JP3083718B2 - 薄鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
薄鋳片の連続鋳造方法Info
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- JP3083718B2 JP3083718B2 JP06314258A JP31425894A JP3083718B2 JP 3083718 B2 JP3083718 B2 JP 3083718B2 JP 06314258 A JP06314258 A JP 06314258A JP 31425894 A JP31425894 A JP 31425894A JP 3083718 B2 JP3083718 B2 JP 3083718B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄鋳片の連続鋳造方法に
関し、特に鋳型内溶鋼表面において不活性ガスの渦気流
を形成し鋳型内を不活性ガスで充満させ、溶鋼の空気に
よる酸化を防ぐことで、鋳片表面に発生するスカム疵な
どの表面欠陥を防止する方法に関する。
関し、特に鋳型内溶鋼表面において不活性ガスの渦気流
を形成し鋳型内を不活性ガスで充満させ、溶鋼の空気に
よる酸化を防ぐことで、鋳片表面に発生するスカム疵な
どの表面欠陥を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来型の固定鋳型による鋳片の連続鋳造
においては、鋳型と凝固シェル間の潤滑性を確保するた
めモールドパウダーを湯面上に投入し、鋳型のオシレー
ションにより鋳型と凝固シェル間にモールドパウダーを
流入させている。この投入されたモールドパウダーが溶
鋼の表面を完全に覆っているため、溶鋼は空気と完全に
遮断され、溶鋼が鋳型内で酸化される心配がない。
においては、鋳型と凝固シェル間の潤滑性を確保するた
めモールドパウダーを湯面上に投入し、鋳型のオシレー
ションにより鋳型と凝固シェル間にモールドパウダーを
流入させている。この投入されたモールドパウダーが溶
鋼の表面を完全に覆っているため、溶鋼は空気と完全に
遮断され、溶鋼が鋳型内で酸化される心配がない。
【0003】一方、近年開発された鋳型壁が鋳片の引き
抜き速度と同期して移動する同期式の連鋳機では、前述
のモールドパウダーを使用することはほとんどない。た
とえば、同期式のベルトキャスターでは、ベルトと凝固
シェルとの潤滑性はベルトへのコーティング材の塗布に
より確保できるためである。しかし、同期式の連鋳機に
おいても溶鋼と鋳型内の空気との接触を遮断することは
必要であり、これには鋳型内を不活性ガス例えばArな
どで充満させる手段が取られている。
抜き速度と同期して移動する同期式の連鋳機では、前述
のモールドパウダーを使用することはほとんどない。た
とえば、同期式のベルトキャスターでは、ベルトと凝固
シェルとの潤滑性はベルトへのコーティング材の塗布に
より確保できるためである。しかし、同期式の連鋳機に
おいても溶鋼と鋳型内の空気との接触を遮断することは
必要であり、これには鋳型内を不活性ガス例えばArな
どで充満させる手段が取られている。
【0004】この分野の公知技術として、特開昭63−
177945号公報に湯面近傍をカバー等により密閉化
し、内部に不活性ガスを吹込む方法の開示がある。しか
し、同期式の連鋳機において、例えば、ベルトキャスタ
ーではベルトへコーティング材を塗布しており、密閉化
のためのカバーをベルトへ密着させるとコーティング材
が剥がれてしまうことから、湯面近傍の完全密閉化は不
可能である。カバーと鋳型との間に隙間があると、ここ
から空気が侵入し、耐火布等を吊り下げるだけでは空気
