JP3084393B2 - 増殖型イオン火炎発生装置 - Google Patents

増殖型イオン火炎発生装置

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JP3084393B2
JP3084393B2 JP08077300A JP7730096A JP3084393B2 JP 3084393 B2 JP3084393 B2 JP 3084393B2 JP 08077300 A JP08077300 A JP 08077300A JP 7730096 A JP7730096 A JP 7730096A JP 3084393 B2 JP3084393 B2 JP 3084393B2
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政市 菊地
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雲海酒造株式会社
政市 菊地
新井 照夫
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、灯油、重油等の化
石燃料とか、合成燃料等を主燃料として用い、これらの
燃料の燃焼により発せられる炭化水素火炎をイオン化さ
せて通常の燃焼火炎(中性火炎)よりも高熱のイオン火
炎を発生させるイオン火炎発生装置に関するものであ
り、焼却炉、高炉等の各種高熱を要する装置の熱源、ロ
ケット等の各種高推進力を要する装置の推力源、イオン
ビーム加工装置等の各種イオンを利用する装置のイオン
源、等として利用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、灯油等の燃料からイオン火炎を発
生させるイオン火炎発生装置としては、焼却炉に用いら
れるイオンバーナーがあった。図12、13はこのイオ
ンバーナーを用いた焼却炉の例であり、その構造は次の
ようなものであった。
【0003】この焼却炉は、キャスターブル耐火物で筒
状に作製された焼却炉本体Aの内部に火格子B、Cを介
して上下に中性火炎室D、準プラズマ(準イオン)火炎
室E、プラズマ(イオン)火炎室Fが形成され、イオン
火炎室F部分の炉壁に3機の灯油バーナーGが取り付け
られ、イオン火炎室F内の灯油バーナーGの先に火炎接
触電離材Hなるものが配置され、また灯油バーナーGの
火炎が当たる部分の炉壁面に電磁コイルIが配備されて
なる。ここで灯油バーナーGと火炎接触電離材Hと電磁
コイルIはイオンバーナーを構成する。この焼却炉で
は、前記電磁コイルIにパルス電流等を印加して高周波
磁場(例えば磁束密度10000以上、周波数20〜5
0MHz程度の高周波磁場)を発生すると、高周波磁場
で火炎接触電離材Hが活性化されて、同火炎接触電離材
Hにエネルギー印加作用がもたらされ、この火炎接触電
離材Hに触れた灯油バーナーGの燃焼火炎(炭化水素火
炎)がイオン化(プラズマ化)されてイオン火炎とな
る。このイオン火炎はイオン火炎室Fにおいてイオン数
が多い状態にあるが、準イオン室Eにおいてはイオン数
が減少して準イオン火炎となり、中性火炎室Dでは通常
の中性火炎となる。この焼却炉では、ゴミ投入口Jにゴ
ミ等の処理対象物を投入すると、中性火炎室Dで乾燥、
燃焼され、準イオン火炎室E、イオン火炎室Fを落下し
ながら徐々に溶融されて排出口Kから溶融物となって排
出される。
【0004】ところで、通常の燃焼による炭化水素火炎
中にも価電粒子(炭素イオン、水素イオン、酸素イオン
等)の存在するイオン火炎の状態が存在するが、発生さ
れるイオンの数は少なく、また磁場の無い状態ではイオ
ン同士がすぐに再結合してH2O、CO2等を生成し、
中性火炎の状態になってしまう。イオン火炎から中性火
炎に移行する段階では、吸熱作用を有する再結合反応が
起きて火炎から熱が奪われるため、中性火炎はイオン火
炎に比べてエネルギー量が減少した状態となる。例え
ば、灯油は1リットル当り約8000Kカロリーのエネ
ルギーを持つと言われ、原子状の解離反応で放出される
カロリーは10000Kカロリーを超えるとされている
が、通常の燃焼ではイオン火炎状態が非常に短命であ
り、すぐに中性火炎の状態に移行してしまうため、高温
を発生させることができなかった。
【0005】しかし図12、13の焼却炉では、火炎接
触電離材Hの助けで多数のイオンを発生してイオン火炎
を作ることができ、また発生したイオンの再結合を電磁
コイルIの高周波磁場で幾分阻止することができるた
め、比較的長い時間に渡ってイオン火炎の状態を維持す
ることができ、炉内温度を3000度以上にすることが
可能となっていた。
【0006】なお、前記焼却炉で用いられる火炎接触電
離材Hは、光活性物質に磁性体を配合してなる組成物
を、酸化雰囲気中で結晶することにより製造されるもの
である。前記光活性物質は、セレン、カドミウム、チタ
ニウム、リチウム、バリウム、タリウム等の単体や、そ
の酸化物、硫化物、ハロゲン化物等の化合物であり、磁
性体としては、強磁性体(鉄、ニッケル、コバルト及び
その化合物等)や常磁性体(マンガン、アルミニウム、
スズ及びその化合物)、反磁性体(ビスマス、リン、
銅、カルシウム、及びその化合物)である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記焼却炉におけるイ
オンバーナーは、化石燃料を通常燃焼させる灯油バーナ
ーG単体に比べて格段の高温を発生することができ、焼
