熱性ポリメラーゼは、信頼
性が低く、即ち、DNAをコピーする際に、中温生物から
の酵素が間違いを犯すよりも、より多くの間違いを犯
す。また、TAQポリメラーゼのような好熱性酵素が、E.C
oliからのクレノーポリメラーゼのような熱に不安定な
酵素よりも、低いターンオーバー数を有している場合も
ある。更に、核酸を変性するためには、通常摂氏90゜ま
たはそれ以上の高温への加熱が必要であり、少ない用量
を使用する際には、その液体の蒸発を制御することが困
難なために、複雑化をもたらす。今までは、これらの制
限によって、試薬を節約するために非常に少ない用量の
試薬を要する用途において、ヒトゲノム配列決定プロジ
ェクトにおけるような大変に正確な複製が必要な用途に
おいて、及び、試薬の節約、このアッセイフォーマット
の設計及びDNA変形、再生プロセスのスピードが重要で
ある通常の診断業界において、マリス等の方法を使用す
ることに対して幾つかの制約があった。
また、変性/再生サイクルは、EP−A−0320308号に
記載されている、いわゆるリガーゼ連鎖反応を実施する
のに必要であり、この場合にはプライマーを伸長させる
ことよりも、鋳型配列へとハイブリッド形成されたプラ
イマーを連結させることによって、増幅を行う。
DNAが電気化学的特性を備えていることが知られてい
る。例えば、エヌ.エル.パラセク(Palacek)が
〔[バイオエレクトロケミストリー及びバイオエナージ
ェティクス」15、1986年、275〜295頁の「生物巨大分子
の電気化学的挙動:Electrochemical Behavior of Biolo
gical Macromolecules」において〕開示したところで
は、水銀電極の表面上で約−(マイナス)1.5Vで、熱変
性一本鎖DNA中のアデニン及びシトシンが電気化学的に
還元された。また、この還元プロセスでは、予めプロト
ン化することが必要であり、従っで7.0未満のpHで起こ
る。アデニン及びシトシンの一次還元部位は、ワトソン
−クリック塩基対中で水素結合の一部を形成している。
パラセクは、生存中の天然の二本鎖DNAにおいて、水銀
電極での、アデニン及びシトシンの還元を示すことはで
きなかった。更に、パラセクが示したところによれば、
非常に限定された範囲ではあるが、DNA二重らせんが、
この水銀電極の表面上で、−(マイナス)1.2Vを中心と
する狭い電位範囲内で、遅いプロセスで、このDNA分子
の相当部分を含み、開放された。DNAのらせん構造にお
けるこうした変化は、ある電位に荷電された電極との長
時間の相互作用に起因するものと考えられ、DNAへの電
子移動を含むプロセスであるとは考えられない。この作
用電極中には一本鎖DNAの集積は見られなかったし、こ
の現象についての実際的用途も示唆されなかった。ま
た、パラセクが報告したところによれば、DNA中のグア
ニン残渣は、−(マイナス)1.8Vでジヒドログアニンへ
の還元することができ、約−(マイナス)0.3Vでジヒド
ログアニンをグアニンへと酸化し直すことができる。こ
の還元可能なグアニン二重結合は、ワトソン−クリック
塩基対における二重結合の一部分ではなく、グアニンを
含むこの電気化学プロセスは、DNA二重らせんの構造に
対しては影響しない。
初期の文献において、エフ ジェレン(Jelen)及び
イー パラセクは〔「Gen,Physiol.Biophys,」1985年、
4、219〜237頁の「荷電された表面における二本鎖DNA
の、ヌクレオチド配列に依存する開放:Nucleotide Sequ
ence−Dependent Opening of Double−Stranded DNA at
an Electrically Charged Surface」において〕、更に
詳細に、DNA分子の水銀電極の表面との長時間にわたる
接触によるDNA二重らせんの開放について記載してい
る。こうしたらせんの開放の機構について主張されてい
るところでは、ポリヌクレオチド鎖が疎水性塩基によっ
てこの電極の表面へと固定され、この後DNAの負に荷電
された燐酸残渣が、−(マイナス)1.2Vに近い印加電圧
で電極表面から強い反発を受け、陰極によって加えられ
たこの電界の結果として、鎖の分離がもたらされる。DN
Aが溶液中存在している間に(電極上へと吸着されてい
るものではなく)、DNA二重らせんの鎖を分離するとい
う開示はなく、溶液中における有用な量の一本鎖DNAの
開示もない。更に、電極上のDNAのヌクレオチド塩基配
列を、溶液から得ることができるという開示はない。こ
れらの塩基自体は、水銀の表面へと強く結合している。
