JP3081261B2 - 原稿読取用レンズ - Google Patents

原稿読取用レンズ

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JP3081261B2 JP03052509A JP5250991A JP3081261B2 JP 3081261 B2 JP3081261 B2 JP 3081261B2 JP 03052509 A JP03052509 A JP 03052509A JP 5250991 A JP5250991 A JP 5250991A JP 3081261 B2 JP3081261 B2 JP 3081261B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は原稿読取用レンズに関
する。
【0002】
【従来の技術】近来、ファクシミリ装置やデジタル複写
機等の小型・高速化・低価格化が意図され、それに伴
い、これら装置に用いられる原稿読取用レンズも小型・
低価格で明るいものが求められている。
【0003】原稿読取用レンズでレンズの構成枚数が少
なく、小型・低価格化の容易なものとしてトリプレット
型のものが従来から知られている(特開昭61−134
720号公報、同64−21411号公報、同63−1
35911号公報)。
【0004】これら従来の原稿読取用レンズのうち、特
開昭61−134780号公報、同64−21411号
公報記載のものは何れも、F/No=5.6と明るさの
面で問題があり、原稿の高速読取に向かないし、近来低
価格のファクシミリ装置等で意図されている原稿のLE
D照明にも適応が難しい。
【0005】また特開昭63−135911号公報記載
のレンズはF/No=4.0と明るいが、半画角が18
度と画角が狭く、1/10程度の縮率では読取得る最大
原稿がB列6番程度と小さく、実用的でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
事情に鑑みてなされたものであって、小型・低価格で明
るく、且つ広画角である新規な原稿読取用レンズの提供
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の原稿読取用レ
ンズは、図1に示すようにトリプレット型であって、物
体側から像側へ向かって順次、第1群1ないし第3群3
を配してなり、第2群2と第3群3との間に絞り6を有
する。
【0008】第1群1は凸面を物体側に向けた正メニス
カスレンズであり、第2群2は凹面を像側に向けた負メ
ニスカスレンズである。また第3群3は凸面を像側に向
けた正メニスカスレンズである。従って全体の構成は3
群3枚構成である。
【0009】これら第1ないし第3群のレンズのうち、
第2群2と第3群3とは樹脂材料により形成される。ま
た第2群2および第3群3は、それぞれ少なくとも1
つ、非球面を有する。
【0010】第j群(J=1〜3)レンズのd線に対す
るアッベ数及び焦点距離をjをサフィックスとして、そ
れぞれνj及びfj、物体側から数えて第i番目の面(絞
り面を含む)の曲率半径をiをサフィックスとしてRi
(i=1〜7)、第i番目の面と第i+1番目の面の光
軸上の面間隔をiをサフィックスとしてDi(i=1〜
6)、全系の合成焦点距離をfとするとき、請求項1の
原稿読取用レンズは (1) 29<ν2<33 (2) 55<ν3<62 (3) 0.6<|f2|/f3<0.8 (4) 0.5<f1/f<1.0 なる条件を満足する。
【0011】請求項1の原稿読取用レンズはまた、上記
条件(1)ないし(4)に更に加えて以下の条件を満足
する。 (5) 0.8<R1/(D1+D2+D3+D4)<1.0 (6) 0.7<|R7|/(D5+D6)<1.2
【0012】
【作用】上記のように、この発明の原稿読取用レンズで
は第2群,第3群を樹脂材料で構成し、第2群及び第3
群のそれぞれに1面以上の非球面を採用して収差の良好
化を図っている。
【0013】また、樹脂材料による第2,第3群を負・
正メニスカスレンズの組合せとして温・湿度変化による
焦点移動を小さく抑え、像面の移動を軽減している。
【0014】3群3枚構成のレンズでは色収差の補正の
ため、正レンズに低分散の材料を用い、負レンズに高分
散の材料を用いるが、この発明の原稿読取用レンズで
は、第2,第3群を樹脂材料で構成するので樹脂材料に