却炉を3000度以上の高温にできるものであるが次の
ような問題もあった。 1.火炎接触電離材Hだけでは多量のイオンを含む高温
のイオン火炎を発生することができない。 2.発生されるイオン火炎中には、陽イオンと陰イオン
とが混在するため、両イオンの再結合を阻止することが
できず、中性火炎になりやすい。 3.以上のことからイオン火炎を4000度を越すよう
な高温にすることができない。
【0008】本発明の目的は、より高温でより強力なイ
オン火炎を発生することができ、焼却炉等の熱源として
以外にも、各種推進源、イオン源として利用可能な増殖
型イオン火炎発生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の増殖型イオン火炎発生装置は、灯油等の燃焼火炎を
イオン化(プラズマ化)してイオン火炎が発生されるよ
うにしたイオン火炎発生装置2と、同イオン火炎発生装
置2から発生されたイオン火炎に高周波磁場/電場を作
用させるイオン増殖器4を設け、イオン増殖器4の高周
波磁場/電場はイオン火炎中の陽イオンと陰イオンを夫
々逆方向に加速してイオンの再結合を妨げることを特徴
とするものである。
【0010】本発明のうち請求項2記載の増殖型イオン
火炎発生装置は、灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズ
マ化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火
炎発生装置2と、同イオン火炎発生装置2から発生され
たイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイオン増
殖器4と、鉄、アルミ等の金属粉末、或いは灯油等の液
体燃料に前記金属粉末を混入させた金属紛混合油を供給
可能とする金属燃料供 給器73を備えたことを特徴とす
るものである。
【0011】本発明のうち請求項3記載の増殖型イオン
火炎発生装置は、灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズ
マ化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火
炎発生装置2と、同イオン火炎発生装置2から発生され
たイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイオン増
殖器4と、水或いは灯油等の液体燃料に水を混入させた
水燃料を供給可能とする水供給器72を備えたことを特
徴とするものである。
【0012】本発明のうち請求項4記載の増殖型イオン
火炎発生装置は、灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズ
マ化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火
炎発生装置2と、同イオン火炎発生装置2から発生され
たイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイオン増
殖器4と、鉄、アルミ等の金属粉末、或いは灯油等の液
体燃料に前記金属粉末を混入させた金属紛混合油を供給
可能とする金属燃料供給器73を設け、前記イオン増殖
器4の高周波磁場/電場はイオン火炎中の陽イオンと陰
イオンを夫々逆方向に加速してイオンの再結合を妨げる
ことを特徴とするものである。
【0013】本発明のうち請求項5記載の増殖型イオン
火炎発生装置は、灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズ
マ化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火
炎発生装置2と、同イオン火炎発生装置2から発生され
たイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイオン増
殖器4と、水或いは灯油等の液体燃料に水を混入させた
水燃料を供給可能とする水供給器72を設け、前記イオ
ン増殖器4の高周波磁場/電場はイオン火炎中の陽イオ
ンと陰イオンを夫々逆方向に加速してイオンの再結合を
妨げることを特徴とするものである。
【0014】本発明のうち請求項6記載の増殖型イオン
火炎発生装置は、灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズ
マ化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火
炎発生装置2と、同イオン火炎発生装置2から発生され
たイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイオン増
殖器4と、鉄、アルミ等の金属粉末、或いは灯油等の
体燃料に前記金属粉末を混入させた金属紛混合油を供給
可能とする金属燃料供給器73と、水或いは灯油等の液
体燃料に水を混入させた水燃料を供給可能とする水供給
器72を設け、前記イオン増殖器4の高周波磁場/電場
はイオン火炎中の陽イオンと陰イオンを夫々逆方向に加
速してイオンの再結合を妨げることを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明のうち請求項7記載の増殖型イオン
火炎発生装置は、請求項1乃至請求項6記載のいずれか
の増殖型イオン火炎発生装置において、イオン増殖器4
の高周波磁場/電場がイオン火炎中のイオンを加振する