水銀電極は複雑な装置であり、この電極は、研究所の実
験室内で、訓練を受けた技術スタッフによってしか、操
作することができない。
エイチ ダブリュー ヌーンベルグ(H W Nurnberg)
は〔「バイオエレクトロケミストリー」プレナム社(ニ
ューヨーク)1983年、183〜225頁「電気化学における進
歩した電量測定法の応用:Applications of Advanced Vo
ltammetric Methods in Electrochemistry」において〕
開示するところでは、水銀電極の表面への天然DNAの吸
着領域が部分的にらせん開放し、いわゆるラダー構造を
生成する。しかし、このDNAは、電極表面へと有効に分
離不可能に結合しており、または電極表面上へと吸着し
ている。この条件下では、変性されたDNAが、増幅や分
析についてのいかなる次のプロセスにも利用することが
できないと思われる。変性されたDNAを何らかの役に立
たせるためには、続くプロセスにおいて利用可能でなけ
ればならないが、もし一本鎖DNAが遊離溶液中で利用可
能であるか、または電極と何らかの形で会合してはいる
が次のプロセスに利用可能なままであれば、これを有利
に実現することができる。ヌーンベルグは、水銀電極が
有効量の一本鎖DNAを供給する能力については、開示し
ていない。
ブイ ブレイベック(V.Brabec)及びケイ ナイキ
(K・Niki)は〔「バイオフィジカル ケミストリー」
誌1985年、23、63〜70頁の「銀電極に吸着された核酸か
らのラマン散乱:Raman scattering from nucleic acids
adsorbed at a silver electrode」において〕、負の
電位に荷電された水銀およびグラファイト電極の双方の
表面におけるDNA変性に関する、幾人かの研究者の異な
る意見の、役に立つ要約を提供した。この分野の研究者
の間で意見の一致が明らかになったように、この変性プ
ロセスが、電極表面に強く吸着されたDNA中でのみ発生
し、適切な負電圧による長時間の処理によってのみ発生
し、正電荷は二重らせんに対してまったく作用しない。
ブレイベック及びパラセクが〔「J.Electroanal.Che
m.」誌、88、1978年、373〜385頁において〕開示したと
ころでは、ガンマ線放射によって損傷した音波処理DNA
が、水銀プール電極の表面上で一時的、部分的に変性さ
れており、この一本鎖産物をホルムアルデヒドと反応さ
せて、メチル化されたDNA産物を溶液中に集積させるこ
とによって、このプロセスを検出することができる。生
存DNAは、いかなる観察可能な変性をも示していなかっ
た。
我々の出願であるPCT/GB91/01563が開示する、二本鎖
核酸の変性方法は、核酸含有溶液に対して、電極を、こ
の核酸の相当部分を完全にまたは部分的に一本鎖形へと
変換できるような条件下で作用させることを含んでい
る。
この方法は、損傷していない(即ち、照射していな
い)DNAが存在している溶液に対して、適当な条件下に
適当な電圧を印加することによって、常温で、このDNA
の変性を生じさせることができるという発見に基づいて
いる。
この方法の機構は、未だ完全には明らかではない。我
々が信ずるところでは、この方法は、電極の表面におけ
る電界が二重らせんに変性を生じさせる方法の1つであ
る。
ポリメラーゼ連鎖反応プロセスにおいて示されてきた
ところでは、この変性方法によって生じた変性DNAは、
プライマーハイブリッド形成及び伸長に対して直ちに適
した状態にある。大規模な場合において発見されたとこ
ろでは、負電圧電極または熱変性のいずれかによって生
じた変性DNAの試料を、高温で培養することによって、
または正の電圧を適用することによって、リアニールを
生じさせるがまたは促進することができる。
PCT出願/GB91/01563のプロセスは、適当な緩衝液を含
有する水中に溶解された核酸及び電極のみを含む溶液中
で生じうるけれども、この方法は、核酸を含有する溶液
中でプロモーター化合物を存在させることによって、促
進することができる。メチルビオローゲン及びその塩
が、好ましいプロモーター化合物として開示されてい
る。
正に荷電したビオローゲン分子が、負に荷電したDNA
と負に荷電した陰極との間で相互作用し、これらの間の
静電反発を減少させ、これによって電界が最も強い電極
表面へのDNAの接近を促進しているものと考えられる。
従って、我々は、PCT出願/GB91/01563において、離れた
正荷電中心を有するプロモーター化合物として、例えば