よる制限を受ける。
【0015】条件(1)(2)は、第2,第3群の形成
に使用可能な樹脂材料の範囲内で色収差を補正するため
の条件である。これらの条件の範囲を外れると、適当な
樹脂材料が無かったり、あるいは良好な色収差補正を行
うことができない。
【0016】上述の如く、この発明では第2,第3群を
負・正メニスカスレンズの組合せとし、温度の変化によ
る像面の移動を、負メニスカスレンズの影響と正メニス
カスレンズの影響が有効に相殺しあうようにしている。
条件(3)は、第2,第3群の屈折力を適正に配分する
ことにより温度変化による像面位置の変化をレンズ系の
みで補正できるようにするための条件である。条件
(3)の範囲内では、機械的な補正手段を必要としない
程度に、温度変化による像面の変動を小さく抑えること
ができる。
【0017】条件(4)は、レンズ系としてのコンパク
ト性と、収差とを良好に保つための条件である。上限を
超えると、第1群の径・肉厚とも大きくなりコンパクト
性が損なわれ、材料費も高くなってコストが上昇する。
また中間画角においてメリディオナルが正となり、非点
隔差が大きくなり、コマ収差も悪化する。下限を超える
と、第1番目のレンズ面の曲率半径R1が小さくなって
加工性が悪くなり、コストの上昇を招く。また球面収差
・コマ収差・非点収差の補正が困難になる。
【0018】この発明の原稿読取用レンズは各レンズの
レンズ面が、当該レンズ面より絞り側に曲率中心を持
ち、且つ絞りに対して対称な配置となっている。
【0019】件(5)(6)は、第1番目の面と第7
番目の面の曲率半径を適切に配分することにより、コマ
収差・非点収差・歪曲収差を良好に補正するための条件
である。これら条件(5)(6)の範囲を外れると、上
記各収差のバランス良い補正が困難になる。
【0020】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げる。図1に示す
ように、物体側から数えて第i番目の面(絞り面及び符
号4で示す固体撮像素子CCDのカバーガラスの面を含
む)の曲率半径を、iをサフィックスとしてRi(i=
1〜9)とし、物体側から数えて第i番目の面と第i+
1番目の面の光軸上の面間隔をiをサフィックスとして
i(i=1〜8)とする。また、第j群(J=1〜
3)のレンズのd線に対する屈折率とアッベ数をjをサ
フィックスとしてNj,νjとする。さらにカバーガラス
4の屈折率とアッベ数を上記サフィックスj=4として
表示する。またfをもって全系の合成焦点距離、F/N
oをもって明るさ、mをもって倍率、ωをもって半画角
(単位:度)、Yをもって物体高を表す。
【0021】非球面は周知の如く、光軸に合致させてX
軸、光軸に直交する方向にY軸を取り、近軸曲率半径R
の逆数即ち光軸上の曲率をC(=1/R)、円錐定数をK、
4次,6次,8次,10次の非球面係数をそれぞれA,
B,D,Fとするとき、 X=[CY2/{1+√[1+(1+K)C22]}] +A・Y4+B・Y6+D・Y8+F・Y10 なる曲線を光軸の周りに回転して得られる曲面であり、
近軸曲率半径の他、円錐定数と高次の非球面係数A,
B,D,Fを与えて形状を特定する。上記式中の記号√
[ ]は、[ ]内の量の平方根を意味する。また非球
面の表示においてEとそれに続く数字はべき乗を示す。
即ち、例えば「E−10」とあれば、これは1/10
10を意味し、この数値が、その前にある数値に乗ぜら
れるのである。
【0022】実施例1 f=20,F/No=4,m=0.088,ω=23.7,Y=108 i Rii j Nj νj 1 7.357 4.09 1 1.81600 46.6 2 16.185 0.1 3 9.216 1.0 2 1.58347 29.3 4 3.43 2.61 5 ∞(絞り) 1.07 6 −15.037 4.01 3 1.49142 57.8 7 −5.206 13.79 8 ∞ 0.7 4 1.51633 64.1 9 ∞
【0023】非球面 第4面 第7面 K= 0.323758 K= 0.086782 A=−0.343390E−3 A= 0.111547E−3 B= 0.469775E−4 B= 0.124217E−5 D=−0.175042E−4 D= 0.217831E−6 F= 0.130424E−5 F= 0.221734E−7