の侵入を遮断することは困難である。
177945号公報に湯面近傍をカバー等により密閉化
し、内部に不活性ガスを吹込む方法の開示がある。しか
し、同期式の連鋳機において、例えば、ベルトキャスタ
ーではベルトへコーティング材を塗布しており、密閉化
のためのカバーをベルトへ密着させるとコーティング材
が剥がれてしまうことから、湯面近傍の完全密閉化は不
可能である。カバーと鋳型との間に隙間があると、ここ
から空気が侵入し、耐火布等を吊り下げるだけでは空気
の侵入を遮断することは困難である。
【0005】この対策として、特開平3−27848号
公報に鋳型要部を含む溶融金属の浴面をカバーで覆い、
このカバー内に不活性ガスを吹込むとともに、鋳型とカ
バーとの隙間からカバー内のガスを吸引する方法の開示
がある。
公報に鋳型要部を含む溶融金属の浴面をカバーで覆い、
このカバー内に不活性ガスを吹込むとともに、鋳型とカ
バーとの隙間からカバー内のガスを吸引する方法の開示
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平3−278
48号公報で提案の方法によると、鋳型内のガスを吸引
する装置を設けなければならず、場所的な問題が生じ
る。つまり、鋳型上部には、湯面や注入ノズルを監視す
るカメラやベルトコーティング材の乾燥装置、さらにベ
ルト予熱装置などがあり、そこにさらにガス吸引装置を
設けると鋳型周りがいっそう煩雑化し、メンテナンスも
困難となる。本発明はモールドパウダーレス鋳造の課題
である溶鋼の鋳型内での空気酸化を、安価でスペース的
に簡単な設備で鋳型内を不活性ガスで充満させることで
防止する薄鋳片の連続鋳造方法を提供する。
48号公報で提案の方法によると、鋳型内のガスを吸引
する装置を設けなければならず、場所的な問題が生じ
る。つまり、鋳型上部には、湯面や注入ノズルを監視す
るカメラやベルトコーティング材の乾燥装置、さらにベ
ルト予熱装置などがあり、そこにさらにガス吸引装置を
設けると鋳型周りがいっそう煩雑化し、メンテナンスも
困難となる。本発明はモールドパウダーレス鋳造の課題
である溶鋼の鋳型内での空気酸化を、安価でスペース的
に簡単な設備で鋳型内を不活性ガスで充満させることで
防止する薄鋳片の連続鋳造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するものであって、その要旨とするところは、双ベ
ルト式連鋳機の鋳型に短辺側を形成している両短辺ブロ
ック各々に、該短辺ブロック側壁面幅方向に沿ってスリ
ット開口したノズルを配置し、該両ノズルから前記鋳型
の溶湯面に向けて不活性ガスを吹込み、溶湯面上でか
つ、短辺ブロック方向から該鋳型長辺方向中央部に向け
て不活性ガスを流し、該鋳型長辺方向中央部で上昇させ
ることにより該鋳型内に渦気流を形成すること、前記
方法においてスリット開口したノズルの不活性ガス吹き
出し口位置が、溶鋼湯面からの高さが湯面と鋳型上端部
の距離の1/2以下とし、かつ該吹き出し口から湯面に
対して垂直方向に不活性ガスを吹込むこと、前記スリ
ット開口したノズルの不活性ガス吹き出し口から湯面に
対して垂直方向への不活性ガス吹込みに加えて、鋳型上
部で、かつ溶鋼湯面と平行する方向にも不活性ガスを吹
込むこと、前記溶鋼湯面に対して垂直方向と平行方向
への不活性ガス吹込みにおいて、鋳型上部で、かつ溶鋼
湯面と平行する方向に吹込む不活性ガスは、湯面に対し
て垂直方向に吹込む不活性ガス流から分流したこと、
前記不活性ガス吹込みの吹込み量が、1分当たり溶鋼湯
面と鋳型壁及び鋳型上端部とで構成する鋳型内空間容量
の1.5倍以上を供給すること、前記不活性ガス吹込
みの吹込み速度が、1.0〜5.0m/sの範囲である