双極性正荷電化合物を採用することを、好ましいと述べ
た。好ましくは、これらの正荷電中心の間隔は、ビオロ
ーゲンのそれに近似しているべきであった。
ここで、我々は、多価の無機陽イオン、好ましくはMg
2+も、こうした系内において、メチルビオローゲンとほ
ぼ同じ効率でプロモーターとして使用しうることを発見
した。
Mg2+のような大きな陽イオンは、負電極と、二本鎖DN
Aの負荷電領域との間で、架橋として使用しうるものと
考えられる。
従って、本発明が提供する、二本鎖核酸の変性方法
は、この核酸を含有する溶液に対して、電極を、この核
酸の相当部分を完全にまたは部分的に一本鎖形へと変換
できるような条件下で作用させることを含んでおり、こ
こで前記溶液が、前記変性を促進するプロモーターとし
て作用する有効濃度の多価の無機陽イオンを含有してい
る。
このプロモーターとして使用する陽イオンには、無機
または有機の配位子と錯化している無機の陽イオン、例
えば、Pt(NH364 +及びCr(NH362 +が含まれるが、し
かし好ましい陽イオンはMg2+である。プロモーター陽イ
オンの混合物も、使用することができる。
前記プロモーター陽イオンの濃度は、1mMから250mMま
でが好ましく、70mMからが、例えば約100mMが、更に好
ましい。
好ましくは、本発明によれば、生成した一本鎖核酸
は、電極から遊離しており、例えば溶液中に遊離してい
る。しかし、この核酸は、電位を印加するのに先立っ
て、二本鎖または一本鎖形で電極上に固定化することが
でき、例えば、核酸鎖の末端または末端の小部分中間体
によって付着され、この核酸分子の大部分のセグメント
を変性の前後に電極の表面から自由にぶら下がったまま
で残すことができる。
前記の電極及び対極に加えて、基準電極を前記溶液と
接触させることができ、前記電極と前記対極との間に電
圧を印加して、前記電極と前記基準電極との間で電圧を
所望値に制御することができる。これらの各電極を、電
気化学分野において知られているポテンシオスタット回
路によって接続することができる。
好ましくは、前記基準電極に対して−0.5〜−1.5Vの
電位を前記作用電極に印加し、更に好ましくは−0.8〜
1.1V、例えば約−1.0Vである。
作用電極の電圧は、カロメル基準電極に対して、あた
かも測定したようにまたは実際に測定したように、終始
与える(BDH番号309.1030.02)。
前記溶液のイオン強度は、好ましくは250mM以下であ
り、更に好ましくは100mM以下である。このイオン強度
が減少するのにつれて、変性の速度が増大することを発
見したので、このイオン強度は、50mM以下、例えば25mM
以下または更には5mM以下とすることが更に一層好まし
い。一般に、このイオン強度が低いほどこの変性が急速
である。しかし、これらの目的のためにイオン強度を算
出する際には、上記したプロモーターとして作用するあ
らゆる成分のイオン強度への寄与をも、無視することが
好ましい。
本方法は、シー ジェイ スタンレー(Stanley)、
M.カルドッチ(Cardosi)及びエー ピー エフ ター
ナー(Turner)が〔「J・Immunol・Meth,」誌、1988
年、112、153〜161頁「電流測定酵素増幅イノムアッセ
イ:Amperometric Emzyme Amplified Immunoassays」〕
に記載した型の電気化学セル内で実施することができ、
このセル内には作用電極、対極及び必要に応じて基準電
極がある、この核酸の変性を実施する作用電極は、あら
ゆる好適な物質、例えば、金または白金のような貴金属
であってよく、またはガラス質カーボン電極であってよ
い。
この電極は、いわゆる「修飾電極」であって良く、こ
こでは、変性を促進する化合物も、さもなければ不活性
ではあるが導電性の物質からなる電極の上に被覆し、ま
たは電極へと吸着させ、または電極の構造中に含有させ
る。他の電気化学セル装置においては、作用電極、対極
及び基準電極を、1つの表面、例えば平坦面の上に、厚
膜スクリーン印刷、インクジェット印刷のようなあらゆ
る印刷方法によって、またはホトレジストに続いてエッ
チング法を適用することによって、形成することができ
る。また、対極及び基準電極を、平坦面の上で一体化し
て2電極配置をもたらすことも可能である。また、これ
らの電極を、液体を保持するのに適合したウエルの内側
面上に形成することができる。こうしたウエルは、良く
知られた96ウエルまたは微量定量プレートであって良
く、または試験管または他の容器であって良い。微量定
量プレートまたは他の成形または熱成形プラスチック材