ことを特徴とするものである
【0016】本発明のうち請求項8記載の増殖型イオン
火炎発生装置は、請求項1乃至請求項7記載のいずれか
の増殖型イオン火炎発生装置において、イオン増殖器4
が、磁性体と非磁性体を交互に配した筒状本体60の磁
性体部分の外周に電磁コイル63を設けたことを特徴と
するものである。
【0025】
【発明の実施の形態1】本発明の増殖型イオン火炎発生
装置の第1の実施形態を図3、4に基づいて説明する。
この増殖型イオン火炎発生装置は、図3に示すターボフ
ァン30と、モータ31と、同モータ31により駆動さ
れる軸流圧縮機(タービン)32と、イオン火炎発生部
40とからなるイオン火炎発生装置2に、図4に示すイ
オン増殖器4を付加したものであり、前記イオン火炎発
生部40にはパイプを介して図9に示す燃料装置70及
びエアータンク74を接続してある。
【0026】前記ターボファン30は空気を取り込んで
タービン32に送り出す。このターボファン30は図3
に示すようにエア調整弁(ダンパー)33を備え、同ダ
ンパー33の開度を調整することにより空気吸入量を調
整して、タービン32に供給する空気量を調整すること
が可能である。タービン32はモータ31で回転駆動さ
れるシャフト34に動翼35、圧縮翼36、分配翼37
を取り付けてあり、これら翼35、36が固定された静
翼38の内側で回転されると、ターボファン30から送
り込まれた空気がイオン火炎発生部40側に圧縮されて
噴射される。ここで噴射されるエアは分配翼37で攪拌
され、均圧化されてイオン火炎発生部40の5本の燃料
煙霧化器43に送り出される。
【0027】前記イオン火炎発生部40は図3に示すよ
うに、その筒状本体41を強磁性金属(鉄、ニッケル、
コバルト等)で作製し、同筒状本体41内に図6に示す
燃料煙霧化器43を5本、図5のように配置して取り付
け、燃料煙霧化器43の先方には略筒状の火炎接触電離
材44を取り付けてある。また筒状本体41の外周には
鉄芯入の電磁コイル45を取り付けてある。なお、燃料
煙霧化器43は図5に示した金属板42により筒状本体
41内に固定してある。
【0028】前記燃料煙霧化器43は図6に示すよう
に、その筒状本体50を非磁性金属(真鍮、ステンレス
等)で作製し、その後端部内側に、約15k圧の高圧空
気を噴射する非磁性金属製の空気噴射ノズル(ノズル内
径1〜2mφ)51と、燃料(灯油、金属粉末混合油、
水)を滴下する非磁性金属製の燃料滴下ノズル52を挿
入・固定してある。この燃料煙霧化器43の筒状本体5
0の先端部53内面は図示されているごとく外広がりに
テーパー加工され、テーパー面の角度θは40〜60
度、テーパー部長dは10〜15mmである。この燃料
煙霧化器43の筒状本体50の後端部外周面は、その周
方向に間隔を空けて幅1.5〜2mmのスリット54を
15〜20個程度設け、これらスリット54の先方部分
の角度φを45度としてある。前記燃料滴下ノズル52
はこれらスリット54の一つから差し込んである。な
お、燃料煙霧化器43の筒状本体50の内径cは35〜
45mm、全長(a+b+d)は170〜215mmで
ある。ちなみにaは160〜200mm、bは50〜6
0mmである。また、前記燃料滴下ノズル52は、燃料
装置70から供給される燃料を攪拌するための攪拌器5
5を備え、この攪拌器55はスパイラル状の回転翼56
を有し、モータ57で回転翼56が回転される。
【0029】前記燃料煙霧化器43では、燃料滴下ノズ
ル52から滴下される燃料が、その後方のタービン33
から送風される高速の空気と、空気噴射ノズル51から
噴射される高圧の空気で0.01μ以下の微粒子に煙霧
化されて、先端部53から噴射される。この燃料煙霧化
器43では、先端部53のテーパーにより、一度煙霧化
した燃料が再液化されることなくスムーズに噴出され、
高い煙霧化効率が達成される。
【0030】前記火炎接触電離材44は、光活性物質に
磁性体を配合してなる組成物を酸化雰囲気中で結晶する
ことにより製造されるものである。前記光活性物質は、
セレン、カドミウム、チタニウム、リチウム、バリウ
ム、タリウム等の単体や、その酸化物、硫化物、ハロゲ
ン化物等の化合物であり、磁性体は、強磁性体(鉄、ニ
ッケル、コバルト及びその化合物等)や常磁性体(マン
ガン、アルミニウム、スズ及びその化合物)、反磁性体
(ビスマス、リン、銅、カルシウム、及びその化合物)
である。
【0031】前記電磁コイル45は図3に示すように、
鉄芯47に銅線コイル46を取り付けたものであり、銅
線コイル46には図示されていない電源装置を接続して
ある。この電磁コイル45は、電源装置からパルス電流
が印加されると同コイル内側に強力な高周波磁場を発生
し、イオン火炎発生部40の強磁性金属製筒状本体41
を強力に磁化する。前記高周波磁場は、例えば磁束密度
10000以上、周波数20〜50MHz程度のもので
ある。電磁コイル45で磁化された筒状本体41はその
内側に高周波磁場を発生し、火炎接触電離材44を活性
化し、火炎接触電離材44に触れる炭化水素火炎を陽イ
オン(炭素イオン、水素イオン、鉄イオン等)と陰イオ
ン(酸素イオン)を多数有するイオン火炎にする。な
お、高周波磁場で活性化された火炎接触電離材44では
煙霧化された燃料が触れるだけで発火が誘発されるが、
火炎接触電離材44に着火電極48を設けて火炎着火の
確実性を高めてある。
【0032】図1のイオン増殖器4は図4に示すよう
に、その筒状本体60を非磁性金属(真鍮、ステンレス