ことを夫々特徴とするものである。
決するものであって、その要旨とするところは、双ベ
ルト式連鋳機の鋳型に短辺側を形成している両短辺ブロ
ック各々に、該短辺ブロック側壁面幅方向に沿ってスリ
ット開口したノズルを配置し、該両ノズルから前記鋳型
の溶湯面に向けて不活性ガスを吹込み、溶湯面上でか
つ、短辺ブロック方向から該鋳型長辺方向中央部に向け
て不活性ガスを流し、該鋳型長辺方向中央部で上昇させ
ることにより該鋳型内に渦気流を形成すること、前記
方法においてスリット開口したノズルの不活性ガス吹き
出し口位置が、溶鋼湯面からの高さが湯面と鋳型上端部
の距離の1/2以下とし、かつ該吹き出し口から湯面に
対して垂直方向に不活性ガスを吹込むこと、前記スリ
ット開口したノズルの不活性ガス吹き出し口から湯面に
対して垂直方向への不活性ガス吹込みに加えて、鋳型上
部で、かつ溶鋼湯面と平行する方向にも不活性ガスを吹
込むこと、前記溶鋼湯面に対して垂直方向と平行方向
への不活性ガス吹込みにおいて、鋳型上部で、かつ溶鋼
湯面と平行する方向に吹込む不活性ガスは、湯面に対し
て垂直方向に吹込む不活性ガス流から分流したこと、
前記不活性ガス吹込みの吹込み量が、1分当たり溶鋼湯
面と鋳型壁及び鋳型上端部とで構成する鋳型内空間容量
の1.5倍以上を供給すること、前記不活性ガス吹込
みの吹込み速度が、1.0〜5.0m/sの範囲である
ことを夫々特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明の作用について以下に説明する。本発明
者等は上記従来の問題を解決することを目的として、薄
鋳片の連続鋳造方法において鋳型内に吹込まれた不活性
ガスの流動を解明し、鋳型を完全密閉化することなく鋳
型内を不活性ガスで満たす方法を検討した結果、本発明
を開発したものである。
者等は上記従来の問題を解決することを目的として、薄
鋳片の連続鋳造方法において鋳型内に吹込まれた不活性
ガスの流動を解明し、鋳型を完全密閉化することなく鋳
型内を不活性ガスで満たす方法を検討した結果、本発明
を開発したものである。
【0009】本発明は双ベルト式連鋳機の鋳型を形成し
ている左右の短辺ブロックの各々に設置したノズルから
鋳型内に不活性ガスを種々条件を変えて吹込み、適正な
条件を選択することにより不活性ガスが渦気流を形成す
ることを知見し、これをコントロールする手段を実現し
たものである。すなわち、本発明では不活性ガスの吹込
み位置や流速を最適化することで鋳型内のガス流動パタ
ーンをコントロールし、鋳型上部の空気を巻き込まず鋳
型内に不活性ガスの渦気流をつくることで、常に純度の
高い不活性ガスが溶鋼の表面上を這って流れるため、効
率良く安定して溶鋼の酸化を防止することが可能とな
る。
ている左右の短辺ブロックの各々に設置したノズルから
鋳型内に不活性ガスを種々条件を変えて吹込み、適正な
条件を選択することにより不活性ガスが渦気流を形成す
ることを知見し、これをコントロールする手段を実現し
たものである。すなわち、本発明では不活性ガスの吹込
み位置や流速を最適化することで鋳型内のガス流動パタ
ーンをコントロールし、鋳型上部の空気を巻き込まず鋳
型内に不活性ガスの渦気流をつくることで、常に純度の
高い不活性ガスが溶鋼の表面上を這って流れるため、効
率良く安定して溶鋼の酸化を防止することが可能とな
る。
【0010】本発明者等は、模型実験にてガス流れの可
視化を行い、安定した渦気流を形成するためのガスの吹
込み条件を調査した。図2は本発明の効果を確認するた
めに用いた模型で、鋳型は透明なアクリル板で製作され
ており、吹込まれたガスの流れを可視化するため空気に
ドライアイスを気化させて混合したガスを鋳型の中に吹
込んだ。
