JP3079281U - 棺 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 故人を忍びながら送る葬儀にふさわしく華美
にならず、重厚で落ち着きがあり、安価で容易に製作が
可能で且つ燃焼時に有害なガスの発生や残留物の生ずる
ことのない棺とする。 【解決手段】 上面が開口した中空形状の本体２と、本
体２の上面開口部に着脱可能に装着する蓋体３から成る
木製の棺１に於いて、本体２と蓋体３の外側面に着色し
た樹脂塗料で塗装を施す。本体２と蓋体３又は本体２と
蓋体３の何れか一方の塗装面に蒔絵６を施す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、表面に塗装を施した木製の棺に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の棺は木材を削ったままの白木、或いは白木に透明な化学塗料を塗布した ものであった。 又、表面に布を貼着した棺や表面に柄を彫刻した棺も存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

棺は遺体を収納し、火葬場で遺体と共に焼却されてしまうものであるため、簡 単に仕上げられ、粗末なものとなっている。 しかし、葬儀は故人にとっては人生に於ける最後の儀式であり、又遺族にとっ ては故人の為になし得る最後の儀式である。

【０００４】 ところが、祭壇は豪華に飾り立てられているが、肝心の故人を収納している棺 は白木の状態で、上面に金襴布を掛けて豪華に見せかけているが、棺自体は焼却 されるものであるため、あまりにも粗末で故人を忍びながら送る葬儀にはふさわ しくないものとなっている。 そこで、従来上記の様な棺が提案されているが、白木に透明な化学塗料を塗布 したものは外観は白木と殆ど変わらなく、又表面に布を貼着したり柄を彫刻した ものは高価となるため一般的でないと共に、製作に時間が掛かる問題点を有して いる。

【０００５】 又、棺は遺体と共に火葬場で焼却するため、焼却時に有害なガス等が発生する と公害ともなり、環境衛生上問題があると共に焼却されずに燃え残る物品で飾り 付けることもできないのである。

【０００６】 上記事情を考慮し、本考案は故人を忍びながら送る葬儀にふさわしく華美にな らず、重厚で落ち着きがあり、安価で容易に製作が可能で且つ燃焼時に有害なガ スの発生や残留物の生ずることのない棺を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案は、上面が開口した中空形状の本体と、この本 体の上面開口部に着脱可能に装着する蓋体から成る木製の棺に於いて、本体と蓋 体の外側面に着色した樹脂塗料で塗装が施され、本体と蓋体の両方又は本体と蓋 体の何れか一方の塗装面に蒔絵が施されていることを特徴とするものである。 又、請求項１の棺に於いて、樹脂塗料はカシュー樹脂であることが好ましい。 又、請求項１又は２の棺に於いて、スクリーン印刷で塗装の表面に模様が表さ れると共に、蒔絵粉が蒔かれて蒔絵が形成されていることを特徴とするものであ る。

【０００８】 上記構成を有する本考案は、本体と蓋体の外側面に着色した樹脂塗料で塗装が施 されているため、黒色、朱色等に着色すれば恰も高級な漆塗装が施されているか のような色艶の外観を呈し、重厚で落ち着きのあるものとなる。 そして、本体と蓋体の両方又は本体と蓋体の何れか一方の塗装面に蒔絵が施さ れているため芸術的な装飾となり、然も華美にならず故人を収納するのにふさわ しい棺となる。 又、樹脂塗料にカシュー樹脂を使用すれば、燃焼時に有害なガスの発生も少な く残留物も生じない。

【０００９】 又、スクリーン印刷で塗装の表面に蒔絵を表すことにより、蒔絵は容易に製作 が可能である。そして、蒔絵を印刷した後、必要な箇所に蒔絵粉を蒔くことによ り、梨地仕上げの蒔絵を簡単に形成することができ、より装飾性の高いものとな る。

【００１０】

【考案の実施の形態】 以下、本考案の一実施の形態を図面に基づき説明する。 図１は本考案本考案棺の斜視図、図２は同上の断面図である。 而して、図中１は上面が開口した中空形状の本体２と、この本体２の上面開口 部に着脱可能に装着する蓋体３から成る木製の棺である。

【００１１】 ４は蓋体３に開閉自在に設けた観音扉である。 ５は本体２及び蓋体３の外側面に形成した塗装層であり、カシュー樹脂を樹脂 塗料として吹き付けて塗装層５を形成する。 樹脂塗料はウレタン樹脂やポリエステル樹脂等でもよいが、カシュー樹脂を使 用すれば自然の樹木より採集したものは勿論、化学合成でも有害なガスの発生が 少ない。

【００１２】 そして、樹脂塗料に黒色、朱色、茶褐色等の着色が施されている。 又、塗装は本体２の外側底面は必ずしも必要ではない。又塗装は本体２及び蓋 体３の内側にも施こすこともできる。 ６は塗装層５の表面に形成した蒔絵であり、蒔絵６はシルクスクリーンを使用 したスクリーン印刷により形成される。 又、スクリーン印刷の後に金粉等の蒔絵粉７を塗装層５の表面に蒔き、梨地仕 上げをした蒔絵とすることもできる。勿論、蒔絵６はスクリーン印刷によらず高 級品として手描きによることもできる。 尚、図面では蒔絵６は本体２と蓋体３の両方に施されているが、本体２と蓋体 ３の何れか一方に施すこともできる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、棺は着色した樹脂塗料で塗装が施されているため、白木の生 地は隠され、樹脂塗料を黒色、朱色等に着色すれば恰も高級な漆塗装のような色 艶の外観を呈し、重厚で落ち着きのあるものとなる。 そして、塗装面にスクリーン印刷で蒔絵が施されているため、芸術的な装飾と なり然も華美にならず、故人の最後を飾るのにふさわしい棺となる。

【００１４】 又、材料も高級な漆を使用せず、蒔絵もスクリーン印刷によるため簡単に製作 が可能で価格も低廉なのとなる。 又、樹脂塗料にカシュー樹脂を使用すれば、燃焼時に有害なガスの発生も少な く、残留物も生じないので公害の恐れはなく、環境衛生上全く問題のない有用な 考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案棺の一実施の形態を示す斜視図である。

【図２】本考案棺の一実施の形態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 棺 ２ 本体 ３ 蓋体 ４ 観音扉 ５ 塗装層 ６ 蒔絵 ７ 蒔絵粉

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面が開口した中空形状の本体と、この
   本体の上面開口部に着脱可能に装着する蓋体から成る木
   製の棺に於いて、本体と蓋体の外側面に着色した樹脂塗
   料で塗装が施され、本体と蓋体の両方又は本体と蓋体の
   何れか一方の塗装面に蒔絵が施されていることを特徴と
   する棺。
2. 【請求項２】 樹脂塗料はカシュー樹脂であることを特
   徴とする請求項１記載の棺。
3. 【請求項３】 スクリーン印刷で塗装の表面に模様が表
   されると共に、蒔絵粉が蒔かれて蒔絵が形成されている
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の棺。