等)のリング61と強磁性金属(鉄、ニッケル、コバル
ト等)のリング62を交互につないで筒状に作製し、各
強磁性金属リング62の外周に電磁コイル63を取り付
けてある。強磁性金属リング62は3段有り、電磁コイ
ル63も3段ある。各電磁コイル63は強磁性金属リン
グ62の外周に絶縁紙64を挟んでホルマル銅線65を
巻き付け、その外周に絶縁紙64を挟んで冷却用銅パイ
プ66を巻き付け、その外周に絶縁紙64を挟んで金属
カバー67を巻き付けて作製してある。なお、個々の電
磁コイル63は発生した磁力やバーナー2の振動で位置
ずれ等を起こさないよう、筒状本体60の外周のフラン
ジ68に強固に固定してある。
【0033】前記各電磁コイル63のホルマル銅線65
は図示されていない電源装置と配線し、同電源装置から
大パルス電流を印加できるようにしてある。この電磁コ
イル63は、大パルス電流を流すとコイル内側に強力な
高周波磁場を発生し、この高周波磁場で内側の強磁性金
属リング62を強力に磁化し、磁化された各強磁性金属
リング62はその内側に強力な高周波磁場を形成する。
この強磁性金属リング62の内側の高周波磁場はイオン
火炎発生部40で発生されるイオン火炎中のイオンを振
動させると共に陽イオンを火炎噴射口側に加速し、陰イ
オンをイオン火炎発生部側に加速し、また陽イオンや陰
イオンを他の粒子(イオン化された粒子やされていない
粒子)に弾性衝突させながら陽イオン及び陰イオンの数
を増大する。また、交互に配した強磁性金属リング62
及び非磁性金属リング61により、イオン火炎に段階的
な磁気絞りをかけて圧縮し(ピンチ効果)、圧縮した陽
イオン火炎を焼却炉本体1内に噴射する。なお、陰イオ
ン火炎はイオン火炎発生部40側に噴射される。
【0034】前記各電磁コイル63の冷却用銅パイプ6
6は図示されていない冷却装置と配管し、冷却用銅パイ
プ66に冷却水を流して電磁コイル63を冷却すること
ができるようにしてある。電磁コイル63は、大電流が
流れるホルマル銅線65の熱と、内側のイオン火炎によ
る熱を受けて高温になるが、前記冷却水により加熱防止
を達成している。電磁コイル63の冷却には、水、その
他の各種冷媒を用いる他、強制空冷方式を採用すること
もできる。
【0035】以上説明したイオン火炎発生装置2におい
て、イオン増殖器4は多段式の電磁コイル63による高
周波磁場を用いたが、イオン増殖器4の筒状本体60内
にイオンを振動させ、加速させることのできる強電場を
形成するようにしてもよい。
【0036】前記イオン火炎発生装置2に燃料を供給す
る燃料装置70は図9に示すように、灯油、金属粉末混
合油、水を供給するための灯油供給器71、水供給器7
2、金属燃料供給器73の3つからなる。このうち灯油
供給器71は灯油を溜めるタンク、水供給器72は水を
溜めるタンクである。
【0037】前記金属燃料供給器73は図7に示すよう
に、絶縁物質で作製した灯油タンク80の底にマイナス
電極81を取り付け、同マイナス電極81に近接して2
本のプラス電極棒82を取り付ける。マイナス電極81
はタンク80の底の中央部に垂直に縦て固定し、2本の
プラス電極棒82は、タンク80の両側壁に水平に差し
込む形態で取り付け、同差し込み部には差し込んだプラ
ス電極棒82を抜き差し自在にすると共に液漏れを防止
するグランドパッキン84を取り付ける。
【0038】前記マイナス電極81は導電性金属を円柱
状に作製したものであるが、左右両側のプラス電極棒8
2との間で効率の良い放電が実現されるような他の形状
に作製することもできる。また前記2本のプラス電極棒
82のうち1本は鉄を長尺な丸棒状に作製したものであ
り、1本はアルミを長尺な丸棒状に作製したものであ
る。夫々のプラス電極棒82はマイナス電極81との間
に効率の良い放電が実現される他の形状や、角棒状等に
も作製することができる。
【0039】前記各プラス電極棒82は自動送込機(電
極可動装置)85により支持し、その先端部を燃料タン
ク80の側面のグランドパッキン84から同燃料タンク
80の内側に差し込ませてマイナス電極81との間で放
電が起こりやすい間隔に調整してある。自動送込機85
は、プラス電極棒82の先端が減って短くなると、その
短くなった分だけをマイナス電極81側に自動的に送り
出すことができ、電極間距離を常時一定に保持すること
ができる。ちなみに、前記自動送込機85によるプラス
電極棒82の送り出し量制御は、例えばタンク80の外
側から光学センサで電極間の距離を測定する、電極間の
電位や電流をモニタして適切な放電が起こるようにす
る、放電による電極棒の減り具合を単位時間当りの減少
量として予め求めておく、等の各種方法により実現する
ことができる。
【0040】前記マイナス電極81とプラス電極棒82
とには高圧電源装置86を接続してあり、両極間に例え
ば30000〜100000V位を印加することができ
る。なお、この印加電圧や電流はマイナス電極81やプ
ラス電極棒82の形状や極間距離、電極素材に応じて適
宜設定することができる。
【0041】前記燃料タンク80には、タンク内の燃料
量を計測する燃料量監視装置(図示されていない)も設
けてあり、タンク80内のマイナス電極81及びプラス
電極棒82が液面から露出するのを防止できるようにし
てある。この燃料量監視装置は例えば、燃料が所定量減
るとその分を追加供給する、或いは管理者に報知するも
のである。この燃料量監視装置により、液面から電極が
露出された状態で放電が起こるのを防止し、燃料である