視化を行い、安定した渦気流を形成するためのガスの吹
込み条件を調査した。図2は本発明の効果を確認するた
めに用いた模型で、鋳型は透明なアクリル板で製作され
ており、吹込まれたガスの流れを可視化するため空気に
ドライアイスを気化させて混合したガスを鋳型の中に吹
込んだ。
【0011】図1は本発明における理想的な不活性ガス
の渦流状態を模式的に示したもので、鋳型内に図1に示
すような渦気流を形成するためには、鋳型の左右短辺ブ
ロック側から鋳型面に沿って湯面に垂直方向にガスを吹
込み、短辺ブロック側から鋳片の長さ方向中央部に向け
て不活性ガスを流し、中央部から上昇することが好まし
い。
の渦流状態を模式的に示したもので、鋳型内に図1に示
すような渦気流を形成するためには、鋳型の左右短辺ブ
ロック側から鋳型面に沿って湯面に垂直方向にガスを吹
込み、短辺ブロック側から鋳片の長さ方向中央部に向け
て不活性ガスを流し、中央部から上昇することが好まし
い。
【0012】ここで、渦気流の直径が湯面と鋳型上端部
との距離より大きくなると、鋳型上部からの空気の巻き
込みが起こるため、渦気流の直径は湯面と鋳型上端部と
の距離より小さくする必要がある。そのため、ガスの吹
込み位置は鋳型の短辺部にて湯面からの高さが湯面と鋳
型上端部との距離の1/2以下とする位置から湯面に垂
直方向に吹込むことが好ましい条件であることが分かっ
た。
との距離より大きくなると、鋳型上部からの空気の巻き
込みが起こるため、渦気流の直径は湯面と鋳型上端部と
の距離より小さくする必要がある。そのため、ガスの吹
込み位置は鋳型の短辺部にて湯面からの高さが湯面と鋳
型上端部との距離の1/2以下とする位置から湯面に垂
直方向に吹込むことが好ましい条件であることが分かっ
た。
【0013】図3は不活性ガス吹込み実験での不活性ガ
ス流水状況を可視化した結果を示すが、吹込み深さを上
記条件を満たすように深くした左側のドライアイスが、
吹込み深さが浅い右側のものより安定しており、鋳型上
部からの空気の巻き込みが防止されていることが分か
る。
ス流水状況を可視化した結果を示すが、吹込み深さを上
記条件を満たすように深くした左側のドライアイスが、
吹込み深さが浅い右側のものより安定しており、鋳型上
部からの空気の巻き込みが防止されていることが分か
る。
【0014】さらに、この渦気流はノズルから吐出され
たガスの運動量によって形成されるため、安定した渦気
流を形成するためには、図4に示すようにノズルからの
吐出流速は1.0m/s以上を確保しノズル吐出流の運
動量を保持する必要がある。しかし、ノズルからの吐出
流速が5.0m/s以上に大きくなると乱流特有の渦の
乱れが激しくなり、さらに渦の回転速度も速くなること
で、鋳型上部の空気層からの、空気の巻き込みが激しく
なる。したがって、ノズルからの吐出流速は1.0〜
5.0m/sの範囲が最適であることが分かった。
たガスの運動量によって形成されるため、安定した渦気
流を形成するためには、図4に示すようにノズルからの
吐出流速は1.0m/s以上を確保しノズル吐出流の運
動量を保持する必要がある。しかし、ノズルからの吐出
流速が5.0m/s以上に大きくなると乱流特有の渦の
乱れが激しくなり、さらに渦の回転速度も速くなること
で、鋳型上部の空気層からの、空気の巻き込みが激しく
なる。したがって、ノズルからの吐出流速は1.0〜
5.0m/sの範囲が最適であることが分かった。
【0015】図5は図3同様に不活性ガス吹込み実験で
の不活性ガスの流れ状況を示したもので、鋳型上部に空
気の流れがある場合、図に示すように、鋳型上部の空気
層の乱れが激しくなり、鋳型上部の乱れた空気が渦気流
に巻き込まれる現象が起こることが可視化実験にて分か
った。渦気流による鋳型上部の空気の巻き込みが発生す
