JP3080504U - 木材チップボード - Google Patents

木材チップボード

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JP3080504U
JP3080504U JP2001001503U JP2001001503U JP3080504U JP 3080504 U JP3080504 U JP 3080504U JP 2001001503 U JP2001001503 U JP 2001001503U JP 2001001503 U JP2001001503 U JP 2001001503U JP 3080504 U JP3080504 U JP 3080504U
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JP
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phenol resin
wood chip
wood
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board
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JP2001001503U
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Inventor
茂 八木
Original Assignee
株式会社矢板加工産業
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材チップとフェノール樹脂の相互の特性を
活用して、デザイン性に優れた表面材と木材チップとが
一体的に成形できるボードを開発する。 【解決手段】本考案木材チップボードは、フェノール樹
脂を20〜40wt%に含浸させた木材チップの表裏面
の双方又はいずれか一方に、フェノール樹脂の浸透性に
優れた素材で形成した表面材を被設し、該表面材に加圧
加熱過程で軟化したフェノール樹脂を浸透させると共に
上記木材チップを圧縮した後の冷却固化により密組織に
一体化させて成ることを特徴として構成される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、木材チップをフェノール樹脂で結合させたボードに関し、更に詳細 には、木材チップとフェノール樹脂との特性を活用して、表裏面の板材と芯材と しての木材チップとを一体的に成形して得る木材チップボードに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、建築廃材、土木廃材等から多くの廃材が排出され、それを焼却するだけ では、資源保護の観点から問題のあるものと指摘されている。 そこで、本考案者らは、廃材をチップ状に砕いて、それをフェノール樹脂で結 合させてボードとして再利用しようとする研究に長年努めているが、しかし、木 材チップがそのまま剥き出しであると、商品として付加価値が低いという欠点を 残していた。 そこで、木材チップの表裏面に化粧やデザインを施したボードを開発しようと 試みたが、製造方法を複雑化すると商品価格が高価となるという矛盾に逢着した 。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
そこで本考案は、木材チップとフェノール樹脂の相互の特性を活用して、デザ イン性に優れた表面材と木材チップとが一体的に成形できるボードの開発を狙い としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案木材チップボードは、フェノール樹脂を20〜40wt%に含浸させた 木材チップの表裏面の双方又はいずれか一方に、フェノール樹脂の浸透性に優れ た素材で形成した表面材を被設し、該表面材に加圧加熱過程で軟化したフェノー ル樹脂を浸透させると共に上記木材チップを圧縮した後の冷却固化により密組織 に一体化させて成ることを特徴として構成される。
【0005】
【考案の実施の形態】
先ず、建築現場、土木現場等から排出される建築廃材、土木廃材等を破砕機で 直径約6mm程度のチップ状に粉砕する。 該廃材には、建築材等から排出される杉材、ラワン材、バツメラ等の一般的廃 材を広く対象とする。 そして、該廃材は粉砕に当たって、含水率を約4wt%以下に乾燥させるが、 これは、4wt%以下とした場合木材チップ1の有する孔隙がスポンジ様の吸収 効果を発揮すると共に、外から一定の圧力が掛かった場合に液を吐き出す弾辱性 を保つからである。