料中に、多重核酸変性実験のために、電極アレーを設け
ることができる。
鎖の分離を、水性媒体中で、またはジメチルホルムア
ミドのような有機溶媒と水との混合物中で、実施するこ
とができる。また、水以外の極性溶媒または非極性溶媒
を使用することは、許容されるが、好ましくはない。本
方法は、常温で実施することができ、または望むなら
ば、最高で、核酸の予備溶解温度に近い温度で実施する
ことができる。本方法は、3〜10のpHで実施することが
でき、約7が便利である。一般的には、pHを低くする
と、一層急速に変性できる。従って、幾つかの目的のた
めには、中性よりは幾らか下のpH、例えば、約pH5.5が
好ましい。この核酸は、その性質及びイオン強度がこの
鎖分離プロセスを阻害しないような緩衝液を含有する水
溶液中に、溶解させることができる。
本発明による変性方法は、多数の一層複雑な方法、例
えば核酸の分析および/または増幅を含む方法の中に、
1つの工程として含めることができる。こうした応用例
のうちの幾つかを下に述べる。
本発明は、試料における所定の核酸配列の存在または
不存在を検出する方法を含んでおり、溶液中の二本鎖核
酸試料に対して電極によって電圧を印加することによっ
て、この試料を変性し;こうして変性した核酸を、その
配列のためのオリゴヌクレオチドプローブとハイブリッ
ド形成させ;および前記ハイブリッド形成が起こったか
どうかを測定し、ここで変性の間、前記溶液が、前記変
性を促進するプロモーターとして作用する有効濃度の多
価の無機陽イオンを含有している。
従って、本発明の方法は、例えば特定の微生物に対し
て特異的な、または鎌型赤血球貧血症を例とする特定の
遺伝病に対して特異的な、特異的遺伝子配列を同定すべ
きであるような、DNAおよびRNAハイブリッド形成に用途
を有している。特異的配列を同定するためには、まずDN
Aの試料、好ましくは精製DNAの試料を調製することが必
要であるが、このための方法は既知であり、これは天然
の二本鎖型である。次いで、このDNA試料の相捕配列を
有する標識ヌクレオチドプローブとのハイブリッド形成
工程を実施する前に、この二本鎖DNAを一本鎖型へと変
換することが必要である。本発明の変性方法は、この目
的のために、下記の工程を実施することによって、好適
な態様で適用することができる: − 溶液中で前記プロモーターと共にDNA試料に対し
て電極で電圧を印加することによって、DNAを試料を変
性し; − この変性DNAを、目的とする配列に相捕的な直接
標識または間接標識ヌクレオチドプローブとハイブリッ
ド形成させ;および − このハイブリッド形成が生じたかどうかを測定
し、この測定は、プローブの存在を検出することによる
ことができ、このプローブは直接に放射標識、蛍光標
識、化学発光標識または酵素標識することができ、また
は、例えば標識アビジンまたはアビジン型分子が後に結
合できるようなビオチンを担持する間接標識プローブで
ある。
典型的なDNAプローブアッセイにおいては、試料DNAを
膜の表面に対して固定化することが通常であり、膜表面
は中性または荷電されたナイロンまたはニトロセルロー
スからなっていてよい。この固定化は、荷電相互作用に
よって、またはDNAを含有する膜をオーブン中で焼くこ
とによって、達成できる、この試料DNAは、膜に対して
結合させる前に、高温に加熱することで膜に対する一本
鎖型への変換を確実にすることができ、または膜上でア
ルカリによって一度処理することでこの一本鎖型への変
換を確実にすることができる。この方法の不利な点は: − 高温に加熱することで一本鎖DNAを生じさせるの
で、試料DNAそれ自体に損傷を与えうる。
− アルカリを使用すると、標識プローブとのハイブ
リッド形成を生じさせる前に、更なる中和工程が必要に
なる。
DNAプローブハイブリッド形成アッセイを実施するた
めの改善法の1つは、いわゆる「サンドイッチ」技術で
あり、特定のオリゴヌクレオチドを表面上に固定化す
る。次いで、特定のオリゴヌクレオチドをその上に有す
る表面を、一本鎖型の標的DNAを含有する溶液とハイブ
リッド形成させ、この後に第二の標識オリゴヌクレオチ
ドを添加し、これも標的DNAとハイブリッド形成する。
次いで、この表面を洗浄して、結合していない標識オリ
ゴヌクレオチドを除去し、この後に表面上で標的DNAに
結合しはじめたあらゆる標識を、後で検出することがで
きる。
二本鎖DNAを必要な一本鎖DNAへと変性させるために、
本発明の変性方法を適用することによって、この方法を
単純化することができる。作用電極、対極および必要に