ると、渦気流中の酸素濃度が上昇し鋳型内を不活性ガス
で完全に満たすことができなくなる。したがって、鋳型
上部の空気の巻き込みを確実に防止するためには、鋳型
上部の空気の流れを遮断することと鋳型上部を不活性ガ
スで満たすことが有効である。
の不活性ガスの流れ状況を示したもので、鋳型上部に空
気の流れがある場合、図に示すように、鋳型上部の空気
層の乱れが激しくなり、鋳型上部の乱れた空気が渦気流
に巻き込まれる現象が起こることが可視化実験にて分か
った。渦気流による鋳型上部の空気の巻き込みが発生す
ると、渦気流中の酸素濃度が上昇し鋳型内を不活性ガス
で完全に満たすことができなくなる。したがって、鋳型
上部の空気の巻き込みを確実に防止するためには、鋳型
上部の空気の流れを遮断することと鋳型上部を不活性ガ
スで満たすことが有効である。
【0016】鋳型上部の空気の流れの遮断は、鋳型上部
を不活性ガスで満たせばよく、鋳型短辺部の鋳型上部か
ら湯面と平行する方向に不活性ガスを吹込むことにて達
成できる。また鋳型上部への遮断板の設置にても達成で
きる。
を不活性ガスで満たせばよく、鋳型短辺部の鋳型上部か
ら湯面と平行する方向に不活性ガスを吹込むことにて達
成できる。また鋳型上部への遮断板の設置にても達成で
きる。
【0017】図2の模型実験装置を使い、以上の条件に
吹込みノズルを設置して、不活性ガスの吹込み流量と鋳
型内の酸素濃度の関係を調査し、必要不活性ガス流量を
求めた。図6は鋳型内容積当りの不活性ガス吹込み量と
鋳型内酸素濃度の関係を示したもので図に示すように鋳
型内を不活性ガスで安定して満たすためには、鋳型内に
吹込む不活性ガスの流量は、鋳型内空気の1.5倍以上
の体積を1分間に供給することが必要であることが分か
った。
吹込みノズルを設置して、不活性ガスの吹込み流量と鋳
型内の酸素濃度の関係を調査し、必要不活性ガス流量を
求めた。図6は鋳型内容積当りの不活性ガス吹込み量と
鋳型内酸素濃度の関係を示したもので図に示すように鋳
型内を不活性ガスで安定して満たすためには、鋳型内に
吹込む不活性ガスの流量は、鋳型内空気の1.5倍以上
の体積を1分間に供給することが必要であることが分か
った。
【0018】
【実施例】図7に本発明を実機において適用した例を、
図8に図7の吹込み管の拡大した図を示し、以下具体的
に説明する。図示のベルトキャスターは、鋳型の長辺に
あたる一対の平行な移動ベルト2と鋳型の短辺にあたる
一対の移動短片ブロック3とから構成される。溶鋼4は
フラットノズル1を溶鋼4中に浸漬して供給される。不
活性ガスとしてArガスを用いガス供給管8からArガ
スをノズル9へ供給しノズル吹出し口6から湯面垂直方
向へ、また吹出し口7から湯面に平行な方向へ一部分流
して鋳型内へ吹込む。又ノズル9は末広がりをして、A
rガス流速を低減している。模型実験での知見を基に、
鋳型の短辺部に沿って不活性ガスの吹込み管を設置し、
以下のように条件を設定して本発明要件の効果を確認し
た。
図8に図7の吹込み管の拡大した図を示し、以下具体的
に説明する。図示のベルトキャスターは、鋳型の長辺に
あたる一対の平行な移動ベルト2と鋳型の短辺にあたる
一対の移動短片ブロック3とから構成される。溶鋼4は
フラットノズル1を溶鋼4中に浸漬して供給される。不
活性ガスとしてArガスを用いガス供給管8からArガ
スをノズル9へ供給しノズル吹出し口6から湯面垂直方
向へ、また吹出し口7から湯面に平行な方向へ一部分流
して鋳型内へ吹込む。又ノズル9は末広がりをして、A
rガス流速を低減している。模型実験での知見を基に、
鋳型の短辺部に沿って不活性ガスの吹込み管を設置し、
以下のように条件を設定して本発明要件の効果を確認し
た。