灯油に着火して燃料タンク80が火災、爆発するのを防
ぐ。
【0042】燃料タンク80の上部には攪拌装置87を
設けてある。この攪拌装置87は、モータ88と同モー
タ88により駆動されて回転するプロペラ89とからな
り、燃料タンク80内の灯油をプロペラ89により攪拌
することができる。プロペラ89の回転数は適宜設定す
ることができる。
【0043】前記金属燃料供給器73では、マイナス電
極81と鉄、アルミのプラス電極棒82との間に300
00〜100000Vの電圧を印加して両極間に放電を
起こすと、プラス電極棒82の表面から微粒子(0.5
mm以下の粉末)状の鉄粉末、アルミ粉末が剥ぎ取られ
て灯油中に放出され、このとき灯油中で炭化水素の炭素
が折出され、その折出された炭素に鉄やアルミの金属粉
末が付着して金属粉末と灯油が混合した金属粉末混合油
が製造される。この金属粉末混合油には必要に応じて界
面活性剤を加えることができ、このようにすれば金属粉
末混合油を比較的長時間貯蔵しておくことも可能とな
る。但し、使用する界面活性剤は燃焼を妨げないもので
あることとする。
【0044】なお、図9の灯油供給器71には、クラッ
キング装置なるものを設けることもできる。クラッキン
グ装置は、沸点の高い重質石油を分解して沸点の低い軽
質石油(ガソリン等)を製造するものである。このクラ
ッキング装置は、例えばシリカ−アルミナ触媒を用いる
接触分解方式のものや、触媒を用いずに高温(800〜
850度)で行なう熱分解方式のものがある。また、ニ
ッケル、タングステン等をシリカ−アルミナに担持させ
た触媒を用い、高圧の水素を利用して行なう水素化分解
方式のものもある。このクラッキング装置は、灯油に替
わり重油等の沸点の高い燃料を用いる場合に特に有効で
ある。
【0045】図9の灯油供給器71、水供給器72、金
属燃料供給器73は燃料パイプを介してイオン火炎発生
装置2の燃料滴下ノズル52と接続し、同燃料滴下ノズ
ル52へ灯油、金属粉末混合油、水を供給できるように
してある。これら供給器71、72、73からは燃料切
替器等により必要な燃料だけを一つ或いは2以上を組み
合わせて燃料滴下ノズル52に供給することができる。
例えば、イオン火炎発生装置2の点火開始から1800
度程度までは灯油のみを供給し、その後2500度程度
までは金属粉末混合油を供給し、その後は金属粉末混合
油と水とを供給することができ、燃焼温度に応じて適切
な燃料を選択して供給することができるようにしてあ
る。
【0046】
【使用例1】前記増殖型イオン火炎発生装置を用いた焼
却炉の例を図1、2に基づいて説明する。図1に示す焼
却炉は、架台10の上に略円筒状の焼却炉本体1を設置
してあり、同焼却炉本体1の周囲に、イオン増殖器4を
付加したイオン火炎発生装置2、即ち増殖型イオン火炎
発生装置を4機、放射状に配置して設けてある。この焼
却炉本体1の上部中央には排煙筒11を設けてあり、ま
たこの排煙筒11を取り囲むように4本の耐熱性パイプ
3を設けてある。この焼却炉本体1の外側は防磁性を有
する鉄板でカバーしてあり、これにより鉄製ケーシング
(外ケーシング)13を設けてある。
【0047】前記焼却炉本体1は、4500度程度の高
温に耐えうるキャスターブル耐火物、即ち耐火性骨材と
アルミナセメント又はリン酸等の水硬剤を混合した耐火
物で作製し、同キャスターブル耐火物の外表面を鉄板で
被覆して内ケーシング14を設けてある。なお、焼却炉
本体1は黒鉛、その他の耐火物で作製することもでき
る。
【0048】前記耐熱性パイプ3は図8に示すように、
黒鉛素材をパイプ状に成型圧縮した後に焼成した黒鉛パ
イプ25であり、その外表面に酸化物被膜26を形成し
てある。黒鉛パイプ25は導電性であり、同パイプ25
に電源装置27のマイナス極を、焼却炉本体1の鉄製内
ケーシング14にプラス極を接続してある。電源装置2
7は、電圧15000〜30000V、電流20〜50
mAの直流電圧を発生し、この直流電圧により黒鉛パイ
プ25をマイナス電位に設定することができる。黒鉛そ
のものは融点が4500度程度の高耐熱性素材である
が、空気(酸素)雰囲気中では1500度程度で酸化さ
れ、すぐに劣化してしまう。しかし、黒鉛パイプ25に
酸化物被膜26を形成し、且つ黒鉛パイプ25をマイナ
ス電位とすることにより、酸化を促進する酸素イオン
(陰イオン)の結合を阻止し、4000度前後の高温下
でも長期使用できるようにしてある。
【0049】前記耐熱性パイプ3は図2に示すように焼
却炉本体1の内側に設けた上下2枚の黒鉛製火格子板1
5、16によって支持され、各耐熱性パイプ3はイオン
火炎発生装置2の真正面に配置されるようにしてある。
この耐熱性パイプ3はその上端を焼却炉本体1の上部の
ゴミ投入ホッパー17へ配管してあり、下端を焼却炉本
体1の底の溶融溜18内へ通してある。ゴミ投入ホッパ
ー17に投入された処理対象物は耐熱性パイプ3内を落
下して焼却炉本体1の溶融溜18内に溶融物となって溜
められる。
【0050】前記火格子板15、16のうち上側のもの
はイオン火炎発生装置2の取り付け位置より上側に、下
側のものはイオン火炎発生装置2の取り付け位置より下
側に、夫々配置され、イオン火炎発生装置2の噴射火炎
(陽イオン火炎)は第1、2両火格子板15、16の間
の空間内に収まるようにしてある。但し、この陽イオン
火炎は、炉内に形成される後述の高周波磁場により焼却
炉本体1の内側にドーナツ状に閉じ込められ、火格子板
15、16や炉壁に触れることはない。