【0024】条件値の値 |f2|/f3=0.70,f1/f=0.68,R1/(D1+D2+D3+D4) =0.94,|R7|/(D5+D6)=1.02
【0025】実施例2 f=20,F/No=4,m=0.088,ω=23.7,Y=108 i Rii j Nj νj 1 10.887 4.5 1 1.88300 40.8 2 25.629 2.24 3 13.781 1.0 2 1.58347 29.3 4 3.55 4.1 5 ∞(絞り) 1.53 6 −93.204 4.5 3 1.49142 57.8 7 −5.413 16.91 8 ∞ 0.7 4 1.51633 64.1 9 ∞
【0026】非球面 第3面 第7面 K= 1.569873 K=−0.483654 A=−0.246800E−3 A=−0.219214E−4 B=−0.521728E−6 B=−0.415718E−5 D=−0.381198E−7 D= 0.233316E−6 F= 0.475518E−9 F=−0.440936E−8
【0027】条件値の値 |f2|/f3=0.74,f1/f=0.94,R1/(D1+D2+D3+D4) =0.92,|R7|/(D5+D6)=0.90
【0028】実施例3 f=20,F/No=4,m=0.088,ω=23.7,Y=108 i Rii j Nj νj 1 8.344 4.5 1 1.81600 46.6 2 18.194 0.69 3 9.874 1.0 2 1.58347 29.3 4 3.3 2.73 5 ∞(絞り) 1.73 6 −16.356 2.24 3 1.49142 57.8 7 −4.53 14.7 8 ∞ 0.7 4 1.51633 64.1 9 ∞
【0029】非球面 第4面 第7面 K= 0.335582 K=−0.539309 A=−0.188451E−3 A=−0.577250E−3 B=−0.620364E−4 B=−0.355046E−4 D= 0.607716E−5 D= 0.146074E−5 F=−0.874372E−6 F=−0.109797E−6
【0030】条件値の値 |f2|/f3=0.75,f1/f=0.78,R1/(D1+D2+D3+D4) =0.94,|R7|/(D5+D6)=1.14
【0031】実施例4 f=20,F/No=4,m=0.088,ω=23.7,Y=108 i Rii j Nj νj 1 6.843 4.38 1 1.81600 46.6 2 11.736 0.1 3 7.497 1.0 2 1.58347 29.3 4 3.367 1.96 5 ∞(絞り) 2.25 6 −17.095 4.5 3 1.49142 57.8 7 −5.492 11.4 8 ∞ 0.7 4 1.51633 64.1 9 ∞
【0032】非球面 第4面 第7面 K= 0.357813 K=−0.226095 A=−0.204130E−3 A=−0.920824E−5 B=−0.102485E−3 B=−0.135284E−4 D= 0.153249E−4 D= 0.563163E−6 F=−0.203825E−5 F=−0.146830E−7
【0033】条件値の値 |f2|/f3=0.79,f1/f=0.72,R1/(D1+D2+D3+D4) =0.92,|R7|/(D5+D6)=0.81
【0034】実施例5 f=20,F/No=4,m=0.088,ω=23.7,Y=108 i Rii j Nj νj 1 6.155 3.48 1 1.81600 46.6 2 13.179 0.27 3 11.405 1.0 2 1.58347 29.3 4 3.345 2.6 5 ∞(絞り) 3.64 6 −19.928 3.13 3 1.49142 57.8 7 −5.379 11.82 8 ∞ 0.7 4 1.51633 64.1 9 ∞
【0035】非球面 第4面 第7面 K= 0.341036 K=−0.482758 A=−0.243173E−3 A=−0.111359E−3 B=−0.631643E−4 B=−0.142996E−4 D= 0.867374E−5 D= 0.517651E−6 F=−0.113752E−5 F=−0.153651E−7
【0036】条件値の値 |f2|/f3=0.61,f1/f=0.58,R1/(D1+D2+D3+D4) =0.84,|R7|/(D5+D6)=0.79