応じて基準電極および/またはプロモーターを、その内
部でDNAプローブアッセイを実施すべき試験管またはウ
エル中へと、収容することができる。次いで、DNA試
料、もし既に存在していない場合にはプロモーター、お
よびオリゴヌクレオチドプローブを添加することがで
き、電圧を印加してこのDNAを変性する。こうして得ら
れた一本鎖DNAを、表面上に固定された特異的オリゴヌ
クレオチドとハイブリッド形成させ、この後にサンドイ
ッチアッセイの残りの工程を実施する。上記のすべての
工程は、従来の方法におけるような、高温やアルカリ性
試薬を添加する必要なしに、実施することができる。
このDNAの電気化学的変性を、例えばポリメラーゼ連
鎖反応やリガーゼ連鎖反応の増幅手順におけるように、
核酸を増幅する際に、適用することができる。即ち、本
発明が提供する核酸の複製方法は:溶液中の二本鎖核酸
試料の鎖を、無機多価陽イオンプロモーターおよび電極
から溶液へと印加された電圧の影響下に分離し;変性さ
れた核酸鎖の少なくとも1種とハイブリッド形成する少
なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーと、核酸
の分離された鎖とをハイブリッド形成させ;これとハイ
ブリッド形成した核酸の各鎖に対して十分に相捕的な各
プライマーの伸長産物を合成し;および各伸長産物を、
これがハイブリッド形成している核酸鎖から分離して、
伸長産物を得ることを含んでいる。
こうしたポリメラーゼを媒介とする複製方法、例えば
ポリメラーゼ連鎖反応方法においては、核酸の一本鎖分
子を完全に製造するところまで変性を実施することは、
すべての場合において必要なわけではない。プライマー
ハイブリッド形成部位中の二重らせんを、局部的におよ
び/または一時的に十分に弱化または分離させて、この
プライマーのその標的への結合を可能にできれば、十分
でありうる。一旦このプライマーが最初の標的鎖上の位
置にあるときには、このプライマー領域内の標的鎖の再
ハイブリッド形成は防止されるであろうし、この他の標
的鎖は、プライマーを伸長させることによって、または
更なる一時的な弱化または分離プロセスによって、置換
を促進することができる。
更に、好ましくは、前記した増幅方法は、上記した方
法をサイクリックに繰り返すこと、例えば10回以上繰り
返すこと、例えば最大20または30回繰り返すことを含
む。この増幅方法においては、ハイブリッド形成工程
は、核酸の相異なる鎖に対して相捕的な2つのプライマ
ーを使用して、実施することが好ましい。
この伸長産物を得るための変性だけではなく、もとの
標的核酸の変形も、電極からの電圧を核酸溶液に対して
印加することによって、実施することが好ましく、この
溶液が、本明細書に記載したようにプロモーターを含有
する。
本方法は、一種の核酸または核酸の混合物中に含有さ
れている少なくとも1種の特異的核酸配列を増幅するた
めの、標準的または古典的PCR法であってよく、ここで
各核酸は、等しいまたは等しくない長さを有する、2つ
の別個の相捕的鎖からなり、この方法が: (a) 適用される相異なる各特定配列について、2種
のオリゴヌクレオチドプライマーによって各鎖を処理
し、増幅される相異なる各配列について、各核酸鎖に相
捕的な各プライマーの伸長産物が合成されるような条件
下に処理し、ここで前記プライマーを、各特異的配列の
相異なる鎖に対して実質的に相捕的であるように選択
し、これによって1つのプライマーから合成された伸長
産物が、その補体から分離されたときには、他のプライ
マーからの伸長産物を合成するための鋳型として働くこ
とができ; (b)反応混合物へと電極から電圧を印加することによ
って、前記のプロモーターの存在下に、プライマー伸長
産物がその上で合成された鋳型からプロモーター伸長産
物を分離して一本鎖分子を製造し;および (c)工程(b)から生じた一本鎖分子を、工程(a)
のプライマーと、工程(b)で製造した一本鎖の各々を
鋳型として使用することでプライマー伸長産物が合成さ
れるような条件下に、処理することを含んでいる。
また、この方法は、古典的または標準的なPCR法のあ
らゆる変形法であってよく、例えば、いわゆる「逆位」
または「逆行」PCR法または「固定(anchored)」PCR法
であってよい。
従って、本発明は、上記した増幅方法を含んでおり、
ここでプライマーを環状核酸に対してハイブリッド形成
させ、伸長させて二重らせんを生成させ、二重らせんを
本発明の変性によって変性し、この増幅方法は、必要に
応じて更に1回以上のサイクルを繰り返す。