【0051】前記排気筒11は焼却炉本体1と同じキャ
スターブル耐火物で筒状に作製してあり、炉内で発生し
た煙や熱を外に排気することができる。この排気筒11
の先端は図9の排気ガス浄化装置群と接続してある。焼
却炉本体1の底部中央には筒状の溶解取出筒12を設け
てあり、排気筒11同様にキャスターブル耐火物で作製
してある。この溶解取出筒12の先には開閉シャッター
19を設けてあり、同シャッター19は図示されていな
い駆動装置により開閉駆動され、溶融溜18が溶融物で
一杯になると自動的に開いて溶融物を排出し、溶融物が
排出されて空になると自動的に閉じる。
【0052】前記焼却炉本体1の溶融溜18部分の外壁
には水冷ジャケット20を取り付け、その外周に高周波
コイル21を取り付けてある。この高周波コイル21か
ら発せられる高周波磁場は溶融溜18内の溶融物を加熱
し、溶融物の固化を防止して、溶解取出筒12からのス
ムーズな排出を可能にする。
【0053】前記焼却炉本体1の外側を覆う外ケーシン
グ13は図1に示すごとく4本の熱風回収パイプ22を
取り付けてあり、各熱風回収パイプ22の先は対応する
イオン火炎発生装置2と接続してある。この熱風回収パ
イプ22は焼却炉本体1からの輻射熱で加熱された高温
の空気を回収し、高温の空気をイオン火炎発生装置2に
送り込んで熱の再利用を行ない、焼却炉のエネルギー効
率を高めるものである。
【0054】前記イオン火炎発生装置2は焼却炉本体1
の外周に4本、十字状(放射状)に取り付け、各2本づ
つが対向するようにしてある。イオン火炎発生装置2を
十字状に配置することにより、各装置2から発せられる
爆発的な燃焼(13〜15m/sの燃焼)による高燃焼
音を互いに衝突させ、音波の打ち消し作用や音波の衝突
により生じるドップラー効果により減音できるようにし
てある。またイオン火炎発生装置2を均等間隔の放射状
に配置することで、各装置2のイオン増殖器4から発せ
られる高周波磁場をトカマク方式の閉じ込めに必要な磁
場に成形できるようにもしてある。即ち、イオン火炎発
生装置2から噴射される陽イオン火炎を前記成形磁場に
よりトラップし、焼却炉本体1内においてドーナツ状に
閉じ込めできるようにしてある。このトカマク方式の磁
場により高温で侵食性の強い陽イオン火炎を耐熱性パイ
プ3にのみ集中して効果的な焼却ができるようにし、ま
た焼却炉本体1の内壁や火格子板15、16等には当た
らないようにして炉の耐久性を高めている。
【0055】図9に示す排気ガス浄化装置群は、排気ガ
ス冷却タンク90、クーリングタワー91、脱塩装置
(脱塩槽)92、脱硫装置(脱硫槽)93、脱硝装置
(脱窒素槽)94、水槽95からなる。焼却炉本体1の
排気筒11から排気される高温で有害ガスは、排気ガス
冷却タンク90で冷却され、脱塩槽92で塩化物が除去
され、脱硫槽93で硫化物が除去され、脱窒素槽93で
窒素ガスが除去されて、低温、無公害のガスを大気中に
放出できるようにしてある。
【0056】前記焼却炉は図9に示すように、搬送され
てきた処理対象物を高所のゴミ投入ホッパー17に送り
込む搬送装置95や、焼却炉の溶解取出筒12から排出
される溶融物を冷やし、固化し、粉砕してダンプカー等
に積載するための処理装置96等を備える。
【0057】次に前記焼却炉の動作例を以下に説明す
る。前記イオン火炎発生装置2は、スタートすると、1
800度位まで灯油を燃焼して陽イオン火炎を発生し、
その後1800度を超えたころから金属粉末混合油を燃
焼して陽イオン火炎を発生し、その後2500度を超え
るころから水も燃焼して4000度を超える強力な陽イ
オン火炎を発生する。
【0058】焼却炉本体1内には4機のイオン火炎発生
装置2から高エネルギーの陽イオン火炎が噴射され、こ
の陽イオン火炎がドーナツ状に閉じ込められ、炉内温度
が4000〜4500度程度に保たれる。この状態でゴ
ミ投入ホッパー17に処理対象物を投入すると、これら
処理対象物は耐熱性パイプ3を落下する際、炉内の陽イ
オン火炎及びその熱にさらされて瞬時に焼却、溶融さ
れ、高温の溶融物となって溶融溜18に溜められる。溶
融溜18内は高周波により加温されており、溶融物は固
化することなく溶融状態のまま溜められる。溶融溜18
が溶融物で一杯になると開閉シャッター19が開き、排
出される溶融物は後段の装置96により冷却、固化さ
れ、粉砕されてスラグとなり、トラック等により搬出さ
れる。
【0059】
【使用例2】本発明の増殖型イオン火炎発生装置の焼却
炉における他の使用例を説明する。イオン増殖器4を付
加したイオン火炎発生装置2、即ち増殖型イオン火炎発
生装置は焼却炉本体1に2機以上、放射状に設けること
が望ましく、例えば3機、5機、6機等と設ける。図1
1の焼却炉は5機のイオン火炎発生装置2を備えるもの
であり、各イオン発生装置2のイオン増殖器4から放射
される高周波磁場がトカマク式の閉じ込めに適する磁場
に成形され、また各イオン火炎発生装置2から噴射され
る燃焼音が焼却炉本体1内で互いに衝突されて消音され
る。なお、放射状にイオン火炎発生装置2を配置しても
十分なトカマク式の閉じ込め磁場が形成されない場合に
は、別途電磁コイルを設けてイオン火炎をドーナツ状に
封じ込めするようにすることも可能である。
【0060】
【使用例3】本発明の増殖型イオン火炎発生装置の焼却
炉における他の使用例を説明する。イオン増殖器4を付
加したイオン火炎発生装置2、即ち増殖型イオン火炎発
生装置は焼却炉本体1に1機だけ設けることも可能であ
る。図10はその例であり、イオン火炎発生装置2の対