【0037】実施例6 f=20,F/No=4,m=0.088,ω=23.7,Y=108 i Rii j Nj νj 1 6.065 3.13 1 1.81600 46.6 2 11.82 0.1 3 7.534 1.0 2 1.58347 29.3 4 3.376 2.02 5 ∞(絞り) 2.16 6 −14.392 4.5 3 1.49142 57.8 7 −6.043 11.24 8 ∞ 0.7 4 1.51633 64.1 9 ∞
【0038】非球面 第4面 第7面 K= 0.323758 K=−0.242712 A=−0.343390E−3 A=−0.890194E−4 B= 0.469775E−4 B=−0.164461E−4 D=−0.175042E−4 D= 0.652495E−6 F= 0.130424E−5 F=−0.180486E−7
【0039】条件値の値 |f2|/f3=0.64,f1/f=0.61,R1/(D1+D2+D3+D4) =0.97,|R7|/(D5+D6)=0.91
【0040】図2,3に実施例1に関する収差図を示
す。また図4,5に実施例2に関する収差図を示す。図
6,7に実施例3に関する収差図を示す。図8,9に実
施例4に関する収差図を示す。図10,11に実施例5
に関する収差図を示す。図12,13に実施例6に関す
る収差図を示す。
【0041】これら収差図において、はそれぞれ、
波長587.56nm(d線),546.07nmに関
するものであることを示す。また非点収差の図における
Sはサジタル、Mはメリディオナルを示す。
【0042】各実施例とも収差は良好に補正されてい
る。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば新規な
原稿読取用レンズを提供できる。このレンズは3群3枚
構成と構成枚数が少ないため小型に実現でき、3枚のレ
ンズのうちの2枚までが安価な樹脂材料で形成されるた
め安価に実現できる。しかも、F/No=4と明るく、
半画角24度程度と広画角である。また温度変化による
像面の移動量が小さいので、像面の移動を機械的に補正
する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原稿読取用レンズのレンズ構成を示す
図である。
【図2】実施例1に関する収差図である。
【図3】実施例1に関する収差図である。
【図4】実施例2に関する収差図である。
【図5】実施例2に関する収差図である。
【図6】実施例3に関する収差図である。
【図7】実施例3に関する収差図である。
【図8】実施例4に関する収差図である。
【図9】実施例4に関する収差図である。
【図10】実施例5に関する収差図である。
【図11】実施例5に関する収差図である。
【図12】実施例6に関する収差図である。
【図13】実施例6に関する収差図である。
【符号の説明】
1 第1群の正レンズ 2 第2群の負レンズ 3 第3群の正レンズ 6 絞り

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側から像側へ向かって順次、第1ない
    し第3群を配してなり、第2,第3群間に絞りを有し、 第1群は凸面を物体側に向けた正メニスカスレンズ、 第2群は凹面を像側に向けた負メニスカスレンズ、 第3群は凸面を像側に向けた正メニスカスレンズであっ
    て、 第2,第3群が樹脂材料により形成され、これら第2群
    および第3群がそれぞれ、少なくとも1つ非球面を有
    し、 第j群(J=1〜3)レンズのd線に対するアッベ数及
    び焦点距離を、それぞれjをサフィックスとしてνj
    びfj、全系の合成焦点距離をfとするとき、 (1) 29<ν2<33 (2) 55<ν3<62 (3) 0.6<|f2|/f3<0.8 (4) 0.5<f1/f<1.0 なる条件を満足し、 物体側から数えて第i番目の面(絞り面を含む)の曲率
    半径をiをサフィックスとしてRi(i=1〜7)、物
    体側から数えて第i番目の面とi+1番目の面との光軸
    上の面間隔をiをサフィックスとしてDiとするとき、 (5) 0.8<R1/(D1+D2+D3+D4)<1.0 (6) 0.7<|R7|/(D5+D6)<1.2 なる条件を満足することを特徴とする原稿読取用レン
    ズ。
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