更に一般的には、本発明は、核酸のハイブリッド形
成、増幅および変性(例えば、ハイブリッド形成および
増幅の複数のサイクル)を含む、核酸の標的配列を増幅
する方法を含んでおり、ここで無機多価陽イオンプロモ
ーターの存在下に電極を、前記核酸を含有する溶液に対
して作用させることによって、前記の変性を生じさせ
る。
本発明の方法は、リガーゼ連鎖反応に対して適用する
ことができる。即ち、本発明は: (a) 試料の核酸を一本鎖核酸として与え; (b) この試料中で少なくとも4種の核酸プローブを
与え、ここで:(i)第一および第二の前記プローブが
一次プローブであり、第三および第四の前記プローブが
二次核酸プローブであり:(ii)第一のプローブが、標
的核酸の一次鎖の第一のセグメントに対してハイブリッ
ド形成しうる一本鎖であり;(iii)第二のプローブ
が、標的核酸の前記一次鎖の第二のセグメントに対して
ハイブリッド形成しうる一本鎖であり;(iv)前記標的
の前記一次鎖の第一のセグメントの5′末端が、この標
的の前記一次鎖の第一のセグメントの3′末端に対して
配置されており、第一のプローブ3′末端の第二のプロ
ーブの5′末端への結合を可能にしており、ここて前記
プローブを前記標的核酸の前記一次鎖へとハイブリッド
形成させ;(v)第三のプローブが第一のプローブとハ
イブリッド形成する能力を有しており;および(iv)第
四のプローブが第二のプローブとハイブリッド形成する
能力を有しており;および (c) 反復して、または連続して:(i)前記各プロ
ーブを前記試料中の核酸とハイブリッド形成させ;(i
i)ハイブリッド形成したプローブを結合させて、再組
織化された融合プローブ配列を生成させ;および(ii
i)前記プロモーターの存在下に、反応混合物へと電極
からの電圧を印加することによって、前記試料中のDNA
を変性する各工程を有する、標的核酸の増幅方法を含ん
でいる。
上記したすべての増幅方法において、続くプライマー
とのハイブリッド形成を可能とするDNAの変性は、電極
へと適当な電圧を印加することによって、実施すること
ができる。この方法は、PCRおよびLCRの現存する熱的方
法におけるように変性および再生の連続的サイクルを含
んで、段階的に実施することができるが、またこれを継
続的に実施することもできる。なぜなら、酵素による鎖
の伸長および結合プロセスと、続く電気化学的方法によ
る鎖の分離プロセスとは、同じ反応中で継続しうるから
であり、これは一本鎖型の核酸分子が、電極による変性
の影響をいったん離れれば、プライマーと自由にハイブ
リッド形成しうるからである。即ち、このプライマーが
DNAとハイブリッド形成するとすれば、伸長または結合
産物が合成されるであろう。この電気化学的DNA増幅技
術を分析に適用することで、非常に少量のDNA試料、例
えば動物細胞中の単一複製遺伝子または微生物の単細胞
を、検出し、分析することができる。
本発明は、試料中の所定の核酸配列の存在または不在
を検出する方法に使用するキットを含んでおり、このキ
ットは、電極、対極および必要に応じて基準電極、前記
配列用のオリゴヌクレオチドプローブおよび前記電極で
核酸鎖分離をするときにプロモーターとして使用する無
機多価陽イオンの源を備えている。このプローブは、上
記したあらゆる方法で標識化することができる。
また、本発明は、核酸を増幅する方法のためのキット
を含んでおり、このキットは、電極、対極および必要に
応じて基準電極、および前記電極で核酸鎖分離をすると
きにプロモーターとして使用する無機多価陽イオンの
源、およびPCR法において使用する少なくとも1種のプ
ライマー、またはLCR法において使用する少なくとも1
種のプライマー、および/またはポリメラーゼまたはリ
ガーゼ、および/またはPCR法において使用するのに適
したヌクレオチドを備えている。
好ましくは、このキットは、この電極を備えたセルを
含んでいる。好ましくは、このキットは、検出または増
幅方法において使用するのに適した緩衝液を含む。
ここで、本発明を、次の図面および実施例を参照しつ
つ、説明する。
図1は、DNAの変性に使用する電気化学的セルの図面
である。
図1において示すセル構造体10は、内部にDNA含有溶
液の本体がある作用室12、作用電極1、対極16、FiVac
シール19、Kwikフィットアダプター21および磁気攪拌子
18を備えている。別体のサイドアーム中の基準電極20
は、ラギン毛管23を通して、作用室12内の溶液へ結合さ
れている。この作用電極、対極および基準電極は、ポテ