向位置、及び左右位置に別途電磁コイル(強磁場/電場
発生器)100を設けるものである。この電磁コイル1
00は図4に示したイオン増殖器4と同一の構造を有す
るものであり、筒状本体60を非磁性金属(真鍮、ステ
ンレス等)のリング61と強磁性金属(鉄、ニッケル、
コバルト等)のリング62を交互につないで筒状に作製
し、各強磁性金属リング62の外周に電磁コイル63を
取り付けるものである。
【0061】この焼却炉において、焼却炉本体1内に噴
射される陽イオン火炎は、イオン増殖器4から発生され
る高周波磁場と電磁コイル100から発生される高周波
磁場によりドーナツ状に閉じ込められる。焼却炉本体1
に設ける耐熱性パイプ3はイオン火炎発生装置2に近付
けて配置することもできるが、図中に仮想線で示される
ように炉の中心に配置することもできる。
【0062】本発明の増殖型イオン火炎発生装置は、以
上説明した焼却炉用熱源としての利用の他、各種高温を
必要とする装置に使用することができる。例えば将来の
ロケット用推進装置として期待されているイオン推進装
置や、各種イオンビームを用いる装置のイオン源として
も利用が可能である。この場合、例えばロケット用エン
ジンでは、図3のターボファン30を無くし、代わりに
タービン32を大型化し、また図4のイオン増殖器4に
おいて電磁コイル63の冷却方式を改良する。
【0063】
【発明の効果】本発明の増殖型イオン火炎発生装置を用
いれば次のような効果を得ることができる。 1.イオン火炎発生装置で発生されるイオン火炎がイオ
ン増殖器の高周波磁場/電場により高エネルギー化され
る。2.各 種装置において強力な熱源、強力な推進源、強力
なイオン源として有効に利用することができる。3.陽イオンと陰イオンとが夫々逆方向に加速されて分
離されるため、両者の 結合が妨げられ、火炎の中性化が
抑制される。
【0064】本発明のうち請求項2記載のイオン火炎発
生装置を用いれば次のような効果を得ることができる。1.イオン火炎発生装置で発生されるイオン火炎がイオ
ン増殖器の高周波磁場/電場により高エネルギー化され
る。 2.各種装置において強力な熱源、強力な推進源、強力
なイオン源として有効に利用することができる。 3.鉄やアルミ等の金属燃料を使用すると、火炎中のイ
オン数をより増大することができ、強力なイオン火炎を
発生することができる。
【0065】本発明のうち請求項3記載のイオン火炎発
生装置を用いれば次のような効果を得ることができる。1.イオン火炎発生装置で発生されるイオン火炎がイオ
ン増殖器の高周波磁場/電場により高エネルギー化され
る。 2.各種装置において強力な熱源、強力な推進源、強力
なイオン源として有効に利用することができる。 3.高温で解離された水のイオンがイオン数を増大し、
強力なイオン火炎を発生することができる。 4.殆どコストのかからない水を燃料として使用するた
め経済的である
【0066】本発明のうち請求項4記載のイオン火炎発
生装置を用いれば、請求項1と請求項2のイオン火炎発
生装置の両者の効果を併せ持った効果が得られる。
【0067】本発明のうち請求項5記載のイオン火炎発
生装置を用いれば、請求項1と請求項3のイオン火炎発
生装置の両者の効果を併せ持った効果が得られる。
【0068】本発明のうち請求項6記載のイオン火炎発
生装置を用いれば、請求項1、2、3のイオン火炎発生
装置の三者の効果を併せ持った効果が得られる。
【0069】本発明のうち請求項7記載のイオン火炎発
生装置を用いれば、請求項1〜請求項6のイオン火炎発
生装置の効果の他に、高周波磁場/電場による正負両イ
オン粒子の加速で、イオン化されていない粒子にイオン
を弾性衝突してイオン数を増大することができる、とい
う効果をも併せ持った効果が得られる。
【0070】本発明のうち請求項8記載のイオン火炎発
生装置を用いれば、請求項1〜請求項6のイオン火炎発
生装置の効果の他に、交互に配置された磁性体と非磁性
体による段階的な磁気絞り効果でイオン火炎を強力に絞
り込み、高エネルギー化することができる、という効果
をも併せ持った効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼却炉の第1の実施形態を示した概略
斜視図。
【図2】図1の焼却炉の縦断面図。
【図3】図1のイオン火炎発生装置の縦断面図。
【図4】図1のイオン増殖器の縦断面図。
【図5】図3のイオン火炎発生装置に取り付けられる燃
料煙霧化器の取り付け説明図。
【図6】図5の燃料煙霧化器の縦断面図。
【図7】図1の焼却炉に取り付けられる燃料装置のうち
金属燃料供給器の縦断面図。
【図8】図1の耐熱性パイプの酸化防止構造を示した説
明図。
【図9】図1の焼却炉の付加設備を示した概略図。
【図10】本発明の焼却炉の第2の実施形態を示した横
断面図。
【図11】本発明の焼却炉の第3の実施形態を示した横
断面図。
【図12】従来のイオン火炎発生装置を用いた焼却炉の
縦断面図。
【図13】(a)は図12の焼却炉の横断面図、(b)
は(a)の部分断面図。
【符号の説明】
2 イオン火炎発生装置 4 イオン増殖器 25 黒鉛パイプ 60 筒状本体 63 電磁コイル 72 水燃料供給器 73 金属燃料供給器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズマ
    化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火炎
