JP3078508U - 点字タイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】視覚障害者だけでなく、視覚健常者にとっても
利用価値の高い点字タイルを提供する。 【解決手段】本考案の点字タイル１は、視覚障害者の歩
行を誘導する凸部１ａを有するとともに、他の部分２と
は異なる色を示す標識３が、上面に表された点字タイル
であって、標識部分３が、他の部分２とは別体をなして
おり、着色剤を含有することにより前記色を示すことを
特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、点字タイルに属する。

【０００２】

【従来の技術】

電車の駅などの公共性の高い建築物では、視覚障害者のために点字タイルが床 に敷設されている。点字タイルは上面に複数の凸部が設けられたタイルで、この 凸部により視覚障害者の歩行を誘導する。点字タイルには平面視において凸部が 円形をなすもの（ポイント状点字タイル）と細長い形をなすもの（ライン状点字 タイル）とがあり、ポイント状点字タイルが前方に注意すべしという意味をもつ のに対し、ライン状点字タイルはその方向に歩行できるという意味をもつ。

【０００３】 また、公共性の高い建築物では、文字、図形等の標識が表された標識板や標識 灯が設置されている。そして、その場所に慣れていない人は、「西」、「東」、 「改札口」、「→」といった標識を見ながら歩行し、こうすることで目的地まで 行くことができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、標識板や標識灯は、通常、天井に吊されるなどして高い位置に設けら れる。よって、歩行者は標識を見るためには上を向かなければならず、その結果 、足下の視界が狭くなる。従って、歩行者、特に高齢の歩行者は、何かにつまず き易くなる。中でも床に敷設された点字タイルにつまずくことが多く、そのため 、視覚健常者は点字タイルを邪魔と思うことさえある。

【０００５】 視覚健常者にとって点字タイルが邪魔とならないための手段として、点字タイ ルの上面にこれとは異なる色のペンキで標識を書くことが考えられる。これによ って、点字タイルが視覚健常者にも利用されるようになる。だが、点字タイルは 多くの人に踏まれるので、時間の経過とともにペンキが剥げ、その結果標識が消 えてしまう。よって、有効な解決手段とは言えない。 それ故、本考案の課題は、視覚健常者にとっても利用価値の高い点字タイルを 提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の点字タイルは、 他の部分とは異なる色を示す標識が、上面に表された点字タイルであって、 標識部分が、他の部分とは別体をなしており、着色剤を含有することにより前 記色を示すことを特徴とする。

【０００７】 本考案の点字タイルでは、上面に他の部分とは異なる色を示す標識が表されて いる。そのため、本考案の点字タイルを建築物の床に敷設すると、視覚健常者は 標識を見るためにこの点字タイルを利用することができる。その上、視覚健常者 は標識を見るためには下方を向けば良いので、足下の視界が広くなり、よって、 標識を見ながら歩行しても点字タイルにつまずくことがない。しかも、本考案の 点字タイルでは、標識部分が別体をなし、含有された着色剤により、色彩を表し ている。そのため、長時間経過しても色が落ちることがなく、従って標識は消え ない。尚、ここで「別体」とは、標識部分と他の部分とが互いに接着剤などで固 定されている場合をも含む意味に用いる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

実施形態の点字タイルの平面図を図１に、そのＸＸ線断面図を図２に示す。 本実施形態の点字タイル１は、平面視正方形をなし、「西」の文字形状の穴が 設けられた黄色の本体部２と、「西」の文字形状をなし、本体部２の穴と嵌合し た灰色の標識部３とからなる。そのため、この点字タイル１の上面には、「西」 という標識が表されている。本体部２及び標識部３はいずれもゴムからなり、接 着剤によって床４に固定される。また、この点字タイル１の上面には、視覚障害 者の歩行を誘導するための円形の凸部１ａが、文字形状の有無如何にかかわらず 縦横に多数（図示の例では３６個）配列して設けられている。従って、本体部２ と標識部３との境界線が凸部１ａを横切り、凸部１ａが本体部２の一部と標識部 ３の一部とで構成されることもある。

【０００９】 本実施形態の点字タイル１は、以下のようにして製造・敷設される。 まず、図３に平面図として示すような正方形をなすゴム製の点字タイルを二つ 成型する。ここで、一つの点字タイルには黄色を示す着色剤を含有させておき、 もう一つには灰色を示す着色剤を含有させておく。次に、「西」という穴を有す るテンプレートを黄色の点字タイルの上面に当てて、この点字タイルをテンプレ ートの穴に沿って切り抜く。切った後、「西」の部分を取り除き、残った部分を 本体部２とする。さらに、同じテンプレートを用いて灰色の点字タイルを同様に 切り、「西」の部分を標識部３とする。そして、本体部２の穴に標識部３を嵌合 する。この状態で本体部２と標識部３とを接着剤で床４に固定する。

【００１０】 尚、製造後に敷設現場で施工するまでの間、搬送中の衝撃などで本体部２から 標識部３が抜けるおそれのある場合は、本体部２に標識部３を嵌合する際に、両 者の接触面（上記切り抜き時の切断面）に接着剤を塗布して互いに固着しておく と良い。

【００１１】 本実施形態の点字タイル１は、凸部１ａが設けられているので視覚障害者に利 用されるとともに、上面に標識が表されているので視覚健常者にも利用される。 また、点字タイル１は床４などに敷設されるので、視覚健常者は標識を見ながら 歩行しても何かにつまずくことがない。さらに、標識部３は、成型前に含有され た着色剤によって灰色を示している。そのため、本実施形態の点字タイル１によ ると、多くの人に踏まれてもまた時間が経過しても、標識が消えることがない。 尚、本実施形態の点字タイル１はポイント状点字タイルであるが、ライン状点字 タイルでも同じ効果が得られる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の点字タイルは、視覚健常者の歩行の邪魔をすることがなく、そればか りか視覚健常者にとっても利用価値が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の点字タイルを示す平面図である。

【図２】図１のＸＸ線断面図である。

【図３】製造段階での実施形態の点字タイルを示す平面
図である。

【符号の説明】

１点字タイル ２本体部 ３標識部 ４床

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】他の部分とは異なる色を示す標識が、上面
   に表された点字タイルであって、標識部分が、他の部分
   とは別体をなしており、着色剤を含有することにより前
   記色を示すことを特徴とする点字タイル。