【0006】 次いで、フェノール樹脂をメタノール等の溶剤で溶かした溶液の槽を設け、該 フェノール樹脂には、フェノールをホルムアルデヒドを塩基性触媒の下で加熱反 応させて得たレゾール型のものを用いる。 フェノール樹脂は、粘度が高いので、メタノール溶剤で希釈して含浸の可能な 粘度とする為であり、例えば、樹脂:メタノールを7:3程度の割合で混合する 。
【0007】 上記フェノールの槽に木材チップ1を含浸させ、これを適当時間含浸状態に保 つ。 ここで適当時間とは、必要量のフェノール樹脂が含浸されるに適当な時間 をいい、その必要量とは後工程でメタノールを蒸散させたときに、フェノール樹 脂分が木材に対して20〜40wt%残存する量をいう。 含浸割合を約20〜40wt%としたのは、約40wt%を越えると、フェノ ール樹脂としての強度は増すが、ヒビ割れ等が入りやすく、且つ、経済的に高価 となり、一方、20wt%以下となると、一応固まっても、ボードとしての物理 的強度が不足するからである。
【0008】 次に、含浸した木材チップ1を取り出し、メタノールを蒸散させる。すると、 モノマー又はオリゴマー状態にあるフェノール樹脂は、表面が固化し、ベトベト 感のないサラサラした状態となるので取扱いが容易となり、これを敷き詰め、型 内に充填する。
【0009】 一方、表面材2としてフェノール樹脂の浸透性に優れた木質素材を用い、これ を上記充填後の中芯材の表裏面の双方又はいずれか一方に重ね合わせて組み合わ る。ここでフェノール樹脂の浸透性に優れた木質素材とは、組織内に一定の通孔 や空隙を備えたフェノール樹脂を良好に浸透させる木質材をいい、例えば、合板 やカンナ屑等を指す。カンナ屑は、木材を鉋で切削加工する過程で生じる屑材で 、厚さ0.1〜0.3mm程度の薄皮状の形態で、表面に木目模様が浮き彫りに 表出されている。 該表面材2と木材チップ1とを組み合わせたものを、熱プレス機により、以下 の工程により加圧する。 (a)先ず、60分程度の間は、加圧下で熱を徐々に上昇させる。すると、フ ェノールとホルマリンとの間で架橋反応が開始されるが、比較的低温のこの間は 、わずかの反応にとどまる。
【0010】 (b)次いで、温度が100℃付近に至った時点で、温度上昇を停止させ、約 30分の間温度を100℃付近に保つ。 すると、先ず、反応中間体としてのフェノール樹脂に一種の軟化が惹起され、 チップ表面に浸透していたフェノール樹脂が液状化し、加えられた圧力に押され て外側、つまり表面材2側へと徐々に浸透していく。 即ち、軟化した樹脂に圧力が加えられると、膨出が起こり、それが空隙性にと んだ表面材2に吸収される形態で浸透し、表面材2の表側に達する。
【0011】 更に、100℃付近に温度を維持すると、チップ内部に浸透していたフェノー ル樹脂にも液状化が及び、圧力で外へと浸みだしが起こり、このとき急激にチッ プ嵩容積が減少し、恰もスポンジが縮むかのように全体が圧縮される現象が起こ る。 即ち、樹脂の軟化が最高に達すると、チップ相互を固定させていた固化樹脂の 抗力が失われ、外部圧力によって絡み合いが潰され、チップ組成全体が弾辱体の ように縮む現象が惹起される。その結果、チップ相互の噛み合いが密となり、緻 密な組成構造に変化する。
【0012】 このとき、100℃付近に約30分程度保つことが重要で、もし、この工程を 経ることなく、直線状に温度上昇を続けると、即座に硬化反応が開始され、ボー ド側への樹脂の浸透や、圧縮を伴う組織変化は困難となる。
【0013】 (c)上記、表面材への浸透及びチップ組成の変化がなされた後、加圧力を強 めつつ再度加熱を始める。すると、120〜130℃付近でフェノール樹脂の硬 化反応が開始され、分子間に架橋反応が進行し、上記軟化した樹脂間に硬化反応 が進む。同時に加圧による押圧力で木材チップ1同志が食い込み、固い組織が形 成される。 即ち、浸透したフェノール樹脂が硬化して結合力が生まれると共に、一定強度 を備えたチップが互いに交絡し合って食い込み効果を生み、二重の意味で強い結 合力が得られる。