    発生装置(2)と、同イオン火炎発生装置(2)から発
    生されたイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイ
    オン増殖器(4)を設け、イオン増殖器(4)の高周波
    磁場/電場はイオン火炎中の陽イオンと陰イオンを夫々
    逆方向に加速してイオンの再結合を妨げるものである
    とを特徴とする増殖型イオン火炎発生装置。
  2. 【請求項2】灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズマ
    化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火炎
    発生装置(2)と、同イオン火炎発生装置(2)から発
    生されたイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイ
    オン増殖器(4)と、鉄、アルミ等の金属粉末、或いは
    灯油等の液体燃料に前記金属粉末を混入させた金属紛混
    合油を供給可能とする金属燃料供給器(73)を備えた
    ことを特徴とする増殖型イオン火炎発生装置。
  3. 【請求項3】灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズマ
    化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火炎
    発生装置(2)と、同イオン火炎発生装置(2)から発
    生されたイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイ
    オン増殖器(4)と、水或いは灯油等の液体燃料に水を
    混入させた水燃料を供給可能とする水供給器(72)を
    備えたことを特徴とする増殖型イオン火炎発生装置。
  4. 【請求項4】灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズマ
    化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火炎
    発生装置(2)と、同イオン火炎発生装置(2)から発
    生されたイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイ
    オン増殖器(4)と、鉄、アルミ等の金属粉末、或いは
    灯油等の液体燃料に前記金属粉末を混入させた金属紛混
    合油を供給可能とする金属燃料供給器(73)を設け、
    前記イオン増殖器(4) の高周波磁場/電場はイオン火
    炎中の陽イオンと陰イオンを夫々逆方向に加速してイオ
    ンの再結合を妨げるものであることを特徴とする増殖型
    イオン火炎発生装置
  5. 【請求項5】灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズマ
    化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火炎
    発生装置(2)と、同イオン火炎発生装置(2)から発
    生されたイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイ
    オン増殖器(4)と、水或いは灯油等の液体燃料に水を
    混入させた水燃料を供給可能とする水供給器(72)を
    設け、前記イオン増殖器(4)の高周波磁場/電場はイ
    オン火炎中の陽イオンと陰イオンを夫々逆方向に加速し
    てイオンの再結合を妨げるものであることを特徴とする
    増殖型イオン火炎発生装置。
  6. 【請求項6】灯油等の燃焼火炎をイオン化(プラズマ
    化)してイオン火炎が発生されるようにしたイオン火炎
    発生装置(2)と、同イオン火炎発生装置(2)から発
    生されたイオン火炎に高周波磁場/電場を作用させるイ
    オン増殖器(4)と、鉄、アルミ等の金属粉末、或いは
    灯油等の液体燃料に前記金属粉末を混入させた金属紛混
    合油を供給可能とする金属燃料供給器(73)と、水或
    いは灯油等の液体燃料に水を混入させた水燃料を供給可
    能とする水供給器(72)を設け、前記イオン増殖器
    (4)の高周波磁場/電場はイオン火炎中の陽イオンと
    陰イオンを夫々逆方向に加速してイオンの再結合を妨げ
    るものであることを特徴とする増殖型イオン火炎発生装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6記載のいずれかの増
    殖型イオン火炎発生装置において、イオン増殖器(4)
    の高周波磁場/電場がイオン火炎中のイオンを加振する
    ものであることを特徴とする増殖型イオン火炎発生装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7記載のいずれかの増
    殖型イオン火炎発生装置において、イオン増殖器(4)
    が、磁性体と非磁性体を交互に配した筒状本体(60)
    の磁性体部分の外周に電磁コイル(63)を設けたもの
    であることを特徴とする増殖 型イオン火炎発生装置。
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