【0019】・鋳型幅1300m、厚み75mm ・湯面から鋳型上端までの距離 635mm ・鋳型内空間 約280 リットル ・不活性ガス Ar ・吹込み高さ 垂直方向:湯面から300〜600mm
の範囲 水平方向:湯面から400mm ・吹込み流量 100〜800 リットル/min ・吹出し速度 0.6〜6.0 m/s
の範囲 水平方向:湯面から400mm ・吹込み流量 100〜800 リットル/min ・吹出し速度 0.6〜6.0 m/s
【0020】以上のごとく設定して、実鋳造中の鋳型内
の酸素濃度を湯面から100mmの位置にて測定するこ
とで、本発明要件の効果を確認した。なお、鋳型3内へ
の不活性ガスの吹込みは鋳造開始5分前より実施した。
の酸素濃度を湯面から100mmの位置にて測定するこ
とで、本発明要件の効果を確認した。なお、鋳型3内へ
の不活性ガスの吹込みは鋳造開始5分前より実施した。
【0021】図9(a),(b)は、不活性ガス吹込み
流量600リットル/minの一定条件において湯面に
垂直方向の吹込み高さを変化させた場合の鋳造時間経過
による鋳型内の酸素濃度を示す。吹込み高さが湯面から
400mmの位置(図9(a))では鋳型内の酸素濃度
が増加し不安定になるが、吹込み高さを湯面と鋳型上端
部の距離の1/2以下である300mmの位置(図9
(b))にすると、鋳型内の酸素濃度は安定して0.2
%以下を達成できた。したがって、湯面からの高さが湯
面と鋳型上端部の距離の1/2以下とする位置から不活
性ガスを吹込む必要があることがわかる。また、図10
は溶鋼湯面に平行方向への不活性ガス分流の効果を示し
たもので図に示すように、水平方向への不活性ガスの吹
込みを止めると、酸度濃度が増加し、酸素濃度を0.1
%以下とすることは困難である。
流量600リットル/minの一定条件において湯面に
垂直方向の吹込み高さを変化させた場合の鋳造時間経過
による鋳型内の酸素濃度を示す。吹込み高さが湯面から
400mmの位置(図9(a))では鋳型内の酸素濃度
が増加し不安定になるが、吹込み高さを湯面と鋳型上端
部の距離の1/2以下である300mmの位置(図9
(b))にすると、鋳型内の酸素濃度は安定して0.2
%以下を達成できた。したがって、湯面からの高さが湯
面と鋳型上端部の距離の1/2以下とする位置から不活
性ガスを吹込む必要があることがわかる。また、図10
は溶鋼湯面に平行方向への不活性ガス分流の効果を示し
たもので図に示すように、水平方向への不活性ガスの吹
込みを止めると、酸度濃度が増加し、酸素濃度を0.1
%以下とすることは困難である。
【0022】図11は、鋳型内の酸素濃度に及ぼす吹込
みArガス流量の効果を示した図で、Arガスの吹込み
流量を一定とした鋳造において、設定したArガス流量
を横軸にその鋳造での酸素濃度の平均値を縦軸にして示
したものである。この図からArガス流量の増加ととも
に鋳型内の酸素濃度は減少して行き、450リットル/
min以上吹込むことで酸素濃度は0.1%以下とな
る。したがって、吹込みガス流量は、鋳型内空間の1.
5倍以上の体積を1分間に供給することが好ましいこと
がわかる。吹出し速度が大き過ぎると、鋳型3上部の空
気の巻き込みが激しくなること、逆に小さすぎると、渦
が形成されにくくなることから、吹出し速度は1.0か
ら5.0m/sが適性値であることが分かる。
みArガス流量の効果を示した図で、Arガスの吹込み
流量を一定とした鋳造において、設定したArガス流量
を横軸にその鋳造での酸素濃度の平均値を縦軸にして示
したものである。この図からArガス流量の増加ととも
に鋳型内の酸素濃度は減少して行き、450リットル/
min以上吹込むことで酸素濃度は0.1%以下とな
る。したがって、吹込みガス流量は、鋳型内空間の1.