【0014】 その結果、外側表面材2に浸透したフェノール樹脂3と芯材としての木材チッ プ1に含浸した樹脂とが一連に連続した形態で硬化反応が進んで一体化が促され 、且つ、該芯材としてのチップ組成が緻密な構造に変換された形態で固化される 。 ここに、フェノール樹脂3を20〜40wt%に含浸させた木材チップ1の表 裏面の双方又はいずれか一方に、フェノール樹脂の浸透性に優れた素材で形成し た表面材2を被設し、該表面材2に加圧加熱過程で軟化したフェノール樹脂3を 浸透させると共に上記木材チップ1を圧縮した後の冷却固化により密組織に一体 化させて成る木材チップボードが得られる。 該木材チップボードは、全体が緻密で、物理的強度に優れると共に、装飾性に 優れた合板やカンナ屑等の表面材によりデザイン性に富んだボードとなる。
【0015】
【実施例1】 <合板> 木材を約6mm程度のチップ状に粉砕し、該チップ状の木材を乾燥させて、含 浸率を4wt%とした。この乾燥させた木材チップにフェノール樹脂を含浸させ て、再度乾燥し、フェノール樹脂の含浸割合を25wt%とした。該フェノール 樹脂を含浸させた木材チップを厚み2.5mmの合板で挟み込むようにして、熱 プレス機内にセットした。熱プレスの温度を上昇させながら、加圧し、約60分 で100℃付近にまで昇温させ、その後100℃の温度付近で昇温を停止し、3 0分間その温度を維持し、ボード側への樹脂の浸透と、圧縮を伴う組織変化が惹 起された。その後、加熱を開始し、30分で135℃程度にまで昇温し、硬化反 応を促した。プレス終了後、取り出して、自然冷却し、木材チップと合板とが一 体化されたボードを得た。
【0016】
【実施例2】 <カンナ屑> 実施例1と同様に、木材を約6mm程度のチップ状に粉砕し、該チップ状の木 材を乾燥させて、含浸率を4wt%とし、木材チップにフェノール樹脂を含浸さ せて、再度乾燥し、フェノール樹脂の含浸割合を25wt%とした。 熱プレス機の下面にカンナ屑を10〜15層くらいになる厚みで敷き、その上 にフェノールを含浸させ木材チップを7mm程度に載せ、さらにその上にカンナ 屑を上記と同様10〜15層程度に敷設した。 実施例1と同様に熱プレスの温度を上昇させながら、加圧し、約60分で10 0℃付近にまで昇温させ、その後100℃の温度付近で昇温を停止し、30分間 その温度を維持し、ボード側への樹脂の浸透と、圧縮を伴う組織変化が惹起され た。その後、加熱を開始し、30分で135℃程度にまで昇温し、硬化反応を促 した。プレス終了後、取り出して、自然冷却し、木材チップとカンナ屑とが一体 化されたボードを得た。カンナ屑の表面には木目模様が浮き彫りに表出され、且 つ、数十枚がランダムに重ねられるので、独特のデザイン性が得られた。
【0017】
【考案の効果】
以上の構成に基づく本考案は、以下の如き優れた効果を奏する。
【0018】 木質素材のフェノール樹脂吸収性とフェノール樹脂の軟化性、浸透性、硬化性 等を活用して、簡潔な工程で、表面材と木材チップとを一体的に成形することに より、表面の装飾性、デザイン性に富んだ付加価値の高いボードが得られる。
【0019】 木材チップボードの組成が緻密なものに変換されるので、製品として、耐屈曲 性、耐衝撃性、引張強度等の物理的強度に優れ、且つ、家具、建築素材等として 取扱いの便宜性に優れた製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案木材チップボードの一部切欠拡大断面
図。
【図2】本考案チップボードの製造過程を模式的に示す
模式的断面図で、(A)が圧縮前、(B)が圧縮後を示
す。
【図3】木材チップから表面材へとフェノール樹脂が浸
透する状態を模式的に描いた断面図。
【符号の説明】
1 木材チップ 2 表面材 3 フェノール樹脂

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂を20〜40wt%に含
    浸させた木材チップの表裏面の双方又はいずれか一方
    に、フェノール樹脂の浸透性に優れた素材で形成した表
    面材を被設し、該表面材に加圧加熱過程で軟化したフェ
    ノール樹脂を浸透させると共に上記木材チップを圧縮し
    た後の冷却固化により密組織に一体化させて成ることを
    特徴とする木材チップボード。
  2. 【請求項2】 表面材が合板である請求項1記載の木材
    チップボード。
  3. 【請求項3】 表面材がカンナ屑である請求項1記載の
    木材チップボード。
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