ンシオスタット装置内で互いに結合されており、これに
よって作用電極14と基準電極20との間で一定の電圧が維
持される。こうしたポテンシオスタット装置は、良く知
られている(例えば「電気化学における機器分析法:Ins
trumental Methods in Electrichemistry」サザンプト
ン エレクトロケミストリー グループ:1985年、ジョ
ン ウイリー アンド サンズ社 第19頁を参照)。
電極14は、直径0.5cmで、10mMの高さで0.25cmへと狭
くなっている環状のガラス質カーボンロッドであり、外
径0.8cmのテフロンスリーブの内側で9cmの全長を有して
おり(オクソン、アビントン、アレクサンダー プレイ
ス18のオックフォード エレクトローズ社が供給)、基
準電極16は、2mmピンカロメルである(BDH 番号309/10
30/02によって供給)。対極は、アダプターの上方で真
鍮スリーブ25へとはんだ付けされたワイヤーによって支
持されており、テフロンスリーブを通って下り、作用電
極の基部から20mmでテフロンスリーブを出ている。この
ワイヤーは、オックフォード エレクトローズ社によっ
て供給された円筒状の白金メッシュ対極に取り付けられ
ており、対極が作用電極を環状に包囲している。
次の実施例においてこのセルを使用した。
実施例1 図1に示すセルの作用チャンバーへと、900μ1の蒸
留水と、40μg/mlの子ウシ胸腺DNAとを、下の図1に示
すプロモーターと共に加えた。このセルの内容物を−1.
0Vに最大4時間供した。
試料を、開始から0分、30分、1時間および2時間後
に採取し、1%寒天ゲル上で分析し、変性の度合いを観
察した、結果を表1に示す。
従って、理解できるように、この系において、プロモ
ーターとしてのMg2+の最小有効量は、30mMと100mMとの
間にあり、プロモーターとしてMg2+はメチルビオローゲ
ンとほぼ同様に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アーシャー,パトリシア,リーン イギリス国,シィービィー4 3ユービ ィー,ケンブリッジシィアー,ケンブリ ッジ,ミナーヴァ ウェイ 164 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二本鎖核酸を変性する方法であって、この
    二本鎖核酸の相当部分を完全にまたは部分的に一本鎖形
    の核酸へと変換できるような条件下で、この二本鎖核酸
    を含有する溶液に対して電極によって電圧を作用させる
    工程を備え、前記溶液が、前記変性を促進するプロモー
    ターとして作用する有効濃度の多価の無機陽イオンを含
    有している、二本鎖核酸を変性する方法。
  2. 【請求項2】前記溶液に対する前記作用電極へと−0.5
    〜−1.5Vの電位を印加する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記作用電極、基準電極および対極が前記
    溶液と接触しており、前記作用電極と前記基準電極との
    間の電圧を所望値に制御できるように、前記作用電極と
    前記対極との間に電圧を印加する、請求項1または2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】前記イオン強度を100mM以下とする、請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記イオン強度を25mM以下とする請求項4
    記載の方法。
  6. 【請求項6】前記プロモーターをマグネシウムイオンと
    する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記プロモーター陽イオンの濃度を1mM〜2
    50mMとする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】核酸のハイブリッド形成、増幅および変性
    を含む、核酸の標的配列を増幅する方法であって、二本
    鎖核酸の相当部分を完全にまたは部分的に一本鎖形の核
    酸へと変換できるような条件下で、この二本鎖核酸を含
    有する溶液に対して電極によって電圧を作用させること
    によって前記の変性を生じさせる工程を備え、前記溶液
    が、前記変性を促進するプロモーターとして作用する有
    効濃度の多価の無機陽イオンを含有している、核酸の標
    的配列を増幅する方法。
  9. 【請求項9】(a)試料の核酸を一本鎖核酸として与