5倍以上の体積を1分間に供給することが好ましいこと
がわかる。吹出し速度が大き過ぎると、鋳型3上部の空
気の巻き込みが激しくなること、逆に小さすぎると、渦
が形成されにくくなることから、吹出し速度は1.0か
ら5.0m/sが適性値であることが分かる。
【0023】
【発明の効果】本発明によって鋳型内に不活性ガスの渦
気流を安定して形成させることにより、安価でしかも簡
単な設備で鋳型内の溶鋼の空気酸化を防止した、薄鋳片
の連続鋳造を実現することが可能となった。
気流を安定して形成させることにより、安価でしかも簡
単な設備で鋳型内の溶鋼の空気酸化を防止した、薄鋳片
の連続鋳造を実現することが可能となった。
【図1】本発明における不活性ガスの濁流状態を模式的
に示した図
に示した図
【図2】本発明効果を確認するための模型を示した図
【図3】ガス吹込み実験でのガス流水状況を示す図
【図4】酸素濃度とノズルからの吐出流速の関係を示す
図
図
【図5】ガス吹込み実験でのガス流水状況を示す図
【図6】ガス吹込み実験でのガス吹込み量と鋳型内酸素
濃度の関係を示す図
濃度の関係を示す図
【図7】本発明における不活性ガス吹込み状態を示す図
【図8】図7の一部拡大斜視図
【図9】溶鋼湯面からの不活性ガス吹込み高さを変えた
ときの酸素濃度の変化状況を示す図
ときの酸素濃度の変化状況を示す図
【図10】溶鋼湯面に平行する不活性ガス吹込みがない
場合の酸素濃度の変化状況を示す図
場合の酸素濃度の変化状況を示す図
【図11】不活性ガス吹込み量と鋳型内酸素濃度の関係
を示す図
を示す図
1 フラットノズル 2 ベルト 3 移動短辺ブロック 4 溶鋼 5 短辺ブロックカバー 6 不活性ガス吹出し口(湯面垂直方向) 7 不活性ガス吹出し口(湯面平行方向) 8 不活性ガス供給管 9 不活性ガス吹込みノズル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−177945(JP,A) 特開 平3−27848(JP,A) 特開 平4−224055(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/06 B22D 11/10
Claims (6)
- 【請求項1】 双ベルト式連鋳機の鋳型に短辺側を形成
している両短辺ブロック各々に、該短辺ブロック側壁面
幅方向に沿ってスリット開口したノズルを配置し、該両
ノズルから前記鋳型の溶湯面に向けて不活性ガスを吹込
み、溶湯面上でかつ、短辺ブロック方向から該鋳型長辺
方向中央部に向けて不活性ガスを流し、該鋳型長辺方向
中央部で上昇させることにより該鋳型内に渦気流を形成
することを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のスリット開口したノズル
の不活性ガス吹き出し口位置が、溶鋼湯面からの高さが
湯面と鋳型上端部の距離の1/2以下とし、かつ該吹き
出し口から湯面に対して垂直方向に不活性ガスを吹込む
ことを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載のスリット開口したノズル
の不活性ガス吹き出し口から湯面に対して垂直方向への
不活性ガス吹込みに加えて、鋳型上部で、かつ溶鋼湯面
と平行する方向にも不活性ガスを吹込むことを特徴とす
る薄鋳片の連続鋳造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の溶鋼湯面に対して垂直方
向と平行方向への不活性ガス吹込みにおいて、鋳型上部
で、かつ溶鋼湯面と平行する方向に吹込む不活性ガス
は、湯面に対して垂直方向に吹込む不活性ガス流から分
流したことを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の不活性ガス吹込みの吹込
み量が、1分当たり溶鋼湯面と鋳型壁及び鋳型上端部と
で構成する鋳型内空間容量の1.5倍以上供給すること
を特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。 - 【請求項6】 請求項1記載の不活性ガス吹込みの吹込
み速度が、1.0〜5.0m/sの範囲であることを特
徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06314258A JP3083718B2 (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06314258A JP3083718B2 (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08150444A JPH08150444A (ja) | 1996-06-11 |
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Family Applications (1)
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JP06314258A Expired - Fee Related JP3083718B2 (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 薄鋳片の連続鋳造方法 |
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JP (1) | JP3083718B2 (ja) |
-
1994
- 1994-11-25 JP JP06314258A patent/JP3083718B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08150444A (ja) | 1996-06-11 |
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