    え; (b)この試料中で少なくとも4種の核酸プローブを与
    え、ここで:(i)第一および第二の前記プローブが一
    次プローブであり、第三および第四の前記プローブが二
    次核酸プローブであり:(ii)第一のプローブが、標的
    核酸の一次鎖の第一のセグメントに対してハイブリッド
    形成しうる一本鎖であり;(iii)第二のプローブが、
    標的核酸の前記一次鎖の第二のセグメントに対してハイ
    ブリッド形成しうる一本鎖であり;(iv)前記標的の前
    記一次鎖の第一のセグメントの5′末端が、この標的の
    前記一次鎖の第一のセグメントの3′末端に対して位置
    されており、第一のプローブの3′末端の第二のプロー
    ブの5′末端への結合を可能にしており、ここで前記プ
    ローブを前記標的核酸の前記一次鎖へとハイブリッド形
    成させ;(v)第三のプローブが第一のプローブとハイ
    ブリッド形成する能力を有しており;および(iv)第四
    のプローブが第二のプローブとハイブリッド形成する能
    力を有しており;および (c)反復して、または連続して:(i)前記各プロー
    ブを前記試料中の核酸とハイブリッド形成させ;(ii)
    ハイブリッド形成したプローブを結合させて、再組織化
    された融合プローブ配列を生成させ;および(iii)反
    応混合物へと電極からの電圧を印加することによって、
    前記試料中のDNAを変性し、ここでこの反応混合物が、
    前記分離のプロモーターとして作用する有効濃度の多価
    の無機陽イオンを含有している; 各工程を有する、標的核酸を増幅するための、請求項8
    記載の方法。
  10. 【請求項10】核酸を複製する方法であって:二本鎖核
    酸の相当部分を完全にまたは部分的に一本鎖形の核酸へ
    と変換できるような条件下で、この二本鎖核酸を含有す
    る溶液に対して電極によって電圧を作用させて、この二
    本鎖核酸を変性し;変性された核酸鎖の少なくとも1種
    とハイブリッド形成する少なくとも1種のオリゴヌクレ
    オチドプライマーと、核酸の変性された鎖とをハイブリ
    ッド形成させ;これとハイブリッド形成した核酸の各鎖
    に対して十分に相捕的な各プライマーの伸長産物を合成
    し;および各伸長産物を、これがハイブリッド形成して
    いる核酸鎖から分離して伸長産物を得ることを含み、こ
    こで前記二本鎖核酸の溶液が、前記変性を促進するプロ
    モーターとして使用する有効濃度の多価の無機陽イオン
    を含有している、核酸を複製する方法。
  11. 【請求項11】試料中の所定の核酸配列の存在または不
    存在を検出する方法であって:二本鎖核酸の相当部分を
    完全にまたは部分的に一本鎖形の核酸へと変換できるよ
    うな条件下で、この二本鎖核酸を含有する溶液に対して
    電極によって電圧を作用させて、この二本鎖核酸を変性
    し、ここでこの二本鎖核酸の溶液が、前記変性を促進す
    るプロモーターとして作用する有効濃度の多価の無機陽
    イオンを含有しており;こうして変性した核酸を、その
    配列のためのオリゴヌクレオチドプローブとハイブリッ
    ド形成させ;および前記ハイブリッド形成が起こったか
    どうかを測定する、検出方法。
  12. 【請求項12】前記請求項11に記載された検出方法に使
    用するキットであって、このキットが、電極、対極およ
    び必要に応じて基準電極、前記配列用のオリゴヌクレオ
    チドプローブ、および前記電極で核酸鎖を分離する際に
    プロモーターとして使用する、無機多価陽イオンの源を
    備えている、キット。
  13. 【請求項13】前記請求項10に記載された核酸を複製す
    る方法に使用するキットであって、電極、対極および必
    要に応じて基準電極、および前記電極で核酸鎖分離をす
    る際にプロモーターとして使用する無機多価陽イオンの
    源、およびPCR法において使用する少なくとも1種のプ
    ライマー、またはLCR法において使用する少なくとも1
    種のプライマー、および/またはポリメラーゼまたはリ
    ガーゼ、および/またはPCR法において使用するのに適
    したヌクレオチドを備えているキット。
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